JPH10232435A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Publication number
JPH10232435A
JPH10232435A JP9034883A JP3488397A JPH10232435A JP H10232435 A JPH10232435 A JP H10232435A JP 9034883 A JP9034883 A JP 9034883A JP 3488397 A JP3488397 A JP 3488397A JP H10232435 A JPH10232435 A JP H10232435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
rotation
light
spool
shielding paper
Prior art date
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Pending
Application number
JP9034883A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Aoki
信裕 青木
Shigekane Gotou
繁謙 後藤
Hisashi Hamada
寿 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd, Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9034883A priority Critical patent/JPH10232435A/ja
Priority to US09/025,453 priority patent/US5918083A/en
Publication of JPH10232435A publication Critical patent/JPH10232435A/ja
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)
  • Indication In Cameras, And Counting Of Exposures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全ての遮光紙付き写真フイルムを巻き取る際
に、巻き太り等によって給送に異常が生じたことを確実
に検知する。 【解決手段】 駆動軸には、駆動軸の停止位置を制御す
るための回転スイッチが連結され、回転スイッチは駆動
軸が90度回転する毎に駆動軸信号の信号レベルを変化
させる。フイルム通路には、写真フイルムの搬送長を測
定するためのフイルムローラが配され、このフイルムロ
ーラに搬送エンコーダが連結されて、遮光紙付き写真フ
イルムが一定長給送される毎に搬送パルスが発生され
る。遮光紙付き写真フイルムの全てを巻き取っている間
に、搬送パルスの発生が停止してから時間Ta内に駆動
軸信号の変化が停止すると、給送異常として判断され、
LCDにエラー表示が点滅して、警告が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用ロールフイ
ルムを用いるカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】約6cm幅の帯状の写真フイルムに遮光
紙を取り付けた遮光紙付き写真フイルムをスプールの軸
芯に巻き付けた写真用ロールフイルムが知られている。
この写真用ロールフイルムは、120タイプと220タ
イプの2種類のフイルムタイプがあるが、いずれのタイ
プにおいても、写真フイルムの先端と後端に遮光紙が設
けられている。
【0003】上記のような写真用ロールフイルムを用い
るカメラでは、撮影の途中及び撮影完了後にモータの駆
動力によって自動的に遮光紙付き写真フイルムの巻き取
りスプールに巻き取る最終巻き取りを行うものが知られ
ている。このようなカメラでは、最終巻き取りが行われ
た際に、この最終巻き取りが正常に完了したか否か、す
なわち、巻き太り等の理由により巻き取り途中で遮光紙
付き写真フイルムの給送が停止したか、遮光紙付き写真
フイルムの後端までが巻き取りスプールに巻き取られた
かを判断するようにしている。そして、前者の場合に
は、エラー表示を行う等して撮影者に警告するようにし
ている。
【0004】最終巻き取りが正常に完了したか否かを判
断する方式としては、例えば、写真用ロールフイルムが
装填されるフイルム装填室と巻き取りスプールが配され
るフイルム巻き取り室との間にフイルム通路に設けら
れ、遮光紙と写真フイルムの反射率の違いから写真フイ
ルムの有無を検出するフォトセンサと、フイルム巻き取
り室内に設けられ、給送中の遮光紙付き写真フイルムに
従動回転して写真フイルムの搬送量を検出するフイルム
ローラ(カウンタローラ)を用いるものがある。この方
式では、フォトセンサの検出結果に基づいて、最終巻き
取り中にフォトセンサの前面を写真フイルムの後端が通
過したこと検知するとともに、フイルムローラの回転が
停止した場合に正常に最終巻き取りが完了したと判断す
る。そして、フォトセンサの前面を写真フイルムの後端
が通過したことが検知される前にフイルムローラの回転
が停止した場合等は、最終巻き取りに異常が発生したと
判断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な方式で最終巻き取りが正常に完了したか否かを判断す
ると、フォトセンサの前面を写真フイルムの後端が通過
した直後に、巻き取り異常が発生して巻き取りスプール
の回転が停止する等して、遮光紙付き写真フイルの給送
が停止した場合には、フイルムローラの回転も停止する
から最終巻き取りが正常に完了したと判断されてしま
う。そして、この場合には、巻き取りスプールを取り出
すために、例えば裏蓋を開けると、巻き取りスプールに
巻き取られた写真フイルムは、外光に曝光されてしまう
といった不都合が生じる。
【0006】本発明は、上記問題点を解消するためにな
されたものであり、遮光紙付き写真フイルムの巻き取り
異常を確実に検出できるカメラを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のカメラでは、駆動軸の回転を検出す
る駆動軸回転検出手段と、給送中の前記遮光紙付き写真
フイルムに従動して回転するフイルムローラと、このフ
イルムローラの回転を検出するローラ回転検出手段と、
前記遮光紙付き写真フイルムの全てを前記モータの駆動
力で前記巻き取りスプールに巻き取る最終巻き取りを行
っている間に、前記ローラ回転検出手段により前記フイ
ルムローラの回転の停止が検知された時点から所定の時
間内に前記駆動軸回転検出手段により前記駆動軸の回転
の停止が検知された時には、前記最終巻き取り中に遮光
紙付き写真フイルムの給送に異常が生じたと判断する判
断手段とを備えたものである。
【0008】請求項2記載のカメラでは、判断手段によ
って遮光紙付き写真フイルムの給送に異常が生じたと判
断された時に、警告表示する警告手段を備えたものであ
る。また、請求項3記載のカメラでは、フイルムローラ
は、写真フイルムの給送長を測定するために設けられた
ものを用い、請求項4記載のカメラでは、駆動軸回転検
出手段は、駆動軸の停止位置を制御するために設けられ
たものを用いたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】写真用ロールフイルムの外観の一
例を示す図2において、本発明のカメラに用いた120
タイプ及び220タイプの写真用ロールフイルム1は、
従来の120タイプ及び220タイプの写真用ロールフ
イルムと同様な形態をしており、スプール2の軸芯2a
に、写真フイルム3(図3参照)と遮光紙4とからなる
遮光紙付き写真フイルム5をロール状に巻き付け、遮光
紙4の先端部4aをわずかに折って、粘着テープ6で止
めてある。また、スプール2の軸芯2aの両端には、フ
ランジ2bが形成されており、これらの各フランジ2b
の中央には、軸装着穴7が形成されている。
【0010】この軸装着穴7は、スプール2の軸心と同
軸な軸穴7aと、この軸穴7aからフランジ2bの外周
に向かって切り込まれた一対のキー穴7bとからなる。
