JPH10234617A - 屎尿処理装置 - Google Patents

屎尿処理装置

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JPH10234617A
JPH10234617A JP9053850A JP5385097A JPH10234617A JP H10234617 A JPH10234617 A JP H10234617A JP 9053850 A JP9053850 A JP 9053850A JP 5385097 A JP5385097 A JP 5385097A JP H10234617 A JPH10234617 A JP H10234617A
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JP
Japan
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human waste
drying
pipe
air
drying pot
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Application number
JP9053850A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
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Nikken Corp
Original Assignee
Nikken Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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  • Non-Flushing Toilets (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸発容器を二つ使用し、便器と蒸発容器の間に
それぞれの蒸発容器に屎尿を振り分けて投入することが
できる流路切換部を介在させ、蒸発容器の内部に残留し
た塵埃を確実に捕獲する。 【解決手段】屎尿を収納する耐熱性のある閉鎖された蒸
発容器146と、蒸発容器146内に収納された球形状
をした蓄熱体181と、蒸発容器146内に収納した屎
尿と蓄熱体181を攪拌する攪拌手段236と、蒸発容
器146を加熱して屎尿を蒸発させる加熱手段118と
から構成され、この攪拌手段114は、上端の軸線と下
端の軸線を水平方向に離した内部中空のパイプ状をした
クランク体236と、クランク体236の下部側面に固
定され、半月形をしてその曲面を水平方向に向けた攪拌
板254と、クランク体236の中間に開口され、クラ
ンク体236の内外を連通する空気穴248とから成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化処理施設のな
い屋外、船舶や電車等の交通機関、外囲から閉鎖されて
バキュームカーが入り込めないトンネル内等での屎尿の
処理を行う屎尿処理装置に関し、特に、蒸発容器を二つ
使用し、便器と蒸発容器の間にそれぞれの蒸発容器に屎
尿を振り分けて投入することができる流路切換部を介在
させ、蒸発容器の内部に残留した塵埃を確実に捕獲する
ことができる屎尿処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体から排泄された屎尿は、一般の家屋
においては水洗トイレ等により下水管に放出するか、浄
化槽に一時貯留して浄化してから河川に放流するのが通
例である。しかしながら、屋外で催し物を行う場合、例
えば運動会、見本市、集会等の人員が多数繰り出す会場
では、従来から仮設の便所を設けることで参加者の生理
的現象を解消していた。
【0003】このように、従来における屋外や浄化施設
のない場所での屎尿の処理では、移動できる仮設便所が
用いられていた。しかし、その多くは屎尿を一時収納す
る便槽を持った構造のものであり、人体から排泄された
屎尿はそのままこの便槽に蓄えられるものであった。従
って、仮設便所を使用した後には、バキュームカー等に
よって便槽に貯留された屎尿を回収し、屎尿処理施設に
移送しなけらばならないものであった。このため、回収
後の処理が必要となり、後処理に手数がかかるとともに
非衛生的なものであった。
【0004】また、長距離を移動する電車、バス、船舶
等の交通機関では、排泄された屎尿を貯留する専用のタ
ンクを備えており、このタンク内に屎尿を収納し、化学
薬品等で防臭処理を行った後、終着駅や中継地点でバキ
ュームカーにより回収する方法が一般的であった。
【0005】このように、従来の仮設便所、あるいは移
動できる交通機関での屎尿の処理は、人体より排泄され
たままの状態で貯留し、その後回収するのがほとんどで
あった。このため、貯留方法、回収方法、処理方法の何
れをとっても非近代的であり、極めて非衛生的であると
言わざるを得なかった。従って、長期間仮設便所を使用
していると、排泄した屎尿がタンク内に残留し、悪臭の
原因となるものであった。また、使用後の仮設便所を清
掃する作業は作業員に嫌がれるため、仮設便所や交通機
関の便所のメンテナンスの近代化のためからも好ましい
ものではなかった。
【0006】このような実情から、従来より衛生的に屎
尿を処理する方法が各種考えられていた。例えば、屎尿
と共に化学薬品を投入し、殺菌及び防臭を行う方法があ
る。この方法は新幹線等の交通機関に多く用いられてい
るが、薬品を含んだ屎尿がタンクと便器の間で循環する
ため、長期の使用が行われると便器を流れる水が汚れ、
悪臭を発生して使用者にとって不評となっていた。ま
た、タンクを空にして次の使用に準備するために、タン
クには多量の薬品を投入しておかなければならず、薬品
による経費が高くなる欠点があった。
【0007】さらに、ビニール等の袋に屎尿を収納して
パッキングすることにより、臭いの発散を防止する方法
も考えられている。しかし、一回の排泄においてかなり
広い面積のビニール袋を使用しなければならず、処理費
用が高くなるとともに、後日ビニール袋から屎尿を分離
するための処理が必要とされるものである。この方法で
は、パッキングするまでの処理は比較的容易であるが、
その後の処理が煩わしく、かつその処理施設が大掛かり
となるものであった。
【0008】さらに、排泄された屎尿を密閉した蒸発容
器に収納し、バーナーの火力で直接屎尿を加熱して蒸発
させる方法も考えられている。例えば、特許公告昭和4
5年17236号、特許公告昭和49年2545号、特
許公告昭和50年3149号、特許公開昭和52年58
239号、特許公開昭和53年110268号、特許公
開昭和55年165415号などが知られている。しか
し、これらの方法であっては、バーナーの火炎を屎尿に
噴出させてその表面から蒸発させようとしているため、
屎尿の大部分の成分である水分は効率良く蒸発できず、
完全に屎尿を処理するためには多くのエネルギーを必要
としていた。
【0009】また、これらの構成であっては屎尿の乾燥
後における蒸発容器の清掃は行われず、長期の使用にお
いては蒸発容器の底に屎尿から蒸発できなかった残留物
が堆積することになり、熱効率が悪くなるものであっ
た。このような場合には、残留物を清掃するために、そ
の都度装置を分解してメンテナンスを行わなければなら
ず、保守のために手数と費用がかかる欠点があった。
【0010】このように、仮設便所での屎尿の処理には
多くの問題が残されており、排泄された屎尿を仮設便所
の内部で完全に処理することができにくいものであっ
た。このような社会的な需要により、本願の出願人と同
一の発明者は屎尿を加熱することで、屎尿の大部分の成
分である水分を蒸発させることができる屎尿処理装置を
提案している。この提案された屎尿処理装置は仮設便所
に設けて使用するものであり、装置内には屎尿を収納す
る密閉した乾燥釜(耐熱性のある蒸発容器)を設けてあ
り、この乾燥釜内には回転できる攪拌羽根が軸支してあ
り、乾燥釜内には攪拌羽根の回転に従って屎尿と共に内
底で転動する蓄熱体を複数個収納させた構成となってい
る。
【0011】そして、この乾燥釜を外部から加熱して乾
燥釜内の屎尿を加熱し、同時に攪拌羽根を回転させるこ
とで屎尿を混合させ、屎尿の水分を迅速に蒸発させるこ
とができる。この蒸発の際には、球形をした蓄熱体が乾
燥釜の底で転動し、屎尿の温度を均一に加熱すると共
に、それ自体の熱を屎尿に伝達して加熱速度を上昇させ
ることができるものである(例えば、特願昭63年12
4150号などがある)。
【0012】この機構は基本的なもので、同発明者はそ
の後も改良された屎尿処理装置を順次提案している。特
願平2年164594号では、乾燥釜に空気を圧送する
パイプと排気のパイプを連結し、排気のパイプには集塵
機と凝縮器を接続した構成が示されている。この機構で
は、乾燥釜の内部で蒸発された屎尿の内、水蒸気は凝結
して回収し、水洗用水に循環して使用することができ、
屎尿の乾燥後に乾燥釜に残った塵埃は空気と共に吸引し
て回収し、塵埃は集塵機によって空気と分離させること
ができるものである。この機構により、乾燥釜に投入し
た屎尿から水分を回収でき、屎尿の乾燥後に乾燥釜に残
った蒸発できない塵埃を清掃することができ、屎尿処理
装置を連続して使用することが可能となるものである。
【0013】また、特願平2年411577号では屎尿
処理装置をユニット化し、仮設便所に装着し易いように
構成してある。この機構では、乾燥釜の構造を円筒形に
形成し、この乾燥釜の側面より屎尿を投入することがで
きるようにしてある。このため、乾燥釜の上部に便器を
配置する必要性が無くなり、装置の高さを低くすること
ができる特徴がある。
【0014】特願平2年412559号では、小便器で
回収される小便を貯留する貯留槽を設け、貯留槽と便器
の間を噴射噴出パイプで接続した構成である。この構成
では、大小便は便器に排泄し、小便は小便器で回収する
ように区分し、乾燥釜に大小便を投入する際には貯留槽
から小便を便器に噴出させ、小便を大小便と共に乾燥釜
に投入させることができる。このため、便器を小便で清
掃することができ、上水道が設置できない場所であって
も仮設便所を水洗化させることができる。
【0015】さらに、特願平3年067538号では、
乾燥釜の側面から液面センサーを挿入しておき、乾燥釜
内に投入した屎尿の液面の位置を常時検知することがで
きる機構が示されている。この機構では、屎尿の液面高
さを検知して判断することにより、一時的に大量の屎尿
が投入されて屎尿の蒸発処理の能力を低下させないよう
に防止することができ、オーバーフローによる故障の発
生を防止することができるものである。
【0016】そして、特願平3年189280号では、
送風器と触媒箱の間にヒーターを内蔵した再加熱箱を配
置すると共に、乾燥釜と集塵機を結ぶパイプと触媒箱の
間にバイパスを設けた構成である。この構成では、屎尿
の蒸発処理の際にはバイパスにより乾燥釜からの空気を
触媒箱に流動させて空気の流動を効率化させることがで
きる。また、乾燥釜の清掃処理の際にはバイパスを閉鎖
し、塵埃を含んだ空気を集塵機にそのまま流動させるこ
とができるものである。
【0017】また、特願平3年189281号は、特願
平3年189280号を改良したものであり、乾燥釜と
集塵機を結ぶパイプにはバイパスのパイプを接続し、こ
のバイパスパイプの終端にはエゼクターの負圧側を接続
し、エゼクターに触媒箱を接続した構成である。この構
成では、バイパスパイプが開通しているとエゼクターに
より乾燥釜内の空気が強制的に吸引されて触媒箱に流動
させられるので、乾燥釜の空気の流動効率が高められて
蒸発が促進される効果がある。
【0018】特願平3年265237号では、乾燥釜の
排気パイプにゴミ回収箱を接続し、このゴミ回収箱に
紙、布などで形成したゴミ袋を収納した構成である。こ
の構成では、乾燥釜の清掃時には塵埃を含んだ空気をゴ
ミ袋に流入させ、このゴミ袋では空気のみが通過して塵
埃は分離することができるものである。サイクロン式の
集塵機に比べて確実に塵埃を分離できる効果がある。
【0019】そして、特願平5年031170号では、
便器と屎尿処理装置を分離し、便器に投入された屎尿を
タンクに貯留した後にバッジ式に連続して蒸発・乾燥の
処理を行うことができるものである。この屎尿処理装置
では、水平な軸で回動できるやや球形の乾燥釜の上部に
屎尿投入用の開口を形成し、乾燥釜の内部には球形の蓄
熱体を収納してあり、乾燥釜の底部を加熱できるバーナ
ーを設けた構成である。この構成により、乾燥釜に投入
された屎尿はバーナーの熱で蒸発・乾燥され、この処理
の間は乾燥釜を揺動することにより蓄熱体で屎尿を攪拌
でき、乾燥後は乾燥釜を回転することで塵埃を開口より
落下させることができるものである。
【0020】特願平5年121968号では、乾燥釜の
送風パイプと排気パイプに切り換え弁を介在させ、切り
換え弁を介してゴミ回収箱と送風機を乾燥釜に直列に接
続できるように構成してある。この構成では、乾燥釜の
清掃時には空気が屎尿処理装置の内部で循環し、塵埃の
回収効率が向上する効果がある。
【0021】特願平5年125360号では、乾燥釜の
下面に高周波コイルを設置し、この高周波コイルに高周
波の電力を供給することにより電磁波を発生させる構成
である。乾燥釜には高周波の電磁波が交拌するため、直
接加熱ではなく、乾燥釜自体が発熱して屎尿を加熱する
ことができる。このため、迅速に必要とする乾燥釜のみ
を加熱させることができ、熱損失が少なくなる効果があ
る。
【0022】特願平5年307135号では、乾燥釜自
体は通常は直立しており、乾燥釜の上部は常時開口して
おり、清掃時のみ転倒できる構成となっている。この乾
燥釜の内部には蓄熱体を収納すると共に、上部の開口は
転倒時に閉鎖できる蓋板を設けてある。この構成では、
乾燥釜に投入した屎尿の蒸発・乾燥の処理の際には、乾
燥釜自体は静止して直立しているが、屎尿が蒸発した後
の清掃の処理の際には乾燥釜が転倒し、内部に残ってい
た塵埃をその開口から放出させることができる。この塵
埃の放出の際において、蓋板(その面には小さな穴が複
数個開口してある)が自動的に乾燥釜の開口を閉鎖し、
蓄熱体が落下するのを防止して、塵埃のみが蓋板の小さ
な穴からゴミ皿に放出させることができるものであり、
屎尿処理装置の構成を簡略化させることができる。
【0023】さらに、特願平5年314445号では、
回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の外周に
はモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内には球
形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置してい
る蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を3本挿入し
た構成となっている。この構成では、今までの屎尿処理
装置の乾燥釜と相違し、乾燥釜自体が垂直な軸線を中心
にして回転し、高周波コイルからの電磁波によって屎尿
を加熱させることができるものである。そして、乾燥釜
の内部に収納してある蓄熱体は邪魔板によって乾燥釜と
共には回転せず、乾燥釜の底で転動し、屎尿を攪拌して
加熱することができるものである。この構成では、乾燥
釜の内部で攪拌羽根を回転させる必要が無くなるので、
屎尿処理装置全体の高さを低くすることができる。ま
た、回転羽根を回転させる構成であっては、乾燥釜内に
投入された屎尿以外の異物(例えば、ボールペン、衣
類、時計など)が回転する回転羽根に絡みつくことによ
る故障を排除できる優れた効果を有するものである。
【0024】また、特願平6年151631号では、同
様に、回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の
外周にはモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内
には球形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置
している蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を1本
挿入した構成となっている。この構成であっても、乾燥
釜自体が垂直な軸線を中心にして回転し、高周波コイル
からの電磁波によって屎尿を加熱させることができるも
のである。この発明では、邪魔板は吸引パイプに固定さ
れた1枚で形成してあり、複数の邪魔板間に蓄熱体が嵌
まり込まないため、乾燥釜の回転により蓄熱体が確実に
転動できるものであった。
【0025】これらの新しく提案された屎尿処理装置で
は、排泄された屎尿は乾燥釜内で密閉されたままで加熱
でき、攪拌羽根や乾燥釜が回転することで屎尿が混合さ
せることができるものである。加熱された屎尿は、全体
の温度が均一に上昇し、大部分の成分である水分が蒸発
し、水蒸気となって大気中に発散される。この加熱と混
合により屎尿の蒸発速度が早くなり、屎尿の処理時間が
短縮することができるものである。また、大気中に拡散
される水蒸気は触媒等で無臭化させ、人家等が立ち込ん
でいたり、人員が多数集合しているような場所であって
も、悪臭を発散させることがなく、環境保全の面からし
ても好ましいものであった。
【0026】このように密閉された蒸発容器内で屎尿を
蒸発、拡散させるのは極めて衛生的であり、かつ作業を
システム化することができて、メンテナンス等において
作業員に負担をかけないものである。しかし、従来の屎
尿処理装置では乾燥釜を固定しておき、この乾燥釜の内
部で攪拌羽根を回転させて屎尿を混合させる構成のもの
が殆どであった。この機構であっては、乾燥釜内に屎尿
以外の蒸発できない異物が投入されると、回転する攪拌
羽根とこの異物が噛み合い、故障の原因となることが多
かった。例えば、使用者の不注意により、便器に金属製
のボールペン、ベルト、衣類等が投入されることもあ
る。これらの異物が乾燥釜に投入されると、異物が攪拌
羽根と乾燥釜の間に食い込み、攪拌羽根の回転を停止さ
せたり、攪拌羽根や乾燥釜を磨耗させる現象を発生させ
るものであった。
【0027】また、乾燥釜の内部に攪拌羽根を収納して
おくと、限定された乾燥釜の内部空間がこれらの機構で
狭くなるため、乾燥釜の内部空間を有効に利用すること
ができない要因となっていた。
【0028】このような欠点を解消するため、特願平5
年314445号、特願平6年151631号では乾燥
釜自体を回転させる構成とし、攪拌羽根を用いずに屎尿
を混合させることができるように工夫してある。だが、
この機構であっては、乾燥釜を回転自在に支持しなけれ
ばならず、しかも、乾燥釜を上下方向に移動せず、か
つ、中心軸が偏位しないように支持しなければならな
い。回転する乾燥釜が上下に移動したり、回転軸が味噌
擂り運動を起こすとなれば、乾燥釜の開口端が蓋板から
離れることになり、乾燥釜の気密性が保たれなくなるか
らである。
【0029】このように、乾燥釜の回転運動を規制しよ
うとすれば、上下方向と回転方向の二方向の規制機構
(ローラーなど)が必要となり、この規制機構は複雑に
ならざるを得ないものである。また、規制機構が複雑と
なれば、乾燥釜の組み立ての作業工程に手間がかかるも
のであり、また、屎尿処理装置の点検や保守のために乾
燥釜を取り外す作業に手数がかかるものであった。
【0030】また、この乾燥釜で屎尿を蒸発・乾燥させ
た後に残る塵埃は、連続して屎尿の処理を行うために除
去しなければならないが、清掃のための吸引パイプを乾
燥釜に所定の長さだけ挿入させる制御が困難なものであ
った。従来では、吸引パイプの移動量を検出して、適正
な長さだけ上下動できるように制御していたが、吸引パ
イプを移動させるための機構と制御の機構が複雑になる
ものであった。
【0031】このため、乾燥釜に残留した塵埃の除去と
