JPH07328601A - 屎尿処理装置 - Google Patents

屎尿処理装置

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Publication number
JPH07328601A
JPH07328601A JP6151631A JP15163194A JPH07328601A JP H07328601 A JPH07328601 A JP H07328601A JP 6151631 A JP6151631 A JP 6151631A JP 15163194 A JP15163194 A JP 15163194A JP H07328601 A JPH07328601 A JP H07328601A
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JP
Japan
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evaporation container
human waste
pipe
drying
drying pot
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JP6151631A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
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Japanic Corp
Original Assignee
Japanic Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥釜を加熱して屎尿を蒸発・乾燥させる機
構であり、乾燥釜に異物が投入されても故障が発生せ
ず、長期に使用することができる屎尿処理装置。 【構成】 底部が閉鎖して上部が開口した形状により屎
尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器31と、蒸
発容器31を水平方向に回転自在に保持する回転保持手
段50と、蒸発容器31の上部開口に接近して固定され
た被覆手段35と、蒸発容器31の上部開口と被覆手段
35の間に介在され、蒸発容器31の回転運動を妨げず
にその開口を密封させる気密手段37と、この蒸発容器
31を回転させる駆動手段61と、蒸発容器31内に収
納された球形状をした攪拌手段44と、被覆手段35の
下面にその上端が固定されて攪拌手段44と接触する制
動部81と、この蒸発容器31の下面に設けられ、蒸発
容器31に高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段2
8とから構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浄化処理施設のない屋
外、船舶や電車等の交通機関、外囲から閉鎖されてバキ
ュームカーが入り込めないトンネル内等での屎尿の処理
を行う屎尿処理装置に関し、特に、乾燥釜を使用して屎
尿を蒸発・乾燥させる機構において、乾燥釜に異物が投
入されても故障が発生せず、長期に使用することができ
る屎尿処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体から排泄された屎尿は、一般の家屋
においては水洗トイレ等により下水管に放出するか、浄
化槽に一時貯留して浄化してから河川に放流するのが通
例である。しかしながら、屋外で催し物を行う場合、例
えば運動会、見本市、集会等の人員が多数繰り出す会場
では、従来から仮設の便所を設けることで参加者の生理
的現象を解消していた。
【0003】このように、従来における屋外や浄化施設
のない場所での屎尿の処理では、移動できる仮設便所が
用いられていた。しかし、その多くは屎尿を一時収納す
る便槽を持った構造のものであり、人体から排泄された
屎尿はそのままこの便槽に蓄えられるものであった。従
って、仮設便所を使用した後には、バキュームカー等に
よって便槽に貯留された屎尿を回収し、屎尿処理施設に
移送しなけらばならないものであった。このため、回収
後の処理が必要となり、後処理に手数がかかるとともに
非衛生的なものであった。
【0004】また、長距離を移動する電車、バス、船舶
等の交通機関では、排泄された屎尿を貯留する専用のタ
ンクを備えており、このタンク内に屎尿を収納し、化学
薬品等で防臭処理を行った後、終着駅や中継地点でバキ
ュームカーにより回収する方法が一般的であった。
【0005】このように、従来の仮設便所、あるいは移
動できる交通機関での屎尿の処理は、人体より排泄され
たままの状態で貯留し、その後回収するのがほとんどで
あった。このため、貯留方法、回収方法、処理方法の何
れをとっても非近代的であり、極めて非衛生的であると
言わざるを得なかった。従って、長期間仮設便所を使用
していると、排泄した屎尿がタンク内に残留し、悪臭の
原因となるものであった。また、使用後の仮設便所を清
掃する作業は作業員に嫌がれるため、仮設便所や移動機
関の便所のメンテナンスの近代化のためからも好ましい
ものではなかった。
【0006】このような実情から、従来より衛生的に屎
尿を処理する方法が各種考えられていた。例えば、屎尿
と共に化学薬品を投入し、殺菌及び防臭を行う方法があ
る。この方法は新幹線等の交通機関に多く用いられてい
るが、薬品を含んだ屎尿がタンクと便器の間で循環する
ため、長期の使用が行われると便器を流れる水が汚れ、
悪臭を発生して使用者にとって不評となっていた。ま
た、タンクを空にして次の使用に準備するために、タン
クには多量の薬品を投入しておかなければならず、薬品
による経費が高くなる欠点があった。
【0007】さらに、ビニール等の袋に屎尿を収納して
パッキングすることにより、臭いの発散を防止する方法
も考えられている。しかし、一回の排泄においてかなり
広い面積のビニール袋を使用しなければならず、処理費
用が高くなるとともに、後日ビニール袋から屎尿を分離
するための処理が必要とされるものである。この方法で
は、パッキングするまでの処理は比較的容易であるが、
その後の処理が煩わしく、かつその処理施設が大掛かり
となるものであった。
【0008】さらに、排泄された屎尿を密閉した蒸発容
器に収納し、バーナーの火力で直接屎尿を加熱して蒸発
させる方法も考えられている。例えば、特許公告昭和4
5年17236号、特許公告昭和49年2545号、特
許公告昭和50年3149号、特許公開昭和52年58
239号、特許公開昭和53年110268号、特許公
開昭和55年165415号などが知られている。しか
し、これらの方法であっては、バーナーの火炎を屎尿に
噴出させてその表面から蒸発させようとしているため、
屎尿の大部分の成分である水分は効率良く蒸発できず、
完全に屎尿を処理するためには多くのエネルギーを必要
としていた。
【0009】また、これらの構成であっては屎尿の乾燥
後における蒸発容器の清掃は行われず、長期の使用にお
いては蒸発容器の底に屎尿から蒸発できなかった残留物
が堆積することになり、熱効率が悪くなるものであっ
た。このような場合には、残留物を清掃するために、そ
の都度装置を分解してメンテナンスを行わなければなら
ず、保守のために手数と費用がかかる欠点があった。
【0010】このように、仮設便所での屎尿の処理には
多くの問題が残されており、排泄された屎尿を仮設便所
の内部で完全に処理することができにくいものであっ
た。このような社会的な需要により、本願の出願人と同
一の発明者は屎尿を加熱することで、屎尿の大部分の成
分である水分を蒸発させることができる屎尿処理装置を
提案している。この提案された屎尿処理装置は仮設便所
に設けて使用するものであり、装置内には屎尿を収納す
る密閉した乾燥釜(耐熱性のある蒸発容器)を設けてあ
り、この乾燥釜内には回転できる攪拌羽根が軸支してあ
り、乾燥釜内には攪拌羽根の回転に従って屎尿と共に内
底で転動する蓄熱体を複数個収納させた構成となってい
る。
【0011】そして、この乾燥釜を外部から加熱して乾
燥釜内の屎尿を加熱し、同時に攪拌羽根を回転させるこ
とで屎尿を混合させ、屎尿の水分を迅速に蒸発させるこ
とができる。この蒸発の際には、球形をした蓄熱体が乾
燥釜の底で転動し、屎尿の温度を均一に加熱すると共
に、それ自体の熱を屎尿に伝達して加熱速度を上昇させ
ることができるものである(例えば、特願昭63年12
4150号などがある)。
【0012】この機構は基本的なもので、同発明者はそ
の後も改良された屎尿処理装置を順次提案している。特
願平2年164594号では、乾燥釜に空気を圧送する
パイプと排気のパイプを連結し、排気のパイプには集塵
機と凝縮器を接続した構成が示されている。この機構で
は、乾燥釜の内部で蒸発された屎尿の内、水蒸気は凝結
して回収し、水洗用水に循環して使用することができ、
屎尿の乾燥後に乾燥釜に残った塵埃は空気と共に吸引し
て回収し、塵埃は集塵機によって空気と分離させること
ができるものである。この機構により、乾燥釜に投入し
た屎尿から水分を回収でき、屎尿の乾燥後に乾燥釜に残
った蒸発できない塵埃を清掃することができ、屎尿処理
装置を連続して使用することが可能となるものである。
【0013】また、特願平2年411577号では屎尿
処理装置をユニット化し、仮設便所に装着し易いように
構成してある。この機構では、乾燥釜の構造を円筒形に
形成し、この乾燥釜の側面より屎尿を投入することがで
きるようにしてある。このため、乾燥釜の上部に便器を
配置する必要性が無くなり、装置の高さを低くすること
ができる特徴がある。
【0014】特願平2年412559号では、小便器で
回収される小便を貯留する貯留槽を設け、貯留槽と便器
の間を噴射噴出パイプで接続した構成である。この構成
では、大小便は便器に排泄し、小便は小便器で回収する
ように区分し、乾燥釜に大小便を投入する際には貯留槽
から小便を便器に噴出させ、小便を大小便と共に乾燥釜
に投入させることができる。このため、便器を小便で清
掃することができ、上水道が設置できない場所であって
も仮設便所を水洗化させることができる。
【0015】さらに、特願平3年067538号では、
乾燥釜の側面から液面センサーを挿入しておき、乾燥釜
内に投入した屎尿の液面の位置を常時検知することがで
きる機構が示されている。この機構では、屎尿の液面高
さを検知して判断することにより、一時的に大量の屎尿
が投入されて屎尿の蒸発処理の能力を低下させないよう
に防止することができ、オーバーフローによる故障の発
生を防止することができるものである。
【0016】そして、特願平3年189280号では、
送風器と触媒箱の間にヒーターを内蔵した再加熱箱を配
置すると共に、乾燥釜と集塵機を結ぶパイプと触媒箱の
間にバイパスを設けた構成である。この構成では、屎尿
の蒸発処理の際にはバイパスにより乾燥釜からの空気を
触媒箱に流動させて空気の流動を効率化させることがで
きる。また、乾燥釜の清掃処理の際にはバイパスを閉鎖
し、塵埃を含んだ空気を集塵機にそのまま流動させるこ
とができるものである。
【0017】また、特願平3年189281号は、特願
平3年189280号を改良したものであり、乾燥釜と
集塵機を結ぶパイプにはバイパスのパイプを接続し、こ
のバイパスパイプの終端にはエゼクターの負圧側を接続
し、エゼクターに触媒箱を接続した構成である。この構
成では、バイパスパイプが開通しているとエゼクターに
より乾燥釜内の空気が強制的に吸引されて触媒箱に流動
させられるので、乾燥釜の空気の流動効率が高められて
蒸発が促進される効果がある。
【0018】特願平3年265237号では、乾燥釜の
排気パイプにゴミ回収箱を接続し、このゴミ回収箱に
紙、布などで形成したゴミ袋を収納した構成である。こ
の構成では、乾燥釜の清掃時には塵埃を含んだ空気をゴ
ミ袋に流入させ、このゴミ袋では空気のみが通過して塵
埃は分離することができるものである。サイクロン式の
集塵機に比べて確実に塵埃を分離できる効果がある。
【0019】そして、特願平5年031170号では、
便器と屎尿処理装置を分離し、便器に投入された屎尿を
タンクに貯留した後にバッジ式に連続して蒸発・乾燥の
処理を行うことができるものである。この屎尿処理装置
では、水平な軸で回動できるやや球形の乾燥釜の上部に
屎尿投入用の開口を形成し、乾燥釜の内部には球形の蓄
熱体を収納してあり、乾燥釜の底部を加熱できるバーナ
ーを設けた構成である。この構成により、乾燥釜に投入
された屎尿はバーナーの熱で蒸発・乾燥され、この処理
の間は乾燥釜を揺動することにより蓄熱体で屎尿を攪拌
でき、乾燥後は乾燥釜を回転することで塵埃を開口より
落下させることができるものである。
【0020】特願平5年121968号では、乾燥釜の
送風パイプと排気パイプに切り換え弁を介在させ、切り
換え弁を介してゴミ回収箱と送風機を乾燥釜に直列に接
続できるように構成してある。この構成では、乾燥釜の
清掃時には空気が屎尿処理装置の内部で循環し、塵埃の
回収効率が向上する効果がある。
【0021】特願平5年125360号では、乾燥釜の
下面に高周波コイルを設置し、この高周波コイルに高周
波の電力を供給することにより電磁波を発生させる構成
である。乾燥釜には高周波の電磁波が交拌するため、直
接加熱ではなく、乾燥釜自体が発熱して屎尿を加熱する
ことができる。このため、迅速に必要とする乾燥釜のみ
を加熱させることができ、熱損失が少なくなる効果があ
る。
【0022】特願平5年307135号では、乾燥釜自
体は通常は直立しており、乾燥釜の上部は常時開口して
おり、清掃時のみ転倒できる構成となっている。この乾
燥釜の内部には蓄熱体を収納すると共に、上部の開口は
転倒時に閉鎖できる蓋板を設けてある。この構成では、
乾燥釜に投入した屎尿の蒸発・乾燥の処理の際には、乾
燥釜自体は静止して直立しているが、屎尿が蒸発した後
の清掃の処理の際には乾燥釜が転倒し、内部に残ってい
た塵埃をその開口から放出させることができる。この塵
埃の放出の際において、蓋板(その面には小さな穴が複
数個開口してある)が自動的に乾燥釜の開口を閉鎖し、
蓄熱体が落下するのを防止して、塵埃のみが蓋板の小さ
な穴からゴミ皿に放出させることができるものであり、
屎尿処理装置の構成を簡略化させることができる。
【0023】さらに、特願平5年314445号では、
回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の外周に
はモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内には球
形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置してい
る蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を3本挿入し
た構成となっている。この構成では、今までの屎尿処理
装置の乾燥釜と相違し、乾燥釜自体が垂直な軸線を中心
にして回転し、高周波コイルからの電磁波によって屎尿
を加熱させることができるものである。そして、乾燥釜
の内部に収納してある蓄熱体は邪魔板によって乾燥釜と
共には回転せず、乾燥釜の底で転動し、屎尿を攪拌して
加熱することができるものである。この構成では、乾燥
釜の内部で攪拌羽根を回転させる必要が無くなるので、
屎尿処理装置全体の高さを低くすることができる。ま
た、回転羽根を回転させる構成であっては、乾燥釜内に
投入された屎尿以外の異物(例えば、ボールペン、衣
類、時計など)が回転する回転羽根に絡みつくことによ
る故障を排除できる優れた効果を有するものである。
【0024】これらの新しく提案された屎尿処理装置で
は、排泄された屎尿は乾燥釜内で密閉されたままで加熱
でき、攪拌羽根や乾燥釜が回転することで屎尿が混合さ
せることができるものである。加熱された屎尿は、全体
の温度が均一に上昇し、大部分の成分である水分が蒸発
し、水蒸気となって大気中に発散される。この加熱と混
合により屎尿の蒸発速度が早くなり、屎尿の処理時間が
短縮することができるものである。また、大気中に拡散
される水蒸気は触媒等で無臭化させ、人家等が立ち込ん
でいたり、人員が多数集合しているような場所であって
も、悪臭を発散させることがなく、環境保全の面からし
ても好ましいものであった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このように密閉された
蒸発容器内で屎尿を蒸発、拡散させるのは極めて衛生的
であり、かつ作業をシステム化することができて、メン
テナンス等において作業員に負担をかけないものであ
る。しかし、従来の屎尿処理装置では乾燥釜を固定して
おき、この乾燥釜の内部で攪拌羽根を回転させて屎尿を
混合させる構成のものが殆どであった。この機構であっ
ては、乾燥釜内に屎尿以外の蒸発できない異物が投入さ
れると、回転する攪拌羽根とこの異物が噛み合い、故障
の原因となることが多かった。例えば、使用者の不注意
により、便器に金属製のボールペン、ベルト、衣類等が
投入されることもある。これらの異物が乾燥釜に投入さ
れると、異物が攪拌羽根と乾燥釜の間に食い込み、攪拌
羽根の回転を停止させたり、攪拌羽根や乾燥釜を磨耗さ
せる現象を発生させるものであった。
【0026】また、乾燥釜の内部に攪拌羽根を収納して
おくと、限定された乾燥釜の内部空間がこれらの機構で
狭くなるため、乾燥釜の内部空間を有効に利用すること
ができない要因となっていた。
【0027】このような欠点を解消するため、特願平5
年314445号では乾燥釜自体を回転させる構成と
し、攪拌羽根を用いずに屎尿を混合させることができる
ように工夫してある。だが、この機構であっては、乾燥
釜の上部を開口させておき、この開口を塞ぐようにして
蓋板を密着させてあり、この蓋板から乾燥釜の内部に3
本の邪魔柱を吊り下げてある。この構成では、乾燥釜が
回転すると内部に収納した屎尿と蓄熱体が従動するが、
蓄熱体は邪魔柱に接触して乾燥釜と同じ方向に回転せ
ず、その場で転動することになり、屎尿を混合させるこ
とができるものである。
【0028】この構成では、乾燥釜の開口を上方に向け
て開放してあるため、蓋板との間に隙間ができ、この隙
間から悪臭が外部に流出する原因となっていた。乾燥釜
は回転するため、気密性を保ちながら回転運動を妨げな
いように密閉することが困難なものであった。
【0029】また、乾燥釜に挿入されている球形の蓄熱
体は邪魔柱に接触してその位置に停止させられる。だ
が、邪魔柱は3本であるため、各邪魔柱の間に複数の蓄
熱体が集合して嵌まり込み、蓄熱体は乾燥釜の内壁に沿
って一列に連なる現象が発生していた。このように蓄熱
体が邪魔柱の間に連なると各蓄熱体は転動しなくなり、
乾燥釜に収納した屎尿を混合させることができなくなる
ものであった。
【0030】また、この乾燥釜で屎尿を蒸発・乾燥させ
た後に残る塵埃は、連続して屎尿の処理を行うために除
去しなければならないが、清掃のための吸引パイプを乾
燥釜に所定の長さだけ挿入させる制御が困難なものであ
った。吸引パイプの挿入長さが短ければ乾燥釜の底から
塵埃を吸引できず、挿入長さが長ければ吸引パイプの先
端と乾燥釜の底が接触ことになる。
【0031】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、底部が閉鎖して上部が開口した形状により屎尿を収
納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸発容器を水
