JP3695044B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置に係り、詳しくは、トナー像を用紙に転写する転写位置と、用紙にトナー像を定着させる定着位置との間において発生してしまう用紙の不均一なループを解消するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムなどの潜像担持体上に画像情報に応じた電位分布の静電潜像を形成し、その静電潜像を帯電済のトナーで現像し、更にその現像により形成されたトナー像を用紙などの転写材上に転写定着させることで画像を形成するものである。そして、近年、このような方式で画像を形成する装置では、感光体ドラムに当接して回転する転写ロールを設け、これらの間で用紙を挟持することにより感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写すると共に、内部に発熱源を有する加熱ロールと、これに圧接される加圧ロールとを設け、これらの間で用紙を挟持することにより未定着トナー像を用紙に定着させるようにしている。このように感光体ドラムに転写ロールを当接させた画像形成装置では、従来の転写コロトロンで転写を行う画像形成装置に比べて、オゾンを発生しないとか、装置の小型化が可能であるなどのメリットがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像形成装置では、加圧ロールや加熱ロールといった定着ロールの用紙搬送速度がその軸方向左右において微妙に異なってしまった場合であっても、転写位置と定着位置との間において用紙に不均一なループが形成されてしまう。そして、この不均一なループが大きくなってしまうと、用紙の搬送経路の周囲に配設された用紙ガイドなどのリブに当該大きなループの形成部位が当接してしまうことになり、その結果、用紙上に形成された未定着トナー像には擦り跡などのリブマークが発生してしまう。また、この不均一なループにより用紙が撓み、そのままの状態で加熱ロールと加圧ロールとの間に供給されてしまうと、用紙はその撓んだ状態のままで加熱ロールと加圧ロールとの間で強くプレスされることになり、その結果、用紙にしわが発生してしまう。更に、この不均一なループにより用紙にはその搬送方向と垂直な方向(以下、スラスト方向とよぶ)の力が作用して姿勢がだんだんとずれ、転写位置における感光体ドラムと用紙との位置関係がだんだんにずれてしまうこととなり、その結果、用紙に転写された画像は歪んでしまう。
【0004】
そして、このような問題は特に、更なる小型化を図るために転写位置と定着位置との配設間隔を狭めたような装置や、両面コピーを行うように改良した装置において顕著に発生した。なお、転写位置と定着位置との配設間隔を狭めたような装置においてこのような問題が発生するのは、転写位置と定着位置との間隔が狭まったことにより用紙の不均一なループによる変形の程度が大きくなり(一般的にこれを用紙の撓み率の増加と呼んでいる)、また、それ故に用紙のスラスト方向に生じる力の大きさが大きくなって用紙の姿勢の変化が大きくなるためであると思われる。また、両面コピーを行うように改良した装置においてこのような問題が発生するのは、用紙の片面にトナー像が定着されることにより用紙が硬くなっており、その結果、用紙のスラスト方向に生じる力の大きさが大きくなって用紙の姿勢変化も大きくなるためであると思われる。
【0005】
なお、以上の説明では、転写ロールを使用した画像形成装置を例に不均一なループによる問題点を説明したが、このような問題点は転写ロールを使用した画像形成装置においてのみ発生するものではなく、転写コロトロンと共に感光体ドラムに当接する圧着ロールを設け、これらの間に給紙するような装置であっても、転写コロトロンのみで転写を行うような装置であっても用紙が感光体ドラムに静電的に吸着してしまうような装置であれば問題となることがある。
【0006】
そこで、本発明は、転写位置と定着位置との間において用紙に形成される不均一なループを抑制して、リブマーク、紙しわ、画像の歪みなどの問題の発生を防止することができる画像形成装置を開発することを課題とする。
【0007】
