JPH1023673A - パワーコンディショナおよび分散型電源システム - Google Patents

パワーコンディショナおよび分散型電源システム

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JPH1023673A
JPH1023673A JP8173641A JP17364196A JPH1023673A JP H1023673 A JPH1023673 A JP H1023673A JP 8173641 A JP8173641 A JP 8173641A JP 17364196 A JP17364196 A JP 17364196A JP H1023673 A JPH1023673 A JP H1023673A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】負荷による力率の低下や高調波による系統側へ
の影響を可及的に低減し、また、系統電源の異常時に自
動的に自立運転への切り換えができるようにする。 【解決手段】負荷5よりも系統側の系統電圧および系統
電流をパワーコンディショナ21にフィードバックし、
力率制御および高調波抑制制御を行っている。また、前
記系統側の電圧に基づいて、系統電源4の異常を検出
し、異常のときには、電磁接触器22を自動的に開成す
るとともに、リレー14を自動的に閉成して自立運転に
切り換える一方、系統電源4が正常に復帰したときに
は、電磁接触器22を自動的に閉成するとともに、リレ
ー14を開成して連系運転に切り換えるようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電システ
ム等の分散型電源システムおよび該システムに好適なパ
ワーコンディショナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば太陽光発電による分散型電
源と商用電源(系統電源)とを連系し、太陽光発電によ
って家庭内の機器(負荷)に電力を供給して余った電力
を系統に逆潮流し、太陽光発電だけでは電力が賄えない
場合は、その電力を系統側から供給する分散型電源シス
テムが開発されている。
【0003】このようなシステムには、系統電源が異常
状態となった場合、例えば、停電した場合には、系統電
源との連系を断って太陽電池からの電力を、系統電源と
は異なる自立運転用の出力端子(コンセント)から供給
する、いわゆる自立運転機能を備えたものがあるが、こ
のような自立運転は、太陽電池が発電している場合に限
られ、したがって、夜間には使用できず、また、照度の
変化によって発電電力が大きく変化して電力が安定しな
いといった問題点がある。
【0004】そこで、電力を負荷に安定的に供給するた
めに、図5に示されるように、太陽電池と蓄電池とを備
える自立運転機能を有するシステムが提案されている。
【0005】同図において、1は太陽電池、20はパワ
ーコンディショナ、30は蓄電池システム、4は系統電
源、5は家庭内機器などの負荷、6〜8は第1〜第3ブ
レーカであり、パワーコンディショナ20は、各部を制
御するマイクロコンピュータ90と、逆流防止用ダイオ
ード10と、直流電圧を昇圧する昇圧回路11と、直流
電力を交流電力に変換するインバータ回路12とを備え
ており、蓄電池システム30は、充電コントローラ1
3、第1,第2リレー14,15、放電用ダイオード1
6および複数の蓄電池17とを備えている。
【0006】このような太陽光発電システムにおいて
は、系統電源4と連系した連系運転時には、各ブレーカ
6〜8は、閉成されており、蓄電池システム30の第
1,第2リレー14,15は、開成されている。
【0007】この状態においては、太陽電池1からの直
流電圧は、パワーコンディショナ20の昇圧回路11で
昇圧され、インバータ回路12によって交流電力に変換
されてその交流電力が第2ブレーカ7を介して負荷5に
供給され、余った電力が系統に逆潮流される一方、パワ
ーコンディショナ20からの交流電力で賄えない場合に
は、第3ブレーカ8を介して系統電源4から電力が供給
される。
【0008】ところで、蓄電池17の電力を、系統側に
逆潮流することは禁止されているために、連系運転時に
は、太陽電池1と蓄電池システム30との間の第1,第
2リレー11,12は、上述のように開成されており、
したがって、連系運転時には、太陽電池1から蓄電池1
7に充電することはできず、このため、系統電源4から