平方向に回転自在に保持する回転保持手段と、蒸発容器
の上部開口に接近して固定された被覆手段と、蒸発容器
の上部開口と被覆手段の間に介在され、蒸発容器の回転
運動を妨げずにその開口を密封させる気密手段と、この
蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容器内に収納さ
れた球形状をした少なくとも1個以上の攪拌手段と、被
覆手段の下面にその上端が固定され、その下端が蒸発容
器の底部にまで延長して攪拌手段と接触する制動部と、
この蒸発容器の下面に接近するように位置して設けら
れ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手
段とから構成したものである。
【0032】本願の請求項2の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器を水平方向に回転自在に
保持する回転保持手段と、蒸発容器の上部開口に接近し
て固定された被覆手段と、蒸発容器の上部開口と被覆手
段の間に介在され、蒸発容器の回転運動を妨げずにその
開口を密封させる気密手段と、この蒸発容器を回転させ
る駆動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少
なくとも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその
上端が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長
して攪拌手段と接触する制動部と、制動部の下端より空
気を吸引することで蒸発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸
引部と、この蒸発容器の下面に接近するように位置して
設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる電磁
加熱手段とから構成したものである。
【0033】本願の請求項3の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器を水平方向に回転自在に
保持する回転保持手段と、蒸発容器の上部開口に接近し
て固定された被覆手段と、蒸発容器の上部開口と被覆手
段の間に介在され、蒸発容器の回転運動を妨げずにその
開口を密封させる気密手段と、この蒸発容器を回転させ
る駆動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少
なくとも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその
上端が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長
して攪拌手段と接触する制動部と、この蒸発容器の下面
に接近するように位置して設けられ、蒸発容器に高周波
の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから成り、蒸発容
器を電磁加熱手段によって加熱させることで屎尿を蒸発
させて処理できる屎尿処理装置において、その一端を被
覆手段に連結して蒸発容器の内部と連通させた排風パイ
プと、この排風パイプの他端にその風上側を接続し、そ
の内部に触媒を収納した除臭箱と、除臭箱の風下側にそ
の負圧側を接続して除臭箱内の空気を吸引するエゼクタ
ーと、除臭箱の風上側にその一端を接続した再加熱箱
と、この再加熱箱の内部に収納されて流動する空気を加
熱するヒーターと、エゼクターと再加熱箱に空気を供給
する送風部とから構成したものである。
【0034】本願の請求項4の発明は、底部が閉鎖して
上部が開口した形状により屎尿を収納する耐熱性のある
金属性の蒸発容器と、蒸発容器を水平方向に回転自在に
保持する回転保持手段と、蒸発容器の上部開口に接近し
て固定された被覆手段と、蒸発容器の上部開口と被覆手
段の間に介在され、蒸発容器の回転運動を妨げずにその
開口を密封させる気密手段と、この蒸発容器を回転させ
る駆動手段と、蒸発容器内に収納された球形状をした少
なくとも1個以上の攪拌手段と、被覆手段の下面にその
上端が固定され、その下端が蒸発容器の底部にまで延長
して攪拌手段と接触する制動部と、制動部の下端より空
気を吸引することで蒸発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸
引部と、この蒸発容器の下面に接近するように位置して
設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる電磁
加熱手段とから成り、蒸発容器を電磁加熱手段によって
加熱させることで屎尿を蒸発させて処理できる屎尿処理
装置において、塵埃吸引部の排気側に接続されて空気と
塵埃を分離する塵埃分離部と、塵埃分離部の塵埃を分離
した後の空気の排気側にその吸引側を接続した送風部と
から構成したものである。
【0035】本願の請求項5の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の屎尿処理装置において、前記蒸発容器
は、周面が円筒形であり、この円筒形の下端開口をやや
水平な底部で閉鎖した形状をしており、底部の中央を山
形に隆起してあり、周面の中央軸線を垂直に位置させた
ものである。
【0036】本願の請求項6の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の屎尿処理装置において、前記被覆手段
は、蒸発容器の上端開口に接近して位置させた水平な板
状をした蓋板である。
【0037】本願の請求項7の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の屎尿処理装置において、前記回転保持手
段は、蒸発容器の外周に固着された円環形状をしたリン
グと、このリングの外周端に回転して接触する複数のロ
ーラーと、このリングの上下面にそれぞれ回転して接触
できる一対のローラーを有する複数の上下保持機構とか
ら成ることものである。
【0038】本願の請求項8の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の屎尿処理装置において、前記気密手段
は、蒸発容器の上端開口に固着されたリング状をした摺
動板と、被覆手段の下面に固着され、その下端が摺動板
の上面に弾性を持って接触する、下方に向けてスカート
状に拡大した形状のシールリングとから成ることもので
ある。
【0039】本願の請求項9の発明は、請求項1、2、
3及び4記載の屎尿処理装置において、前記駆動手段
は、蒸発容器の外周に固定され、その外周に歯面を形成
したリング状の大歯車と、この大歯車の歯面に噛み合う
小歯車と、この小歯車を回転させるモーターとから成る
ものである。
【0040】本願の請求項10の発明は、請求項1、
2、3及び4記載の屎尿処理装置において、前記攪拌手
段は、金属材料で球形に形成したものである。
【0041】本願の請求項11の発明は、請求項1、
2、3及び4記載の屎尿処理装置において、前記攪拌手
段は、セラミック材料で球形に焼結して形成したもので
ある。
【0042】本願の請求項12の発明は、請求項1、
2、3及び4記載の屎尿処理装置において、前記制動部
は、被覆手段の下面にその上端が固着され、その下端が
蒸発容器の底方向に延長し、その軸線を垂直に位置させ
た固定パイプと、この固定パイプの下部に固着されて攪
拌手段と接触する邪魔板とから構成したものである。
【0043】本願の請求項13の発明は、請求項2及び
4記載の屎尿処理装置において、前記塵埃吸引部は、制
動部の長さ方向に上下動することができ、塵埃を吸引す
るパイプの下端を蒸発容器の底部付近にまで接近させる
ことができる伸縮部と、この伸縮部を上下に移動させる
作動部と、この伸縮部のパイプが上下方向にのみ移動す
るように規制する案内部とから構成されたものである。
【0044】本願の請求項13の発明は、請求項2及び
4記載の屎尿処理装置において、前記塵埃吸引部は、被
覆手段に回転自在に保持され、その内周に雌ネジを形成
した回転作動体と、その外周の長さ方向に雄ネジを形成
して回転作動体の開口にねじ込み、その内部がパイプ状
に貫通していて蒸発容器の底部の方向に向けて移動でき
る塵埃吸い上げ用パイプと、被覆手段に固定されて回転
作動体を正逆の方向に回転させるモーターと、塵埃吸い
上げ用パイプの長さ方向とは直角に突出された制動杆
と、被覆手段に固定され、塵埃吸い上げ用パイプの長さ
方向と平行に直線状の接触面を持ち、この接触面に制動
杆の側面を接触させる案内体とから構成されたものであ
る。
【0045】
【作用】本願の請求項1の発明によれば、屎尿を収納し
た蒸発容器の下面に接近して電磁加熱手段を設けてあ
り、この電磁加熱手段により高周波の電磁波を蒸発容器
に交拌させることで、電磁誘導加熱により蒸発容器自身
を発熱させることができる。この電磁波の交拌では、金
属部分以外の部分では熱が発生せず、電磁加熱手段に接
近した蒸発容器の金属部分だけ発熱することから、熱効
率は向上する。
【0046】また、蒸発容器が回転して屎尿を攪拌する
ため、蒸発容器に屎尿以外の異物が投入されても攪拌羽
根に食い込まず、磨耗や故障の発生が少なくなる。
【0047】さらに、攪拌手段が制動部と接触して、攪
拌手段が蒸発容器の底部で回転するため、屎尿が混合さ
れて温度が均一に上昇される。このため、屎尿の蒸発が
早められる。そして、攪拌手段と接触する制動部は1つ
であるため、複数の攪拌手段が蒸発容器の特定の場所に
固まらず、屎尿の混合を確実に行うことができる。
【0048】本願の請求項2の発明によれば、蒸発容器
の底部付近から空気を吸引することできるので、空気と
共に屎尿の乾燥後に蒸発容器に残った塵埃を吸い上げる
ことができ、乾燥処理後の清掃を行うことができる。こ
のため、蒸発容器内には塵埃が残留せず、長期に渡り連
続して使用することができる。
【0049】本願の請求項3の発明によれば、蒸発容器
より蒸発した水蒸気を含む空気は、排風パイプより外部
に流出し、この空気は除臭箱に流入して触媒と接触して
酸化・還元されて無臭となる。このため、人家や人込み
の近くで使用しても悪臭を発散させることがない。この
水蒸気を含む空気はエゼクターの負圧により吸引される
ため、確実に排出することができ、屎尿の蒸発が促進さ
れる。
【0050】本願の請求項4の発明によれば、塵埃吸引
部により蒸発容器から吸引した塵埃を含む空気は塵埃分
離部に流動させることができ、塵埃と空気をこの塵埃分
離部で分離し、空気のみを送風部の吸引側に流動させる
ことができる。このため、塵埃が外部に拡散されず、塵
埃の回収と廃棄が容易となる。
【0051】本願の請求項5の発明によれば、蒸発容器
の底部の中央が隆起しているため、蒸発容器に収納した
球形の攪拌手段は蒸発容器の周縁で転動することにな
り、屎尿の混合が確実に行われる。
【0052】本願の請求項6の発明によれば、被覆手段
が水平な蓋板であることから、蒸発容器の上面開口に接
近し、蒸発容器を確実に閉鎖することができる。
【0053】本願の請求項7の発明によれば、リングと
ローラーと上下保持機構で蒸発容器を回転自在に保持す
ることができ、蒸発容器の回転軸を左右に偏位させず、
かつ、上下に移動させることなく、その位置で回転させ
ることができる。
【0054】本願の請求項8の発明によれば、蒸発容器
の上端と被覆手段の間には隙間が形成されるが、シール
リングのスカート状をした部分が弾性力を持ちながら蒸
発容器の上端に固定した摺動板と接触しており、蒸発容
器は気密に封鎖される。そして、シールリングで弾性的
に封鎖されているため、蒸発容器が回転するのを妨げる
ことがない。
【0055】本願の請求項9の発明によれば、駆動手段
は大歯車と小歯車の組み合わせでモーターからの回転を
蒸発容器に伝えることができ、回転力を確実に伝達する
ことができる。
【0056】本願の請求項10の発明によれば、攪拌手
段は金属材料で形成したあるため、電磁加熱手段からの
高周波の電磁波により、この攪拌手段も発熱し、この熱
は屎尿に伝えられるため、屎尿の加熱速度が早められ
る。
【0057】本願の請求項11の発明によれば、攪拌手
段はセラミックで形成してあるため、高温でもこの攪拌
手段が変形することもなく、長期の使用が可能となる。
【0058】本願の請求項12の発明によれば、制動部
は固定パイプと邪魔板により構成されており、断面積の
小さいパイプではなく邪魔板に攪拌手段が接触するた
め、攪拌手段の捕捉が確実となる。同時に、邪魔板で屎
尿をかき混ぜることができ、屎尿の混合が促進される。
【0059】本願の請求項13の発明によれば、塵埃吸
引部の伸縮部が上下に移動し、蒸発容器の底部に向けて
伸縮部のパイプの下端を接離させることができる。この
ため、屎尿の乾燥・蒸発時には伸縮部のパイプを上方に
移動して待機させることができ、塵埃の吸引時には伸縮
部のパイプを蒸発容器の底部に接近させることができ、
伸縮部のパイプを屎尿で閉塞させることを防止すること
ができる。
【0060】本願の請求項14の発明によれば、回転作
動体と塵埃吸い上げ用パイプとをネジの作用により上下
動させることができ、回転作動体は水平方向に回転して
も塵埃吸い上げ用パイプは制動杆によりその回転が規制
されている。このため、上下の移動は確実となり、正確
な位置に塵埃吸い上げ用パイプを停止させることができ
る。
【0061】
【実施例】以下、本発明を一実施例を図面により説明す
る。本実施例では、本発明の屎尿処理装置を、それだけ
単独で自由に移動させ、仮設の場所で使用することがで
きる仮設便所11に応用した場合について説明する。
【0062】先ず、図1は本実施例における仮設便所1
1の外観を示すものである。この仮設便所11の外枠
は、例えばプラスチックや強化合成樹脂で形成された立
体形をした箱状をしている。この仮設便所11の底部分
は家状をした上部を支えて地面に設置される基台12と
なっており、この基台12は平坦な立方体形をしてお
り、基台12の上部には内部が空洞で利用者が入ること
のできる空間を形成したハウス13が載置してある。こ
のハウス13の前面には、手前側に開いて利用者がハウ
ス13内に出入りすることができるドアー14が取り付
けてある。
【0063】この仮設便所11の内部であって基台12
の上部には、屎尿を乾燥して処理する屎尿処理装置15
が固定してある。この屎尿処理装置15の上面中央には
洋式の便器16が固定してあり、仮設便所11の利用者
はこの便器16を排泄のために利用することができる。
【0064】次に、図2は図1で示した屎尿処理装置1
5の内部の構成を示すスケルトン図である。この図2に
おいては、屎尿処理装置15における主要な部分は実線
で示してあり、屎尿処理装置15の外形は破線で示して
あり、各主要部材との間を結ぶ配管は図中では省略した
ある。この屎尿処理装置15は電力等を供給することで
それ自体が単独で作動できる機能を持ち、組立て、メン
テナンスを容易にするためにユニットに組み立てられい
る。この屎尿処理装置15の各腰部は、大きく区分して
乾燥部21、塵埃吸引部22、回転作動部23、塵埃分
離部24、送風部25、防臭部26、屎尿導入部27、
加熱部28(電磁加熱手段)より構成されている(図2
では加熱部28は図示されていない)。
【0065】この屎尿処理装置15の躯体となる外枠は
角パイプ、アングル材等によって枠状に組立られてお
り、図2において破線で外形が示されている。屎尿処理
装置15の内部にある空間の中央には屎尿を加熱するこ
とで乾燥させる乾燥部21が配置してある。この乾燥部
21の前面(図2において左前側の面を前面とする)の
左側には、乾燥部21から排出された空気の中から塵埃
を分離して回収する塵埃分離部24が設けてある。そし
て、乾燥部21の前側の右側には、屎尿処理装置15の
各部に空気を供給するための送風部25が設けてある。
また、乾燥部21の右側面には回転作動部23が固定し
てあり、乾燥部21の上面ほぼ中央には便器16とつな
がる屎尿導入部27が固定してあり、乾燥部21の上面
の左側には、乾燥部21の内部に残った塵埃を吸引する
ための塵埃吸引部22が固定してある。さらに、乾燥部
21の後部(図2中、右側奥を後側とする)と屎尿処理
装置15の後側面との間には、内部にフィルターや触媒
を収納した長方体形状をした防臭部26がその長さ方向
を水平にして位置させてある。
【0066】また、図3は、図2で述べたのと同様に、
屎尿処理装置15の外殼を破線で示し、屎尿処理装置1
5の内部にある各主要部を実線で示した平面図である。
この図3の図中下方向が屎尿処理装置15の正面側に対
応している。この屎尿処理装置15の中央の大部分の位
置を占めるようにして四角形の平面形状をした乾燥部2
1が設けてあり、この乾燥部21の図3中の右側には駆
動用の回転作動部23が固定してある。そして、乾燥部
21の上面より左側には塵埃吸引部22が載置固定して
あり、乾燥部21の前側(図3において下方)の左側に
は塵埃分離部24が設けてあり、乾燥部21の前側の右
側には送風部25が設けてある。また、乾燥部21の後
部(図3において上方、図2において屎尿処理装置15
の後方)には防臭部26が設けてある。
【0067】次に、図4、図5、図6、図7、図8、図
9、図10は、共に乾燥部21、塵埃吸引部22、回転
作動部23、屎尿導入部27、加熱部28の具体的な構
成を説明するものである。この図4は、前記図2におけ
る塵埃吸引部22、回転作動部23、屎尿導入部27を
乾燥部21に連結した状態のそのままで拡大して示した
ものであり、乾燥部21の底部に位置している加熱部2
8は下方に少し引き離して位置させてある。また、図5
は、前記図3におけるAーAを矢視した断面図であり、
回転作動部23などの一部は切断していない。そして、
図6は乾燥部21を構成する部材を上下に分解して図示
したものであり、乾燥釜31(蒸発容器)を回転させる
ための保持機構の部材は省略してある。そして、図7
は、乾燥部21が図4のように組み立てられた状態にお
いて、その乾燥釜31の上面を覆っている塵埃吸引部2
2、屎尿導入部27や蓋板35(被覆手段)などを取り
外し、上面から見た状態を示すものである。
【0068】次に、図8は乾燥釜31が回転するように
保持するための機構の内で、乾燥釜31が上下に移動し
ないように規制している機構のみを正面(図2におい
て、左下側から右上側の方向に見た時を正面という)か
ら見た側面図であり、他の部分は図示していない。ま
た、図9は乾燥釜31を回転して保持するための機構の
内で、乾燥釜31が水平方向に移動しないように規制し
ている機構のみを正面から見た側面図であり、他の部分
は図示していない。そして、図10は乾燥部21を回転
できるように保持する機構と、乾燥部21を回転させる
ための駆動の機構を示した斜視図であり、この図では乾
燥釜31の周囲にある他の部材は取り外して省略してあ
る。なお、図2と図4では見ている方向は同じである
が、図6では図2と図4より90度時計方向に視線を回
転させて見た状態であるので注意されたい。
【0069】〔乾燥部21の構成〕
【0070】このように乾燥部21の構成は図4から図
10で詳しく示されており、これらの図と共に乾燥部2
1を構成する各部を下記に詳しく説明する。
【0071】〔乾燥釜31の構成〕
【0072】まず、乾燥部21の中心には排泄された屎