なお、特開平6−130846号公報には、像担持体に転写ロールを圧接した画像形成装置では、この像担持体に対して一対の定着ロールを非平行に配設することで、転写位置と定着位置との間において用紙に形成される不均一なループを抑制する技術が提案されているが、本願発明者らが実験してみたところ、このような条件の下では不均一なループが抑制されることはなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、上記課題を解決するために、互いに圧接された一対の定着ロールで用紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着させる電子写真方式の画像形成装置において、定着ロールよりも用紙の搬送方向下流側に、定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部に対してその反対側の用紙の端部よりも速い送り速度を作用させるように、用紙を挟持して搬送する一対の搬送ロールを設けたものである。
【0009】
上記一対の定着ロールは、互いに圧接されたものであればよく、例えば、内部に発熱源が配設された加熱ロールと、この加熱ロールに圧接して配置される加圧ロールとで構成することができる。このような組み合わせの場合には、加熱ロールを直接トナーに当接させた方が定着し易いので一般的には、加熱ロールが用紙のトナー像形成面側に配設される。また、加圧ロールには、回転軸部材の周囲に圧接幅を稼ぐために所定の厚さでシリコンゴムなどの弾性部材の層が形成された構造のものや、更に離型性などを調整するためにそのシリコンゴム層をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体製のチューブ(以下、PFAチューブと略記する)で被覆した構造のフッ素樹脂熱収縮チューブがある。
【0010】
上記一対の搬送ロールは、基本的には定着ロールよりも用紙の搬送方向下流側において用紙を挟持して搬送するものであり、画像形成装置において用紙搬送に使用されている各種の搬送ロールを使用することができるが、本発明では特に、この搬送ロールを用いて、定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部(以下、遅送側端部と呼ぶ)に対してその反対側の用紙の端部(以下、速送側端部と呼ぶ)よりも速い送り速度を作用させるように構成する。
【0011】
このように構成された画像形成装置では、用紙の先端縁が定着ロールよりも用紙の搬送方向下流側に配設された一対の搬送ロールに挟持されると、その搬送ロールが定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部に対してその反対側の用紙の端部よりも速い送り速度を作用させる。従って、このように定着ロール及び一対の搬送ロールに挟持された状態では、定着ロールを通過する用紙の搬送速度がロールの回転軸方向両端部において略均一なもとのなり、転写位置と定着位置との間において用紙に形成される不均一なループの増大を抑制することができる。
【0012】
このような発明において、一対の搬送ロールを用いて用紙の遅送側端部に対して速送側端部よりも速い送り速度を作用させる手段としては、例えば、用紙の遅送側端部における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔が、速送側端部におけるそれらの配設間隔よりも広くなるように構成すればよい。このように構成することにより、定着ロールのロール軸方向両端における搬送速度に差があって転写位置と定着位置との間において用紙に不均一なループが形成されている場合には、定着ロールによって定着ロールと上記搬送ロールとの間に送り込まれる用紙の搬送量も異なったものになるので、定着ロールと上記搬送ロールとの間には上記転写位置と定着位置との間において大きなループが形成される側とは反対側の部位に大きなループが形成されることになる。そして、定着ロールと上記搬送ロールとの間にこのような不均一なループが形成されると、搬送ロールが用紙をシッカリと挟持しているので、その後の用紙搬送では、定着ロールによる送り速度が遅かった側の端部に、用紙の搬送方向に引き上げる力が作用し、その端部の搬送速度が増速され、その結果、不均一なループの増大を抑制することができる。
【0013】
なお、このようにロールの軸方向両端部における配設間隔を異ならせた場合には、定着ロールあるいは搬送ロールの少なくともいずれか一方が用紙の搬送経路に対して傾いて配設されることになってしまうが、これにより用紙の搬送方向が所定の方向からずれてしまったりすることはない。
【0014】