屎尿の攪拌の作用を行うために、乾燥釜自体を回転さ
せ、乾燥釜内には塵埃吸入用のパイプを回転しないよう
に吊り下げ、この塵埃吸引パイプには屎尿攪拌用の邪魔
板を取り付けた構成の屎尿処理装置も提案されている
(例えば、特願平6年219457号などがある)。こ
の構成においては、乾燥釜を回転させると、乾燥釜に投
入した屎尿は蓄熱体と共に邪魔板に衝突し、屎尿の攪拌
を行なわせると共に、蓄熱体を転動させて屎尿への熱の
伝達を良好に行うことができるものであった。そして、
屎尿を蒸発乾燥させた後に乾燥釜に残った塵埃は、この
邪魔板を吊り下げている吸引パイプの下端開口より吸引
し、乾燥釜の清掃を行うことができるものであった。
【0032】このような屎尿処理装置の構成では、便器
の下部に接続した乾燥釜は単一であり、一つの便器に一
つの乾燥釜を組み合わせるのが通常であった。このた
め、その便器を短い期間に多量の人員が使用するとなれ
ば、乾燥釜の処理能力以上の量の屎尿が乾燥釜に投入さ
れてオーバーフローの現象が発生していた。このオーバ
ーフローが発生すると、乾燥釜に屎尿が溢れだし、故障
の原因となるものであった。このため、従来の屎尿処理
装置では、乾燥釜がオーバーフローすると自動的に便器
の使用を中止させ、それ以上乾燥釜に屎尿が投入されな
いように規制していた。この便器の使用を規制すること
により、乾燥釜に余分な負荷が加えられず、屎尿処理装
置が故障する原因を排除していた。
【0033】このような乾燥釜に投入される屎尿がオー
バーフローする現象は、乾燥釜の処理能力に対する利用
者数の見込みを正確に把握できなかった場合に発生する
ものであった。従来では、乾燥釜がオーバーフローすれ
ば、仮設便所の数を追加して処理能力を増強させ、利用
者数に適合した処理能力の乾燥釜の数を増加させてい
た。或いは、オーバーフローした仮設便所の使用を一時
停止し、その仮設便所で屎尿が完全に処理が完了するま
では利用者に不便を強いていた。
【0034】このように、従来におけるオーバーフロー
の対処では、最大の利用者数に合わせて仮設便所の数を
増強するか、利用者に一時的に使用を中止して不便をか
けることであった。しかし、仮設便所の数を増強して対
処することは利用者に不便をかけず、確実に屎尿を処理
できる反面、最大の利用者数に合わせて仮設便所を準備
しておかねばならず、費用が無駄になるものであった。
さらに、仮設便所が増加すると、催物会場、河川敷など
の仮設場所を多くの仮設便所が占有し、狭い面積の場所
を有効に利用することができないものであった。このた
め、容積は従来と同様な大きさであるが、大量の屎尿を
継続して処理することができる仮設便所、すなわち、屎
尿処理装置の開発が望まれていた。
【0035】このため、二つの乾燥釜を用いて、便器に
排泄された屎尿をいずれか一方の乾燥釜に振り分けて投
入させ、それぞれの乾燥釜により屎尿を処理できるよう
にした構成の屎尿処理装置も提案されている(例えば、
特願平8年69387号)。この構成では、定常的に屎
尿の処理を行う乾燥釜の容積は小さく設定しておき、オ
ーバーフローになれば他の空いている乾燥釜が処理を受
持ち、交互に乾燥の処理を行うことにより、効率の良い
処理を行うことができる。すなわち、投入された屎尿が
少量であれば一つの乾燥釜だけで処理し、屎尿の投入量
が多くなれば他の乾燥釜でも処理を平行して行い、処理
能力を増強させることができ、常に最小のエネルギーで
処理を継続して行うことが可能となるものである。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】このような構成をした
蒸発容器で屎尿に貯留し、蒸発容器を加熱することによ
って、密閉した空間内で水蒸気として蒸発させ、衛生的
に屎尿を処理することができるようになった。この密閉
した蒸発容器における屎尿の処理においては、屎尿の大
部分の成分である水蒸気が蒸発すると、蒸発容器の内部
には有機物や紙等の蒸発できない繊維等が、灰や塵埃と
なって残留することになる。このため、屎尿を蒸発させ
て乾燥させた後においては、蒸発容器内に残った塵埃を
回収し、清掃する必要があった。
【0037】従来では、容器内に吊り下げた塵埃回収用
のパイプにより塵埃を吸引して外部に排出させ、容器を
清掃していた。この塵埃回収用のパイプは、その上部が
蒸発容器の上部に保持され、その下端開口が容器の底に
接近させて配置させてある構造であった。この構造によ
り、蒸発容器の底から塵埃を空気と共に吸い上げて外部
に排出し、残留している塵埃を回収することができ。し
かし、この構成では塵埃回収用のパイプの内部に水蒸気
が露結し、水滴となって付着することから、この状態で
塵埃を吸い上げると、パイプの内周に付着した水分に塵
埃が付着することになった。このパイプに露結した水分
に塵埃が吸着されると、長時間の使用においてパイプ内
で塵埃が固まり、パイプ内の内部の断面積を小さくさ
せ、空気の流通が悪くなるものであった。このことか
ら、塵埃回収用のパイプ内の内部に塵埃を付着させない
ことが必要となっていた。
【0038】また、蒸発容器の内部に収納した屎尿を蒸
発乾燥させる際には、屎尿の酸化を良好にさせるために
外部から蒸発容器内に空気を供給していた。この空気の
供給のためには空気供給のための専門のパイプが必要と
され、このパイプによって蒸発容器の上部空間内に外部
からの新鮮な空気を供給させ、屎尿の酸化を促進させて
いた。しかし、空気を供給するだけのために専用のパイ
プを蒸発容器に接続するとなれば設備が複雑となり、パ
イプにはバルブ等の制御機構を取付けなければならず、
制御も複雑となるものであった。このような要請から、
塵埃回収用のパイプの内面に塵埃を付着させず、かつ空
気専用のパイプを必要としない屎尿処理装置の開発が望
まれていた。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は、屎尿を収納す
る耐熱性のある閉鎖された蒸発容器と、蒸発容器内に収
納された球形状をした蓄熱体と、蒸発容器内に収納した
屎尿と蓄熱体を攪拌する攪拌手段と、蒸発容器を加熱し
て屎尿を蒸発させる加熱手段とから構成され、この攪拌
手段は、上端の軸線と下端の軸線を水平方向に離した内
部中空のパイプ状をしたクランク体と、クランク体の下
部側面に固定され、半月形をしてその曲面を水平方向に
向けた攪拌板と、クランク体の中間に開口され、クラン
ク体の内外を連通する空気穴とから成ることを特徴とす
る屎尿処理装置を提供するものである(請求項1)。
【0040】また、本発明は、屎尿を収納する耐熱性の
ある閉鎖された形状の第一の蒸発容器と第二の蒸発容器
と、上端の開口が一つであり下部が二股に分岐して、下
部にあるそれぞれの開口を第一と第二の蒸発容器に連通
させ、その内部で屎尿を第一か第二の蒸発容器に振り分
けて投入できる流路切換部と、第一と第二の蒸発容器の
それぞれに収納された球形状をした蓄熱体と、第一と第
二の蒸発容器内に収納した屎尿と蓄熱体を攪拌する攪拌
手段と、第一の蒸発容器の下面に接近して設けられ、第
一の蒸発容器を加熱する第一の加熱手段と、第二の蒸発
容器の下面に接近して設けられ、第二の蒸発容器を加熱
する第二の加熱手段とから構成され、それぞれの攪拌手
段は、上端の軸線と下端の軸線を水平方向に離した内部
中空のパイプ状をしたクランク体と、クランク体の下部
側面に固定され、半月形をしてその曲面を水平方向に向
けた攪拌板と、クランク体の中間に開口され、クランク
体の内外を連通する空気穴とから成ることを特徴とする
屎尿処理装置を提供するものである(請求項2)。
【0041】そして、本発明は、前記クランク体は、そ
の上端を容器の上部中央に回転自在に軸支し、クランク
体の下部はその軸線を回転の軸線より折り曲げて蒸発容
器の内壁に接近させ、クランク体の下端開口を蒸発容器
の底に接近させ、前記攪拌体は半月形に湾曲させた曲面
を形成してあり、その中央部をクランク体の下部に固着
し、攪拌体の両端を蒸発容器の内壁から少し離して位置
させたことを特徴とする屎尿処理装置を提供するもので
ある(請求項3)。
【0042】さらに、本発明は、前記蒸発容器は、その
周囲が円筒形をしており、その円形の底の中央を上部に
隆起させ、蒸発容器の底の中央から周囲にかけてなだら
かな斜面を形成したことを特徴とする屎尿処理装置を提
供するものである(請求項4)。
【0043】また、本発明は、前記クランク体の上端開
口には、空気供給手段と空気吸引手段を接続し、何れか
一方を選択的に接続し、空気供給手段により空気をクラ
ンク体に供給すると空気穴より乾燥容器に供給され、空
気吸引手段により空気をクランク体から吸引すると、乾
燥容器内の塵埃がクランク体の下端開口より吸引される
ことを特徴とする屎尿処理装置を提供するものである
(請求項5)。
【0044】
【発明の実施の形態】
【0045】以下、本発明の実施の形態を図面により説
明する。この実施の形態においては、本発明の屎尿処理
装置をそれだけ単独で自由に移動させることができ、催
物会場、河川敷等の場所で一時的に使用することができ
る仮設便所101に応用した例について説明する。
【0046】<仮設便所101の外観>
【0047】まず、図1は実施の形態における仮設便所
101の外観を示すものである。この仮設便所101の
外枠は、例えばプラスチックや強化合成樹脂で形成され
ていて、立体形をした箱状をしている。この仮設便所1
01の底部分は家屋形状をした上部構造を支えるための
地面に載置される基台102となっており、この基台1
02は平坦な立体形をしている。この基台102の上部
には内部が空洞で、利用者が入ることができる空間を保
有した家の形をしたハウス103が載置してある。この
ハウス103の前面には手前側に開いて利用者がハウス
103内に出入りすることができるドアー104が開閉
自在に取り付けてある。
【0048】この仮設便所101の内部であって基台1
02の上部には屎尿を乾燥して処理する立体形をした屎
尿処理装置105が固定してある。この屎尿処理装置1
05の上面中央には洋式の便器106が固定してあり、
仮設便所101の利用者はこの便器106に大小便を排
泄することができる。
【0049】<屎尿処理装置105の構成>
【0050】次に、図2は図1で示した屎尿処理装置1
05の内部の構造であって、装置の主要な部材を示す分
解斜視図である。この図2においては、前述の便器10
6の下部に直結して屎尿を乾燥処理するために必要な部
材のみを図示しており、例えば送風機や各部材を支える
ための架台等は省略して示している。
【0051】この屎尿処理装置105は電力等を供給す
ることでそれ自体は単独で作動できる機能を持ち、組み
立てや保守の作業を用意にするためユニットに組み立て
られている。この屎尿処理装置105の主要部は大きく
区分して並列に並べられた一対の第一の乾燥部111と
第二の乾燥部112、乾燥部111の内部に連通する第
一の軸受部113、乾燥部112の内部に連通する第二
の軸受部114、乾燥部111の内部で回転する攪拌羽
根(後で説明する)を駆動するための第一の回転作動部
115、乾燥部112の内部で回転する攪拌羽根(後で
説明する)を駆動するための第二の回転作動部116、
乾燥部111を加熱する第一の加熱部117、乾燥部1
12を加熱する第二の加熱部118、便器106から流
下する屎尿を左右に振り分けて流動させる流路切換部1
19、乾燥部111と乾燥部112より排出された水蒸
気を加熱する再加熱部120、再加熱部120から流出
した空気から臭気を取り除く消臭部121より構成され
ている。これらの主要な構成である乾燥部111、11
2、軸受部113、114、回転作動部115、116
は長方形をした平坦な支え板140によって保持され、
この支え板140に各要素が組み立てられている。この
図2における主要部材のうち、流路切換部119は乾燥
部111、112より引き離して上方に浮かして図示し
てあり、さらに各主要部材を結ぶ細かい配管は図2では
省略してある。
【0052】この屎尿処理装置105の躯体となる架台
はこの図2では図示していないが(図4、図5で示され
ている)、角パイプ、アングル材等によって枠状に組み
立てられており、架台の骨組みにより支え板140およ
び加熱部117、118、再加熱部120、消臭部12
1等が保持されている。この屎尿処理装置105の中央
の左右には一対の乾燥部111と112が並列に配置し
てあり、乾燥部111に接近して回転作動部115が配
置してあり、乾燥部112に接近して回転作動部116
が配置してある。そして、乾燥部111の下面には少し
間隔をおいて平坦な箱状をした加熱部117が水平に配
置してあり、乾燥部112の下面には少し間隔をおいて
平坦な箱状をした加熱部118が水平に配置してある。
また、流路切換部119は上部より下方に向けて左右に
広がっており、側面から見て『ハ』の字状の形状となっ
ている。この図2においては流路切換部119は両乾燥
部111と112より上方に引き離して図示してある
が、流路切換部119の左右の下端開口はそれぞれ乾燥
部111あるいは乾燥部112に連通させてある。ま
た、再加熱部120は長方体の形状をしており、内部に
再加熱ヒーターを収納してあり、乾燥部112の上部に
水平となるように配置してある。さらに、消臭部121
は長方体の形状をしており、その内部には白金等の触媒
を収納したものであり、再加熱部120の後部のやや上
方にその軸線を垂直となるように配置してある。
【0053】次に、図3、図4、図5は一対の乾燥部1
11と112、流路切換部119の付近の外観を示すも
のである。図3は図2中における流路切換部119、再
加熱部120、消臭部121を取外し、乾燥部111と
112を上方からみた平面図である。この図3において
は支え板140の右半分は省略してあり、乾燥部112
の内部を上方から見るように示してある。図4は、図2
における再加熱部120、消臭部121を破線で示して
各主要部分を架台に組み立て、流路切換部119の上部
に便器106を配置した状態を示す背面図である。ま
た、図5は、図2における流路切換部119に便器10
6を載置して各主要部材を架台に組み立て、乾燥部11
1、112と再加熱部120、消臭部121の連結の状
態を示す正面図である。図4は前述した図2の左奥側か
ら手前側の方向に見た状態を示す背面図であり、図5は
図2の右手前側から左奥側の方向に見た状態を示す正面
図となっている。なお、図2においては右手前側が正面
となっている。
【0054】次に、図6は前述した乾燥部112を側面
から見た状態であり、図2における右奥側より左手前側
の方向に見た状態を示すものである。また、図7は乾燥
部112の内部構造を示す縦断面図であり、この断面は
図4中におけるAーA矢視した断面図、あるいは、図5
中におけるBーB矢視した断面図に対応している。そし
て、図8は乾燥部111と112を構成する部材を縦方
向に切断した状態を示すものであり、図2中におけるC
ーC矢視した断面図に対応している。さらに、図9は乾
燥部111と112を構成する部材を上下に分離して示
したものであり、各部材を連結するためのネジ等はこの
図9では省略してある。図10は乾燥部112の内部に
収納されている軸受部114の構成を示すものであり、
乾燥部112を構成する乾燥釜等は破線で示され、軸受
部114のみを実線で示している。なお、図7、図10
では乾燥部112についてのみ図示して説明してある
が、他の乾燥部111の構造はこの乾燥部112と同一
の構造でありるため、以降の図面においてはその説明を
省略している。
【0055】<屎尿処理装置105全体を支える架台>
【0056】前述した屎尿処理装置105全体は、図
4、図5、図7等で示した架台で保持されている。すな
わち、架台のうちで基礎角材131は水平に下部に配置
されて地面と接触しており、この基礎角材131で屎尿
処理装置105を支えるとともに、基礎角材131の両
側の開口よりフォークリフト車のフォークを挿入するこ
とができ、フォークリフト車によって屎尿処理装置10
5(すなわち仮設便所101)全体を持ち上げて移動さ
せることができる。図4でこの基礎角材131の上面の
右側(図5で左側)の前後には垂直に柱チャンネル13
2が立ててあり、基礎角材131の上面の左側(図5に
おいて右側)の前後には柱チャンネル133が垂直に立
ててある。これらの柱チャンネル132、133は断面
L字形をした金属性のアングル材で構成されており、そ
れぞれの柱チャンネル132、133は溶接等により基
礎角材131上に枠状に組み立てられている。この柱チ
ャンネル132と133はそれぞれ同じ長さとなるよう
に設定してあり、両柱チャンネル132、133の上端
の間には図2、図9で示す長方形の支え板140が水平
に載置してある。この支え板140はやや厚肉の鋼板で
形成されており、平坦な形状をしている。
【0057】そして、このように図4、図5で示される
ように柱チャンネル132、133、支え板140で組
み立てられた機構の上方からは、カバー134が被せら
れるようにして覆われている。このカバー134は例え
ばFRPや強化合成樹脂等で一体に形成されたものであ
り、下方が開口した箱状の形状となっていて、その内部
は前述の支え板140の外形よりも少し大きい程度に設
定してある。カバー134は防水機能を持っているた
め、外部から屎尿処理装置105の機構部分に水等が侵
入しないように保護している。このカバー134の上部
中央には便器106が載置してあり、便器106の下面
中央にはゴム等で蛇腹状に形成されたジョイント135
の上端が連結してある。そして、ジョイント135の下
端開口には支え板140に固定してある流路切換部11
9の上端開口を連結してある。このようにして、便器1
06に排泄された屎尿はジョイント135を介して流路
切換部119に流入し、流路切換部119で左右に振り
分けられて乾燥部111または乾燥部112の何れか一
方に振り分けて投入させることができる。
【0058】このように枠状となった架台に構成部材を
固定してあるため、屎尿処理装置105全体はこの金属
製の架台と一体に組み立てられており、この架台はカバ
ー134によって覆われている。。なお、乾燥部11
1、112を保持する構成については、支え板140に
吊り下げられる構造となっており、その構成は後で説明
する。
【0059】<乾燥部111、112を吊り下げる構成
【0060】前述のように乾燥部111、112はその
上部で支えられて保持されているため、これらを吊り下
げるための機構がなければならない。この構成は図7、
図8によって示される。図7は図4におけるAーA矢視
した断面図であり、図5におけるBーB矢視した断面図
にも対応している。この図7では乾燥部112の内部構
造が示されているが、図示していない乾燥部111の内
部構造は乾燥部112の断面構造と対称形に構成されて
いる。
【0061】この吊り下げの構成においては、図4、図
5、図6、図7で示すように、基礎角材131の四隅に
は柱チャンネル132と133がそれぞれ垂直となるよ
うに立てられている。これらの柱チャンネル132と1
33の上端の間には支え板140が水平となるように載
置して固定してあり、この支え板140の下面に乾燥部
111、112が吊り下げられている。また、この乾燥
部111、112の内部で攪拌羽根を駆動させるための
回転作動部115、116も同様に支え板140の一辺
に固定したアダプターにより支え板140に固定してあ
る。このアダプターは金属版を折り曲げて形成したもの
であり、やや『コ』の字形をして支え板140の上面に
固定してある。
【0062】<回転作動部116、加熱部117を支え
る構造>
【0063】前述した基礎角材131の上面には、図
4、図5で示すように加熱部117、118が載置して
固定してある(図7においては加熱部118のみが示さ
れているが、加熱部117も同様に載置してある)。な
お、この加熱部117を基礎角材131に載置した状態
のとき、加熱部117の上面は乾燥部111を構成する
乾燥釜145の下面と接触しないように少し間隔を置い
て接近させてある。同様に、加熱部118を基礎角材1
