JPH10232578A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10232578A
JPH10232578A JP3628297A JP3628297A JPH10232578A JP H10232578 A JPH10232578 A JP H10232578A JP 3628297 A JP3628297 A JP 3628297A JP 3628297 A JP3628297 A JP 3628297A JP H10232578 A JPH10232578 A JP H10232578A
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JP
Japan
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roll
fixing
sheet
image forming
forming apparatus
Prior art date
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JP3628297A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Furuyama
哲也 古山
Mutsumi Kikuchi
睦 菊池
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写位置と定着位置との間において用紙Pに
形成される不均一なループを抑制して、リブマーク、紙
しわ、画像の歪みなどの問題の発生を防止することがで
きる画像形成装置を開発することを課題とする。 【解決手段】 互いに圧接された一対の定着ロール9,
10で用紙Pを挟持することで用紙表面に未定着トナー
像を定着させる電子写真方式の画像形成装置において、
用紙裏面側の定着ロール10が、使用状態においてロー
ル軸方向の中央部に対して対称な外形形状となるように
形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
などの電子写真方式の画像形成装置に係り、詳しくは、
トナー像を用紙に転写する転写位置と、用紙にトナー像
を定着させる定着位置との間において発生してしまう用
紙の不均一なループを解消するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置は、感光体
ドラムなどの潜像担持体上に画像情報に応じた電位分布
の静電潜像を形成し、その静電潜像を帯電済のトナーで
現像し、更にその現像により形成されたトナー像を用紙
などの転写材上に転写定着させることで画像を形成する
ものである。そして、近年、このような方式で画像を形
成する装置では、感光体ドラムに当接して回転する転写
ロールを設け、これらの間で用紙を挟持することにより
感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写する
と共に、内部に発熱源を有する加熱ロールと、これに圧
接される加圧ロールとを設け、これらの間で用紙を挟持
することにより未定着トナー像を用紙に定着させるよう
にしている。このように感光体ドラムに転写ロールを当
接させた画像形成装置では、従来の転写コロトロンで転
写を行う画像形成装置に比べて、オゾンを発生しないと
か、装置の小型化が可能であるなどのメリットがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな画像形成装置では、加圧ロールや加熱ロールといっ
た定着ロールの用紙搬送速度がその軸方向左右において
微妙に異なってしまった場合であっても、転写位置と定
着位置との間において用紙に不均一なループが形成され
てしまう。そして、この不均一なループが大きくなって
しまうと、用紙の搬送経路の周囲に配設された用紙ガイ
ドなどのリブに当該大きなループの形成部位が当接して
しまうことになり、その結果、用紙上に形成された未定
着トナー像には擦り跡などのリブマークが発生してしま
う。また、この不均一なループにより用紙が撓み、その
ままの状態で加熱ロールと加圧ロールとの間に供給され
てしまうと、用紙はその撓んだ状態のままで加熱ロール
と加圧ロールとの間で強くプレスされることになり、そ
の結果、用紙にしわが発生してしまう。更に、この不均
一なループにより用紙にはその搬送方向と垂直な方向
(以下、スラスト方向とよぶ)の力が作用して姿勢がだ