尿を乾燥させて粉砕させるための乾燥釜31が設けてあ
り、この乾燥釜31はその底部が閉鎖した寸胴状をして
おり、乾燥部21の容積の大部分を占めている。この乾
燥釜31は、いわば、ドラム缶の上半分を切断し、円筒
形の下半分と底部分だけを残した形状であり、乾燥釜3
1は耐熱性のあるステンレス、高張力鋼などの金属材料
で形成してある。この乾燥釜31の断面形状は図5で示
されており、乾燥釜31の底部の中央は周囲の底部より
隆起した突起41が形成してあり、この突起41の頂上
は乾燥釜31の中心軸線と一致させてあり、この突起4
1の頂上から底部の周囲に向かってなだらかな傾斜面と
なるように形成してある。また、乾燥釜31の側面の下
部と上部には、薄肉の鋼板の中央を円形に打ち抜いて環
状形に形成した下リング42と上リング43が嵌め合わ
せてあり、これらの下リング42と上リング43は間隔
を置いて平行になるように乾燥釜31の外周に電気溶接
等で固着してある。この下リング42は乾燥釜31の底
より少し上方に位置し、上リング43は乾燥釜31の開
口より少し下方に位置し、乾燥釜31の外周で鉢巻き状
に固定してある。
【0073】また、この乾燥釜31の開口の上端縁には
中心に大きくな開口を形成した環状形をした摺動板36
の下面を密着させてあり、乾燥釜31の上端縁と摺動板
36の下面とは電気溶接等で固着してある。この摺動板
36の中心軸と乾燥釜31の中心軸は一致させてあり、
この摺動板36によって乾燥釜31の上端開口は鋭い端
縁とはならず、フランジのような平面に形成されてい
る。これら乾燥釜31、下リング42、上リング43、
摺動板36は一体に組立てられていて、それぞれが一緒
に回転させられるようになっている。このような構成に
より、屎尿処理装置15の主要な部材である乾燥部21
が形成されている。
【0074】〔乾燥釜31の支持機構〕
【0075】次に、この乾燥部21において、乾燥釜3
1を支えるため構成について説明する。この乾燥釜31
を支えるための部材は、乾燥部21内に設けられた架台
32と中間板33とにより構成され、架台32と中間板
33はその平坦な部分を水平に位置させ、両者は間隔を
置いて上下に位置されている。なお、この支持の構成に
は上下方向に位置する支柱やチャンネル材などの部材が
必要となるが、図2、図4、図5、図8及び図9ではこ
れらの上下方向の支持のための支柱やチャンネル材など
の部材は図示せずに省略してある。
【0076】まず、この屎尿処理装置15の全体を支え
る架台32は図2、図4、図5、図8、図9で示されて
おり、乾燥部21の下部に位置しており、平坦となった
上面は屎尿処理装置15の底から少し上方に水平に位置
している。この架台32は薄肉鋼板を折り曲げて加工す
ることにより形成したものであり、その大部分の面積を
占める上面は平坦な形状となっており、この上面の四隅
はZ字形に外側に折り曲げられて支持脚40を形成し、
各支持脚40は屎尿処理装置15の底面に固着してあ
り、架台32の大部分を占める上面は屎尿処理装置15
の底面より少し持ち上げられて水平に支持されている。
この架台32の上面の中央には径大な導通穴46が貫通
開口してあり、この導通穴46の内径は前記乾燥釜31
の外径よりも少し大きくなるように設定してある。つま
り、架台32の上面の面積の大部分はこの導通穴46に
より打ち抜かれた形状となっている。
【0077】そして、この架台32の上方に位置して中
間板33がその平面部分を水平になるように支持してあ
り、架台32と中間板33は乾燥釜31に固着したある
下リング42と上リング43の間隔程度の間隔を置いて
平行に位置させてある。この中間板33は薄肉鋼板を折
り曲げて形成してあり、その平面形状は図3、図7で示
されるように、その平面となった四角い部分は架台32
の平面の形状とほぼ同じであり、さらに、図3、図7で
理解できるように回転作動部23の側(図3、図7で右
側)に向かって少し山形に拡張した部分が突起してい
る。つまり、この中間板33は薄肉鋼板で五角形の平面
形状に形成してあり、補強のために図4、図6で理解で
きるように周縁は少し下方に折り曲げてある。そして、
この中間板33のほぼ中央には径大な導通穴47が貫通
開口してあり、この導通穴47の内径は前記乾燥釜31
の外径よりも少し大きくなるように設定してある。さら
に、中間板33の五角形となった山形の延長部分には、
導通穴47より間隔を置いてモーター穴48が貫通開口
してある。このようにして、図7に示すように中間板3
3の中央の大部分には径大な導通穴47が開口し、この
導通穴47より少し離れてモーター穴48が開口してあ
り、両導通穴47とモーター穴48の中心軸を結ぶ直線
は前後の側面(図7において上下の辺)と平行になるよ
うに配置してある。
【0078】〔塵埃吸引部22、屎尿導入部27などの
支持機構〕
【0079】次に、屎尿処理装置15の上部に設けた塵
埃吸引部22、屎尿導入部27などを保持するための構
成に付いて説明する。これらの塵埃吸引部22、屎尿導
入部27などを保持するのは蓋支え板34であり、この
蓋支え板34に各種の部材が載置して固定してある。
【0080】この蓋支え板34は薄肉鋼板を折り曲げて
形成した平坦な形状のものであり、その平面を水平に保
持して前記中間板33より少し上方に位置させてある。
この蓋支え板34の平面形状は図3、図6で理解できる
ように正方形となっており、補強のためにその前後(図
3において上下、図6において右手前と左奥)の端縁は
少し下方に折り曲げてある。この蓋支え板34の平面の
部分には、図6で示すように投入口66、挿入口67、
導入穴79、排気穴80がそれぞれ貫通開口してある。
これらの開口の内で、投入口66が一番径大であり、次
いで挿入口67が径大であり、以下排気穴80、導入穴
79の順にその内径が小さくなるように設定してある。
これらの投入口66、挿入口67、導入穴79、排気穴
80の位置は、各開口の何れの部分も乾燥釜31の内径
の範囲内に位置するように配置してある。そして、各投
入口66、挿入口67、導入穴79、排気穴80の各中
心軸の位置は放射状に配置してあり、図6で示すように
径大な投入口66は前記中間板33に形成したモーター
穴48側に偏位させてあり、この投入口66を始点とし
て時計廻りに導入穴79、挿入口67、排気穴80を配
置してある。
【0081】これらの架台32、中間板33、蓋支え板
34は図2、図4、図5、図8、図9では図示していな
いが、各架台32、中間板33、蓋支え板34の四隅で
上下に延長してそれぞれの側面と固着した支柱やチャン
ネル材などで強固に支持してある。このようにして、乾
燥部21における主要な支持部材である架台32、中間
板33、蓋支え板34は上下に間隔を置いて三層に区分
されたテーブルで構成されていることになり、これらの
架台32、中間板33、蓋支え板34に各種の部材が固
定されている。なお、後で詳しく説明するが、前述した
導通穴46、47内には乾燥釜31を収納することがで
き、しかも、乾燥釜31は各導通穴46、47とは接触
しないように軸支してあるため、乾燥釜31は架台3
2、中間板33、蓋支え板34で組み立てられた三層の
テーブルの内部で回転自在に保持されている。
【0082】〔乾燥釜31を回転させて支持する下側の
機構〕
【0083】次に、前記架台32の上面には下リング4
2と接触して乾燥釜31を回転自在に支持するための下
側の機構が設けてある。この下側の支持の機構は図8、
図9、図10で詳しく示してある。
【0084】この架台32の上面であって導通穴46の
周縁には、導通穴46の中心軸より三等分された三箇所
の位置に乾燥釜31を上下に移動しないように規制する
上下保持機構50が設けてある。この上下保持機構50
では、鋼板等で形成された金具の軸支体51と、この軸
支体51の側面の上下で軸支された下ローラー52と上
ローラー53とから構成されている。各軸支体51は架
台32の上面の三個所にそれぞれ垂直に立ち上げて固定
してあり、各軸支体51の導通穴46に面した側面の下
側には下ローラー52が回転自在に軸支してあり、各軸
支体51の導通穴46に面した側面の上側には上ローラ
ー53が回転自在に軸支してある。この下ローラー52
と上ローラー53はその軸線を上下になるように配置し
てあり、下ローラー52の上縁と上ローラー53の下縁
とは下リング42の厚み程度の間隔を設けてあり、各下
ローラー52と上ローラー53の間に下リング42を挿
入してある。このため、下リング42の下面は下ローラ
ー52の上縁と接触し、下リング42の上面は上ローラ
ー53の下縁と接触し、下リング42(つまり、乾燥釜
31)が水平方向に回転すると、下ローラー52と上ロ
ーラー53は下リング42と接触しながら回転すること
になる。この上下保持機構50によって下リング42
(つまり、乾燥釜31)は上下方向に移動するのが規制
され、かつ、乾燥釜31の垂直になった中心軸を回転の
中心にして水平方向に回転できるように支持されてい
る。
【0085】さらに、架台32の上面であって導通穴4
6の周縁には、導通穴46の中心軸より三等分された三
箇所の位置にやや円筒形をした軸台54が固着してあ
り、各軸台54の上面には下横ローラー55を水平方向
で回転できるように軸支してある。それぞれの下横ロー
ラー55の周面には下リング42の外周が接触させてあ
り、下リング42(つまり、乾燥釜31)が回転すると
その周面で接触している各下横ローラー55が従動され
て回転し、下リング42(つまり、乾燥釜31)は三個
所にある3つの下横ローラー55によって水平方向に移
動することが規制され、その中心軸を回転の中心として
支持されている。
【0086】〔乾燥釜31を回転させて支持する上側の
機構〕
【0087】次に、前記中間板33の上面には上リング
43と接触して乾燥釜31を回転自在に支持するための
上側の機構が設けてある。この上側の支持の機構は図
9、図10で詳しく示してある。
【0088】この中間板33の上面であって導通穴47
の周縁には、導通穴47の中心軸より三等分された三箇
所の位置にやや円筒形をした軸台56が固着してあり、
各軸台56の上面には上横ローラー57を水平方向で回
転できるように軸支してある。それぞれの上横ローラー
57の周面には上リング43の外周が接触させてあり、
上リング43(つまり、乾燥釜31)が回転するとその
周面で接触している各上横ローラー57が従動されて回
転し、上リング43(つまり、乾燥釜31)は三個所に
ある3つの上横ローラー57によって水平方向に移動す
ることが規制され、その中心軸を回転の中心として支持
されている。なお、この上横ローラー57の高さは、前
記上下保持機構50によって下リング42が支えられ、
乾燥釜31の高さ位置が決定した状態で、上横ローラー
57の上面が上リング43の上面より突出しない位置に
あるように設定してある。
【0089】このようにして下ローラー52、上ローラ
ー53、下横ローラー55、上横ローラー57により下
リング42と上リング43(つまり、乾燥釜31)はそ
の中心軸を垂直に維持し、下リング42と上リング43
(つまり、乾燥釜31)はその中心軸が偏心しないよう
にしてその場所で水平方向に回転することができ、乾燥
釜31が振動や偏心力によって垂直方向及び水平方向に
移動しないように規制している。これらの下リング4
2、上リング43、上下保持機構50、下横ローラー5
5、上横ローラー57によって回転保持機構が構成され
ている。
【0090】〔乾燥釜31を駆動するための機構〕
【0091】上述のように乾燥釜31を支持する機構に
付いて説明したが、この機構により乾燥釜31は水平方
向に自由に回転することができるが、乾燥釜31は外部
から駆動力を与えなければそれ自体では回転できない。
次に、乾燥釜31を駆動するための機構を説明する。こ
の構成は、図3、図4、図5、図7、図8、図9、図1
0で示されている。
【0092】前記上リング43の上面にはその外周に歯
形を形成した大歯車63が載置してあり、上リング43
と大歯車63は溶接等によって一体となるように固着し
てある。この上リング43の外径は乾燥釜31の外径よ
りも少し大きく設定してあるため、上リング43の上面
は乾燥釜31の側面よりも外方に突出しており、また、
大歯車63の内径は乾燥釜31の外径よりも少し大きく
なるように設定してある。このため、乾燥釜31の上部
より大歯車63を挿入すると、大歯車63は摺動板36
を通過して上リング43の上面に接触し、この上リング
43によって大歯車63が保持される。こうして、大歯
車63は上リング43上に載置され、電気溶接などによ
り固着されるが、この固着においては大歯車63の中心
軸と乾燥釜31の中心軸を一致させておく。
【0093】このような構成により、乾燥釜31、下リ
ング42、上リング43、摺動板36、大歯車63は一
体となるように組み合わされ、しかも、各部材は電気溶
接等によって固着してあるため、全体が一体となって回
転することができ、しかも、下リング42と上リング4
3は下ローラー52、上ローラー53、下横ローラー5
5、上横ローラー57によって回転できるように保持さ
れているため、乾燥釜31はその中心軸を一定位置で垂
直に維持しながら水平方向にのみ回転することができ
る。このときには、架台32の上方に下リング42が位
置しており、中間板33の上方に上リング43が位置し
ていることになる。
【0094】〔乾燥釜31を密閉するための機構〕
【0095】前述のように、この乾燥釜31が下リング
42と上リング43によって保持され、下リング42が
下ローラー52と上ローラー53と下横ローラー55で
支えられ、上リング43が上横ローラー57で支えられ
ていると、乾燥釜31は空中で回転自在に保持されてい
ることになる。この状態のときには、乾燥釜31の上縁
に固着した摺動板36の上面は蓋支え板34の下面より
少し低い位置にあり、摺動板36と蓋支え板34の間に
は図5で示すように隙間が存在するいることになる。こ
のままの状態では、乾燥釜31の内部と外囲とは自由に
連通し、乾燥釜31から蒸発した水蒸気はそのまま外気
に流出し、悪臭を発生する原因となり、後の処理もでき
なくなるため、乾燥釜31の上部開口は閉鎖しておかな
ければならない。
【0096】前記蓋支え板34の下面の中央にはこの乾
燥釜31を閉鎖するためのシールリング37が固着して
ある。このシールリング37は柔軟性のあるシリコン樹
脂などで形成してあり、図6で示すように中央に大きな
開口を設け、周囲が無端状に連続した環状形をしてお
り、上面側は平坦に形成してあり、下側は下方に向かっ
て少し広がってスカート状となった弾性部分が形成して
ある。このシールリング37の上面の平坦部を蓋支え板
34の下面に固着し、シールリング37の下部の周囲に
向かって少し広がったスカート状部の先端は摺動板36
の上面に弾性力を持たせながら接触させてある。このた
め、弾性のある材料で形成されたシールリング37は摺
動板36と一定の圧力を保ちながら接触し、図5で示す
ように摺動板36と蓋支え板34の隙間を塞ぐように配
置される。このシールリング37と摺動板36は接触し
ているが両者は固着されていないため、摺動板36(つ
まり、乾燥釜31)が回転するのを妨げず、シールリン
グ37は乾燥釜31を回転自在に維持しながら乾燥釜3
1の内部と外囲とが連通するのを防止している。これら
の摺動板36とシールリング37によって気密手段が構
成されている。
【0097】〔乾燥釜31内での乾燥を補助する部材〕
【0098】次に、前記乾燥釜31内には屎尿を貯留
し、乾燥釜31を加熱することにより屎尿を蒸発させ
る。しかし、乾燥釜31による加熱だけであっては屎尿
の蒸発は円滑に行われず、また、貯留した屎尿の温度を
均一に攪拌させなければならない。このため、乾燥釜3
1内には、屎尿の加熱を補助すると共に攪拌の作用を行
わせる複数個の蓄熱体44(攪拌手段)が挿入してあ
る。この蓄熱体44は球形状をしており、鉄、真鍮等の
金属、あるいは焼結によって形成したセラミックなどを
その材質としてある。
【0099】〔回転作動部23による駆動の機構〕
【0100】次に、回転自在に保持した乾燥釜31を駆
動するための回転作動部23の構成を図2、図4、図
5、図10などにより説明する。この回転作動部23は
モーター61、小歯車62によって構成されており、こ
のモーター61は架台32と中間板33によって保持さ
れ、小歯車62はモーター61の回転軸64に固着して
ある。このモーター61はその外形が円筒形状となって
おり、回転軸64を除く全長は架台32と中間板33の
間隔にほぼ一致させてあり、その軸線が垂直になるよう
に立ち上げてある。このモーター61は、その首の部分
を中間板33のモーター穴48に挿入し、その底面を架
台32の上面に載置することにより乾燥部21の側面に
取り付けてある。
【0101】そして、モーター61の回転軸64は中間
板33に開口したモーター穴48より上方に突出させて
あり、この回転軸64には小歯車62を嵌め込んで固定
してある。この小歯車62の外周には歯面が形成してあ
り、この小歯車62の歯面は前記大歯車63の外周に形
成した歯面に噛み合わせてある。このため、モーター6
1が作動すると回転軸64が回転し、その回転力は小歯
車62を回転させ、次いで噛み合っている大歯車63を
反対方向に従動させ、この大歯車63の回転により乾燥
釜31が駆動される構成となっている。これらのモータ
ー61、小歯車62、大歯車63によって駆動手段が構
成されている。
【0102】〔蓋支え板34の上部にある機構〕
【0103】そして、蓋支え板34の上面には図2、図
4、図5、図6で示されるように、円盤形をした蓋板3
5が載置して固定してある。この蓋板35はやや厚い一
枚の鋼板を円形に切り取って加工したものであり、蓋板
35には図6で示すように導入穴59、排気穴60、投
入口69、挿入口70がそれぞれ貫通開口してある。こ
れらの導入穴59、排気穴60、投入口69、挿入口7
0は蓋板35の中心から四方に放射状に配置してあり、
それぞれの位置関係では、投入口69は前記投入口66
に一致させ、挿入口70は前記挿入口67に一致させ、
導入穴59は前記導入穴79に一致させ、排気穴60は
前記排気穴80に一致させてある。そして、投入口66
に対応する投入口69、挿入口67に対応する挿入口7
0、導入穴79に対応する導入穴59、排気穴80に対
応する排気穴60のそれぞれの穴の内径は対応する穴の
内径にほぼ一致させてある。また、蓋板35の上面であ
って投入口69の開口の周縁に位置して、その内径を投
入口69の内径に一致させた円筒形の連結フランジ68
が配置してある。この連結フランジ68の下端と蓋板3
5の上面とは電気溶接などで気密に固着してあり、この
連結フランジ68の上端に屎尿導入部27の下端を連結
するようになっている。
【0104】このように加工した蓋板35の下面を蓋支
え板34の上面に密着させ、投入口66と投入口69を
合わせ、挿入口67と挿入口70を合わせ、導入穴79
と導入穴59を合わせ、排気穴80と排気穴60を合わ
せることで位置決めし、両蓋板35と蓋支え板34を連
結する。このため、シールリング37によって閉鎖され
た乾燥釜31の内部と外部を連通する4つの穴が蓋板3
5に形成されたことになる。こうして、気密に保持され
た乾燥釜31の内部空間は導入穴59、排気穴60、投
入口69、挿入口70を介してのみ外部と導通し、乾燥
釜31の側面は外部からは閉鎖させられている。
【0105】〔屎尿導入部27の機構〕
【0106】次に、前述した便器16と乾燥部21の間
