JPH10236264A - エアバッグドアを一体に有するインストルメントパ ネル - Google Patents

エアバッグドアを一体に有するインストルメントパ ネル

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JPH10236264A
JPH10236264A JP9042680A JP4268097A JPH10236264A JP H10236264 A JPH10236264 A JP H10236264A JP 9042680 A JP9042680 A JP 9042680A JP 4268097 A JP4268097 A JP 4268097A JP H10236264 A JPH10236264 A JP H10236264A
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door
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airbag
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JP9042680A
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Masahiko Yanagihara
雅彦 柳原
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単層構造又は準単層構造のインストルメント
パネルにおいて、高温環境下でも良好な外観品質を維持
する。 【解決手段】 インストルメントパネル10は、インパ
ネ基材14及びドア基材22を含むエアバッグドア16
によって構成されている。また、インストルメントパネ
ル10は線膨張係数が異なる異種材料(ドア基材22の
線膨張係数>インパネ基材14の線膨張係数)を用いて
二色成形により形成されている。これらを前提とした上
で、ドア基材22の開裂部40の断面形状を、高温環境
下におけるドア基材22の伸びを吸収可能な溝幅を有す
るU字状とした。従って、高温環境下においても、イン
ストルメントパネル10の外観品質を良好に維持するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグドアを
一体に有するインストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】助手席用エアバッグ装置の標準装備の促
進に伴って、エアバッグドアを一体に有するインストル
メントパネルの開発が盛んに行われている。以下、図6
及び図7を用いて、従来のエアバッグドアを一体に有す
るインストルメントパネルの構造の一例について説明す
る。
【0003】図6に示されるように、インストルメント
パネル100の助手席側の頂部所定位置には、平面視で
略矩形状のエアバッグドア102が配設されている。具
体的に説明すると、図7に示されるように、インストル
メントパネル100の本体部を構成するインパネ基材1
04の前記所定位置には、エアバッグドア102を配設
するための略矩形状の開口106が形成されている。さ
らに、開口106の内周縁部には、鉤状の係止部108
が形成されている。
【0004】一方、エアバッグドア102は、開口10
6内へ嵌着されかつ係止部108に係止された状態で配
置される略矩形平板状のドア基材110と、このドア基
材110の裏面側から略車両下方側へ延出されるドア基
材取付部112と、によって構成されている。ドア基材
110の裏面側には、略H状に形成された薄肉の開裂部
114が設けられている。また、ドア基材取付部112
の内側には略箱体状のエアバッグケース116が挿入さ
れ、この状態でエアバッグケース116とドア基材取付
部112とが図示しない固定手段によって固定されてい
る。なお、エアバッグケース116内には、車両前部へ
の所定の高荷重作用時にガスを噴出する円柱状のインフ
レータ118と、このインフレータ118の上方に折り
畳み状態で配置されかつインフレータ118から噴出さ
れたガスによって膨張されるバッグ120と、が収容さ
れている。
【0005】ここで、上述したエアバッグドア102を
一体に有するインストルメントパネル100は、所謂二
色成形によって製造される。すなわち、最初に、硬質
(ハード)な樹脂材料を用いて射出成形することによ