これらの一対のキー穴7bは、スプール2の軸心を中心
にして互いに180度だけ回転した位置に設けられてい
る。写真用ロールフイルム1をカメラのフイルム装填室
に装填した際には、軸装着穴7の軸穴7aにカメラ側の
例えば円柱形状の支持軸が嵌め込まれることにより、写
真用ロールフイルム1がカメラのフイルム装填室内に回
動自在に保持される。また、撮影によって全ての遮光紙
付き写真フイルム5が引き出されたスプール2(空きス
プール)は、次回の撮影時の巻き取りスプールとして用
いられるが、この時には、軸装着穴7に挿入されたカメ
ラ側の駆動軸のキー部とキー穴7bとが係合することに
より、この駆動軸によって回転される。
【0011】図3は、120タイプの写真用ロールフイ
ルム1の遮光紙付き写真フイルム5を伸ばした状態で示
すものである。120タイプの写真用ロールフイルム1
では、写真フイルム3は、例えば撮影コマの画面サイズ
を41.5×56mmのセミ判とした場合に、撮影可能
コマ数が15コマ(または16コマ)となる標準的な長
さのものと、8コマ(または7コマ)となる長さのもの
との2種類のものがあるが、いずれの種類においても遮
光紙4としては、写真フイルム3よりも長尺なものが用
いられている。写真フイルム3は、そのベース面を遮光
紙4の黒色をした裏面とを合わせるように重ねられ、写
真フイルム3の先端部が接合テープ8によって遮光紙4
と接合されている。遮光紙4の先端部4aには、巻き取
りスプールの爪に掛けるための孔4bが形成されてい
る。
【0012】スプール2の軸芯2aには、軸芯2aを貫
通した遮光紙挿入孔9が形成され、この遮光紙挿入孔9
は、軸芯2aの表面に矩形の一対の挿入口9aとして露
呈されている。各挿入口9aは、スプール2の軸心を中
心にして互いに180度ずれた位置にある。未使用の写
真用ロールフイルム1では、遮光紙4の後端部4cが一
方の挿入口9aから遮光紙挿入孔9に挿入された状態
で、遮光紙付き写真フイルム5が軸芯2aに巻き付けら
れている。また、スプール2を巻き取りスプールとして
使用する場合には、遮光紙4の先端部4aが挿入口9a
から遮光紙挿入孔9に挿入される。なお、このスプール
2の遮光紙挿入孔9内には、先端部4aの孔4bを係合
するための爪9bが形成されている。
【0013】また、このスプール2では、図中矢線Aで
示すように、一方の挿入口9aからスプール2の軸心を
通って他方の挿入口9aに向かう方向(遮光紙挿入孔の
貫通方向)と、矢線Bで示すように、軸装着穴7のキー
部7bの切込方向とが一致している。
【0014】図4は、220タイプの写真用ロールフイ
ルム1の遮光紙付き写真フイルム5を伸ばした状態で示
すものである。この220タイプでは、遮光紙4は、写
真フイルム3の先端部に接合テープ8で接合されたリー
ダペーパ10aと、写真フイルム3の後端部に接合テー
プ11で接合されたトレーラ10bとからなり、写真フ
イルム3のベース面側には遮光紙4が配されていない。
220タイプの写真フイルム3は、例えば撮影コマの画
面サイズをセミ判とした場合に、撮影可能コマ数が30
コマの長さになっている。その他の構成は、120タイ
プと同じであるから、同じものには同符号を付して説明
を省略する。
【0015】図3及び図4に示されるように、接合テー
プ8には、バーコード12が記されている。バーコード
12は、接合テープ8の白地の表面に黒色インクで写真
フイルム3の幅方向に長いラインを印刷することにより
形成されており、低反射面の黒バーと高反射面の白バー
とから構成されている。また、黒バー及び白バーには、
それぞれ幅広と幅狭の2種類があって、バーコード10
は、これら4種類のバーを所定の規則に従って配列する
ことにより、写真用ロールフイルム1の固有の情報、例
えば120タイプ,220タイプといったフイルムタイ
プや、フイルム感度等の各種の情報が表現されている。
【0016】なお、この例では、バーコード12を接合
テープ8に記したが、図5に示すように、写真フイルム
3と遮光紙4とを接合する接合テープ8よりも先端側の
遮光紙4の部分にバーコード12を記したテープ13を
貼り付けつけてもよく、遮光紙4にバーコードを直接に
印刷してもよい。また、図6に示すように、写真用ロー
ルフイルム1のスプール2のフランジ2bの表面に放射
状のバーコード14を記してもよい。なお、スプール2
のフランジ2bの表面にバーコード14を記した場合に
は、カメラのフイルム装填室内の例えば上面に設けたフ
ォトセンサでバーコード14を読み取る。
【0017】本発明を実施したカメラの外観を図7に示
す。カメラ20のカメラ本体21の前面には、撮影レン
ズ22と、露出制御を行うための測光用窓23と、オー
トフォーカス用の一対の測距用窓24a,24bと、フ
ァインダ25等とが設けられている。また、カメラ本体
21の上面には、レリーズボタン26,撮影に必要な各
種の情報が表示されるLCD(液晶ディスプレイ)2
7,各種の設定や後述する巻き取りスプールの回転位置
調整を行うためのアップ/ダウンダイアル28や設定ボ
タン29等が設けられている。
【0018】撮影レンズ22は、測距用窓24a,24
bを介して測距された被写体までの撮影距離に基づいて
繰り出される。レリーズボタン26は、浅く押した半押
し位置と、さらに深く押した全押し位置との各位置へ押
圧操作が可能にされており、半押し位置で測距及び測光
が行われ、全押し位置で撮影が行われる。また、このレ
リーズボタン26は、フイルム初期送り(ファーストフ
レームセット)を行う際の操作ボタンを兼ねている。レ
リーズボタン26には、レリーズスイッチ73(図11
参照)が連動している。
【0019】図8に、裏蓋30を開いた状態のカメラ本
体21の背面側を示す。カメラ本体21内には、周知の
ようにフイルム装填室35とフイルム巻き取り室36と
が設けられており、これらの間にはフイルム通路37が
形成されている。撮影レンズ22の背後のフイルム通路
37の部分には、写真フイルム3上の撮影コマの画面サ
イズを規定するためにアパーチャ38が形成されてい
る。
【0020】フイルム装填室35には、未使用の写真用
ロールフイルム1が装填される。このフイルム装填室3
5の上壁には、支持軸35aが突出して設けられてい
る。支持軸35aは、スプール2の軸装着穴7に挿入さ
れて、フイルム装填室35内で写真用ロールフイルム1
を回動自在に保持する。
【0021】フイルム巻き取り室36には、巻き取りス
プール39が装填される。この巻き取りスプール39
は、撮影によって遮光紙付き写真フイルム5をすべて送
り出した空きスプールであって、上記に説明したスプー
ル2と同じ形状のものであるから、その軸芯,フラン
ジ,軸装着穴,軸穴,キー穴,遮光紙挿入孔,挿入口,
遮光紙挿入孔内の爪については、図1に示すように、そ
れぞれ符号39a,39b,40,40a,40b,4
1、41aを付して説明を省略する。
【0022】フイルム巻き取り室36の上壁には、後述
する給送系によって回転される駆動軸45が突出して設
けられている。また、フイルム巻き取り室36内でフイ
ルム通路37の近傍には、写真フイルム3の給送長を測
定するためのフイルムローラ46が配されている。この
フイルムローラ46は、軸46aの両端に、例えばゴム
製のローラ46bが設けられており、このローラ46b
が遮光紙付き写真フイルム5に接触し、遮光紙付き写真
フイルム5の搬送にともなって従動回転する。なお、こ
のフイルムローラ46は、最終巻き取り時に遮光紙付き
写真フイルム5の後端が通過したか否か、及び遮光紙付
き写真フイルム5の給送が停止したか否かの判断にも用
いられる。
【0023】フイルム巻き取り室36内の巻き取りスプ
ール39とフイルムローラ46と間には、遮光紙付き写
真フイルム5の先端を案内して、この先端が巻き取りス
プール39の遮光紙挿入孔41に容易に挿入できるよう
にするためのガイド部材47が設けられている。また、
アパーチャ38とフイルム装填室35の間のフイルム通
路37の壁面には、写真フイルム3の検出とバーコード
10の読み取りのために、接合テープ8上のバーコード
12の通過域に対面するように反射型のフォトセンサ4
8が設けられている。このフォトセンサ48は、フイル
ム通路37内の遮光紙付き写真フイルム5に赤外線を照
射し、反射光を受光する。フォトセンサ48は、受光し
た反射光の強度に応じた信号レベルの光電信号を出力す
