JPH0871536A - 屎尿処理装置 - Google Patents

屎尿処理装置

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Publication number
JPH0871536A
JPH0871536A JP23227894A JP23227894A JPH0871536A JP H0871536 A JPH0871536 A JP H0871536A JP 23227894 A JP23227894 A JP 23227894A JP 23227894 A JP23227894 A JP 23227894A JP H0871536 A JPH0871536 A JP H0871536A
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JP
Japan
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evaporation container
human waste
drying
holding means
rotation holding
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Application number
JP23227894A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
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Japanic Corp
Original Assignee
Japanic Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊り下げた蒸発容器を加熱することで屎尿を
蒸発・乾燥させ、蒸発容器と回転保持手段との着脱を容
易にした。 【構成】 屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容
器31と、蒸発容器31の上端を保持し回転自在に保持
する回転保持手段と、蒸発容器31と回転保持手段の間
に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結する係合
手段121、122と、蒸発容器31の上部開口を外部
から閉鎖する被覆手段34、35と、この被覆手段3
4、35をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下げること
ができる架台32と、この蒸発容器31を回転させる駆
動手段23と、この蒸発容器31の下面に接近して設け
られ、蒸発容器31に高周波の電磁波を交拌させる電磁
加熱手段28とから構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浄化処理施設のない屋
外、船舶や電車等の交通機関、外囲から閉鎖されてバキ
ュームカーが入り込めないトンネル内等での屎尿の処理
を行う屎尿処理装置に関し、特に、蒸発容器を吊り下げ
て屎尿を蒸発・乾燥させる機構において、蒸発容器を回
転自在に支持する回転保持手段との着脱が容易な屎尿処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体から排泄された屎尿は、一般の家屋
においては水洗トイレ等により下水管に放出するか、浄
化槽に一時貯留して浄化してから河川に放流するのが通
例である。しかしながら、屋外で催し物を行う場合、例
えば運動会、見本市、集会等の人員が多数繰り出す会場
では、従来から仮設の便所を設けることで参加者の生理
的現象を解消していた。
【0003】このように、従来における屋外や浄化施設
のない場所での屎尿の処理では、移動できる仮設便所が
用いられていた。しかし、その多くは屎尿を一時収納す
る便槽を持った構造のものであり、人体から排泄された
屎尿はそのままこの便槽に蓄えられるものであった。従
って、仮設便所を使用した後には、バキュームカー等に
よって便槽に貯留された屎尿を回収し、屎尿処理施設に
移送しなけらばならないものであった。このため、回収
後の処理が必要となり、後処理に手数がかかるとともに
非衛生的なものであった。
【0004】また、長距離を移動する電車、バス、船舶
等の交通機関では、排泄された屎尿を貯留する専用のタ
ンクを備えており、このタンク内に屎尿を収納し、化学
薬品等で防臭処理を行った後、終着駅や中継地点でバキ
ュームカーにより回収する方法が一般的であった。
【0005】このように、従来の仮設便所、あるいは移
動できる交通機関での屎尿の処理は、人体より排泄され
たままの状態で貯留し、その後回収するのがほとんどで
あった。このため、貯留方法、回収方法、処理方法の何
れをとっても非近代的であり、極めて非衛生的であると
言わざるを得なかった。従って、長期間仮設便所を使用
していると、排泄した屎尿がタンク内に残留し、悪臭の
原因となるものであった。また、使用後の仮設便所を清
掃する作業は作業員に嫌がれるため、仮設便所や交通機
関の便所のメンテナンスの近代化のためからも好ましい
ものではなかった。
【0006】このような実情から、従来より衛生的に屎
尿を処理する方法が各種考えられていた。例えば、屎尿
と共に化学薬品を投入し、殺菌及び防臭を行う方法があ
る。この方法は新幹線等の交通機関に多く用いられてい
るが、薬品を含んだ屎尿がタンクと便器の間で循環する
ため、長期の使用が行われると便器を流れる水が汚れ、
悪臭を発生して使用者にとって不評となっていた。ま
た、タンクを空にして次の使用に準備するために、タン
クには多量の薬品を投入しておかなければならず、薬品
による経費が高くなる欠点があった。
【0007】さらに、ビニール等の袋に屎尿を収納して
パッキングすることにより、臭いの発散を防止する方法
も考えられている。しかし、一回の排泄においてかなり
広い面積のビニール袋を使用しなければならず、処理費
用が高くなるとともに、後日ビニール袋から屎尿を分離
するための処理が必要とされるものである。この方法で
は、パッキングするまでの処理は比較的容易であるが、
その後の処理が煩わしく、かつその処理施設が大掛かり
となるものであった。
【0008】さらに、排泄された屎尿を密閉した蒸発容
器に収納し、バーナーの火力で直接屎尿を加熱して蒸発
させる方法も考えられている。例えば、特許公告昭和4
5年17236号、特許公告昭和49年2545号、特
許公告昭和50年3149号、特許公開昭和52年58
239号、特許公開昭和53年110268号、特許公
開昭和55年165415号などが知られている。しか
し、これらの方法であっては、バーナーの火炎を屎尿に
噴出させてその表面から蒸発させようとしているため、
屎尿の大部分の成分である水分は効率良く蒸発できず、
完全に屎尿を処理するためには多くのエネルギーを必要
としていた。
【0009】また、これらの構成であっては屎尿の乾燥
後における蒸発容器の清掃は行われず、長期の使用にお
いては蒸発容器の底に屎尿から蒸発できなかった残留物
が堆積することになり、熱効率が悪くなるものであっ
た。このような場合には、残留物を清掃するために、そ
の都度装置を分解してメンテナンスを行わなければなら
ず、保守のために手数と費用がかかる欠点があった。
【0010】このように、仮設便所での屎尿の処理には
多くの問題が残されており、排泄された屎尿を仮設便所
の内部で完全に処理することができにくいものであっ
た。このような社会的な需要により、本願の出願人と同
一の発明者は屎尿を加熱することで、屎尿の大部分の成
分である水分を蒸発させることができる屎尿処理装置を
提案している。この提案された屎尿処理装置は仮設便所
に設けて使用するものであり、装置内には屎尿を収納す
る密閉した乾燥釜(耐熱性のある蒸発容器)を設けてあ
り、この乾燥釜内には回転できる攪拌羽根が軸支してあ
り、乾燥釜内には攪拌羽根の回転に従って屎尿と共に内
底で転動する蓄熱体を複数個収納させた構成となってい
る。
【0011】そして、この乾燥釜を外部から加熱して乾
燥釜内の屎尿を加熱し、同時に攪拌羽根を回転させるこ
とで屎尿を混合させ、屎尿の水分を迅速に蒸発させるこ
とができる。この蒸発の際には、球形をした蓄熱体が乾
燥釜の底で転動し、屎尿の温度を均一に加熱すると共
に、それ自体の熱を屎尿に伝達して加熱速度を上昇させ
ることができるものである(例えば、特願昭63年12
4150号などがある)。
【0012】この機構は基本的なもので、同発明者はそ
の後も改良された屎尿処理装置を順次提案している。特
願平2年164594号では、乾燥釜に空気を圧送する
パイプと排気のパイプを連結し、排気のパイプには集塵
機と凝縮器を接続した構成が示されている。この機構で
は、乾燥釜の内部で蒸発された屎尿の内、水蒸気は凝結
して回収し、水洗用水に循環して使用することができ、
屎尿の乾燥後に乾燥釜に残った塵埃は空気と共に吸引し
て回収し、塵埃は集塵機によって空気と分離させること
ができるものである。この機構により、乾燥釜に投入し
た屎尿から水分を回収でき、屎尿の乾燥後に乾燥釜に残
った蒸発できない塵埃を清掃することができ、屎尿処理
装置を連続して使用することが可能となるものである。
【0013】また、特願平2年411577号では屎尿
処理装置をユニット化し、仮設便所に装着し易いように
構成してある。この機構では、乾燥釜の構造を円筒形に
形成し、この乾燥釜の側面より屎尿を投入することがで
きるようにしてある。このため、乾燥釜の上部に便器を
配置する必要性が無くなり、装置の高さを低くすること
ができる特徴がある。
【0014】特願平2年412559号では、小便器で
回収される小便を貯留する貯留槽を設け、貯留槽と便器
の間を噴射噴出パイプで接続した構成である。この構成
では、大小便は便器に排泄し、小便は小便器で回収する
ように区分し、乾燥釜に大小便を投入する際には貯留槽
から小便を便器に噴出させ、小便を大小便と共に乾燥釜
に投入させることができる。このため、便器を小便で清
掃することができ、上水道が設置できない場所であって
も仮設便所を水洗化させることができる。
【0015】さらに、特願平3年067538号では、
乾燥釜の側面から液面センサーを挿入しておき、乾燥釜
内に投入した屎尿の液面の位置を常時検知することがで
きる機構が示されている。この機構では、屎尿の液面高
さを検知して判断することにより、一時的に大量の屎尿
が投入されて屎尿の蒸発処理の能力を低下させないよう
に防止することができ、オーバーフローによる故障の発
生を防止することができるものである。
【0016】そして、特願平3年189280号では、
送風器と触媒箱の間にヒーターを内蔵した再加熱箱を配
置すると共に、乾燥釜と集塵機を結ぶパイプと触媒箱の
間にバイパスを設けた構成である。この構成では、屎尿
の蒸発処理の際にはバイパスにより乾燥釜からの空気を
触媒箱に流動させて空気の流動を効率化させることがで
きる。また、乾燥釜の清掃処理の際にはバイパスを閉鎖
し、塵埃を含んだ空気を集塵機にそのまま流動させるこ
とができるものである。
【0017】また、特願平3年189281号は、特願
平3年189280号を改良したものであり、乾燥釜と
集塵機を結ぶパイプにはバイパスのパイプを接続し、こ
のバイパスパイプの終端にはエゼクターの負圧側を接続
し、エゼクターに触媒箱を接続した構成である。この構
成では、バイパスパイプが開通しているとエゼクターに
より乾燥釜内の空気が強制的に吸引されて触媒箱に流動
させられるので、乾燥釜の空気の流動効率が高められて
蒸発が促進される効果がある。
【0018】特願平3年265237号では、乾燥釜の
排気パイプにゴミ回収箱を接続し、このゴミ回収箱に
紙、布などで形成したゴミ袋を収納した構成である。こ
の構成では、乾燥釜の清掃時には塵埃を含んだ空気をゴ
ミ袋に流入させ、このゴミ袋では空気のみが通過して塵
埃は分離することができるものである。サイクロン式の
集塵機に比べて確実に塵埃を分離できる効果がある。
【0019】そして、特願平5年031170号では、
便器と屎尿処理装置を分離し、便器に投入された屎尿を
タンクに貯留した後にバッジ式に連続して蒸発・乾燥の
処理を行うことができるものである。この屎尿処理装置
では、水平な軸で回動できるやや球形の乾燥釜の上部に
屎尿投入用の開口を形成し、乾燥釜の内部には球形の蓄
熱体を収納してあり、乾燥釜の底部を加熱できるバーナ
ーを設けた構成である。この構成により、乾燥釜に投入
された屎尿はバーナーの熱で蒸発・乾燥され、この処理
の間は乾燥釜を揺動することにより蓄熱体で屎尿を攪拌
でき、乾燥後は乾燥釜を回転することで塵埃を開口より
落下させることができるものである。
【0020】特願平5年121968号では、乾燥釜の
送風パイプと排気パイプに切り換え弁を介在させ、切り
換え弁を介してゴミ回収箱と送風機を乾燥釜に直列に接
続できるように構成してある。この構成では、乾燥釜の
清掃時には空気が屎尿処理装置の内部で循環し、塵埃の
回収効率が向上する効果がある。
【0021】特願平5年125360号では、乾燥釜の
下面に高周波コイルを設置し、この高周波コイルに高周
波の電力を供給することにより電磁波を発生させる構成
である。乾燥釜には高周波の電磁波が交拌するため、直
接加熱ではなく、乾燥釜自体が発熱して屎尿を加熱する
ことができる。このため、迅速に必要とする乾燥釜のみ
を加熱させることができ、熱損失が少なくなる効果があ
る。
【0022】特願平5年307135号では、乾燥釜自
体は通常は直立しており、乾燥釜の上部は常時開口して
おり、清掃時のみ転倒できる構成となっている。この乾
燥釜の内部には蓄熱体を収納すると共に、上部の開口は
転倒時に閉鎖できる蓋板を設けてある。この構成では、
乾燥釜に投入した屎尿の蒸発・乾燥の処理の際には、乾
燥釜自体は静止して直立しているが、屎尿が蒸発した後
の清掃の処理の際には乾燥釜が転倒し、内部に残ってい
た塵埃をその開口から放出させることができる。この塵
埃の放出の際において、蓋板(その面には小さな穴が複
数個開口してある)が自動的に乾燥釜の開口を閉鎖し、
蓄熱体が落下するのを防止して、塵埃のみが蓋板の小さ
な穴からゴミ皿に放出させることができるものであり、
屎尿処理装置の構成を簡略化させることができる。
【0023】さらに、特願平5年314445号では、
回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の外周に
はモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内には球
形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置してい
る蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を3本挿入し
た構成となっている。この構成では、今までの屎尿処理
装置の乾燥釜と相違し、乾燥釜自体が垂直な軸線を中心
にして回転し、高周波コイルからの電磁波によって屎尿
を加熱させることができるものである。そして、乾燥釜
の内部に収納してある蓄熱体は邪魔板によって乾燥釜と
共には回転せず、乾燥釜の底で転動し、屎尿を攪拌して
加熱することができるものである。この構成では、乾燥
釜の内部で攪拌羽根を回転させる必要が無くなるので、
屎尿処理装置全体の高さを低くすることができる。ま
た、回転羽根を回転させる構成であっては、乾燥釜内に
投入された屎尿以外の異物(例えば、ボールペン、衣
類、時計など)が回転する回転羽根に絡みつくことによ
る故障を排除できる優れた効果を有するものである。
【0024】また、特願平6年151631号では、同
様に、回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の
外周にはモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内
には球形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置
している蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を1本
挿入した構成となっている。この構成であっても、乾燥
釜自体が垂直な軸線を中心にして回転し、高周波コイル
からの電磁波によって屎尿を加熱させることができるも
のである。この発明では、邪魔板は吸引パイプに固定さ
れた1枚で形成してあり、複数の邪魔板間に蓄熱体が嵌
まり込まないため、乾燥釜の回転により蓄熱体が確実に
転動できるものであった。
【0025】これらの新しく提案された屎尿処理装置で
は、排泄された屎尿は乾燥釜内で密閉されたままで加熱
でき、攪拌羽根や乾燥釜が回転することで屎尿が混合さ
せることができるものである。加熱された屎尿は、全体
の温度が均一に上昇し、大部分の成分である水分が蒸発
し、水蒸気となって大気中に発散される。この加熱と混
合により屎尿の蒸発速度が早くなり、屎尿の処理時間が
短縮することができるものである。また、大気中に拡散
される水蒸気は触媒等で無臭化させ、人家等が立ち込ん
でいたり、人員が多数集合しているような場所であって
も、悪臭を発散させることがなく、環境保全の面からし
ても好ましいものであった。
【0026】このように密閉された蒸発容器内で屎尿を
蒸発、拡散させるのは極めて衛生的であり、かつ作業を
システム化することができて、メンテナンス等において
作業員に負担をかけないものである。しかし、従来の屎
尿処理装置では乾燥釜を固定しておき、この乾燥釜の内
部で攪拌羽根を回転させて屎尿を混合させる構成のもの
が殆どであった。この機構であっては、乾燥釜内に屎尿
以外の蒸発できない異物が投入されると、回転する攪拌
羽根とこの異物が噛み合い、故障の原因となることが多
かった。例えば、使用者の不注意により、便器に金属製
のボールペン、ベルト、衣類等が投入されることもあ
る。これらの異物が乾燥釜に投入されると、異物が攪拌
羽根と乾燥釜の間に食い込み、攪拌羽根の回転を停止さ
せたり、攪拌羽根や乾燥釜を磨耗させる現象を発生させ
るものであった。
【0027】また、乾燥釜の内部に攪拌羽根を収納して
おくと、限定された乾燥釜の内部空間がこれらの機構で
狭くなるため、乾燥釜の内部空間を有効に利用すること
ができない要因となっていた。
【0028】このような欠点を解消するため、特願平5
年314445号、特願平6年151631号では乾燥
釜自体を回転させる構成とし、攪拌羽根を用いずに屎尿
を混合させることができるように工夫してある。だが、
この機構であっては、乾燥釜を回転自在に支持しなけれ
ばならず、しかも、乾燥釜を上下方向に移動せず、か
つ、中心軸が偏位しないように支持しなければならな
い。回転する乾燥釜が上下に移動したり、回転軸が味噌
擂り運動を起こすとなれば、乾燥釜の開口端が蓋板から
離れることになり、乾燥釜の気密性が保たれなくなるか
らである。
【0029】このように、乾燥釜の回転運動を規制しよ
うとすれば、上下方向と回転方向の二方向の規制機構
(ローラーなど)が必要となり、この規制機構は複雑に
ならざるを得ないものである。また、規制機構が複雑と
なれば、乾燥釜の組み立ての作業工程に手間がかかるも
のであり、また、屎尿処理装置の点検や保守のために乾
燥釜を取り外す作業に手数がかかるものであった。
【0030】また、この乾燥釜で屎尿を蒸発・乾燥させ
た後に残る塵埃は、連続して屎尿の処理を行うために除
去しなければならないが、清掃のための吸引パイプを乾
燥釜に所定の長さだけ挿入させる制御が困難なものであ
った。従来では、吸引パイプの移動量を検出して、適正
な長さだけ上下動できるように制御していたが、吸引パ
イプを移動させるための機構と制御の機構が複雑になる
ものであった。
【0031】このため、本願の発明者は平成6年8月2
2日付けでこれらの欠点を改良した屎尿処理装置を出願
している。この新しく提案された屎尿処理装置では、架
台の上部に回転保持手段を設け、この回転保持手段の下
部に蒸発容器を吊り下げ、この蒸発容器の下面に間隔を
置いて電磁加熱手段を設けた構成を特徴とするものであ
る。この提案された構成では、蒸発容器は吊り下げられ
て回転されるため、その下部、側面には何ら支持手段を
設ける必要が無くなり、蒸発容器を保持する機構が極め
て簡素となる特徴がある。
【0032】また、この構成であっては、蒸発容器だけ
を回転保持手段の下部から取り外すことが可能となり、
定期的な点検や保守のために蒸発容器の内部を外部に露
出することが容易となる。蒸発容器の上部を覆っている
被覆手段を取外し、蒸発容器の内部を上から観察するこ
とも可能であるが、被覆手段に接続してある各種のパイ
プや機器を取り外さなければならず、作業にかかる手数
が遙に複雑となるためである。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、回転保持手段の下部に吊り下げた蒸発容器のみを容
易に取り外すことができれば、作業の手数が簡略化でき
るものである。取外しの作業を迅速に行うことができれ
ば、屎尿処理装置を一定期間使用した後に定期的に蒸発
容器を点検して、修理や清掃を行うことが短時間で処理
することができ、保守のために屎尿処理装置を使用を停
止する期間を短縮することができる。
【0034】また、蒸発容器のみを単独の部品として屎
尿処理装置から取り外すことができるのであれば、故障
になった際に蒸発容器だけを正常なものと単体で交換す
れば保守が迅速となるものである。従来では、蒸発容器