り、インパネ基材104が形成される。なお、このと
き、インパネ基材104に開口106及び係止部108
が形成されるようにしておく。次に、軟質(ソフト)な
樹脂材料を用いて射出成形することにより、インパネ基
材104の開口106内にエアバッグドア102が形成
される。これにより、インパネ基材104にエアバッグ
ドア102が一体化される。なお、エアバッグドア10
2を軟質な樹脂材料で形成するのは、車両前部への所定
の高荷重作用時に、エアバッグドア102のドア基材1
10が開裂部114に沿って開裂して展開した際の当接
荷重を緩和させるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成による場合、インパネ基材104の構成材料とド
ア基材110の構成材料との熱による線膨張係数が異な
る(ドア基材110の線膨張係数>インパネ基材104
の線膨張係数)ことに起因して、ドア基材110の膨張
量の方がインパネ基材104の膨張量よりも相対的には
大きくなる。このため、図7に二点鎖線で示されるよう
に、高温環境下において、エアバッグドア102のドア
基材110が全体的に車室内側へ膨らむように変形する
ことが考えられ、インストルメントパネル100の外観
品質の低下を招くという問題がある。付言すれば、エア
バッグドアを一体に有するインストルメントパネルを二
色成形によって製造したものの開示例としては特開平8
−192666号公報があり、この公報に開示された構
成による場合には前記問題点が指摘される。
【0007】なお、ここで、特筆すべきは、上記問題
は、単層構造のインストルメントパネル(即ち、インパ
ネ基材及びドア基材といった基材層のみによってインス
トルメントパネルが構成されるもの)或いは準単層構造
のインストルメントパネル(即ち、インパネ基材及びド
ア基材といった基材層と、当該基材層の表面に外観品質
向上のために貼着された2mm程度の表皮層、とによっ
てインストルメントパネルが構成されるもの)の場合に
顕著に現れることが予想され、三層構造のインストルメ
ントパネル(即ち、インパネ基材及びドア基材といった
基材層と、当該基材層に対して離間して配置された表皮
層と、基材層と表皮層との間に充填されたウレタンの発
泡層と、によってインストルメントパネルが構成される
もの)の場合には前記問題点が顕著に現れることはない
という点である。
【0008】つまり、単層構造又は準単層構造のインス
トルメントパネルの場合には、日射等による熱を基材層
が直接又はほぼ直接受けることになるが、三層構造のイ
ンストルメントパネルの場合には、当該熱を基材層が直
接受けることはなく表皮層及び発泡層を介して受けるこ
とになる。このため、三層構造のインストルメントパネ
ルの基材層の車室内側(表皮側)への変形量は、単層構
造又は準単層構造のインストルメントパネルに比べれば
僅かである。さらに、三層構造のインストルメントパネ
ルの基材層に車室内側への変形が生じたとしても、発泡
層を構成するウレタンが弾性変形することによって当該
変形を吸収することができる。
【0009】上述したことから、単層構造又は準単層構
造のインストルメントパネルにおいて上記問題点を解決
することが、技術的には大きな意味があるといえる。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、単層構造又は
準単層構造のインストルメントパネルにおいて、高温環
境下でも良好な外観品質を維持することができるエアバ
ッグドアを一体に有するインストルメントパネルを得る
ことが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、インパネ基材と当該インパネ基材の助手席側所定位
置に配置され車両前部への所定の高荷重作用時にバッグ
膨張圧で所定の開裂部に沿って開裂して展開するドア基
材といった基材層のみから成る単層構造、或いは前記基
材層の表面に表皮層が付加されて成る準単層構造によっ
て構成されると共に、ドア基材の線膨張係数の方がイン
パネ基材の線膨張係数よりも大きい関係にある異種材料
を用いて二色成形することによりドア基材をインパネ基
材に一体化させたエアバッグドアを一体に有するインス
トルメントパネルであって、ドア基材に設けられた前記
開裂部の断面形状を、高温環境下におけるドア基材の伸
びを吸収可能な溝幅を有するU字状とした、ことを特徴
としている。
【0012】請求項2記載の本発明は、インパネ基材と