る。なお、フォトセンサ48で赤外線を用いるのは、写
真フイルム3にカブリを与えないためである。
【0024】裏蓋30は、フイルム装填室35,フイル
ム巻き取り室36、フイルム通路37を背面側から覆
い、カメラ本体21の内部を光密に遮光する。この裏蓋
30の内面には、写真フイルム3を平面に保持する圧板
49が設けられており、この圧板49は、周知のように
装填する写真用ロールフイルム1が120タイプまたは
220タイプであるかに応じて、すなわち写真フイルム
3と圧板49との間に遮光紙4が配されるか否かに応じ
て、写真フイルム3を平面に保持する位置を120タイ
プ位置または220タイプ位置のいずれか一方に切り換
え可能とされている。
【0025】裏蓋30を閉じると、ロック爪30aがカ
メラ本体21側のロック穴21aに挿入され、裏蓋30
がロックされる。また、この裏蓋30のロックには、裏
蓋スイッチ74(図11参照)が連動している。
【0026】巻き取りスプール39は、いずれか一方の
フランジ39bをカメラ20の上方に向けた姿勢で、フ
イルム巻き取り室36に装填される。図1に示すよう
に、フイルム巻き取り室36内の駆動軸45は、巻き取
りスプール39の軸装着穴40の軸穴40aに入り込む
円柱状の軸部45aと、この軸部45aの周面に形成さ
れ、キー穴40bに入り込む一対のキー部45bとから
なる。巻き取りスプール39の装填時には、一対のキー
穴40bをキー部45bに合わせるように軸装着穴40
の向きを調整して、軸装着穴40に駆動軸45を挿入す
る。これにより、駆動軸45と軸装着穴40とが係合し
て、図中矢印で示す巻き取り方向に駆動軸45とともに
巻き取りスプール39が回転される。
【0027】ガイド部材47は、フイルムローラ46の
両端部に軸支されて回動自在なガイド板47aと、この
ガイド板47aの先端に設けられたガイドローラ47b
等から構成されている。このガイド板47は、裏蓋30
を開放した際には、バネ(図示省略)の付勢力でガイド
ローラ47bが巻き取りスプール39の軸芯39aに近
接した案内位置に回動され、裏蓋が閉じられると軸芯3
9aから離れた中間退避位置に回動する。
【0028】また、中間退避位置に回動したガイド部材
47は、バネの付勢力で巻き取りスプール39に巻き付
けられた遮光紙付き写真フイルム5の外周面をガイドロ
ーラ47bで押圧するようにされるとともに、巻き取り
スプール39に巻き付けられた遮光紙付き写真フイルム
5の外径の増大とともに、バネの付勢力に抗して軸芯3
9aから離れる方向に回動可能にされている。これによ
り、遮光紙付き写真フイルム5が巻き緩むことなく巻き
取りスプール39に巻き取られるようにしている。
【0029】写真用ロールフイルム1の装填時には、図
1に示されるように、巻き取りスプール39の挿入口4
1aを案内位置のガイドローラ47bに近接させた状態
(以下、このような巻き取りスプール39の状態を第1
回転状態という)にし、遮光紙挿入孔41の貫通方向が
ほぼガイド板47aに沿った方向となるようして、遮光
紙4(リーダペーパ8a)の先端部4aをガイド板47
aに沿わせてスライドさせ、挿入口41aから遮光紙挿
入孔41に差し込む。
【0030】なお、第1回転状態は、巻き取りスプール
39の一対の挿入口41aが互いに180度回転した位
置にあるから、一方の挿入口41aを案内位置のガイド
ローラ47bの近接させた第1回転状態から、巻き取り
スプール38を180度回転させれば、他方の挿入口4
1aを案内位置のガイドローラ47bの近接させた第1
回転状態となる。また、以下の説明で第1回転状態から
90度だけ回転させた巻き取りスプール39の状態を第
2回転状態という。もちろん、第2回転状態の巻き取り
スプール39を180度回転させれば、これもまた第2
回転状態となる。
【0031】駆動軸45は、全撮影コマの撮影後に全て
の遮光紙付き写真フイルム5を巻き取りスプール39に
巻き取った後には、これに係合した巻き取りスプール3
9が、いずれか一方の挿入口41aを案内位置のガイド
ローラ47bに近接させた第1回転状態に対応したキー
部45bの回転位置(以下、この回転位置を第1特定回
転位置という)と、この第1特定回転位置からキー部4
5bを180度だけ回転させた第3特定回転位置とのい
ずれかの特定の回転位置に停止させた状態で停止するよ
うに制御される。また、裏蓋30を開いた状態でアップ
/ダウンダイアル28を操作する毎に、駆動軸45は、
90度ずつ回転されて、第1特定回転位置または第3特
定回転位置から90度ずつ回転する。
【0032】なお、第1特定回転位置から90度回転さ
せたキー部45bの特定の回転位置を第2特定回転位
置、この第2特定回転位置から180度回転させたキー
部45bの特定の回転位置を第4回転位置と称して説明
する。また、駆動軸45は、軸装着穴40に対応させ
て、一対のキー部45bが互いに軸部45aを中心に1
80度回転した位置に設けられているので、キー部45
bが第1特定回転位置に停止している場合と第3特定回
転位置に停止している場合とは、実質的に同じ状態であ
り、同様に、キー部45bが第2特定回転位置に停止し
ている場合と第4特定回転位置に停止している場合と
は、駆動軸45は、実質的に同じ状態である。
【0033】給送系の構成を示す図9において、給送系
は、給送モータ50と、減速手段としての減速ギア列5
1と、フイルム巻き取り室36の上部に配され、その下
面に駆動軸45が一体に形成された最終ギア52とから
構成されている。給送モータ50の出力軸50aの回転
は、減速ギア列51に伝達される。この減速ギア列51
は、複数のギアからなり、給送モータ50の高速な回転
を減速して最終ギア52に伝達する。これにより、駆動
軸45が所定の速度で回転され、巻き取りスプール39
に遮光紙付き写真フイルム5が巻き取られる。
【0034】駆動軸45の回転よりも高速回転する減速
ギア列51の高速回転部、この例では給送モータ50の
回転が入力される位置(給送モータの出力軸)には、モ
ータエンコーダ53が連結されている。このモータエン
コーダ53は、給送モータ50の出力軸50aと一体に
回転する円板状のエンコード板54と、投光部55a及
び受光部55bからなるフォトインタラプタ55等とか
ら構成されている。
【0035】エンコード板54は、投光部55aからの
検出光が受光部55bで受光されることを許容するよう
に180度の角度で扇状に繰り抜かれた窓部54aと、
投光部55aからの検出光を遮るようにした遮蔽部54
bとが形成されている。フォトインタラプタ55は、エ
コード板54の窓部54aを介して投光部55aからの
検出光を受光部55bで受光した時に回転パルスを発生
する。これにより、給送モータ50が1回転する毎に回
転パルスが出力される。この回転パルスは、駆動軸4
5、すなわちキー部45bの停止位置を微調整するため
に用いられる。なお、モータエンコーダ53の構成は、
上述のものに限られず、例えば、低反射面と高反射面と
を形成したエンコード板と、反射型のフォトセンサとを
組み合わせたものであってもよい。
【0036】最終ギア52には、駆動軸45が90度回
転する毎にONとOFFとが切り替わるようにした回転
スイッチ57が配されている。この回転スイッチ57
は、駆動軸45の停止位置、すなわちキー部45bの停
止する回転位置を制御するために設けられているが、駆
動軸45の回転が停止したか否かを検出する機能を兼ね
ており、最終巻き取り時の給送の異常の判断にも用いら
れる。
【0037】回転スイッチ57は、円形のエンコード板
58と接点部59とから構成されている。エンコード板
58は、絶縁性の基板上に所定のパターンで第1導電面
60aと第2導電面60bとを形成したものであって、
第1導電面60aは、角度が約270度の扇状であり、
第2導電面60bは角度が約90度の扇状になってい
る。これらの第1及び第2導電面60a、60bは、互
いに絶縁されている。エンコード板58は、スペーサ6
1を挟んで最終ギア52の上面に同軸にして載せられて
おり、最終ギア52とともに回転する。なお、エンコー
ド板58は、例えば円形のプリント基板にエッチングを
施すことにより作成することができる。
【0038】接点部59は、弾性を有した導電性の一対
の端子59a,59bと、これらを所定の間隔に離して
支持する支持部材59cとから構成されており、各端子