31の上面に載置した状態のとき、加熱部118の上面
は乾燥部112を構成する乾燥釜146の下面と接触し
ないように少し間隔を置いて接近させてある。
【0064】<乾燥釜145、146の構造>
【0065】前述した乾燥部111と112のそれぞれ
の主要な部材は、排泄された屎尿を加熱して蒸発させる
ための第一の乾燥釜145と第二の乾燥釜146であ
る。これらの乾燥釜145、146はその底部が閉鎖
し、上端部のみが開口した寸胴状をしており、これらの
乾燥釜145、146が乾燥部111、112の容積の
大部分を占めている。これらの乾燥釜145、146は
ドラム缶の上半分を切断し、円筒形となった下半分と底
部分から成る形状をしており、耐熱性のあるステンレス
鋼、高張力鋼等の金属製材料で形成してある。この乾燥
釜146の縦方向の断面は図7で示されており、乾燥釜
146の底部の中央は周囲の底部よりも上方に突出した
山形の突起147が形成してある。この突起147の頂
上は乾燥釜146の中心軸と一致させてあり、乾燥釜1
46の内底は突起147の頂上から周囲に向かって放射
状になだらかな傾斜面となるように形成してある。な
お、他の乾燥釜145の断面構造も、図7で示すこの乾
燥釜146の断面構造と全く同じである。また、図3で
示すようにこれらの乾燥釜145、146の上端開口の
周囲には、その中心を大きく開口した環状形をしたフラ
ンジ149、150が鉢巻きのように嵌め込んであり、
乾燥釜145の上端外周とフランジ149の内周とは電
気溶接等によって隙間なく結合してあり、乾燥釜146
の上端外周とフランジ150の内周とは電気溶接等によ
って隙間なく結合してある。
【0066】<乾燥釜145、146を吊り下げるため
の機構>
【0067】前述のように複数のチャンネル材で組み立
てられ、図7で示すように形成された柱チャンネル13
2、133の上端の間には支え板140が水平に載置し
てある。この平板状をした支え板140により乾燥釜1
45、146が吊り下げられて固定されている。この支
え板140は図2、図3、図9で示すように長方形の平
面形状をしており、この支え板140の表面の左右(図
9で右奥側と左手前側)にはそれぞれ小さなボルト穴1
53が円状に配列した上下に貫通開口してある。前述の
フランジ149、150にも図3で示すようにそれぞれ
ボルト穴151が等間隔に配置して上下に貫通開口して
あり、これらのフランジ149と150の上面を支え板
140の下面に密着させ、ボルト穴151とボルト穴1
53の位置を合わせ、ボルト穴153とボルト穴151
に上方からボルト152を挿入し、ボルト152の下端
にナット154をねじ込むことにより、支え板140と
フランジ149、および、支え板140とフランジ15
0を上下からを締め付けて固定することができる。この
ようにして乾燥釜145、146はそれぞれ支え板14
0の下面に固定され、しかもこの支え板140によって
乾燥釜145と146の上部開口は密閉される。
【0068】<乾燥釜145内の屎尿を攪拌するための
回転作動部115の機構>
【0069】前述のように支え板140には回転作動部
115が取り付けてあり、この回転作動部115によっ
て乾燥釜145内に収納した屎尿を攪拌羽根によって攪
拌することができる。四角い支え板140の長辺側の中
央より左側(図9において右手前側の辺の左側)には四
角い形状をしたモーター穴161が上下に貫通開口して
ある。そして、前述のように支え板140に開口した四
角いモーター穴161には、このモーター穴161を跨
ぐようにして薄肉板金を折り曲げて形成したモーター固
定具162がネジによって固定してある。このモーター
固定具162はその長さがモーター穴161の開口幅よ
り少し長く、その断面形状が『コ』の字形となってい
て、その両端には水平に延長した足部分を有しており、
モーター固定具162の中央には円形の開口163を形
成してある。このモーター固定具162の両端に形成し
た足部分を支え板140の上面にネジで固定すると、モ
ーター固定具162はモーター穴161を塞ぐように配
置される。前述した回転作動部115の主要部材は円筒
形をしたモーター164であり、このモーター164の
上部には回転数を減速して出力する長方体形をしたギヤ
ーボックス165が固着してある。このギヤーボックス
165の上面の中央には減速された回転力を出力するた
めの出力軸166が垂直に突出させてある。次に、出力
軸166を開口163の下方より上方に抜けるように挿
入し、ギヤーボックス165とモーター固定具162を
ネジにより固定する。こうして、モーター164、ギヤ
ーボックス165はモーター固定具162に固定され
る。
【0070】このモーター固定具162の上面より突出
した出力軸166の上端にはプーリー167を固着して
ある。前述した軸受部113(この図9では図示してい
ない)を駆動するために、軸受部113の上部にはプー
リー168が設けてあり、このプーリー167と168
の間にはベルト169が架け廻してある(図2、図6を
参照のこと)。
【0071】<乾燥釜146内の屎尿を攪拌するための
回転作動部116の機構>
【0072】前述のように支え板140には回転作動部
116が取り付けてあり、この回転作動部116によっ
て乾燥釜146内に収納した屎尿を攪拌羽根によって攪
拌することができる。四角い支え板140の長辺側の中
央より右側(図9において右手前側の辺の右側)には四
角い形状をしたモーター穴171が上下に貫通開口して
ある。そして、前述のように支え板140に開口した四
角いモーター穴171には、このモーター穴171を跨
ぐようにして薄肉板金を折り曲げて形成したモーター固
定具172がネジによって固定してある。このモーター
固定具172はその長さがモーター穴171の開口幅よ
り少し長く、その断面形状が『コ』の字形となってい
て、その両端には水平に延長した足部分を有しており、
モーター固定具172の中央には円形の開口173を形
成してある。このモーター固定具172の両端に形成し
た足部分を支え板140の上面にネジで固定すると、モ
ーター固定具172はモーター穴171を塞ぐように配
置される。前述した回転作動部116の主要部材は円筒
形をしたモーター174であり、このモーター174の
上部には回転数を減速して出力する長方体形をしたギヤ
ーボックス175が固着してある。このギヤーボックス
175の上面の中央には減速された回転力を出力するた
めの出力軸176が垂直に突出させてある。次に、出力
軸176を開口173の下方より上方に抜けるように挿
入し、ギヤーボックス175とモーター固定具172を
ネジにより固定する。こうして、モーター174、ギヤ
ーボックス175はモーター固定具172に固定され
る。
【0073】このモーター固定具172の上面より突出
した出力軸176の上端にはプーリー177を固着して
ある。前述した軸受部114(この図9では図示してい
ない)を駆動するために、軸受部114の上部にはプー
リー178が設けてあり、このプーリー177と178
の間にはベルト179が架け廻してある(図2、図6を
参照のこと)。
【0074】<乾燥釜145、146内での乾燥を補助
する部材>
【0075】前述の乾燥釜145、146の内部にはそ
れぞれ屎尿を貯留することができ、各乾燥釜145、1
46を加熱することにより、屎尿を蒸発することができ
る。だが乾燥釜145、146を加熱するだけでは屎尿
の蒸発は円滑に行われず、また、貯留した屎尿全体の温
度を均一に上昇させることができない。このため、乾燥
釜145、146内には屎尿の加熱を補助するととも
に、攪拌して温度を均一に上昇させる作用を行わせるた
めの複数の蓄熱体181を挿入してある。この蓄熱体1
81は球形状をしており、鉄、真鍮等の金属、あるいは
焼結によって形成したセラミック等をその材料としたも
のである。この蓄熱体181は図3において乾燥釜14
6の内部に収納された状態が示されているが、図3にお
いて乾燥釜145の内部にも同様の蓄熱体181が収納
されている。
【0076】<支え板140に開口された複数の穴>
【0077】前述した支え板140は長方形状をした平
坦な形状をしているが、この支え板140には各種の機
能のために複数の穴が開口してある。これらの穴の位置
と形状を図3、図9により説明する。
【0078】前述の支え板140の中心より左右に離れ
た位置には四角い形状をした投入口185、186が上
下に貫通開口してある。この支え板140の投入口18
5に接近した位置には円形の吸気口187が貫通開口し
てあり、投入口186に接近した位置には円形の吸気口
188が貫通開口してある。また、支え板140の左右
には取付穴189と取付穴190がそれぞれ貫通開口し
てある。これらの投入口185、吸気口187、取付穴
189は円形に配置されたボルト穴153の内側に位置
させられており、支え板140の下面に乾燥釜145の
上端を密着させると、これらの投入口185、吸気口1
87、取付穴189は乾燥釜145の内部空間と連通さ
せられる。同様に、投入口186、吸気口188、取付
穴190は円形に配置されたボルト穴153の内側に位
置させられており、支え板140の下面に乾燥釜146
の上端を密着させると、これら投入口186、吸気口1
88、取付穴190は乾燥釜146の内部空間と連通さ
せられる。なお、支え板140の中央より左右であって
円形に配置されたボルト穴153の中央には後述する軸
受けがそれぞれ固着してある。
【0079】<排気通路の構成>
【0080】このように、乾燥釜145、146の上端
は支え板140の下面に吊り下げられて固定されてお
り、乾燥釜145、146の上部開口は支え板140の
下面によって閉鎖されている。このため、乾燥釜14
5、146の内部は外部とは連通しないため、乾燥釜1
45、146を加熱することで発生した水蒸気と空気を
外部に流出させるための通路を形成しなければならな
い。この排気通路の構成を図2とともに説明する。図9
で示した支え板140に開口した吸気口187には開閉
弁193が接続してあり、吸気口188には開閉弁19
4が接続してある。これらの開閉弁193、194はそ
れぞれ電気的に作動され、流路を開閉させることができ
るものである。この開閉弁194の上端開口には三方に
流路を持ったT字形をしたTジョイント195が連結し
てあり、開閉弁193とTジョイント195の一方の開
口とは連通パイプ196によって接続してある。そし
て、Tジョイント195の他方の開口には接続パイプ1
97が接続してあり、この接続パイプ197の終端には
再加熱部120の側面中央(図2中の手前側の面)に接
続してある。
【0081】この再加熱部120は空気を流動できるよ
うに内部が空洞であり、その内部には再加熱ヒーターを
収納してある。このため、接続パイプ197から再加熱
部120に流入してきた空気は再加熱部120の再加熱
ヒーターと接触し、その温度を上昇させられることにな
る。この箱型をした再加熱部120の背面(図2中で右
奥側の面)にはパイプを円弧形に曲げて形成した曲げパ
イプ198の一端が接続してある。この曲げパイプ19
8の他端は上方に向いており、曲げパイプ198の上端
には立方体形をした消臭部121の下面を接続してある
(図5では、再加熱部120、曲げパイプ198、消臭
部121の関係が示されている)。この消臭部121は
内部が空洞の箱型をしており、その内部にはフィルター
と触媒を収納してあり、再加熱部120からの空気を流
動させることができる。このような管路の接続により、
開閉弁193、194を通過した空気は連通パイプ19
6、Tジョイント195、接続パイプ197を介して再
加熱部120に流入し、再加熱部120で再加熱された
空気は曲げパイプ198を介して消臭部121に流入す
ることができ、一連の排気通路が形成されている。
【0082】<軸受部114の具体的な構成>
【0083】前述したように、支え板140の上面の左
右には軸受部113と114が固定してある。この軸受
部113と軸受部114は同一の構造を持つものであ
り、このうちの軸受部114の構造について図11、図
12により説明する。なお、軸受部113の構造につい
ては図示して説明していないが、軸受部114とその構
造は同じであるため説明を省略する。
【0084】前述の支え板140の上面であって円形に
配置されたボルト穴153の中央にはリング状をした軸
支リング201が載置して固定してある。この軸支リン
グ201は支え板140と電気溶接などで固着してあ
り、図12で示すように上下に開口となっていて、支え
板140には軸支リング201の中央開口による貫通口
が形成されていて、この開口により支え板140の上面
と乾燥釜14の内部とは連通している。次に、この軸受
部114の全体を支える外殼はやや円筒形をした外軸筒
203であり、この外軸筒203は前述した軸支リング
201に挿入されるものである。この外軸筒203の全
体は円筒形をしており、その中心軸には上下方向に軸穴
206を貫通して開口してある。また、外軸筒203の
外周の中央には円盤形をした固定リング204が固着し
てあり、外軸筒203と固定リング204は電気溶接等
によって一体となるように形成するか、または無垢材を
切削により切り出して一体となるように形成してある。
この固定リング204は外軸筒203の外周であって上
下の長さの丁度中央に位置しており、固定リング204
は刀の鍔のように外軸筒203と組み合わされている。
この固定リング204の周囲の複数ヶ所(図11では四
箇所)には、上下に貫通した挿通穴205が開口してあ
る。また、前述した軸支リング201には図11で示す
ように平坦なリング状をしており、この2軸支リング2
01の周囲の複数ヶ所(図11では四箇所)にはネジ穴
202(内周に雌ネジが切削してある)が切削形成して
ある。
【0085】この外軸筒203を軸支リング201に取
り付けるには、軸支リング201の中央に形成してある
開口に外軸筒203の下半分を挿入し、固定リング20
4の下面が軸支リング201の上面に接触するように嵌
め合わせる。そして、固定リング204に形成した挿通
穴205と、軸支リング201に形成したネジ穴202
の位置を一致させ、挿通穴205よりボルト207を挿
入し、このボルト207をネジ穴202にねじ込む。こ
のボルト207を締め付けることにより、固定リング2
04は軸支リング201に固定され、外軸筒203の全
体は軸支リング201に固定される。外軸筒203がボ
ルト207により軸支リング201に固定された状態が
図12で示される。
【0086】この外軸筒203により回転自在に軸支さ
れるのは駆動軸210である。この駆動軸210は図1
1で示すように、その中心軸に通気穴211を上下方向
に貫通開口したパイプ状をしており、駆動軸210の下
端にはリング状をした連結板212を一体となるように
固定してある。この連結板212はその中心に開口を形
成したリング状をしており、駆動軸210の下端で開口
した通気穴211の開口軸と、連結板212の中心に開
口した開口軸と一致させ、駆動軸210の下端と連結板
212の周囲上面とを電気溶接等により一体となるよう
に結合してある。この連結板212の周囲の複数箇所
(図11では四箇所)には挿通穴213が上下方向に貫
通開口してある。また、駆動軸210の上部の外周には
ネジ山216が形成してあり、駆動軸210の外周の上
端より下方に向けてこのネジ山216と交差するように
して、縦方向にキー溝214が切欠いて形成してある。
さらに、駆動軸210の外周であって連結板212より
少し上方の位置から上側はその外形が径小となってい
て、その外形の異なった部分は段差215となってい
る。
【0087】<駆動軸210の保持機構>
【0088】この駆動軸210を外軸筒203により回
転自在に保持する機構は図11で示すように、ベアリン
グ218(ユニットとなっていてボールベアリングが内
部に収納してある)、スペーサー219、押さえ板22
0、ベアリング221、スペーサー222、離間板22
3、押さえ板224から構成されている。このベアリン
グ218はリング状をしており、内蔵したボールベアリ
ングにより内外周のリングが自由に回転することがで
き、このベアリング218を軸穴206の下端開口より
挿入し、軸穴206の途中にある段差にその外周を係止
させる。さらに、軸穴206の下端開口よりリング状を
したスペーサー219を挿入し、スペーサー219の上
面をベアリング218の下面に密着させる。次いで、円
盤型をした押さえ板220を外軸筒203の下面に密着
させ、図12で示すように押さえ板220をネジ225
で外軸筒203に固定する。
【0089】次に、外軸筒203に形成した軸穴206
の上端開口よりベアリング221を挿入し(このベアリ
ング221もユニットとなっており、内蔵したボールベ
アリングによりその内外周のリングが自由に回転するこ
とができる)、外軸筒203の途中にあり段差にその外
周を係止させる。さらに、軸穴206の上端開口よりス
ペーサー222を挿入し、スペーサー222の下面をベ
アリング221の上面に密着させる。次いで、円盤型を
した押さえ板224を外軸筒203の上面に密着させ、
図12で示すように押さえ板224をネジ226で外軸
筒203に固定する。このようにして、軸受の機構を組
み立てることができる。このように組み立てられたベア
リング218、スペーサー219、押さえ板220の中
央開口の下方より駆動軸210の上端を挿入し、さら
に、駆動軸210の上端をベアリング221、スペーサ
ー222、押さえ板224のそれぞれの開口を通過さ
せ、外軸筒203の上部の押さえ板224の上面より突
出させるまで挿通する。すると、図12のように段差2
15がベアリング218の下面と接触し、駆動軸210
はそれ以上は挿入されなくなる。次いで、駆動軸210
の上端よりパイプ状をした離間板223を挿入し、その
離間板223を押さえ板224の開口より挿入し、離間
板223の下端がスペーサー222の上面に達するまで
挿入する。この離間板223は薄肉のパイプ状をしてお
り、その内径は駆動軸210の外形とほぼ等しくなるよ
うに設定してあり、その長さは離間板223の下端がベ
アリング221の上面に接したとき、押さえ板224の
上面より高い位置になるように設定してある。
【0090】この後、駆動軸210の上端よりプーリー
178を挿入し、プーリー178の下面を離間板223
の上端に接触させ、駆動軸210のキー溝214とプー
リー178のキー溝227に跨がるようにキー228を
差し込む。このキー228により駆動軸210とプーリ
ー178がその円周方向に回転しないように固定するこ
とができる。さらに、駆動軸210の上端よりその内周
に雌ネジを形成しプーリー押さえ229をねじ込み、プ
ーリー押さえ229をネジ山216にねじ込み、プーリ
ー178、離間板223を押さえつける。このプーリー
押さえ229をねじ込むことによりプーリー178、離
間板223が押し下げられるが、相対的に駆動軸210
は引き上げられることになる。この駆動軸210が引き
上げられると段差215がベアリング218に係合し、
それ以上は駆動軸210は引き上げられず、駆動軸21
0は上下のベアリング218、221によって挟持され
たことになる。このようにして、駆動軸210は一対の
ベアリング218、221で保持され、その中心軸を垂
直に維持して水平方向に回転自在に軸支されることにな
る。
【0091】<攪拌部235、攪拌部236の構成>
【0092】次に、図9で示すように、乾燥釜145の
内部の空間には攪拌部235が収納してあり、乾燥釜1
46の内部空間には攪拌部236が収納してある。この
攪拌部235は前述した軸受部113の下部に連結して
吊り下げら、乾燥釜145の内部で回転することにより
屎尿を攪拌することができるものである。また、攪拌部
236は前述した軸受部114の下端に連結して吊り下
げら、乾燥釜146の内部で回転することにより屎尿を
攪拌することができるものである。この攪拌部235と
236は同一の構造であるため、以下において攪拌部2