一対の搬送ロールを用いて用紙の遅送側端部に対して速送側端部よりも速い送り速度を作用させる他の手段としては、例えば、少なくとも一方の搬送ロールの外形形状を、用紙の速送側端部よりも遅送側端部の方が大径となるように形成すればよい。これにより、搬送ロールが用紙を挟持した状態では、搬送ロールが用紙の定着ロールによる送り速度が遅かった側の端部に、用紙の搬送方向に引き上げる力が作用し、その端部の搬送速度が増速されることになる。
【0015】
なお、用紙の搬送方向に沿った一端縁が同一の搬送経路を通過するように設定されたサイドレジ方式の画像形成装置では一般的に、加熱ロールの加熱配分等に起因してそのレジの反対側が用紙の遅送側端部となることが殆どなので、当該レジの反対側における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔がサイドレジ側の配設間隔よりも広くなるように構成したり、上記レジの反対側の搬送ロールの外形形状をサイドレジ側の外形よりも大径となるように形成したりすればよい。
【0016】
ところで、本発明が課題としている不均一なループは、用紙のサイズごとに発生状況が異なり、また、装置の微妙な設定の違いによってもその発生の状況や程度が異なる場合がある。そのような場合には、本発明の効果を最大限に発揮させるためには、例えば、定着ロールと搬送ロールとの配設間隔の広がり具合を調整するための調整手段を設けたほうがよい。
【0017】
また、画像形成装置によっては、定着ロールと搬送ロールとの配設間隔の広がり具合を一律な調整設定にした場合には、その装置が対称とする全てのサイズの用紙の不均一ループを十分に抑制することができないような場合も生じる可能性がある。そのような場合には、例えば、上記調整手段は、用紙のサイズ毎に当該配設間隔の広がり具合の設定を変更できるように構成するとよい。
【0018】
【実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
実施形態1
図1に本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す。この画像形成装置は、円筒形状に形成されて回転可能に配設された感光体ドラム1を有し、この感光体ドラム1の円筒周面上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像し、更にこのトナーによる現像像を用紙Pに転写定着することで画像を形成するものであり、このような画像の形成方式は電子写真方式と呼ばれている。
【0020】
このような電子写真方式の画像形成装置において、2は感光体ドラム1を一様な電位に帯電させる帯電ロール、3は帯電後の感光体ドラム1を画像情報に応じて露光する露光器、4は露光後の感光体ドラム1に現像剤を供給する現像器であり、この帯電ロール2及び露光器3が感光体ドラム1の円筒周面上に静電潜像を形成し、更に現像器4により供給された現像剤中のトナーによりこの静電潜像を現像することで、感光体ドラム1上にトナー像を形成する。
【0021】
また、同図において、5は複数の用紙Pを収容する2つの用紙トレイ、6は各用紙トレイ5から用紙Pを1枚ずつ搬出するピックアップロール、7は搬出された用紙Pを感光体ドラム1に供給するレジロール対、8は感光体ドラム1に圧接して配置され感光体ドラム1に供給された用紙Pを感光体ドラム1との間の転写位置で挟持する転写ロール、9,10は転写位置を通過した用紙Pを定着位置において加熱しながら挟持する一対の定着ロール、11,12は転写位置を通過した用紙Pの移動方向を規制して定着位置に適当に供給する一組の用紙ガイド、13は用紙Pが排出される排出トレイ、14は定着位置を通過した用紙Pを挟持て排出トレイ13に排出する一対の排出ロールであり、このように用紙トレイ5から排出トレイ13まで搬送される間に用紙Pには転写位置において感光体ドラム1から未定着トナー像を転写され、定着位置において加熱加圧されることで画像が形成されることになる。なお、本実施形態では、加熱ロールの熱が効率良くトナーの溶融に使用されるように、用紙Pのトナー像が形成された面(表面)側の定着ロール9を加熱ロールとすると共に、その反対の用紙面(裏面)側の定着ロール10を加圧ロールとした。
【0022】
また、本実施形態の画像形成装置では、各排出ロール14を正逆回転可能に構成すると共に、排出ロール対14からレジロール対7までに用紙再送経路15を設けて、排出ロール14を逆回転することによりこの排出ロール対14に挟持されている用紙Pを再度装置内に引き込むと共に、用紙再送経路15を介してレジロール対7に用紙Pを再送することにより、用紙Pの裏面にも画像を形成できるように構成されている。従って、本実施形態の画像形成装置では、用紙Pの片面に画像を形成するだけでなく、用紙Pの両面に画像を形成することもできる。