59a,59bの先端部は、エンコード板58の中心を
挟んで、エンコード板58の上面に押しつけられてい
る。これにより、各端子59a,59bが同時に第1導
電面60aに接触している時に、一対の端子59a,5
9bが導通して回転スイッチ57がONとなる。また、
一対の端子59a,59bのうちのいずれか一方の端子
が第2導電面60bに接触している時には、一対の端子
59a,59bが導通しないから回転スイッチ57がO
FFとなる。
【0039】回転スイッチ57は、駆動軸45が巻き取
り方向に回転している間に、そのキー部45bが第1及
び第3回転位置に達する手前の第1及び第3基準回転位
置でOFFからONに切り替わり、第2及び第4回転位
置に達する手前の第2及び第4基準回転位置でONから
OFFに切り替わるようにして、エンコード板58,接
点部59の取り付け位置が決められている。
【0040】図10は、回転スイッチ57と、駆動軸4
5と、この駆動軸に45に係合した巻き取りスプール3
9及びガイド部47の位置関係を模式的に示すものであ
る。図10(a)に示すように、回転スイッチ57は、
巻き取り方向(図中矢線方向)に回転する駆動軸45の
キー部45bが第1基準回転位置になると、各端子59
a,59bが第1導電面60aに接触してOFFからO
Nに切り替わる。すなわち、駆動軸45に係合した巻き
取りスプール39が第1回転状態に達する手前で回転ス
イッチ57がOFFからONに切り替わる。
【0041】また、図10(b)に示すように、回転ス
イッチ57は、キー部45bが第2基準回転位置になる
と、端子59aが第2導電面60bに接触することによ
り、ONからOFFに切り替わる。すなわち、駆動軸4
5に係合した巻き取りスプール39が第2回転状態に達
する手前で、回転スイッチ57がOFFからONに切り
替わる。同様に、図10(c)に示すように、キー部4
5bが第3回転位置に達する手前で、回転スイッチ57
がONからOFFに切り替わり、図10(d)に示すよ
うに、キー部45bが第4基準回転位置で、回転スイッ
チ57がONからOFFに切り替わる。
【0042】このように構成された回転スイッチ57の
ON,OFFに基づいて、駆動軸45のおおよその回転
位置の検出が行われる。なお、電気的な接点を利用した
回転スイッチの代わりに、エンコード板と反射型フォト
センサやフォトインタラプタを組み合わせたエンコーダ
を用いてもよい。
【0043】カメラ20の電気的な構成を示す図11に
おいて、CPU65には、RAM65aと、ROM65
bと、EEPROM65cとが接続されている。RAM
65aは、制御に必要な各種のデータを一時的に記憶す
るワークメモリとして使用される。ROM65bには、
各種の制御をするためのプログラムが書き込まれてお
り、CPU65は、このROM65bのプログラムに基
づいて、カメラ20の各部を制御するとともに、バーコ
ード10の解読、駆動軸45の停止位置の制御等を行
う。EEPROM65cには、バーコード12を解読し
て得られる写真用ロールフイルム1のフイルムタイプや
フイルム感度等のデータが記憶される。
【0044】フォトセンサ48からの光電信号は、波形
整形回路66に送られる。この波形整形回路66は、光
電信号を適当なスレッシュホールドレベルで波形整形
し、3段階の信号レベルの反射信号を出力する。反射信
号は、フォトセンサ48が反射率の低い遮光紙4及びバ
ーコード12の黒バーを検出している時には「Lレベ
ル」となり、反射率の高い白バーを検出しているときに
は「Hレベル」となる。
【0045】また、フォトセンサ48が写真フイルム3
を検出しているときには、その乳剤面の反射率が遮光紙
4や黒バーよりも高く、白バーよりも低いことに応じ
て、波形整形回路66は、反射信号を「Hレベル」より
も低く、「Lレベル」よりも高い信号レベル(以下、便
宜上「Mレベル」という)にする。反射信号は、写真フ
イルム3の検出と、バーコード10の読み取り等を行う
ためにCPU65に送られる。
【0046】フイルムローラ46の軸46aには、ギア
67a,67bを介して搬送エンコーダ68が連結され
ている。搬送エンコーダ58は、例えば、放射状に一定
ピッチで複数のスリットが形成され、軸46aの回転と
ともに回転するエンコード板68aと、このエンコード
板68aのスリットの通過を監視するフォトインタラプ
タ68bと、フォトインタラプタ68bに接続され、フ
ォトインタラプタ68bがスリットを検出するとエンコ
ードパルスを発生するパルス発生器(図示省略)とから
構成されている。なお、エンコード板に適当な幅の切り
欠きを設けて、これの通過をフォトインタラプタで検出
してもよく、またエンコード板の表面に低反射面と高反
射面を設け、反射型のフォトセンサを用いてエンコード
パルスを発生させてもよい。
【0047】このように構成された搬送エンコーダ68
は、フイルムローラ46が一定角度回転する毎、すなわ
ち遮光紙付き写真フイルム5が一定の長さだけ搬送され
る毎に、1個のエンコードパルス(以下、搬送パルスと
いう)を発生する。この例では、写真フイルム3が1コ
マ分の長さだけ送られた時に約40個の搬送パルスが発
生する。搬送パルスは、搬送カウンタ69に送られる。
【0048】搬送カウンタ69は、CPU65によっ
て、そのカウンタ値Csが「0」にリセットされ、搬送
パルスが入力される毎にカウント値Csを1ずつインク
リメントする。これにより、写真フイルム3の給送長が
測定される。この搬送カウンタ69のカウント値Cs
は、給送及び巻き戻し時の遮光紙付き写真フイルム5の
給送制御のためにCPU65に送られる。
【0049】ドライバ70は、CPU65に制御され給
送モータ50を駆動する。このドライバ70は、例えば
給送モータ50に供給する駆動電流を増減することによ
り、給送モータ50の回転速度を調節する。給送モータ
50の回転は、上述のように減速ギア列51を介して最
終ギア52に伝達される。給送モータ50に連結された
モータエンコーダ53からの回転パルスは、回転カウン
タ71に送られる。回転カウンタ71は、CPU65に
よってカウンタ値Cmが「0」にリセットされ、回転パ
ルスが入力される毎にカウンタ値Cmを1ずつインクリ
メントする。この回転カウンタ71を用いて、CPU6
5は、バーコード12の各バーの幅を測定するととも
に、駆動軸45の停止位置の微調整を行う。
【0050】なお、巻き取りスプール39の巻き取り径
は、遮光紙付き写真フイルム5の巻き取り量が増えるに
つれて増大するため、給送モータ50の回転量、すなわ
ち回転パルスの個数と遮光紙付き写真フイルム5の搬送
長とは比例関係にない。しかし、接合テープ8がフォト
センサ48を通過している間の巻き径の変化は微小であ
るから、この間の回転パルスの個数と接合テープ8の移
動長とが比例しているとしても差し支えないので、回転
パルスの個数を基にバーコード12の各バーの幅を測定
することが可能である。
【0051】これらフォトセンサ48、波形整形回路6
6,モータエンコーダ53,回転カウンタ71及びCP
U65でバーコードの読み取り手段を構成している。
【0052】回転スイッチ57のON、OFFは、駆動
軸信号発生回路57aに送られ、この駆動軸信号発生回
路57aで駆動軸信号に変換される。駆動軸発生回路5
7aは、回転スイッチ57がONとなっているときに駆
動軸信号を「Hレベル」とし、OFFとなっているとき
に駆動軸信号を「Lレベル」とする。この駆動軸信号
は、CPU65に送られる。CPU65は、この駆動軸
信号の変化に基づいて、駆動軸45のキー部45bが第
1〜第4特定回転位置のいずれかの位置に近づいたこと
を検知する。なお、この例では、駆動軸信号の「Hレベ
ル」から「Lレベル」への変化と、「Lレベル」から
「Hレベル」への変化が第1の駆動軸信号及び第2の駆
動軸信号となる。もちろん、回転スイッチ57のON,
OFFの変化をそのまま第1の駆動軸信号,第2の駆動
軸信号として用いてもよい。
【0053】CPU65は、写真フイルム3の1コマ送
り中及び遮光紙付き写真フイルム5の全てを巻き取りス
プール39に巻き取る最終巻き取り中には、搬送カウン
タ69のカウント値Csの変化、及び駆動軸信号の変化
に基づいて、写真フイルム3の給送が正しく行われてい
るか否かを判断する。
【0054】レリーズスイッチ73は、レリーズボタン