んだんとずれ、転写位置における感光体ドラムと用紙と
の位置関係がだんだんにずれてしまうこととなり、その
結果、用紙に転写された画像は歪んでしまう。
【0004】そして、このような問題は特に、更なる小
型化を図るために転写位置と定着位置とを狭めたような
装置や、両面コピーを行うように改良した装置において
顕著に発生した。なお、転写位置と定着位置とを狭めた
ような装置においてこのような問題が発生するのは、転
写位置と定着位置との間隔が狭まったことにより用紙の
不均一なループによる変形の程度が大きく(一般的にこ
れを用紙の撓み率の増加と呼んでいる)、その結果、用
紙のスラスト方向に生じる力の大きさが大きくなるため
であると思われる。また、両面コピーを行うように改良
した装置においてこのような問題が発生するのは、用紙
の片面にトナー像が定着されること、及び用紙が乾燥す
ることにより用紙が硬くなっており、その結果、用紙の
スラスト方向に生じる力の大きさが大きくなるためであ
ると思われる。
【0005】なお、以上の説明では、転写ロールを使用
した画像形成装置を例に不均一なループによる問題点を
説明したが、このような問題は転写ロールを使用した画
像形成装置においてのみ発生するものではなく、転写コ
ロトロンと共に感光体ドラムに当接する転写補助ロール
を設け、これらの間に給紙するような装置であっても、
転写コロトロンのみで転写を行うような装置であっても
用紙が感光体ドラムに強く静電的に吸着してしまうよう
な装置であれば問題となることがある。
【0006】そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねたと
ころ、転写位置と定着位置との間において用紙に不均一
なループが形成されてしまうのは、加圧ロールや加熱ロ
ールといった定着ロールの外形形状が使用状態において
不均一となり、その結果用紙の搬送速度が左右において
異なったものとなっていることに起因していることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】従って、本発明は、転写位置と定着位置と
の間において用紙に形成される不均一なループを抑制し
て、リブマーク、紙しわ、画像の歪みなどの問題の発生
を防止することができる画像形成装置を開発することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するために、互いに圧接された一対の定着
ロールで用紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー
像を定着させる電子写真方式の画像形成装置において、
用紙裏面側の定着ロールが、使用状態においてロール軸
方向の中央部に対して対称な外形形状となるように形成
されている画像形成装置である。
【0009】本発明において、用紙裏面側の定着ロール
は、内部に発熱源が配設された加熱ロールであっても、
この加熱ロールに圧接して配置される加圧ロールであっ
てもよいが一般的には加熱ロールを直接トナーに当接さ
せた方が定着し易いので加圧ロールとなる。そして、こ
の加圧ロールとしては、回転軸部材の周囲に圧接幅を稼
ぐために所定の厚さでシリコンゴムなどの弾性部材の層
が形成された構造のものであっても、更に離型性などを
調整するためにそのシリコンゴム層をPFAチューブで
被覆した構造のものであってもよい。
【0010】また、ロールの軸方向中央部に対して対称
な外形形状となるように定着ロールを形成するとは、定
着ロールの軸方向中央部から等しい距離にある定着ロー
ルの左右の部位がその外形が等しくなるように形成され
ていることを意味する。更に、使用状態において用紙の
搬送経路中央部に対して対称な外形形状となるように定
着ロールを形成するとは、例えば、弾性部材の層をPF
Aチューブで被覆した上記加圧ロールなどにおいては、
加熱ロールの発熱によりその弾性部材内の空気が閉じ込
められたまま膨張し、特に加熱ロールの発熱分布が軸方
向において不均一となっている場合などにおいてはその
膨張の程度が加圧ロールの軸方向において不均一に膨張
してしまうので、各部の使用時の温度と形成時の温度と
の温度差に応じた膨張率を見積もり、使用温度において
対称な外形形状となるように定着ロールを形成すること
を意味する。
【0011】このように構成された画像形成装置では、
用紙裏面側の定着ロールが、使用状態においてロールの
回転軸方向中央部に対して対称な外形形状となっている