は屎尿処理装置を組み立てる時に、装置の内部に組み込
まれており、蒸発容器を交換したり、修理するには屎尿
処理装置の全体を分解しなければならないものであっ
た。
【0035】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、底部が閉鎖して上部が開口した形状により屎尿を収
納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上
端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回転自在に保
持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持手段の間に
介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結する係合手
段と、その下面に回転保持手段を保持すると共に、蒸発
容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段と、この被
覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下げることが
できる架台と、この蒸発容器を回転させる駆動手段と、
この蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器に高
周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成した
ものである。
【0036】本願の請求項2の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上端を保持して、この
蒸発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
と、蒸発容器と回転保持手段の間に介在され、両者を着
脱自在にかつ気密に連結する係合手段と、その下面に回
転保持手段を保持すると共に、蒸発容器の上部開口を外
部から閉鎖する被覆手段と、この被覆手段をやや水平に
支えて蒸発容器を吊り下げることができる架台と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容器内に収納さ
れた球形状をした少なくとも1個以上の攪拌手段と、被
覆手段の下面にその上端が固定され、その下端が蒸発容
器の底部にまで延長して攪拌手段と接触する制動部と、
この蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器に高
周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成した
ものである。
【0037】本願の請求項3の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上端を保持して、この
蒸発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
と、蒸発容器と回転保持手段の間に介在され、両者を着
脱自在にかつ気密に連結する係合手段と、その下面に回
転保持手段を保持すると共に、蒸発容器の上部開口を外
部から閉鎖する被覆手段と、この被覆手段をやや水平に
支えて蒸発容器を吊り下げることができる架台と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容器の内部で上
下方向に配置され、その上端を被覆手段の下面に固定さ
れ、その下端を蒸発容器の底に接近させ、空気を吸引す
ることで蒸発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸引部と、こ
の蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器に高周
波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成したも
のである。
【0038】本願の請求項4の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上端を保持して、この
蒸発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
と、蒸発容器と回転保持手段の間に介在され、両者を着
脱自在にかつ気密に連結する係合手段と、その下面に回
転保持手段を保持すると共に、蒸発容器の上部開口を外
部から閉鎖する被覆手段と、この被覆手段をやや水平に
支えて蒸発容器を吊り下げることができる架台と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容器内に収納さ
れた球形状をした少なくとも1個以上の攪拌手段と、被
覆手段の下面にその上端が固定され、その下端が蒸発容
器の底部にまで延長して攪拌手段と接触する制動部と、
蒸発容器の内部で上下方向に配置され、その上端を被覆
手段の下面に固定され、その下端を蒸発容器の底に接近
させ、空気を吸引することで蒸発容器内の塵埃を吸い出
す塵埃吸引部と、この蒸発容器の下面に接近して設けら
れ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手
段とから構成したものである。
【0039】本願の請求項5の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上端を保持して、この
蒸発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
と、蒸発容器と回転保持手段の間に介在され、両者を着
脱自在にかつ気密に連結する係合手段と、その下面に回
転保持手段を保持すると共に、蒸発容器の上部開口を外
部から閉鎖する被覆手段と、この被覆手段をやや水平に
支えて蒸発容器を吊り下げることができる架台と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容器内に収納さ
れた球形状をした少なくとも1個以上の攪拌手段と、被
覆手段の下面にその上端が固定され、その下端が蒸発容
器の底部にまで延長して攪拌手段と接触する制動部と、
蒸発容器の内部で上下方向に配置され、その上端を被覆
手段の下面に固定され、その下端を蒸発容器の底に接近
させ、空気を吸引することで蒸発容器内の塵埃を吸い出
す塵埃吸引部と、塵埃吸引部の排気側に接続されて空気
と塵埃を分離する塵埃分離部と、塵埃分離部の塵埃を分
離した後の空気の排出側にその吸引側を接続した送風部
と、この蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器
に高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成
したものである。
【0040】本願の請求項6の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器の上端を保持して、この
蒸発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
と、蒸発容器と回転保持手段の間に介在され、両者を着
脱自在にかつ気密に連結する係合手段と、その下面に回
転保持手段を保持すると共に、蒸発容器の上部開口を外
部から閉鎖する被覆手段と、この被覆手段をやや水平に
支えて蒸発容器を吊り下げることができる架台と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、被覆手段の上部に設
けられ、蒸発容器の内部空間と連通することができる屎
尿を受け止める便器と、この便器の下部に配置され、便
器の下部開口を開閉させることができる屎尿投入弁と、
この蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器に高
周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成した
ものである。
【0041】本願の請求項7の発明は、請求項1、2、
3、4、5及び6記載の屎尿処理装置において、前記係
合手段は、蒸発容器と回転保持手段にそれぞれ形成した
ネジ部より成り、蒸発容器のネジ部を回転保持手段のネ
ジ部にねじ込むことにより着脱自在に連結することがで
きることことから成るものである。
【0042】本願の請求項8の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6及び7記載の屎尿処理装置において、前
記係合手段には、蒸発容器と回転保持手段を連結してか
ら、蒸発容器の回転を規制する回転防止手段を設けてい
る。
【0043】本願の請求項9の発明は、請求項8記載の
屎尿処理装置において、前記前記回転防止手段は、蒸発
容器の外周に設けた廻し突起と、回転保持手段の外周に
設けた係止金具から成り、係止金具の嵌合わせ窓を廻し
突起に係合させることで蒸発容器の回転を規制させてい
る。
【0044】本願の請求項10の発明は、請求項1、
2、3、4、5及び6記載の屎尿処理装置において、前
記係合手段は、蒸発容器の外周に固着された係合金具
と、回転保持手段の外周に固着された締付け金具から成
り、蒸発容器を回転保持手段に接触させ、締付け金具を
係合金具に係合させて締め付けることにより蒸発容器を
回転保持手段に連結させている。
【0045】本願の請求項11の発明は、請求項10記
載の屎尿処理装置において、前記締付け金具は、上下に
揺動自在となるように回転保持手段に取り付けられ、外
周にネジ山を形成した回動ネジ体と、この回動ネジ体に
ねじ込まれるクランプとから成り、前記係合金具は、回
動ネジ体を嵌め合わせることができる切り欠きを形成し
てあり、蒸発容器を回転保持手段に接触させ、回動ネジ
体を係合金具の切り欠きに挿入し、クランプを回転させ
てねじ込むことにより蒸発容器を回転保持手段に連結さ
せている。
【0046】本願の請求項12の発明は、請求項1、
2、3、4、5及び6記載の屎尿処理装置において、前
記係合手段は、蒸発容器の上端外周に径大に形成された
係合鍔部と、回転保持手段の下端外周に径大に形成され
た係合鍔部と、両係合鍔部を外周から環状形に保持する
締付けバントとから構成されている。
【0047】本願の請求項13の発明は、請求項12記
載の屎尿処理装置において、前記蒸発容器の係合鍔部は
上方に向かって径大となる形状であり、回転保持手段の
係合鍔部は下方に向かって径大となる形状であり、締付
けバントの内周面の上下は各係合鍔部の傾斜面とほぼ同
じ角度の傾斜面に形成している。
【0048】
【作用】本願の請求項1の発明によれば、屎尿を収納し
た蒸発容器はその上端開口を係合手段を介して回転保持
手段によって保持されており、回転保持手段は蓋板に固
定されている。このため、蒸発容器は蓋板の下面に吊り
下げられた状態で回転自在に保持されていることにな
り、左右や下面から蒸発容器を規制して保持する機構が
不要となる。このため、蒸発容器を保持する機構が簡易
となり、蒸発容器のみを取り外すには、係合手段により
蒸発容器と回転保持手段を分離することができ、修理、
点検などによる蒸発容器の分離と組み立てが容易とな
る。
【0049】また、吊り下げた蒸発容器の下面に接近し
て電磁加熱手段を設けてあり、この電磁加熱手段により
高周波の電磁波を蒸発容器に交拌させることで、電磁誘
導加熱により蒸発容器自身を発熱させることができる。
この電磁波の交拌では、金属部分以外の部分では熱が発
生せず、電磁加熱手段に接近した蒸発容器の金属部分だ
け発熱することから、熱効率は向上する。
【0050】また、蒸発容器が回転して屎尿を攪拌する
ため、蒸発容器に屎尿以外の異物が投入されても攪拌羽
根に食い込まず、磨耗や故障の発生が少なくなる。
【0051】さらに、攪拌手段が制動部と接触して、攪
拌手段が蒸発容器の底部で回転するため、屎尿が混合さ
れて温度が均一に上昇される。このため、屎尿の蒸発が
早められる。
【0052】本願の請求項2の発明によれば、蓋板の下
面に回転保持手段を設け、回転保持手段には係合手段を
介して蒸発容器を回転自在に吊り下げ、この蒸発容器の
内部に球形をした攪拌手段を投入し、蓋板より蒸発容器
内に制動部を挿入した構成である。この攪拌手段が制動
部と接触しながら転動するため、蒸発容器内で屎尿が混
合させて温度が均一に上昇され、屎尿の蒸発が早められ
る。そして、攪拌手段と接触する制動部は1つであるた
め、複数の攪拌手段が蒸発容器の特定の場所に固まら
ず、屎尿の混合を確実に行うことができる。また、攪拌
手段が蒸発容器内で回転する際に、攪拌手段の表面に屎
尿が付着して上側が空気と接触できるため、液面の表面
積が大きくなり、蒸発の速度を促進することができる。
【0053】本願の請求項3の発明によれば、塵埃吸引
手段により、蒸発容器の底部付近から空気を吸引するこ
とができるので、空気と共に屎尿の乾燥後に蒸発容器に
残った塵埃を吸い上げることができ、乾燥処理後の清掃
を行うことができる。このため、蒸発容器内には塵埃が
残留せず、長期に渡り連続して使用することができる。
【0054】本願の請求項4の発明によれば、制動部に
攪拌手段が接触して転動するため、乾燥処理の後に蒸発
容器に残った塵埃を攪拌手段で剥ぎ取ると共に塵埃を粉
砕することができ、蒸発容器の清掃を行うことができ
る。そして、粉砕された塵埃は塵埃吸引部で空気と共に
外部に流動させることができるので、清掃の効率が向上
するものである。
【0055】本願の請求項5の発明によれば、屎尿を乾
燥処理した後に蒸発容器に残る塵埃を塵埃吸引部により
空気と共に外部に流出できる。この空気と混ざった塵埃
は、蒸発容器の外部に設けた塵埃分離部において、塵埃
のみを分離し、空気のみを送風部の吸引側に流動させる
ことができる。このため、塵埃が外部に拡散されず、塵
埃の分離と回収が容易となる。
【0056】本願の請求項6の発明によれば、蓋板の上
面に屎尿投入弁を設け、屎尿投入弁の上部に便器を載置
してあり、便器に放出された屎尿は屎尿投入弁を通過し
た後に、回転保持手段と係合手段を介して吊り下げてあ
る蒸発容器の内部空間にそのまま落下させることができ
る。このため、屎尿の流動する経路が短くなり、付着す
る部分を最小限に押さえることができるので、汚れなど
の発生を防止することができる。
【0057】本願の請求項7の発明によれば、蒸発容器
と回転保持手段を連結する係合手段は、蒸発容器の外周
に沿って形成したネジにより構成されているので、係合
手段の構造が簡易となり、制作が容易となる。
【0058】本願の請求項8の発明によれば、ネジで蒸
発容器と回転保持手段を係合したならば、回転防止手段
により蒸発容器が回転するのを規制することができ、回
転しながら屎尿を蒸発・乾燥させる蒸発容器が緩むのを
防ぐことができる。
【0059】本願の請求項9の発明によれば、蒸発容器
と回転保持手段はネジにより係合され、蒸発容器の外周
には廻し突起が設けてあるため、蒸発容器の着脱作業の
際には廻し突起により容易に回転させることができる。
また、回転保持手段には、廻し突起と嵌合う係止金具を
固着してあるため、蒸発容器を回転保持手段に連結した
後に廻し突起と係止金具を嵌合わせることで緩みの発生
を防止することができる。
【0060】本願の請求項10の発明によれば、蒸発容
器の外周に固着された係合金具と、回転保持手段の外周
に固着された締付け金具から係合手段を構成してあるた
め、蒸発容器を回転させずに締付け金具を操作するだけ
で蒸発容器を回転保持手段に着脱させることができる。
また、締付け金具を係合金具に締め付けることにより、
蒸発容器の上端開口は回転保持手段の下端開口に密着す
るので、蒸発容器の内部は気密を保つことができる。
【0061】本願の請求項11の発明によれば、締付け
金具は外周にネジ山を形成した回動ネジ体とクランプと
から成り、係合金具は回動ネジ体を嵌め合わせることが
できる切り欠きが形成してある。このため、クランプを
回動ネジ体から緩めて、クランプを切り欠きから引き離
すことで締付け金具を係合金具から外すことができ、蒸
発容器の着脱の操作が迅速となる。
【0062】本願の請求項12の発明によれば、係合手
段は、蒸発容器に形成された係合鍔部と、回転保持手段
に形成された係合鍔部と、両係合鍔部を外周から環状形
に保持する締付けバントとから構成されており、両係合
鍔部の外周を環状形に締付けバントにより保持すること
ができる。このため、蒸発容器と回転保持手段の接合面
の周囲を均一に保持することができ、蒸発容器を気密に
締め付けることができる。
【0063】本願の請求項13の発明によれば、蒸発容
器の係合鍔部は上方に向かって径大となる形状であり、
回転保持手段の係合鍔部は下方に向かって径大となる形
状となっており、蒸発容器と回転保持手段を密着させる
と、周囲には環状形の輪が形成される。この環状形の輪
の周囲を、その内周面を係合鍔部の傾斜面とほぼ同じ角
度の傾斜面に形成した締付けバントで囲むように連結で
きるので、蒸発容器と回転保持手段を均一に挟持して気
密性を保持することができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。本実施例では、本発明の屎尿処理装置を、それだけ
単独で自由に移動させ、催物会場、河川敷などの場所で
一時的に使用することができる仮設便所11に応用した
場合について説明する。
【0065】先ず、図1は本実施例における仮設便所1
1の外観を示すものである。この仮設便所11の外枠
は、例えばプラスチックや強化合成樹脂で形成された立
体形をした箱状をしている。この仮設便所11の底部分
は家状をした上部を支えて地面に設置される基台12と
なっており、この基台12は平坦な立方体形をしてお
り、基台12の上部には内部が空洞で利用者が入ること
のできる空間を形成したハウス13が載置してある。こ
のハウス13の前面には、手前側に開いて利用者がハウ
ス13内に出入りすることができるドアー14が取り付
けてある。
【0066】この仮設便所11の内部であって基台12
の上部には、屎尿を乾燥して処理する屎尿処理装置15
が固定してある。この屎尿処理装置15の上面中央には
洋式の便器16が固定してあり、仮設便所11の利用者
はこの便器16を排泄のために利用することができる。
【0067】次に、図2は図1で示した屎尿処理装置1
5の内部の構成を示すスケルトン図である。この図2に
おいては、屎尿処理装置15における主要な部分は実線
で示してあり、屎尿処理装置15の外形は破線で示して
あり、各主要部材との間を結ぶ配管は図中では省略して
ある。この屎尿処理装置15は電力等を供給することで
それ自体が単独で作動できる機能を持ち、組立て、メン
テナンスを容易にするためにユニットに組み立てられて
いる。この屎尿処理装置15の各要部は、大きく区分し
て乾燥部21、塵埃吸引部22、回転作動部23(駆動
手段)、塵埃分離部24、送風部25、防臭部26、屎
尿導入部27、加熱部28(電磁加熱手段)より構成さ
れている。
【0068】この屎尿処理装置15の躯体となる外枠
は、図示しないが角パイプ材、アングル材等によって枠
状に組み立てられており、図2においては破線でその外
形が示されている。この躯体内の空間の中央には、屎尿
処理装置15の要部となっており、屎尿を加熱すること
で乾燥させる乾燥部21が配置してある。この乾燥部2
1の前面(図2において左手前側の面を前面とする)の
左側には、乾燥部21から排出された空気の中から塵埃
を分離して回収する塵埃分離部24が設けてある。そし
て、乾燥部21の前面の右側には、屎尿処理装置15の
各部に空気を供給するための送風部25が設けてある。
また、乾燥部21の右側面には回転作動部23が固定し
てあり、乾燥部21の上面のほぼ中央には便器16の下
部と連なる屎尿導入部27が固定してあり、乾燥部21
の上面の左側には乾燥部21の内部に残った塵埃を吸引
するための塵埃吸引部22が固定してある。さらに、乾
燥部21の後側(図2において右奥側を後側とする)と
屎尿処理装置15の背面との間には、内部にフィルター
や触媒を収納した長方形状の防臭部26がその長さ方向
が水平となるように配置してある。
【0069】次に、図3は図2で述べたのと同様に屎尿
処理装置15の外枠を破線で示し、屎尿処理装置15の
内部に配置した各主要部を実線で示した平面図である。
この図3の図中における下側が、図2で示した屎尿処理
装置15の前面と対応している。
【0070】この屎尿処理装置15の中央の大部分の位
置を占めるようにして、四角形の平面形状をした乾燥部
21が設けてあり、この乾燥部21の図3中の右側には
駆動用の回転作動部23が固定してある。そして、乾燥
部21の上面の図3中で左側には塵埃吸引部22が載置
固定してあり、乾燥部21の前面(図3において下側)
の左側には塵埃分離部24が設けてあり、乾燥部21の
前面の右側には送風部25が設けてある。また、乾燥部
21の後部(図3において上方、図2において屎尿処理
装置15の後方)には防臭部26が設けてある。
【0071】次に、図4、図5、図6、図7、図8、図
9、図10は、共に乾燥部21、塵埃吸引部22、回転
作動部23、屎尿導入部27の具体的な構成を説明する
ものである。この図4では、前記図2における塵埃吸引
部22、回転作動部23、屎尿導入部27、加熱部28
を乾燥部21に連結した状態を拡大して示したものであ
り、乾燥部21全体を支える躯体の一部(前側の桁材の
一部)は切断して省略してある。また、図5は前記図3
におけるAーAを矢視した断面図であり、回転作動部2
3等の一部は切断していない。そして、図6は乾燥部2