26の押圧操作に連動して作動され、レリーズボタン2
6が半押し位置まで押し込まれると半押し信号を出力
し、全押し位置まで押し込まれると全押し信号を出力す
る。半押し信号と全押し信号とは、CPU65に送られ
る。なお、半押し信号と全押し信号とを区別する必要が
ない場合には、これらをレリーズ信号と総称する。
【0055】裏蓋スイッチ74は、ロック穴21a内に
設けられており、裏蓋30の開閉動作に連動して作動
し、裏蓋30の開閉状態に応じた開閉信号を出力する。
開閉信号は、裏蓋30が開いている状態では「Lレベ
ル」となり、裏蓋30が閉じた状態では「Hレベル」と
なる。この開閉信号は、裏蓋30の開閉状態の検知用と
してCPU65に送られる。
【0056】操作部75は、アップ/ダウンダイアル2
8や設定ボタン29等と、これらに連動したエンコーダ
や各種のスイッチ等とから構成され、これらの操作に応
じたU/D信号,設定信号等をCPU65に送る。
【0057】測光部76は、測光用窓23の内側に配さ
れた測光用センサを用いて被写体輝度を測光し、この測
光結果をCPU65に送る。CPU65は、この測光結
果とフイルム感度に基づいてプログラム露出演算を行っ
て、撮影に最適な絞り値とシャッタ速度を決定する。A
F部77は、測距用窓24a,24bの内側に配された
測距用センサで被写体までの距離を測距し、この測距結
果に基づいて撮影レンズ22を繰り出してフォーカシン
グを行う。
【0058】露光部78は、撮影レンズ22内に組み込
まれた絞り羽根,シャッタ羽根と、これらを駆動するた
めのモータや回路等からなる絞り機構及びシャッタ機構
とから構成されており、CPU65で決められた絞り値
とシャッタ速度とがそれぞれ設定される。露光部78
は、レリーズボタン26が全押しされた時に絞り機構と
シャッタ機構とを作動して、設定されている絞り値とシ
ャッタ速度とで写真フイルム3を露光する。また、露光
部78は、1コマの撮影完了毎に露光完了信号をCPU
65に送る。
【0059】残数カウンタ79は、撮影可能な残りのコ
マ数をカウントする。この残数カウンタ76のカウント
値Cfの初期値としては、バーコード12を読み取って
得られるフイルムタイプに応じた撮影可能コマ数がセッ
トされ、1コマの撮影が完了する毎にカウント値Cfが
1ずつデクリメントされる。なお、残数カウンタ79を
用いる代わりに、RAM65aやEEPROM65cを
用いて残りコマ数をカウントしてもよい。同様に、搬送
カウンタ69,回転カウンタ71の代わりに、RAM6
5aを用いて、搬送パルスと回転パルスをカウントして
もよい。LCDドライバ80は、CPU65の制御で絞
り値やシャッタ速度、撮影可能な残りコマ数,装填され
た写真用ロールフイルムのフイルムタイプ等をLCD2
7に表示する。また、写真フイルム3の給送に異常が発
生した場合には、このLCD27にエラー表示が行われ
る。
【0060】LCD27の表示の一例を図12に示す。
LCD27には、装填された写真用ロールフイルム1が
120タイプであるか220タイプであるかを示す「1
20」と「220」との文字からなるフイルムタイプ表
示81a,フイルムカウンタとしてのコマ数表示81
b,露光部78にセットされている絞り値とシャッタ速
度とを示す絞り値表示81cとシャッタ速度表示81
d,装填された写真フイルム3のフイルム感度を示すフ
イルム感度表示81e,写真フイルム3の給送に異常が
発生した時に点滅するエラー表示81f,バッテリの残
量が少なくなったときに点滅するバッテリ残量表示81
g等が表示される。
【0061】次に上記構成の作用について図13ないし
図16を参照しながら説明する。写真用ロールフイルム
1を装填する際には、撮影者は、カメラ本体21の裏蓋
30を開き、装填する写真用ロールフイルム1のフイル
ムタイプに応じて、圧板49の位置を120タイプ位置
または220タイプ位置のいずれかに設定する。また、
この裏蓋30の開放操作に連動して、ガイド部材47が
回動され、そのガイドローラ47bが案内位置に移動さ
れるとともに、裏蓋30が開いた状態になるため開閉信
号が「Lレベル」となる。
【0062】次に、前回使用した写真用ロールフイルム
1の空きスプールを巻き取りスプール39としてフイル
ム巻き取り室36に装填する。前回の全撮影コマの撮影
後の最終巻き取りが行われた際に、駆動軸45は、キー
部45bを第1または第3特定回転位置にして停止され
ているから、このキー部45bとキー穴40bとが係合
することにより、巻き取りスプール39は、第1回転状
態でフイルム巻き取り室36装填される。この後、撮影
者は、スプール2の軸装着穴7にフイルム装填室35側
の支持軸35aをはめ込んで、写真用ロールフイルム1
をフイルム装填室36に装填する。
【0063】フイルム巻き取り室36には、いずれか一
方の挿入口41aが案内位置のガイドローラ47aに近
接させた状態で巻き取りスプール39が装填されるか
ら、この状態のままで、撮影者は、フイルム装填室35
側の写真用ロールフイルム1の粘着テープ6を剥がして
から、折り曲げられていた遮光紙4の先端部4aを伸ば
し、この先端部4aをガイド板47aに沿わして巻き取
りスプール39の軸芯39aに向けてスライドさせる。
そして、ガイドローラ47bに近接した位置の挿入口4
1aから遮光紙挿入孔41に差し込み、遮光紙挿入孔4
1内の爪41bに孔4bを係合させる。この後に、裏蓋
30を閉じる。
【0064】ところで、裏蓋30を開放した状態で、ア
ップ/ダウンダイアル28を操作すると、駆動軸45を
90度ずづつ回転させることができる。CPU65は、
図13に示すメイン処理を常時実行しており、レリーズ
信号,開閉信号,U/D信号を監視して、これらの信号
の変化を調べている。このため、開閉信号が「Hレベ
ル」となっている状態で、アップ/ダウンダイアル28
が操作されて、操作部75からU/D信号がCPU65
に入力されると、CPU65は、ドライバ70を介して
給送モータ50を駆動する。給送モータ50が駆動され
ると、この回転が減速ギア列51を介して最終ギア52
に伝達されて、駆動軸45が巻き戻し方向に回転され
る。これにより、巻き取りスプール39が駆動軸45と
ともに回転する。
【0065】また、最終ギア52が回転すると、回転ス
イッチ57のエンコード板58が最終ギア52とともに
回転する。この回転の開始時では、回転スイッチ57
は、キー部45bが第1または第3特定回転位置である
ことに対応して、接点部59の各端子59a、59bが
第1導電面60aにそれぞれ接触してONとなっている
状態から回転を開始するから、駆動軸信号発生回路57
aは、「Hレベル」の駆動軸信号を出力している。
【0066】そして、駆動軸45の回転が進み、例えば
キー部45bが第1特定回転位置から回転して、第2特
定回転位置の手前の第2基準回転位置に達すると、端子
59bが第1導電面60aに接触したまま、端子59a
が第2導電面60bに達して、これに接触するから、回
転スイッチ57がOFFとなる。これにより、駆動軸信
号発生回路57aは、駆動軸信号を「Lレベル」とす
る。この駆動軸信号の変化で、CPU65は、回転カウ
ンタ71のカウント値Cmを「0」にリセットしてか
ら、この回転カウンタ71を作動させる。
【0067】モータエンコーダ53は、給送モータ50
の回転とともにエンコード板54が回転し、給送モータ
50が1回転する毎に回転パルスを発生している。した
がって、給送モータ50が一回転する毎に、カウント値
Cmが「1」ずつインクリントされるようになる。この
ようにして、インクリメントされるカウント値Cmは、
回転スイッチ57がOFFになった時点からの駆動軸4
5の回転角度に比例した値になっており、しかも減速ギ
ア列51の高速回転側の回転数で駆動軸45の回転角度
を測定しているから、このカウント値Cmに基づいて精
度よく駆動軸45の回転角度を知ることができる。
【0068】CPU65は、回転カウンタ71の作動
後、これのカウント値Cmを監視するとともに、ドライ
バ70から給送モータ50に供給する電流値を小さくし
て給送モータ50を低速で回転させる。これにより、駆
動軸45及び巻き取りスプール39が低速で回転するよ
うになる。
【0069】そして、CPU65は、回転スイッチ57
がOFFになった時点からキー部45bが次の第2特定
回転位置に達するのに必要な回転角度に対応した回転パ