別系統の充電ライン25を介して蓄電池17に充電して
いる。
【0009】このようなシステムにおいて、系統電源4
が異常状態となった場合、例えば、停電した場合には、
第2ブレーカ7を手動で開成して系統電源4と切り離
し、さらに、パワーコンディショナ20の図示しないス
イッチを自立運転へ切り換え操作し、これによって、マ
イクロコンピュータ90は、第1リレー14を閉成する
とともに、第2リレー15の開閉を制御して自立運転と
する。この自立運転では、太陽電池1あるいは蓄電池シ
ステム30からの直流電圧が、パワーコンディショナ20
の昇圧回路11で昇圧され、インバータ回路12によっ
て交流電力に変換されてその交流電力が、図示しない自
立運転用の出力端子(コンセント)に供給され、この出
力端子に、負荷が接続される。
【0010】この自立運転においては、太陽電池が発電
していない夜間においても、蓄電池システム30から電
力を供給することができ、また、照度変化によって太陽
電池1の出力電力が変動しても蓄電池システム30から
安定して電力を供給できるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のシステムでは、
パワーコンディショナ20の出力端の電圧および電流を
フィードバックして力率1の制御を行うとともに、高調
波電流の抑制制御を行っているが、負荷5によって力率
が低下したり、負荷5から高調波電流が出力されたりす
ると、系統側では、力率1とはならず、また、系統側が
高調波電流による影響を受けるという難点がある。
【0012】また、従来のシステムでは、系統電源4が
異常状態となった場合には、使用者が、それを判断して
第2ブレーカ7を手動で開成して系統電源4と切り離
し、さらに、パワーコンディショナ20のスイッチを自
立運転へ切り換え操作する一方、自立運転用の出力端子
(コンセント)に負荷を接続しなければならず、一旦停
電状態となることは避けられず、また、操作が面倒であ
るといった難点がある。
【0013】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、負荷による力率の低下や高調波による系統側
への影響を可及的に低減し、また、系統電源の異常時に
自動的に自立運転への切り換えができるようにすること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0015】すなわち、本発明の分散型電源システム
は、太陽電池等の発電源と、該発電源からの直流電力を
交流電力に変換して負荷に供給するパワーコンディショ
ナとを備え、系統電源と連系した連系運転が可能な分散
型電源システムであって、前記パワーコンディショナ
は、前記負荷よりも前記系統電源側の出力に基づいて、
力率制御および高調波抑制制御の少なくとも一方を行う
ものである。
【0016】また、本発明の分散型電源システムは、前
記系統電源とは切り離された自立運転が可能な分散型電
源システムであって、系統電源の異常を検出する検出手
段と、前記負荷と系統電源との間を開閉する開閉手段
と、前記検出手段の出力に基づいて、前記開閉手段の開
閉を自動制御する制御手段とを備えている。
【0017】さらに、本発明の分散型電源システムは、
前記発電源からの直流電力によって充電される蓄電池を
備え、前記系統電源とは切り離された自立運転が可能な
分散型電源システムであって、系統電源の異常を検出す
る検出手段と、前記負荷と系統電源との間を開閉する第
1開閉手段と、前記蓄電池と前記パワーコンディショナ
との間を開閉する第2開閉手段と、前記検出手段の出力
に基づいて、前記第1,第2開閉手段の開閉を自動制御
する制御手段とを備えている。
【0018】本発明のパワーコンディショナは、太陽電
池等の発電源からの直流電力を交流電力に変換して負荷
に供給するパワーコンディショナであって、前記負荷よ
りも系統電源側の出力に基づいて、力率制御および高調
波抑制制御の少なくとも一方を行うものである。
【0019】また、本発明のパワーコンディショナは、
系統電源の異常を検出する検出手段を備え、前記検出手
段の出力に基づいて、前記負荷と前記系統電源との間の
開閉手段の開閉を自動制御するものである。
【0020】本発明の分散型電源システムによれば、該
システムを構成するパワーコンディショナは、負荷より
も系統電源側の出力に基づいて、力率制御および高調波
抑制制御の少なくとも一方を行うので、力率を低下させ