36の説明だけを行ない、攪拌部235の説明は省略す
る。なお、攪拌部235、236の構成は図3、図7、
図8、図10にも視線を変えて図示してあるため、これ
らの図も参照されたい。図13では攪拌部236の外観
を示しており、この図13の上半分にも駆動軸210を
示してあり、駆動軸210の下端には攪拌部236を吊
り下げるようにして連結してある。そして、駆動軸21
0によって吊り下げられた攪拌部236は乾燥釜145
の内部空間で回転自在に保持されている。
【0093】この攪拌部236は駆動軸210の下部に
保持されているものであり、攪拌部236の上部に設け
られた連結板241により吊り下げられている。この連
結板241はその中央に開口を形成したリング状をして
おり、その内外形は前述した連結板212とほぼ同じ形
状であり、この連結板241の周囲の複数箇所(図13
では四箇所)にネジ穴242を上下方向に貫通開口して
ある。この連結板241の中央には開口が形成してあ
り、この開口には吊り下げパイプ244の上端が嵌め込
んで固定してある。この吊り下げパイプ244は上下の
長さが短いパイプ状をしており、その下端は斜めに切断
されている。
【0094】そして、吊り下げパイプ244の斜めに切
断された下端には斜向パイプ245の上端が電気溶接等
により気密に連結してあり、吊り下げパイプ244と斜
向パイプ245とはその内部で空気が流れるように接続
してある。この斜向パイプ245はその中心が空洞で上
下端が開口したパイプ状をしており、斜向パイプ245
の上端は吊り下げパイプ244の下端とは逆方向に斜め
に切断してある。このため、吊り下げパイプ244の下
端に斜向パイプ245を溶接等により連結すると、吊り
下げパイプ244の軸線(この軸線は垂直に保持されて
いる)に対して斜向パイプ245の軸線は斜め下方を向
くように傾斜させられている。つまり図7で示すように
吊り下げパイプ244と斜向パイプ245は『く』の字
形に折り曲げられるように組み立てられている。
【0095】この斜向パイプ245の下端開口は斜めに
切断されており、この下端の切断方向は斜向パイプ24
5の上端が切断された方向と同じ向きである。そして、
この斜向パイプ245の下端にはパイプ状をした吸引パ
イプ246の上端が電気溶接等により気密に連結してあ
り、斜向パイプ245と吸引パイプ246とはその内部
で空気が流れるように接続してある。この吸引パイプ2
46はその中心が空洞で上下端が開口したパイプ状をし
ており、吸引パイプ246の上端は斜向パイプ245の
下端とは逆方向に斜めに切断してある。このため、斜向
パイプ245の下端に吸引パイプ246を溶接等により
連結すると、斜向パイプ245の軸線に対し吸引パイプ
246の軸線は『く』の字形に折り曲げられて結合され
たことになり、図7で示すように斜向パイプ245と吸
引パイプ246とは『く』の字形に折り曲げられるよう
に組み立てられている。
【0096】このようにして吊り下げパイプ244と斜
向パイプ245で一旦斜めに折り曲げられ、次いで斜向
パイプ245と吸引パイプ246で逆方向に折り曲げら
れ、吊り下げパイプ244と斜向パイプ245と吸引パ
イプ246により一本のクランク体247が形成されて
いる。このようにして図7で示すようにクランク体24
7が形成されると、吸引パイプ246の軸線は吊り下げ
パイプ244の軸線と平行となり、かつ垂直に保持され
たことになる。そして、吊り下げパイプ244、斜向パ
イプ245、吸引パイプ246のそれぞれの接合面は気
密に接続されているため、クランク体247は一本のパ
イプと同じ作用を行うこととなり、吊り下げパイプ24
4の上端開口より吸引パイプ246の下端開口まで漏れ
ることなく空気を流動させることができる。さらに、こ
の斜向パイプ245の下部の上面には、小さな空気穴2
48が開口させてあり、この空気穴248によって斜向
パイプ245の内部と外部は空気を流動させることがで
きる。
【0097】前述の吸引パイプ246にはやや三角形状
(図3で示されるように乾燥釜146を向いた方向(図
3で左側)を頂点として、左右の辺を直線状に形成し、
底辺を円弧となるように内側に削られている)をした一
対の取付体250、251を挿通してあり、取付体25
0は吸引パイプ246の外周の上部に電気溶接等で固着
してあり、取付体251は吸引パイプ246の外周の下
部に電気溶接等で固着してある。これらの一対の取付体
250、251は図13で示すように上下に間隔をおい
て平行に配置してある。
【0098】そして、取付体250と251の各背面
(二等辺三角形の斜線部分)である直線の辺の間には、
それぞれ長方形をした側板252と253が固着してあ
り、取付体250、251、側板252、253で立体
形の構造物を形成されている。両取付体250、251
の乾燥釜146の中心に向いた辺は円弧形に形成されて
おり、この円弧形をした辺には円弧を描くようにして湾
曲させた攪拌板254の裏面を密着させ、攪拌板254
と取付体250、251および側板252、253のそ
れぞれの接触面を電気溶接等で気密に固着してある。さ
らに、攪拌板254の半円形となった下端には、薄肉鋼
板をテーパー状に曲げて形成したスカート板255の上
端を固着してあり、攪拌板254、スカート板255に
よってブルドーザーの排土板に似た形状に形成してあ
る。この攪拌板254は図3で示すように、その曲面率
は乾燥釜146の内周の曲面率よりも大きく設定してあ
り、斜向パイプ245の両端の長さは乾燥釜146の内
径よりも少し小さくなる程度に設定してある。そして、
攪拌板254の両端を結ぶ直線は図3で示すように、乾
燥釜146の中心付近を通過しており、攪拌板254、
スカート板255で乾燥釜146の底部が二分されるよ
うに構成してある。このようにして攪拌部236が組み
立てられている。
【0099】<攪拌部236を軸受部114に連結する
構成>
【0100】このように構成された攪拌部236は軸受
部114の下部に吊り下げられるようにして連結され
る。この組み合わせにおいては連結板241の上面を連
結板212の下面に密着させ、挿通穴213とネジ穴2
42の位置を一致させ、各挿通穴213よりネジ243
を挿入し、このネジ243をネジ穴242にねじ込む。
このネジ243をねじ込むと両連結板212、241が
密着して固定され、軸受部114の下部に攪拌部236
の上部が連結される。この結合において、吊り下げパイ
プ244の開口と駆動軸210にある通気穴211の開
口とは気密に連通し、上下に空気の流動を行えるように
一体となって連通させられる。すなわち、吸引パイプ2
46の下端開口より通気穴211の上端開口まで一連と
なった空気の流路が形成され、この空気の流路を流動す
ることができる。
【0101】この攪拌部236が軸受部114に吊り下
げられて連結された状態は図7、図9、図10で示され
ている。この吊り下げられた平面の状態は図3で示さ
れ、攪拌板254の両端は乾燥釜146の内径より少し
間隔をおいて接触しない位置にあり、半円形となった攪
拌板254の中央は乾燥釜146の内径の四分の一程度
の位置にある。また、攪拌部236が吊り下げられた状
態を側面から見ると、図9、図10のように示され、ス
カート板255の下端は乾燥釜146の底面より少し上
方に位置し、スカート板255が乾燥釜146の底辺に
接触しないように設定してある。また、吸引パイプ24
6は図9、図10で示すようにその軸線を垂直に位置さ
せてあり、吸引パイプ246の下端開口は乾燥釜146
の底面より少し上方に位置している。この攪拌部236
が軸受部114に吊り下げられていると、図7で示すよ
うに吊り下げパイプ244に斜向パイプ245が斜め下
方に傾斜して位置し、斜向パイプ245の下端は乾燥釜
146の内壁に接近し、斜向パイプ245の下端に連結
した吸引パイプ246は乾燥釜146の内壁に接近した
位置にある。このため、駆動軸210を回転すると吊り
下げパイプ244は乾燥釜146の内部空間で円形に掻
き混ぜるように回転することになる。
【0102】<加熱部117、118の構成>
【0103】次に、加熱部118の構成を説明すると、
その外観は図2、図4、図5、図6図7、図8、図9で
示され、偏平した箱状をしており、この加熱部118は
基礎角材131に載置されている。この加熱部118は
その内部は図14で示されており、その内部にに高周波
コイル264を収納しており、この高周波コイル264
により乾燥釜146と蓄熱体181に高周波の電磁波を
交拌させ、渦電流損による電磁誘導加熱により乾燥釜1
46と蓄熱体181自体を発熱させることができる。こ
の加熱部118は電磁波を発生させるためにユニット化
されており、この加熱部118の内部の構造を図14と
ともに詳しく説明する。なお、他の加熱部117の構成
はこの加熱部118の構成と同一であるため、加熱部1
17についての説明は省略した。
【0104】この加熱部118の外殼は、内部が空洞の
箱状をしたコイル容器261であり、このコイル容器2
61は上方が開口した箱状の箱体262と、この箱体2
62を閉鎖する蓋板263から構成されている。この箱
体262は薄肉の金属板を折り曲げて形成してあり、底
部分は正方形であり、この底部分の四辺を立ち上げるこ
とで箱状に形成してある。また、蓋板263は薄肉の金
属板を正方形に切断したものであり、その平面形状は箱
体262の底部分の平面形状より若干大きく設定してあ
り、箱体262に蓋板263を被せると蓋板263の四
隅が水平に張り出すことになる。この箱体262の上部
の開口端に蓋板263の下面を密着させ、両者をねじ止
めや電気溶接することで立体形をしたコイル容器261
が組み立てられている。このコイル容器261は内部が
空洞であって、外部から閉鎖された構造となっている。
このコイル容器261の一方の側面(図14において左
奥側)の中央にはパイプ状をした吸気管267が接続し
てあり、箱体262の他方の側面(図14におい右手前
側)の中央にはパイプ状をした排気管268が接続して
ある。このため、閉鎖されたコイル容器261には外部
から空気が吸気管267を通じて流入し、コイル容器2
61の内部にある空気は排気管268を通じて排出され
ることになる。
【0105】この箱体262の空洞となった内部の中央
には、図14で示すように電磁波を発生させるための偏
平な円筒形をした高周波コイル264が固定してある。
この高周波コイル264はその外周が箱体262の内周
面に接触しないように隙間を置いてあり、吸気管267
から流入した空気は箱体262の内部空間にある高周波
コイル264の表面と接触し、熱交換した後で排気管2
68より外部に排出される。この高周波コイル264の
両端に接続された一対の電力線265は箱体262の側
面(排気管268を突出した側面で図14において右手
前側)に絶縁して固定してある一対の電極266にそれ
ぞれ接続してある。なお、一対の電極266は箱体26
2の側面であって、排気管268の左右に突起させてあ
る。
【0106】<流路切換部119の構成>
【0107】前述の便器106と乾燥部111、112
の間に介在され、乾燥釜145、146の何れか一方に
屎尿を振り分けて投入させる流路切換部119の構成に
ついて図15、図16、図17と共に説明する。この流
路切換部119の外見は図4、図5で示され、図8でも
示されている。図16はこの流路切換部119を縦方向
に切断したものであり、図15におけるDーD方向に矢
視した断面に対応している。図17は流路切換部119
を構成する主要な部材を上下に分離して示した分解斜視
図である。
【0108】この流路切換部119は便器106の下方
に位置しており、図4、図5で示すように、その上端に
はゴム等で形成された蛇腹状のジョイント135により
便器106の下部と連結してある。この流路切換部11
9はその下部が左右に二股に分岐しており、その分岐し
たそれぞれの下端開口は図9で示す投入口185、18
6にそれぞれ独立して挿入してある。このため、便器1
06に排泄された便器は一時便器106の底部に貯留さ
れるが、次いで、屎尿は流路切換部119の上部開口に
落下する。そして、落下した屎尿は流路切換部119の
内部に組み込まれた振り分け機構により、投入口185
か186の何れか一方に流下されて案内され、乾燥釜1
45または乾燥釜146の何れか一方に振り分けて投入
される。この流路切換部119は便器106に排泄され
た屎尿を乾燥処理が行うことができる乾燥釜145、1
46の何れか一方に投入させる機能を有している。
【0109】この流路切換部119の主要な部材は分岐
ダクト271であり、この分岐ダクト271は上部に開
口を有し、中央から下方の左右に分けて二股に分岐して
おり、分岐した下端にはそれぞれ開口を有している。こ
の分岐ダクト271は薄肉鋼板を折り曲げて、内部が空
洞となるように構成してあり、分岐ダクト271の内部
の断面形状は図16で示されている。この分岐ダクト2
71は空調機の送風ダクトに似た構造であり、前後の側
面(図17の右手前側と左奥側の面)には薄肉の鋼板に
よる側板272と273とが配置してあり、これらの側
板272、273は平行となるように配置してあり、こ
れらの側板272、273の下半分は内側の面が序々に
接近しており、絞るように傾斜している。また、図16
で示すように、側板272、273の左側の肩には直線
状の上傾斜板274が載置してあり、側板272、27
3の右側の肩には直線状の上傾斜板275が載置してあ
る。さらに、図16で示すように、一対の側板272、
273の下部には逆V字形の切込みが形成してあり、こ
の切込みの左側には流動板276が固定してあり、切込
みの右側には流動板277が固定してある。これらの側
板272と273、上傾斜板274と275、流動板2
76と277はそれぞれの周辺を電気溶接等により気密
に接続してあり、上部に大きな四角い開口を有し、下方
の左右には二つに分離した開口を有する、内部が空洞を
した立体物が形成されている。
【0110】図17で示すように、これらの側板27
2、273、上傾斜板274、275、流動板276、
277により分岐ダクト271の上部には長方形をした
開口が形成されたことになり、この開口には長方形をし
た薄肉の接続枠278が固着してある。この接続枠27
8の中央には円形をした導入口279が開口してあり、
導入口279の周囲の四箇所にはネジ穴280が開口し
てある。また、側板272、273、上傾斜板274、
275、流動板276により図16の左側の下端には、
四角い開口が形成され、この左側の開口には下方に向け
て四角い筒状をしたシュート281を一体に固着してあ
る。そして、シュート281の外周には枠状をした座枠
283が固着してあり、この座枠283の下面は前述し
た支え板140の上面に密着させることができる。さら
に、側板272、273、上傾斜板274、275、流
動板277により図16の右側の下端には、四角い開口
が形成され、この右側の開口には下方に向けて四角い筒
状をしたシュート282を一体に固着してある。そし
て、シュート282の外周には枠状をした座枠284が
固着してあり、この座枠284の下面は前述した支え板
140の上面に密着させることができる。
【0111】このように分岐ダクト271は、側板27
2、273、上傾斜板274、275、流動板276、
277、シュート281、282、座枠283、28
4、接続枠278により単体のユニットとして形成され
ている。この分岐ダクト271は空洞となった内部空間
で屎尿を流下させることができ、流動板276の上面
か、流動板277の上面の何れか一方を選択して屎尿を
落下させることで、流動板276の上面に屎尿を流動さ
せてシュート281より乾燥釜145に投入させるか、
或いは流動板277の上面に屎尿を流動させてシュート
282より乾燥釜146に投入させかの、投入方向を選
択することができる機能を持っている。
【0112】次に、この流路切換部119における分岐
ダクト271の内部空間に収納され、投入された屎尿を
左右に振る分けるとともに、乾燥釜145、146から
便器106の空気の流通を遮蔽する機能を持つ振り分け
の機構について説明する。
【0113】前述した分岐ダクト271の内部空間に
は、上下に連通する四角い枠状をした振り分け体290
が挿入してある。この振り分け体290は逆家型をして
下方に向けて突出した一対の三角側板291、292
と、この三角側板291と292を連結する側板29
3、294により枠状に組み立てられている。このた
め、三角側板291の側面には側板293と294の一
端が連結され、三角側板292の側面には側板293と
294が他端が連結され、それぞれの接続面は直角とな
っていることから、長方形の開口を有する枠組みが形成
されている。この側板293と294の長さは側板27
2と273の内壁の間隔とほぼ等しくなるように設定し
てある。このため、振り分け体290を分岐ダクト27
1の内部空間に挿入すると、三角側板291と292の
外側はそれぞれ側板272、273の内壁と密着し、三
角側板291、292、側板293、294で形成され
た四角い上部開口の下面に密着し、それぞれの接続面は
電気溶接等によって気密に結合してある。そして、この
三角側板291、292、側板293、294の下縁に
は四角い枠の中央を直角に折り曲げた閉鎖枠295が縁
取りをするように固定してあり、閉鎖枠295は振り分
け体290の下面において逆V字形となるような空間を
縁取っている。
【0114】さらに、側板272と273の上部の左右
にはそれぞれ軸支穴301と302を開口してあり、軸
支穴301は側板293よりも外側(図16で左側)に
配置させてあり、軸支穴302は側板294よりも外側
(図16で右側)に配置させてある。前述した分岐ダク
ト271の内部空間(図16で左側)であって閉鎖枠2
95より下方の位置には平板状をした開閉板296が配
置してあり、この開閉板296の平面は閉鎖枠295の
左半分の開口面積にほぼ一致させてある。同様に、分岐
ダクト271の内部空間(図16で右側)であって閉鎖
枠295より下方の位置には平板状をした開閉板298
が配置してあり、この開閉板298の平面は閉鎖枠29
5の右半分の開口面積にほぼ一致させてある。
【0115】この開閉板296の上部両側は直角に折り
曲げられて軸支片となっており、この軸支片にはそれぞ
れ接続穴297が開口してある。この開閉板296を分
岐ダクト271の左側の内部空間に挿入し、軸支穴30
1と接続穴297の位置を合わせた後、側板272の側
面より細長い開閉軸303を軸支穴301、接続穴29
7に挿入し、開閉軸303の終端に止めリング309を
嵌め込んで両者を固着する。さらに、接続穴297の周
囲において、開閉軸303と開閉板296を固着し、開
閉軸303と開閉板296が同時に回動できるように連
結してある。同様に、開閉板298の上部両側は直角に
折り曲げられて軸支片となっており、この軸支片にはそ
れぞれ接続穴299が開口してある。この開閉板298
を分岐ダクト271の右側の内部空間に挿入し、軸支穴
302と接続穴299の位置を合わせた後、側板272
の側面から細長い開閉軸304を軸支穴302、接続穴
299に挿入し、開閉軸304の終端に止めリング31
0を嵌め込んで両者を固着する。さらに、接続穴299
の周囲において、開閉軸304と開閉板298を固着
し、開閉軸304と開閉板298が同時に回動できるよ
うに連結してある。この開閉軸303の図17中右手前
側の終端にはカップリング305が固着してあり、この
カップリング305には開閉モーター307が連結して
ある。また、開閉軸304の図17中右手前側の終端に
はカップリング306が固着してあり、このカップリン
グ306には開閉モーター308が連結してある。
【0116】<便器106と流路切換部119を接続す
る構成>
【0117】次に、前述の便器106と流路切換部11
9を接続するための構成について説明する。前述した導
入口279の上部には投入筒314が載置してあり、こ
の投入筒314は内部が空洞をした円筒形をしている。
この投入筒314は薄肉鋼板を丸めることで形成されて