ので、定着ロールによる搬送速度は用紙の左右において
等しくなる。従って、定着ロールに供給された用紙は、
その姿勢を維持したまま搬送されることになり、転写位
置と定着位置との間において用紙に不均一なループが形
成されてしまうことはない。
【0012】ところで、このように定着ロールの外形形
状を、使用状態においてロールの軸方向中央部に対して
対称な外形形状とするための手段としてはさまざまな方
法が考えられるが、例えば、成形時においてロールの回
転軸方向中央部に対して対称な外形形状となる定着ロー
ルを使用した場合には定着ロールと転写位置との間に発
生する用紙のループ量が相対的に小さくなってしまう側
の定着ロールの外形を、他方の側の定着ロールの外形よ
りも小さく成形すればよい。また、弾性部材表面の層を
PFAチューブで被覆した定着ロールであれば、弾性部
材をチューブに挿入させる側の端部にはその挿入時に強
いストレスが作用し、加熱時にはその弾性部材の挿入端
側よりも後端側の方が熱膨張することになるので、成形
時においてロールの回転軸方向中央部に対して対称な外
形形状となる定着ロールを使用した場合には定着ロール
と転写位置との間で発生する用紙のループ量が相対的に
小さくなってしまう側に、弾性部材の挿入端側を一致さ
せればよい。更に、弾性部材表面の層をPFAチューブ
で被覆した定着ロールであれば、成形時においてロール
の回転軸方向中央部に対して対称な外形形状となる定着
ロールを使用した場合には定着ロールと転写位置との間
で発生する用紙のループ量が相対的に小さくなってしま
う側の貫通穴の密度が高くなるように、チューブに複数
の貫通穴をあけてもよい。最後に、このような弾性部材
の層をPFAチューブで被覆した定着ロールをサイドレ
ジの画像形成装置に適用する場合には、加熱ロールの加
熱配分等に起因してそのレジ側の用紙のループ量が相対
的に小さくなることが殆どなので、サイドレジ側に弾性
部材の挿入端側を一致させたり、サイドレジ側の貫通穴
の密度を高くするようにするとよい。
【0013】また、このように定着ロールを形成した場
合には、それが故に、次のような別の問題を生ずること
になる。例えば、定着ロールの軸方向の長さよりも短い
小サイズの用紙に対して定着を連続的に行った場合、定
着ロールの温度分布は当初のものとことなり、その小サ
イズの用紙が通過した部位の温度のみが低下した状態と
なる。このような条件の下で当該小サイズの用紙よりも
大きい用紙に対して定着動作を行った場合、特に上記弾
性部材の層をPFAチューブで被覆した定着ロールなど
においては、上記温度低下した部位の熱膨張量が減少
し、ロールの外形形状が回転軸方向中央部に対して対称
な外形形状となっていないので、用紙の搬送速度が左右
で異なってしまう。従って、このように小サイズの用紙
に対して定着を行った場合には、定着ロールを所望の使
用状態に復帰させる手段、例えば、定着ロールの温度分
布が所望の状態に安定するまでの時間をカウントすると
共に、その間は大サイズの用紙に対する定着を禁止する
手段や、定着ロールの温度を積極的に調整する手段を設
けるようにすればよい。
【0014】以上の説明は、加圧ロール以外による不均
一ループ発生が問題とならない条件下で説明したが、加
圧ロール以外の原因で不均一ループが大きく発生してし
まうような条件下では、使用状態においてロールの回転
軸方向中央部に対して対称な外形形状となる定着ロール
を使用した場合には定着ロールと転写位置との間で発生
する用紙のループ量が相対的に小さくなってしまう側の
定着ロールの外形を、他方の側の定着ロールの外形より
も小さく成形すると共に、本考案の施策を実施すること
は有効である。
【0015】
【実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の実施
形態を説明する。
【0016】実施形態1 図1に本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す。
この画像形成装置は、円筒形状に形成されて回転可能に
配設された感光体ドラム1を有し、この感光体ドラム1
の円筒周面上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナ
ーで現像し、更にこのトナーによる現像像を用紙Pに転
写定着することで画像を形成するものであり、このよう
な画像の形成方式は電子写真方式と呼ばれている。
【0017】このような電子写真方式の画像形成装置に