1を構成する部材を上下に分解して図示したものであ
り、各部材を連結するためのネジはその一部が省略して
ある。そして、図7は乾燥部21が図4のように組み立
てられた状態において、その乾燥釜31(金属製の蒸発
容器である)の上面を覆っている塵埃吸引部22、屎尿
導入部27、支え板34、蓋板35(支え板34と蓋板
35で被覆手段が構成されている)等を取り外し、乾燥
釜31の内部を上方から見た状態であり、乾燥部21を
支える躯体の上部は水平に切断して省略してある。
【0072】また、図8は乾燥釜31を回転できるよう
に保持し、同時に駆動させるための機構を示したもので
ある。この図では、構成する各部材を上下に分離して示
しており、各部材を連結するためのボルト等の一部は省
略してある。また、図9は乾燥釜31の内部に収納され
ている塵埃吸引部22の構成を示すものであり、乾燥部
21を構成する乾燥釜31等は破線で示され、塵埃吸引
部22のみが実線で示されている。そして、図10は前
記塵埃吸引部22の構成を具体的に示す斜視図であり、
蓋板35との取付け方法が理解できるように、各部材を
上下方向に分離して説明してある。
【0073】〔乾燥部21の構成〕
【0074】前述のように、乾燥部21の構成は図4か
ら図8の間に詳しく示されており、さらに図9、図1
0、図11によりその構成が拡大して示してあり、これ
らの図と共に乾燥部21を構成する各部を下記に詳しく
説明する。この乾燥部21は中間リング30、乾燥釜3
1、フランジ39を主要な部材として組み立てられてい
る。
【0075】〔〔中間リング30の構成〕〕
【0076】乾燥部21の上部には、上下に大きく開口
した円筒形状をした中間リング30が位置しており、こ
の中間リング30は例えば引抜き鋼管をその軸線と直角
になるように輪切りにして形成してあり、その中心軸線
が垂直となるように配置してある。中間リング30の詳
しい構造は図9、図10、図11に示されており、中間
リング30の下半分は外側に径大となるように膨れてお
り、この中間リング30の膨れた下側の内壁には内周に
沿って細かいピッチのネジ山である雌ネジ部121が切
削して形成してある。
【0077】また、中間リング30の下部の外周(膨れ
ている部分の外側である)には一対の軸支片123が間
隔を置いて固着してあり、これらの軸支片123の間に
は係止金具124が挿通してあり、軸支片123と係止
金具124とは回動軸125により連結してある。これ
により、係止金具124の上部は回動軸125で上下に
揺動できるように軸支され、常時は自重により下方に垂
れ下がっている。そして、係止金具124は金属で形成
された長方形の形状をしており、その上部が回動軸12
5により軸支片123と連結されており、係止金具12
4の中央には長方形をした嵌合わせ窓126が開口して
ある。なお、嵌合わせ窓126の長い辺は係止金具12
4の長さ方向と沿うように形成してあり、嵌合わせ窓1
26を除いた係止金具124の外形は長方形をした枠状
となっている。
【0078】〔〔乾燥釜31の構成〕〕
【0079】そして、乾燥部21の中心には排泄された
屎尿を加熱して乾燥させるための乾燥釜31が設けてあ
る。この乾燥釜31はその底部が閉鎖し、上端部のみが
開口した寸胴状をしており、乾燥部21の容積の大部分
を占めている。この乾燥釜31は、言わばドラム缶の上
半分を切断し、円筒形状となった下半分と底部分だけを
残した形状となっており、乾燥釜31は耐熱性のあるス
テンレス、高張力鋼等の金属材料で形成してある。そし
て、乾燥釜31の縦断面の形状は図5で示されており、
乾燥釜31の底部の中央は周囲の底部より上方に隆起し
た突起45が形成してある。この突起45の頂上は乾燥
釜31の中心軸線と一致させてあり、乾燥釜31の内底
は突起45の頂上から周囲に向かってなだらかな傾斜面
となるように形成してある。なお、乾燥釜31の内径は
中間リング30の雌ネジ部121以外の内径(つまり、
中間リング30の上部の内周の内径)とほぼ同一に設定
してある。
【0080】そして、乾燥釜31の詳しい構成は図9、
図10、図11に示されており、乾燥釜31の外周の上
部には外周に沿って細かいピッチのネジ山である雄ネジ
部122が切削して形成してある。この雄ネジ部122
の内径とピッチは、前記雌ネジ部121の内径とピッチ
に一致させてあり、両者は円滑に噛み合うことができ
る。また、乾燥釜31の外周であって雄ネジ部122よ
りやや下方には、周方向に等間隔に4つの廻し突起33
が突出させてある。これらの廻し突起33は先端になる
に従ってやや細くなる形状をしており、それぞれは乾燥
釜31の中心から外方に放射状に突出している。
【0081】〔〔フランジ39の構成〕〕
【0082】次に、中間リング30と乾燥釜31を実際
に吊り下げるフランジ39は図6、図8、図9に具体的
に示されており、平板を円形に切断し、その中央を大き
く開口するように切断した環状形に形成してある。この
フランジ39の内径は中間リング30の上部の外径とほ
ぼ同一に設定してある。また、フランジ39の周囲には
上下方向に向けて開口した複数の挿通穴42が等間隔に
形成してある。
【0083】〔〔各部材を乾燥部21に組み立てる手
順〕〕
【0084】これら中間リング30、乾燥釜31、フラ
ンジ39を組み立てることにより乾燥部21が形成され
る。まず、図6、図8、図9で示すように、中間リング
30の上端をフランジ39の中央の開口に挿入し、フラ
ンジ39を中間リング30の上端で鉢巻きのように嵌め
込み、中間リング30の上端外周とフランジ39の内周
とは電気溶接等によって隙間無く連結してある。この連
結の際に、中間リング30の中心軸とフランジ39の中
心軸が同一軸線となるように設定する。そして、連結さ
れた中間リング30の下方より乾燥釜31の上端を接近
させ、乾燥釜31を回転させることにより雄ネジ部12
2を雌ネジ部121にねじ込ませる。雄ネジ部122と
雌ネジ部121のピッチは一致しているため、乾燥釜3
1を回転することで乾燥釜31の上部は中間リング30
の下部の膨れた部分にねじ込まれ、中間リング30と乾
燥釜31は一体となるように結合する。この乾燥釜31
を回転させる作業においては、外周に突起させてある廻
し突起33を手で廻すか、工具を廻し突起33に噛み合
わせることで容易に乾燥釜31を回転させることができ
る。
【0085】そして、乾燥釜31が中間リング30に完
全に嵌まり込んだなら、その位置で係止金具124を回
動軸125を回転の中心として上側から下方に倒し、係
止金具124の嵌合わせ窓126を廻し突起33の1つ
に挿通する図10、図11で示す状態である)。このた
め、1つの廻し突起33と係止金具124が噛み合わさ
れ、乾燥釜31はその位置で固定されることになり、中
間リング30に対して乾燥釜31は回転することができ
ず、両雄ネジ部122、雌ネジ部121の緩みの発生を
防止することができる。このようにして、中間リング3
0、乾燥釜31、フランジ39は一体に組み立てられ、
上端が朝顔のように開き、底が閉鎖した屎尿を収納でき
る容器が形成される。
【0086】〔〔乾燥部21の支持機構〕〕
【0087】次に、この乾燥部21において、乾燥釜3
1などを吊り下げて、同時に塵埃吸引部22、回転作動
部23、屎尿導入部27を保持するための支持機構につ
いて説明する。この乾燥釜31などを支えるための部材
は、乾燥部21内に設けられた架台32と支え板34と
から構成されている。この架台32は断面がL字形とな
った金属製のチャンネル材を適当な長さに切断し、各部
材を溶接等によって結合することにより、立体形に組み
立てられている。
【0088】この架台32は、その四隅に垂直に立てら
れた四本の脚柱47と、この脚柱47の頂部において水
平に配置された三本の上桁材48と、脚柱47の下端か
ら少し上方で水平に配置された四本の下桁材49より構
成されている。それぞれの脚柱47、上桁材48、下桁
材49は断面がL字形をしたチャンネル部材であり、四
本の脚柱47はそれぞれ同じ長さに切断され、平面にお
ける正方形のそれぞれの角に位置されていて、各脚柱4
7はその長さ方向が垂直となるように配置されている。
そして、脚柱47の頂部の間には、同じ長さに切断され
た上桁材48が架け渡されていて、三本の上桁材48は
上方から見てコ字形になるように配置されている。この
上桁材48の配置は図3において破線で示され、屎尿処
理装置15に向かって右側(図2、図4において右手前
側図3中において右側)のみには上桁材48が架け渡さ
れていない構成となっている(この上桁材48が設けら
れていない空間には回転作動部23の上部が固定される
ためである)。
【0089】そして、垂直に立ち上げられた四本の脚柱
47のそれぞれの下端から少し上方の間には、四本の下
桁材49がそれぞれ水平となるように架け渡されてい
る。これらの四本の下桁材49は、架台32の下部周囲
にロ字形となって配置されており、図4、図7に示され
るようにそれぞれの脚柱47をその位置で固定してい
る。このようにして、脚柱47と上桁材48と下桁材4
9により鳥籠状をした架台32が形成されており、この
架台32によって乾燥部21とその他の機構が全て保持
されるようになっている。
【0090】〔〔乾燥部21を吊り下げるための機
構〕〕
【0091】このようにして複数本のチャンネル材で組
み立てられた架台32の上部には、平坦な平板で形成さ
れた支え板34が載置して固定してあり、この支え板3
4により乾燥釜31などが回転自在に吊り下げられてい
る。この支え板34は、図3で分かるようにその平面形
状は、正方形の一辺(屎尿処理装置15に向かって右
側)を外側に向けてやや台形に突出した変形の六角形状
をしており、この飛び出した台形の部分の下面に回転作
動部23を固定できるようにしてある。この支え板34
の中央には図6で理解できるように、その中央に径大な
導通口51が開口してあり、この導通口51の周囲の複
数個所には等間隔にネジ穴52が上下に貫通開口してあ
る。
【0092】次に、この支え板34の下面には固定リン
グ36が位置させてあり、この固定リング36の中央に
は径大な開口を貫通させて環状形に形成してあり、この
固定リング36の内径は前記導通口51の内径とほぼ同
一の径に設定してある。そして、この固定リング36の
周囲には複数個の挿通穴40を上下に貫通開口させてあ
る。この固定リング36の上面を支え板34の下面に密
着させ、ネジ穴52と挿通穴40の位置を一致させた
後、各ネジ穴52の上部よりそれぞれネジ53をねじ込
むことにより、支え板34の下面に固定リング36を固
定することができる。また、固定リング36はその外周
に一連のベアリング溝が形成してあり、この溝に後述す
るベアリング37を挿入することができる。
【0093】この固定リング36の下方には回転リング
38が位置させてあり、この回転リング38の中央には
径大の開口を貫通させて環状形に形成してあり、この固
定リング36の外径は回転リング38の内径とほぼ一致
させてある。また、回転リング38の内周面には一連の
ベアリング溝が形成してあり、この溝に後述するベアリ
ング37を挿入することができる。さらに、回転リング
38のの外周には一定の間隔で歯面が形成してあり、そ
の周囲には複数個の挿通穴41を上下に貫通開口させて
ある。そして、この回転リング38と乾燥釜31を連結
固定するには、回転リング38の下面に前記フランジ3
9の上面を密着させ、挿通穴41と42の位置を一致さ
せた後に、挿通穴41からボルト54を下方に向けて挿
通し、フランジ39の下面に露出したボルト54の下端
にナット55をねじ込んで締め付けることにより、回転
リング38とフランジ39(すなわち、中間リング30
と乾燥釜31も同時に)を連結することができる。
【0094】次に、固定リング36と回転リング38を
組合せ、両者を回転自在に保持させるための構成に付い
て説明する。前述のように、固定リング36は支え板3
4の下面に固定されており、回転リング38はフランジ
39に固着されている。このような状態で、固定リング
36と回転リング38のそれぞれのベアリング溝に球形
のベアリング37を介在させ、両固定リング36と回転
リング38を結合する。この結合では、図5で示すよう
に、固定リング36と回転リング38の間にはベアリン
グ37が設けてあるため、回転リング38は固定リング
36より落下せずに吊り下げられ、かつ、ベアリング3
7によってその周囲方向に摩擦が少なく回転自在に保持
されている。
【0095】なお、固定リング36と回転リング38の
間であって、ベアリング37の上下の隙間には合成樹脂
製のシール材が介在されており、固定リング36と回転
リング38の間は気密になるように閉鎖されている。こ
の結果、中間リング30と乾燥釜31は支え板34の下
部に吊り下げられ、同時に、その周方向(垂直軸を回転
の中心軸としている)に極めて軽く回転できるように保
持されていることになる。この固定リング36と回転リ
ング38の構造は、従来から旋回ベアリングと呼ばれて
いる機構と同じ構造となっている。これらの固定リング
36、ベアリング37、回転リング38により、回転保
持手段が構成されている。
【0096】〔〔乾燥部21を駆動するための回転作動
部23の機構〕〕
【0097】前述では、乾燥釜31などを回転できるよ
うに吊り下げる機構について説明したが、この吊り下げ
の機構では中間リング30と乾燥釜31はそれ自体で自
転することができず、外部から駆動力を与えなければ乾
燥釜31などは回転できない。このため、以下に乾燥部
21を駆動するための機構を説明する。この機構は図
3、図4、図5、図6、図7、図8で示されている。
【0098】前述の回転作動部23は、モーター台5
8、モーター60、小歯車66の主要部材から構成され
ている。このモーター台58は薄肉鋼板をコの字形に折
り曲げ、その両端を左右に外側へ折り曲げた形状となっ
ており、この左右に外側へ折り曲げられた両片には上下
方向にネジ穴63が貫通開口してある。また、モーター
台58の中央にはやや径大な挿通穴59が上下に貫通開
口してあり、この挿通穴59の周囲の四個所にはネジ穴
が開口してある。そして、モーター60は電気的に動作
されるものであり、全体は円筒形状をしており、その上
面には四角形をした平板の台座61が固着してあり、こ
の台座61の中央には回転出力を取り出すためのモータ
ー軸62が突出してある。
【0099】また、台座61の周囲には四個所にネジ穴
が開口してある。このモーター60とモーター台58を
結合するには、モーター軸62を挿通穴59より突出さ
せ、その状態で台座61の上面を前記モーター台58の
下面に密着させて組み合わせる。そして、台座61の下
方よりネジ65をネジ穴に挿入し、モーター台58に開
口したネジ穴にねじ込むことにより、モーター60をモ
ーター台58に固着することができる。このモーター台
58の中央に突出したモーター軸62には外周に歯面を
形成した小歯車66が固着してあり、この小歯車66は
コの字形に折り曲げられたモーター台58の凹部に回転
自在に収納されている。
【0100】次に、前記支え板34の一側であって、図
3と図5の右側、図4と図6の右側手前は図で示すよう
に少し突出しており、この突出した部分には図6で示す
ように四箇所にネジ穴57が上下に貫通開口してある。
そして、このモーター台58の両側の左右に広げた両片
の上面を支え板34の下面に密着させ、ネジ穴57とネ
ジ穴63の位置を合わせ、その後に支え板34の上面よ
りネジ64をネジ穴57、63にねじ込むことにより、
モーター台58を支え板34に固定することができる。
このようにして、モーター台58を支え板34に固定す
ると、モーター台58に固着されたモーター60及び小
歯車66も同時に支え板34に保持されている。そし
て、モーター台58が支え板34に取り付けられた状態
のときには、小歯車66の外周に形成された歯面は前記
回転リング38の外周に形成した歯面と噛み合わせてあ
る。このため、モーター60が作動するとモーター軸6
2が回転し、小歯車66も回転するため、小歯車66に
噛み合わされた回転リング38は固定リング36の周囲
で回転し、回転リング38の下面に吊り下げられたフラ
ンジ39、中間リング30、乾燥釜31は従動して回転
させられる。
【0101】〔〔乾燥釜31内での乾燥を補助する部
材〕〕
【0102】次に、前記乾燥釜31内には屎尿を貯留
し、乾燥釜31を加熱することにより屎尿を蒸発させ
る。しかし、乾燥釜31による加熱だけであっては屎尿
の蒸発は円滑に行われず、また、貯留した屎尿の温度を
均一に攪拌させなければならない。このため、乾燥釜3
1内には、屎尿の加熱を補助すると共に攪拌の作用を行
わせる複数個の蓄熱体44(攪拌手段)が挿入してあ
る。この蓄熱体44は球形状をしており、鉄、真鍮等の
金属、あるいは焼結によって形成したセラミックなどを
その材質としている。
【0103】〔〔支え板34の導通口51の開口を閉鎖
する機構〕〕
【0104】前記支え板34の中央には径大の導通口5
1が開口してあり、この導通口51により乾燥釜31の
内部は外部と連通しており、このままでは乾燥釜31に
投入した屎尿から悪臭が流出することになる。この導通
口51を密閉して閉鎖するために、支え板34の上面に
は図2、図3、図4、図5、図6で示されるように円盤
形をした蓋板35が載置してある。この蓋板35は薄肉
の鋼板を円形に切り取って形成したものであり、蓋板3
5の外径は前記導通口51の内径よりも大きく設定して
あり、この蓋板35の中央付近には図10で示すように
四つの導入穴77、排気穴78、投入口79(連結フラ
ンジ75を挿入する)、吸引口80(導通パイプ76を
挿入する)が上下方向に貫通開口してある。これらの導
入穴77、排気穴78、投入口79、吸引口80は蓋板
35の中心から四方に向けて放射状に配置してあり、径
大の投入口79に接近して径小の導入穴77、排気穴7
8、吸引口80が前述の導通口51の内径の範囲内に収
まるように配置してある。これらの投入口79、吸引口
80、導入穴77、排気穴78の位置関係は図3で示す
ように、投入口79が蓋板35の中心より少し左側に偏
心して位置しており、投入口79の反対側のには吸引口
80が開口され、投入口79(連結フランジ75が挿入
してある)、吸引口80(導通パイプ76が挿入してあ
る)を結ぶ軸線の左右に導入穴77、排気穴78が貫通
開口させてある。
【0105】そして、図6で示すように、この蓋板35
の外周には等間隔にネジ穴70が上下に貫通開口してあ
り、支え板34の導通口51の周囲であって導通口51
の中心より同一距離には(ネジ穴52の位置よりも外
側)、円周上に等間隔で複数のネジ穴71が上下に貫通
開口してある。この蓋板35を導通口51の開口を塞ぐ
ようにして支え板34に密着させ、ネジ穴70をネジ穴
71の位置に合わせた後に、止めネジ72をネジ穴70
と71に挿入してねじ込むことで蓋板35を支え板34
に固定することができる。こうして、蓋板35により導
通口51が気密に閉鎖され、乾燥釜31の内部空間は前
述の導入穴77、排気穴78、投入口79、吸引口80
を介してのみ外部と流通することができる。また、乾燥
釜31の上縁の周囲は固定リング36、回転リング38
によって気密に閉鎖されていることから、乾燥釜31の
内部は外部とは連通しておらず、乾燥釜31の内部から
空気が流出しなくなる。
【0106】なお、前記投入口79には円筒形の連結フ
ランジ75が挿入してあり、投入口79の内縁と連結フ
ランジ75の下端外周とは電気溶接により気密に溶接し
てある。また、吸引口80には、パイプの下端に四角い
止め板を固着した導通パイプ76が嵌め合わせてあり、
導通パイプ76は蓋板35にネジで締めつけ固定してあ
る。
【0107】〔屎尿導入部27の構成〕
【0108】次に、前述した便器16と乾燥部21の間
に介在される屎尿導入部27の構成を図2、図4により
説明する。図1で示すように、便器16内には仮設便所
11の利用者より排泄された屎尿が投入されるが、この
便器16に投入された屎尿は閉鎖された乾燥釜31の内
部空間に導入しなければならない。このため、便器16
と乾燥部21の間には、屎尿投入弁81と投入パイプ8
2から成る屎尿導入部27が介在させてある。
【0109】前記蓋板35に開口した投入口79には、
円筒形をして上下方向に開口した連結フランジ75が固
着してあり、連結フランジ75によって乾燥釜31の内
部が外囲と連通している。このように蓋板35の上面に
固定された連結フランジ75の上端には、電動により動
作されるバタフライ弁を内蔵した屎尿投入弁81を載置
してあり、この屎尿投入弁81の上部には前記便器16
の下端開口に連結される薄肉のパイプ状をした投入パイ
プ82が載置させてある。なお、便器16の下部開口と
投入パイプ82の上端開口を接続する場合には、蛇腹状
に連続した形状を持ち、内部の空洞の内径を維持したま
まで左右方向に自由に曲げることができるフレキシブル
の接続パイプを用いることでも良い。
【0110】〔塵埃吸引部22の機構〕
【0111】次に、蓋板35に固定され乾燥釜31内に
残留した塵埃を吸引して清掃する機能を持つ塵埃吸引部
22の機構について説明する。この塵埃吸引部22の機
構は、図5、図7、図12、図13に示されている。こ
れらの図の内、図5は塵埃吸引部22を縦に切断した状
態を示すもので、図7は上方から見たものであり、図1
2は乾燥釜31等の構成を鎖線で示して背面から見たも
のであり、図13は蓋板35より上下に塵埃吸引部22
を分離して示した斜視図である。
【0112】この塵埃吸引部22は、蓋板35の上面と
下面の2つの機構により構成されており、上面の部分は