当該インパネ基材の助手席側所定位置に配置され車両前
部への所定の高荷重作用時にバッグ膨張圧で所定の開裂
部に沿って開裂して展開するドア基材といった基材層の
みから成る単層構造、或いは前記基材層の表面に表皮層
が付加されて成る準単層構造によって構成されると共
に、ドア基材の線膨張係数の方がインパネ基材の線膨張
係数よりも大きい関係にある異種材料を用いて二色成形
することによりドア基材をインパネ基材に一体化させた
エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル
であって、ドア基材における前記開裂部の周囲に、高温
環境下におけるドア基材の伸びを吸収可能な溝幅を有す
るU字状の溝部を設けた、ことを特徴としている。
【0013】請求項1記載の本発明によれば、インパネ
基材と当該インパネ基材の助手席側所定位置に配置され
車両前部への所定の高荷重作用時にバッグ膨張圧で所定
の開裂部に沿って開裂して展開するドア基材といった基
材層のみから成る単層構造、或いは前記基材層の表面に
表皮層が付加されて成る準単層構造によって、インスト
ルメントパネルが構成される。また、本発明によれば、
ドア基材の線膨張係数の方がインパネ基材の線膨張係数
よりも大きい関係にある異種材料を用いて二色成形する
ことにより、ドア基材がインパネ基材に一体化される。
これらの点が、本発明に係るエアバッグドアを一体に有
するインストルメントパネルの前提要件となる。
【0014】ここで、ドア基材の線膨張係数の方がイン
パネ基材の線膨張係数よりも大きい関係にある異種材料
を用いて二色成形することにより、ドア基材をインパネ
基材に一体化させているため、高温環境下になると、ド
ア基材の方がインパネ基材よりも相対的に大きく伸びる
(膨張する)。しかし、本発明によれば、ドア基材に設
けられた開裂部の断面形状を高温環境下におけるドア基
材の伸びを吸収可能な溝幅を有するU字状としたので、
前記の如くドア基材がインパネ基材よりも相対的に大き
く伸びたとしても、当該伸びはU字状断面の開裂部がそ
の溝幅が狭くなる方向へ弾性変形することにより吸収さ
れる。このため、本発明によれば、ドア基材が全体的に
車室内側へ膨らむように変形するのを防止することがで
きる。
【0015】請求項2記載の本発明も、請求項1記載の
発明と同様の事項を前提要件としている。従って、本発
明においても、高温環境下になると、ドア基材の方がイ
ンパネ基材よりも相対的に大きく伸びる(膨張する)。
しかし、本発明では、ドア基材における開裂部の周囲
に、高温環境下におけるドア基材の伸びを吸収可能な溝
幅を有するU字状の溝部を設けたので、前記の如くドア
基材がインパネ基材よりも相対的に大きく伸びたとして
も、当該伸びは前記溝部がその溝幅が狭くなる方向へ弾
性変形することにより吸収される。このため、本発明に
よっても、ドア基材が全体的に車室内側へ膨らむように
変形するのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕以下、図1〜図3を用いて、第1実施
形態について説明する。なお、この第1実施形態が請求
項1記載の本発明の一実施形態に相当する。
【0017】図2には、インストルメントパネル10の
斜視図が示されている。この図に示されるように、イン
ストルメントパネル10の頂部における助手席側所定位
置には、助手席用のエアバッグ装置12が配設されてい
る。
【0018】また、図1には、エアバッグ装置12の縦
断面構造が示されている。この図に示されるように、イ
ンストルメントパネル10は、線膨張係数が小さい比較
的硬質な樹脂材料を用いて形成されたインパネ基材14
と、線膨張係数が大きい比較的軟質な樹脂材料を用いて
形成されたエアバッグドア16と、によって構成されて
いる。具体的には、最初に、助手席側所定位置に略矩形
状の開口18が形成されるようにかつ当該開口18の内
周縁に鉤状の係止部20が形成されるように、所定形状
のインパネ基材14が射出成形により形成される。続い
て、インパネ基材14における開口18の形成位置に、
当該開口18を閉塞する略矩形平板状のドア基材22及
びこのドア基材22の裏面の内周縁から略車両下方側へ
突出されるドア基材取付部24から成るエアバッグドア
16が射出成形により形成される。すなわち、所謂二色
成形することにより、エアバッグドア16のドア基材2
2がインパネ基材14に一体化されるようになってい
る。また、上述したことから判るように、本実施形態に