ルスの個数(値Ca)にカウント値Cmが達した瞬間
に、ドライバ70からの給送モータ50に供給されてい
る電流を遮断する。これにより、給送モータ50が停止
し、駆動軸45及びこれに係合している巻き取りスプー
ル39の回転も停止する。この停止の際に、駆動軸45
及び巻き取りスプール39は低速で回転している状態か
ら停止した状態になるため、給送モータ50への電流が
遮断された瞬間に、巻き取りスプール39の慣性で駆動
軸45が余分に回転することなく、キー部45bが第2
特定徒弟回転位置で停止する。結果、巻き取りスプール
39は、キー部45bの第2特定回転位置に対応した第
2回転状態で停止される。
【0070】また、キー部45bを第2特定回転位置で
停止した後、再びアップ/ダウンダイアル28を操作す
ると、給送モータ50が回転されて、駆動軸45及び巻
き取りスプール39が巻き取り方向に回転される。そし
て、キー部45bが第3回転位置に達する手前で、回転
スイッチ57がOFFからONに切り替わり、駆動軸信
号が「Lレベル」から「Hレベル」に変化する。この駆
動軸信号の変化で、CPU65は、上記同様にして、カ
ウント値Cmを「0」にリセットしてから、この回転カ
ウンタ71を作動させ、駆動軸45の回転角度を測定す
るとともに、給送モータ50を低速で回転させる。そし
て、カウント値Cmが値Caに達した瞬間に、給送モー
タ50を停止する。
【0071】これにより、キー部45bが第3特定回転
位置となるように、駆動軸45の回転が停止され、これ
に係合している巻き取りスプール39は第1回転状態と
なる。この後、アップ/ダウンダイアル28を操作する
と、キー部45bが第3回転位置から回転して、第4特
定回転位置で停止し、巻き取りスプール39が第2回転
状態となる。さらに、アップ/ダウンダイアル28を操
作すると、キー部45bが第4回転位置から第1特定回
転位置に回転されて停止し、巻き取りスプール39は第
1回転状態となる。
【0072】例えば、現在市販されている写真用ロール
フイルム1には、図17(a)に示すように、軸装着穴
85のキー穴86の切込方向(図中矢線C方向)に対す
る遮光紙挿入孔87aの貫通方向(図中矢線A方向)が
90度ずれているスプール87が用いられているものも
ある。また、図17(b)に示すように、軸装着穴88
が略十字形状となって、キー穴89a,89bの切込方
向が互いに90度ずれた2方向にとれ、一方のキー穴8
9aの切込方向(矢線B方向)が上述のスプール2と同
様に遮光紙挿入孔90aの向き(図中矢線A方向)と同
じ方向であり、他方の軸装着穴89bの向き(矢線C方
向)ついては、図17(a)のスプール87と同様に、
遮光紙挿入孔90aの向きに対して90度ずれているス
プール90が用いられているものもある。
【0073】キー部45bが第1特定回転位置または第
3特定回転位置の駆動軸45に対して、上記のようなス
プール87,90のいずれかを巻き取りスプール39と
して装着した場合には、アップ/ダウンダイアル28を
多くとも1回操作して駆動軸45を90度回転させれ
ば、スプール2を巻き取りスプール39として用いた場
合と同様に、巻き取りスプール39を第1回転状態にす
ることができる。
【0074】上記のようにして、遮光紙4の先端部4a
を遮光紙挿入孔41に差し込んでから、裏蓋30を閉じ
ると、裏蓋スイッチ74からの開閉信号が「Lレベル」
から「Hレベル」に変化する。この変化でCPU65
は、ファーストフレームセットを行うためにFFS要求
を内部レジスタにセットする。裏蓋30を閉じた後に、
撮影者がレリーズボタン26を半押し位置または全押し
位置まで押し込むと、レリーズスイッチ73からのレリ
ーズ信号がCPU65に入力される。CPU65は、こ
のレリーズ信号を受けるとレリーズ処理を実行する。
【0075】図14に示すように、レリーズ処理では、
まず、内部レジスタ内にFFS要求がセットされている
か否かが調べられる。前述のように、裏蓋30を閉じる
ことにより内部レジスタにはFFS要求がセットされて
いるから、CPU65は、撮影処理を行う代わりに、図
15に示すFFS処理を実行する。なお、レリーズ信号
の入力を待たずに、裏蓋30が閉じられた直後にFFS
処理を実行するようにしてもよい。
【0076】FFS処理では、CPU65は、まず給送
モータ50を駆動する。次に、内部レジスタのFFS要
求をクリアし、次回にレリーズボタン26が操作された
時には、撮影処理が行われるようにする。給送モータ5
0の回転により、駆動軸45で巻き取りスプール39が
巻き取り方向に回転される。これにより、遮光紙付き写
真フイルム5の遮光紙4が巻き取りスプール39に巻き
取られ、これにともなって、フイルム装填室35内の写
真用ロールフイルム1に巻き付けられていた遮光紙4が
フイルム通路37を通って、巻き取りスプール39に向
かって給送される。
【0077】CPU65は、上述のようにして、遮光紙
付き写真フイルム5の給送を開始すると、フォトセンサ
48を作動させて接合テープ8の検出を開始する。遮光
紙4の給送が進み、フォトセンサ48に接合テープ7が
達すると、バーコード12の先端部(接合テープ8の白
色部分)がフォトセンサ48に対峙することにより、波
形整形回路51からの反射信号が「Lレベル」から「H
レベル」に転じる。この反射信号の変化により、CPU
65は、接合テープ8を検出したと判断し、バーコード
読み取り処理によってデータ部12の各バーの幅の測定
を開始する。
【0078】バーの幅の測定では、CPU65は、まず
反射信号が「Hレベル」に転じた時点で回転カウンタ7
1を作動する。これにより、給送モータ50が1回転す
る毎に、カウント値Cmが「1」ずつインクリントされ
るようになる。次に、反射信号が「Hレベル」から「L
レベル」に転じると、CPU65は、その変化した時点
でカウント値Cmを「0」にリセットして、回転パルス
のカウントを継続する。そして、次に反射信号が「Hレ
ベル」から「Lレベル」に転じた時点でのカウント値C
mを読み出してから、カウント値Cmを「0」にリセッ
トして、再び回転パルスのカウントを開始する。読み出
したカウント値Cmは、第1幅データとしてRAM56
5aに記憶する。
【0079】さらに、反射信号が「Lレベル」から「H
レベル」に転じると、CPU65は、その時点のカウン
ト値Cmを読み出してから、カウント値Cmを「0」に
リセットして、回転パルスのカウントを開始する。この
時に得られたカウント値Cmは、第2幅データとしてR
AM65aに記憶する。以降同様にして、反射信号が
「Hレベル」から「Lレベル」に、「Lレベル」から
「Hレベル」に転じる毎に、カウント値Cmを読み出し
て、第3幅データ以降をRAM65aに記憶する。
【0080】そして、接合テープ8の後端部分がフォト
センサ48を通過して、フォトセンサ48に写真フイル
ム3に対峙して反射信号が「Mレベル」となった時点
で、バーの幅の測定を終了する。反射信号が「Mレベ
ル」に変化した時のカウント値Cmは、RAM65に記
憶されない。以上のようにして、バーコード12の各バ
ーがフォトセンサ48を通過する間に発生する回転パル
ス、すなわち各バーの幅に応じた回転パルス数がRAM
65aに記憶される。
【0081】また、CPU65は、「Mレベル」の反射
信号の入力により、写真フイルム3がフォトセンサ48
に達したことを検知する。この後、遮光紙付き写真フイ
ルム5を所定長だけ送って、写真フイルム3の第1コマ
目の部分をアパーチャ38の背後にセットするために、
カウント値Csを「0」にリセットしてから,搬送カウ
ンタ69を作動させる。
【0082】フイルムローラ46は、搬送中の遮光紙付
き写真フイルム5に従動して回転しているから、写真フ
イルム3が一定の長さだけ給送される毎に搬送パルスが
発生し、搬送カウンタ69のカウント値Csが1ずつイ
ンクリメントされるようになる。
【0083】CPU65は、搬送カウンタ69のカウン
ト値Csを監視し、このカウント値Csが所定の値C1
になると、給送モータ50を停止させ、遮光紙付き写真
フイルム5の給送を停止する。この値C1は、フォトセ
ンサ48が写真フイルム3と対峙してから、アパーチャ
38により規定された露光位置に写真フイルム3の先端
部分が達するまでに発生する搬送パルスの個数になって
おり、製造時に予め設定されている。これにより、写真