【0023】
ところで、図2に示すように、本実施形態では装置の小型化を図るために転写位置と定着位置との間隔が約9cmに設定されており、その為、感光体ドラム1とそれに当接された転写ロール8との間から排出される用紙Pは、その後端が転写位置に挟持されている間に先端部分が定着ロール対9,10により挟持されることになる。このような構成では、転写位置における用紙Pの送り速度V1 よりも定着位置における用紙Pの送り速度V2 が大きくなってしまうと、用紙Pに不要なストレスが作用して画質欠陥や用紙の破損のおそれが生じるので、転写位置における用紙の送り速度V1 よりも定着位置における用紙の送り速度V2 を少し遅く設定している。従って、図3に示すように、レジロール対7から感光体ドラム1に供給された用紙Pは(同図(a),(b))、その先端が用紙ガイド11,12の間を通過して定着ロール対9,10に挟持されると、転写位置と定着位置との間でループが形成されることになる(同図(c))。また、このループは、用紙Pの後端が転写位置から離間するまでの間(同図(e))、用紙が搬送されるに従って大きくなるが(同図((d))、このように均一に発生するループにより用紙Pと用紙ガイド11,12とが接触することがないように用紙ガイド11,12の配置や形状は工夫されている。
【0024】
また、本発明の画像形成装置は複数の用紙トレイ5,5を有することからも明らかなように、複数のサイズの用紙Pに対して画像が形成できるように構成されている。そのため、この画像形成装置では、図4(a)に示すように、用紙Pを搬送する際の基準位置(レジ位置)が図1において紙面の手前側となるように設定されている。他方、本実施形態では装置の簡素化などを図るために、加熱ロール9の内部には、各サイズの用紙P1 ,P2 に対応した複数の発熱源を設けるのではなく、単一の発熱源により加熱ロール9を加熱するように構成した。具体的には、図4(b)に示すように、レジ位置側で発熱量が多く、反対側で発熱量が小さい発熱分布を有する発熱源を使用した。従って、本実施形態の画像形成装置では、定常状態では、加熱ロール9や加圧ロール10の軸方向における温度分布は図4(c)に示すような温度分布になってしまう。それ故、図5(a)に示すように、成形時においてロール10の回転軸方向中央部Aに対して対称な外形形状に形成された加圧ロール10を用いた場合には、上記加熱温度の分布に従って加圧ロール10が不均一に膨張してしまうため、使用温度における加圧ロール10の外形形状は図5(b)に示すように、レジ位置側(以下、out側とも呼ぶ)で太く、その反対側(以下、in側ともよぶ)で細い形状となってしまう。つまり、ロールの軸方向の中央部Aに対して非対称な外形形状となってしまう)。なお、上記加圧ロール10は具体的には、回転軸10aの周囲に厚さ8mmのシリコンゴム層10bを固着させることで挿入部材を構成し、次にこの挿入部材を、その外形φ25mmよりも若干(数十μm程度)小さい内径を有するPFAチューブ10cに圧入することで形成したものであり、この加圧ロールは使用温度において他端側(in側)の外径がレジ位置側よりも約66μmだけ太くなる。
【0025】
従って、このように成形時においてロールの回転軸方向中央部Aに対して対称な外形形状に形成された加圧ロール10を本実施形態の画像形成装置に適用した場合には、加圧ロール10による用紙Pの搬送量が、その軸方向両端部(左右)において異なることになってしまい(具体的には、out側の搬送量がin側の搬送量よりも大きくなり)、図6(a)〜(c)に示すように、搬送されるに従って用紙Pには転写位置と定着位置との間において不均一なループが形成され、その結果、大きなループが形成された部位(in側の部位)が上記用紙ガイド11に当接してリブマークが発生したり、用紙しわが発生したり、画像に歪みが生じたりしてしまう。特に、片面に画像が形成された用紙Pの裏面に画像を形成する際にこれらの問題は頻発してしまった。
【0026】
そこで、このような画像形成装置において上記問題の発生を防止するために、本実施形態では、レジ位置(out側)側の定着ロール9,10と搬送ロール14との間隔を微調整できるように設定した。具体的には、本発明の画像形成装置では、図1にも示したように転写位置から定着位置までの用紙Pの搬送経路は垂直に設定されているので、図7に示すように、上記一対の定着ロール9,10を回転可能に保持する定着ユニット16のレジ位置側の固定部16aを水平面に対してネジ17で固定し、このネジ17の高さを調整することにより定着ロール9,10を傾けるように構成した。