係るインストルメントパネル10は、インパネ基材14
及びドア基材22といった基材層のみから成る単層構造
のインストルメントパネルである。
【0019】なお、上述したエアバッグドア16のドア
基材取付部24の下縁側には所定幅のスリット26が形
成されており、このスリット26を利用して金属製かつ
略箱体形状のエアバッグケース28が取り付けられてい
る。具体的には、エアバッグケース28は、その開放端
側の前縁部28A及び後縁部28Bがそれぞれ折り返さ
れて前壁部28C及び後壁部28Dに密着されている。
さらに、前壁部28C及び後壁部28Dにおける前縁部
28A及び後縁部28Bの下方側には、断面略コ字形の
フック30が溶接によりそれぞれ固着されている。これ
らのフック30が前述したドア基材取付部24のスリッ
ト26に係止されており、これによりエアバッグケース
28がエアバッグドア16に取り付けられている。な
お、フック30は、必ずしも後付けで設ける必要はな
く、切起こしにより一体に形成するようにしてもよい。
また、エアバッグケース28は、ドア基材22が展開す
る際の展開荷重並びに後述するバッグ34の膨張荷重を
車体側に確実に伝達させるべく、車両幅方向を長手方向
として配置された高強度のインパネリインフォース(図
示省略)にステーを介して固定されている。
【0020】また、上述したエアバッグケース28の内
部下方には、円柱形状のインフレータ32が配設されて
いる。より具体的には、エアバッグケース28の一方の
側壁部の底部側には大径孔(図示省略)が形成されてお
り、又他方の側壁部には大径孔と同軸上に小径孔(図示
省略)が形成されている。そして、大径孔側からインフ
レータ32がエアバッグケース28の内部下方側に挿入
されて、インフレータ32の軸心部から突出するネジ部
(図示省略)を小径孔から突出させ、更にネジ部の貫通
端部にナットを螺合させることにより、インフレータ3
2がエアバッグケース28の内部下方側に固定されてい
る。なお、インフレータ32は図示しないセンサが車両
急減速状態を検出することにより作動して、周面に形成
されたガス噴出孔からガスを噴出するようになってい
る。
【0021】また、エアバッグケース28の内部上方側
には、折り畳み状態のバッグ34が配設されている。な
お、バッグ34の端末部34Aは、エアバッグケース2
8の前壁部28C及び後壁部28Dにボルト36及びナ
ット38といった固定手段によって固定されている。
【0022】また、上述したエアバッグドア16のドア
基材22の表面側には、車両幅方向を長手方向とする横
方向開裂部40Aと、この横方向開裂部40Aの両端部
に直交して形成され車両前後方向を長手方向とする一対
の縦方向開裂部40B(図2参照)と、から成り、平面
視でH形状とされた開裂部40が形成されている。これ
により、ドア基材22に、所定値以上のバッグ膨張圧が
作用することにより破断して両開きに展開する一対の基
材展開部42、44が形成されている。
【0023】ここで、本実施形態では、図3に拡大して
示されるように、上述した開裂部40の断面形状がU字
状に形成されている。このU字状の開裂部40の溝幅B
は、ドア基材22の線膨張係数を考慮した上で、高温環
境下におけるドア基材22の伸びを吸収可能な寸法に設
定されている。
【0024】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。車両前部への所定の高荷重作用時、即ち車
両急減速時になると、この状態がセンサによって検出さ
れ、インフレータ32のガス噴出孔からガスが噴出され
る。このため、バッグ34内にガスが流入され、バッグ
34が膨張し始める。これに伴い、エアバッグドア16
のドア基材22の裏面にバッグ34による膨張圧が作用
する。この膨張圧が所定値以上になると、ドア基材22
が開裂部40に沿って破断され、一対の基材展開部4
2、44が互いに離反する方向へ両開きに展開される。
その結果、バッグ34が助手席側へ膨出される。
【0025】ところで、本実施形態のインストルメント
パネル10は、インパネ基材14と当該インパネ基材1
4の助手席側所定位置に配置され車両前部への所定の高
荷重作用時にバッグ膨張圧で略H形状の開裂部40に沿
って開裂して展開するドア基材22といった基材層のみ
から成る単層構造によって構成されている。また、本実
施形態のインストルメントパネル10は、ドア基材22
の線膨張係数の方がインパネ基材14の線膨張係数より