に介在される屎尿導入部27の構成を図2、図3、図4
により説明する。図1で示すように、便器16内には仮
設便所11の利用者より排泄された屎尿が投入される
が、この便器16に投入された屎尿は閉鎖された乾燥釜
31の内部空間に導入しなければならない。このため、
便器16と乾燥部21の間には、屎尿投入弁71と投入
パイプ72から成る屎尿導入部27が介在させてある。
【0107】前記連結フランジ68の上端開口には電動
により動作されるバタフライ弁を内蔵した屎尿投入弁7
1が連結してあり、この屎尿投入弁71の上端には薄肉
のパイプ形状をした投入パイプ72が連結してある。こ
の投入パイプ72はその軸線を垂直上方に向けて立ち上
げてあり、投入パイプ72の上端開口には便器16の下
部に形成して屎尿を落下させる開口を接続してある。な
お、便器16の下部開口と投入パイプ72の上端開口を
接続する場合には、蛇腹状に連続した形状を持ち、内部
の空洞の内径を維持したままで左右方向に自由に曲げる
ことができるフレキシブルの接続パイプを用いることで
も良い。
【0108】〔塵埃吸引部22の機構〕
【0109】次に、蓋板35上に載置され、乾燥釜31
内に残留した塵埃を吸引して清掃する機能を持つ塵埃吸
引部22の機構に付いて説明する。この塵埃吸引部22
では、蓋板35の上面に固定されて乾燥釜31より露出
した機構と、蓋支え板34の下面に固定され乾燥釜31
の内部空間に位置する機構とに上下二つの機構に区分さ
れる。この塵埃吸引部22の構成は、図2、図3、図4
により蓋板35より外部に露出した部分が示され、図5
により全機構の断面構造が、図11、図12により上下
二つのそれぞれの機構が示され、図13によって機構の
一部を拡大した構造が示されている。
【0110】この塵埃吸引部22をその機能により区分
すると、蓋支え板34の下面にその上端が取り付けら
れ、その軸線を垂直にして下方に向けて乾燥釜31の底
付近にまで延長した制動部81と、蓋板35の上面に固
定され、制動部81の軸線方向にパイプを上下動させる
伸縮部82と、蓋板35の上面に固定され、この伸縮部
82を駆動するための作動部83と、蓋板35の上面に
固定され、伸縮部82の動作を制御するための案内部8
4とに分けられる。そして、図5においてはこの制動部
81、伸縮部82、案内部84が垂直に切断されて内部
の構造が示されており、図11では制動部81、伸縮部
82、作動部83を組み合わせた状態が示されており、
図12では制動部81、伸縮部82、作動部83の各ユ
ニットを組み立てる前の状態を示す分解斜視図であり、
図13は伸縮部82と案内部84を組み合わせる前の状
態を示す分解斜視図である
【0111】〔制動部81の構成〕
【0112】まず、図5、図7、図11、図12により
制動部81の詳しい構成を説明する。この制動部81の
中央には薄肉鋼板を丸めるか引き抜き鋼管で形成した細
長い固定パイプ87が設けてあり、この固定パイプ87
は内部が中空で上下が開口しており、その軸線が垂直と
なるように配置してある。この固定パイプ87の上端に
は取付板88が固着してあり、この取付板88は薄肉の
鋼板を長方形に切断し、その一方の長辺の側面からえぐ
るようにしてU字溝91を形成してある。このU字溝9
1の開口部分の幅は固定パイプ87の内径とほぼ一致さ
せてあり、固定パイプ87の上端開口がU字溝91の内
周と重なるようにして固定パイプ87の上端を取付板8
8の下面に接触させ、両者を電気溶接等で固着してある
(図7、図11を参照のこと)。
【0113】そして、固定パイプ87の下部側面には、
薄肉鋼板を直角に折り曲げて形成した邪魔板89をその
折り曲げた内側を固定パイプ87の外周と接するように
して固着してある。この邪魔板89は長方形の薄肉鋼板
をその中央で直角に折り曲げたもので、曲げられた内側
を固定パイプ87に固着した状態では固定パイプ87の
下端より邪魔板89の下辺が下方に位置しており、この
邪魔板89の下辺にはノコギリ状の凹凸の形状が形成し
てある。また、邪魔板89の直角に折り曲げられた内側
には細長い薄肉鋼板の両側を少し折り曲げた形状の補強
板90が固着してあり、前記固定パイプ87の側面を補
強板90の内側に接触させて両者を電気溶接などで固着
してある。つまり、邪魔板89と補強板90によってや
や三角形状の空間を形成し、この空間内に固定パイプ8
7の下端を挿入し、固定パイプ87の下端は邪魔板89
と補強板90に固着されたことになり、補強板90と邪
魔板89が固定パイプ87の下端を取り巻くようにして
固定してあるため、邪魔板89は固定パイプ87に強固
に保持されていることになる(図7、図11を参照のこ
と)。
【0114】また、邪魔板89の内側であって補強板9
0との間には、この乾燥釜31内の温度を検知し、その
温度を電気信号に変換して出力する温度センサー92が
固着してある。この温度センサー92はその外周が邪魔
板89と補強板90によって囲まれており、乾燥釜31
が回転してもこの温度センサー92が蓄熱体44に接触
するのを防止している。
【0115】このように、固定パイプ87、取付板8
8、邪魔板89、補強板90によって制動部81は組み
立てられている。この制動部81を取り付けるには、こ
の取付板88の上面を蓋支え板34の下面に接触させ、
固定パイプ87の中心軸を挿入口67の中心軸に一致さ
せた後で蓋支え板34に取付板88をネジ止めすること
により、取付板88を含む制動部81は蓋支え板34の
下面に固定される。このように制動部81が蓋支え板3
4に固定された状態において、固定パイプ87は乾燥釜
31の下方に向けて延長しており、その軸線は垂直に保
持されている。そして、邪魔板89の直角に折り曲げら
れたその角部分は、図7で示すように乾燥釜31の中心
軸の方向に向けてあり、邪魔板89の両側にあるそれぞ
れの終端は乾燥釜31の内壁に接近するように位置させ
てある。
【0116】また、取付板88が蓋支え板34の下面に
固定された状態では、図5、図11に示すように邪魔板
89の凹凸状となった下端が乾燥釜31の内底よりも少
し高い位置になるようにその長さを設定してある。この
ため、制動部81のいずれの部分も乾燥釜31の内側、
内底に接触せず、制動部81全体が乾燥釜31の内部空
間に位置していても乾燥釜31が自由に回転するのを妨
げることがない。なお、乾燥釜31の内部には前述した
ように複数の蓄熱体44が収納してあり、乾燥釜31が
回転するとこれらの蓄熱体44も従動して回転しようと
するが、蓄熱体44は邪魔板89の側面と接触し、蓄熱
体44が乾燥釜31と共に回転するのを防ぐことにな
る。
【0117】〔伸縮部82の構成〕
【0118】次に、前記伸縮部82の構成に付いて、図
5、図11、図12、図13により詳しく説明する。こ
の伸縮部82は蓋板35の上面に設けられ、制動部81
の固定パイプ87の内部で吸引パイプ97を上下に移動
させるものである。
【0119】前記蓋板35の上面であって挿入口70の
上部には、中央に貫通開口を形成した支持台94が電気
溶接などにより固定してあり、挿入口70の中心軸と支
持台94の中心軸とが一致するように位置を合わせてあ
る(なお、支持台94、挿入口70、挿入口67、固定
パイプ87の各中心軸はいずれも一致させて位置させて
ある)。この支持台94は、外形がややフランジ状をし
た円筒形をしており、その中央には上下に貫通した開口
を形成してあり、この支持台94の上面には作動歯車9
5(回転作動体)の下面に固着してある円筒形の回転筒
部101を支持台94に対して水平方向に回転自在に載
置してある(図5を参照)。
【0120】この作動歯車95はその中央に開口した開
口の内周に雌ネジを形成してあり、その外周には歯面を
形成してあり、作動歯車95の中心軸は支持台94の中
心軸と一致するように支持台94に載置してある。ま
た、この作動歯車95の開口に挿通されるネジパイプ9
6は、内部が上下に連通開口したパイプ状をしており、
その外周には雄ネジが形成してあり、この雄ネジを作動
歯車95の雌ネジにねじ込むようにして挿入してある。
このネジパイプ96は吸引パイプ97の内部空間に上下
動できるように挿入されるものであり、支持台94、挿
入口70、挿入口67を通過した後に、固定パイプ87
の内部にまで挿入されるものである。このネジパイプ9
6の長さは、ネジパイプ96が最下端に下降した状態の
とき(図5、図11で示す状態)に、このネジパイプ9
6の下端が固定パイプ87の中間に位置する程度の長さ
に設定してある。
【0121】さらに、このネジパイプ96の下端には少
し細径の吸引パイプ97が連結して固着してあり、この
吸引パイプ97は上下に貫通したパイプ状をしており、
ネジパイプ96の下端と吸引パイプ97の上端を接合す
ることで上下に連続した一体のパイプが形成されたこと
になる。このネジパイプ96と吸引パイプ97の結合部
分は気密に接合してあるため、吸引パイプ97の下端開
口から吸い上げられた空気はネジパイプ96の上端開口
まで漏れることなく移動することができる。そして、こ
の吸引パイプ97の長さは、ネジパイプ96が最下端に
下降した状態のとき(図5、図11で示す状態)に、こ
の吸引パイプ97の下端が邪魔板89の下端とほぼ一致
する長さに設定してある。これらのネジパイプ96と吸
引パイプ97によって塵埃吸上げ用パイプが構成されて
いる。
【0122】次に、蓋板35より上方に位置しているネ
ジパイプ96の上端には中央に開口を形成した頂部リン
グ98がその軸線を一致させて電気溶接などにより固着
してあり、この頂部リング98の外側には水平方向に直
線状に延長した制動杆99が突起するように固着してあ
る。このため、ネジパイプ96、頂部リング98、制動
杆99は一体となって組み立てられていることになる。
さらに、頂部リング98の上端開口には内部が空洞でL
字形に折れ曲げられ、ネジパイプ96からの空気を流動
させるための放出パイプ100が接続してある。
【0123】このように構成することにより、伸縮部8
2ではネジパイプ96を固定パイプ87内に挿入し、或
いは引き出すことができる。すなわち、作動歯車95を
回転筒部101と共に回転させると、作動歯車95の内
周に形成した雌ネジがネジパイプ96の外周に形成した
雄ネジの周面を摺動し、両者のネジピッチに従ってネジ
パイプ96を上方或いは下方に移動させることができ
る。このネジパイプ96の上下動により連結した吸引パ
イプ97も固定パイプ87の内部で上下に移動し、吸引
パイプ97の下端開口に位置を変動させることができ
る。
【0124】〔作動部83の構成〕
【0125】次に、前記作動部83の構成を図11、図
12と共に詳しく説明する。この作動部83は前記作動
歯車95を駆動してネジパイプ96と吸引パイプ97を
上下動させるもので、蓋板35の上面に固定されるモー
ター台102、このモーター台102の上部に固定され
回転数を減速する減速機105、減速機105の上部に
固定されたモーター103、減速機105の出力軸に嵌
め込まれた小歯車104とから構成されている。
【0126】このモーター台102は薄肉鋼板を折り曲
げてコの字形に形成したもので、そのコの字形に形成さ
れた開口端を下方に向け、その両側で左右に開いた脚部
を蓋板35の上面に密着させ、その脚部と蓋板35をネ
ジ止めすることでモーター台102を蓋板35に固定し
てある(図12を参照)。なお、モーター台102の側
面でコの字形に開口した開放部分の一方は前記作動歯車
95に向けてあり、モーター台102を蓋板35に固定
したときにモーター台102の上辺は作動歯車95より
高い位置になるような形状に設定してある。
【0127】そして、モーター台102の上面には四角
いブロック形状をした減速機105が固着してあり、こ
の減速機105はその内部に複数の歯車を収納し、入力
したモーター103の回転数を減速して出力するもので
ある。さらに、この減速機105の上部には電気を供給
することにより出力軸を回転させるモーター103が固
着してあり、このモーター103の出力軸は減速機10
5の内部に噛み合わせるようにして下方に向けてある。
この減速機105の回転を出力する出力軸は下方に向け
てあり、この出力軸は前記モーター台102のコの字形
となった空間に位置しており、出力軸には小歯車104
が嵌め込んである。こうして、モーター103の回転の
出力は減速機105で減速させられた後、モーター台1
02の下面にある出力軸を回転させ、同時に嵌め込んで
ある小歯車104を減速した回転数で回転することにな
る。そして、作動歯車95と小歯車104のそれぞれの
外側に形成した歯面は、回転を伝動するように両者を相
互に噛み合わせてあり、この噛み合わせの状態は図11
で示される。
【0128】〔案内部84の構成〕
【0129】次に、案内部84の構成を図13と共に詳
しく説明する。この案内部84は伸縮部82におけるネ
ジパイプ96が上下方向にのみ移動することを規制し、
かつ、ネジパイプ96の移動における最高高さ位置と最
低高さ位置を制御することができるものである。
【0130】この案内部84は前記蓋板35の上面であ
って、伸縮部82に接近した位置に載置して固定されて
いるものである。この案内部84は、蓋板35に固定さ
れる平板状をした固定板107と、この固定板107の
上面に固定されて上方に延長した案内体108と、固定
板107の上面に固定されて上方に延長した支持板11
0とによって構成されている。この固定板107は薄肉
鋼板を長方形に切断して形成してあり、その下面を蓋板
35の上面に密着して電気溶接などにより両者を固着し
てあり、固定板107は前記支持台94の側面に接近し
て位置させてある。そして、案内体108は薄肉の金属
板を折り曲げ、一方の側面を無くした上下に細長い箱形
に形成してあり、この案内体108の一方の短辺を固定
板107の上面に電気溶接などにより固着し、その長さ
方向を垂直になるように立ち上げてある。この案内体1
08の側面(箱の底の部分に該当する面)は前記ネジパ
イプ96の方向に向けてあり、このネジパイプ96に向
けてある側面には上下に延長したスリット状の摺動溝1
09(接触面)が直線状に切り込まれている。この摺動
溝109には頂部リング98に突起させた前記制動杆9
9を挿入してあり、制動杆99はこの摺動溝109の両
側縁と接触しながら、摺動溝109の長さ方向にのみ移
動することができるように規制している。
【0131】次に、支持板110は薄肉の金属板を細長
く切断して形成したものであり、この支持板110の下
端を固定板107の上面であって案内体108に接近し
た位置に電気溶接などにより固着してあり、固定板10
7と案内体108とは間隔を置いて平行になるように配
置してある。この固定板107はその長さ方向を垂直に
立ち上げてあり、固定板107の頂部リング98に面し
た側面の下部にはリミットスイッチ111が固着してあ
り、同様にその側面の上部にはリミットスイッチ112
が固着してある。これらリミットスイッチ111、11
2からはそれぞれの接触子113、114が水平に突出
しており、接触子113は摺動溝109の下部で直角に
交差するように配置してあり、接触子114は摺動溝1
09の上部で直角に交差するように配置してある。両接
触子113、114は案内体108の側面とは接触せ
ず、独立して水平に保持されており、摺動溝109に案
内されて制動杆99が上下に移動すると、制動杆99が
最下位置にまで下降すると接触子113に接触し、制動
杆99が最高位置にまで上昇すると接触子114に接触
し、それぞれの接触子113、114と制動杆99が接
触することでリミットスイッチ111、112は制動杆
99の位置信号を出力することができる。
【0132】〔加熱部28の機構〕
【0133】また、加熱部28は、図4、図5、図8、
図9で示されるように、その外形は偏平な箱状をしてお
り、支持脚40により底面より持ち上げられた架台32
の下部の空間に配置してあり、加熱部28の上面は乾燥
釜31の底面より少し離して位置させてある。この加熱
部28はその内部に収納した高周波電磁コイルによって
乾燥釜31と蓄熱体44を渦電流損を発生させて発熱さ
せるものであり、この加熱部28は電磁力線発生のため
のユニット化されており、この加熱部28の内部の構造
を図14と共に詳しく説明する。
【0134】この加熱部28では、その外箱は内部が空
洞のコイル容器75となっており、このコイル容器75
は箱状の箱体118と蓋板119とから構成されてい
る。この箱体118は薄肉の金属板を折り曲げて底部分
が正方形であり、その周囲の四辺を立ち上げた箱状をし
ており、蓋板119は薄肉の金属板を四角形に切断し、
その平面形状が箱体118の底部分の形状とほぼ同じに
設定してある。この箱体118の上面の開口部にこの蓋
板119を密着し、両者をネジ止めや電気溶接すること
でコイル容器75が組み立てられており、コイル容器7
5は内部が空洞であって外部から閉鎖された構成となっ
ている。この箱体118の一方の側面(図14において
左側)の中央にはパイプ状をした吸気管76が接続して
あり、箱体118の他方の側面(図14において右側)
の中央にはパイプ状をした排気管77が接続してある。
このため、外部から密閉されたコイル容器75には吸気
管76から外部の空気が流入し、コイル容器75を通過
した後に排気管77によって排出されることになる。
【0135】この箱体118の内部の中央には磁力線を
発生させるための偏平の円筒形をした高周波コイル12
0が固定してあり、この高周波コイル120は箱体11
8の内側面と密接せずに多少の隙間を空けて配置してあ
り、吸気管76から流入した空気が箱体118の内部空
間を流動し、高周波コイル120と接触することで熱交
換をした後に排気管77より加熱された空気が排出され
るために充分な隙間が設けてある。そして、この高周波
コイル120からは電力供給用の一対の電力線121が
延びており、これらの電力線121の終端は箱体118
の側面(排気管77を突出させた図14において右側の
面)に絶縁して固定した一対の電極122に接続してあ
る。なお、一対の電極122は排気管77の左右に突起
して配置してある。
【0136】〔防臭部26の機構〕
【0137】次に、図2、図3において屎尿処理装置1
5の後部(図2において右側奥、図3において上部)に
配置されている防臭部26の内部の構造を図15と共に
詳しく説明する。この防臭部26は乾燥釜31で蒸発さ
れた屎尿の成分の内で悪臭の原因となる要素を除去し、
仮設便所11の周囲に悪臭を漂わせないようにするため
のものである。
【0138】この防臭部26の外形は図2、図3で理解
できるように、閉鎖された長方形の箱状をしている。こ
の防臭部26の外殻は薄肉の金属板を折り曲げて形成し
た箱状の除臭箱125であり、除臭箱125は内部が中
空であって外部から密閉されており、長方形の長い側面
を水平方向に延長してある。この除臭箱125のやや正
方形となった小さい面積の一方の側面(図15において
左側)の中央には排気パイプ126が接続してあり、小
さい面積の他方の側面(図15において右側)にはT字
形をしたエゼクター127の吸引側が接続してある。
【0139】この除臭箱125の内部においては、1つ
のユニットのフィルター128と2つのユニットの触媒
129が収納してある。このフィルター128はガラス
繊維やアクリル繊維等の細かい目詰まりした材料を重ね
て除臭箱125の内形とほぼ同じ外形の長方形に形成
し、この除臭箱125の内部に空気の流路を塞ぐように
収納してあり、フィルター128に空気を流動させるこ
とで細かい塵埃を繊維目で吸着できるものである。ま