【0027】
このような構成において上記ネジ17の高さを調整した場合の用紙Pの姿勢の悪化量を図8に示す。なお、この図の縦軸は定着ユニットのレジ位置側の固定部16aを+0.4〜−1.0mmの範囲で調整した時に発生した最悪の姿勢悪化量を100%として現している。また、この「+」とはユニットのout側がin側よりも低い状態を意味し、「−」とはユニットのout側がin側よりも高い状態を意味する。そして、この図から明らかなように本実施形態の画像形成装置では定着ユニットのレジ位置側の固定部16aを−0.6〜−0.8mmに設定した場合に、各種の用紙Pの姿勢悪化が一律に10%以下となる。
【0028】
また、このような構成において上記ネジ17の高さを調整した場合の画像の歪み量を図9に示す。この図から明らかなように本実施形態の画像形成装置では定着ユニットのレジ位置側の固定部16aを−0.7mm程度に設定した場合に各種の用紙全体において最小の歪み量を得ることができる。
【0029】
以上の結果を踏まえて、本実施形態では更に図10に示すように、定着ユニットのレジ位置側の固定部16aを−0.8mmに固定した上で、リブマーク及び紙しわの発生状況を調べた。その結果は図11に示すように、用紙の片面に画像を形成した場合であっても、用紙の両面に画像を形成した場合であってもリブマークや紙しわが発生することはなかった。
【0030】
また、この際、用紙の搬送状態を調べてみると、用紙Pには、図12(a)に示すように定着ロール9,10を通過するに従って定着ロール9,10の軸方向両端の搬送量の差から定着位置と転写位置との間のin側に大きい不均一なループBが形成されることになるが、図12(b)に示すように用紙Pの先端縁が排出ロール14に到達したあとでは、図12(c)に示すように定着ロール9,10と排出ロール14との間のout側に大きい不均一なループCが形成され、それ以降においては上記定着位置と転写位置との間のin側に形成された不均一なループBが増大することはなかった。これは、定着ロールのサイドレジ位置側を−0.8mmに設定することによって、用紙の先端縁が排出ロール14に挟持された状態では、定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部に対してその反対側の用紙の端部よりも速い送り速度が作用し、その結果、定着ロールを通過する用紙の両端部の搬送速度が均一化されたためであると考えられる。
【0031】
実施形態2
定着ユニット16はレジ位置側の固定部16aを−0.0mmに固定した上で、一方の搬送ロール14を、out側よりもin側の方が大径となる外形形状に形成した以外は、実施形態1と同様の構成の画像形成装置である。
【0032】
そして、実施形態1と同様の実験を行ったところ、リブマーク及び紙しわは発生することはなく、また、画像の伸び量も許容できる範囲に納まった。
【0033】
比較形態1
定着ユニット16のレジ位置側の固定部16aを−0.0mmに固定した以外は、実施形態1と同様の設定の画像形成装置である。
【0034】
そして、リブマーク及び紙しわの発生状況を調べた。その結果は図11に示すように、用紙Pの片面に画像を形成した場合であっても、用紙Pの両面に画像を形成した場合であってもリブマークや紙しわが頻発した。また、この設定の場合の画像の伸び量は図9に示すように1.2mm以上であり許容できないものであった。
【0035】
比較形態2
定着ユニット16のレジ位置側の固定部16aは実施形態1と同様に−0.8mmに設定すると共に、一対の排出ロール14を取り外した状態で用紙Pの搬送状態を調べた。
【0036】
その結果、図12に示す実施形態1の場合とは異なり、用紙Pの先端縁が排出ロール14のあった位置を通過した後においても、定着位置と転写位置との間のin側に形成された不均一なループBは用紙Pの搬送に従ってどんどん増大してしまい、リブマーク、紙しわ、画像の伸び量は許容できない程に発生してしまった。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の画像形成装置では、定着ロールよりも用紙の搬送方向下流側に、定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部に対してその反対側の用紙の端部よりも速い送り速度を作用させるように、用紙を挟持して搬送する一対の搬送ロールを設けて、定着転写位置と定着位置との間において用紙に形成される不均一なループの増大を抑制することができるので、リブマーク、紙しわ、画像の歪みなどの問題の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態で使用した画像形成装置の概略構成図。