フイルム3の第1コマ目に対応する部分がアパーチャ3
8の背後にセットされる。
【0084】給送モータ57の停止後、CPU65は、
RAM65aに記憶した各幅データに基づいて、それぞ
れの幅データが幅広のバーに対応するものか、幅狭のバ
ーに対応するものかを調べて、その配列により装填され
た写真用ロールフイルム1のフイルムタイプやフイルム
感度を識別する。
【0085】CPU65は、このような手順でバーコー
ドの解読を行い、正しく解読できると、識別された写真
フイルム3のフイルム感度やフイルムタイプをRAM6
5aに記憶し、識別したフイルムタイプから写真フイル
ム3の撮影可能コマ数を求め、これもRAM65aに記
憶する。また、識別された撮影可能コマ数を残数カウン
タ79の初期値としてセットしてから、ファーストフレ
ームセットを終了して、第1コマ目の撮影待機状態とな
る。
【0086】なお、何らかの理由でバーコード解読が正
しく行えなかった場合には、CPU65は,例えばLC
D27上でエラー表示81fを点滅させる等して、バー
コード読み取りにエラーが生じたことを撮影者に表示す
る。撮影者は、この表示を確認したならば、写真用ロー
ルフイルム1を他のものと交換する等して、上記と同様
な手順でファーストフレームセットを再度行う。なお、
例えば、操作ダイアル28等を用いてフイルム感度と、
フイルムタイプと、撮影可能コマ数とを入力するように
してもよい。
【0087】第1コマ目の撮影待機状態で、レリーズボ
タン26を押圧操作すると、レリーズボタン26が半押
し位置まで押し込まれた段階で、測光部76、AF部7
7が作動され、レリーズボタン26が全押し位置まで押
し込まれた瞬間に露光部78が作動して、写真フイルム
3の第1コマ目に対する撮影が行われる。なお、半押し
位置の段階でレリーズボタン26の押圧を解除すれば、
再び第1コマ目の撮影待機状態となる。
【0088】第1コマ目の撮影が完了すると、露光完了
信号がCPU65に入力される。この露光完了信号が入
力されると、CPU65は、図16に示す給送処理を行
う。CPU65は、まず、カウント値Csを「0」にリ
セットしてから,搬送カウンタ69を作動させる。ま
た、給送モータ50を駆動して、巻き取りスプール39
による写真フイルム3の巻き取り開始する。
【0089】この後、CPU65は、全撮影コマに対し
て撮影が完了した否かを調べるため、残数カウンタ79
のカウント値Cfが「1」になっているか否かを調べ
る。カウント値Cfが「1」となっている場合には、最
終巻き取りを行うが、第1コマ目の露光完了時点では、
カウント値Cfが「1」になっていないから、全撮影コ
マに対して撮影が完了していなと判断して、1コマ送り
のための処理を行う。
【0090】1コマ送りでは、CPU65は、写真フイ
ルム3が一定の長さだけ搬送される毎にインクリメント
される搬送カウンタ69のカウント値Csを監視し、こ
のカウント値Csが所定の値C2なった時点で、フォト
センサ48が写真フイルム3を検出していることを確認
してから、給送モータ50を停止させる。値C2は、1
コマ分の写真フイルムの長さに対応した搬送パルスの個
数と同じか僅かに大きな値にされている。これにより、
1コマ分の写真フイルム3が巻き取りスプール39に巻
き取られ、写真フイルム3の第2コマ目の部分がアパー
チャ38の背後にセットされる。
【0091】ところで、上記のようにして1コマ送りを
行っている間に、巻き取りスプール39の軸芯39aに
巻き付けられるべき遮光紙付き写真フイルム5が例えば
フランジ39bに掛かるように巻き付けられてしまい、
巻き取りスプール39が回転しなくなった、写真フイル
ム3が切断されてしまった等の理由により、写真フイル
ム3が給送されなくなることがある。
【0092】このため、CPU65は、1コマ送りを行
っている間には、写真フイルム3の給送が正常に行われ
ているか否かを監視している。写真フイルム3が給送さ
れなくなると、フイルムローラ46の回転が停止するか
らカウント値Csが変化しなくなる。このため、CPU
65は、写真フイルム3が1コマ分送られる前に、搬送
カウンタ69のカウント値Csが所定の時間が経過して
も変化しなくなると、写真フイルム3の給送に異常が生
じたものと判断し、給送モータ50を停止する。そし
て、LCDドライバ80を介してLCD27にエラー表
示81fを点滅させて給送が正しく行われていないこと
撮影者に知らせる。この表示により、撮影者は、写真フ
イルム3の給送に異常が生じたことを知ることができ、
迅速に適切な処理を行うことができる。
【0093】正常に1コマ送りが行われると、CPU6
5は、給送モータ50の停止後に、残数カウンタ79の
カウント値Cfを「1」だけデクリントして給送処理を
終了し、第2コマ目の撮影待機状態となる。
【0094】第2コマ目の撮影待機状態で、レリーズボ
タン26を操作して、第2コマ目の撮影を行う。この第
2コマ目の撮影が完了すると、上記と同様な手順で、全
撮影コマの撮影が完了したか否かが調べられた後に、写
真フイルム15が1コマ分給送される。以降、同様にし
て、撮影完了毎に1コマ送りが行われる。
【0095】最終の撮影コマの撮影が終了すると、CP
U65は、1コマ送りと同様にして、搬送カウンタ69
を作動させた後に、給送モータ50を駆動して写真フイ
ルム3の巻き取りを行うが、カウント値Cfが「1」と
なっているので、最終巻き取りを行う。また、カウント
値Cfが「1」となっていない場合でも、1コマ送り後
に、フォトセンサ48で写真フイルム3が検出されてい
ない時、すなわち反射信号が「Mレベル」となっていな
い時にも、最終巻き取りが行われる。
【0096】この最終巻き取りでは、CPU65は、ま
ず、カウント値Csを監視し、搬送パルスが停止した時
点、すなわち遮光紙4(トレーラ10b)の後端がフイ
ルムローラ46を通過した時点で、CPU65に内蔵し
たタイマをスタートさせ、搬送パルスが停止した時点か
らの時間を計測する。次に、CPU65は、駆動軸信号
を監視して、所定の時間Ta内に駆動軸信号の変化が停
止するか否かを調べる。
【0097】例えば、遮光紙4の後端がフイルムローラ
46を通過した直後に、巻き取りスプール39に巻き付
けられている遮光紙付き写真フイルム5の巻きが緩く、
巻き取りスプール39が巻太りして回転しなくなると、
搬送パルスの停止と同時、あるいはその直後に駆動軸4
5,最終ギア52を介して巻き取りスプール39に連結
されたエンコード板58が回転しなくなって、駆動軸信
号が変化しなくなる。このため、CPU65は、搬送パ
ルスが停止した時点から所定の時間Ta内に駆動軸信号
の変化が停止すると、最終巻き取りに異常が生じたもの
と判断して、エラー表示81fを点滅さて、この旨を撮
影者に知らせる。
【0098】また、遮光紙4の後端がフイルムローラ4
6を通過する前に、巻太り等で巻き取りスプール39の
回転が停止した場合には、フイルムローラ46と巻き取
りスプール39が同時に停止するから、上述同様に最終
巻き取りに異常が生じたものと判断される。したがっ
て、この場合にも、エラー表示81fが点滅される。
【0099】このようにして、巻き取りの異常を検出す
るから、フイルム通路37に設けたフォトセンサ48を
写真フイルム5の後端が通過した直後に巻き取りに異常
が生じて、フイルムローラ46の回転が停止した場合で
あっても、巻き取りの異常を検出することができる。し
たがって、巻き取りスプール39に遮光紙4の後端が不
十分に巻き付けられた状態で、不用意に裏蓋30を開放
し、撮影済の写真フイルム3に外光によるカブリを与え
ることが防止できる。
【0100】また、キー部45bの回転位置、すなわち
駆動軸45の停止位置を制御するための回転スイッチ5
7及び写真フイルム3の搬送長を測定するためのフイル
ムローラを用いて、最終巻き取りの異常を判断するから
特に専用の部材を設ける必要がなくカメラの製造コスト
を低く抑えることができる。
【0101】他方、巻き取りスプール39が巻太り等を
することがなく、正常に遮光紙4の後端部4cまでが巻
き取りスプール39に巻き取られると、遮光紙4の後端
がフイルムローラ46を通過してからも、給送モータ5
0が回転している間では巻き取りスプール39は回転を
継続する。したがって、エンコード板58も回転を続け
るから、時間Taの間に駆動軸信号の変化が停止するこ