たり、高調波を出力するような負荷があったとしても、
系統側に、その影響が及ばないようにすることができ
る。
【0021】また、本発明の分散型電源システムによれ
ば、系統電源の異常を検出する検出手段と、負荷と系統
電源との間を開閉する開閉手段と、検出手段の出力に基
づいて、開閉手段の開閉を自動制御する制御手段とを備
えているので、系統電源の異常時には、前記開閉手段の
開閉を制御して自立運転に自動的に切り換えることがで
きる一方、系統電源が正常に復帰した時には、前記開閉
手段の開閉を制御して連系運転に自動的に切り換えるこ
とができる。
【0022】さらに、本発明の分散型電源システムによ
れば、蓄電池を備えているので、発電源の発電電力が変
化しても、電力を負荷に安定的に供給することができ
る。
【0023】本発明のパワーコンディショナによれば、
負荷よりも系統電源側の出力に基づいて、力率制御およ
び高調波抑制制御の少なくとも一方を行うので、力率を
低下させたり、高調波電流を出力するような負荷があっ
たとしても、系統側に、その影響が及ばないようにする
ことができる。
【0024】また、本発明のパワーコンディショナによ
れば、系統電源の異常を検出する検出手段を備え、検出
手段の出力に基づいて、負荷と系統電源との間の開閉手
段の開閉を自動制御するので、系統電源の異常時には、
前記開閉手段の開閉を制御して自立運転に自動的に切り
換えることができる一方、系統電源が正常に復帰した時
には、前記開閉手段の開閉を制御して連系運転に自動的
に切り換えることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について詳細に説明する。
【0026】(実施の形態1)図1は、本発明の一つの
実施の形態に係る太陽光発電システムの概略構成図であ
り、図5の従来例に対応する部分には、同一の参照符号
を付す。
【0027】同図において、1は太陽電池、2はパワー
コンディショナ、30は蓄電池システム、4は系統電
源、5は家庭内機器などの負荷、6〜8は第1〜第3ブ
レーカであり、パワーコンディショナ2は、各部を制御
するマイクロコンピュータ9と、逆流防止用ダイオード
10と、直流電圧を昇圧する昇圧回路11と、この昇圧
回路11からの直流電力を交流電力に変換するインバー
タ回路12とを備えており、蓄電池システム30は、蓄
電池17の充電を制御する充電コントローラ13、第
1,第2リレー14,15、放電用ダイオード16およ
び複数の蓄電池17とを備えている。
【0028】この実施の形態の太陽光発電システムで
は、負荷5による力率の低下や高調波電流による系統側
への影響を可及的に低減するために、次のように構成し
ている。
【0029】すなわち、この実施の形態では、連系運転
時には、負荷5よりも系統電源4側の系統電圧および系
統電流を、計器用変圧器(PT)20および変流器(C
T)21をそれぞれ介してパワーコンディショナ2のマ
イクロコンピュータ9にデジタルデータとして取り込
み、マイクロコンピュータ9は、従来と同様に後述のよ
うにして力率1の制御および高調波電流抑制制御を行う
ものである。
【0030】図2は、この実施の形態における力率制御
および高調波抑制制御の動作説明に供するフローチャー
トである。
【0031】先ず、系統電圧および系統電流をデジタル
データに変換して取り込み(ステップn1)、系統電圧
と系統電流との位相差を演算し(ステップn2)、力率
を改善するように、電流位相を演算する(ステップn
3)。一方、系統電圧の同期クロックから基準電流を演
算し(ステップn4)、この基準電流と実電流との誤差
を、電流の歪(高調波歪)をキャンセルするように演算
し(ステップn5)、さらに電流レベルを演算する(ス
テップn6)。
【0032】次に、ステップn3およびステップn6に
おいて、それぞれ演算した電流位相および電流レベル並
びに実電流レベルに基づいて、電流値指令値を演算し
(ステップn7)、量子化し(ステップn8)、さら
に、LCフィルタで平滑化して(ステップn9)正弦波
電流を出力するものである(ステップn10)。
【0033】従来では、負荷5よりもパワーコンディシ
ョナ2側であるパワーコンディショナ2の出力端の電圧
および電流をフィードバックして力率制御および高調波
抑制制御を行っていたのに対して、この実施の形態で
は、以上のようにして負荷5よりも系統電源4側の系統
電圧および系統電流をフィードバックして力率制御およ
び高調波抑制制御を行っているので、力率を低下させた