【図2】 図1の画像形成装置における用紙搬送の説明図(転写位置と定着位置との間における用紙搬送)。
【図3】 転写位置と定着位置との間における用紙の搬送状態変移図。
【図4】 定着ロールの説明図((a)はレジ位置との関係、(b)は加熱源の発熱量の分布、(c)は加圧ロールの温度分布(定常時))。
【図5】 従来の加圧ロールの説明図((a)は加圧ロールの常温時の外形形状の説明図、(b)は加熱時の外形形状の説明図)。
【図6】 図5の従来の加圧ロールを図1の画像形成装置に適用した場合における不均一ループの発生過程の説明図。
【図7】 定着ユニットの斜視図。
【図8】 定着ユニットの姿勢調整量と各種の用紙の姿勢悪化量との関係を示す表。
【図9】 定着ユニットの姿勢調整量と各種の用紙の画像の伸び量との関係を示す表。
【図10】 実施形態1における定着ロールと排出ロールとの配設位置関係を示す図。
【図11】 (a)は定着ユニットの姿勢を変化させた時のリブマークの発生頻度を示す表であり、(b)は定着ユニットの姿勢を変化させた時の紙しわの発生頻度を示す表。
【図12】 実施形態1における用紙の搬送姿勢の変化を示す図。
【符号の説明】
9:加熱ロール、10:加圧ロール、14:排出ロール。
Claims (7)
- 互いに圧接された加熱ロールと加圧ロールとから成る定着ロールで用紙を挟持することで用紙表面に未定着トナー像を定着させる電子写真方式の画像形成装置において、使用温度における前記加圧ロールは、両端で発熱量が異なる前記加熱ロールの軸方向における加熱温度の分布に従い当該加圧ロールの軸方向中央部に対して非対称な外形形状を有し、定着ロールよりも用紙の搬送方向下流側に前記用紙を挟持して搬送する一対の搬送ロールを設け、前記用紙の先端縁が前記搬送ロールに挟持された状態では、定着ロールの送り速度が遅い側の用紙の端部に対してその反対側の用紙の端部よりも速い送り速度を作用させることを特徴とする画像形成装置。
- 定着ロールの送り速度が速い側における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔よりも、定着ロールの送り速度が遅い側における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔のほうが広くなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 搬送方向に沿った用紙の一端縁が同一の搬送経路を通過するように設定されたサイドレジ方式の画像形成装置であって、当該サイドレジ側における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔よりも、サイドレジとは反対側における搬送ロールと定着ロールとの配設間隔のほうが広くなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 定着ロールと搬送ロールとの配設間隔の広がり具合を調整するための調整手段を有することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 調整手段は、用紙のサイズ毎に配設間隔の広がり具合の設定を変更することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 少なくとも一方の搬送ロールの外形形状が、定着ロールの送り速度が速い側に対応する部位よりも、定着ロールの送り速度が遅い側に対応する部位のほうが大径となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 用紙の搬送方向に沿った一端部が同一の搬送経路を通過するように設定されたサイドレジ方式の画像形成装置であって、少なくとも一方の搬送ロールは、当該サイドレジ側の搬送ロールの外形よりも、サイドレジとは反対側の搬送ロールの外形のほうが大径となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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