導通パイプ76で構成され、下面の部分は吸引パイプ8
5を主要な部材として構成されている。この導通パイプ
76は引抜き鋼管などで形成したパイプの下部に平板を
固着した構造となっており、導通パイプ76の下端を前
記蓋板35の吸引口80に挿入し、平板部分を蓋板35
の上面にネジ止めすることにより固定してある。また、
塵埃吸引部22の下半分の主要な構成である吸引パイプ
85は蓋板35の下面に取り付けられるものであり、こ
の吸引パイプ85は引抜き鋼管などで形成した細長いパ
イプ状をしており、その上端には図13で理解できるよ
うにやや四角形をした平板状の取付け板86が吸引パイ
プ85の軸線とは直角方向になるように固着してある。
この取付け板86の上面を蓋板35の下面に密着させ、
吸引パイプ85の中心軸を前記導通パイプ76の中心軸
と一致させて、取付け板86を乾燥釜31にネジなどで
固着する。
【0113】このように吸引パイプ85を蓋板35に固
定することにより、図5で示すように、導通パイプ76
と吸引パイプ85は上下に垂直に連なることになる。そ
して、吸引パイプ85が蓋板35に垂直に吊り下げられ
た状態において、この吸引パイプ85の下端開口は乾燥
釜31の底面より少し上方に位置するように設定する。
また、図7で示されるように、吸引パイプ85の中心は
乾燥釜31の中心より一方の側壁(図7で左側)に接近
して位置させてあり、吸引パイプ85の中心軸は乾燥釜
31の中心軸と側壁の間くらいの位置に設定してある。
このため、乾燥釜31内の空間には吸引パイプ85が挿
入された状態となっているが、吸引パイプ85は乾燥釜
31の底とは接触しておらず、乾燥釜31の回転を妨げ
ることはない。
【0114】〔制動部84の構成〕
【0115】次に、前記吸引パイプ85の下部には前記
蓄熱球44の転動を規制する制動部84が設けてある。
この制動部84は図7、図12、図13に具体的に示さ
れている。前記吸引パイプ85の下部の左右には、鋼板
等を折り曲げて箱状に形成した同一形状の補強体87が
左右に固定してある。この一対の補強体87は、図7で
理解できるように、両者は同一直線になるように配置し
てあり、しかも両者を結ぶ直線は吸引パイプ85と乾燥
釜31のそれぞれの中心軸を結ぶ直線と直角になるよう
に配置してある。このため、一対の補強体87の両端は
乾燥釜31の内壁にそれぞれ接近するように位置してお
り、一対の補強体87と乾燥釜31の内壁によって半月
形が形成されている。
【0116】この吸引パイプ85と各補強体87の側面
であって乾燥釜31の中心に向いた面(図7中で右側、
図13中で右手前側)には平板状をした邪魔板88を密
着して固着してある。この邪魔板88は薄肉鋼板を長方
形に切断した形状をしており、その上縁は図12、図1
3で示すように補強体87の上面と一致しており、下縁
は補強体87の下面より少し下にまで延長している。ま
た、邪魔板88の左右は乾燥釜31の内壁に接近するま
で延長してある。そして、この邪魔板88の下縁には、
乾燥釜31の中心方向(図5、図7において右側、図1
3において右手前側)に向けて少し折り曲げた掻き上げ
板89が連結してある。この邪魔板88と掻き上げ板8
9は一枚の薄肉鋼板を折り曲げて形成してもよく、邪魔
板88と掻き上げ板89によって両者は図5のように、
側面から見てやや『く』の字形になるように形成されて
いる。この掻き上げ板89の下端は乾燥釜31の底面よ
り少し上方に位置しており、乾燥釜31が回転しても掻
き上げ板89が接触しないように配置してある。さら
に、この掻き上げ板89の下縁には波状のギザギザをつ
けたノコギリ部90が形成してある。
【0117】また、一方の補強体87の側面には、この
乾燥釜31内の温度を検知して電気信号として出力する
温度センサー91が取り付けてある。
【0118】〔加熱部28の構成〕
【0119】また、加熱部28は、図4、図5、図1
4、図15で示されるように、その外形は偏平な箱状を
しており、前述の架台32の下部に保持されている。
【0120】この加熱部28は、その内部に収納した高
周波コイル98によって乾燥釜31と蓄熱球44に高周
波の電磁波を交拌させ、渦電流損を発生させることで乾
燥釜31と蓄熱球44自体を発熱させるものである。こ
の加熱部28は、電磁波を発生させるためにユニット化
されており、この加熱部28の内部の構造を図15とと
もに詳しく説明する。
【0121】この加熱部28の外枠は内部が空洞の箱状
をしたコイル容器95であり、このコイル容器95は上
方が開放した箱状の箱体96と、この箱体96を閉鎖す
る蓋板97から構成されている。この箱体96は薄肉の
金属板を折り曲げて形成したもので、底部分は正方形で
あり、この底部分の四辺を立ち上げることで箱状に形成
してある。また、蓋板97は薄肉の金属板を正方形に切
断したもので、その平面は箱体96の底部分の平面より
も若干大きくなるように設定してあり、箱体96に蓋板
97を被せると蓋板97の四隅が左右に張り出ることに
なる。この箱体96の開口部に蓋板97を密着させ、両
者をねじ止めや電気溶接することでコイル容器95が組
み立てられ、コイル容器95は内部が空洞であって、外
部から閉鎖された構造となっている。この箱体96の一
方の側面(図14において右奥側、図15において左奥
側)の中央にはパイプ状をした吸気管101が接続して
あり、箱体96の他方の側面(図14において左手前
側、図15において右手前側)の中央にはパイプ状をし
た排気管102が接続してある。このため外部から密閉
されたコイル容器95の内部には吸気管101から外部
の空気が流入し、コイル容器95の内部の空気は排気管
102によって排出されることになる。
【0122】この箱体96の空洞となった内部の中央に
は、図15で示すように電磁波を発生させるための偏平
の円筒形をした高周波コイル98が固定してある。この
高周波コイル98は箱体96の内側面とその外周が接触
しないように多少の隙間をあけて配置してあり、吸気管
101から流入した空気は箱体96の内部空間を流動
し、高周波コイル98の表面と接触することで熱交換し
た後に排気管102より排出できるような隙間が設けて
ある。そして、この高周波コイル98には電力供給用の
一対の電力線99が伸びており、両電力線99の終端は
箱体96の側面(排気管102を突出させた図12にお
いて右手前側)に絶縁して固定してある一対の電極10
0にそれぞれ接続してある。なお、一対の電極100
は、箱体96の側面であって排気管102の左右で突起
している。
【0123】〔〔加熱部28を支持する機構〕〕
【0124】次に、このコイル容器95を前記乾燥釜3
1と上下に間隔を置いて架台32に保持するための構成
について図14により説明する。
【0125】前述の架台32を構成する下桁材49の内
で、対向する一対の下桁材49(図4、図14において
左手前側と右奥側)の間にはL字形のチャンネル材によ
り構成された下桁材49の長さ程度の細長い吊り下げ材
104、105が配置してある。これらの吊り下げ材1
04、105は他の一対の下桁材49(図4、図14に
おいて左奥側と右手前側)と平行となり、かつ水平とな
るように配置され、両吊り下げ材104、105は間隔
を置いて左右に位置させてある。そして、吊り下げ材1
04の両端はそれぞれ下桁材49より吊り下げられてい
る吊り下げピン106で下桁材49の下方に保持されて
おり、吊り下げ材105の両端はそれぞれ下桁材49よ
り吊り下げられている吊り下げピン107で下桁材49
の下方に保持されている。これらの一対の吊り下げ材1
04と105の内側の間隔は前記箱体96の幅よりも少
し長く設定してある。このように吊り下げ材104と1
05を図14で示すように配置したならば、これらの吊
り下げ材104、105の隙間の上方から箱体96を挿
入し、蓋板97の左右の下面をそれぞれ吊り下げ材10
4、105の上面に接触させてコイル容器95を水平に
保持させることができる。なお、このコイル容器95を
吊り下げ材104、105で保持する際には、前述の吸
気管101と排気管102の軸方向は吊り下げ材10
4、105と平行になるように位置させ、図2で示すよ
うに排気管102を屎尿処理装置15の前側に位置させ
ておく。
【0126】〔防臭部26の機構〕
【0127】次に、図2、図3において屎尿処理装置1
5の後部(図2において右奥側、図3において上方)に
配置されている、防臭部26の内部構造を図13ととも
に詳しく説明する。この防臭部26は乾燥釜31内で蒸
発された屎尿の成分のうちで悪臭の原因となる要素を酸
化還元し、仮設便所11の周囲に悪臭を漂わせないよう
にするためのものである。
【0128】この防臭部26の外形は図16で理解でき
るように、外部から閉鎖された長方体の箱状をしてい
る。この防臭部26の外殼は薄肉の金属板を折り曲げて
形成した箱状をした除臭箱110からなり、この除臭箱
110は内部が中空であって外部から密閉されており、
長方体の長い方の側面を水平に向けて配置してある。こ
の除臭箱110の両端にあるやや正方形をした側面の内
の一方(図16において左側)の中央には排気パイプ1
11が接続してあり、他方(図16において右側)の中
央にはT字形をしたエゼクター112の吸引側が接続し
てある。
【0129】この除臭箱110の内部には、一つのユニ
ットであるフィルター113と、二つのユニットである
触媒114が収納してある。このフィルター113は、
セラミック繊維等の材料を重ね合わせて形成したもの
で、その外形形状は排気パイプ111の断面形状と同一
にしてあり、除臭箱110の内部を流通する空気がこの
フィルター113を必ず通過するように配置してある。
このフィルター113に空気が流通すると、その材料の
細かい繊維目で塵埃を吸着することができるものであ
る。また、触媒114は、目の細かいセラミックのハニ
カム構造で形成してあり、このハニカム構造の穴の内部
に白金、プラチナ等の貴金属の粗い粒子を組み込んだ構
造をしており、この触媒114の外形形状は排気パイプ
111の断面形状と同一にしてあり、除臭箱110の内
部を流通する空気は触媒114を必ず通過するように配
置してある。この触媒114は同じ形状のユニットが二
つあり、前記除臭箱110の内部であってフィルター1
13よりエゼクター112に近い側に二段階となるよう
に収納してある。
【0130】なお、図2、図3で示した屎尿処理装置1
5における除臭箱110には図示してないが、除臭箱1
10の外周にはその全体がセラミック繊維等による断熱
材で包まれており、さらにこの断熱材の外周はアルミ箔
によって梱包してあり、除臭箱110内部の熱が外部に
発散しないように断熱効果を持たせてある。
【0131】〔屎尿処理装置15の配管の接続〕
【0132】次に、図17により、本実施例における屎
尿処理装置15の各機構間を結ぶ配管の接続状況を説明
する。この図17では便器16から乾燥釜31へ屎尿を
流動させるための配管と、送風部25の送風機135
(送風部である)からエゼクター112等の各機構に空
気を流通させるための配管を図示したものである。
【0133】前記コイル容器95の吸気管101には外
囲よりこの屎尿処理装置15の内部に空気を供給するた
めのフィルター箱132の一端が接続してあり、このフ
ィルター箱132の他端は外囲に開放してある。このフ
ィルター箱132の内部は外部から密閉した空洞となっ
ており、両端には空気の流動を行う一対の開口が設けて
あり、一方の開口は吸気管101に接続してあり、他方
の開口は外囲に開放してある。そして、フィルター箱1
32の内部には、外囲から吸引した空気に含まれている
塵埃を捕捉するためのフィルター133が収納してあ
る。また、コイル容器95の排気管102には吸気パイ
プ134の一端が接続してあり、吸気パイプ134の他
端には三方に切換えることができる切換弁138の一方
の切換え側が接続してある。
【0134】次に、前記送風部25は空気を吸引して圧
送する送風機135を主要な構成部材としており、この
送風機135の吸入側にある吸引パイプ136には、切
換弁138の共通側が接続してある。そして、この送風
機135で空気を圧送する送出側には排出パイプ137
の一端が接続してあり、この排出パイプ137の他端に
は前記エゼクター112の流入側が接続してある。ま
た、排出パイプ137の途中には細径のバイパスパイプ
139の一端が接続してあり、排出パイプ137内で流
動する空気の一部はこのバイパスパイプ139にも流入
することができる。このバイパスパイプ139の他端に
は開閉の動作を行う開閉弁140の一端が接続してあ
り、開閉弁140の他端には再加熱箱141の一端が接
続してある。この再加熱箱141の内部は空洞で、両端
には空気を流動させるための開口を形成してあり、その
内部には流動した空気を加熱するためのヒーター142
を収納してある。
【0135】この再加熱箱141はバイパスパイプ13
9から流入した空気を加熱して高温に温める作用をする
ものであり、再加熱箱141の他端には熱風パイプ14
3が接続してある。この熱風パイプ143の終端は前記
排気パイプ111に接続してあり、排気パイプ111の
側面には排風パイプ145の終端が接続してある。この
熱風パイプ143の開口は排気パイプ111の内部に少
し突出させてあり、排風パイプ145の終端の開口は熱
風パイプ143の終端の側面に配置してあり、排風パイ
プ145から流入した空気は熱風パイプ143を中心に
して排気パイプ111内で螺旋状に旋回できるように構
成してある。そして、この排風パイプ145の他端には
開閉の動作を行う開閉弁144の一端に接続してあり、
開閉弁144の他端には乾燥釜31の内部と連通してい
る排気穴78に接続してある(図6における排気穴78
を参照のこと)。
【0136】また、前記エゼクター112は排出パイプ
137から流入した空気をそのまま通過させて大気中に
拡散させる機能を持つものであり、エゼクター112内
部の中央部分には空気流路の絞り部分を設けてあり、こ
の絞り部分の側面には除臭箱110の流出端(密閉した
除臭箱110の両側には、それぞれ一対の開口が設けて
あり、図16において排気パイプ111を接続した開口
を流入端、エゼクター112を接続した開口を流出端と
する)が接続してある。このように接続してあるため、
排出パイプ137から圧送された空気がエゼクター11
2内を通過する際に、エゼクター112の絞り部分で空
気が高速となり、この絞り部分の周囲の気圧を負圧にし
て、エゼクター112の中央は除臭箱110の流出端よ
り空気を吸入することができる。このようにして、エゼ
クター112は排出パイプ137から供給された空気を
外囲に拡散すると同時に、除臭箱110の内部の空気を
吸引し、その空気を混合して外囲に拡散することができ
る。
【0137】そして、エゼクター112の空気の排出端
の内側面には、流動する空気の一部を取り入れるための
導入口146が開口してあり、この導入口146には補
助パイプ147の先端が接続してある。この補助パイプ
147の終端には、開閉することができる開閉弁148
の一端に接続してあり、この開閉弁148の他端には乾
燥釜31の内部と連通している導入穴77を接続してあ
る(図6を参照における導入穴77を参照のこと)。
【0138】次に、前記塵埃吸引部22を構成する導通
パイプ76の上端には放出パイプ150の一端が接続し
てあり、この放出パイプ150の他端には開閉すること
ができる開閉弁151の一端が接続してあり、開閉弁1
51の他端には塵埃パイプ152が接続してある。前述
した塵埃分離部24は電気掃除機のゴミ分離機構とよく
似た構造であり、塵埃分離部24は、外部から閉鎖され
た内部が空洞のゴミ回収箱153と、このゴミ回収箱1
53の内部に収納されたゴミ袋154から構成されてい
る。
【0139】このゴミ袋154は、空気は通過させるが
塵埃を通過させない紙、布等の材料を用い、閉鎖した袋
状に縫い合わせてあり、塵埃パイプ152から流入した
空気の中に含まれる塵埃をその膜面で分離できるもので
ある。このゴミ袋154は、ゴミ回収箱153の内部の
空間を充満させるように膨らませてあり、前記塵埃パイ
プ152の終端はゴミ袋154の内部空間で開放するよ
うに接続してある。このため、塵埃パイプ152の終端
は袋状となったゴミ袋154の内部空間とのみ連通して
おり、塵埃パイプ152の終端からゴミ袋154の内部
に流入した空気は、必ずゴミ袋154の膜面を通過して
ゴミ回収箱153の内部空間に流動できる構成となって
いる。そして、ゴミ回収箱153の上部には、ゴミ回収
箱153の内部空間と連通する吸引パイプ155の一端
が接続してあり、吸引パイプ155の他端は前記切換弁
138の他方の切換え側と接続してある。
【0140】〔液面センサー158の機構〕
【0141】また、図1から図16においては図示して
いないが、図17のほぼ中央に図示されているように、
乾燥釜31の内部には一対の電極で構成された液面セン
サー158が設けてある。この液面センサー158はそ
の基部を蓋板35の下面に固定してあり、一対の液面セ
ンサー158は図6における導入穴77と排気穴78の
間に位置してあり、両液面センサー158は接触しない
ように間隔を離して固定してある。そして、両液面セン
サー158は乾燥釜31の空間内で上部から下方に垂れ
下がるように配置されており、両液面センサー158の
下端は乾燥釜31に屎尿を満たした際に後述する加熱・
乾燥の処理できる許容液面高さに設定してある。さら
に、蓋板35の下面に固定した両液面センサー158の
基部は、それぞれ蓋板35とは電気的に絶縁してある
が、両液面センサー158の先端(下端)は導電性の金
属材料を露出させてあり、両液面センサー158の先端
に屎尿の液面が接触することで電流が流れ、乾燥釜31
内に収容できる限界高さにまで屎尿が投入されたことを
判断することができるものである。
【0142】〔電気制御回路の構成〕
【0143】次に、図18により本実施例における屎尿
処理装置15全体を自動的に制御する電気系統の構成を
ブロック図により説明する。この屎尿処理装置15の機
構は中央演算回路165によって制御されており、この
中央演算回路165はCPU(マイクロプロセッサーや
中央演算素子等)やプログラムを記憶させた不揮発性メ
モリー(ROM)等から構成されている。このため、予
め定められた手順と条件により、屎尿処理装置15を最
適の状態で作動させることができ、故障や不適当な条件
のもとでは自動的にその動作を停止させることができ
る。
【0144】〔〔中央演算回路165への入力信号系
統〕〕
【0145】まず、前述の液面センサー158の出力信
号はオーバーフロー判別回路161に入力しており、オ
ーバーフロー判別回路161による判別信号は中央演算
回路165に入力している。また、乾燥釜31内の温度
変化を検知する温度センサー91の出力は温度判別回路
162に入力しており、温度判別回路162の判別信号
は中央演算回路165に入力している。そして、ハウス
13内に設けられ仮設便所11を利用したならば、その
終了を指示するための指示スイッチ163(図1では図
示せず)の出力は乾燥指示回路164に入力しており、
この乾燥指示回路164からの制御信号は中央演算回路
165に入力している。また、屎尿処理装置15の全て
の動作を開始させるための電源スイッチ166の出力も
中央演算回路165に入力している。
【0146】〔〔中央演算回路165からの出力信号系
統〕〕
【0147】この中央演算回路165では、入力した各
種の信号とその内部に記憶してあるプログラムの条件と
を比較し、その判断結果によって屎尿処理装置15に設
けられた各種の機構を動作させるための複数の信号を出
力することができる。まず、中央演算回路165の出力
はオーバーフロー表示回路167に入力しており、オー
バーフロー表示回路167には発光することで便器16
の一時的な使用を中止する表示ランプ168が接続して
ある。また、中央演算回路165の独立した出力信号
は、それぞれ切換弁制御回路170、モーター制御回路
171、開閉弁制御回路172、ヒーター制御回路17
3に入力している。この切換弁制御回路170の出力に
は切換弁138が接続してあり、切換弁138は吸引パ
イプ136を吸気パイプ134か吸引パイプ155の何
れか一方と交互に切換えることになる。また、モーター
制御回路171にはモーター60、送風機135がそれ
ぞれ接続してあり、それぞれを正方向または逆方向に回
転させるように制御することができる。そして、開閉弁
制御回路172には、屎尿投入弁81、切換弁138、
開閉弁140、144、148、151がそれぞれ接続
してあり、それぞれの弁を開放または閉鎖の何れかに制
御することができる。さらに、ヒーター制御回路173
には、ヒーター142と高周波発生回路174が接続し
てあり、高周波発生回路174には高周波コイル98が
接続してあり、ヒーター142には電力が供給され、高
周波コイル98には高周波発生回路174で発生した高
周波電力が供給されることになる。
【0148】次に、本実施例の作用をそれぞれの動作の
状況ごとに区分けして具体的に説明する。
【0149】<無動作の状態>
【0150】この仮設便所11が倉庫内に保管されてい
る状態のとき、あるいは仮設便所11が催物会場に設置
されているが、夜間や休日等で使用されていない状態の
ときには電源スイッチ166はオフ(回路を投入してい
ないこと)となっていて、屎尿処理装置15の各機能は
停止の状態を維持している。この電源スイッチ166が
オフであればその信号により中央演算回路165は停止
の状態を維持し、中央演算回路165は切換弁制御回路
170、モーター制御回路171、開閉弁制御回路17