も大きい関係にある異種材料を用いて二色成形すること
により、ドア基材22をインパネ基材14に一体化させ
るようになっている。これらの点を前提要件とする本実
施形態に係るインストルメントパネル10では、以下に
説明する作用並びに効果が得られる。
【0026】前述した如く、ドア基材22の線膨張係数
の方がインパネ基材14の線膨張係数よりも大きい関係
にある異種材料を用いて二色成形することにより、ドア
基材22をインパネ基材14に一体化させているため、
高温環境下になると、ドア基材22の方がインパネ基材
14よりも相対的に大きく伸びる(膨張する)。しか
し、本実施形態によれば、ドア基材22に設けられた開
裂部40の断面形状を高温環境下におけるドア基材22
の伸びを吸収可能な溝幅Bを有するU字状としたので、
前記の如くドア基材22がインパネ基材14よりも相対
的に大きく伸びたとしても、図3に二点鎖線で示される
如く、当該伸びはU字状断面の開裂部40がその溝幅が
狭くなる方向へ弾性変形することにより吸収される。こ
のため、本実施形態によれば、ドア基材22が全体的に
車室内側へ膨らむように変形するのを防止することがで
きる。その結果、本実施形態によれば、高温環境下にお
いても、インストルメントパネル10の外観品質を良好
に維持することができる。
【0027】また、本実施形態によれば、ドア基材22
の伸びを上記の如くして吸収することができるので、ド
ア基材22の材料選択の自由度を高めることができる。 〔第2実施形態〕次に、図4及び図5を用いて、第2実
施形態について説明する。なお、この第2実施形態が請
求項2記載の本発明の一実施形態に相当する。また、前
述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番
号を付してその説明を省略することにする。
【0028】図4及び図5に示されるように、この実施
形態では、ドア基材50及びドア基材取付部52から成
るエアバッグドア54において、ドア基材50における
開裂部56の周囲(即ち、インパネ基材14の開口18
の内周縁に沿う位置)に、高温環境下におけるドア基材
50の伸びを吸収可能な溝幅Cを有するU字状の溝部5
8が形成されている。なお、本実施形態では、ドア基材
50の伸び吸収用の溝部58を別個独立に設定している
ことから、前述した第1実施形態とは異なる裏面視で略
H形状とされた開裂部56が採用されている。
【0029】本実施形態においても、前述した第1実施
形態と同様の事項を前提要件としているため、高温環境
下になると、ドア基材50の方がインパネ基材14より
も相対的に大きく伸びる(膨張する)。しかし、本実施
形態によれば、ドア基材50における開裂部56の周囲
に、高温環境下におけるドア基材の伸びを吸収可能な溝
幅Cを有するU字状の溝部58を形成したので、前記の
如くドア基材50がインパネ基材14よりも相対的に大
きく伸びたとしても、当該伸びは溝部58がその溝幅が
狭くなる方向へ弾性変形することにより吸収される。こ
のため、本実施形態によっても、ドア基材50が全体的
に車室内側へ膨らむように変形するのを防止することが
でき、ひいてはインストルメントパネル64の外観品質
を良好に維持することができる。
【0030】また、本実施形態においても、ドア基材5
0の伸びを上記の如くして吸収することができるので、
ドア基材50の材料選択の自由度を高めることができ
る。
【0031】さらに、本実施形態のインストルメントパ
ネル64によれば、高温環境下におけるドア基材50の
伸びを吸収可能な溝幅Cを有するU字状の溝部58を、
ドア基材50における開裂部56の周囲に設けたので、
当該溝部58をドア基材50の展開時におけるヒンジと
して利用することができる。このため、ドア基材50の
ヒンジと伸び吸収用の溝部とを別個独立に設定する場合
に比し、構造の簡素化を図ることができ、ひいてはイン
ストルメントパネル64の製造コストの削減を図ること
ができる。
【0032】加えて、本実施形態のインストルメントパ
ネル64によれば、開裂部56自体が伸び吸収のために
弾性変形するわけではないので、開裂部56の設定破断
荷重に影響が及ぶのを防止することができる。
【0033】さらに、本実施形態に係るインストルメン
トパネル64によれば、ドア基材50における開裂部5
6の周囲に、高温環境下におけるドア基材50の伸びを
吸収可能な溝幅を有するU字状の溝部58を設ける構成
であるため、ドア基材50の伸び吸収用の溝幅を溝部5