とはない。このようにして、時間Taの間に駆動軸信号
が変化し続けると、CPU65は、正常に最終巻き取り
が行われていると判断する。
【0102】例えば、時間Taは、遮光紙4の後端がフ
イルムローラ46を通過してから、遮光紙4の後端まで
を巻き取りスプール39に巻き付けるのに必要な時間以
上、例えば2秒に設定してある。このため、CPU65
は、正常に最終巻き取りが行われていると判断すると同
時に、最終巻き取りを完了した判断する。
【0103】最終巻き取りの完了の判断の後、CPU6
5は、駆動軸信号を監視して、これが「Lレベル」から
「Hレベル」に変化した時点、すなわちキー部45bが
第1基準回転位置または第3基準回転位置のいずれかの
に達した時に、給送モータ50の回転速度を減速して低
速にするとともに、カウント値Cmを「0」にリセット
してから回転カウンタ71を作動する。
【0104】この後、CPU65は、カウント値Cmを
監視して、このカウント値Cmが上述の値Caになった
瞬間に、給送モータ50を停止する。これにより、駆動
軸45は、キー部45bを第1特定回転位置または第3
特定回転位置のいずれかの位置にして停止される。
【0105】なお、巻き取りボタン(図8参照)を押圧
操作して、全撮影コマの撮影が完了するまえに、全ての
遮光紙付き写真フイルム5を巻き取りスプール39に巻
き取る時の最終巻き取りの際にも上述と同様しにして、
最終巻き取り時の給送の異常を検知できる。
【0106】上記実施形態では、回転スイッチを用いて
駆動軸の停止を検知しているが、モータエンコーダを用
いても駆動軸の停止を検知することができる。また、最
終巻き取りに異常が生じた場合に、ファインダ内のLE
Dを点滅させたり、警告音を発生する等して撮影者に警
告を行ってもよい。
【0107】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
遮光紙付き写真フイルムの全てをモータの駆動力で巻き
取りスプールに巻き取る最終巻き取りを行っている間
に、給送中の遮光紙付き写真フイルムに従動して回転す
るフイルムローラが停止してから所定の時間内に駆動軸
の回転の停止を検知した時には、最終巻き取り中に遮光
紙フイルムの給送に異常が生じたと判断するようにした
から、確実に給送異常を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻き取りスプールとガイド部材の位置関係を示
す斜視図である。
【図2】接合テープにバーコードが記された写真用ロー
ルフイルムの外観を示す斜視図である。
【図3】120タイプの遮光紙付き写真フイルムを展開
した状態で示す説明図である。
【図4】220タイプの遮光紙付き写真フイルムを展開
した状態で示す説明図である。
【図5】バーコードを遮光紙に設けた例を示す説明図で
ある。
【図6】バーコードをスプールのフランジに記した例を
示す説明図である。
【図7】本発明のカメラの外観を示す斜視図である。
【図8】図7のカメラの背面側を裏蓋を開いた状態で示
す斜視図である。
【図9】巻き取りスプールを回転させるための給送系の
構成を示す斜視図である。
【図10】回転スイッチと駆動軸の位置関係を示す説明
図である。
【図11】本発明のカメラの電気的な構成を示す概略図
である。
【図12】LCDの表示の一例を示す説明図である。
【図13】各種信号の変化を検出して各種の処理を行う
ためのメインの手順を示すフローチャートである。
【図14】レリーズスイッチの変化検出後に行われるレ
リーズ処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】写真用ロールフイルムの装填後に行われるフ
ァーストフレームセットの手順を示すフローチャートで
ある。
【図16】1コマ送り及び最終巻き取りを行うための手
順を示すフローチャートである。
【図17】他のスプールタイプのスプールを示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 写真用ロールフイルム 2,87,90 スプール 3 写真フイルム 4 遮光紙 9,41 遮光紙挿入孔 7,40 軸装着穴 7b,40b キー穴 12 バーコード 39 巻き取りスプール 45 駆動軸 45b キー部 46 フイルムローラ 48 フォトセンサ 50 給送モータ 53 モータエンコーダ 57 回転スイッチ 65 CPU 68 搬送エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 寿 埼玉県朝霞市泉水3丁目13番45号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の写真フイルムの少なくとも両端に
    遮光紙が設けられた遮光紙付き写真フイルムと、この遮
    光紙付き写真フイルムが軸芯にロール状にして巻き付け
    られるスプールとからなる写真用ロールフイルムが用い
    られ、フイルム巻き取り室に配された巻き取りスプール
    に係合する駆動軸と、この駆動軸を回転させるモータと
    を有し、モータの駆動力で巻き取りスプールを巻き取り
    方向に回転することにより、遮光紙付き写真フイルムを
    フイルム巻き取り室に向けて給送して巻き取りスプール
    に巻き取るカメラにおいて、 前記駆動軸の回転を検出する駆動軸回転検出手段と、給
    送中の前記遮光紙付き写真フイルムに従動して回転する
    フイルムローラと、このフイルムローラの回転を検出す
    るローラ回転検出手段と、前記遮光紙付き写真フイルム
    の全てを前記モータの駆動力で前記巻き取りスプールに
    巻き取る最終巻き取りを行っている間に、前記ローラ回
    転検出手段により前記フイルムローラの回転の停止が検
    知された時点から所定の時間内に前記駆動軸回転検出手
    段により前記駆動軸の回転の停止が検知された時には、
    前記最終巻き取り中に遮光紙付き写真フイルムの給送に
    異常が生じたと判断する判断手段とを備えたことを特徴
    とするカメラ。
  2. 【請求項2】 前記判断手段によって遮光紙付き写真フ
    イルムの給送に異常が生じと判断された時に、警告表示
    する警告手段を備えていることを特徴とする請求項1記
    載のカメラ。
  3. 【請求項3】 前記フイルムローラは、前記写真フイル
    ムの給送長を測定するために設けられたものであること
    を特徴とする請求項1または2記載のカメラ。
  4. 【請求項4】 前記駆動軸回転検出手段は、前記駆動軸
    の停止位置を制御すうために設けられたものであること
    を特徴とする請求項1または2記載のカメラ。
JP9034883A 1997-02-19 1997-02-19 カメラ Pending JPH10232435A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9034883A JPH10232435A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 カメラ
US09/025,453 US5918083A (en) 1997-02-19 1998-02-18 Camera for use with a roll photo film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9034883A JPH10232435A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 カメラ

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Publication Number Publication Date
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JP9034883A Pending JPH10232435A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 カメラ

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