おいて、2は感光体ドラム1を一様な電位に帯電させる
帯電ロール、3は帯電後の感光体ドラム1を画像情報に
応じて露光する露光器、4は露光後の感光体ドラム1に
現像剤を供給する現像器であり、この帯電ロール2及び
露光器3が感光体ドラム1の円筒周面上に静電潜像を形
成し、更に現像器4により供給された現像剤中のトナー
によりこの静電潜像を現像することで、感光体ドラム1
上にトナー像を形成する。
【0018】また、同図において、5は複数の用紙Pを
収容する2つの用紙トレイ、6は各用紙トレイ5から用
紙Pを1枚ずつ搬出するピックアップロール、7は搬出
された用紙Pを感光体ドラム1に供給するレジロール
対、8は感光体ドラム1に圧接して配置され感光体ドラ
ム1に供給された用紙Pを感光体ドラム1との間の転写
位置で挟持する転写ロール、9,10は転写位置を通過
した用紙Pを定着位置において加熱しながら挟持する一
対の定着ロール、11,12は転写位置を通過した用紙
Pの移動方向を規制して定着位置に適当に供給する一組
の用紙ガイド、13は用紙Pが排出される排出トレイ、
14は定着位置を通過した用紙Pを挟持て排出トレイ1
3に排出する一対の排出ロールであり、このように用紙
トレイ5から排出トレイ13まで搬送される間に用紙P
には転写位置において感光体ドラム1から未定着トナー
像を転写され、定着位置において加熱加圧されることで
画像が形成されることになる。なお、本実施形態では、
加熱ロールの熱が効率良くトナーの溶融に使用されるよ
うに、用紙Pのトナー像が形成された面(表面)側の定
着ロール9を加熱ロールとすると共に、その反対の用紙
面(裏面)側の定着ロール10を加圧ロールとした。
【0019】また、本実施形態の画像形成装置では、各
排出ロール14を正逆回転可能に構成すると共に、排出
ロール対14からレジロール対7までに用紙再送経路1
5を設けて、排出ロール14を逆回転することによりこ
の排出ロール対14に挟持されている用紙Pを再度装置
内に引き込むと共に、用紙再送経路15を介してレジロ
ール対7に用紙Pを再送することにより、用紙Pの裏面
にも画像を形成できるように構成されている。従って、
本実施形態の画像形成装置では、用紙Pの片面に画像を
形成するだけでなく、用紙Pの両面にそれぞれ画像を形
成することもできる。
【0020】ところで、図2に示すように、本実施形態
では装置の小型化を図るために転写位置と定着位置との
間隔が約9cmに設定されており、その為、感光体ドラ
ム1とそれに当接された転写ロール8との間から排出さ
れる用紙Pは、その後端が転写位置に挟持されている間
に先端部分が定着ロール対9,10により挟持されるこ
とになる。このような構成では、転写位置における用紙
Pの送り速度V1 よりも定着位置における用紙Pの送り
速度V2 が大きくなってしまうと、用紙Pに不要なスト
レスが作用して画質欠陥や用紙の破損のおそれが生じる
ので、転写位置における用紙の送り速度V1 よりも定着
位置における用紙の送り速度V2 を少し遅く設定してい
る。従って、図3に示すように、レジロール対7から感
光体ドラム1に供給された用紙Pは(同図(a),
(b))、その先端が用紙ガイド11,12の間を通過
して定着ロール対9,10に挟持されると、転写位置と
定着位置との間でループが形成されることになる(同図
(c))。また、このループは、用紙Pの後端が転写位
置から離間するまでの間(同図(e))、用紙が搬送さ
れるに従って大きくなるが(同図((d))、このよう
に均一に発生するループにより用紙Pと用紙ガイド1
1,12とが接触することがないように用紙ガイド1
1,12の配置や形状は工夫されている。
【0021】また、本発明の画像形成装置は複数の用紙
トレイ5,5を有することからも明らかなように、複数
のサイズの用紙Pに対して画像が形成できるように構成
されている。そのため、この画像形成装置では、図4
(a)に示すように、用紙Pを搬送する際の基準位置
(レジ位置)が図1において紙面の手前側となるように
設定されている。他方、本実施形態では装置の簡素化な
どを図るために、加熱ロール9の内部には、各サイズの
用紙P1 ,P2 に対応した複数の発熱源を設けるのでは
なく、単一の発熱源により加熱ロール9を加熱するよう
に構成した。具体的には、図4(b)に示すように、レ
ジ位置側で発熱量が多く、反対側で発熱量が小さい発熱
分布を有する発熱源を使用した。従って、本実施形態の
画像形成装置では、定常状態では、加熱ロール9や加圧