おり、その下部は周囲に広がったフランジ315となっ
ていて、フランジ315の周囲には複数のネジ穴316
を開口してある。この投入筒314の内径は前述した導
入口279の内径とほぼ同じとなるように設定してあ
り、投入筒314の上部には前述したジョイント135
に連結するための径小の接続筒317が連続して設けて
ある。この投入筒314を接続枠278に固定するに
は、ネジ穴316とネジ穴280の位置を合わせ、ネジ
穴316、280にボルト318を挿入し、下方に突出
したボルト318の下端にナット319をねじ込むこと
により、フランジ315と接続枠278を連結させてあ
る。
【0118】<屎尿処理装置105の配管による流路>
【0119】次に、図18により、本発明の実施の態様
における屎尿処理装置105を構成する主要部材を接続
し、屎尿や空気の流動を行わせる配管の接続について説
明する。図18では便器106に排泄された屎尿を流路
切換部119を介して乾燥釜145か乾燥釜146の何
れか一方に投入させるための流路と、送風機より屎尿処
理装置105の各部に空気を流通させるための流路を図
示したものである。
【0120】まず、支え板140の上部には流路切換部
119を配置してあり、流路切換部119の上部に設け
てある投入筒314は便器106の下部開口と接続して
ある(図2を参照)。この流路切換部119におけるシ
ュート281は投入口185に挿入してあり、シュート
282は投入口186に挿入してあり、両シュート28
1、282はそれぞれ支え板140で固定してある。こ
のため、流路切換部119は支え板140の上部に山形
に載置されていることになり、図18で模示的に示すよ
うに、流路切換部119はその三角形となった頂点を上
にして、分岐した下部の左右をそれぞれ支え板140に
載置してた構成となっている。また、乾燥釜145の内
部には球形状をした蓄熱体181が収納してあり、乾燥
釜146の内部にも球形状をした蓄熱体181が収納し
てある。
【0121】次に、外部から屎尿処理装置105の内部
に空気を供給する唯一の窓口となるフィルター箱321
を説明する。このフィルター箱321は外部から閉鎖さ
れた空洞の箱状をしており、フィルター箱321の両端
には空気の流動を行うための一対の開口が設けてあり、
その内部には空気に含まれる塵埃を捕捉するためのフィ
ルター322が収納してある。このフィルター箱321
の一方の開口は外部に開放してあり、他方の開口は加熱
部117に接続してある。この加熱部117の内部には
高周波コイル324(この構成は、図14で示す高周波
コイル264と同じ構造である)が収納してあり、加熱
部117の排出側には加熱部118が接続してある。こ
の加熱部118の内部には前述した図14で示す高周波
コイル264が収納してある(加熱部117は図14で
は図示していないが、加熱部118の構造と同一であ
る)。こうして、加熱部117と118は直列に接続し
てあり、この加熱部118の排気管268には吸気パイ
プ325の一端が接続してあり、吸気パイプ325の他
端には送風機326が接続してある。この送風機326
は空気を圧送するものであり、その内部にはモーター3
27と、このモーター327によって駆動されるファン
328が収納してある。そして、送風機326の排出側
には排出パイプ329が接続してあり、この排出パイプ
329の内部には、その内径を絞って空気の流動速度を
その部分で急速に高める作用を行うエゼクター330が
設けてある。さらに、排出パイプ329の内部であっ
て、エゼクター330の下流側に位置して取入口331
を開口してあり、取入口331には空気パイプ332を
接続してある。
【0122】前述した支え板140に開口した吸気口1
87(図9を参照)には開閉弁193が接続してあり、
支え板140に開口した吸気口188(図9を参照)に
は開閉弁194が接続してある。この開閉弁193の上
端には連通パイプ196が接続してあり、開閉弁194
の上端にはTジョイント195が接続してあり、連通パ
イプ196の終端とTジョイント195のT字形の一端
の開口を接続し、Tジョイント195のT字形の他端に
は接続パイプ197が接続してある。この接続パイプ1
97の終端は再加熱部120に接続してあり、接続パイ
プ197から流路した空気はこの再加熱部120に流入
させられる。この再加熱部120の内部には流入した空
気を加熱させるための再加熱ヒーター334が収納して
あり、再加熱部120の他方の面には曲げパイプ198
の一端が接続してあり、曲げパイプ198の他端には消
臭部121の下面が接続してある。この消臭部121の
内部には塵埃を捕獲するためのフィルター335と、白
金等の貴金属から構成された触媒336が収納してあ
る。そして、消臭部121の上面には連通パイプ337
の一端が接続してあり、連通パイプ337の他端は排出
パイプ329に側面であってエゼクター330の中心部
と連通するように接続してある。
【0123】前述した支え板140に設けた軸受部11
3の上端開口にはT字形をしたT字パイプ341を被せ
るように接続してあり、支え板140に設けた軸受部1
14の上端開口にはT字形をしたT字パイプ342を被
せるようにして接続してある。このT字パイプ341、
342はそれぞれ屎尿処理装置105の本体側に保持さ
れていてそれ自体は回転せず(保持する機構については
省略。図7では浮かんでいるように図示されているが、
図示しない他の機構により保持されている。)、T字パ
イプ341は軸受部113の上端開口に被せるようにし
て密着してあり、軸受部113を構成する駆動軸210
(図11を参照)が回転してもT字パイプ341は回転
せず、かつ、駆動軸210とT字パイプ341との間で
は空気を流通させることができる。このT字パイプ34
1は上方に向かう空気の流路と側方向に向かう空気の流
路を持つT字形をしており、その上端開口には開閉弁3
44が接続してあり、側面開口には開閉弁345が接続
してある。また、T字パイプ342は軸受部114の上
端開口に被せるようにして密着してあり、軸受部114
を構成する駆動軸210(図11を参照)が回転しても
T字パイプ342は回転せず、かつ、駆動軸210とT
字パイプ342との間では空気を流通させることができ
る。このT字パイプ342は上方に向かう空気の流路と
側方向に向かう空気の流路を持つT字形をしており、そ
の上端開口には開閉弁346が接続してあり、側面開口
には開閉弁347が接続してある。これらの開閉弁34
4、345、346、347はそれぞれ電気信号で作動
され、その開閉によって空気の流動を遮断したり開通さ
せたりすることができる。
【0124】前述の空気パイプ332の終端はT字形に
二つに分岐してあり、一方の先端は開閉弁345を接続
してあり、他方の先端は開閉弁347を接続してある。
この構成により、取入口331から取り込まれた空気は
空気パイプ332を流動しそれぞれ分岐されて、開放し
た開閉弁345より乾燥釜145の内部空間に流入し、
或いは、開放した開閉弁347より乾燥釜146の内部
空間に流入させられる。この空気に流入は選択的に切り
換えられる。
【0125】前述の開閉弁344には放出パイプ349
の一端が接続してあり、この放出パイプ349の途中に
は開閉弁346が接続してあり、放出パイプ349の他
端はゴミ回収箱350の内部空間にまで延長し、放出パ
イプ349の終端はこのゴミ回収箱350の内部空間で
開口している。このゴミ回収箱350は電気掃除機のゴ
ミ分離機構とよく似た構造をしており、ゴミ回収箱35
0は外部から閉鎖されが内部が空洞の箱状をしており、
このゴミ回収箱350の内部にはゴミ袋351が収納し
てある。このゴミ袋351は空気は流出させるが塵埃は
通過させない紙、布等の材料を用いて形成され、閉鎖し
た袋状に縫いあげてあり、ゴミ回収箱350の内部空間
で膨らましてある。前記放出パイプ349の終端はこの
ゴミ袋351の内部で開口しており、放出パイプ349
の終端開口からゴミ袋351の内部空間に流入した空気
は、必ずゴミ袋351の膜面を通過してゴミ回収箱35
0の内部空間に移動させられることになる。また、ゴミ
回収箱350の上部にはゴミ回収箱350の内部空間と
連通する排出パイプ352の一端が接続してあり、排出
パイプ352の他端は送風機353の吸引側に接続して
ある。この送風機353の内部にはモーター354と、
このモーター354に駆動されるファン355が収納し
てあり、送風機353の排出側は外囲に開放している。
【0126】<液面センサー357、358の構成>
【0127】また、図1から図17までには図示してい
ないが、図18で示されるように乾燥釜145の内部に
は一対の電極で構成された液面センサー357が設けて
あり、乾燥釜146の内部には一対の電極で構成された
液面センサー358が設けてある。この液面センサー3
57は支え板140の下面に固定してあり、液面センサ
ー357は図3、図9で示す取付穴189より下方に向
けて挿入されている。この液面センサー357は一対の
電極から構成され、両電極はそれぞれが接触しないよう
に間隔を離してあり、両電極は支え板140とは電気的
に絶縁して固定してある。この液面センサー357は乾
燥釜145の空間内で上部から下方に垂れ下げてあり、
液面センサー357の電極の下端は乾燥釜145に屎尿
を満たした際に、加熱乾燥の処理ができる許容液面高さ
となるように設定してある。
【0128】そして、液面センサー358は支え板14
0の下面に固定してあり、液面センサー358は図3、
図9で示す取付穴190より下方に向けて挿入されてい
る。この液面センサー358は一対の電極から構成さ
れ、両電極はそれぞれが接触しないように間隔を離して
あり、両電極は支え板140とは電気的に絶縁して固定
してある。この液面センサー358は乾燥釜146の空
間内で上部から下方に垂れ下げてあり、液面センサー3
58の電極の下端は乾燥釜146に屎尿を満たした際
に、加熱乾燥の処理ができる許容液面高さとなるよう設
定してある。また、それぞれの液面センサー357、3
58の基部はそれぞれ支え板140とは電気的に絶縁し
てあるが、それぞれの液面センサー357、358の電
極の先端(下端)は導電性の金属材料を露出させてあ
り、各液面センサー357、358の先端に屎尿の液面
が接触することで両電極間に電極が流れ、乾燥釜14
5、146の内部で収納できる限界高さにまで屎尿が投
入されていることを検知することができる。
【0129】<温度センサー361、362の構成>
【0130】そして、乾燥釜145の側面には、この乾
燥釜145の温度変化を常時検知する温度センサー36
1が取り付けてあり、乾燥釜146の側面には、この乾
燥釜146の温度変化を常時検知する温度センサー36
2が取り付けてある。これらの温度センサー361、3
62は乾燥釜145、146の温度の変化を電気信号と
して出力することができるものである。
【0131】<電気制御回路の構成>
【0132】また、図19により本実施の形態における
屎尿処理装置105全体を自動的に制御する電気系統の
構成をブロック図により説明する。この屎尿処理装置1
05の全体は中央演算回路375によって制御されてお
り、この中央演算回路375にはCPU(マイクロプロ
セッサーや中央演算素子等)やプログラムを記憶させた
不揮発性メモリー(ROM)等から構成されている。こ
のため、予め定められた手順と検知した条件により屎尿
処理装置105を最適な条件で作動することができ、故
障や不適当な条件の元では自動的にその動作を停止させ
ることができる機能をもっている。
【0133】<<中央演算回路375への入力信号系統
>>
【0134】前述した一対の液面センサー357、35
8の出力信号はそれぞれオーバーフロー回路371に入
力しており、オーバーフロー回路371による判別信号
は中央演算回路375に入力している。また、乾燥釜1
45の温度の変化を検知する温度センサー361の出力
は温度判別回路372に入力しており、同時に乾燥釜1
46の温度の変化を検知する温度センサー362の出力
も温度判別回路372に入力している。そして、ハウス
103内に設けられ利用者が仮設便所101を排泄の目
的に使用したならば、その利用の終了を指示するための
指示スイッチ374(図1では図示していないが利用者
が仮設便所101を利用する都度操作するもの)の出力
は乾燥指示回路373に入力しており、この乾燥指示回
路373からの制御信号は中央演算回路375に入力し
ている。また、屎尿処理装置105の全ての動作を開始
させるための電源スイッチ376の出力は中央演算回路
375に入力している。
【0135】<<中央演算回路375からの出力信号系
統>>
【0136】この中央演算回路375は、入力した各種
の信号と、その内部に記憶してあるプログラムの条件と
を比較し、その判別結果によって屎尿処理装置105に
設けられた各種の機構を動作させるための複数の制御信
号を出力することができる。まず、中央演算回路375
の出力はオーバーフロー表示回路377に入力してお
り、オーバーフロー表示回路377の出力は利用者に便
器106の使用を中止する旨の警報ランプ378が接続
してある。また、中央演算回路375の独立した出力信
号はそれぞれ、投入方向切換回路379、モーター制御
回路380、開閉弁制御回路381、ヒーター制御回路
382が接続してある。この投入方向切換回路379の
出力には流路切換部119に取り付けられた開閉モータ
ー307、308が接続してあり、開閉モーター307
または308の何れか一方が開閉することにより、便器
106からの流路をシュート281又はシュート282
の何れか一方に切換えることができる。また、モーター
制御回路380にはモーター164、174、327、
354がそれぞれ接続してあり、開閉弁制御回路381
には開閉弁193、194、344、345、346、
347がそれぞれ独立して接続してある。さらに、ヒー
ター制御回路382の出力には高周波発生回路383と
再加熱ヒーター334が接続してあり、高周波発生回路
383の出力には高周波コイル324と264がそれぞ
れ独立して接続してある。
【0137】次に、本実施の形態による作用をそれぞれ
動作の状況ごとに区分けして具体的に説明する。
【0138】〔無動作の状態〕
【0139】この仮設便所101が倉庫内に保管されて
いる状態のとき、あるいは仮設便所101が催物会場に
設置されているが、夜間や休日等で使用されていない状
態のときには、電源スイッチ376はオフ(回路を投入
していないこと)となっていて、屎尿処理装置105の
各機能は停止の状態を維持している。この電源スイッチ
376がオフであるとその信号により中央演算回路37
5は停止の状態を維持し、中央演算回路375は投入方
向切換回路379、モーター制御回路380、開閉弁制
御回路381、ヒーター制御回路382にそれぞれ停止
の信号を送っている。
【0140】この無動作の状態のときには、それぞれの
機構は次のような状態を保っている。まず、投入方向切
換回路379は開閉モーター307、308の動作を停
止させるとともに、図16で示すように開閉板296ー
aを破線の位置に設定し、開閉板298を実線の位置に
設定し、それぞれを初期状態に復帰させてある。この状
態では、開閉板296ーaは閉鎖枠295の図16にお
ける左側の斜辺に密着しており、開閉板298は閉鎖枠
295の図16における右側の斜辺に密着している。こ
のため、下方に向けてV字形になった閉鎖枠295の枠
組みの左右の開口はそれぞれ開閉板296ーaと開閉板
298によって閉鎖され、投入筒314の空間とシュー
ト281、282の空間とは連通されず、流路切換部1
19は閉鎖された状態となっている。また、モーター制
御回路380はモーター164、174、327、35
4を停止させているため、攪拌部235、236は回転
させられず、ファン328、355も回転されない。そ
して、開閉弁制御回路381がそれぞれの開閉弁19
3、194、344、345、346、347を閉鎖さ
せた状態に維持している。ヒーター制御回路382は再
加熱ヒーター334と高周波発生回路383に電力を供
給せず、再加熱ヒーター334は発熱さず、高周波発生
回路383は高周波コイル324、264に高周波の電
力を供給していない。このため、それぞれの乾燥釜14
5、146には高周波は交拌しておらず、乾燥釜14
5、146は発熱していない。
【0141】〔予熱による各機構の初期設定〕
【0142】さて、この仮設便所101を仮設現場や催
物会場等に設置して臨時に使用する場合、この仮設便所
101に収納した屎尿処理装置105を動作させなけれ
ばならない。屎尿処理装置105では動作の開始の指示
により初期の状態に移行し、利用者が便器106に排泄
した屎尿を直ちに処理できるように各機構を待機の状態
に設定しておかなければならない。この屎尿処理装置1
05を待機の状態に維持させるには、仮設便所101の
管理者、或いは会場責任者が電源スイッチ376をオン
する(電源を投入すること)から開始される。
【0143】この電源スイッチ376をオンするとその
信号は中央演算回路375に伝えられ、中央演算回路3
75はモーター制御回路380、開閉弁制御回路38
1、ヒーター制御回路382に信号を出力し、それぞれ
を待機の状態に設定させる(このとき、中央演算回路3
75は投入方向切換回路379には信号を出力せず、左
右にある開閉板296ーa、開閉板298は図16で示
すようにそれぞれ閉鎖枠295の下面に密着してい
る)。この信号により屎尿処理装置105は待機の状態
に移行するが、その際における各部の動作をそれぞれ説
明する。
【0144】〔〔空気の流路の設定〕〕
【0145】まず、開閉弁制御回路381に信号が伝え
られると、開閉弁制御回路381は開閉弁193、34
5を開放させる(開閉弁194、344、346、34
7はなおも閉鎖した状態を保持させる)。すると、乾燥
釜145の内部は開閉弁193を介して連通パイプ19
6と連通し、開閉弁345を介して空気パイプ332と
連通している。このため、外部の空気は空気パイプ33
2を通じ、開閉弁345を通過してT字パイプ341よ
り軸受部113の軸支リング201の内部に流入し、攪
拌部235における空気穴248又は吸引パイプ246
の下端開口より乾燥釜145の内部空間に流入される。
そして、乾燥釜145の内部の空気は開閉弁193を通
して吸引され、連通パイプ196、Tジョイント19
5、接続パイプ197を通過し、再加熱部120の内部
に流入される。この空気の流路は次に説明する送風機3
26による空気の圧送に重要な関連をもっている。
【0146】〔〔送風機326による空気の圧送〕〕
【0147】前記モーター制御回路380によりモータ
ー327に電力が供給されると、モーター327はファ
ン328を回転させて空気を流動させ、送風機326と
しての機能を発揮し、吸気パイプ325より空気をF方
向に吸引して排出パイプ329の方向に流出させる(図
18を参照)。すると、吸気パイプ325は加熱部11
7と118に連通してあるため、これらの内部の空気を
吸引することとなり、外囲の空気はフィルター箱321
内にE方向に吸引される。吸引された空気に含まれた塵
埃やゴミはフィルター322を通過する際に除去され、
清浄な空気はフィルター箱321を通じて加熱部117
内に流入する。次いで、この空気は加熱部117より吸
気管267、加熱部118、排気管268を通過し、吸
気パイプ325内でF方向に流動する。送風機326で
吸引された空気はエゼクター330の中間で絞られた部
分を通過し、排出パイプ329の開口端より図18中G
方向に流動して外部に放出される。このような経路によ
り、送風機326が作動するとフィルター箱321の開
口からE方向に空気が吸引され、加熱部117、11
8、吸気パイプ325を通じてF方向に流動し、次いで
送風機326、排出パイプ329を流動してG方向に排
出される一連の空気の流動が行われる。
【0148】〔〔乾燥釜145への空気の供給と吸
気〕〕
【0149】前述の送風機326が作動すると排出パイ