2、ヒーター制御回路173、オーバーフロー表示回路
167にそれぞれ停止の信号を送っている。
【0151】このため、切換弁制御回路170は切換弁
138を切換えて、図17において吸気パイプ134と
吸引パイプ136を導通させており、吸引パイプ155
と吸引パイプ136の接続は停止している。また、モー
ター制御回路171はモーター60、送風機135を動
作させておらず、乾燥釜31は停止しており、送風機1
35は排出パイプ137への送風をしていない。また、
開閉弁制御回路172により屎尿投入弁81は閉鎖され
ており、開閉弁144、148、151も閉鎖され、開
閉弁140のみが開放されている。そして、ヒーター制
御回路173はヒーター142と高周波コイル98に電
力を供給しておらず、ヒーター142は発熱しておら
ず、高周波コイル98は電磁波を発生していない。
【0152】<予熱による各機構の初期設定>
【0153】さて、この仮設便所11を仮設現場や催物
会場等に設置して臨時に使用する場合、この仮設便所1
1に収納した屎尿処理装置15をスタートアップし、便
器16に排泄された利用者の屎尿を直ちに処理できるよ
うに、待機の状態に設定しておかなければならない。こ
の屎尿処理装置15を待機の状態に設定するには、仮設
便所11の管理者あるいは会場責任者等が電源スイッチ
166をオンする(電源を投入すること)から開始され
る。
【0154】この電源スイッチ166がオンされると屎
尿処理装置15が作動を開始し、待機の状態に移行する
信号を電源スイッチ166から中央演算回路165に伝
える。すると、中央演算回路165は、モーター制御回
路171、ヒーター制御回路173に信号を送り、それ
ぞれを待機の状態となるように作動させる(このときに
は切換弁制御回路170、開閉弁制御回路172には中
央演算回路165からは信号が伝わらず切換弁138、
屎尿投入弁81、開閉弁140、144、148、15
1は前述の停止の状態と同じ状態を維持している)。こ
のため、モーター制御回路171は送風機135に高い
周波数の電力を送り、送風機135を高速で回転するよ
うに作動させ、ヒーター制御回路173はヒーター14
2に電力を供給し、ヒーター142を発熱させることに
なる。
【0155】<<送風機135による空気の流動>>
【0156】この送風機135が作動を開始すると、吸
引パイプ136側より空気を吸引して排出パイプ137
にD方向へ空気を圧送することになる。前記切換弁13
8は吸気パイプ134と吸引パイプ136とが接続して
おり、外囲の空気はフィルター箱132の開口よりE方
向に吸引され、空気中の塵埃やゴミはフィルター133
を通過する際に除去され、清浄になった空気は吸気管1
01を通過した後コイル容器95に流入する。この空気
はコイル容器95より排気管102、吸気パイプ134
を図17中でC方向に流動し、次いで、切換弁138、
吸引パイプ136を通過して送風機135に吸引され
る。
【0157】この送風機135で圧縮された空気は排出
パイプ137よりD方向に流出し、排出パイプ137を
流れる空気の大部分はエゼクター112の方向に流出す
るが、排出パイプ137の途中にバイパスパイプ139
が接続してあるため、排出パイプ137を流れる空気の
一部はバイパスパイプ139に分流して流れることにな
る。このエゼクター112内を空気が流動すると、空気
は絞られたエゼクター112の中心を高速の速度で通過
し、次いで、エゼクター112の終端よりF方向に流出
し、大気中に拡散される。このエゼクター112の内部
を空気が流通するときに、エゼクター112の中心部は
その内径が絞られているため、その絞り部分では空気が
高速で通過して負圧が発生し、除臭箱110内の空気を
その負圧で吸引し、吸引した空気を排出パイプ137か
ら流れる空気と共に混合してE方向に放出させることに
なる。
【0158】<<触媒114の予熱>>
【0159】前述のように、排出パイプ137と分岐し
ているバイパスパイプ139に流入した空気は、開閉弁
140を通過した後再加熱箱141の内部に流入する。
この再加熱箱141の内部に設けてあるヒーター142
は、前述のヒーター制御回路173からの電力が供給さ
れていて、ヒーター142は発熱している。このため、
再加熱箱141に流入した空気はこのヒーター142と
接触することで加熱され、高温に温められて熱風パイプ
143に流出する。そして、温められた空気は熱風パイ
プ143より排気パイプ111に流動し、次いで、除臭
箱110内に流入する。この除臭箱110内を空気が流
動すると、先ずフィルター113を通過して空気内に含
まれているゴミ、塵埃等の不純物が除去され、浄化され
たならば触媒114の方向に流動する。
【0160】こうして、ヒーター142で温められた空
気が二つのユニットである触媒114にまで流動して通
過すると、それぞれの触媒114は高温の空気により熱
交換され、各触媒114は酸化・還元の機能を果たすに
充分な温度にまで加熱される。このように、高温の空気
で触媒114を温めるのは、触媒114の性質上、常温
であっては酸化・還元の作用を行うことができないから
であり、触媒114固有の機能を発揮するために特定の
温度に維持しなけらばならないからである。そして、触
媒114を通過した空気はエゼクター112の中央部に
流動することになるが、前述のようにエゼクター112
の中央の絞り部分には空気が高速で流動していため負圧
となっている。この負圧により、触媒114を通過した
除臭箱110内の空気はエゼクター112側に吸引さ
れ、エゼクター112内で排出パイプ137から流動す
る空気と混ぜあって外囲に流出する。
【0161】このように、電源スイッチ166をオンす
ることにより、屎尿処理装置15の各機構が初期状況と
なり、このスタートアップにより屎尿処理装置15はい
つ利用者が仮設便所11を使用しても排泄された屎尿の
処理を行うことができる状態となり次の待機の状態に移
行する。
【0162】<待機状態の維持>
【0163】前述したように、送風機135を駆動する
ことで流路内に空気が流通し、同時にヒーター142を
発熱することで触媒129が温められ、屎尿処理装置1
5が何時でも使用できる状態となる。だが、両触媒12
9がその機能を発揮することができる温度にまで温めら
れ、いつでも利用者が仮設便所11を使用することがで
きる状態になったなら、この屎尿処理装置15は省エネ
のために自動的に待機状態に切り換わる。これは、ヒー
ター142の発熱によって触媒129がその機能を果た
すに充分な温度にまで温められたならば、それ以上の温
度に触媒129を加熱することは電力の無駄な消費とな
るからである。つまり、屎尿処理装置15の各機構が立
ち上げられ、仮設便所11を何時でも利用者が使用でき
るように準備した状態になっても、その仮設便所11が
何時になれば使用されるかは不確定なことである。この
ため、電源スイッチ166をオンしてから一定時間経過
し、触媒129がその機能を発揮するに充分な温度まで
温められたならば、電力の消費を減少させるため待機の
状態に移行する。
【0164】前述のように、中央演算回路165がモー
ター制御回路171とヒーター制御回路173に制御信
号を送って立ち上げた後に一定時間が経過したならば、
中央演算回路165はモーター制御回路171に待機に
制御信号を送る。すると、モーター制御回路171は送
風機135に供給する電力の周波数を低下し、送風機1
35を低速で回転させ、排出パイプ137に送る空気量
を減少させる。この排出パイプ137へ送る空気量が少
なくなると、排出パイプ137、バイパスパイプ139
に流入する空気量も減少し、除臭箱110を流れる空気
量も減少することになり、触媒129はその機能を発揮
するに充分な温度を維持したままで屎尿処理装置15の
消費電力を少なくして待機の状態を維持することにな
る。
【0165】<利用者による仮設便所11の使用>
【0166】このように、電源スイッチ166がオンに
投入されると、屎尿処理装置15の各機構が待機の状態
となり、利用者がいつでも仮設便所11を使用できるこ
とになる。そして、この待機の状態にある仮設便所11
を使用するには、まず利用者がドアー14を開けてハウ
ス13の内部に入り、便器16に向かって屎尿を排泄す
る。利用者より排泄された屎尿は便器16の下部より投
入パイプ82に流動し、閉鎖している屎尿投入弁81の
上部である便器16の下部と投入パイプ72に一時貯留
される。
【0167】こうして、利用者による便器16への排泄
が終わったならば、その利用者は次の利用者のために排
泄物を屎尿処理装置15に流動させ、便器16の底に溜
まっている排泄物を除去させなければならない。この処
理は、ハウス13内に設けてある指示スイッチ163を
押動することにより開始され、屎尿処理装置15による
排泄物の加熱、乾燥の処理が始まることになる。
【0168】<乾燥釜31への排泄物の投入>
【0169】前述のように、利用者によって指示スイッ
チ163が押動されると、その信号は指示スイッチ16
3より乾燥指示回路164に伝えられ、次いで乾燥指示
回路164より排泄物の処理を開始する信号が中央演算
回路165に伝えられる。この信号により、中央演算回
路165は開閉弁制御回路172に制御信号を伝え、便
器16の下部と投入パイプ82に貯留されている屎尿を
乾燥釜31の内部に投入する処理を行う。すると、開閉
弁制御回路172は屎尿投入弁81を開放させ、屎尿投
入弁81の上流側である便器16の下部と投入パイプ8
2に貯留されていた屎尿を通過させる。この屎尿投入弁
81を通過した屎尿は、次いで連結フランジ75の開口
を通過して、そのまま乾燥釜31に落下し、乾燥釜31
の底に貯留される。
【0170】この屎尿投入弁81が予め設定してある時
間だけ開放したならば、中央演算回路165は開閉弁制
御回路172を指示して屎尿投入弁81を閉鎖させる。
屎尿投入弁81を開放してから所定の時間が経過すれ
ば、便器16の下部と投入パイプ82に貯留されていた
全ての屎尿は乾燥釜31に投入されたものと判断してよ
いからである。この屎尿投入弁81が閉鎖すると、乾燥
釜31の上端の開口はフランジ39、回転リング38、
固定リング36の組み合わせと、平坦な支え板34、蓋
板35の組み合わせにより閉鎖されていて、乾燥釜31
の内部と外部とは一切連通していない(なお、図示して
いないが、図5で示すベアリング37の上下には、弾性
のある環状形のシール材が固定リング36と回転リング
38の間に介在させてある。このシール材により、固定
リング36と回転リング38の隙間はうめられているの
で、この間での空気の流動は行われない)。このため、
屎尿から発生する悪臭は乾燥釜31の外部には流出せ
ず、次に仮設便所11のハウス13に入る利用者や仮設
便所11の周囲にいる人達に不快感を与えることが無
い。
【0171】なお、この屎尿を便器16の下部より落下
させると同時に、この実施例では図示しないが泡発生装
置や噴霧装置などにより、界面活性剤や浄化液等を便器
16に流入させたり噴霧させることもできる。このよう
な界面活性剤や浄化液等を泡状や霧状にして便器16、
投入パイプ72、連結フランジ68などの内壁を濡らす
ことにより、それぞれの内壁に付着している屎尿を流出
させることができ、屎尿が付着し易い部材の清浄を同時
に行うことができる。
【0172】<乾燥釜31による屎尿の乾燥処理>
【0173】次に、中央演算回路165は記憶させたス
テップに従って、乾燥釜31に投入した屎尿の乾燥処理
を自動的に開始する。この処理では、中央演算回路16
5はモーター制御回路171、開閉弁制御回路172、
ヒーター制御回路173にそれぞれ個別の制御信号を伝
えて乾燥処理を指示する。
【0174】<<乾燥釜31の加熱>>
【0175】中央演算回路165からヒーター制御回路
173に伝えられた制御信号により、ヒーター制御回路
173は高周波発生回路174の動作を開始させる。す
ると、高周波発生回路174は高周波電力を発生し、発
生した高周波電力を高周波コイル98に供給する。この
ため、コイル容器95内に収納してある高周波コイル9
8より高周波の電磁波が発生し、この高周波の電磁波は
コイル容器95の外部にまで漏れて上下方向に交拌す
る。
【0176】このコイル容器95から漏れ出た高周波の
電磁波はコイル容器95の上方に接近している乾燥釜3
1の底部分も通過し、電磁波は乾燥釜31の底部分で交
拌することになる。このため、乾燥釜31には電磁波の
高い周波数の交拌により電磁誘導加熱の現象が発生し
(乾燥釜31は鉄などの金属性材料で形成されてい
る)、乾燥釜31自体が発熱することになる。同時に、
この高周波の電磁波が乾燥釜31内にある蓄熱体44を
交拌することにより、この蓄熱体44も発熱することに
なる。この電磁誘導加熱による発熱の結果、乾燥釜31
の内部に貯留した屎尿は、乾燥釜31と蓄熱体44によ
る発熱により加熱され、その温度が上昇することにな
る。
【0177】なお、高周波コイル98に高周波の電力を
供給すると、発熱した乾燥釜31からの輻射熱によって
高周波コイル98のユニット自体も発熱することにな
る。だが、送風機135が既に作動しているため、外囲
から吸引された空気がフィルター箱132、吸気管10
1を通過してコイル容器95内を通過している。このた
め、この空気がコイル容器95を通過する際に高周波コ
イル98を冷し、同時に熱交換によって空気は温めら
れ、温められた空気が排気管102、吸気パイプ134
を通じて図14中においてC方向に流動し、最終的には
触媒114と乾燥釜31を加熱する熱の一部となる。
【0178】<<送風機135による送風量の増加>>
【0179】次に、中央演算回路165からモーター制
御回路171に伝えられた制御信号により、低速で回転
していた送風機135を高速で回転させ、送風機135
から排出パイプ137に圧送する空気量を増加させる。
これは、待機の状態から実際に乾燥釜31を発熱させて
屎尿の乾燥処理を行わせる動作に伴い、消費する空気が
増加することに対応させるためである。送風機135よ
りこの排出パイプ137を図17中でD方向に流動した
大量の空気は、エゼクター112を通過する際に大きな
負圧を発生して除臭箱110内の空気を強力に吸引す
る。また、大量の空気はバイパスパイプ139にも流
れ、待機の状態の空気量よりも多量の空気はヒーター1
42で温められ、前述のように触媒114をその機能を
発揮するに充分な温度になるように加温する。
【0180】<<弁の開放による空気の流路の変化>>
【0181】また、中央演算回路165から開閉弁制御
回路172に伝えられた制御信号により、開閉弁制御回
路172は開閉弁140を開放させたままで開閉弁14
4、148を開放させる。この開閉弁144、148の
開放により空気の流路が一部変更される。前述のように
送風機135からの空気は排出パイプ137、エゼクタ
ー112を通過した後に外囲に向かっているが、このエ
ゼクター112内には導風口146がその風上に向けて
開口してあるため、エゼクター112を通過する空気の
一部はこの導風口146から補助パイプ147に流入
し、開放した開閉弁148を通過した後に導入穴77よ
り乾燥釜31の内部空間に流入することになる。このよ
うに、導風口146で採取された外部の新鮮な空気が導
入穴77から乾燥釜31に供給されることにより、加熱
した乾燥釜31内で温められてその水分が蒸発させられ
ている屎尿の酸化が促進される。
【0182】また、開閉弁144が開放されたことによ
り、乾燥釜31内の空気は排気穴78を通過し、開閉弁
144と排風パイプ145を流動して排気パイプ111
に流入する。前述のように、エゼクター112を通過し
た空気は負圧を発生して除臭箱110内の空気を吸引し
ているため、この排風パイプ145からの乾燥釜31で
蒸発してきた水蒸気や空気も同時に吸引し、エゼクター
112内で混合された後に外囲に向けて図17中でF方
向に放出することになる。
【0183】<<触媒114による悪臭の除去>>
【0184】さて、前述のように高周波コイル98から
の高周波の電磁波により乾燥釜31が加熱されると、乾
燥釜31の内部に貯留されている屎尿は沸騰し、その成
分の大部分である水分は水蒸気となって蒸発する。この
水蒸気は導入穴77から供給されている空気と共に、排
気穴78、排風パイプ145の方向に流出する。しか
し、乾燥釜31から流出する水蒸気と空気には、屎尿に
含まれている悪臭の原因となる尿素やアンモニヤなどの
成分が含まれているため、このまま仮設便所11の外部
に放出すると周囲に悪臭を発散させることとなる。この
ため、悪臭の原因となる要素を除去してからでなければ
外囲に拡散することはできない。
【0185】この乾燥釜31から排風パイプ145に向
けて流出する悪臭の成分を含んでいる水蒸気と空気は排
気パイプ111に流動し、次いで除臭箱110に流入す
る。この除臭箱110内の空気はエゼクター112によ
り吸引されているため、乾燥釜31からの水蒸気と空気
はそのまま除臭箱110に流入し、先ずフィルター11
3を通過してゴミ等が除去された後、2段に設置された
触媒114と接触する。両触媒114は、待機の状態の
ときからヒーター142で加熱された空気によりその機
能を発揮するに充分な温度に温められているため、悪臭
の成分を含んだ乾燥釜31からの水蒸気と空気はこの触
媒114と接触することで酸化・還元される。すなわ
ち、尿素やアンモニヤなどの悪臭の成分は触媒114と
接触することで酸化・還元され、無臭の状態に変質され
る。そして、無臭となった水蒸気と空気はエゼクター1
12により吸引され、F方向の外囲に拡散される。こう
して、仮設便所11の外部には、乾燥釜31内で屎尿を
蒸発させることで発生した悪臭が漂わず、快適に仮設便
所11を使用することができる。
【0186】<<乾燥釜31の回転運動>>
【0187】また、モーター制御回路171が送風機1
35を高速で回転するように制御すると同時に、モータ
ー制御回路171はモーター60の動作を開始させる。
このモーター60が動作すると、モーター60のモータ
ー軸62が回転し、モーター軸62に固着した小歯車6
6が従動する。この小歯車66の回転することで、小歯
車66の外周に噛み合わせてある回転リング38は回転
することになり、回転リング38は固定リング36を回
転の中心として水平に回転させられる。この回転リング
38と固定リング36の間には、多数のベアリング37
が介在させてあるため、回転リング38は固定リング3
6の中心軸をその回転の軸芯として円滑に回転すること
ができる。
【0188】そして、この回転リング38の下面にはフ
ランジ39と共に中間リング30と乾燥釜31が吊り下
げてあるため、回転リング38の回転に従って乾燥釜3
1は同一の回転速度で水平に回転することになる。そし
て、乾燥釜31は回転リング38とフランジ39と中間
リング30により、吊り下げられた状態を維持されてい
るため、乾燥釜31はその中心軸を垂直に位置させたま
まで上下、左右に振れることなく回転させられている。
このため、乾燥釜31の下面とコイル容器95の蓋板9
7の上面との間には常に少しの隙間を保持しており、乾
燥釜31が回転しても、乾燥釜31の下面と蓋板97の
上面とが接触することはない。
【0189】<<蓄熱体44による屎尿の攪拌>>
【0190】このようにしてモーター60により乾燥釜
31が回転させられると、乾燥釜31内に投入してある
蓄熱体44も同時に乾燥釜31の回転方向に従って回転
することになる。だが、蓄熱体44が回転すると乾燥釜
31の内部空間に宙吊りにして固定してある邪魔板88
の掻き上げ板89(邪魔板88は吸引パイプ85の下部
に固着してあり、吸引パイプ85の上端は蓋板35に固
定してあるため、邪魔板88、掻き上げ板89は乾燥釜
31と共に回転しない)と接触することになる。この邪
魔板88、掻き上げ板89は乾燥釜31の回転とは無関
係に固定されているため、蓄熱体44が掻き上げ板89
に接触すると、蓄熱体44はその位置で回転が停止さ
れ、乾燥釜31が回転していても蓄熱体44の回転は妨
げられることになる。
【0191】しかし、乾燥釜31内に貯留した屎尿は図
7で示すように乾燥釜31の回転と共に旋回しており、
掻き上げ板89によって回転を停止された蓄熱体44は
乾燥釜31の底と接触することでそれ自体が転動され、
回転している屎尿の中を転動しながら屎尿を攪拌するこ
とになる。この蓄熱体44による転動と攪拌の際に、蓄
熱体44自身が発熱した熱が屎尿に伝えられ、熱の伝達
が行われる。こうして、屎尿は蓄熱体44と邪魔板8
8、掻き上げ板89により攪拌されながら、屎尿全体の
温度が均一となるように混合され、屎尿全体の温度上昇
を図っている。
【0192】なお、乾燥釜31の底の中央は、図5の断
面図で示すように、その中央が隆起した突起45を形成
してある。この突起45が乾燥釜31の中央に位置する
ことから、乾燥釜31の回転により蓄熱体44が転動し
ても、蓄熱体44は乾燥釜31の中心に集まらず、突起
45の裾である乾燥釜31の周囲に移動することにな
る。このため、複数の蓄熱体44が乾燥釜31の中心部
に集中して団子状に集合せず、常に乾燥釜31の底の周
辺で転動して屎尿を確実に攪拌することができる。
【0193】<<乾燥釜31の反転運動>>
【0194】このモーター60の作動により、モーター
軸62、小歯車66、回転リング38、フランジ39、
中間リング30を介して乾燥釜31が回転させられる。
しかし、乾燥釜31の回転方向は常時一方向ではなく、
一定の時間だけ乾燥釜31を正方向に回転させたなら、
次いで逆方向に乾燥釜31を回転させる。この乾燥釜3
1の回転を正回転と逆回転を交互に行わせるために、モ