ロール10の軸方向における温度分布は図4(c)に示
すような温度分布になってしまう。それ故、図5(a)
に示すように、成形時においてロール10の回転軸方向
中央部Aに対して対称な外形形状に形成された加圧ロー
ル10を用いた場合には、上記加熱温度の分布に従って
加圧ロール10が不均一に膨張してしまうため、使用温
度における加圧ロール10の外形形状は図5(b)に示
すように、レジ位置側(以下、out側とも呼ぶ)で太
く、その反対側(以下、in側ともよぶ)で細い形状と
なってしまう。つまり、ロールの軸方向の中央部Aに対
して非対称な外形形状となってしまう)。
【0022】従って、このように成形時においてロール
の回転軸方向中央部Aに対して対称な外形形状に形成さ
れた加圧ロール10を本実施形態の画像形成装置に適用
した場合には、加圧ロール10による用紙Pの搬送量
が、その軸方向両端部(左右)において異なることにな
ってしまい(具体的には、out側の搬送量がin側の
搬送量よりも大きくなり)、図6(a)〜(c)に示す
ように、搬送されるに従って用紙Pには転写位置と定着
位置との間において不均一なループが形成され、その結
果、大きなループが形成された部位(in側の部位)が
上記用紙ガイド11に当接してリブマークが発生した
り、用紙しわが発生したり、画像に歪みが生じたりして
しまう。特に、片面に画像が形成された用紙Pの裏面に
画像を形成する際にこれらの問題は頻発した。
【0023】そこで、このような画像形成装置において
上記問題の発生を防止するために、本実施形態では、加
圧ロール10を、使用温度においてロール軸方向の中央
部Aに対して対称な外形形状となるように形成した。
【0024】具体的には、本実施形態で用いた加圧ロー
ル10は、図7に示すように、回転軸10aの周囲に厚
さ8mmのシリコンゴム層10bを固着させることで挿
入部材を構成し、次にこの挿入部材を、その外形φ25
mmよりも若干(数十μm程度)小さい内径を有するフ
ッ素樹脂熱収縮チューブ(例えば、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体製
のチューブ(以下、この例のチューブをPFAチューブ
と略記する))10cに圧入することで形成したもので
あり、しかも、この挿入部材の挿入端側Bがレジ位置側
(out側)にくるように配設した。このように成形さ
れた加圧ロール10では、図8(a)に示すように、3
0度においては上記挿入端側Bはその他端側よりも外形
の半径で約66μmほど小さく形成される。そして、こ
のような形状の加圧ロール10は、上記図4(c)に示
すような分布の温度に加熱されると、このレジ位置側
(out側)が大きく膨張して、使用温度においてロー
ル軸方向の中央部Aに対して対称な外形形状となる。
【0025】そして、このような加圧ロール10を適用
した本実施形態に係る画像形成装置を用いてB5〜A3
までの各種のサイズの用紙Pに対して画像を形成させ
た。その結果、図10に示すように用紙Pには不均一な
ループが殆ど発生せず、リブマークは発生しなかった。
また、用紙Pの片面のみに画像を形成した場合は言うに
及ばず、用紙Pの両面に画像を形成した場合であって
も、紙しわが発生することはなく、且つ、用紙Pの搬送
方向における画像の歪み量も問題のないレベルだった。
【0026】ところで、このように使用温度においてロ
ール軸方向の中央部Aに対して対称な外形形状となる加
圧ロール10を用いた場合、この加圧ロール10の軸方
向の長さよりも短い幅の用紙Pに対して連続的に画像を
形成した場合には、レジ位置側(out側)の温度のみ
が低下することになるため、ロール10の外形形状は非
対称な形状になってしまう。そして、このような状況下
で例えば加圧ロール幅一杯の用紙Pに対して定着を行え
ば、成形時においてロールの回転軸方向中央部Aに対し
て対称な外形形状に形成された加圧ロールを用いた場合
と同様に、外形形状が不均一となってしまっているの
で、用紙Pに不均一なループが発生して、リブマーク
や、用紙しわや、画像の歪みが生じてしまうおそれがあ
る。
【0027】そこで、本実施形態では、更に図9に示す
ように、小サイズ画像形成後には(S1)、タイマーを
カウントし(S2)、所定の時間の後にならないと大サ
イズ画像の形成を開始できないように構成した(S3〜
S5)。
【0028】その結果、本実施形態の画像形成装置にお
いて、多数の小サイズ用紙に対して連続的に画像を形成