り、高調波を出力するような負荷5があったとしても、
系統側に、その影響を及ぼすことがない。
【0034】なお、その他の動作は、従来例と同様であ
るので、その説明は、省略する。
【0035】上述の実施の形態では、力率制御および高
調波抑制制御の両者を、負荷5よりも系統電源4側の系
統電圧および系統電流をフィードバックして行うように
構成したけれども、本発明の他の実施の形態として、力
率制御および高調波抑制制御の一方を、負荷5よりも系
統電源4側の系統電圧および系統電流をフィードバック
して行うとともに、他方を、従来と同様に、パワーコン
ディショナ2の出力端の電圧および電流をフィードバッ
クして行うようにしてもよい。
【0036】また、本発明の他の実施の形態として、蓄
電池システムのない太陽光発電システムに適用してもよ
い。
【0037】(実施の形態2)図3は、本発明の他の実
施の形態に係る太陽光発電システムの概略構成図であ
り、上述の実施の形態1に対応する部分には、同一の参
照符号を付す。
【0038】同図において、1は太陽電池、21は本発
明に係るパワーコンディショナ、3は蓄電池システム、
4は系統電源、5は家庭内機器などの負荷、6〜8は第
1〜第3ブレーカ、20は計器用変圧器(PT)、21
は変流器(CT)であり、パワーコンディショナ2
1は、各部を制御するマイクロコンピュータ91と、直流
電圧を昇圧する昇圧回路11と、この昇圧回路11から
の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路12と
を備えており、蓄電池システム3は、蓄電池17の充電
を制御する充電コントローラ13、開閉手段としてのリ
レー14、放電用ダイオード16および複数の蓄電池1
7とを備えるとともに、第2ブレーカ7と第3ブレーカ
8との間に、マイクロコンピュータ91によって開閉が
自動制御される開閉手段としての電磁接触器(MC)2
2を設けている。
【0039】この実施の形態の太陽光発電システムは、
上述の実施の形態1同様に、連系運転時には、負荷5よ
りも系統電源4側の系統電圧および系統電流を、計器用
変圧器20および変流器21を介してフィードバック
し、力率制御および高調波抑制制御を行うものであり、
これによって、実施の形態1と同様に、力率を低下させ
たり、高調波を出力するような負荷5があったとして
も、系統側に、その影響を及ぼすことがない。
【0040】さらに、この実施の形態では、検出手段お
よび制御手段としての機能を有するマイクロコンピュー
タ91は、系統電圧に基づいて系統電源4の異常を検出
し、系統電源4の異常時には、電磁接触器22を開成す
るとともに、リレー14を閉成して自立運転に自動的に
切り換える一方、系統電源4が正常に復帰したときに
は、電磁接触器22を閉成するとともに、リレー14を
開成して連系運転に自動的に切り換えるようにしてい
る。
【0041】また、この実施の形態では、蓄電池17へ
の充電経路を、蓄電池17から放電用ダイオード16お
よびリレー14を介する放電経路とは、別に備えてお
り、この実施の形態では、蓄電池17への充電を、パワ
ーコンディショナ21の昇圧回路11の出力側から充電
コントローラ13を介する充電経路で行うように構成し
ている。
【0042】図4は、系統電源4の異常の有無による運
転切り換えの動作説明に供するフローチャートである。
【0043】先ず、連系運転において、系統電源4は正
常であるか否かを、系統電圧が規定の範囲にあるか否か
によって判断し(ステップn1)、正常でないと判断し
たときには、電磁接触器22を開成して系統電源4と切
り離し(ステップn2)、パワーコンディショナ21
自立運転に変更して自立運転を開始し(ステップn
3)、蓄電池システム付きであるか否かを判断し(ステ
ップn4)、蓄電池システム付きであるときには、蓄電
池システム3のリレー14を閉成する(ステップn
5)。
【0044】次に、この自立運転において、系統電源4
は、正常に復帰したか否かを判断し(ステップn6)、
正常に復帰したときには、一定期間の待機時間を確保す
るために、マイクロコンピュータ91に内蔵の投入遅延
タイマをスタートし(ステップn7)、蓄電池システム
付きであるか否かを判断し(ステップn8)、蓄電池シ
ステム付きであるときには、蓄電池システム3のリレー
14を開成し(ステップn9)、投入遅延タイマによる
一定の遅延時間が経過した後に、電磁接触器22を閉成
し(ステップn10)、パワーコンディショナ21を連