た、触媒129は金属網などで形成してその外形を除臭
箱125の内形とほぼ同じに形成した長方形であり、そ
の内部には白金、プラチナ等の貴金属の荒い粒子を組み
込んであり、空気の流動を許容する構造となっている。
この触媒129は同じ形状のユニットが2つあり、前記
除臭箱125の内部であってフィルター128よりエゼ
クター127の間に位置させ、除臭箱125の内部の流
路を塞ぐように2段階に収納してある。
【0140】なお、図2、図3で示した屎尿処理装置1
5における除臭箱125には図示していないが、この除
臭箱125の外周はその全域にわたってガラス繊維等の
材料による断熱材で包まれており、さらにこの断熱材の
外周をアルミ箔によって梱包してあり、除臭箱125の
内部の熱が外部に発散しないように断熱性能を良好に保
たせてある。
【0141】〔屎尿処理装置15の配管の接続〕
【0142】次に、図16により、本実施例における屎
尿処理装置15の各機構間を結ぶ配管の接続状況を説明
する。この図16では、便器16から乾燥釜31へ屎尿
を流動させるための配管と、送風部25の送風機135
からエゼクター127などの各機構に空気を流通させる
ための配管を図示したものである。
【0143】前記コイル容器75の吸気管76の端部に
は、外囲より空気をこの屎尿処理装置15の内部機構に
供給するためのフィルター箱132の一端が連結してあ
り、このフィルター箱132の他端は外気に開放してあ
る。このフィルター箱132の内部は空洞であり、外部
からは密閉してあるが両端には空気の流動を行わせる開
口が設けてあり、一方の開口は吸気管76に接続してあ
り、他方の開口は外気に開放してあり、その内部には空
気中の塵埃を吸着するためのフィルター133を収納し
てある。また、コイル容器75の排気管77の端部には
吸気パイプ134が接続してあり、吸気パイプ134に
は三方に切り換えることのできる切換弁138の一方の
切換側に接続してある。
【0144】次に、前記の送風部25は空気を吸引して
圧送する送風機135を主要な構成部材としており、こ
の送風機135の吸入側にある吸入パイプ136の端部
には切換弁138の共通端が接続してある。そして、こ
の送風機135が作動して空気を圧縮して送気する送出
側には排出パイプ137が接続してあり、この排出パイ
プ137の終端には前記エゼクター127の流入側が接
続してある。また、排出パイプ137の途中には細径の
バイパスパイプ139が接続してあり、排出パイプ13
7中を流動する空気の一部はこのバイパスパイプ139
にも流入することができる。このバイパスパイプ139
の終端には開閉の動作を行う開閉弁140の一端が接続
してあり、開閉弁140の他端には再加熱箱141の一
端が接続してある。この再加熱箱141は内部が空洞で
両端には空気を流動させるための開口を形成してあるも
ので、その内部には空気を加熱するためのヒーター14
2を収納してある。
【0145】この再加熱箱141はバイパスパイプ13
9から流入した空気を加熱して高温に温めて排出するも
のであり、再加熱箱141の他端には熱風パイプ143
が接続してある。この熱風パイプ143の終端は前記排
気パイプ126に接続してあり、排気パイプ126の側
面には排風パイプ145の終端が接続してある。この熱
風パイプ143の終端開口は排気パイプ126の内部に
少し突出してあると共に、排風パイプ145の終端開口
が熱風パイプ143の終端の側面に位置するように配置
してあり、排風パイプ145からの空気はこの排気パイ
プ126内で螺旋状に旋回できるように構成してある。
さらに、排風パイプ145の他端には開閉の動作を行う
開閉弁144の一端に接続してあり、開閉弁144の他
端には乾燥釜31の内部と連通している排気穴60と接
続してある(図6を参照。開閉弁144は排気穴60、
80を介して乾燥釜31の内部に通じている)。
【0146】また、前記エゼクター127は排出パイプ
137から流入した空気をそのまま通過させて大気中に
拡散させる機能を持つものであり、エゼクター127の
内部の空気の流路の中央には絞り部分を有し、絞り部分
の側面には除臭箱125の流出端(密閉した除臭箱12
5には2つの開口端が形成してあり、図15において、
排気パイプ126を接続した開口側を流入端、エゼクタ
ー127を接続した開口側を流出端とする)が接続して
ある。このような接続のため、排出パイプ137から圧
送された空気がエゼクター127内を通過する際に、エ
ゼクター127の絞り部分で高速となり、この絞り部分
の気圧を負圧とし、除臭箱125の流出端より空気を吸
引することになる。こうして、エゼクター127は排出
パイプ137から供給された空気を外囲に拡散すると同
時に、除臭箱125の内部の空気を吸引して混合して外
囲に拡散することができる。
【0147】そして、エゼクター127の空気の排出側
の側面には、流動している空気の一部を取り入れるため
の導風口146が開口してあり、この導風口146には
補助パイプ147の先端を接続してある。この補助パイ
プ147の終端には開閉することができる開閉弁148
の一端に接続してあり、開閉弁148の他端には乾燥釜
31の内部と連通している導入穴59が接続してある
(図6を参照。開閉弁148は導入穴59、79を介し
て乾燥釜31の内部に通じている)。
【0148】次に、前記塵埃回収部22における放出パ
イプ100の終端には開閉できる開閉弁151の一端が
接続してあり、開閉弁151の他端には塵埃パイプ15
2が接続してある。前述した塵埃分離部24は電機掃除
機のゴミ分離機構とよく似た構造をしており、内部が空
洞で外部から閉鎖されたゴミ回収箱153と、このゴミ
回収箱153の内部に収納されたゴミ袋154から構成
されている。このゴミ袋154は紙、布などの空気を通
過させるが塵埃を流通させない材質で袋状に形成されて
おり、放出パイプ100から流入した空気の中に含まれ
る塵埃をその膜面で分離できるものであり、袋状に縫い
合わせたゴミ袋154はゴミ回収箱153の内部の空間
を充満させるように膨らませてある。前述した塵埃パイ
プ152の先端はこのゴミ回収箱153の内部にまで延
長しており、塵埃パイプ152の先端開口はゴミ袋15
4の内部の空間で開放するように連結してある。このた
め、塵埃パイプ152はゴミ袋154の袋状となった内
部空間とのみ連通しており、塵埃パイプ152の終端開
口からゴミ袋154の内部に流入した空気は必ずゴミ袋
154の膜面を通り過ぎてからゴミ回収箱153の内部
に流出できる構成となっている。そして、ゴミ回収箱1
53の上部にはゴミ回収箱153の内部空間と連通する
ようにして吸引パイプ155の一端が接続してあり、吸
引パイプ155の他端は前記切換弁138の他方の切換
側に接続してある。
【0149】〔液面センサー158の機構〕
【0150】また、図1から図15においては図示して
いないが、図16のほぼ中央において乾燥釜31の内部
には一対の電極で構成された液面センサー158が固定
してある。この液面センサー158はその基部を蓋支え
板34の下面に固定してあり、一対の液面センサー15
8は図6における導入穴79と排気穴80の間で両者を
一定の間隔を離して位置させてある。このため、液面セ
ンサー158は乾燥釜31の空間に上部から下方に垂れ
下がったように配置されており、両液面センサー158
の下端は乾燥釜31に屎尿を満たした際に処理できる液
面高さに設定してある。この液面センサー158は蓋支
え板34に固定した基部は絶縁してあるが、両者の先端
(下端)は電導性のある金属材料を露出させてあり、両
液面センサー158の先端に屎尿が接触することで電流
が流れ、乾燥釜31の限界高さ位置にまで屎尿が投入さ
れたことを判断するものである。
【0151】〔屎尿処理装置15の制御系統の構成〕
【0152】次に、図17により本実施例における屎尿
処理装置15全体を自動的に制御する電気系統の構成を
ブロック図により説明する。この屎尿処理装置15の全
体の機構は中央演算回路165によって制御されてお
り、この中央演算回路165はCPU(マイクロプロセ
ッサーや中央演算素子など)やプログラムを記憶させた
不揮発性メモリー(ROM)等から構成されており、予
め決められた手順と条件により屎尿処理装置15を最適
の状態で作動させることができ、故障や不適当な条件の
下では自動的にその動作を停止させることができるもの
である。
【0153】〔中央演算回路165への入力信号系統〕
【0154】まず、前述の液面センサー158の出力信
号はオーバーフロー表示回路167に入力しており、オ
ーバーフロー判別回路161による判別信号は中央演算
回路165に入力している。温度の変化を見る温度セン
サー92の出力は温度判別回路162に入力しており、
この温度判別回路162の判別信号は中央演算回路16
5に入力している。そして、前述したハウス13内に設
けられ、仮設便所11を利用した利用者がその終了を支
持するための指示スイッチ163(図1では図示せず)
の出力は乾燥指示回路164に入力しており、この乾燥
指示回路164からの信号は中央演算回路165に入力
している。また、リミットスイッチ111、112から
の信号は位置検知回路175に入力しており、この位置
検知回路175からの信号は中央演算回路165に入力
している。さらに、屎尿処理装置15の全ての動作を開
始する電源スイッチ166の出力も中央演算回路165
に入力している。
【0155】〔中央演算回路165からの出力信号系
統〕
【0156】この中央演算回路165では、入力した信
号をその内部に記憶してあるプログラムの条件と比較
し、その結果によって屎尿処理装置15に設けられたそ
れぞれの機構を動作させる複数の信号を出力している。
まず、中央演算回路165の出力はオーバーフロー表示
回路167に入力しており、オーバーフロー表示回路1
67には発光することで便器16の一時的な使用を中止
する表示ランプ168に接続してある。また、中央演算
回路165の独立した出力信号は、それぞれ切換弁制御
回路170、モーター制御回路171、開閉弁制御回路
172、ヒーター制御回路173に入力している。この
切換弁制御回路170の出力には切換弁138が接続し
てあり、切換弁138は吸入パイプ136を吸気パイプ
134か吸引パイプ155の何れか一方と交互に切換え
させられることになる。また、モーター制御回路171
には、モーター61、送風機135、モーター103が
それぞれ接続してあり、それぞれを正方向または逆方向
に回転させるように制御することができる。
【0157】そして、開閉弁制御回路172には、屎尿
投入弁71、切換弁138、140、144、148、
151がそれぞれ接続してあり、それぞれの弁を開放又
は閉鎖の何れかに設定できるように制御することができ
る。さらに、ヒーター制御回路173には、ヒーター1
42と高周波発生回路174が接続してあり、高周波発
生回路174には高周波コイル120が接続してあり、
ヒーター142には電力が供給され、高周波コイル12
0には高周波発生回路174で発生させた高周波電力が
供給されることになる。
【0158】次に、本実施例の作用をそれぞれの動作状
況ごとに区分けして具体的に説明する。
【0159】<無動作の状態>
【0160】この仮設便所11が倉庫内に保管されてい
る状態のとき、或いは仮設便所11は催物会場に設置さ
れているが夜間や休日などで使用されていない状態のと
きには、電源スイッチ166はオフ(回路を投入してい
ない)となっていて屎尿処理装置15の各機能は停止の
状態を維持している。この電源スイッチ166がオフで
あれば、その信号により中央演算回路165は停止の状
態を維持し、中央演算回路165は切換弁制御回路17
0、モーター制御回路171、開閉弁制御回路172、
ヒーター制御回路173、オーバーフロー表示回路16
7にそれぞれ停止の信号を送っている。
【0161】このため、切換弁制御回路170は切換弁
138を切り換えて、図16で示すように吸気パイプ1
34と吸入パイプ136を導通しており、吸引パイプ1
55と吸入パイプ136の接続を閉鎖している。モータ
ー制御回路171は各モーター61、103、送風機1
35を動作させておらず、乾燥釜31は停止しており、
送風機135は排出パイプ137より送風しておらず、
ネジパイプ96は上下に移動していない(この停止の状
態の時には、ネジパイプ96と吸引パイプ97は固定パ
イプ87より上方に引き出されており、図4、図5、図
11で示しているように吸引パイプ97の下端が乾燥釜
31の底に接近していない。このため、図示していない
が、ネジパイプ96の大部分は蓋板35の上方に位置
し、吸引パイプ97の下端は固定パイプ87の中程に位
置していて、乾燥釜31の内底より高い位置にあ
る。)。また、開閉弁制御回路172により、屎尿投入
弁71は閉鎖され、開閉弁144、148、151も閉
鎖され、開閉弁140のみが開放されている。そして、
ヒーター制御回路173は、ヒーター142と高周波コ
イル120に電力の供給をしておらず、ヒーター142
は発熱しておらず、高周波コイル120は磁力線を発生
していない。
【0162】<予熱による各機構の初期状態>
【0163】さて、この仮設便所11を工事現場や催物
会場などで臨時に使用する場合、この仮設便所11に収
納した屎尿処理装置15をスタートアップし、仮設便所
11を使用した利用者の屎尿を直ちに処理できるように
待機の状態に設定しておかなければならない。この待機
状態を設定するには、電源スイッチ166を仮設便所1
1の管理者あるいは会場責任者などがオンする(電源を
投入すること)から開始される。
【0164】この電源スイッチ166がオンされると、
屎尿処理装置15が作動を開始して待機の状態に移行す
る信号を電源スイッチ166から中央演算回路165に
伝える。すると、中央演算回路165はモーター制御回
路171、ヒーター制御回路173に信号を送り、それ
ぞれを待機の状態に作動させる(なお、この時には切換
弁制御回路170、開閉弁制御回路172には中央演算
回路165からは信号が伝わらず、切換弁138、屎尿
投入弁71、開閉弁140、144、148、151は
前述した停止の状態に維持されている)。このため、モ
ーター制御回路171は送風機135に高い周波数の電
力を送り、送風機135を高速で回転するように作動さ
せ、ヒーター制御回路173はヒーター142に電力を
供給して発熱させることになる。
【0165】<<送風機135による空気の流動>>
【0166】この送風機135が作動を開始すると、吸
入パイプ136より空気を吸引して排出パイプ137の
C方向に空気を送ることになる。前記切換弁138はB
方向に接続しているため、吸気パイプ134と吸入パイ
プ136が連通しており、外部の空気はフィルター箱1
32の開口よりD方向に吸引され、空気中の塵埃やゴミ
はフィルター133を通過することで除去され、清浄と
なった空気は吸気管76を通過した後コイル容器75に
流入する。次いで、空気は排気管77と吸気パイプ13
4、切換弁138を通過し、吸入パイプ136より送風
機135内に吸引され、送風機135で圧縮された空気
は排出パイプ137に流れてC方向に流出する。この排
出パイプ137にはその途中にバイパスパイプ139が
接続してあるため、排出パイプ137を流れる空気の一
部はバイパスパイプ139に分岐して流れるが、大部分
の空気はエゼクター127の方向に流出する。このエゼ
クター127に圧送された空気が流入すると、空気はエ
ゼクター127の中心を高速で通過し、エゼクター12
7の後端よりE方向に流出し、大気中に拡散される。こ
のエゼクター127の内部を空気が流通するときに、エ
ゼクター127の中心部が絞られていることため、その
絞り部分で空気が高速で通過して周囲を負圧にさせ、エ
ゼクター127の中心部の空気を負圧で吸引し、排出パ
イプ137から流れる空気と共にE方向に拡散させる。
【0167】<<触媒129の予熱>>
【0168】また、排出パイプ137と分岐しているバ
イパスパイプ139より流れる空気の一部の空気は、開
閉弁140を通過した後再加熱箱141の内部に流入す
る。この再加熱箱141の内部に設けてあるヒーター1
42には、前記ヒーター制御回路173から電力が供給
されていて、ヒーター142が発熱している状態であ
る。このため、再加熱箱141に流入した空気はこのヒ
ーター142と接触することで加熱され、高温になるよ
う温められて熱風パイプ143に流出する。そして、温
められた空気は熱風パイプ143より排気パイプ126
に流動し、次いで除臭箱125内に流入する。この除臭
箱125内にフィルター128が空気の流動の開始側に
位置しているため、このフィルター128を空気が通過
する際にゴミ、塵埃などの不純物が除去され、浄化され
て次の触媒129側に流動する。
【0169】次いで、これら2つの触媒129を温めら
れて浄化された空気が通過すると、この空気の温度によ
り両触媒129は熱交換により加熱され、各触媒129
は酸化・還元の機能を果たすに充分な温度にまで温めら
れる。これは、触媒129の性質上、常温であっては酸
化・還元の作用を行うことができないからであり、触媒
129固有の能力を発揮するためには特定の温度に維持
しなければならないからである。そして、両触媒129
を通過した空気はエゼクター127の中央部に移動する
ことになるが、前述のようにエゼクター127の中央に
ある絞り部分を高速で空気が移動している。このことか
ら、エゼクター127の中央部は負圧となっており、こ
の負圧により両触媒129を通過した空気はエゼクター
127側に吸引され、エゼクター127内で排出パイプ
137から流動する空気と混合され、次いで外囲に流出
して拡散する。
【0170】このようにして、各機構が初期状態であっ
ては、送風機135からの空気が流路の方向に流れ、ヒ
ーター142による間接的な触媒129の加熱が行われ
ることになる。このスタートアップにより、屎尿処理装
置15を立ち上げて屎尿の処理を行うことができるよう
に準備し、いつでも利用者が仮設便所11を使用しても
良いようになり、次の待機の状態に移行する。
【0171】<待機状態の維持>
【0172】前述したように送風機135を駆動し、同
時にヒーター142で発熱することで、流路内に空気が
流通し、触媒129が温められて屎尿処理装置15が何
時でも使用できる状態となる。だが、両触媒129がそ
の機能を発揮する所定の温度にまで温められ、仮設便所
11の利用者にいつでも対処できる状態となったなら
ば、この屎尿処理装置15は省エネの待機の状態に自動
的に切り換わる。これは、ヒーター142の発熱によっ
て触媒129がその機能を果たすに充分な温度にまで温
められたならば、それ以上の温度に触媒129を加熱す
ることは電力の無駄な消耗となるからである。つまり、
屎尿処理装置15の機構が立ち上げられて、仮設便所1
1を何時でも利用者が使用できるような状態になってか
ら、その仮設便所11が何時になれば使用されるかは不
確定なことである。このため、一定時間経過して、触媒
129がその機能を発揮するに充分な温度まで温められ
たならば、電力の消費を減少させるため待機の状態に移
行する。
【0173】この待機の状態では、前述のように中央演
算回路165がモーター制御回路171とヒーター制御
回路173に制御信号を送って立ち上げた後に一定時間
が経過したならば、中央演算回路165はモーター制御
回路171に待機に制御信号を送る。すると、モーター
制御回路171は送風機135に供給する電力の周波数
を低下し、送風機135を低速の回転数で回転させ、排