した直後に、大サイズの用紙に対して画像を形成させる
操作を行ったとしても、画像に画質欠陥が生じたり、紙
しわが発生したりすることはなかった。
【0029】実施形態2 本実施形態では、加圧ロール10のPFAチューブに多
数の貫通穴を形成した以外は実施形態1と同様である。
このPFAチューブに開設される各貫通穴は、鋭利な針
により加工されて空気が通過しうる微妙な穴であり、図
8(b)に示すように、挿入部材の挿入端側B(配設位
置でいえばレジ位置側)において穴の開設密度が高くな
っている。具体的には、挿入部材の挿入端側における穴
の開設密度は2個/cm2 であり、他端側では1個/c
2 である。そして、この穴はシリコンゴム層内の空気
が加熱により膨張した際に、その空気を逃がして、加圧
ロール10の外形の膨張量を減少させるものであり、本
実施形態のようにout側の穴の密度を高くした場合に
は、out側の外形の膨張量を抑えることになる。
【0030】そして、実施形態1と同様な実験を行った
ところ、図10〜図12に示すように、用紙Pには不均
一なループが殆ど発生せず、その結果、リブマーク、紙
しわ、画像の歪みは問題とならなかった。ちなみに、画
像の歪み量(伸び量)は図12に示すように最大でも
1.7mm以下に抑えられていた。
【0031】比較形態1 本比較形態では、図8(c)に示すように、挿入部材の
挿入端側Bがレジ位置の反対側(in側)にくる向きに
加圧ロール10を配設した以外は、実施形態1と同様の
構成である。
【0032】そして、実施形態1と同様な実験を行った
ところ、図10に示すように、用紙には不均一なループ
が発生し、その結果、リブマークが発生してしまった。
また、紙しわや画像の歪みも発生してしまった。なお、
図10は、本比較形態で発生したループ量の差を100
%とした時の他の実施形態や比較形態の割合で示されて
いる。この図からも明らかなように、加圧ロール10
を、実施形態1のように挿入部材の挿入端側Bがレジ位
置側(高温加熱される側)にくる向きに配設するだけで
ループ量差が30%も軽減され、更に実施形態2のよう
にレジ位置側の穴の開口密度を向上させることにより1
35%近くも軽減されることになる。
【0033】比較形態2 本比較形態では、図8(d)に示すように、挿入部材の
挿入端側Bがin側にくるように加圧ロール10を配設
した以外は、実施形態2と同様の構成である。
【0034】そして、実施形態1と同様な実験を行った
ところ、図10に示すように、比較形態1よりも大きな
不均一ループが用紙Pに発生し、その結果、リブマーク
が頻発してしまった。また、図11、図12に示すよう
に、紙しわや画像の歪みも著しく発生してしまった。ち
なみに、本比較形態における画像の歪み量(伸び量)は
図12に示すように最大で約3.5mm近くになるほど
に発生した。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の画
像形成装置では、用紙裏面側の定着ロールが、使用状態
においてロールの軸方向中央部に対して対称な外形形状
となるように形成されて、用紙の搬送速度を左右におい
て等しくなるようにしたので、用紙に不均一なループが
形成されることはなく、ひいてはリブマーク、紙しわ、
画像の歪みなどの問題の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態で使用した画像形成装置の概略構
成図。
【図2】 図1の画像形成装置における用紙搬送の説明
図(転写位置と定着位置との間における用紙搬送)。
【図3】 転写位置と定着位置との間における用紙の搬
送状態変移図。
【図4】 定着ロールの説明図((a)はレジ位置との
関係、(b)は加熱源の発熱量の分布、(c)は加圧ロ
ールの温度分布(定常時))。
【図5】 従来の加圧ロールの説明図((a)は加圧ロ
ールの常温時の外形形状の説明図、(b)は加熱時の外
形形状の説明図)。
【図6】 図5の従来の加圧ロールを図1の画像形成装
置に適用した場合における不均一ループの発生過程の説
明図。
【図7】 実施形態で使用した加圧ロールの成形工程の
説明図(a)、並びに、断面図(b)。
【図8】 本実施形態で使用した加圧ロールの30度に
おける外形図((a)は実施形態1、(b)は実施形態
2、(c)は比較形態1、(d)は比較形態2)。
【図9】 本実施形態において追加した画像形成装置の
動作制御フロチャート。
【図10】 本実施形態の画像形成装置の実験結果(不
均一ループの発生量の比較データ)。