系運転に変更して連系運転を開始するものである(ステ
ップn11)。
【0045】このように系統電源4の異常を検出し、異
常時には、電磁接触器22およびリレー14の開閉を自
動的に制御して自立運転に瞬時に移行し、正常に復帰し
たときには、前記電磁接触器22およびリレー14の開
閉を制御して連系運転に瞬時に移行するので、従来例の
ように、手動でブレーカおよびパワーコンディショナの
スイッチを操作したり、負荷を自立運転用の出力端子に
接続する必要がなく、瞬時に運転を切り換えることがで
き、従来のような運転切り換えによる停電を回避するこ
とができる。
【0046】また、図5の従来例では、太陽電池1とパ
ワーコンディショナ20との接続部から第1リレー14
を介する同一の経路で蓄電池17の充電あるいは放電が
行われたけれども、この実施の形態では、放電経路とは
別に、パワーコンディショナ21の昇圧回路11の出力
側から蓄電池17に充電するように構成しているので、
蓄電池17に充電する際に、パワーコンディショナから
逆充電されることがなく、したがって、パワーコンディ
ショナ21の入力段には、従来例のような逆流防止用ダ
イオード10を設ける必要がなく、これによって、逆流
防止用ダイオード10による電力ロスをなくすことがで
きる。
【0047】しかも、系統電源4と連系した連系運転時
においても、同一の充電経路で蓄電池17に充電するこ
とができ、これによって、従来例のように、連系運転時
に、系統電源から別系統で充電する必要がない。
【0048】さらに、太陽電池1の出力電圧を昇圧する
昇圧回路11の出力によって蓄電池17を充電するの
で、太陽電池1の電圧が、蓄電池17の電圧よりも低い
場合にも充電することが可能となる。
【0049】また、従来例では、放電用ダイオード16
に並列に、充放電を制御するためのリレー15が必要で
あったけれども、この実施の形態では、充電経路と放電
経路とを別にしたので、かかるリレー15を設ける必要
がない。
【0050】なお、充電を制御する充電コントローラ1
3は、満充電時には、過充電を防止し、また、蓄電池か
らの電力をパワーコンディショナに供給しているときに
は、充電を行わないように制御している。
【0051】次に、以上の構成を有する太陽光発電シス
テムの動作を説明する。
【0052】先ず、系統電源4と連系した連系運転時に
は、各ブレーカ6〜8および電磁接触器22は、閉成さ
れており、蓄電池システム3のリレー14は、開成され
ている。
【0053】この状態においては、太陽電池1からの直
流電力は、パワーコンディショナの昇圧回路11で昇圧
され、インバータ回路12によって交流電力に変換され
てその交流電力が第2ブレーカ7を介して負荷5に供給
され、余った電力が、蓄電池17に蓄えられ、さらに系
統に逆潮流される一方、パワーコンディショナ21から
の交流電力で賄えない場合には、第3ブレーカ8および
電磁接触器22を介して系統電源4から供給される。
【0054】この連系運転時においては、上述の実施の
形態1と同様に、力率制御および高調波抑制制御が行わ
れる。
【0055】次に、系統電源4が異常状態となった場
合、例えば、停電した場合には、上述の図4のフローチ
ャートに従って、電磁接触器22を自動的に開成すると
ともに、蓄電池システム3のリレー14を自動的に閉成
して自立運転に切り換える。この自立運転では、太陽電
池1あるいは蓄電池システム3からの直流電圧が、パワ
ーコンディショナ21の昇圧回路11で昇圧され、イン
バータ回路12によって交流電力に変換されてその交流
電力が第2ブレーカ7を介して負荷15に供給され、余
った電力が、昇圧回路11を介して蓄電池17に充電さ
れる。
【0056】なお、系統電源4が正常状態に復帰したと
きには、電磁接触器22を自動的に閉成するとともに、
蓄電池システム3のリレー14を自動的に開成して連系
運転に自動的に切り換え、力率制御および高調波抑制制
御が行われる。
【0057】図3の実施の形態では、系統電源4の異常
を検出して瞬時に運転を切り換えるようにしたけれど
も、従来と同様に手動で運転を切り換える場合には、図
3の仮想線で示されるように、第4ブレーカ23を設置
し、該ブレーカ23を閉成してもよい。
【0058】なお、系統電源の異常の検出は、上述の実
施の形態に限らず、従来の系統保護機能に利用される方
式を用いることができるものであり、例えば、OV(過
電圧)、UV(不足電圧)、OF(過周波数)、UF