出パイプ137に送る空気量を減少させる。このように
して排出パイプ137並びにバイパスパイプ139に流
れる空気量が減少すると、再加熱箱141に流れる空気
量も減少することになり、触媒129はその機能を発揮
するに充分な温度を維持したままで屎尿処理装置15の
消費電力を少なく状態を維持することになる。
【0174】<利用者による仮設便所11の使用>
【0175】このように、電源スイッチ166が投入さ
れると、屎尿処理装置15の各機構が待機の状態とな
り、利用者がいつでも仮設便所11を使用できることに
なる。そして、この待機の状態にある仮設便所11を使
用するには、まず利用者がドアー14を開けてハウス1
3の内部に入り、便器16に向かって屎尿を排泄する。
利用者より排泄された屎尿は便器16の下部より投入パ
イプ72に流動し、閉鎖している屎尿投入弁71の上部
である便器16の下部と投入パイプ72に一時貯留され
る。
【0176】こうして、利用者による便器16への排泄
が終わったならば、その利用者は次の利用者のために排
泄物を屎尿処理装置15に流動させ、便器16の底に溜
まっている排泄物を除去させなければならない。この処
理は、ハウス13内に設けてある指示スイッチ163を
押動することにより開始され、屎尿処理装置15による
排泄物の加熱、乾燥の処理が始まることになる。
【0177】<乾燥釜31への排泄物の投入>
【0178】前述のように、利用者によって指示スイッ
チ163が押動されると、その信号は指示スイッチ16
3より乾燥指示回路164に伝えられ、次いで乾燥指示
回路164より排泄物を処理する信号が中央演算回路1
65に伝えられる。この信号により、中央演算回路16
5は開閉弁制御回路172に制御信号を伝え、便器16
の下部と投入パイプ72に貯留されている屎尿を乾燥釜
31の内部に投入する処理を行う。すると、開閉弁制御
回路172は屎尿投入弁71を開放させ、屎尿投入弁7
1の上流側である便器16の下部と投入パイプ72に貯
留されていた屎尿を通過させる。この屎尿投入弁71を
通過した屎尿は、連結フランジ68、投入口69、66
の開口を流れ、そのまま乾燥釜31に落下し、乾燥釜3
1の底に貯留される。
【0179】この屎尿投入弁71が予め設定してある時
間だけ開放したならば、中央演算回路165は開閉弁制
御回路172により屎尿投入弁71を閉鎖させる。屎尿
投入弁71を開放してから所定の時間が経過すれば、便
器16の下部と投入パイプ72に貯留されていた全ての
屎尿は乾燥釜31に投入されたものと判断してよいから
である。この屎尿投入弁71が閉鎖すると、乾燥釜31
の上端に固着した摺動板36にはシールリング37が弾
力性をもって接触しており、乾燥釜31の内部と外部と
は一切連通していない。このため、屎尿から発生する悪
臭は屎尿処理装置15の外部には流出せず、次に仮設便
所11のハウス13に入る利用者や仮設便所11の周囲
にいる人達に不快感を与えることが無い。
【0180】なお、この屎尿を落下させると同時に、こ
の実施例では図示しないが泡発生装置や噴霧装置などに
より、界面活性剤や浄化液等を便器16に流入させたり
噴霧させることもできる。このような界面活性剤や浄化
液等を泡状や霧状にして便器16、投入パイプ72、連
結フランジ68などの内壁を濡らすことにより、それぞ
れの内壁に付着している屎尿を流出させて清浄を同時に
行うことができる。
【0181】<乾燥釜31による屎尿の乾燥処理>
【0182】次に、中央演算回路165は記憶させたス
テップに従って、乾燥釜31に投入した屎尿の乾燥処理
を自動的に開始する。この時、中央演算回路165はモ
ーター制御回路171、開閉弁制御回路172、ヒータ
ー制御回路173にそれぞれ個別の制御信号を伝えて乾
燥処理を指示する。
【0183】<<乾燥釜31の加熱>>
【0184】中央演算回路165からヒーター制御回路
173に伝えられた制御信号により、ヒーター制御回路
173は高周波発生回路174の動作を開始させる。す
ると、高周波発生回路174は高周波電力を発生し、発
生した高周波電力を高周波コイル120に供給する。こ
のため、コイル容器75内に収納してある高周波コイル
120より高周波の電磁波が発生し、この高周波の電磁
波はコイル容器75の外部にまで漏れて上下方向に交拌
する。
【0185】このコイル容器75から漏れた高周波の電
磁波はコイル容器75の上方に接近している乾燥釜31
の底部分も通過し、電磁波は乾燥釜31の底部分で交拌
することになる。このため、乾燥釜31には電磁波の高
い周波数の交拌により電磁誘導加熱の現象が発生し(乾
燥釜31は鉄などの金属性材料で形成されている)、乾
燥釜31自体が発熱することになる。同時に、この高周
波の電磁波が乾燥釜31内にある蓄熱体44を交拌する
ことにより、この蓄熱体44も発熱することになる。こ
の電磁誘導による発熱の結果、乾燥釜31の内部に貯留
した屎尿は、乾燥釜31と蓄熱体44による発熱により
加熱され、その温度が上昇することになる。
【0186】なお、高周波コイル120に高周波の電力
を供給すると、漏れ磁力線によって高周波コイル120
のユニット自体も発熱することになる。だが、送風機1
35が既に作動しているため、外囲から吸引された空気
がフィルター箱132、挿入口70を通過してコイル容
器75内を通過している。このため、この空気がコイル
容器75を通過する際に高周波コイル120を冷し、同
時に熱交換によって空気は温められ、温められた空気が
排気管77、吸気パイプ134を通じてB方向に流動
し、最終的には触媒129と乾燥釜31を加熱する熱の
一部となる。
【0187】<<送風機135による送風量の増加>>
【0188】次に、中央演算回路165からモーター制
御回路171に伝えられた制御信号により、低速で回転
していた送風機135を高速で回転させ、送風機135
から排出パイプ137に圧送する空気量を増加させる。
これは、待機の状態から実際に乾燥釜31を発熱させて
屎尿の乾燥処理を行わせる動作に伴い、消費する空気が
増加することに対応させるためである。送風機135よ
りこの排出パイプ137をC方向に流動した大量の空気
は、エゼクター127を通過する際に大きな負圧を発生
して除臭箱125内の空気を強力に吸引する。また、大
量の空気はバイパスパイプ139に流れ、待機の状態の
空気量よりも多い量の空気はヒーター142で温めら
れ、前述のように触媒129をその機能を発揮するに充
分な温度になるように加温する。
【0189】<<弁の開放による空気の流路の変化>>
【0190】また、中央演算回路165から開閉弁制御
回路172に伝えられた制御信号により、開閉弁制御回
路172は開閉弁140を開放させたままで開閉弁14
4、148を開放させる。この開閉弁144、148の
開放により空気の流路が一部変更され、送風機135か
らの空気は排出パイプ137、エゼクター127を通過
した後に外囲に向かいE方向に排出される。このエゼク
ター127内には導風口146がその風上に向けて開口
してあるため、エゼクター127を通過する空気の一部
はこの導風口146から補助パイプ147に流入し、開
放している開閉弁148を通過した後に導入穴59、7
9より乾燥釜31の内部空間に流入することになる。こ
のように、導風口146で採取された外部の新鮮な空気
が導入穴59、79から乾燥釜31に供給されることに
より、加熱した乾燥釜31内で温められてその水分が蒸
発させられている屎尿の酸化が促進されている。
【0191】また、開閉弁144が開放されたことによ
り、乾燥釜31内の空気は排気穴80、60を通過し、
開閉弁144と排風パイプ145を流動して排気パイプ
126に流入する。前述のように、エゼクター127を
通過した空気は負圧となって除臭箱125から空気を吸
引しているため、この排風パイプ145からの乾燥釜3
1で蒸発してきた水蒸気や空気も同時に吸引し、エゼク
ター127内で混合した後に外囲に向けてE方向に放出
することになる。
【0192】<<触媒129による悪臭の除去>>
【0193】さて、前述のように高周波コイル120か
らの高周波電磁波により乾燥釜31が加熱されると、乾
燥釜31の内部に貯留されている屎尿は沸騰し、その成
分の大部分である水分は水蒸気となって蒸発する。この
水蒸気は導入穴59、79から供給されている空気と共
に排風パイプ145の方向に流出する。しかし、乾燥釜
31から流出する水蒸気と空気には、屎尿に含まれてい
る悪臭の原因となる尿素やアンモニヤなどの成分が含ま
れているため、このまま仮設便所11の外部に放出する
と周囲に悪臭を発散させることとなる。このため、悪臭
の原因となる要素を除去してからでなければ外囲に拡散
することはできない。
【0194】この乾燥釜31から排風パイプ145に向
けて流出する悪臭の成分を含んでいる水蒸気と空気は排
気パイプ126に流動し、次いで除臭箱125に流入す
る。この除臭箱125内の空気はエゼクター127によ
り吸引されているため、乾燥釜31からの水蒸気と空気
はそのまま除臭箱125に流入し、先ずフィルター12
8を通過してゴミ等が除去された後、2段に設置された
触媒129と接触する。両触媒129はヒーター142
で加熱された空気によりその機能を発揮するに充分な温
度に温められているため、悪臭の成分を含んだ乾燥釜3
1からの水蒸気と空気はこの触媒129で酸化・還元さ
れる。すなわち、尿素やアンモニヤなどの悪臭の成分は
触媒129と接触することで酸化・還元され、無臭に状
態に変質される。そして、無臭となった水蒸気と空気は
エゼクター127により吸引され、E方向に外囲に拡散
される。こうして、仮設便所11の外部には、乾燥釜3
1内で屎尿を蒸発させることで発生した悪臭が漂わず、
快適に仮設便所11を使用することができる。
【0195】<<乾燥釜31の回転運動>>
【0196】また、モーター制御回路171が送風機1
35を高速で回転するように制御すると同時に、モータ
ー制御回路171はモーター61の動作を開始させる。
このモーター61が動作すると、モーター61の回転軸
64に固着した小歯車62が回転し、この小歯車62の
回転により噛み合わせてある大歯車63を従動して回転
させる。この大歯車63の下面には上リング43が固着
してあるため、大歯車63、上リング43及び乾燥釜3
1の三者は一体となって回転する。この乾燥釜31が回
転する際には、乾燥釜31の下部外周には下リング42
が固着してあり、この下リング42の上下面には下ロー
ラー52と上ローラー53が接触している。このため、
両下ローラー52と上ローラー53で下リング42が上
下から挟持されていて、乾燥釜31が回転しても下ロー
ラー52と上ローラー53によって乾燥釜31が上下方
向にずれて移動するのが規制される。
【0197】また、乾燥釜31の下部外周に固着してあ
る下リング42と上部外周に固着してある上リング43
ののそれぞれの外周には下横ローラー55と上横ローラ
ー57が三方向から接触させてある。これらの下横ロー
ラー55と上横ローラー57により、乾燥釜31は上下
それぞれの3箇所(合計6箇所)で接触して保持されて
いることになり、乾燥釜31が回転すると同時に下リン
グ42、上リング43は下横ローラー55、上横ローラ
ー57を転動してその中心軸を偏位させることなく同一
の位置で回転するように規制される。こうして、乾燥釜
31がモーター61によって回転されてもその中心軸の
位置は変動することなく、常に同じ位置で回転を続ける
ことになる。なお、乾燥釜31が回転すると摺動板36
も回転することになるが、この摺動板36が回転して
も、その上面にはシールリング37が弾力を持ちながら
接触しているため、乾燥釜31の内部から水蒸気や空気
が外部に漏れることはない。
【0198】<<蓄熱体44による屎尿の攪拌>>
【0199】このようにしてモーター61により乾燥釜
31が回転させられると、乾燥釜31内に投入してある
蓄熱体44も同時にその回転方向に向かって回転するこ
とになる。だが、蓄熱体44が回転すると乾燥釜31の
内部空間に宙吊りにして固定してある邪魔板89(邪魔
板89は固定パイプ87の下部に固着してあり、固定パ
イプ87は蓋支え板34に固定してある)と接触するこ
とになる。この邪魔板89は乾燥釜31の回転とは無関
係に固定されているため、蓄熱体44が邪魔板89に接
触すると、蓄熱体44はその位置で回転を停止され、乾
燥釜31に従った蓄熱体44の回転が妨げられることに
なる。
【0200】しかし、乾燥釜31内に貯留した屎尿は図
7で示すように乾燥釜31の回転と共に旋回しており、
邪魔板89によって回転を停止された蓄熱体44は乾燥
釜31の底と接触することでそれ自体が転動され、回転
している屎尿の中を転動しながら屎尿を攪拌することに
なる。この蓄熱体44による転動と攪拌の際に、蓄熱体
44自身が発熱した熱が屎尿に伝えられ、熱の伝達が行
われる。こうして、屎尿は蓄熱体44と邪魔板89によ
り攪拌されながら、屎尿全体の温度が均一となるように
混合され、屎尿全体の温度上昇を図っている。
【0201】なお、乾燥釜31の底の中央は、図5の断
面図で示すように、その中央が隆起した突起41を形成
してある。この突起41が中央に位置することから、乾
燥釜31の回転により蓄熱体44が転動しても、蓄熱体
44は乾燥釜31の中心に集まらず、突起41の裾であ
る乾燥釜31の周囲に移動することになる。このため、
複数の蓄熱体44が乾燥釜31の中心部に集中して団子
状に集合せず、常に乾燥釜31の底の周辺で転動して屎
尿を確実に攪拌することができる。
【0202】<<乾燥釜31の反転運動>>
【0203】このモーター61の作動により、小歯車6
2、大歯車63、上リング43を介して乾燥釜31が回
転させられる。しかし、乾燥釜31の回転方向は常時一
方向ではなく、一定の時間だけ乾燥釜31を正方向に回
転させたなら、次いで逆方向に乾燥釜31を回転させ
る。この乾燥釜31の回転を正回転と逆回転を交互に行
わせるために、モーター制御回路171は予め設定して
ある一定の時間毎にモーター61を正逆に交互に作動さ
せ。このようにして、乾燥釜31を交互に反転させるこ
とにより、乾燥釜31内に貯留された屎尿が特定の位置
に偏らないように制御している。また、この乾燥釜31
の回転を一定の時間毎に反転させることで、屎尿の温度
を均一となるように維持させることができる。
【0204】このように中央演算回路165による制御
により、屎尿処理装置15の各部がそれぞれ作動し、高
周波コイル120による高周波の電磁波の発生、モータ
ー61による乾燥釜31の交互の方向への回転、乾燥釜
31への空気の流動が行われ、乾燥釜31に貯留された
屎尿はその大部分の成分である水分が水蒸気となって蒸
発し、蒸発した水蒸気はエゼクター127より大気中に
拡散される。この動作を継続して行うことにより、乾燥
釜31の内部に貯留した屎尿はその容積が減少し、最終
的には蒸発することができない繊維質、紙等の固形物だ
けが残留することになる。
【0205】<乾燥釜31がオーバーフローすることの
対処>
【0206】さて、前述したように屎尿処理装置15の
機能が立ち上がると、便器16に排泄された屎尿をこの
屎尿処理装置15が自動的に加熱して蒸発の処理を行
う。この場合、乾燥釜31内に投入された屎尿を加熱し
て蒸発させる速度と、便器16に排泄された屎尿の量の
間に均衡が保たれていれば、前述した屎尿の処理工程に
は何ら問題は発生せず、屎尿処理装置15は継続して屎
尿の処理を行うことができる。
【0207】だが、何時でも仮設便所11を使用するこ
とができるとなれば、仮設便所11を使用する利用者の
数が一時的に増えることもある。利用者の数が短時間に
集中すると便器16に排泄される屎尿の量も多くなり、
投入パイプ72、屎尿投入弁71を介して投入口69、
66より乾燥釜31内に投入される屎尿の量は一時的に
多くなる。すると、乾燥釜31が蒸発させることのでき
る能力以上の量の屎尿が投入されたことになり、乾燥釜
31の内部に貯留される屎尿の量は最終的には乾燥釜3
1の容積よりも多くなることもある。このように、乾燥
釜31の内部に屎尿が溢れてくるとなれば、屎尿の正常
な蒸発処理が行えなくなるばかりか、乾燥釜31より屎
尿が外部に溢れて故障等の原因となるものである。この
ような屎尿のオーバーフローは未然に防止しなければな
らない。この屎尿処理装置15では、屎尿の量が乾燥釜
31の処理能力以上に投入されたならば、屎尿がオーバ
ーフローであることを自動的に検知し、乾燥釜31の処
理能力に対応した量の屎尿を投入させる機能を持ってい
る。
【0208】<<オーバーフローした屎尿の検知>>
【0209】前述のように、仮設便所11を使用した利
用者は便器16に屎尿を排泄し、その排泄の都度指示ス
イッチ163を押動して屎尿投入弁71を開放させ、排
泄した屎尿を乾燥釜31に投入させている。この投入さ
れた屎尿は乾燥釜31内に順次蓄積され、貯留された屎
尿の液面高さが順次高くなる。すると、屎尿の液面は遂
に液面センサー158の下端にまで達することになり、
間隔を置いて設置してある一対の液面センサー158の
両下端に屎尿が接触して両液面センサー158を電気的
に導通させることになる。この両液面センサー158に
よる導通(ショート)の信号はオーバーフロー判別回路
161に伝えられ、オーバーフロー判別回路161は処
理能力以上の屎尿が投入されたものと判断して判別信号
を中央演算回路165に出力し、所定の条件が整うまで
仮設便所11の使用を制限することになる。
【0210】<<仮設便所11の使用の一時制限>>
【0211】そして、オーバーフロー判別回路161か
らの判別信号により、中央演算回路165は乾燥釜31
が屎尿でオーバーフローしていることから、一時的に仮
設便所11の使用を停止させる制御を行う。まず、中央
演算回路165はオーバーフロー表示回路167に信号
を伝え、このオーバーフロー表示回路167により表示
ランプ168を点灯させる。この表示ランプ168がハ
ウス13内で点灯することにより(例えば、赤色などの
警告灯)、これから仮設便所11を使用しようとする利
用者はこの仮設便所11が使用不能であることを識別
し、一時的にその使用が制限されていることを判断す
る。
【0212】同時に、中央演算回路165は乾燥指示回
路164と開閉弁制御回路172との間における信号の
伝達を中断し、利用者が指示スイッチ163を押動して
乾燥指示回路164より排泄した屎尿を処理する信号が
中央演算回路165に伝えられても、中央演算回路16
5は開閉弁制御回路172にその制御信号を伝えない。
このため、利用者が排泄を終わってから指示スイッチ1
63を押動しても、開閉弁制御回路172は屎尿投入弁
71を開放させず、屎尿は便器16の下部と投入パイプ
72に溜まっており、乾燥釜31には投入されない。
【0213】これは、表示ランプ168が点灯していて
仮設便所11が一時使用できないと表示していても、無
理に便器16に屎尿を排泄する利用者の存在があるから
である。このように便器16に屎尿が貯留していると、
その後に仮設便所11を使用しようとする利用者は、便
器16の低部に屎尿が貯留していることからその使用の
制限を知ることになり、それ以上の使用が行われなくな
るためである。この中央演算回路165による屎尿投入
弁71の強制的な閉鎖の維持は、乾燥釜31に投入され
た全ての屎尿の蒸発処理が行われ、乾燥釜31内の清掃
が完了する1サイクルが終わるまで続けられる。
【0214】<屎尿の蒸発・乾燥処理の終了の検知>
【0215】前述のように屎尿処理装置15内では、高