ーター制御回路171は予め設定してある一定の時間毎
にモーター60を正逆に交互に作動させる。このように
して、乾燥釜31を交互に反転させることにより、乾燥
釜31内に貯留された屎尿が特定の位置に偏らないよう
に制御している。また、この乾燥釜31の回転を一定の
時間毎に反転させることで、屎尿の温度を均一となるよ
うに混合させることができる。
【0195】このように中央演算回路165による制御
により、屎尿処理装置15の各部がそれぞれ作動し、高
周波コイル98が高周波の電磁波を発生し、モーター6
0による乾燥釜31を交互に反転して回転させ、乾燥釜
31への空気の供給が行われる。このような各部の動作
により、乾燥釜31に貯留された屎尿はその大部分の成
分である水分が水蒸気となって蒸発し、蒸発した水蒸気
はエゼクター112より大気中に拡散される。この動作
を継続して行うことにより、乾燥釜31の内部に貯留し
た屎尿はその容積が減少し、最終的には蒸発することが
できない繊維質、紙等の固形物だけが残留することにな
る。
【0196】<乾燥釜31がオーバーフローすることの
対処>
【0197】さて、前述したように屎尿処理装置15に
より加熱・乾燥の処理が始まると、便器16に排泄され
た屎尿をこの屎尿処理装置15が自動的に加熱して蒸発
の処理を行う。この場合、乾燥釜31内に投入された屎
尿を加熱して蒸発させる速度と、便器16に排泄された
屎尿の量の間に均衡が保たれていれば、前述した屎尿の
処理工程には何ら問題は発生せず、屎尿処理装置15は
継続して屎尿の処理を行うことができる。
【0198】だが、何時でも仮設便所11を使用するこ
とができるとなれば、仮設便所11を使用する利用者の
数が一時的に増えることもある。仮設便所11を使用す
る利用者の数が短時間に集中すると、便器16に排泄さ
れる屎尿の量も多くなり、投入パイプ82、屎尿投入弁
81を介して連結フランジ75より乾燥釜31内に投入
される屎尿の量は一時的に多くなる。すると、乾燥釜3
1で蒸発させることのできる能力以上の量の屎尿が投入
されたことになり、乾燥釜31の内部に貯留される屎尿
の量は最終的には乾燥釜31の容積よりも多くなること
もある。このように、乾燥釜31の内部に屎尿が溢れて
くるとなれば、屎尿の正常な蒸発処理が行えなくなるば
かりか、乾燥釜31より屎尿が外部に溢れて故障等の原
因となるものである。このような屎尿のオーバーフロー
は未然に防止しなければならない。この屎尿処理装置1
5では、屎尿の量が乾燥釜31の処理能力以上に投入さ
れたならば、屎尿がオーバーフローであることを自動的
に検知し、乾燥釜31の処理能力に対応した量の屎尿を
投入させる機能を持っている。
【0199】<<オーバーフローした屎尿の検知>>
【0200】前述のように、仮設便所11を使用した利
用者は便器16に屎尿を排泄し、その排泄の都度指示ス
イッチ163を押動して屎尿投入弁81を開放させ、排
泄した屎尿を乾燥釜31に投入させている。この投入さ
れた屎尿は乾燥釜31内に順次蓄積され、貯留された屎
尿の液面高さが順次高くなる。すると、屎尿の液面は遂
に液面センサー158の下端にまで達することになり、
間隔を置いて設置してある一対の液面センサー158の
両下端に屎尿が接触して両液面センサー158を電気的
に導通させることになる。この両液面センサー158に
よる導通(ショート)の信号はオーバーフロー判別回路
161に伝えられ、オーバーフロー判別回路161は処
理能力以上の屎尿が投入されたものと判断してその判別
信号を中央演算回路165に出力し、所定の条件が整う
まで仮設便所11の使用を制限することになる。
【0201】<<仮設便所11の使用の一時制限>>
【0202】そして、オーバーフロー判別回路161か
らの判別信号により、中央演算回路165は乾燥釜31
が屎尿でオーバーフローしていることから、一時的に仮
設便所11の使用を停止させる制御を行う。まず、中央
演算回路165はオーバーフロー表示回路167に信号
を伝え、このオーバーフロー表示回路167により表示
ランプ168を点灯させる。この表示ランプ168がハ
ウス13内で点灯することにより(例えば、赤色などの
警告灯)、これから仮設便所11を使用しようとする利
用者はこの仮設便所11が使用不能であることを識別
し、一時的にその使用が制限されていることを判断す
る。
【0203】同時に、中央演算回路165は乾燥指示回
路164と開閉弁制御回路172との間における信号の
伝達を中断し、利用者が指示スイッチ163を押動して
乾燥指示回路164より排泄した屎尿を処理する信号が
中央演算回路165に伝えられても、中央演算回路16
5は開閉弁制御回路172にその制御信号を伝えない。
このため、オーバーフローしてから仮設便所11を使用
した利用者が排泄を終わってから指示スイッチ163を
押動しても、開閉弁制御回路172は屎尿投入弁81を
開放させず、屎尿は便器16の下部と投入パイプ82に
溜まっており、乾燥釜31には投入されない。
【0204】これは、ハウス13内で表示ランプ168
が点灯していて仮設便所11が一時使用できないと表示
していても、無理に便器16に屎尿を排泄する利用者が
存在するからである。このように便器16の底に屎尿が
貯留していると、その後に仮設便所11を使用しようと
する利用者は、便器16の低に屎尿が貯留していること
からその使用の制限を知ることになり、それ以上の使用
が行われなくなるためである。この中央演算回路165
による屎尿投入弁81の強制的な閉鎖の維持は、乾燥釜
31に投入された全ての屎尿の蒸発処理が行われ、乾燥
釜31内の清掃が完了する1サイクルが終わるまで続け
られる。
【0205】<屎尿の蒸発・乾燥処理の終了>
【0206】前述のように屎尿処理装置15内では、高
周波コイル98からの高周波の電磁波で乾燥釜31が加
熱されており、乾燥釜31に貯留されている屎尿はその
大部分の成分である水分が順次蒸発して外囲に拡散して
いる(この蒸発・乾燥の処理中は乾燥釜31はモーター
60により継続して反転しながら回転させられてい
る)。この蒸発・乾燥の処理が継続すると乾燥釜31内
の屎尿の水分は全て蒸発し、最後には蒸発することがで
きない繊維質や灰分等の残留物(塵埃、滓のこと)だけ
が乾燥釜31に残ることになる。このように屎尿の全て
の水分が蒸発した時が蒸発・乾燥の処理が完了した時で
あり、この状態を自動的に検知して次の処理に移行す
る。
【0207】乾燥釜31を加熱することにより屎尿の蒸
発・乾燥の処理が行われて乾燥釜31内の水分が全て蒸
発されると、乾燥釜31の全体の温度は急激に上昇する
ことになり、この温度の急激な変化により蒸発・乾燥の
処理が完了したものと判断する。すなわち、邪魔板88
の裏面であって補強体87の一側に固着してある温度セ
ンサー91は常に乾燥釜31(特に、底付近)の温度変
化を検知しており、その温度を電気信号として温度判別
回路162に伝えている。この温度判別回路162は温
度センサー91からの温度検知信号を受信していて、乾
燥釜31が屎尿を蒸発・乾燥させるための低い温度を維
持している時には何ら信号を出力しない。しかし、屎尿
に含まれる水分が全て蒸発したことにより、低い温度か
ら急激に高い温度に変動すると、この温度変化を判別し
て中央演算回路165に屎尿の蒸発・乾燥が完了した旨
の検知信号として伝える。この検知信号により、乾燥釜
31による屎尿の蒸発・乾燥の処理が終わり、中央演算
回路165は乾燥釜31を加熱させて次の処理に移行す
る。
【0208】すなわち、中央演算回路165はヒーター
制御回路173に信号を出力し、ヒーター142への電
力の供給を停止すると共に、高周波発生回路174の動
作を停止させ、高周波の電力を高周波コイル98に供給
するのを停止する。このため、高周波コイル98からは
高周波の電磁波が発生せず、乾燥釜31は電磁波による
加熱が無くなる。なお、この時にはモーター制御回路1
71への信号は変更されず、モーター60、送風機13
5は継続して駆動されているため、乾燥釜31は回転を
続けており、エゼクター112には空気が供給されてい
る。
【0209】<乾燥釜31内の清掃処理>
【0210】乾燥釜31に投入された屎尿の水分が蒸発
すると、乾燥釜31には蒸発することができない繊維質
や灰分等の残留物が残り、これらの残留物は細かな塵埃
となって乾燥釜31に堆積している。この塵埃が屎尿の
蒸発・乾燥の処理のたびに蓄積していくと、乾燥釜31
の底に塵埃が深く溜まることになり、熱伝達の効率が悪
くなり、乾燥釜31の回転運動にも支障が生ずるため、
1回の蒸発・乾燥が完了したならばその都度乾燥釜31
の清掃の処理を行う。常時乾燥釜31が清掃されること
により、この屎尿処理装置15は継続して屎尿の処理を
行うことが可能となる。
【0221】<<弁の開閉による空気の流路の切り換え
>>
【0222】また、中央演算回路165が前述のように
ヒーター制御回路173に制御信号を伝えると同時に、
切換弁制御回路170と開閉弁制御回路172にもそれ
ぞれ制御信号を伝え、屎尿処理装置15における空気の
流路を切り換えさせる。
【0223】まず、制御信号により切換弁制御回路17
0は切換弁138を切り換え、吸引パイプ155と吸入
パイプ136を接続し、B方向からの空気を吸入パイプ
136に流入させる。そして、制御信号により開閉弁制
御回路172は開閉弁144、140を閉鎖し、開閉弁
151を開放する。この開閉弁制御回路172による各
弁の切り換えと開閉により、屎尿処理装置15内では、
吸入パイプ136からの空気は送風機135で圧送され
て排出パイプ137よりD方向に流出し、エゼクター1
27より外囲に放出されるが、一部の空気は導風口14
6より補助パイプ147を流れ、開閉弁148を通過し
た後に導入穴77より乾燥釜31に流入する。そして、
吸引パイプ85の下端の開口から吸引された空気は、導
通パイプ76、放出パイプ150、開閉弁151、塵埃
パイプ152、ゴミ回収箱153の順に流動し、吸引パ
イプ155、切換弁138を通過して送風機135の吸
入パイプ136に還流している。つまり、この流路の切
り換えにより、送風機135から圧送されている空気
は、エゼクター112、乾燥釜31、ゴミ回収箱153
を通過する閉回路で循環することになる。
【0224】このように空気の流路が変更となるとき
に、開閉弁140が閉鎖されているため、排出パイプ1
37よりバイパスパイプ139には空気が流れず、全て
の空気はエゼクター112に流れるため、導風口146
で捕獲できる空気量は前述の蒸発・乾燥の処理の際にお
ける流路の空気量よりも多くなる。このため、補助パイ
プ147を流れて乾燥釜31に流入する空気は多くな
り、塵埃を乾燥釜31内で飛散させる効果を発生させ、
吸引パイプ85による塵埃の吸引を効果的に行わせるこ
とができる。
【0225】<<吸引パイプ85による塵埃の清掃>>
【0226】こうして、吸引パイプ85の下端開口から
は、乾燥釜31に残留していた塵埃を含んだ空気が吸引
され、この空気は導通パイプ76、放出パイプ150、
開閉弁151などを通過して、塵埃パイプ152の終端
開口に接続してあるゴミ袋154内に流入することにな
る。前述のように、閉鎖したゴミ回収箱153内には袋
状のゴミ袋154を収納してあり、塵埃パイプ152か
ら放出された塵埃を含んだ空気はゴミ回収箱153の内
部空間には流入せず、まず、このゴミ袋154に流入す
る。このゴミ袋154は紙、布などの材質であり、この
材質では空気は流動させるが塵埃などの固形物はその膜
面で引っ掛かって捕獲することができる性質を持ってお
り、塵埃パイプ152から流入した空気に含まれる細か
い塵埃はこのゴミ袋154で捕捉される。そして、塵埃
と分離した清浄な空気はゴミ袋154の膜面を通過して
ゴミ回収箱153の内部空間に移動し、次いで吸引パイ
プ155、切換弁138を通過して吸入パイプ136よ
り送風機135に吸引される。こうして、送風機135
で圧送された空気は、前述のように排出パイプ137に
流動し、エゼクター112より外囲に拡散される。
【0227】なお、この吸引パイプ85により乾燥釜3
1から空気を吸引して塵埃を除去する処理の最中におい
ても、中央演算回路165はモーター制御回路171を
介してモーター60の作動を継続させており、乾燥釜3
1はモーター60により回転を続けている。この乾燥釜
31が回転することで、蓄熱体44は乾燥釜31の底で
転動を続け、乾燥釜31の内底及び側面に固着している
屎尿の残渣を削り落とし、同時にこの残渣をより細かく
粉砕し、空気と共に吸引され易いように加工している。
この蓄熱体44の転動により、乾燥釜31の清掃の効率
はより高めさせることができる。
【0228】<初期の状態への切り換え>
【0229】前記の乾燥釜31の清掃の処理が所定時間
継続されると、吸引パイプ85により乾燥釜31内に溜
まっていた塵埃が吸引され、空気と共にゴミ回収箱15
3に移送され、塵埃はゴミ回収箱153内にあるゴミ袋
154によって捕獲される。そして、終には乾燥釜31
の内底に貯留されていた塵埃はゴミ袋154の内部に移
動し、清掃が完了する。この清掃の処理が終わったなら
ば、再度屎尿の蒸発・乾燥の処理を行うために最初の状
態に復帰しておかなければならない。
【0230】前述の乾燥釜31の清掃の処理を、プログ
ラムなどで予め設定してある一定時間だけ継続したなら
ば、屎尿処理装置15の動作の停止の指令が電源スイッ
チ166よりなされていない限り、中央演算回路165
は次の屎尿の処理のために最初の待機の状態に屎尿処理
装置15の各機能を復帰させる。
【0231】<<モーター60の動作の停止>>
【0232】まず、中央演算回路165はモーター制御
回路171に制御信号を出力してモーター60の動作を
停止させ、モーター60による乾燥釜31の回転運動を
一時中止させる。なお、この復帰の切り換えにおいて
も、モーター制御回路171は送風機135を高速で回
転させており、乾燥釜31の清掃の処理の時と同じよう
に大量の空気をエゼクター112方向に供給している。
【0233】<<弁の開閉による空気の流路の復帰>>
【0234】前述のように、中央演算回路165がモー
ター制御回路171に制御信号を伝えると同時に切換弁
制御回路170と開閉弁制御回路172にもそれぞれ制
御信号を伝え、屎尿処理装置15における空気の流路を
待機の状態に復帰させる。
【0235】まず、切換弁制御回路170は中央演算回
路165からの信号により、切換弁138を切り換えて
吸気パイプ134と吸入パイプ136を連通させる。ま
た、中央演算回路165は開閉弁制御回路172に信号
を伝え、開閉弁140を開放させ、開閉弁148、15
1を閉鎖させる(開閉弁144は既に閉鎖している)。
このため、外囲の空気はフィルター箱132の開口より
E方向に吸引され、吸気管101を通過した後コイル容
器95に流入し、次いで排気管102と吸気パイプ13
4、切換弁138をC方向に通過した後に、吸入パイプ
136より送風機135に吸引され、送風機135で圧
縮された空気は排出パイプ137に流れてD方向に流出
する。
【0236】この排出パイプ137にはその途中にバイ
パスパイプ139が接続してあるため、排出パイプ13
7を流れる空気の一部はバイパスパイプ139に分岐し
て流れるが、大部分の空気はエゼクター112の方向に
流出する。このエゼクター112に圧送された空気が流
入すると、空気はエゼクター112の中心を高速で通過
し、エゼクター112の後端よりF方向に流出し、大気
中に拡散される。このエゼクター112の内部を空気が
流通するときに、エゼクター112の中心部が絞られて
いることため、その絞り部分で空気が高速で通過して周
囲を負圧にさせ、エゼクター112の中心部の空気を負
圧で吸引し、排出パイプ137から流れる空気を混ぜ合
わせてF方向に分散させる。
【0237】また、排出パイプ137と分岐しているバ
イパスパイプ139より流れ出た空気は、開閉弁140
を通過した後再加熱箱141の内部に流入する。この再
加熱箱141を空気が通過する際に発熱しているヒータ
ー142(後述するが、中央演算回路165により弁の
開閉が行われるのと同時にヒーター142には電力が供
給されている)と接触し、空気は温められて熱風パイプ
143に流出する。そして、温められた空気は熱風パイ
プ143より排気パイプ111に流動し、次いで除臭箱
110内に流入し、除臭箱110内にある触媒114を
温め、両触媒114を通過した空気はエゼクター112
により吸引され、エゼクター112内で排出パイプ13
7から流動する空気と混合されて外囲に放出される。こ
の空気の流路の系統は、前述した『予熱』『待機』の状
態の時の流路と同じである。
【0238】<<ヒーター142による予熱>>
【0239】前述の乾燥釜31内の清掃の処理の際に
は、ヒーター制御回路173はヒーター142への電力
の供給を停止していて、ヒーター142は発熱していな
い。だが、中央演算回路165が待機状態へ復帰するよ
うに動作すると、中央演算回路165はヒーター制御回
路173に制御信号を送り、ヒーター制御回路173よ
りヒーター142に電力を供給して発熱させる。このヒ
ーター142の発熱により、再加熱箱141を通過する
空気は温められ、この加熱された空気によって触媒11
4を温めてその酸化・還元の機能を発揮できる温度に維
持している。なお、このヒーター142が発熱しても、
ヒーター制御回路173は高周波発生回路174には制
御信号を出力せず、高周波コイル98には高周波の電力
を供給していないため、乾燥釜31は加熱されていな
い。
【0240】<待機状態への復帰>
【0241】このようにして、切換弁制御回路170と
開閉弁制御回路172により空気の流路が切り換わり、
ヒーター制御回路173によりヒーター142が発熱
し、モーター制御回路171によりモーター60の回転
が停止し、その後一定の時間が経過すると触媒114は
その機能を発揮するに充分な温度となる。この後ただち
に仮設便所11が他の利用者によって使用されるのであ
れば、前述のサイクルで屎尿の処理を行う。だが、仮設
便所11の利用が現れない場合には、屎尿処理装置15
の電力の消費を防ぐため待機の状態に移行する。すなわ
ち、触媒114への予熱を行ってから所定時間が経過す
ると、中央演算回路165はモーター制御回路171に
信号を送り、送風機135の回転数を低下させ、送風機
135によって排出パイプ137の方向に供給する空気
量を減少させる。この待機の状態は、次に仮設便所11
を使用する利用者が表れるまで維持することになる。
【0242】<屎尿処理装置15の動作の停止>
【0243】このような、<予熱による各機構の初期設
定>、<待機状態の維持>、<利用者による仮設便所1
1の使用>、<乾燥釜31への排泄物の投入>、<乾燥
釜31による屎尿の乾燥処理>、<乾燥釜31がオーバ
ーフローすることへの対処>、<屎尿の蒸発・乾燥処理
の終了の検知>、<乾燥釜31内の清掃処理>、<初期
の状態への切り換え>の一連のサイクルを繰り返すこと
により、便器16に排泄された利用者の屎尿を連続して
蒸発・乾燥の処理を行うことができる。
【0244】しかし、仮設便所11の移動、催物会場で
の夜間における使用中止、倉庫などでの仮設便所11の
保管を行う場合には、屎尿処理装置15の動作を停止し
ておかなければならない。このように、屎尿処理装置1
5の機能を中止させるには、電源スイッチ166をオフ
すること(電源を切断すること)で行われ、この電源ス
イッチ166からの信号は中央演算回路165に伝えら
れ、中央演算回路165は各機能に動作停止の指示を行
う。
【0245】すなわち、中央演算回路165は、モータ
ー制御回路171に信号を伝えて送風機135の動作を
停止させ、ヒーター制御回路173に信号を伝えてヒー
ター142への電力の供給を停止させる。これにより、
屎尿処理装置15の各機能は全て停止する。なお、屎尿
の蒸発・乾燥の処理、清掃の処理などが行われている際
に電源スイッチ166をオフしても、その屎尿の処理の
一連のサイクルが完了するまでは屎尿処理装置15は停
止しない。屎尿処理装置15の機能が停止するのは、前
述した待機の状態の時に電源スイッチ166がオフされ
た条件である。これは、乾燥釜31内に屎尿や塵埃が貯
留されたままでその動作を停止すると、再度屎尿処理装
置15を使用しようとする際に、次の処理サイクルを実
行することができなくなるからである。
【0246】<屎尿処理装置15の再度の使用>
【0247】なお、電源スイッチ166をオフして屎尿
処理装置15の動作を停止した後、再度この屎尿処理装
置15を動作させるには、電源スイッチ166をオンさ
せ(電源を投入すること)て屎尿処理装置15を立ち上
げ、仮設便所11を使用することができる。
【0248】<処理サイクルを示すフローチャート>
【0249】上述した屎尿処理装置15の一連の動作の
概略を図19、図20で示す。このフローチャートで
は、前述した処理サイクルの内で大きな動きを示したも
のであり、電源の投入から電源の解除までを理解できる
ようにしたものである。
【0250】<処理サイクル中における真理表>
【0251】また、図21は一連の動作サイクルにおけ
る、各処理状態でのそれぞれの機構の動作状況を真理表
として表したものである。
【0252】<処理サイクルにおける具体的な動作状況
を示すフローチャート>
【0253】そして、図22より図28は、上述の屎尿
処理装置15による屎尿の処理サイクルをより具体的に
示すフローチャートである。従って、これらのフローチ
ャートは、図19、図20で示した処理サイクルにおい
て、作動する各機構をより具体的に説明したものであ
る。
【0254】<乾燥釜31の点検と修理のための取り外