【図11】 本実施形態の画像形成装置の実験結果(実
施形態2における紙しわの発生状況と、比較形態2にお
ける紙しわの発生状況との比較データ)。
【図12】 本実施形態の画像形成装置の実験結果(実
施形態2における画像の歪みの発生量と、比較形態2に
おける画像の歪みの発生量との比較データ)。
【符号の説明】
9:加熱ロール、10:加圧ロール、A:ロール軸方向
の中央部、B:挿入部材(弾性部材10b)の挿入端
側、10c:PFAチューブ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに圧接された一対の定着ロールで用
    紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着さ
    せる電子写真方式の画像形成装置において、用紙裏面側
    の定着ロールが、使用状態においてロール軸方向の中央
    部に対して対称な外形形状となるように形成されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 互いに圧接された一対の定着ロールで用
    紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着さ
    せる電子写真方式の画像形成装置において、用紙裏面側
    の定着ロールが、成形時においてロールの回転軸方向中
    央部に対して対称な外形形状となる定着ロールを使用し
    た場合には定着ロールと転写位置との間で発生する用紙
    のループ量が相対的に小さくなってしまう側の定着ロー
    ルの外形を、他方の側の定着ロールの外形よりも小さく
    成形したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 互いに圧接された一対の定着ロールで用
    紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着さ
    せる電子写真方式の画像形成装置において、用紙裏面側
    の定着ロールが、弾性部材表面の層をPFAチューブで
    被覆した定着ロールであると共に、成形時においてロー
    ルの回転軸方向中央部に対して対称な外形形状となる定
    着ロールを使用した場合には定着ロールと転写位置との
    間で発生する用紙のループ量が相対的に小さくなってし
    まう側に、弾性部材の挿入端側が一致するように配設さ
    れていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 用紙裏面側の定着ロールは、その弾性部
    材の挿入端側がサイドレジ側に一致していることを特徴
    とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 互いに圧接された一対の定着ロールで用
    紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着さ
    せる電子写真方式の画像形成装置において、用紙裏面側
    の定着ロールが、発泡性弾性部材表面の層をPFAチュ
    ーブで被覆した定着ロールであると共に、成形時におい
    てロールの回転軸方向中央部に対して対称な外形形状と
    なる定着ロールを使用した場合には定着ロールと転写位
    置との間で発生する用紙のループ量が相対的に小さくな
    ってしまう側の貫通穴の密度が高くなるように、チュー
    ブに複数の貫通穴が開設されていることを特徴とする画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 用紙裏面側の定着ロールは、サイドレジ
    側の貫通穴の密度が高くなっていることを特徴とする請
    求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 定着ロールの軸方向の長さよりも小さい
    サイズの用紙に対して定着を行った場合に、定着ロール
    を所望の使用状態に復帰させる手段を設けたことを特徴
    とする請求項1〜6に記載の画像形成装置。
JP3628297A 1997-02-20 1997-02-20 画像形成装置 Pending JPH10232578A (ja)

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