周波コイル120からの高周波の電磁波で乾燥釜31が
加熱されており、乾燥釜31に貯留されている屎尿はそ
の大部分の成分である水分が順次蒸発して外囲に拡散し
ている(この蒸発・乾燥の処理中は乾燥釜31はモータ
ー61により回転させられている)。この蒸発・乾燥の
処理が継続すると乾燥釜31内の屎尿の水分は全て蒸発
し、最後には蒸発することができない繊維質や灰分等の
残留物(塵埃、滓のこと)だけが乾燥釜31に残ること
になる。このように屎尿の全ての水分が蒸発した時が蒸
発・乾燥の処理が完了した時であり、この状態を自動的
に検知して次の処理に移行する。
【0216】乾燥釜31の加熱により屎尿の蒸発・乾燥
の処理が行われて乾燥釜31内の水分が全て蒸発される
と、乾燥釜31の全体の温度は急激に上昇することにな
り、この温度の急激な変化により蒸発・乾燥の処理が完
了したものと判断する。すなわち、邪魔板89に固着し
てある温度センサー92は常に乾燥釜31(特に、底付
近)の温度変化を検知しており、その温度を電気信号と
して温度判別回路162に伝えている。この温度判別回
路162は温度判別回路162からの温度信号を受信し
ていて、乾燥釜31が屎尿を蒸発・乾燥させるための低
い温度を維持している時には何ら信号を出力しない。し
かし、屎尿に含まれる水分が全て蒸発したことにより、
低い温度から急激に高い温度に変動すると、この温度変
化を判別して中央演算回路165に蒸発・乾燥の完了に
よる検知信号を伝える。この検知信号により、乾燥釜3
1による屎尿の蒸発・乾燥の処理が終わり、中央演算回
路165は乾燥釜31を加熱させて次の処理に移行す
る。
【0217】すなわち、中央演算回路165はヒーター
制御回路173に信号を出力し、ヒーター142への電
力の供給を停止すると共に、高周波発生回路174の動
作を停止させ、高周波の電力を高周波コイル120に供
給するのを停止する。このため、高周波コイル120か
らは高周波の磁力線が発生せず、乾燥釜31は磁力線に
よる加熱が無くなる。なお、この時にもモーター制御回
路171への信号は変更されず、モーター61は駆動さ
れているため、乾燥釜31は回転を続けていることにな
る。
【0218】<乾燥釜31内の清掃処理>
【0219】乾燥釜31に投入された屎尿の水分が蒸発
すると、乾燥釜31には蒸発することができない繊維質
や灰分等の残留物が残り、これらの残留物は細かな塵埃
となって乾燥釜31に堆積している。この塵埃が屎尿の
蒸発・乾燥の処理のたびに蓄積していくと、乾燥釜31
の底に塵埃が深く溜まることになり、熱伝達の効率が悪
くなり、乾燥釜31の回転運動にも支障が生ずるため、
1回の蒸発・乾燥が完了したならばその都度乾燥釜31
の清掃の処理を行う。常時乾燥釜31が清掃されること
により、この屎尿処理装置15は継続して屎尿の処理を
行うことが可能となる。
【0220】<<吸引パイプ97の下降の動作>>
【0221】中央演算回路165はモーター制御回路1
71に制御信号を送り、モーター制御回路171はモー
ター103を正方向に作動させる。このモーター103
が作動するとその回転出力は減速機105に伝えられ、
この減速機105で回転数が減速され、この減速した回
転数で小歯車104が回転させられる。この小歯車10
4の回転により作動歯車95は回転筒部101と共に支
持台94上で回転し、作動歯車95はネジパイプ96の
廻りで回転させられることになる。この作動歯車95の
内周には雄ネジが形成してあり、ネジパイプ96の外周
には雌ネジが形成してあるため、作動歯車95が回転す
ることによりそのネジピッチによりネジパイプ96はね
じ込まれるため、ネジパイプ96は乾燥釜31の方向に
下降させることになる。
【0222】この時、ネジパイプ96は作動歯車95の
回転力により同方向に回転させられる作用力が働くこと
になる。だが、ネジパイプ96の上端に固着してある頂
部リング98には制動杆99が水平方向に突起してあ
り、この制動杆99は案内体108の摺動溝109に嵌
め合わせてある。この制動杆99は摺動溝109の内側
に接触してその回転が規制され、制動杆99は摺動溝1
09の内側と摺動して下方向に移動でき、頂部リング9
8とネジパイプ96は回転できず、ネジパイプ96は下
方にのみ移動するように規制されている。前記モーター
103が動作することによりネジパイプ96が下降し、
ついにネジパイプ96が最下位置にまで下降すると(図
11、図5で示す状態)、ネジパイプ96と共に下降し
ていた頂部リング98の制動杆99は最下位置に下降
し、この制動杆99の下面がリミットスイッチ111の
接触子113に接触する。制動杆99が接触子113し
た位置がネジパイプ96が下降できる最下の位置であ
る。
【0223】この制動杆99が接触子113に接触する
とリミットスイッチ111は位置検知回路175に信号
を伝え、この位置検知回路175はネジパイプ96が最
下位置である位置信号を中央演算回路165に伝える。
このため、中央演算回路165はモーター制御回路17
1に信号を伝え、モーター103の動作を停止させ、そ
の状態を維持させる。このモーター103の動作が停止
することにより、ネジパイプ96は最下位置にまで下降
させられ、その位置で停止させられることになる。そし
て、このネジパイプ96が最下位置に下降した時には、
ネジパイプ96の下端に連結してある吸引パイプ97の
下端は図11、図5で示すように乾燥釜31の底に接近
した状態となっている。このようにして、吸引パイプ9
7が最下位置にまで下降してその位置で停止すると、吸
引パイプ97の下端の開口から乾燥釜31に残っている
塵埃を吸引することができる。
【0224】 <<弁の開閉による空気の流路の切り換え>>
【0225】また、中央演算回路165はモーター制御
回路171に制御信号を伝えると同時に切換弁制御回路
170と開閉弁制御回路172にもそれぞれ制御信号を
伝え、屎尿処理装置15における空気の流路を切り換え
させている。
【0226】まず、制御信号により切換弁制御回路17
0は切換弁138を切り換え、吸引パイプ155と吸入
パイプ136を接続し、A方向からの空気を吸入パイプ
136に流入させる。そして、制御信号により開閉弁制
御回路172は開閉弁144、140を閉鎖し、開閉弁
151を開放する。この開閉弁制御回路172による各
弁の切り換えと開閉により、屎尿処理装置15内では、
吸入パイプ136からの空気は送風機135で圧送され
て排出パイプ137よりC方向に流出し、エゼクター1
27より外囲に放出されるが、一部の空気は導風口14
6より補助パイプ147を流れ、開閉弁148を通過し
た後に導入穴59、79より乾燥釜31に流入する。そ
して、吸引パイプ97の下端の開口から吸引された空気
は、ネジパイプ96、放出パイプ100、開閉弁15
1、塵埃パイプ152、ゴミ回収箱153の順に流動
し、吸引パイプ155、切換弁138を通過して送風機
135の吸入パイプ136に還流している。つまり、こ
の流路の切り換えにより、送風機135から圧送されて
いる空気は、エゼクター127、乾燥釜31、ゴミ回収
箱153を通過する閉回路で循環することになる。
【0227】このように空気の流路が変更となるとき
に、開閉弁140が閉鎖されているため、排出パイプ1
37よりバイパスパイプ139には空気が流れず、全て
の空気はエゼクター127に流れるため、導風口146
で捕獲できる空気量は前述の蒸発・乾燥の処理の際にお
ける流路の空気量よりも多くなる。このため、補助パイ
プ147を流れて乾燥釜31に流入する空気は多くな
り、塵埃を乾燥釜31内で飛散させる効果を発生させ、
吸引パイプ97による塵埃の吸引を効果的に行わせるこ
とができる。
【0228】<<吸引パイプ97による塵埃の清掃>>
【0229】こうして、吸引パイプ97の下端開口から
は、乾燥釜31に残留していた塵埃を含んだ空気が吸引
され、この空気はネジパイプ96、放出パイプ100、
開閉弁151などを通過して、塵埃パイプ152の終端
開口に接続してあるゴミ袋154内に流入することにな
る。前述のように、閉鎖したゴミ回収箱153内には袋
状のゴミ袋154を収納してあり、塵埃パイプ152か
ら放出された塵埃を含んだ空気はゴミ回収箱153の内
部空間には流入せず、まず、このゴミ袋154に流入す
る。このゴミ袋154は紙、布などの空気は流動させる
が、塵埃などの固形物はその膜面で引っ掛かって捕獲す
ることができる性質を持っているため、塵埃パイプ15
2から流入した空気に含まれる細かい塵埃はこのゴミ袋
154で捕捉される。そして、塵埃と分離した清浄な空
気はゴミ袋154の膜面を通過してゴミ回収箱153の
内部空間に移動し、次いで吸引パイプ155、切換弁1
38を通過したして吸入パイプ136より送風機135
に吸引される。そして、送風機135で圧送された清浄
な空気は、前述のように排出パイプ137を流動し、エ
ゼクター127より外囲に拡散される。
【0230】なお、この吸引パイプ97により乾燥釜3
1から空気を吸引して塵埃を除去する処理の最中におい
ても、中央演算回路165はモーター制御回路171を
介してモーター61の作動を継続させており、乾燥釜3
1はモーター61により回転を続けている。この乾燥釜
31が回転することで、蓄熱体44は乾燥釜31の底で
転動を続け、乾燥釜31の内底及び側面に固着している
屎尿の残渣を削り落とし、同時にこの残渣をより細かく
粉砕し、空気と共に吸引され易いように加工を行ってい
る。この蓄熱体44の転動により、乾燥釜31の清掃の
効率はより高めさせることができる。
【0231】<初期の状態への切り換え>
【0232】前記の乾燥釜31の清掃の処理が所定時間
継続されると、吸引パイプ97により乾燥釜31内に溜
まっていた塵埃が吸引され、空気と共にゴミ回収箱15
3に移送され、塵埃はゴミ回収箱153内にあるゴミ袋
154によって捕獲される。そして、終には乾燥釜31
の内底に貯留されていた塵埃はゴミ袋154の内部に移
動し、清掃が完了する。この清掃の処理が終わったなら
ば、再度屎尿の蒸発・乾燥の処理を行うために最初の状
態に復帰しておかなければならない。
【0233】前日の乾燥釜31の清掃の処理を予め設定
してある一定時間だけ継続したならば、屎尿処理装置1
5の動作の停止の指令が電源スイッチ166よりなされ
ていない限り、中央演算回路165は次の屎尿の処理の
ために最初の待機の状態に仮設便所11の各機能を復帰
させる。
【0234】<<吸引パイプ97の上昇の動作>>
【0235】まず、中央演算回路165はモーター制御
回路171に制御信号を送りモーター103を逆回転さ
せ、吸引パイプ97を上昇させる操作を行う。モーター
103が逆回転すると、その回転力は減速機105で減
速させられて小歯車104を逆方向に回転させ、この小
歯車104に噛み合っている作動歯車95を前述とは逆
の方向に回転させる。作動歯車95は回転筒部101と
共に支持台94上で回転し、作動歯車95はネジパイプ
96の廻りで回転させられ、作動歯車95の内周に形成
してある雌ネジがネジパイプ96の外周に形成してある
雄ネジと摺動するため、ネジピッチの角度でねじ込まれ
てネジパイプ96が上昇させられる。この作動歯車95
の回転運動に伴い、ネジパイプ96、頂部リング98は
作動歯車95と同じ方向に回転しようとするが、頂部リ
ング98には水平に制動杆99が突起させてあり、この
制動杆99は案内体108の摺動溝109にに嵌め合わ
せてある。このため、制動杆99は摺動溝109の内側
に接触してその回転が規制され、制動杆99は摺動溝1
09の内側と摺動して上方向に移動でき、頂部リング9
8とネジパイプ96は回転できず、ネジパイプ96は上
方にのみ移動するように規制されている。こうして、作
動歯車95が逆転すると、作動歯車95の内周に形成し
た雌ネジのネジピッチによりネジパイプ96は徐々に上
昇し、頂部リング98と制動杆99は摺動溝109に案
内されながら上方に移動する。
【0236】この制動杆99が上昇し、その位置が最高
高さの位置にまで上昇すると、、この制動杆99の上面
がリミットスイッチ112の接触子114と接触する。
この接触子114が制動杆99と接触すると、リミット
スイッチ112がオンし、ネジパイプ96及び吸引パイ
プ97が最高高さの位置にまで上昇したことを検知す
る。このリミットスイッチ111からの信号は位置検知
回路175に伝えられ、位置検知回路175はネジパイ
プ96が最高高さの位置である位置信号を中央演算回路
165に伝える。このため、中央演算回路165はモー
ター制御回路171に信号を伝え、モーター103の動
作を停止させ、その状態を維持させる。このモーター1
03の動作が停止することにより、ネジパイプ96は最
高高さの位置にまで上昇させられ、その位置で停止させ
られたことになる。この状態の時には、このネジパイプ
96の下端に連結してある吸引パイプ97の下端は固定
パイプ87の中程に位置しており、吸引パイプ97の下
端は乾燥釜31の底より離れて停止している。この吸引
パイプ97を引き上げておくのは、屎尿が乾燥釜31に
貯留されると、吸引パイプ97の下部に屎尿が付着し、
汚れの原因となるばかりか、屎尿が固まって吸引パイプ
97の内部を詰まらせる原因となるからであり、再度清
掃の処理を行う際に空気の吸引ができなるなるからであ
る。
【0237】なお、中央演算回路165がモーター制御
回路171に制御信号を出力したならば、モーター61
は動作を停止させ、モーター61による乾燥釜31の回
転運動を一時中止させる。また、モーター制御回路17
1は送風機135を高速で回転させており、乾燥釜31
の清掃の処理の時と同じように大量の空気をエゼクター
127方向に供給している。
【0238】<<弁の開閉による空気の流路の復帰>>
【0239】前述のように、中央演算回路165がモー
ター制御回路171に制御信号を伝えると同時に切換弁
制御回路170と開閉弁制御回路172にもそれぞれ制
御信号を伝え、屎尿処理装置15における空気の流路を
待機の状態に復帰させる。まず、切換弁制御回路170
は中央演算回路165からの信号により、切換弁138
を切り換えて吸気パイプ134と吸入パイプ136を連
通させる。また、中央演算回路165は開閉弁制御回路
172に信号を伝え、開閉弁140を開放させ、開閉弁
148、151を閉鎖させる(開閉弁144は既に閉鎖
している)。このため、外囲の空気は吸入パイプ136
の開口よりD方向に吸引され、吸気管76を通過した後
コイル容器75に流入し、次いで排気管77と吸気パイ
プ134、切換弁138を通過した後に、吸入パイプ1
36より送風機135に吸引され、送風機135で圧縮
された空気は排出パイプ137に流れてC方向に流出す
る。
【0240】この排出パイプ137にはその途中にバイ
パスパイプ139が接続してあるため、排出パイプ13
7を流れる空気の一部はバイパスパイプ139に分岐し
て流れるが、大部分の空気はエゼクター127の方向に
流出する。このエゼクター127に圧送された空気が流
入すると、空気はエゼクター127の中心を高速で通過
し、エゼクター127の後端よりE方向に流出し、大気
中に拡散される。このエゼクター127の内部を空気が
流通するときに、エゼクター127の中心部が絞られて
いることため、その絞り部分で空気が高速で通過して周
囲を負圧にさせ、エゼクター127の中心部の空気を負
圧で吸引し、排出パイプ137から流れる空気と共にE
方向に分散させる。
【0241】また、排出パイプ137と分岐しているバ
イパスパイプ139より流れ出た空気は、開閉弁140
を通過した後再加熱箱141の内部に流入する。この再
加熱箱141を空気が通過する際に発熱しているヒータ
ー142(後述するが、中央演算回路165により弁の
開閉が行われるのと同時にヒーター142には電力が供
給されている)と接触し、空気は温められて熱風パイプ
143に流出する。そして、温められた空気は熱風パイ
プ143より排気パイプ126に流動し、次いで除臭箱
125内に流入し、除臭箱125内にある触媒129を
温め、両触媒129を通過した空気はエゼクター127
により吸引され、エゼクター127内で排出パイプ13
7から流動する空気と混合されて外囲に放出される。こ
の空気の流路の系統は、前述した『予熱』『待機』の状
態の時の流路と同じである。
【0242】<<ヒーター142による予熱>>
【0243】前述の乾燥釜31内の清掃の処理の際に
は、ヒーター制御回路173はヒーター142への電力
の供給を停止していて、ヒーター142は発熱していな
い。だが、中央演算回路165が待機状態へ復帰するよ
うに動作すると、中央演算回路165はヒーター制御回
路173に制御信号を送り、ヒーター制御回路173よ
りヒーター142に電力を供給して発熱させる。このヒ
ーター142の発熱により、再加熱箱141を通過する
空気は温められ、この加熱された空気によって触媒12
9を温めてその酸化・還元の機能を発揮できる温度に維
持している。なお、このヒーター142が発熱しても、
ヒーター制御回路173は高周波発生回路174には制
御信号を出力せず、高周波コイル120には高周波を供
給していないため、乾燥釜31は加熱されていない。
【0244】<待機状態への復帰>
【0245】このようにして、切換弁制御回路170と
開閉弁制御回路172により空気の流路が切り換わり、
ヒーター制御回路173によりヒーター142が発熱
し、モーター制御回路171によりモーター61の回転
が停止し、その後一定の時間が経過すると触媒129は
その機能を発揮するに充分な温度となる。この後ただち
に仮設便所11が他の利用者によって使用されるのであ
れば、前述のサイクルで屎尿の処理を行う。だが、仮設
便所11の利用が現れない場合には、屎尿処理装置15
の電力の消費を防ぐため待機の状態に移行する。すなわ
ち、余熱の状態から所定時間が経過すると、中央演算回
路165はモーター制御回路171に信号を送り、送風
機135の回転数を低下させ、送風機135によって排
出パイプ137の方向に供給する空気量を減少させる。
この待機の状態は、次に仮設便所11を使用する利用者
が表れるまで維持することになる。
【0246】<屎尿処理装置15の動作の停止>
【0247】このようなサイクルを繰り返すことによ
り、仮設便所11を利用者が使用して便器16に屎尿を
排泄したならば、その屎尿は屎尿処理装置15で蒸発・
乾燥の処理が連続的に行われることになる。しかし、仮
設便所11の移動、催物会場での夜間における使用中
止、倉庫などでの仮設便所11の保管を行う場合には、
屎尿処理装置15の動作を停止しておかなければならな
い。このように、屎尿処理装置15の機能を中止させる
には、電源スイッチ166をオフすること(電源を切断
すること)で行われ、この電源スイッチ166からの信
号は中央演算回路165に伝えられ、中央演算回路16
5は各機能に動作停止の指示を行う。
【0248】すなわち、中央演算回路165は、モータ
ー制御回路171に信号を伝えて送風機135の動作を
停止させ、ヒーター制御回路173に信号を伝えてヒー
ター142への電力の供給を停止させる。これにより、
屎尿処理装置15の各機能は全て停止する。なお、屎尿
の蒸発・乾燥の処理、清掃の処理などが行われている際
に電源スイッチ166をオフしても、その屎尿の処理の
サイクルが完了するまでは屎尿処理装置15は停止しな
い。屎尿処理装置15の機能が停止するのは、前述した
待機の状態の時に電源スイッチ166がオフされた条件
である。これは、乾燥釜31内に屎尿や塵埃が貯留され
たままでその動作を停止すると、再度屎尿処理装置15