(不足周波数)、能動方式あるいは受動方式による単独
運転防止機能などを単独であるいは組み合わせて用いて
もよい。
【0059】上述の実施の形態では、太陽電池を発電源
とした太陽光発電システムに適用して説明したけれど
も、本発明の他の実施の形態として、燃料電池等の他の
発電源を用いた分散型電源システムに適用してもよいの
は勿論である。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、負荷より
も系統電源側の出力に基づいて、力率制御および高調波
抑制制御の少なくとも一方を行うので、力率を低下させ
たり、高調波を出力するような負荷があったとしても、
系統側に、その影響が及ばないようにすることができ
る。
【0061】また、本発明によれば、系統電源の異常時
には、開閉手段の開閉を制御して自立運転に自動的に切
り換えることができる一方、系統電源が正常に復帰した
時には、開閉手段の開閉を制御して連系運転に自動的に
切り換えることができるので、従来のように手動で切り
換え操作を行う必要がなく、また、瞬時の切り換えが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る太陽光発電シ
ステムの概略構成図である。
【図2】図1の実施の形態の動作説明に供するフローチ
ャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る太陽光発電シス
テムの概略構成図である。
【図4】図3の実施の形態の動作説明に供するフローチ
ャートである。
【図5】従来例の太陽光発電システムの概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 太陽電池 2,20,21 パワーコンディショナ 3,30 蓄電池システム 4 系統電源 5 負荷 9,90,91 マイクロコンピュータ 11 昇圧回路 14,15 リレー 22 電磁接触器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02M 7/48 8110−5H H02M 7/48 N H02N 6/00 H02N 6/00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池等の発電源と、該発電源からの
    直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するパワーコ
    ンディショナとを備え、系統電源と連系した連系運転が
    可能な分散型電源システムであって、 前記パワーコンディショナは、前記負荷よりも前記系統
    電源側の出力に基づいて、力率制御および高調波抑制制
    御の少なくとも一方を行うことを特徴とする分散型電源
    システム。
  2. 【請求項2】 前記系統電源とは切り離された自立運転
    が可能な分散型電源システムであって、 系統電源の異常を検出する検出手段と、前記負荷と系統
    電源との間を開閉する開閉手段と、前記検出手段の出力
    に基づいて、前記開閉手段の開閉を自動制御する制御手
    段とを備える請求項1記載の分散型電源システム。
  3. 【請求項3】 前記発電源からの直流電力によって充電
    される蓄電池を備え、前記系統電源とは切り離された自
    立運転が可能な分散型電源システムであって、 系統電源の異常を検出する検出手段と、前記負荷と系統
    電源との間を開閉する第1開閉手段と、前記蓄電池と前
    記パワーコンディショナとの間を開閉する第2開閉手段
    と、前記検出手段の出力に基づいて、前記第1,第2開
    閉手段の開閉を自動制御する制御手段とを備える請求項
    1記載の分散型電源システム。
  4. 【請求項4】 太陽電池等の発電源からの直流電力を交
    流電力に変換して負荷に供給するパワーコンディショナ
    であって、 前記負荷よりも系統電源側の出力に基づいて、力率制御
    および高調波抑制制御の少なくとも一方を行うことを特
    徴とするパワーコンディショナ。
  5. 【請求項5】 系統電源の異常を検出する検出手段を備
    え、前記検出手段の出力に基づいて、前記負荷と前記系
    統電源との間の開閉手段の開閉を自動制御する請求項4
    記載のパワーコンディショナ。
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