し>
【0255】前述のように、屎尿を蒸発・乾燥の処理し
た後では乾燥釜31には蒸発することができない繊維質
や灰分等の残留物が残るが、この屎尿処理装置15の処
理サイクルには乾燥釜31の清掃処理が組み込まれてい
て、自動的に残留物を清掃することができる。しかし、
長期にわたる屎尿処理装置15によって乾燥釜31には
自動サイクルでは除去できない部分に残留物が固着する
こともあり、このような場合には手作業で清掃しなけれ
ばならないことになる。また、長期間の連続使用の途中
には乾燥釜31内部を点検しなければならないこともあ
る。このように乾燥釜31の内部を清掃、点検する場合
には、屎尿処理装置15の各機構を分解せずに(特に、
支え板34に固定してある各種の構造物)、支え板34
より乾燥釜31のみを取り外すことができる。
【0256】この乾燥釜31の取り外しの作業では、取
り外しの障害となるコイル容器95を取り外しておかな
ければならない。すなわち、乾燥釜31の下面に接近し
てコイル容器95の上面(蓋板97の上面)が位置して
おり、乾燥釜31を屎尿処理装置15の外部に取り出そ
うとすると、このコイル容器95が邪魔となるからであ
る。このため、吊り下げピン106、107を緩めて係
止部104、105を下桁材49より引き離し、係止部
104、105ごとコイル容器95を下方に引下げる。
引下げた後では、コイル容器95は図4で示している下
桁材49の下部より手前に引き出しておく。このコイル
容器95の取り外しにより、乾燥釜31の下方には何ら
障害物が無くなり、乾燥釜31を下げてもコイル容器9
5とは接触せずに開放されたことになる。
【0257】次に、乾燥釜31を中間リング30より離
す作業を行う。まず、回動軸125を回転の中心として
係止金具124を図10、図11で示す状態から引き上
げ、嵌合わせ窓126に挿通していた廻し突起33との
係合を解除する。このため、廻し突起33は係止金具1
24より開放され、乾燥釜31は中間リング30に対し
て自由に回転することができる。そして、廻し突起33
に手をかけるか、廻し突起33に工具を嵌め合わせ、乾
燥釜31を組み立てるのとは逆の方向に回転させる。こ
のため、乾燥釜31と共に雄ネジ部122が回転する
と、雄ネジ部122は雌ネジ部121に対して摺動し、
雌ネジ部121のピッチにより徐々に下降し、遂には雄
ネジ部122は雌ネジ部121より外れることなる(つ
まり、図6、図8、図9のように分離されることにな
る)。このようにして、乾燥釜31の上端は中間リング
30の下端開口より外れ、乾燥釜31単体はそのまま下
方に下ろすことができ、乾燥釜31内部の清掃や点検を
行うことができる。なお、乾燥釜31が中間リング30
より外されても、中間リング30、フランジ39は回転
リング38に連結されており、これらの部材は乾燥釜3
1のように分離されない。
【0258】なお、清掃、点検の終わった乾燥釜31を
中間リング30にねじ込んで連結するには、前述とは逆
の手順により行うことができる。
【0259】『第二の実施例』
【0260】次に、図29、図30、図31、図32は
本発明における他の実施例を示すものである。この実施
例では、第一の実施例における乾燥部21の機構を変形
したものであり、第一の実施例の乾燥釜31と中間リン
グ30を結合する手段を他の機構に変更してあり、乾燥
釜31と中間リング30の着脱を容易にしたものであ
る。この実施例では、乾燥部21はフランジ39、中間
リング191、乾燥釜192の部材より構成されてい
る。
【0261】〔〔中間リング30の構成〕〕
【0262】フランジ39は図29に示されており、前
述の第一の実施例におけるものと同一の構成であり、平
板を円形に切断し、その中央を大きく開口するように切
断した環状形に形成してある。このフランジ39の周囲
には上下方向に向けて開口した複数の挿通穴42が等間
隔に形成してある。
【0263】〔〔中間リング191の構成〕〕
【0264】また、中間リング191は上下に大きく開
口した薄肉の円筒形状をしており、この中間リング19
1は例えば引抜き鋼管をその軸線と直角になるように輪
切りにして形成してあり、その中心軸線が垂直となるよ
うに配置してある。中間リング191の詳しい構造は図
29、図32に示されており、その下端の開口の端面は
傾斜した接合端面193に形成してある。この接合端面
193は中間リング191の外壁より内壁に向けて斜め
になるようにその下面が切削してあり、丁度すり鉢の内
周の一部と同じような形状となっている。そして、接合
端面193の傾斜面は中間リング191の中心軸を中心
にしており、中間リング191の何れの位置であっても
接合端面193の傾斜角度は中間リング191の中心軸
に対して同一に設定してある。そして、中間リング19
1の外周であって対向する2ヵ所(180度反対の位
置)にはそれぞれ締付け金具195が固着してある。
【0265】この締付け金具195は図30、図31で
詳しく示されて、締付け金具195は回動ネジ体201
とクランプ205から構成されている。前記中間リング
191の外周には間隔を置いて一対の軸支片200が固
着してあり、山型となった両軸支片200は中間リング
191の接線に対して直角になるように配置してある。
この一対の軸支片200の間には、回動ネジ体201の
基部に形成した径大部202が挿入してあり、軸支片2
00と径大部202とはピン203によって回動自在に
連結してある。この回動ネジ体201は丸棒状をした外
形をしており、その上部は偏平状となった径大部202
が形成してあり、この径大部202には回動ネジ体20
1の軸線とは直角になるようにピン穴(図示せず)が開
口してあり、回動ネジ体201の中央から下端にかけて
の外周には雄ネジ204が形成してある。このため、回
動ネジ体201はピン203を回転の中心にして、中間
リング191の側面で上下に回動することができるよう
に保持されている。
【0266】そして、回動ネジ体201の雄ネジ204
にはクランプ205がねじ込んであり、このクランプ2
05の上部は内部に雌ネジを形成した円筒形をしてお
り、クランプ205の下面にはややU字形となった廻し
部206の両端を接続してある。この廻し部206は図
31で理解できるように、ややU字形となった両端が内
側に曲げられておむすびに似た側面形状をしており、廻
し部206の両端はクランプ205の下面の対向する位
置にそれぞれ連結してある。この構成のため、廻し部2
06はクランプ205と一体に形成され、廻し部206
は回動ネジ体201の下端を囲むように位置することに
なる。
【0267】〔〔乾燥釜192の構成〕〕
【0268】次に、第二の実施例における乾燥釜192
は排泄された屎尿を加熱して乾燥させるためのものであ
り、この乾燥釜192はその底部が閉鎖し、上端部のみ
が開口した寸胴状をしており、乾燥部21の容積の大部
分を占めている。この乾燥釜192は、言わばドラム缶
の上半分を切断し、円筒形状となった下半分と底部分だ
けを残した形状となっており、乾燥釜192は耐熱性の
あるステンレス、高張力鋼等の金属材料で形成してあ
る。そして、乾燥釜192の縦断面の形状は図32で示
されており、乾燥釜192の底部の中央は周囲の底部よ
り上方に隆起した突起210が形成してある。この突起
210の頂上は乾燥釜192の中心軸線と一致させてあ
り、乾燥釜192の内底は突起210の頂上から周囲に
向かってなだらかな傾斜面となるように形成してある。
【0269】そして、乾燥釜192の内径と外径は中間
リング191と同一に設定してあり、中間リング191
と乾燥釜192を組み合わせた際には外形が一体となる
ように設定してある。この乾燥釜192の上端の開口の
端面は接合端面194としてあり、この接合端面194
は乾燥釜192の内壁より外壁に向けて斜めになるよう
に切削してあり、丁度山の傾斜面の一部と同じような形
状となっている。そして、接合端面194の傾斜面は乾
燥釜192の中心軸を中心にしており、乾燥釜192の
何れの位置であっても接合端面194の傾斜角度は乾燥
釜192の中心軸に対して同一に設定してある。なお、
前述の中間リング191における接合端面193の傾斜
角度と、この乾燥釜192における接合端面194の傾
斜角度は同一としてあり、中間リング191の開口下端
に乾燥釜192の開口上端を接触させた場合には、図3
1、図32で示すように両者は密着できるようになって
いる。
【0270】この乾燥釜192の外周であって接合端面
194に近い上部には、対向する反対側の2か所(18
0度だけ離れた位置)にそれぞれ係合金具196が固着
してある。この係合金具196は比較的厚い金属でやや
四角形に形成され、その一辺を乾燥釜192の側壁に溶
接等で固着してある。そして、係合金具196の外側の
辺には乾燥釜192の中心方向に向けて結合溝211が
切り込んであり、この結合溝211によって係合金具1
96は上方から見てコ字形に形成されている。これら一
対の係合金具196に形成した結合溝211の開口は、
乾燥釜192の中心に対してそれぞれ外方に向けられて
いる。
【0271】〔〔各部材を乾燥部21に組み立てる手
順〕〕
【0272】これら中間リング191、乾燥釜192、
フランジ39を組み立てることにより乾燥部21が形成
される。まず、図29、図32で示すように、中間リン
グ191の上端をフランジ39の中央の開口に挿入し、
フランジ39を中間リング191の上端で鉢巻きのよう
に嵌め込み、中間リング191の上端外周とフランジ3
9の内周とは電気溶接等によって隙間無く連結してあ
る。この連結の際に、中間リング191の中心軸とフラ
ンジ39の中心軸が同一軸線となるように設定する。そ
して、連結された中間リング191の下方より乾燥釜1
92の上端を接近させ、中間リング191の接合端面1
93に乾燥釜192の接合端面194を接触させる。両
接合端面193と194の傾斜角度は同一に設定してあ
るため、両者は隙間なく密着することができる。この接
合端面193と194の接触の際に、乾燥釜192を周
方向に回転させ、締付け金具195と係合金具196の
それぞれが上下の位置に対応するように位置を合わせる
(図29の状態が締付け金具195と係合金具196の
位置を合わせ、接合端面193と194を密着させる前
の状態を示したものである)。
【0273】これらの接合端面193と194を接触さ
せる直前には、図30で示すように各回動ネジ体201
はピン203を回動の中心にして上側に撥ね上げ、かつ
クランプ205を廻して緩めることによりクランプ20
5全体をピン203より離しておく。そして、接合端面
193と194が密着したならば、ピン203を中心に
して回動ネジ体201を上方から下方に倒し、回動ネジ
体201の胴部分を結合溝211の開口に挿入し、クラ
ンプ205の上面を係合金具196の下面より下に位置
させる。次に、廻し部206によりクランプ205を廻
し、クランプ205全体を雄ネジ204のピッチに沿っ
てねじ込ませる。このため、クランプ205の上面は係
合金具196の下面を押し上げるように作用力が働き、
係合金具196が上方に引き上げられ、同時に乾燥釜1
92も上方に引き上げられて接合端面194は接合端面
193に強力に密着させられる。このクランプ205を
回転させる操作の際に、廻し部206に棒や工具を挿入
し、棒や工具によってクランプ205を廻すことでより
強くクランプ205を回動ネジ体201の雄ネジ204
にねじ込み、接合端面193と194の密着をより強固
に行うことができる。
【0274】また、2組設けてある締付け金具195の
それぞれを同時に操作し、クランプ205を同じ締め付
け力で回転させることにより、接合端面193と194
を均一に接合させることができる。このような操作によ
り、接合端面193と194を密着させ、中間リング1
91と乾燥釜192を連結した状態が図32で示され
る。このように、クランプ205で係合金具196を締
め付けることにより、接合端面193と194は密着
し、乾燥釜192の内部に屎尿を収納しても外部に漏れ
ることがなくなる。
【0275】この構成では、乾燥釜192の周囲の2カ
所に設けた締付け金具195と係合金具196により、
乾燥釜192を中間リング191に吊り下げることがで
きる。そして、乾燥釜192の着脱においては、2つの
クランプ205を廻すことで操作することができ、作業
の迅速性を図ることができる。
【0276】『第三の実施例』
【0277】次に、図33、図34、図35は本発明に
おける第三の実施例を示すものである。この実施例で
は、第一の実施例における乾燥部21の機構を変形した
ものであり、第一の実施例の乾燥釜31と中間リング3
0を結合する手段を他の機構に変更してあり、乾燥釜3
1と中間リング30の着脱を容易にしたものである。こ
の第三の実施例では、乾燥部21はフランジ39、中間
リング215、乾燥釜216、締付けバンド217、2
18の部材より構成されている。
【0278】〔〔中間リング30の構成〕〕
【0279】フランジ39は図33、図35に示されて
おり、前述の第一の実施例におけるものと同一の構成で
あり、平板を円形に切断し、その中央を大きく開口する
ように切断した環状形に形成してある。このフランジ3
9の周囲には上下方向に向けて開口した複数の挿通穴4
2が等間隔に形成してある。
【0280】〔〔中間リング215の構成〕〕
【0281】また、中間リング215は上下に大きく開
口した薄肉の円筒形状をしており、この中間リング21
5は例えば引抜き鋼管をその軸線と直角になるように輪
切りにして形成してあり、その中心軸線が垂直となるよ
うに配置してある。中間リング215の詳しい構造は図
33、図34、図35に示されており、その下側の開口
の周囲はその上部より径大な係合鍔部221に形成して
ある。この係合鍔部221は、中間リング215の下部
に鉢巻き状に一体となって形成してあり、係合鍔部22
1の上部から下部にかけてはスカート状に拡大した傾斜
面が形成してあり、係合鍔部221の外周縁(中間リン
グ215の開口に接近した部分)は図34で示されるよ
うに中間リング215の胴部分と平行となるように形成
してある。このため、係合鍔部221は中間リング21
5の胴部分から外側にスカート状に広がり、その終端で
垂直に折れ曲がった断面形状となっている。そして、係
合鍔部221の下面(中間リング215の下面でもあ
る)には、その周囲に等間隔でめくら穴のボス穴222
が複数カ所に開口してある(図33を参照)。
【0282】〔〔乾燥釜216の構成〕〕
【0283】次に、第三の実施例における乾燥釜216
は排泄された屎尿を加熱して乾燥させるためのものであ
り、この乾燥釜216はその底部が閉鎖し、上端部のみ
が開口した寸胴状をしており、乾燥部21の容積の大部
分を占めている。この乾燥釜216は、言わばドラム缶
の上半分を切断し、円筒形状となった下半分と底部分だ
けを残した形状となっており、乾燥釜216は耐熱性の
あるステンレス、高張力鋼等の金属材料で形成してあ
る。そして、乾燥釜216の縦断面の形状は図35で示
されており、乾燥釜216の底部の中央は周囲の底部よ
り上方に隆起した突起224が形成してある。この突起
224の頂上は乾燥釜216の中心軸線と一致させてあ
り、乾燥釜216の内底は突起224の頂上から周囲に
向かってなだらかな傾斜面となるように形成してある。
【0284】この乾燥釜216の詳しい構造は図33、
図34、図35に示されており、その上側の開口の周囲
はその下部より径大な係合鍔部225に形成してある。
この係合鍔部225は、乾燥釜216の上部に鉢巻き状
に一体となって形成してあり、係合鍔部225の下部か
ら上部にかけては朝顔状に拡大した傾斜面が形成してあ
り、係合鍔部225の外周縁(乾燥釜216の上縁の開
口に接近した部分)は図34で示されるように乾燥釜2
16の胴部分と平行となるように形成してある。このた
め、係合鍔部225は乾燥釜216の胴部分から外側に
向けて朝顔状に広がり、その終端で垂直に折れ曲がった
断面形状となっている。そして、係合鍔部225の上面
(乾燥釜216の上面でもある)には、その周囲に等間
隔で円筒形のボス226が複数カ所に突起するようにね
じ込んである(図33を参照)。このボス226の数は
前述のボス穴222と同じ本数であり、かつ、ボス22
6の間隔はボス穴222の間隔と同じ距離に設定してあ
る。また、ボス226の外径はボス穴222の内径とほ
ぼ同じ大きさに設定してある。
【0285】〔〔締付けバンド217、218〕〕
【0286】次に、一対の締付けバンド217、218
は高張力鋼をプレスなどにより加工したもので、その全
体を占める半円形に形成した保持枠部227、228
と、各保持枠部227、228の両端に設けた連結片2
20、230、231、232とから構成されている。
各保持枠部227、228の断面形状は、図34で示さ
れるようにコ字形の両側をやや外側に開いた形状となっ
ており、締付けバンド217の内周面は半円弧の樋状を
した密着面233となり、同様に締付けバンド218の
内周面も半円弧の樋状をした密着面234となってい
る。そして、保持枠部227の両端には、薄肉の四角い
形状をした連結片229、230が固着してあり、各連
結片229、230の面は保持枠部227の終端におけ
る接線と直角に位置させてある。また、保持枠部228
の両端には、薄肉の四角い形状をした連結片231、2
32が固着してあり、各連結片231、232の面は保
持枠部228の終端における接線と直角に位置させてあ
る。これらの連結片220、230、231、232の
中央にはそれぞれ通孔235、236、237、238
を開口してある。
【0287】〔〔各部材を乾燥部21に組み立てる手
順〕〕
【0288】これらフランジ39、中間リング215、
乾燥釜216、締付けバンド217、218を組み立て
ることにより乾燥部21が形成される。まず、図33、
図35で示すように、中間リング215の上端をフラン
ジ39の中央の開口に挿入し、フランジ39を中間リン
グ215の上端で鉢巻きのように嵌め込み、中間リング
215の上端外周とフランジ39の内周とは電気溶接等
によって隙間無く連結してある。この連結の際に、中間
リング215の中心軸とフランジ39の中心軸が同一軸
線となるように設定する。そして、連結された中間リン
グ215の下方より乾燥釜216の上面を接近させ、中
間リング215の係合鍔部221の下面に乾燥釜216
の係合鍔部225の上面を接触させる。両係合鍔部22
1と225の接触において、各ボス穴222と各ボス2
26の位置を合わせ、それぞれのボス穴222に対応す
るそれぞれのボス226を挿入させる。このため、上下
の係合鍔部221と225の面は密着すると共に、ボス
穴222とボス226の噛み合いにより乾燥釜216は
中間リング215に対してその周方向に回転することを
規制される。
【0289】次に、中間リング215と乾燥釜216が
密着した状態で、両係合鍔部221と225の左右の側
面より締付けバンド217、218を嵌め合わせる。図
33は締付けバンド217、218を係合鍔部221と
225に嵌め合わせる直前の状態を示したものである。
各締付けバンド217、218の密着面233、234
は係合鍔部221、225によって形成されたリング状
の径大部に接触することになり、断面が左右に拡大した
コ字形の密着面233、234は係合鍔部221の上側
の斜面と係合鍔部225の下側の斜面と両係合鍔部22
1、225の外周面を包むように密着することになる。
これらの係合鍔部221と225の左右から締付けバン
ド217、218を嵌め合わせると、各締付けバンド2
17、218に設けた連結片229と231、及び連結
片230と232が接近する。
【0290】この後、通孔235、237にボルト23
9を挿入し、ボルト239の先端にナット241をねじ
込み、通孔236、238にボルト240を挿入し、ボ
ルト240の先端にナット242をねじ込む。各ボルト
239、240をそれぞれねじることにより、連結片2
29と231、連結片230と232はそれぞれ強く接
近させられ、この連結片229、230、231、23
2の作用により各密着面233、234は係合鍔部22
1、225の外周に圧着させられる。このようにして、
ボルト239、240、ナット241、242により締
付けバンド217、218は環状形に組み立てられ、し
かも締付けバンド217、218の密着面233、23
4が係合鍔部221、225を鉢巻きのように巻き付け
られるので、乾燥釜216と中間リング215のそれぞ
れの開口端は密着する。また、係合鍔部221、225
の外周に一対の締付けバンド217、218が環状とな
って巻き付くので、乾燥釜216の気密性が保たれる。
【0291】この構成では、中間リング215と乾燥釜
216に形成してある係合鍔部221、225の外周に
締付けバンド217、218を嵌め合わせ、ボルト23
9、240とナット241、242で中間リング215
と乾燥釜216を連結することができる。この乾燥釜2
16の上面に突起したボス226は中間リング215の
下面に形成したボス穴222に挿入してあるので、乾燥
釜216の周方向への回転が確実に規制できる。また、
締付けバンド217、218は係合鍔部221、225
の外周で均一に環状に圧接することができるので、中間
リング215の下面と乾燥釜216の上面は平均的な圧
力で密着でき、乾燥釜216の収容物を漏らすことがな
くなる。
【0292】
【発明の効果】以上説明したように本願の請求項1の発
明によれば、屎尿を収納した蒸発容器はその上端開口を
係合手段を介して回転保持手段によって保持されてお
り、回転保持手段は蓋板に固定されている。このため、