8の前部58Aと後部58Bとに等配分することができ
る。このため、前述した第1実施形態のように開裂部4
0の断面形状をU字状にする場合に比し、図5に示され
る如く、溝部58の右側部58C及び左側部58Dのみ
ならず、溝部58の前部58A及び後部58Bについて
も、その溝幅Cは前述した第1実施形態の溝幅Bの半分
で済む。このため、あまり幅広の溝部を設けずに済むと
いう点で、外観品質の向上に資する。つまり、この溝部
58は車室内側に略矩形枠状に露見されることから、あ
まり幅広の溝部を設定すると外観品質を却って低下させ
るおそれもあるが、本実施形態によれば比較的狭幅の溝
部58を設定することができるので、一種のアクセント
として機能し、インストルメントパネル64の外観品質
の向上に資する。
【0034】また、乗員に対して溝部58で囲まれた範
囲内に一対の基材展開部60、62が存在することを認
知させる上でも、当該枠状の溝部58は有意義なものと
いえる。
【0035】なお、本実施形態では、基材層のみから成
る単層構造のインストルメントパネル10、64に対し
て本発明を適用したが、これに限らず、基材層及びその
表面に付加された表皮層(2mm程度の三層構造の表皮
層等がこれに該当する)から成る準単層構造のインスト
ルメントパネルに対して本発明を適用しても、同様の作
用並びに効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の本発明に係るエアバッグ
ドアを一体に有するインストルメントパネルは、インパ
ネ基材と当該インパネ基材の助手席側所定位置に配置さ
れ車両前部への所定の高荷重作用時にバッグ膨張圧で所
定の開裂部に沿って開裂して展開するドア基材といった
基材層のみから成る単層構造、或いは前記基材層の表面
に表皮層が付加されて成る準単層構造によってインスト
ルメントパネルが構成される点、並びに、ドア基材の線
膨張係数の方がインパネ基材の線膨張係数よりも大きい
関係にある異種材料を用いて二色成形することにより、
ドア基材をインパネ基材に一体化される点を前提要件と
した上で、ドア基材における開裂部の周囲に、ドア基材
に設けられた前記開裂部の断面形状を、高温環境下にお
けるドア基材の伸びを吸収可能な溝幅を有するU字状と
したので、ドア基材が全体的に車室内側へ膨らむように
変形するのを防止することができ、その結果、高温環境
下でも良好な外観品質を維持することができるという優
れた効果を有する。
【0037】また、本発明に係るエアバッグドアを一体
に有するインストルメントパネルによれば、ドア基材の
伸びを上記の如くして吸収することができるので、ドア
基材の材料選択の自由度を高めることができるという優
れた効果も得られる。
【0038】請求項2記載の本発明に係るエアバッグド
アを一体に有するインストルメントパネルは、請求項1
記載の発明と同様の事項を前提要件とした上で、ドア基
材における開裂部の周囲に、高温環境下におけるドア基
材の伸びを吸収可能な溝幅を有するU字状の溝部を設け
たので、ドア基材が全体的に車室内側へ膨らむように変
形するのを防止することができ、その結果、高温環境下
でも良好な外観品質を維持することができるという優れ
た効果を有する。
【0039】また、本発明に係るエアバッグドアを一体
に有するインストルメントパネルによれば、ドア基材の
伸びを上記の如くして吸収することができるので、ドア
基材の材料選択の自由度を高めることができるという優
れた効果も得られる。
【0040】さらに、本発明に係るエアバッグドアを一
体に有するインストルメントパネルによれば、高温環境
下におけるドア基材の伸びを吸収可能な溝幅を有するU
字状の溝部を、ドア基材における開裂部の周囲に設けた
ので、当該溝部をドア基材の展開時におけるヒンジとし
て利用することができる。このため、ドア基材にヒンジ
と伸び吸収用の溝部とを別個独立に設定する場合に比
し、構造の簡素化を図ることができ、ひいてはインスト
ルメントパネルの製造コストの削減を図ることができる
という優れた効果も得られる。
【0041】加えて、本発明に係るエアバッグドアを一
体に有するインストルメントパネルによれば、開裂部自
体は伸び吸収のために弾性変形するわけではないので、
開裂部の設定破断荷重に影響が及ぶのを防止することが
できるという優れた効果も得られる。
【0042】さらに、本発明に係るエアバッグドアを一
体に有するインストルメントパネルによれば、ドア基材