プ329に空気が送風されるが、その下流側には空気流
の川上方向に向けて取入口331を開口しており、この
取入口331より空気の一部が取り込まれる。取入口3
31に流入した空気は空気パイプ332を流動し、開い
ている開閉弁345を通過し、T字パイプ341より駆
動軸210内に流入し、攪拌部235における空気穴2
48又は吸引パイプ246の下端開口より乾燥釜145
の内部に流入する。
【0150】さて、送風機326で圧送された空気は排
出パイプ329内を流動するが、この流動の際に排出パ
イプ329の内部に設けたエゼクター330を高速で通
過することになる。エゼクター330の絞った部分を空
気が高速で流動するとその周囲に負圧が発生し、その負
圧によりエゼクター330の周囲の空気が吸引され、吸
引した空気は排出パイプ329の下流に放出させられ
る。このような空気の吸引現象が発生するため、エゼク
ター330の側面に接続してある連通パイプ337より
空気が吸引され、消臭部121の内部の空気は吸引され
る。この消臭部121には曲げパイプ198を介して再
加熱部120を接続してあり、再加熱部120には接続
パイプ197、Tジョイント195、連通パイプ196
を介して開閉弁193が接続してある。従って、乾燥釜
145の内部の空気は開いている開閉弁193、連通パ
イプ196、Tジョイント195、接続パイプ197、
再加熱部120、曲げパイプ198、消臭部121、連
通パイプ337の経路を経てエゼクター330で吸引さ
れ、外囲に放出されることになる。このような順路で乾
燥釜145の内部には取入口331からの空気が供給さ
れ、同時に供給された空気はエゼクター330により吸
引され、外囲に放出され一連の空気の流路が形成され
る。
【0151】〔〔触媒336の予熱〕〕
【0152】このように空気が流動すると、再加熱部1
20内には空気が流通することになる。前述のように中
央演算回路375はヒーター制御回路382に制御信号
を出力しているため、温度判別回路372は再加熱ヒー
ター334に電力を供給し、再加熱ヒーター334を発
熱させる。再加熱部120内を流動する空気が再加熱ヒ
ーター334と接触すると、この空気は高温に加熱され
て下流に流れ、曲げパイプ198を通過して消臭部12
1内に流入し、高温の空気で触媒336が加熱される。
このように空気を媒介として発熱した再加熱ヒーター3
34によって触媒336を加熱するのは、触媒336の
酸化還元の機能を発揮するためには所定の温度に維持し
ておかなければならないからである。
【0153】〔利用者による仮設便所101の使用〕
【0154】前述のように電源スイッチ376がオンさ
れることにより、屎尿処理装置105の各部の機構が待
機の状態となり、利用者がいつでも仮設便所101を使
用することができる状態となる。この待機の状態にある
仮設便所101を使用するには、利用者が図1で示すド
アー104を手前に開けて、ハウス103の内部に入
り、便器106に向かって屎尿を排泄する。利用者によ
って排泄された屎尿は便器106の下部に流動し、投入
筒314を通過した後流路切換部119の上部空間に一
時保留される。
【0155】利用者による便器106への屎尿の排泄の
行為が終わったならば、その利用者は次の利用者のため
に自己の排泄物を屎尿処理装置105内に流入させ、排
泄物を処理させる指示を行わなければならない。この処
理の指示はハウス103内に設置してある指示スイッチ
374を押動することにより開始され、指示スイッチ3
74がオンされることで屎尿処理装置105により排泄
物の加熱乾燥の処理が始まる。
【0156】〔乾燥釜145への排泄物の投入〕
【0157】前述のように利用者が指示スイッチ374
を押動すると、その信号は乾燥指示回路373に伝えら
れ、乾燥指示回路373は中央演算回路375へ屎尿の
乾燥処理を開始する信号を伝える。このため、中央演算
回路375は投入方向切換回路379に信号を伝え、投
入方向切換回路379が開閉モーター307を駆動す
る。開閉モーター307は、図17で示した開閉軸30
3を時計方向に回動させ、図16で破線で示した開閉板
296ーaの位置により実線で示した開閉板296の位
置にまでやや90度の角度を回動させる。すると、図1
6中での左半分の空間が開閉板296によって開放され
たことになり、流路切換部119の上部空間に貯留され
ていた屎尿はこの閉鎖枠295の左半分の空間を通過
し、分岐ダクト271の左側の空間を流動し、流動板2
76の傾斜面を流下した後、シュート281より下方に
放出させられる。このシュート281は支え板140に
載置されているが、シュート281の下部開口は乾燥釜
145の内部空間と連通しているため、流動板276を
流下した屎尿はシュート281の下端開口より乾燥釜1
45の内部空間に投入されることになる。
【0158】このようにして、屎尿は乾燥釜145にの
み投入されるが、予め定められた時間が経過すると中央
演算回路375は投入方向切換回路379に指示して、
投入方向切換回路379により開閉モーター307で開
閉軸303を逆転させ、図16中の実線で示した開閉板
296の位置から破線で示した開閉板296ーaの位置
に回動させる。すると、開閉板296ーaの上面は閉鎖
枠295の枠組みの左半分の下面に密着し、開閉板29
6ーaによって閉鎖枠295は閉鎖される。このため、
乾燥釜145の内部空間に投入した屎尿から発生する臭
気は開閉板296ーaによって遮蔽され、臭気はシュー
ト281、投入筒314内を通過して便器106より外
部には放出されない。こうして、屎尿の悪臭は乾燥釜1
45の外部には流出せず、次に仮設便所101を使用す
る利用者や仮設便所101の周囲にいる人達に不快感を
与えることがない。
【0159】なお、この実施の態様では図示していない
が、利用者が排泄した屎尿を便器106の下部より乾燥
釜145に流下させると同時に、泡発生装置や噴霧装置
等により界面活性剤や浄化液を便器106の表面に噴霧
させることもできる。このような界面活性剤や浄化液を
泡状や霧状にして便器106、投入筒314、分岐ダク
ト271の内壁を付着させると、屎尿の流動を円滑に行
わさせることができ、かつ、それぞれの内壁に屎尿が付
着するのを防止することがきる。
【0160】〔乾燥釜145による屎尿の乾燥処理〕
【0161】このように、乾燥釜145の内部に屎尿が
投入され、開閉モーター307の動作により開閉板29
6の位置から開閉板296ーaの位置に復帰させたなら
ば、次に中央演算回路375は記憶してあるステップに
より乾燥釜145を加熱して屎尿の加熱乾燥の処理を開
始する。この加熱乾燥の処理の開始は、中央演算回路3
75はモーター制御回路380とヒーター制御回路38
2にそれぞれ制御信号を出力することにより行われる。
【0162】〔〔乾燥釜145の加熱〕〕
【0163】中央演算回路375からヒーター制御回路
382に制御信号が入力すると、ヒーター制御回路38
2は再加熱ヒーター334に電力を供給したままで高周
波発生回路383を作動させ、高周波発生回路383で
発生した高周波の電力を高周波コイル324に供給す
る。この高周波の電力により加熱部117の内部に収納
してある高周波コイル324は高周波の電磁波を発生
し、発生した高周波の電磁波は加熱部117に接近して
いる乾燥釜145の底面を通過して交拌する。この乾燥
釜145は鉄等の材料で形成してあるため、高周波数の
電磁波が乾燥釜145の材質と交拌することにより電磁
誘導加熱の現象が発生し、乾燥釜145がそれ自体で発
熱することになる。同時に、この高周波の電磁波が乾燥
釜145内に収納してある蓄熱体181にも交拌するた
め、蓄熱体181自体も発熱することになる。この電磁
誘導加熱による発熱の結果、乾燥釜145の内部に貯留
した屎尿は乾燥釜145と蓄熱体181により加熱さ
れ、その温度が上昇されることになる。
【0164】なお、高周波コイル324に高周波の電力
を供給すると高周波コイル324自体も発熱し、さらに
発熱した乾燥釜145からの輻射熱によって加熱部11
7のユニット自体も発熱することになる。だが、送風機
326が作動しているため、外囲からの空気は図18中
でE方向に吸引され、フィルター箱321を通過して加
熱部117を流動している。この空気が加熱部117内
を通過する際に空気が、高周波コイル324を冷やすと
同時に熱交換によりその空気が温められ、温められた空
気は加熱部118、吸気パイプ325を通じて図18中
F方向に流動し、最終的には触媒336と乾燥釜145
を加熱する熱の一部となる。
【0165】〔〔空気の供給による酸化〕〕
【0166】すでに開閉弁制御回路381によって開閉
弁345が開放されているため、排出パイプ329を流
動する空気の一部は取入口331より乾燥釜145の内
部に供給されている。このため、供給された外囲の空気
は加熱されている屎尿の表面と接触し、屎尿を酸化する
作用を補助することになる。
【0167】〔〔空気の流動による露結と塵埃の付着の
防止〕〕
【0168】このとき、この外部からの空気は開閉弁3
45を通過した後にT字パイプ341を流動し、次いで
駆動軸210の上部開口よりその内部に流動した後、空
気穴248より乾燥釜145内に流入する。このことか
ら、駆動軸210の内壁と攪拌部236を構成する吊り
下げパイプ244、斜向パイプ245の内壁には常に上
部から空気が流入されている。こうして、駆動軸21
0、吊り下げパイプ244、斜向パイプ245は常時外
部の空気によって冷やされていると同時に、空気の流動
が行われるため、屎尿から蒸発した水蒸気が露結して水
滴が発生せず、この水滴に塵埃が付着することがなくな
る。また、粉塵等が駆動軸210、吊り下げパイプ24
4、斜向パイプ245の内壁に付着しても、定常的な空
気の流動があるため、塵埃は吹き飛ばされて空気穴24
8より乾燥釜145内に放出されることになる。
【0169】〔〔触媒336による悪臭の除去〕〕
【0170】さて、高周波コイル324で発生された高
周波の電磁波により、乾燥釜145が加熱されると乾燥
釜145の内部に貯留された屎尿が沸騰し、その成分の
大部分である水分は水蒸気となって蒸発する。しかし、
乾燥釜145から発生する水蒸気には屎尿に含まれてい
る悪臭の原因となる尿素やアンモニア等の成分が含まれ
ているため、このまま仮設便所101の外部に放出する
と周囲に悪臭を発散させることになる。このため水蒸気
を外部に拡散させる前に悪臭の原因となる尿素を除去
し、無臭の状態に変質させてからでなければ外囲に拡散
することはできない。
【0171】まず、乾燥釜145の内部には開放した開
閉弁345や駆動軸210などを通過して空気穴248
から放出される空気が供給されており、屎尿から蒸発し
た水蒸気はこの供給されている空気と共に吸気口187
より外部に流出する。この水蒸気を含んだ空気は、開閉
弁193、連通パイプ196、Tジョイント195、接
続パイプ197を通過して再加熱部120の内部空間に
流入する。この再加熱部120の内部で水蒸気を含む空
気は再加熱ヒーター334に接触して高い温度にまで加
熱され、次に曲げパイプ198より消臭部121の内部
に流入する。この消臭部121の内部に流入した空気は
フィルター335を通過してゴミ等が除去され、次いで
触媒336と接触する。再加熱ヒーター334は屎尿処
理装置105の動作を開始させて待機状態のときにすで
に加熱されているため、流入した空気により触媒を充分
な温度に温めている。触媒を加熱するのは、その酸化還
元の機能を発揮するには所定の温度に維持しておかなけ
ればならないからである。この温められた触媒336に
悪臭の成分を含んだ水蒸気と空気が接触すると、触媒3
36の機能により悪臭を構成する成分が酸化還元され
る。すなわち、尿素やアンモニア等の悪臭の成分は触媒
336と接触することで酸化還元され、無臭の状態に変
質される。そして、無臭に変質された水蒸気と空気はエ
ゼクター330で発生した負圧で吸引され、排出パイプ
329内を流動した後で図18中でG方向に流出して外
囲に拡散される。このような作用により、仮設便所10
1の外部には乾燥釜145を加熱して屎尿を蒸発させる
ことで発生した悪臭が漂わず、快適に仮設便所101を
使用することができる。
【0172】〔〔乾燥釜145の回転運動〕〕
【0173】また、中央演算回路375はモーター制御
回路380に制御信号を出力し、モーター制御回路38
0はモーター164を動作させる。このモーター164
が作動するとモーター164の出力軸166が回転し、
出力軸166に固定してあるプーリー167を従動させ
る。するとプーリー167の周囲に巻き付けてるベルト
169が引き回され、次いでベルト169を巻き回して
いるプーリー168が従動して回転させられることにな
る。このプーリー168には図10、図11、図12で
示す軸受部114と同じ構造の軸受部113が回転自在
に軸支させてあるため、プーリー168が回転すること
により、この軸受部113に吊り下げられている攪拌部
235(図9などを参照)が乾燥釜145の内部空間で
回転させられることになる。
【0174】〔〔蓄熱体181による屎尿の攪拌〕〕
【0175】このようにモーター164により攪拌部2
35が回転させられると、乾燥釜145内に収納した蓄
熱体181は攪拌部235の回転方向に従って押し回さ
れることになる。このため、乾燥釜145内に貯留した
屎尿は攪拌部235と蓄熱体181の回転により攪拌さ
れることになる。そして、蓄熱体181の転動による屎
尿の攪拌の際に蓄熱体181自身が発熱した熱が屎尿に
伝えられ、熱の電動が行われる。こうして屎尿は蓄熱体
181と攪拌部235によって攪拌されながら屎尿全体
の温度が均一となるように混合され、屎尿の温度の上昇
も行われる。
【0176】なお、乾燥釜145の底の中央には、図7
で乾燥釜146を例にして示してある突起147と同じ
構造のの突起が形成してある。この突起147が乾燥釜
145の中央に位置することから、攪拌部235が回転
して蓄熱体181が転動しても蓄熱体181は乾燥釜1
45の中心に集まらず、突起147の周辺である乾燥釜
145の底周囲で転動することになる。このため転動し
ている複数の蓄熱体181が乾燥釜145の中心部に集
中し、蓄熱体181が団子状に集合さず、常に乾燥釜1
45の底周囲で転動するため屎尿が確実に攪拌すること
ができる。
【0177】〔〔攪拌部235の反転運動〕〕
【0178】このようにモーター164が作動して出力
軸166、プーリー167、ベルト169、プーリー1
68を介して軸受部113が回転させられる。しかし、
この軸受部113の回転方向は常に一方向だけでなく、
一定の時間だけ軸受部113を正方向に回転させたなら
ば、次いで軸受部113を逆方向に回転させる。この軸
受部113の回転を正方向と逆方向に交互に行わせるた
め、モーター制御回路380は予め設定してある手順に
従い、一定の時間ごとにモーター164を正逆交互に回
転させる。このようにして、軸受部113の回転方向を
切換えることにより、乾燥釜145内に貯留した屎尿を
特定の位置に片寄らせないように規制している。また、
この軸受部113の回転を一定の時間毎に反転すること
で、屎尿の温度を均一となるように攪拌している。
【0179】〔乾燥釜145による屎尿の蒸発乾燥処理
の終了〕
【0180】このように乾燥釜145を加熱し、同時に
モーター164で軸受部113を回転させることにより
屎尿の蒸発乾燥処理が行われる。すると、屎尿の大分の
成分である水分は水蒸気となって蒸発され、乾燥釜14
5内に収納した屎尿の全てが蒸発すると乾燥の処理が完
了する。この乾燥処理の終了は図18で示すように、乾
燥釜145の側面に固着してある温度センサー361に
よって検知される。この温度センサー361は常時乾燥
釜145の側面温度を検知しており、乾燥釜145の全
体の温度が急激に上昇すると蒸発乾燥の処理が完了した
ものと判断する。
【0181】すなわち、温度センサー361は常に乾燥
釜145の周壁の温度の変化を検知しており、その信号
を電気信号により温度判別回路372に伝えている。こ
の温度判別回路372では温度センサー361からの温
度検知信号が常時入力しており、乾燥釜145が屎尿を
蒸発させるための低い温度を維持している時は何ら判別
信号を出力しない。しかし、屎尿に含まれる水分が全て
蒸発すると、水分の蒸発に必要な温度以上に乾燥釜14
5の温度が上昇し、低い温度から高い温度に急激に変動
する。この温度変化を温度センサー361で検知し、そ
の検知信号を温度判別回路372が判別して、中央演算
回路375に屎尿の蒸発乾燥が終了した判別信号として
出力する。この判別信号により中央演算回路375は乾
燥釜145に収納した屎尿の蒸発乾燥の処理を終了し
て、乾燥釜145の加熱を終了させる。すなわち、中央
演算回路375はヒーター制御回路382に制御信号を
出力し、高周波発生回路383から高周波コイル324
へ高周波の電力の供給を停止する。このため、高周波コ
イル324からは高周波の電磁波が発生せず、乾燥釜1
45は電磁波による電磁誘導加熱で加熱されなくなる。
【0182】〔乾燥釜145の内部の清掃処理〕
【0183】このように、中央演算回路375の制御に
より屎尿処理装置105の各部はそれぞれ作動し、乾燥
釜145に貯留した屎尿はその大分の成分である水分が
水蒸気となって蒸発し、蒸発した水蒸気はエゼクター3
30で吸引され、大気中に拡散される。この動作を継続
して行うことにより乾燥釜145の内部に貯留した屎尿
の容積は減少し、最終的には蒸発することができない繊
維、紙等の固形物だけが細かな塵埃となって残留するこ
とになる。この塵埃が屎尿の蒸発乾燥の処理の度に蓄積
していくと、乾燥釜145の底に塵埃が厚く溜まること
となり、熱電動の効率が悪くなるとともに、攪拌部23
5の回転運動にも支障が生ずる。このため、一回の蒸発
乾燥の処理が終了したなれば、その都度乾燥釜145の
清掃処理を行わなければならない。乾燥釜145を常時
清掃することにより、塵埃を排出して屎尿処理装置10
5を継続して使用することが可能となる。このため、中
央演算回路375は開閉弁制御回路381に制御信号を
伝え、乾燥釜145の清掃処理に移行する。
【0184】〔〔開閉弁の開閉による空気の流路の切
換〕〕
【0185】まず、中央演算回路375からの制御信号
により開閉弁制御回路381は開閉弁193、345を
閉鎖し、開閉弁344を開放させる。このため、開閉弁
193により連通パイプ196への空気の流入がなくな
り、そのかわりに乾燥釜145内の空気は開閉弁344
を通じて放出パイプ349に流動することができる。こ
のとき、開閉弁194、346、347はなおも閉鎖し
た状態に維持しておく。
【0186】〔〔送風機353による空気と塵埃の吸
引〕〕
【0187】次に、中央演算回路375はモーター制御
回路380に制御信号を伝え、モーター制御回路380
よりモーター354の駆動を開始させる。このモーター
354によりファン355が回転させられ、送風機35
3における空気を図18中H方向に流動させる。前述の
ように開閉弁344が開放されているため(開閉弁34
6は閉鎖されている)、乾燥釜145内の空気は攪拌部
235を構成する吸引パイプ246の下端開口より吸引
され、斜向パイプ245、吊り下げパイプ244、駆動
軸210、T字パイプ341を通過して放出パイプ34
9に流れ、ゴミ袋351の内部で噴出される。このよう
に乾燥釜145の内部から吸引された空気には乾燥釜1
45の底に残留していた塵埃も含まれており、この塵埃
と空気はゴミ回収箱350内に収納してあるゴミ袋35
1の内部に流入する。前述したように、外部から密閉し
たゴミ回収箱350内には袋状のゴミ袋351が収納し
てあり、放出パイプ349の終端開口から放出された塵
埃を含んだ空気は、ゴミ袋351内に流入する。このゴ
ミ袋351は紙、布等の材料で形成してあり、この材質
の膜面では空気は通過させるが、塵埃はその膜面で捕獲
できる性能があり、放出パイプ349から流入した空気
に含まれる細かい塵埃はこのゴミ袋351で捕獲され