蒸発容器は蓋板の下面に吊り下げられた状態で回転自在
に保持されていることになり、左右や下面から蒸発容器
を規制して保持する機構が不要となる。このため、蒸発
容器を保持する機構が簡易となり、蒸発容器のみを取り
外すには、係合手段により蒸発容器と回転保持手段を分
離することができ、修理、点検などによる蒸発容器の分
離と組み立てが容易となる。
【0293】また、吊り下げた蒸発容器の下面に接近し
て電磁加熱手段を設けてあり、この電磁加熱手段により
高周波の電磁波を蒸発容器に交拌させることで、電磁誘
導加熱により蒸発容器自身を発熱させることができる。
この電磁波の交拌では、金属部分以外の部分では熱が発
生せず、電磁加熱手段に接近した蒸発容器の金属部分だ
け発熱することから、熱効率は向上する。
【0294】また、蒸発容器が回転して屎尿を攪拌する
ため、蒸発容器に屎尿以外の異物が投入されても攪拌羽
根に食い込まず、磨耗や故障の発生が少なくなる。
【0295】さらに、攪拌手段が制動部と接触して、攪
拌手段が蒸発容器の底部で回転するため、屎尿が混合さ
れて温度が均一に上昇される。このため、屎尿の蒸発が
早められる。
【0296】本願の請求項2の発明によれば、蓋板の下
面に回転保持手段を設け、回転保持手段には係合手段を
介して蒸発容器を回転自在に吊り下げ、この蒸発容器の
内部に球形をした攪拌手段を投入し、蓋板より蒸発容器
内に制動部を挿入した構成である。この攪拌手段が制動
部と接触しながら転動するため、蒸発容器内で屎尿が混
合させて温度が均一に上昇され、屎尿の蒸発が早められ
る。そして、攪拌手段と接触する制動部は1つであるた
め、複数の攪拌手段が蒸発容器の特定の場所に固まら
ず、屎尿の混合を確実に行うことができる。また、攪拌
手段が蒸発容器内で回転する際に、攪拌手段の表面に屎
尿が付着して上側が空気と接触できるため、液面の表面
積が大きくなり、蒸発の速度を促進することができる。
【0297】本願の請求項3の発明によれば、塵埃吸引
手段により、蒸発容器の底部付近から空気を吸引するこ
とができるので、空気と共に屎尿の乾燥後に蒸発容器に
残った塵埃を吸い上げることができ、乾燥処理後の清掃
を行うことができる。このため、蒸発容器内には塵埃が
残留せず、長期に渡り連続して使用することができる。
【0298】本願の請求項4の発明によれば、制動部に
攪拌手段が接触して転動するため、乾燥処理の後に蒸発
容器に残った塵埃を攪拌手段で剥ぎ取ると共に塵埃を粉
砕することができ、蒸発容器の清掃を行うことができ
る。そして、粉砕された塵埃は塵埃吸引部で空気と共に
外部に流動させることができるので、清掃の効率が向上
するものである。
【0299】本願の請求項5の発明によれば、屎尿を乾
燥処理した後に蒸発容器に残る塵埃を塵埃吸引部により
空気と共に外部に流出できる。この空気と混ざった塵埃
は、蒸発容器の外部に設けた塵埃分離部において、塵埃
のみを分離し、空気のみを送風部の吸引側に流動させる
ことができる。このため、塵埃が外部に拡散されず、塵
埃の分離と回収が容易となる。
【0300】本願の請求項6の発明によれば、蓋板の上
面に屎尿投入弁を設け、屎尿投入弁の上部に便器を載置
してあり、便器に放出された屎尿は屎尿投入弁を通過し
た後に、回転保持手段と係合手段を介して吊り下げてあ
る蒸発容器の内部空間にそのまま落下させることができ
る。このため、屎尿の流動する経路が短くなり、付着す
る部分を最小限に押さえることができるので、汚れなど
の発生を防止することができる。
【0301】本願の請求項7の発明によれば、蒸発容器
と回転保持手段を連結する係合手段は、蒸発容器の外周
に沿って形成したネジにより構成されているので、係合
手段の構造が簡易となり、制作が容易となる。
【0302】本願の請求項8の発明によれば、ネジで蒸
発容器と回転保持手段を係合したならば、回転防止手段
により蒸発容器が回転するのを規制することができ、回
転しながら屎尿を蒸発・乾燥させる蒸発容器が緩むのを
防ぐことができる。
【0303】本願の請求項9の発明によれば、蒸発容器
と回転保持手段はネジにより係合され、蒸発容器の外周
には廻し突起が設けてあるため、蒸発容器の着脱作業の
際には廻し突起により容易に回転させることができる。
また、回転保持手段には、廻し突起と嵌合う係止金具を
固着してあるため、蒸発容器を回転保持手段に連結した
後に廻し突起と係止金具を嵌合わせることで緩みの発生
を防止することができる。
【0304】本願の請求項10の発明によれば、蒸発容
器の外周に固着された係合金具と、回転保持手段の外周
に固着された締付け金具から係合手段を構成してあるた
め、蒸発容器を回転させずに締付け金具を操作するだけ
で蒸発容器を回転保持手段に着脱させることができる。
また、締付け金具を係合金具に締め付けることにより、
蒸発容器の上端開口は回転保持手段の下端開口に密着す
るので、蒸発容器の内部は気密を保つことができる。
【0305】本願の請求項11の発明によれば、締付け
金具は外周にネジ山を形成した回動ネジ体とクランプと
から成り、係合金具は回動ネジ体を嵌め合わせることが
できる切り欠きが形成してある。このため、クランプを
回動ネジ体から緩めて、クランプを切り欠きから引き離
すことで締付け金具を係合金具から外すことができ、蒸
発容器の着脱の操作が迅速となる。
【0306】本願の請求項12の発明によれば、係合手
段は、蒸発容器に形成された係合鍔部と、回転保持手段
に形成された係合鍔部と、両係合鍔部を外周から環状形
に保持する締付けバントとから構成されており、両係合
鍔部の外周を環状形に締付けバントにより保持すること
ができる。このため、蒸発容器と回転保持手段の接合面
の周囲を均一に保持することができ、蒸発容器を気密に
締め付けることができる。
【0307】本願の請求項13の発明によれば、蒸発容
器の係合鍔部は上方に向かって径大となる形状であり、
回転保持手段の係合鍔部は下方に向かって径大となる形
状となっており、蒸発容器と回転保持手段を密着させる
と、周囲には環状形の輪が形成される。この環状形の輪
の周囲を、その内周面を係合鍔部の傾斜面とほぼ同じ角
度の傾斜面に形成した締付けバントで囲むように連結で
きるので、蒸発容器と回転保持手段を均一に挟持して気
密性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である屎尿処理装置を移動式
の仮設便所に応用した例を示す、仮設便所の全体斜視図
である。
【図2】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全体の
配置構成を示したスケルトン図である。
【図3】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全体の
配置構成を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成を示した一部を省略した斜視図で
ある。
【図5】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成を示した縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成要素を上下に間隔を離して示して
分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の支え板、蓋板を取り外して乾燥釜の内
部を上方から視た状態の平面図である。
【図8】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の乾燥釜を回転自在に吊り下げ、着脱自
在に連結し、駆動させるための機構を示す側面図であ
る。
【図9】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の乾燥釜と回転リングを分離した状態を
示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要
部分である乾燥部の蒸発容器の回転を規制する回転防止
手段を示す拡大斜視図である。
【図11】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要
部分である乾燥部の蒸発容器の回転を規制する回転防止
手段を示す部分断面図である。
【図12】本発明の一実施例である屎尿処理装置の塵埃
吸引部の構成を示す、乾燥釜を省略した状態の側面図で
ある。
【図13】本発明の一実施例である屎尿処理装置の塵埃
吸引部の構成を示すため、各機構を分離した状態の分解
斜視図である。
【図14】本発明の一実施例である屎尿処理装置の加熱
部を保持する機構を示す、一部を省略した斜視図であ
る。
【図15】本発明の一実施例である屎尿処理装置の加熱
部の内部構成を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の一実施例である屎尿処理装置の防臭
部の内部構成を示す一部を破断した斜視図である。
【図17】本発明の一実施例である屎尿処理装置の各機
構の間を結ぶ配管の接続状況を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全て
の動作を制御する電気系のブロック図である。
【図19】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
の概略を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
の概略を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
における各部の動作状況の相関を示す真理表である。
【図22】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図27】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図28】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図29】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
二の実施例の構成を示すため、乾燥釜と回転リングを分
離した状態を示す斜視図である。
【図30】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
二の実施例における締付け金具と係合金具を拡大した部
分斜視図である。
【図31】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
二の実施例における締付け金具と係合金具の断面図であ
る。
【図32】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
二の実施例により、乾燥釜と回転リングを結合した状態
の断面図である。
【図33】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
三の実施例における乾燥釜と回転リングと締付けバント
を示す分解斜視図である。
【図34】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
三の実施例において、乾燥釜と回転リングを結合した状
態を示す部分断面図である。
【図35】本発明の屎尿処理装置における係合手段の第
三の実施例により、乾燥釜と回転リングを結合した状態
の断面図である。 11 仮設便所 15 屎尿処理装置 16 便器 21 乾燥部 22 塵埃吸引部 23 回転作動部 24 塵埃分離部 25 送風部 26 防臭部 27 屎尿導入部 28 加熱部 31 乾燥釜 30 中間リング 33 廻し突起 34 支え板 35 蓋板 36 固定リング 38 回転リング 44 蓄熱球 60 モーター 66 小歯車 84 制動部 85 吸引パイプ 88 邪魔板 89 掻き上げ板 110 防臭箱 112 エゼクター 114 触媒 121 雌ネジ部 122 雄ネジ部 124 係止金具 126 嵌合わせ窓 135 送風機 141 再加熱箱 142 ヒーター 153 ゴミ回収箱 180 吸引パイプ 182 清掃ボール 184 振動突起 191 中間リング 192 乾燥釜 195 締付け金具 196 係合金具 201 回動ネジ体 205 クランプ 206 廻し部 211 結合溝 215 中間リング 216 乾燥釜 217 締付けバンド 218 締付けバンド 221 係合鍔部 225 係合鍔部 233 密着面 234 密着面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、この蒸発容器の下面に接近して設けられ、蒸
    発容器に高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とか
    ら構成されたことを特徴とする屎尿処理装置。
  2. 【請求項2】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少なく
    とも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその上端
    が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長して
    攪拌手段と接触する制動部と、この蒸発容器の下面に接
    近して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させ
    る電磁加熱手段とから構成されたことを特徴とする屎尿
    処理装置。
  3. 【請求項3】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、蒸発容器の内部で上下方向に配置され、その
    上端を被覆手段の下面に固定され、その下端を蒸発容器
    の底に接近させ、空気を吸引することで蒸発容器内の塵
    埃を吸い出す塵埃吸引部と、この蒸発容器の下面に接近
    して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる
    電磁加熱手段とから構成されたことを特徴とする屎尿処
    理装置。
  4. 【請求項4】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少なく
    とも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその上端
    が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長して
    攪拌手段と接触する制動部と、蒸発容器の内部で上下方
    向に配置され、その上端を被覆手段の下面に固定され、
    その下端を蒸発容器の底に接近させ、空気を吸引するこ
    とで蒸発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸引部と、この蒸
    発容器の下面に接近して設けられ、蒸発容器に高周波の
    電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成されたこと
    を特徴とする屎尿処理装置。
  5. 【請求項5】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少なく
    とも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその上端
    が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長して
    攪拌手段と接触する制動部と、蒸発容器の内部で上下方
    向に配置され、その上端を被覆手段の下面に固定され、
    その下端を蒸発容器の底に接近させ、空気を吸引するこ
    とで蒸発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸引部と、塵埃吸
    引部の排気側に接続されて空気と塵埃を分離する塵埃分
    離部と、塵埃分離部の塵埃を分離した後の空気の排出側
    にその吸引側を接続した送風部と、この蒸発容器の下面
    に接近して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌
    させる電磁加熱手段とから構成されたことを特徴とする
    屎尿処理装置。
  6. 【請求項6】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器の上端を保持して、この蒸発容器を水平方向に回
    転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器と回転保持
    手段の間に介在され、両者を着脱自在にかつ気密に連結
    する係合手段と、その下面に回転保持手段を保持すると
    共に、蒸発容器の上部開口を外部から閉鎖する被覆手段
    と、この被覆手段をやや水平に支えて蒸発容器を吊り下
    げることができる架台と、この蒸発容器を回転させる駆
    動手段と、被覆手段の上部に設けられ、蒸発容器の内部
    空間と連通することができる屎尿を受け止める便器と、
    この便器の下部に配置され、便器の下部開口を開閉させ
    ることができる屎尿投入弁と、この蒸発容器の下面に接
    近して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させ
    る電磁加熱手段とから構成されたことを特徴とする屎尿
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記係合手段は、蒸発容器と回転保持手
    段にそれぞれ形成したネジ部より成り、蒸発容器のネジ
    部を回転保持手段のネジ部にねじ込むことにより着脱自
    在に連結することができることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5及び6記載の屎尿処理装置。
  8. 【請求項8】 前記係合手段には、蒸発容器と回転保持
    手段を連結してから、蒸発容器の回転を規制する回転防
    止手段を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6及び7記載の屎尿処理装置。
  9. 【請求項9】 前記前記回転防止手段は、蒸発容器の外
    周に設けた廻し突起と、回転保持手段の外周に設けた係
    止金具から成り、係止金具の嵌合わせ窓を廻し突起に係
    合させることで蒸発容器の回転を規制させることを特徴
    とする請求項8記載の屎尿処理装置。
  10. 【請求項10】 前記係合手段は、蒸発容器の外周に固
    着された係合金具と、回転保持手段の外周に固着された
    締付け金具から成り、蒸発容器を回転保持手段に接触さ
    せ、締付け金具を係合金具に係合させて締め付けること
    により蒸発容器を回転保持手段に連結させることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5及び6記載の屎尿処理
    装置。
  11. 【請求項11】 前記締付け金具は、上下に揺動自在と
    なるように回転保持手段に取り付けられ、外周にネジ山
    を形成した回動ネジ体と、この回動ネジ体にねじ込まれ
    るクランプとから成り、前記係合金具は、回動ネジ体を
    嵌め合わせることができる切り欠きを形成してあり、蒸
    発容器を回転保持手段に接触させ、回動ネジ体を係合金
    具の切り欠きに挿入し、クランプを回転させてねじ込む
    ことにより蒸発容器を回転保持手段に連結させることを
    特徴とする請求項10記載の屎尿処理装置。
  12. 【請求項12】 前記係合手段は、蒸発容器の上端外周
    に径大に形成された係合鍔部と、回転保持手段の下端外
    周に径大に形成された係合鍔部と、両係合鍔部を外周か
    ら環状形に保持する締付けバントとから構成されたこと
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5及び6記載の屎
    尿処理装置。
  13. 【請求項13】 前記蒸発容器の係合鍔部は上方に向か
    って径大となる形状であり、回転保持手段の係合鍔部は
    下方に向かって径大となる形状であり、締付けバントの
    内周面の上下は各係合鍔部の傾斜面とほぼ同じ角度の傾
    斜面に形成したことを特徴とする請求項12記載の屎尿
    処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022534132A (ja) * 2019-04-28 2022-07-27 中国航天空気動力技術研究院 空気熱力学環境保全型トイレ用具、取り付け方法およびその用途

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022534132A (ja) * 2019-04-28 2022-07-27 中国航天空気動力技術研究院 空気熱力学環境保全型トイレ用具、取り付け方法およびその用途

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