における開裂部の周囲に、高温環境下におけるドア基材
の伸びを吸収可能な溝幅を有するU字状の溝部を設ける
構成であるため、開裂部の断面形状をU字状にする場合
に比し、溝部の前部及び後部の溝幅をも半分にすること
ができるという優れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエアバッグドアを一体に有
するインストルメントパネルの縦断面構造を示す図2の
1−1線断面図である。
【図2】第1実施形態に係るエアバッグドアを一体に有
するインストルメントパネルの外観斜視図である。
【図3】図1に示される開裂部の断面形状を拡大して示
す要部拡大断面図である。
【図4】第2実施形態に係るエアバッグドアを一体に有
するインストルメントパネルの縦断面構造を示す図5の
4−4線断面図である。
【図5】第2実施形態に係るエアバッグドアを一体に有
するインストルメントパネルの外観斜視図である。
【図6】従来例に係るエアバッグドアを一体に有するイ
ンストルメントパネルの外観斜視図である。
【図7】図6に示されるエアバッグドアを一体に有する
インストルメントパネルの縦断面構造を示す図6の7−
7線断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 14 インパネ基材 16 エアバッグドア 22 ドア基材 34 バッグ 40 開裂部 50 ドア基材 54 エアバッグドア 56 開裂部 58 溝部 64 インストルメントパネル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インパネ基材と当該インパネ基材の助手
    席側所定位置に配置され車両前部への所定の高荷重作用
    時にバッグ膨張圧で所定の開裂部に沿って開裂して展開
    するドア基材といった基材層のみから成る単層構造、或
    いは前記基材層の表面に表皮層が付加されて成る準単層
    構造によって構成されると共に、ドア基材の線膨張係数
    の方がインパネ基材の線膨張係数よりも大きい関係にあ
    る異種材料を用いて二色成形することによりドア基材を
    インパネ基材に一体化させたエアバッグドアを一体に有
    するインストルメントパネルであって、 ドア基材に設けられた前記開裂部の断面形状を、高温環
    境下におけるドア基材の伸びを吸収可能な溝幅を有する
    U字状とした、 ことを特徴とするエアバッグドアを一体に有するインス
    トルメントパネル。
  2. 【請求項2】 インパネ基材と当該インパネ基材の助手
    席側所定位置に配置され車両前部への所定の高荷重作用
    時にバッグ膨張圧で所定の開裂部に沿って開裂して展開
    するドア基材といった基材層のみから成る単層構造、或
    いは前記基材層の表面に表皮層が付加されて成る準単層
    構造によって構成されると共に、ドア基材の線膨張係数
    の方がインパネ基材の線膨張係数よりも大きい関係にあ
    る異種材料を用いて二色成形することによりドア基材を
    インパネ基材に一体化させたエアバッグドアを一体に有
    するインストルメントパネルであって、 ドア基材における前記開裂部の周囲に、高温環境下にお
    けるドア基材の伸びを吸収可能な溝幅を有するU字状の
    溝部を設けた、 ことを特徴とするエアバッグドアを一体に有するインス
    トルメントパネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5725170B2 (ja) * 2011-05-24 2015-05-27 トヨタ自動車株式会社 エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル
CN107791989A (zh) * 2016-08-29 2018-03-13 成都航天模塑股份有限公司 一种免弱化img工艺复合仪表板安全气囊框

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JP5725170B2 (ja) * 2011-05-24 2015-05-27 トヨタ自動車株式会社 エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル
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