を使用しようとする際に処理サイクルを実行することが
できなくなるからである。
【0249】<屎尿処理装置15の再度の使用>
【0250】なお、電源スイッチ166をオフして屎尿
処理装置15の動作を停止した後、再度この屎尿処理装
置15を動作させるには、電源スイッチ166をオンさ
せ(電源を投入すること)て屎尿処理装置15を立ち上
げ、仮設便所11を使用することができる。
【0251】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、仮
設便所に応用して屎尿の蒸発することができるので、仮
設便所の運用が衛生的となり取扱いが極めて簡易とな
る。このため、浄化処理施設のない屋外、船舶や電車等
の交通機関、外囲から閉鎖されてバキュームカーが入り
込めないトンネル内等での屎尿の処理を行うことがで
き、乾燥釜に異物が投入されても故障が発生せず、長期
に使用することができる。
【0252】本願の請求項1の発明によれば、屎尿を収
納した蒸発容器の下面に接近して電磁加熱手段を設けて
あり、この電磁加熱手段により高周波の電磁波を蒸発容
器に交拌させることで、電磁誘導加熱により蒸発容器自
身を発熱させることができる。この電磁波の交拌では、
金属部分以外の部分では熱が発生せず、電磁加熱手段に
接近した蒸発容器の金属部分だけ発熱することから、熱
効率は向上する。
【0253】また、蒸発容器が回転して屎尿を攪拌する
ため、蒸発容器に屎尿以外の異物が投入されても攪拌羽
根に食い込まず、磨耗や故障の発生が少なくなる。
【0254】さらに、攪拌手段が制動部と接触して、攪
拌手段が蒸発容器の底部で回転するため、屎尿が混合さ
れて温度が均一に上昇される。このため、屎尿の蒸発が
早められる。そして、攪拌手段と接触する制動部は1つ
であるため、複数の攪拌手段が蒸発容器の特定の場所に
固まらず、屎尿の混合を確実に行うことができる。
【0255】本願の請求項2の発明によれば、蒸発容器
の底部付近から空気を吸引することできるので、空気と
共に屎尿の乾燥後に蒸発容器に残った塵埃を吸い上げる
ことができ、乾燥処理後の清掃を行うことができる。こ
のため、蒸発容器内には塵埃が残留せず、長期に渡り連
続して使用することができる。
【0256】本願の請求項3の発明によれば、蒸発容器
より蒸発した水蒸気を含む空気は、排風パイプより外部
に流出し、この空気は除臭箱に流入して触媒と接触して
酸化・還元されて無臭となる。このため、人家や人込み
の近くで使用しても悪臭を発散させることがない。この
水蒸気を含む空気はエゼクターの負圧により吸引される
ため、確実に排出することができ、屎尿の蒸発が促進さ
れる。
【0257】本願の請求項4の発明によれば、塵埃吸引
部により蒸発容器から吸引した塵埃を含む空気は塵埃分
離部に流動させることができ、塵埃と空気をこの塵埃分
離部で分離し、空気のみを送風部の吸引側に流動させる
ことができる。このため、塵埃が外部に拡散されず、塵
埃の回収と廃棄が容易となる。
【0258】本願の請求項5の発明によれば、蒸発容器
の底部の中央が隆起しているため、蒸発容器に収納した
球形の攪拌手段は蒸発容器の周縁で転動することにな
り、屎尿の混合が確実に行われる。
【0259】本願の請求項6の発明によれば、被覆手段
が水平な蓋板であることから、蒸発容器の上面開口に接
近し、蒸発容器を確実に閉鎖することができる。
【0260】本願の請求項7の発明によれば、リングと
ローラーと上下保持機構で蒸発容器を回転自在に保持す
ることができ、蒸発容器の回転軸を左右に偏位させず、
かつ、上下に移動させることなく、その位置で回転させ
ることができる。
【0261】本願の請求項8の発明によれば、蒸発容器
の上端と被覆手段の間には隙間が形成されるが、シール
リングのスカート状をした部分が弾性力を持ちながら蒸
発容器の上端に固定した摺動板と接触しており、蒸発容
器は気密に封鎖される。そして、シールリングで弾性的
に封鎖されているため、蒸発容器が回転するのを妨げる
ことがない。
【0262】本願の請求項9の発明によれば、駆動手段
は大歯車と小歯車の組み合わせでモーターからの回転を
蒸発容器に伝えることができ、回転力を確実に伝達する
ことができる。
【0263】本願の請求項10の発明によれば、攪拌手
段は金属材料で形成したあるため、電磁加熱手段からの
高周波の電磁波により、この攪拌手段も発熱し、この熱
は屎尿に伝えられるため、屎尿の加熱速度が早められ
る。
【0264】本願の請求項11の発明によれば、攪拌手
段はセラミックで形成してあるため、高温でもこの攪拌
手段が変形することもなく、長期の使用が可能となる。
【0265】本願の請求項12の発明によれば、制動部
は固定パイプと邪魔板により構成されており、断面積の
小さいパイプではなく邪魔板に攪拌手段が接触するた
め、攪拌手段の捕捉が確実となる。同時に、邪魔板で屎
尿をかき混ぜることができ、屎尿の混合が促進される。
【0266】本願の請求項13の発明によれば、塵埃吸
引部の伸縮部が上下に移動し、蒸発容器の底部に向けて
伸縮部のパイプの下端を接離させることができる。この
ため、屎尿の乾燥・蒸発時には伸縮部のパイプを上方に
移動して待機させることができ、塵埃の吸引時には伸縮
部のパイプを蒸発容器の底部に接近させることができ、
伸縮部のパイプを屎尿で閉塞させることを防止すること
ができる。
【0267】本願の請求項14の発明によれば、回転作
動体と塵埃吸い上げ用パイプとをネジの作用により上下
動させることができ、回転作動体は水平方向に回転して
も塵埃吸い上げ用パイプは制動杆によりその回転が規制
されている。このため、上下の移動は確実となり、正確
な位置に塵埃吸い上げ用パイプを停止させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である屎尿処理装置を移動式
の仮設便所に応用した例を示す、仮設便所の全体斜視図
である。
【図2】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全体の
配置構成を示したスケルトン図である。
【図3】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全体の
配置構成を示した平面図である。
【図4】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成を示した一部を省略した斜視図で
ある。
【図5】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成を示した縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の構成要素を上下に間隔をおいて示して
分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の蓋板を取り外して乾燥釜の内部を上方
から視た状態の平面図である。
【図8】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の乾燥釜を回転自在に保持する機構を示
す側面図である。
【図9】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要部
分である乾燥部の乾燥釜を回転自在に保持する機構を示
す側面図である。
【図10】本発明の一実施例である屎尿処理装置の主要
部分である乾燥部の乾燥釜を回転自在に保持する機構と
駆動機構を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施例である屎尿処理装置の塵埃
吸引部の構成を示す、乾燥釜を除去した状態の側面図で
ある。
【図12】本発明の一実施例である屎尿処理装置の塵埃
吸引部の構成を示すため、各機構を分離した状態の分解
斜視図である。
【図13】本発明の一実施例である屎尿処理装置の塵埃
吸引部の伸縮部と案内部の構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施例である屎尿処理装置の加熱
部の内部構成を示す分解斜視図である。
【図15】本発明の一実施例である屎尿処理装置の防臭
部の内部構成を示す一部を破断した斜視図である。
【図16】本発明の一実施例である屎尿処理装置の各機
構の間を結ぶ配管の接続状況を示す説明図である。
【図17】本発明の一実施例である屎尿処理装置の全て
の動作を制御する電気系のブロック図である。
【図18】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
の概略を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
の概略を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
における各部の動作状況の相関を示す真理表である。
【図21】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図27】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【図28】本発明の一実施例である屎尿処理装置の動作
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 仮設便所 15 屎尿処理装置 16 便器 21 乾燥部 22 塵埃吸引部 23 回転作動部 24 塵埃分離部 25 送風部 26 防臭部 27 屎尿導入部 28 加熱部 31 乾燥釜 34 蓋支え板 35 蓋板 36 摺動板 37 シールリング 41 突起 42 下リング 43 上リング 44 蓄熱球 50 上下保持機構 52 下ローラー 53 上ローラー 55 下横ローラー 57 上横ローラー 61 モーター 62 小歯車 63 大歯車 81 制動部 82 伸縮部 83 作動部 84 案内部 87 固定パイプ 89 邪魔板 96 ネジパイプ 97 吸引パイプ 99 制動杆 103 モーター 108 案内体 125 防臭箱 127 エゼクター 129 触媒 135 送風機 141 再加熱箱 142 ヒーター 153 ゴミ回収箱

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
    と、蒸発容器の上部開口に接近して固定された被覆手段
    と、蒸発容器の上部開口と被覆手段の間に介在され、蒸
    発容器の回転運動を妨げずにその開口を密封させる気密
    手段と、この蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容
    器内に収納された球形状をした少なくとも1個以上の攪
    拌手段と、被覆手段の下面にその上端が固定され、その
    下端が蒸発容器の底部にまで延長して攪拌手段と接触す
    る制動部と、この蒸発容器の下面に接近するように位置
    して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる
    電磁加熱手段とから構成されたことを特徴とする屎尿処
    理装置。
  2. 【請求項2】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
    と、蒸発容器の上部開口に接近して固定された被覆手段
    と、蒸発容器の上部開口と被覆手段の間に介在され、蒸
    発容器の回転運動を妨げずにその開口を密封させる気密
    手段と、この蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容
    器内に収納された球形状をした少なくとも1個以上の攪
    拌手段と、被覆手段の下面にその上端が固定され、その
    下端が蒸発容器の底部にまで延長して攪拌手段と接触す
    る制動部と、制動部の下端より空気を吸引することで蒸
    発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸引部と、この蒸発容器
    の下面に接近するように位置して設けられ、蒸発容器に
    高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから構成さ
    れたことを特徴とする屎尿処理装置。
  3. 【請求項3】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
    と、蒸発容器の上部開口に接近して固定された被覆手段
    と、蒸発容器の上部開口と被覆手段の間に介在され、蒸
    発容器の回転運動を妨げずにその開口を密封させる気密
    手段と、この蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容
    器内に収納された球形状をした少なくとも1個以上の攪
    拌手段と、被覆手段の下面にその上端が固定され、その
    下端が蒸発容器の底部にまで延長して攪拌手段と接触す
    る制動部と、この蒸発容器の下面に接近するように位置
    して設けられ、蒸発容器に高周波の電磁波を交拌させる
    電磁加熱手段とから成り、蒸発容器を電磁加熱手段によ
    って加熱させることで屎尿を蒸発させて処理できる屎尿
    処理装置において、その一端を被覆手段に連結して蒸発
    容器の内部と連通させた排風パイプと、この排風パイプ
    の他端にその風上側を接続し、その内部に触媒を収納し
    た除臭箱と、除臭箱の風下側にその負圧側を接続して除
    臭箱内の空気を吸引するエゼクターと、除臭箱の風上側
    にその一端を接続した再加熱箱と、この再加熱箱の内部
    に収納されて流動する空気を加熱するヒーターと、エゼ
    クターと再加熱箱に空気を供給する送風部とから構成さ
    れたことを特徴とする屎尿処理装置。
  4. 【請求項4】 底部が閉鎖して上部が開口した形状によ
    り屎尿を収納する耐熱性のある金属性の蒸発容器と、蒸
    発容器を水平方向に回転自在に保持する回転保持手段
    と、蒸発容器の上部開口に接近して固定された被覆手段
    と、蒸発容器の上部開口と被覆手段の間に介在され、蒸
    発容器の回転運動を妨げずにその開口を密封させる気密
    手段と、この蒸発容器を回転させる駆動手段と、蒸発容
    器内に収納された球形状をした少なくとも1個以上の攪
    拌手段と、被覆手段の下面にその上端が固定され、その
    下端が蒸発容器の底部にまで延長して攪拌手段と接触す
    る制動部と、制動部の下端より空気を吸引することで蒸
    発容器内の塵埃を吸い出す塵埃吸引部と、この蒸発容器
    の下面に接近するように位置して設けられ、蒸発容器に
    高周波の電磁波を交拌させる電磁加熱手段とから成り、
    蒸発容器を電磁加熱手段によって加熱させることで屎尿
    を蒸発させて処理できる屎尿処理装置において、塵埃吸
    引部の排気側に接続されて空気と塵埃を分離する塵埃分
    離部と、塵埃分離部の塵埃を分離した後の空気の─気側
    にその吸引側を接続した送風部とから構成されたことを
    特徴とする屎尿処理装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発容器は、周面が円筒形であり、
    この円筒形の下端開口をやや水平な底部で閉鎖した形状
    をしており、底部の中央を山形に隆起してあり、周面の
    中央軸線を垂直に位置させたことを特徴とする請求項
    1、2、3及び4記載の屎尿処理装置。
  6. 【請求項6】 前記被覆手段は、蒸発容器の上端開口に
    接近して位置させた水平な板状をした蓋板であることを
    特徴とする請求項1、2、3及び4記載の屎尿処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記回転保持手段は、蒸発容器の外周に
    固着された円環形状をしたリングと、このリングの外周
    端に回転して接触する複数のローラーと、このリングの
    上下面にそれぞれ回転して接触できる一対のローラーを
    有する複数の上下保持機構とから成ることを特徴とする
    請求項1、2、3及び4記載の屎尿処理装置。
  8. 【請求項8】 前記気密手段は、蒸発容器の上端開口に
    固着されたリング状をした摺動板と、被覆手段の下面に
    固着され、その下端が摺動板の上面に弾性を持って接触
    する、下方に向けてスカート状に拡大した形状のシール
    リングとから成ることを特徴とする請求項1、2、3及
    び4記載の屎尿処理装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動手段は、蒸発容器の外周に固定
    され、その外周に歯面を形成したリング状の大歯車と、
    この大歯車の歯面に噛み合う小歯車と、この小歯車を回
    転させるモーターとから成ることを特徴とする請求項
    1、2、3及び4記載の屎尿処理装置。
  10. 【請求項10】 前記攪拌手段は、金属材料で球形に形
    成したことを特徴とする請求項1、2、3及び4記載の
    屎尿処理装置。
  11. 【請求項11】 前記攪拌手段は、セラミック材料で球
    形に焼結して形成したことを特徴とする請求項1、2、
    3及び4記載の屎尿処理装置。
  12. 【請求項12】 前記制動部は、被覆手段の下面にその
    上端が固着され、その下端が蒸発容器の底方向に延長
    し、その軸線を垂直に位置させた固定パイプと、この固
    定パイプの下部に固着されて攪拌手段と接触する邪魔板
    とから構成されたことを特徴とする請求項1、2、3及
    び4記載の屎尿処理装置。
  13. 【請求項13】 前記塵埃吸引部は、制動部の長さ方向
    に上下動することができ、塵埃を吸引するパイプの下端
    を蒸発容器の底部付近にまで接近させることができる伸
    縮部と、この伸縮部を上下に移動させる作動部と、この
    伸縮部のパイプが上下方向にのみ移動するように規制す
    る案内部とから構成されたことを特徴とする請求項2及
    び4記載の屎尿処理装置。
  14. 【請求項14】 前記塵埃吸引部は、被覆手段に回転自
    在に保持され、その内周に雌ネジを形成した回転作動体
    と、その外周の長さ方向に雄ネジを形成して回転作動体
    の開口にねじ込み、その内部がパイプ状に貫通していて
    蒸発容器の底部の方向に向けて移動できる塵埃吸い上げ
    用パイプと、被覆手段に固定されて回転作動体を正逆の
    方向に回転させるモーターと、塵埃吸い上げ用パイプの
    長さ方向とは直角に突出された制動杆と、被覆手段に固
    定され、塵埃吸い上げ用パイプの長さ方向と平行に直線
    状の接触面を持ち、この接触面に制動杆の側面を接触さ
    せる案内体とから構成されたことを特徴とする請求項2
    及び4記載の屎尿処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101224287B1 (ko) * 2010-12-28 2013-01-21 이대진 가축의 뇨에 포함된 수분 증발장치

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