る。そして、ゴミ袋351の膜面を通過した空気はゴミ
回収箱350の内側に流出し、次いで排出パイプ352
より送風機353に流れて外囲に拡散される。つまり、
このような空気の流路を形成することにより、乾燥釜1
45内の塵埃は送風機353により空気とともに吸引さ
れ、ゴミ袋351で塵埃のみが捕獲される作用を行うこ
とになる。なお、この空気の流動において、空気穴24
8からも乾燥釜145内の空気が斜向パイプ245内に
吸引されることになるが、空気穴248の開口面積より
も吸引パイプ246の開口面積が広いため、流動抵抗が
小さい吸引パイプ246の開口から殆どの空気が吸引さ
れ、塵埃の吸引の作用には大きな影響は無い。
【0188】〔〔攪拌部235による塵埃の清掃〕〕
【0189】この攪拌部235の吸引パイプ246の下
端開口から空気と塵埃を乾燥釜145から吸引し、乾燥
釜145内に残った塵埃を清掃する最中においてもモー
ター164は作動を続けており、モーター164によっ
て攪拌部235の攪拌板254は乾燥釜145の内部で
円弧を描くように回転を続けている。この攪拌板254
が回転することで蓄熱体181は乾燥釜145の底で転
動を続け、乾燥釜145の内底と側面に固着している屎
尿の残渣を削り落とし、同時にこの残渣をより細かく粉
砕し、空気とともに吸引されやすいように加工してい
る。蓄熱体181が転動することにより乾燥釜145の
清掃の効果はより高められる。
【0190】〔清掃処理の終了〕
【0191】このようにして乾燥釜145内に残留した
塵埃の清掃処理が行われ、所定の時間が経過したならば
(予めプログラムに記憶させてある設定時間)中央演算
回路375は清掃処理を終了し、次に投入される屎尿の
ために待機の動作に移行する。中央演算回路375はモ
ーター制御回路380、開閉弁制御回路381、ヒータ
ー制御回路382に制御信号を伝え、待機の状態に移行
させる。すなわち、モーター制御回路380はモーター
354の動作を停止させ、送風機353による空気と塵
埃を乾燥釜145から吸引する動作を停止させる。ま
た、モーター制御回路380はモーター164の動作を
停止させ、攪拌部235を乾燥釜145の内部で回転す
ることを停止させる。そして、開閉弁制御回路381は
開閉弁193、345を開放させ、同時に開閉弁344
を閉鎖させる。この制御により屎尿処理装置105は電
源スイッチ376をオンさせて最初の予熱による各機構
の初期設定に復帰し、次に仮設便所101を使用する利
用者のために待機する。このようなルーチンにより屎尿
処理装置105は、〔予熱による各機構の初期設定〕、
〔利用者による仮設便所101の使用〕、〔乾燥釜14
5への排泄物の投入〕、〔乾燥釜145による屎尿の乾
燥処理〕、〔乾燥釜145による屎尿の蒸発乾燥処理の
終了〕、〔乾燥釜145の内部の清掃処理〕、〔清掃処
理の終了〕を一つのサイクルとして便器106に排泄さ
れた屎尿を蒸発乾燥させて処理を行うことになる。な
お、この一連の処理サイクルは、乾燥釜145に処理能
力以上の屎尿が投入されず、投入された屎尿の量が乾燥
釜145の処理能力以下である場合に継続することにな
る。
【0192】〔乾燥釜146への屎尿の振り分け〕
【0193】前述のように屎尿処理装置105が作動す
ると、便器106に排泄された屎尿は乾燥釜145によ
り加熱されて蒸発乾燥の処理が行われる。この処理のサ
イクルにおいて、乾燥釜145内に投入された屎尿の蒸
発速度と、乾燥釜145に新たに投入された屎尿の量と
の間に均衡が保たれているか、蒸発する速度が早ければ
屎尿は乾燥釜145によって継続して処理される。しか
し、仮設便所101を使用する利用者の数が一時的に増
加すると、乾燥釜145に投入される屎尿の量が増加
し、乾燥釜145の処理能力以上の量となり、乾燥釜1
45の内部に屎尿が充満することになる。このような状
態となれば乾燥釜145に屎尿が溢れて、乾燥釜145
は屎尿の蒸発乾燥の処理を行うことができなくなり、最
後には仮設便所101の使用を中止することにならざる
を得なくなる。
【0194】このように乾燥釜145の容量以上の屎尿
が投入されることにより、仮設便所101を使用できな
くなる事故を防止するため、乾燥釜145に許容量以上
の屎尿が投入されたならば、自動的に屎尿を乾燥釜14
6に振り分けて投入させ、処理の分散を行うことにな
る。このように屎尿を乾燥釜145から乾燥釜146に
振り分けるには、乾燥釜145に投入された屎尿の量が
オーバーフローであることを自動的に検知し、乾燥釜1
45への屎尿の投入を一時中断し、流路切換部119に
よって屎尿の投入方向を切り換えて、便器106に排泄
された屎尿を乾燥釜146に流動させることで対処す
る。
【0195】〔乾燥釜145のオーバーフローの検知〕
【0196】前述した乾燥釜145による屎尿の蒸発乾
燥の処理サイクルの途中において(処理サイクルの何れ
の工程であっても同じである)、便器106に排泄した
屎尿は利用者が指示スイッチ374を押動する度に乾燥
釜145に投入される。投入された屎尿は乾燥釜145
内で順次貯留されるが、蒸発の速度よりも屎尿の投入量
が多くなれば、貯留された屎尿の液面高さが順次高くな
る。すると、屎尿の液面は液面センサー357の電極と
接触し、液面センサー357を電気的に導通させること
になる。この液面センサー357の一対の電極を導通
(ショート)させた信号はオーバーフロー回路371に
伝えられ、オーバーフロー回路371は乾燥釜145に
許容量以上の屎尿が貯留されたものと判断し、その判断
信号を中央演算回路375に伝え、屎尿の振り分けの開
始を指示することになる。
【0197】〔屎尿振り分けの動作の開始〕
【0198】すると、中央演算回路375は投入方向切
換回路379に制御信号を伝え、投入方向切換回路37
9によりそれ以降における開閉板296と298の動作
を切換させる。すなわち、それ以降においては図15、
図17で示す開閉モーター307を作動させず、開閉モ
ーター308のみを作動させて屎尿を流動させることに
なる。すなわち、乾燥釜145に屎尿がオーバーフロー
した後においては、開閉板296は図16において開閉
板296ーaの位置に停止させられ、開閉板296ーa
は閉鎖枠295の下部の左側に密着して閉鎖し、この位
置で次の指示があるまで何ら動作しない。そして、これ
以降において、便器106に屎尿を排泄した使用者が指
示スイッチ374を押動した場合には、中央演算回路3
75に伝えられた信号によって投入方向切換回路379
は開閉モーター308のみを作動させる。この開閉モー
ター308が作動させられると開閉軸304と開閉板2
98は回動させられ、図16において実線で示す開閉板
298の位置から破線で示す開閉板298ーaの位置に
回動し、閉鎖枠295の右側の開口を開放させる。この
ため、便器106より分岐ダクト271の上部に落下さ
れた屎尿は、開閉板298ーaで開放された閉鎖枠29
5の右側の開口から落下し、流動板277の傾斜面を流
動した後シュート282の下端開口より乾燥釜146の
内部空間に投入させられる。
【0199】〔乾燥釜146による屎尿の蒸発乾燥処
理〕
【0200】このように乾燥釜146の内部に屎尿が投
入されると、加熱部118は乾燥釜146を加熱して屎
尿の蒸発乾燥の処理を開始する。中央演算回路375が
投入方向切換回路379に制御信号を伝え、開閉モータ
ー308を作動させる指示を行った後で、中央演算回路
375はモーター制御回路380、開閉弁制御回路38
1、ヒーター制御回路382に制御信号を伝える。すな
わち、モーター制御回路380ではモーター174を作
動させ、出力軸176を回転させることにより出力軸1
76に固着してあるプーリー177を従動させる。する
と、プーリー177に巻き回しているベルト179が従
動しプーリー178を回転させることになる。このプー
リー178には軸受部113が連結してあるため軸受部
113が回転し、軸受部113に吊り下げてある攪拌部
236が従動して回転し、攪拌部236は乾燥釜146
内で回転させられる。
【0201】次に、開閉弁制御回路381は開閉弁19
4、347を開放させる。このため、取入口331から
取り入れられた空気は空気パイプ332、開閉弁347
を通じ、軸受部113、攪拌部236の内部を流動し、
空気穴248から乾燥釜146の内部空間に流出する。
また、この乾燥釜146内の空気は開閉弁194、Tジ
ョイント195、接続パイプ197を通じて再加熱部1
20に流出し、再加熱部120内で再加熱ヒーター33
4によって加熱された後、曲げパイプ198を通過して
消臭部121に流入する。この消臭部121内では予熱
されている触媒336と接触し、悪臭の要素は酸化還元
された、連通パイプ337よりエゼクター330に吸引
され、この後排出パイプ329の開口より外囲に放出さ
れる。また、ヒーター制御回路382は高周波発生回路
383に信号を伝え、高周波コイル264に高周波の電
力を供給することから、高周波コイル264からは高周
波の電磁波が発生し、その電磁波が乾燥釜146の底付
近で交拌され、乾燥釜146と蓄熱体181を電磁波に
よる渦電流損により発熱させる。このため、乾燥釜14
6の内部に貯留された屎尿は乾燥釜146と蓄熱体18
1により加熱され、沸騰点まで温度が高められる。この
ように、屎尿の温度が上昇すると屎尿の大部分の成分で
ある水分が水蒸気となって蒸発し、開閉弁194を通過
して乾燥釜146の外部に放出させられる。
【0202】このように乾燥釜146に投入された屎尿
の加熱蒸発の処理が開始されると、モーター制御回路3
80はモーター174を駆動させて乾燥釜146内の攪
拌部235を回転させ、乾燥釜146の内部に吊り下げ
てある攪拌部236を回転させている。この攪拌部23
6が回転すると、攪拌板254、スカート板255は蓄
熱体181と接触して押し回し、乾燥釜146の内部に
貯留してある屎尿を攪拌することとともに熱の伝動を行
ない、屎尿の温度上昇が均一となるように攪拌してい
る。これらの動作の最中においては、乾燥釜145に収
納した屎尿は同時並列に蒸発乾燥の処理が行われている
(乾燥釜145がオーバーフローしたため、それ以降は
流路切換部119によって投入された屎尿は乾燥釜14
6の方向にのみ投入されるため)。
【0203】〔乾燥釜146の内部の清掃処理〕
【0204】高周波コイル264により乾燥釜146の
加熱を継続していると、屎尿の全ては蒸発し、乾燥釜1
46には蒸発することができない繊維質や灰分等の塵埃
が残ることになる。屎尿の水分が全て蒸発すると加熱乾
燥の処理が完了し、この状態は温度センサー362で自
動的に検知され、次の清掃処理に移行する。
【0205】乾燥釜146の温度は図18で示す温度セ
ンサー362で常時検知されており、温度センサー36
2により乾燥釜146の温度が急に上昇すると、その信
号は温度判別回路372に伝えられる。この温度判別回
路372は温度が急激に上昇すると、屎尿の加熱蒸発の
処理が終了したものと判別し、その判別信号を中央演算
回路375に出力し、中央演算回路375は乾燥釜14
6の加熱を終了させ、清掃処理の指示を行う。すなわ
ち、ヒーター制御回路382から高周波発生回路383
に信号を伝え、高周波コイル264に高周波の電力の供
給を停止して、電磁波による乾燥釜146の加熱を停止
する。また、中央演算回路375は開閉弁制御回路38
1に制御信号を送り、開閉弁制御回路381により開閉
弁194、347を閉鎖し、開閉弁346を開放させ
る。さらに、中央演算回路375はモーター制御回路3
80に制御信号を伝え、モーター354を駆動させて送
風機353により空気を図18中でH方向に流動させ
る。
【0206】このような流路の切換により、乾燥釜14
6の内部の空気は攪拌部236の下部にある吸引パイプ
246の下端開口より吸引され、吸引パイプ246、斜
向パイプ245、吊り下げパイプ244を流動し、次い
で駆動軸210内の通気穴211を流動した後、カップ
リング状に被さっているT字パイプ342と放出パイプ
349を流動した後、放出パイプ349の終端開口より
ゴミ袋351内に放出される。このゴミ袋351ではそ
の膜面により塵埃のみが捕獲され、清浄となった空気は
排出パイプ352より送風機353を通過して外囲に放
出される。
【0207】〔乾燥釜146の清掃処理の終了〕
【0208】このような空気の流動により乾燥釜146
内に残留した塵埃の清掃処理が行われ、所定時間が経過
したならば、中央演算回路375は清掃処理の終了を指
示する。すなわち、中央演算回路375はモーター制御
回路380に制御信号を伝え、モーター制御回路380
はモーター354の動作を停止し、送風機353の機能
を停止させる。また、開閉弁制御回路381は開閉弁1
94、347を開放させ、開閉弁346を閉鎖させる。
この切換えにより、乾燥釜146は最初の状態に復帰
し、次に仮設便所101を使用する利用者のために待機
する。
【0209】なお、この乾燥釜146の内部に貯留した
屎尿の蒸発乾燥の処理が行われている際に、平行して乾
燥釜145でも屎尿の蒸発乾燥の処理が行われている。
このため、乾燥釜146の内部の屎尿が全て蒸発し、次
いで清掃の処理が完了しても乾燥釜145が屎尿の処理
を行っているのであれば、中央演算回路375はモータ
ー164を継続して駆動させ、両攪拌部235、236
を継続して回転させる。モーター164の動作を停止さ
せる時期は、乾燥釜145に投入した屎尿の蒸発乾燥の
処理と清掃の処理が何れも完了し、乾燥釜145が空と
なったことが条件となる。また、モーター174の動作
を停止させるのは、乾燥釜146内の屎尿の処理が完了
し、乾燥釜146が空となったことが条件となる。ま
た、これらの乾燥釜145、146により屎尿の処理が
完了しても、次に説明する乾燥釜146がオーバーフロ
ーしなければ、中央演算回路375は投入方向切換回路
379に指示して開閉モーター307、開閉モーター3
08を作動させる場合における選択は、開閉モーター3
08のみを作動させ、開閉モーター307については停
止させた状態にしておき、図16で示すように開閉板2
96ーaの位置に固定させておく。
【0210】〔オーバーフローによる便器106の使用
の停止〕
【0211】このように流路切換部119により、開閉
モーター307、308の制御を切換えることにより、
便器106に排泄された屎尿は振り分けられて乾燥釜1
46に投入され、乾燥釜146で蒸発乾燥の処理、清掃
の処理、待機状態への復帰の一連の処理サイクルが継続
して行われる。このため、一旦乾燥釜145がオーバー
フローした後では、便器106に新たに排泄された屎尿
は乾燥釜146により継続して処理される。この処理は
乾燥釜145がオーバーフローしたため、乾燥釜145
内に既に投入された屎尿を処理する間は乾燥釜146に
より平行して処理される。また、乾燥釜145内の全て
の屎尿の蒸発乾燥の処理と清掃の処理が完了しても、こ
の乾燥釜146による屎尿の処理サイクルは継続してお
り、新たに便器106に排泄される屎尿は乾燥釜146
でのみ処理される。
【0212】しかし、仮設便所101を使用する利用者
がさらに増加し、便器106に投入される屎尿の量が乾
燥釜146の処理能力量以上となれば、利用者による便
器106の一時的な使用を中止しなければならなくなる
(乾燥釜145は既に処理能力以上の量の屎尿が投入さ
れており、オーバーフローしているので新たに屎尿を乾
燥釜145に投入することはできない)。すなわち、乾
燥釜146に投入された屎尿が完全に蒸発乾燥の処理が
終わらないうちに新たに便器106に屎尿が排泄され、
乾燥釜146の処理能力以上に投入されると、乾燥釜1
46がオーバーフローであると判断して仮設便所101
の利用を一時的に制限する。すなわち、便器106に順
次屎尿が排泄され、その屎尿が乾燥釜146に投入され
ると、乾燥釜146内に収納された屎尿の液面高さは上
昇し、ついには液面センサー358の一対の電極の下端
にまで達することになる。この一対の液面センサー35
8の電極に屎尿の液面が接触すると、液面センサー35
8は電気的に導通され、その信号はオーバーフロー回路
371に伝えられる。このオーバーフロー回路371で
は乾燥釜146に処理能力以上の量の屎尿が投入された
判断し、その判断信号を中央演算回路375に伝える。
このため、中央演算回路375は乾燥釜145がオーバ
ーフローしており、すでに投入された屎尿を処理中であ
り、さらに、乾燥釜146に処理能力以上の量の屎尿が
投入されたと判断し、これ以上屎尿を投入しても屎尿処
理装置105では処理できない状態になったと判断す
る。すると、中央演算回路375はオーバーフロー表示
回路377に制御信号を伝え、オーバーフロー表示回路
377によって警報ランプ378を点燈させる。この警
報ランプ378は仮設便所101の内部の壁面に固定さ
れていて、警報ランプ378が点燈することにより(赤
色等の警告灯)、これから仮設便所101を使用しよう
とする利用者はこの仮設便所101が使用不能であると
認識させ、一時的に仮設便所101の使用を制限させて
いることを表示させる。
【0213】このように、乾燥釜145、146の何れ
にも処理能力以上の量の屎尿が投入されてオーバーフロ
ーとなると、中央演算回路375は投入方向切換回路3
79への制御信号の出力を中断し、利用者が指示スイッ
チ374を押動して排泄した屎尿を乾燥釜145又は1
46への投入操作を行っても中央演算回路375は投入
方向切換回路379に制御信号を出力しない。このた
め、便器106に屎尿を排泄してから指示スイッチ37
4を押動しても、投入方向切換回路379は開閉モータ
ー307、308の何れも駆動させず、図16で示すよ
うに開閉板296ーaと298の位置に固定したままで
何ら開閉動させない。このため、排泄された屎尿は分岐
ダクト271の上部空間に位置し、開閉板296ーa、
298の上面で保持されたまま貯留されることになる。
これは、ハウス103内で警報ランプ378が点燈して
便器106の使用中止を表示しても、無理に便器106
に屎尿を排泄する利用者が発生するからである。このよ
うに、中央演算回路375による開閉板296ーa、2
98の閉鎖の維持は乾燥釜145、146に投入された
全ての屎尿の蒸発が行われ、乾燥釜145、146の清
掃の処理サイクルが完了するまで続けられる。
【0214】〔屎尿を振り分ける動作の復帰〕
【0215】前述したように、投入された屎尿が乾燥釜
146の処理能力以上の量となり、液面センサー358
がオーバーフローとなったことが検知されると、この乾
燥釜146ではそれ以降は屎尿の処理が不可能となる。
このため、便器106の使用を一時的に中止すると同時
に、これ以降においては、中央演算回路375は投入方
向切換回路379に指示して、開閉モーター308を作
動させず、開閉モーター307を優先的に作動させるよ
うに切換える。これは乾燥釜145が先にオーバーフロ
ーとなり、屎尿の投入が乾燥釜146の方向に振り分け
られているが、乾燥釜146がオーバーフローしても乾
燥釜145での屎尿の加熱蒸発の処理が先に完了し、乾
燥釜145が先に空になるためである。こうして、屎尿
の振り分けが初期の状態に復帰することになる。
【0216】〔乾燥釜145による屎尿の蒸発の再開〕
【0217】このようにして、乾燥釜146がオーバー
フローしたことに伴い、乾燥釜145に屎尿が投入され
て処理を開始して初期の状態復帰すると、この乾燥釜1
45で次の処理サイクルが始まる。しかし、依然として
乾燥釜145がそれ以前に投入された屎尿の処理を継続
しているのであれば、便器106の使用を中止させる。
この乾燥釜145は一旦オーバーフローとなっており、
蒸発乾燥の処理が継続しているため、直ちに屎尿の投入
を再開しない。乾燥釜145に投入された屎尿の全てが
蒸発乾燥の処理が行われ、続いて乾燥釜145の内部が
清掃の処理が行われて、最初の状態に復帰したならば便
器106の使用が再開される。このサイクルが完了する
と、指示スイッチ374を押動することにより便器10
6に排泄された屎尿は乾燥釜145に投入され、前述し
たのと同じサイクルで屎尿の蒸発乾燥の処理、清掃の処
理などが行われる。
【0218】なお、乾燥釜146がオーバーフローした
際に乾燥釜145ですでに投入された屎尿の処理が完了
し、乾燥釜145の内部が空の状態であるときは、一時
的な便器106の使用の停止を行わない。すなわち、乾
燥釜146がオーバーフローすると、液面センサー35
8でそのオーバーフローが検知されるが、その状態で乾
燥釜145が清掃の処理が完了しているならば、中央演
算回路375は直ちに投入方向切換回路379により開
閉モーター307を作動させ、図16における破線で示
す開閉板296ーaより実線で示す開閉板296の位置
に回動させ、閉鎖枠295の左側空間を開放させ、屎尿
を乾燥釜145内に投入させる。このようにして、開閉
モーター307、308の動作を切り換え、乾燥釜14
5或いは乾燥釜146をそれぞれの処理状況に応じて利
用できるようにし、乾燥釜145又は乾燥釜146の何
れかに屎尿を振り分けて投入し、常に最大の処理能力で
屎尿を処理することができるようにしてある。この乾燥
釜145、146に屎尿を投入して処理する動作は、こ
の仮設便所101が屎尿されている限りは継続して同じ
サイクルで運転させることができる。
【0219】〔待機の状態〕
【0220】便器106に屎尿が排泄されるると、前述
のような処理サイクルにより乾燥釜145と146が交
互に動作して屎尿の蒸発乾燥の処理を行うことになる。
しかし、利用者により仮設便所101が使用されなくな
り、かつ、乾燥釜145、146の内部に投入した屎尿
の全てが処理されて空になった場合には、屎尿処理装置
105は待機の状態に移行する(例えば、夜間、休日の
ため、催物会場、河川敷等に設置された仮設便所101
を使用する利用者がいなくなった場合等である)。すな
わち、乾燥釜145、146の内部に屎尿が無くなり、
しかも、清掃の処理が完了したならば、中央演算回路3
75はモーター制御回路380、ヒーター制御回路38
2に信号を伝え、高周波発生回路383より高周波コイ
ル264または高周波コイル324の何れにも高周波の
電力を供給せず、乾燥釜145、146の加熱を停止
し、屎尿処理装置105を待機の状態に移行させる。し
かし、この状態においてもモーター327は駆動させて
おき、ファン328を回転させることにより触媒336
の方向に空気を流動させる動作を継続させておく。同時
に、再加熱ヒーター334も発熱させておき、触媒33
6を一定の温度に維持させておく。
【0221】〔屎尿処理装置105の動作の終了〕
【0222】この屎尿処理装置105は電源スイッチ3
76をオンさせておく限りは屎尿を蒸発乾燥させ、継続
して屎尿を処理することができ、屎尿の蒸発乾燥の処理
が完了すれば自動的に待機の状態に復帰することにな
る。しかし、仮設便所101を倉庫に保管させる場合、
あるいは仮設便所101を設置した催物会場が夜間にな
ったため、その使用を中止する場合などには屎尿処理装
置105の動作を停止しなければならない。この屎尿処
理装置105の動作を停止させるには、電源スイッチ3
76をオフすること(電源を切断すること)で行われ、
この電源スイッチ376がオフされると中央演算回路3
75は各回路に動作を停止する指示を行う。すなわち、
中央演算回路375はモーター制御回路380に制御信
号を伝えてモーター327の動作を停止させ、同時にヒ
ーター制御回路382に制御信号を伝えて再加熱ヒータ
ー334への電力の供給を停止する。この操作により屎
尿処理装置105の機能は全て停止し、これ以降は屎尿
の処理は行われなくなる。
【0223】なお、電源スイッチ376をオフしても、
その際に乾燥釜145もしくは乾燥釜146の両方或い
は何れかが屎尿の蒸発乾燥の処理を継続している場合に
は、何れの乾燥釜145、146の清掃の処理が完了す
るまでは中央演算回路375はモーター制御回路38
0、ヒーター制御回路382に機能停止の制御信号を出
力しない。この屎尿処理装置105がその動作を停止す
るのは、前述した待機の状態において電源スイッチ37
6がオフされるか、電源スイッチ376がオフされた後
で乾燥釜145、146の何れもの清掃の処理が完了し
ていることが条件となる。これは、電源スイッチ376
をオフしても乾燥釜145、146の内部に屎尿や塵埃
が貯留されたままであると、次に屎尿処理装置105を
使用しようとしても、確実に屎尿の処理が行われないか
らである。屎尿処理装置105が停止するのは乾燥釜1
45、146の何れもが処理を終り、次に電源スイッチ
376をオンすると直ちに屎尿の処理サイクルを実行す
ることができる状態のときとなる。
【0224】〔処理サイクルを示すフローチャート〕
【0225】上述した屎尿処理装置105の一連の動作
を図20から図26におけるフローチャートで示してあ
る。このフローチャートは、屎尿処理装置105の電源
スイッチ376が投入されてから電源スイッチ376が
オフとなり、屎尿処理装置105が停止するまでの一連
の処理サイクルを説明している。
【0226】
【発明の効果】以上説明したように本願の請求項1の発
明によれば、屎尿を収納する耐熱性のある閉鎖された蒸
発容器と、蒸発容器内に収納された球形状をした蓄熱体
と、蒸発容器内に収納した屎尿と蓄熱体を攪拌する攪拌
手段と、蒸発容器を加熱して屎尿を蒸発させる加熱手段
とから構成され、蒸発容器に屎尿を投入して屎尿を加熱
することにより蒸発乾燥の処理を行うことができる。こ
の処理においては、外部に悪臭を発生させることがな
く、衛生的に屎尿を処理することができる。このため、
屎尿をバキュームカーなどで汲み取って移送することも
なく、仮設便所を設置した場所で処理することが可能と
なり、作業員に不快感を与えることが無くなる。そし
て、この屎尿の処理において、蒸発容器の内部には、上
端の軸線と下端の軸線を水平方向に離した内部中空のパ
イプ状をしたクランク体を回転自在に吊り下げてあり、
このクランク体の下部側面には半月形をしてその曲面を
水平方向に向けた攪拌板を固定してあるため、攪拌板が
クランク体によって回転されると、屎尿と蓄熱体が攪拌
され屎尿の温度上昇が促進される。この攪拌の作業にお
いて、クランク体の中間には空気穴が開口されているの
で、この空気穴から外部の空気を供給することで蒸発容
器内の屎尿の酸化を促進させると共に、クランク体内で
常時空気が流通することから、水分が付着することを防
止させることができる。すなわち、加熱されて屎尿から
蒸発した水蒸気がクランク体の内部にも充満している
が、この水蒸気がクランク体の内壁に付着するのを空気
の流動により防止することができる。この空気流により
水蒸気がクランク体の内壁に水滴として付着すると、そ
の水分で塵埃などがクランク体の内壁に付着し、壁面に
堆積して内径を狭めることが無くなる。このため、長期
に蒸発容器で屎尿を処理しても、クランク体の清掃など
のメンテナンスの作業が軽減され、安定して屎尿処理装
置を使用することができる。
【0227】また、本願の請求項2の発明によれば、屎
尿を収納する耐熱性のある閉鎖された形状の第一の蒸発
容器と第二の蒸発容器と、上端の開口が一つであり下部
が二股に分岐して、下部にあるそれぞれの開口を第一と
第二の蒸発容器に連通させ、その内部で屎尿を第一か第
二の蒸発容器に振り分けて投入できる流路切換部と、第
一と第二の蒸発容器のそれぞれに収納された球形状をし
た蓄熱体と、第一と第二の蒸発容器内に収納した屎尿と
蓄熱体を攪拌する攪拌手段と、第一の蒸発容器の下面に
接近して設けられ、第一の蒸発容器を加熱する第一の加
熱手段と、第二の蒸発容器の下面に接近して設けられ、
第二の蒸発容器を加熱する第二の加熱手段とから構成さ
れているため、排泄された屎尿は流路切換部により振り
分けられ、いずれか一方の蒸発容器に投入して、その蒸
発容器により投入された屎尿を処理することができる。
そして、流路切換部を切換えることにより投入する屎尿
の方向を変更し、二つの蒸発容器を交互に投入すること
ができ、屎尿の処理の状況に応じて蒸発容器を選択して
新たな屎尿を投入することができ、一方の蒸発容器が屎
尿でオーバーフローする支障を防止することができる。
この構成においても、各蒸発容器の内部には、上端の軸
線と下端の軸線を水平方向に離した内部中空のパイプ状
をしたクランク体を回転自在に吊り下げてあり、このク
ランク体の下部側面には半月形をしてその曲面を水平方
向に向けた攪拌板を固定してあるため、攪拌板がクラン
ク体によって回転されると、屎尿と蓄熱体が攪拌され屎
尿の温度上昇が促進される。この攪拌の作業において、
クランク体の中間には空気穴が開口されているので、こ
の空気穴から外部の空気を供給することで蒸発容器内の
屎尿の酸化を促進させると共に、クランク体内で常時空
気が流通することから、水分が付着することを防止させ
ることができる。
【0228】そして、本願の請求項3の発明によれば、
前記クランク体は、その上端を容器の上部中央に回転自
在に軸支し、クランク体の下部はその軸線を回転の軸線
より折り曲げて蒸発容器の内壁に接近させ、クランク体
の下端開口を蒸発容器の底に接近させ、前記攪拌体は半
月形に湾曲させた曲面を形成してあり、その中央部をク
ランク体の下部に固着し、攪拌体の両端を蒸発容器の内
壁から少し離して位置させてある。この構成のため、攪
拌体は蒸発容器の下部を二分することができ、屎尿を確
実に攪拌することができる。また、攪拌体は蓄熱体と必
ず接触して転動させることができるので、蓄熱体から発
生した熱を屎尿に伝導させることができ、攪拌と熱の伝
導により屎尿の温度を均一にかつ迅速に上昇させること
ができるようになる。
【0229】次に、本願の請求項4の発明によれば、前
記蒸発容器は、その周囲が円筒形をしており、その円形
の底の中央を上部に隆起させ、蒸発容器の底の中央から
周囲にかけてなだらかな斜面を形成してある。このた
め、攪拌体により蓄熱体を蒸発容器内で転動させても、
蓄熱体は蒸発容器の底面の周囲で円形の軌跡を描いて回
転することになる。蒸発容器の底の中央は上方に盛り上
がっているため、蓄熱体は蒸発容器の中心には集中せ
ず、複数の蓄熱体が底の中央に固まって団子状になら
ず、屎尿の攪拌と塵埃の粉砕を確実に行うことができ
る。
【0230】そして、本願の請求項5の発明によれば、
前記クランク体の上端開口には、空気供給手段と空気吸
引手段を接続し、何れか一方を選択的に接続し、空気供
給手段により空気をクランク体に供給すると空気穴より
乾燥容器に供給され、空気吸引手段により空気をクラン
ク体から吸引すると、乾燥容器内の塵埃がクランク体の
下端開口より吸引されるように構成してある。この構成
のため、同一のクランク体により空気を蒸発容器に供給
する作用と、蒸発容器の底から塵埃を吸引する作用を行
うことができ、複数の作用を同一のクランク体で機能さ
せることができる。このため、屎尿の蒸発乾燥の処理に
おいては空気穴から酸化のための空気を供給し、清掃の
処理においてはクランク体の下端開口から塵埃を吸引す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置を移
動式の仮設便所に応用した例を示す、仮設便所の全体斜
視図である。
【図2】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の内
部の構造であって、送風機や架台を省略した屎尿処理装
置の主要な部材を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の主
要部分である乾燥部の配置構成を示し、図2中における
乾燥部を上方からみた平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の一
対の乾燥部を架台に組み立て、流路切換部の上部に便器
を配置した状態を示す背面図である。
【図5】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の一
対の乾燥部を架台に組み立て、乾燥部と再加熱部、消臭
部の連結の状態を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の主
要部分である乾燥部を側面から見た状態である。
【図7】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の主
要部分である乾燥部の内部構造を示す縦断面図であり、
図4中におけるAーA、図5中におけるBーB矢視した
断面図に対応している。
【図8】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の主
要部分である乾燥部を構成する部材を縦方向に切断した
状態を示すものであり、図2中におけるCーC矢視した
断面図に対応している。
【図9】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の乾
燥部を構成する部材を上下に分離して示した分解斜視図
である。
【図10】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
乾燥部の内部に収納されている軸受部の構成を示すもの
であり、乾燥部は破線で示され、軸受部のみを実線で示
している。
【図11】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
軸受部を構成する部材を上下に分離して示した分解斜視
図である。
【図12】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
軸受部を組み立てた状態を示す縦断面図である。
【図13】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
蒸発容器に収納される攪拌部の外観を示すもので、軸受
部との結合を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
加熱部の内部の構成を示す、蓋板を外した状態の斜視図
である。
【図15】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
流路切換部を示す外観斜視図である。
【図16】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
流路切換部の内部構成を示す、図15中でDーD方向に
切断した断面図である。
【図17】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
流路切換部の主要部材を示し、各部材を上下に分離して
示す分解斜視図である。
【図18】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置に
おける空気の流動経路を示す配管の説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置に
おける電気制御系の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施の形態である屎尿処理装置の
動作の概略を示すフローチャートである。 101 仮設便所 105 屎尿処理装置 106 便器 111 第一の乾燥部 112 第二の乾燥部 113 第一の塵埃吸引部 114 第二の塵埃吸引部 115 第一の回転作動部 116 第二の回転作動部116 117 第一の加熱部 118 第二の加熱部 119 流路切換部 120 再加熱部 121 防臭部 145 乾燥釜 146 乾燥釜 164 モーター 174 モーター 181 蓄熱体 235 攪拌部 236 攪拌部 248 空気穴 254 攪拌板 264 高周波コイル 324 高周波コイル 326 送風機 330 エゼクター 334 再加熱ヒーター 350 ゴミ回収箱 351 ゴミ袋 353 送風機 357 液面センサー 358 液面センサー 361 温度センサー 362 温度センサー 375 中央演算回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屎尿を収納する耐熱性のある閉鎖された
    蒸発容器と、蒸発容器内に収納された球形状をした蓄熱
    体と、蒸発容器内に収納した屎尿と蓄熱体を攪拌する攪
    拌手段と、蒸発容器を加熱して屎尿を蒸発させる加熱手
    段とから構成され、この攪拌手段は、上端の軸線と下端
    の軸線を水平方向に離した内部中空のパイプ状をしたク
    ランク体と、クランク体の下部側面に固定され、半月形
    をしてその曲面を水平方向に向けた攪拌板と、クランク
    体の中間に開口され、クランク体の内外を連通する空気
    穴とから成ることを特徴とする屎尿処理装置。
  2. 【請求項2】 屎尿を収納する耐熱性のある閉鎖された
    形状の第一の蒸発容器と第二の蒸発容器と、上端の開口
    が一つであり下部が二股に分岐して、下部にあるそれぞ
    れの開口を第一と第二の蒸発容器に連通させ、その内部
    で屎尿を第一か第二の蒸発容器に振り分けて投入できる
    流路切換部と、第一と第二の蒸発容器のそれぞれに収納
    された球形状をした蓄熱体と、第一と第二の蒸発容器内
    に収納した屎尿と蓄熱体を攪拌する攪拌手段と、第一の
    蒸発容器の下面に接近して設けられ、第一の蒸発容器を
    加熱する第一の加熱手段と、第二の蒸発容器の下面に接
    近して設けられ、第二の蒸発容器を加熱する第二の加熱
    手段とから構成され、それぞれの攪拌手段は、上端の軸
    線と下端の軸線を水平方向に離した内部中空のパイプ状
    をしたクランク体と、クランク体の下部側面に固定さ
    れ、半月形をしてその曲面を水平方向に向けた攪拌板
    と、クランク体の中間に開口され、クランク体の内外を
    連通する空気穴とから成ることを特徴とする屎尿処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記クランク体は、その上端を容器の上
    部中央に回転自在に軸支し、クランク体の下部はその軸
    線を回転の軸線より折り曲げて蒸発容器の内壁に接近さ
    せ、クランク体の下端開口を蒸発容器の底に接近させ、
    前記攪拌体は半月形に湾曲させた曲面を形成してあり、
    その中央部をクランク体の下部に固着し、攪拌体の両端
    を蒸発容器の内壁から少し離して位置させたことを特徴
    とする請求項1、2記載の屎尿処理装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸発容器は、その周囲が円筒形をし
    ており、その円形の底の中央を上部に隆起させ、蒸発容
    器の底の中央から周囲にかけてなだらかな斜面を形成し
    たことを特徴とする請求項1、2記載の屎尿処理装置。
  5. 【請求項5】 前記クランク体の上端開口には、空気供
    給手段と空気吸引手段を接続し、何れか一方を選択的に
    接続し、空気供給手段により空気をクランク体に供給す
    ると空気穴より乾燥容器に供給され、空気吸引手段によ
    り空気をクランク体から吸引すると、乾燥容器内の塵埃
    がクランク体の下端開口より吸引されることを特徴とす
    る請求項1、2記載の屎尿処理装置。
JP9053850A 1997-02-21 1997-02-21 屎尿処理装置 Ceased JPH10234617A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100397819B1 (ko) * 2000-06-29 2003-09-13 한갑용 소변 자동소각장치
JP2014236959A (ja) * 2013-05-08 2014-12-18 株式会社ハマネツ トイレ用便槽および該トイレ用便槽を具備するトイレユニット

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