JPH10231872A - ブレーキパッド - Google Patents

ブレーキパッド

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JPH10231872A
JPH10231872A JP3404197A JP3404197A JPH10231872A JP H10231872 A JPH10231872 A JP H10231872A JP 3404197 A JP3404197 A JP 3404197A JP 3404197 A JP3404197 A JP 3404197A JP H10231872 A JPH10231872 A JP H10231872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
porosity
back plate
brake pad
back metal
Prior art date
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Pending
Application number
JP3404197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Usui
弘樹 臼井
Tadataka Kaneko
忠孝 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】裏金の表面に摩擦材を貼着してなるブレーキパ
ッドにおいて、摩擦材の耐摩耗性を低下させることなく
ブレーキ鳴きの発生を抑制する。 【解決手段】裏金を気孔率が10%〜40%という多気
孔質の焼結体にて構成して、裏金に振動に対する高い減
衰性能を付与してブレーキ鳴きを抑制するとともに、摩
擦材の本来有する耐摩耗性を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動装置と
して使用されるディスクブレーキ等に採用されるブレー
キパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキパッドの一形式として、裏金の
表面に摩擦材を貼着してなるブレーキパッドがある。当
該ブレーキパッドは、鉄板等の金属厚板からなる裏金の
表面に、有機繊維、金属繊維、その他の無機繊維を基材
として結合レジン、摩擦調整剤等を配合してなる摩擦材
を貼着して形成されている。
【0003】当該形式のブレーキパッドにおいては、車
両の制動時には、車輪と一体的に回転するディスクロー
タ等の回転体に強く押付けられて、回転体に対する制動
性能を発揮するものであり、この際、摩擦材と回転体と
の摩擦に伴って振動が発生し、この振動に起因してブレ
ーキ鳴きと称する騒音が発生する。このため、かかる問
題に対処すべきブレーキパッドが特開昭64−4972
5号公報に提案されている。
【0004】同公報にて提案されているブレーキパッド
は、摩擦材を、裏金の表面に直接接触する下層と、この
下層の表面に積層される表面層との2層構造とし、下層
の気孔率を12%〜20%で、表面層の気孔率より大き
く設定している。但し、摩擦材の各層の気孔率とは、摩
擦材の空隙部分が摩擦材の見かけ容積に占める割合を意
味する。
【0005】かかる構成のブレーキパッドにおいては、
摩擦材を構成する表面層が従来の摩擦材と同様に機能し
て、回転体に対する制動性能を発揮するとともに、表面
層に比較して多気孔質である下層が振動に対する減衰性
能を発揮するため、従来のブレーキパッドと同様の制動
性能を維持した状態で、ブレーキ鳴きの発生を抑制でき
るものとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキパ
ッドを構成する摩擦材の気孔率を大きくした場合には、
マトリックスの強度低下、繊維および各種配合材の保持
力低下等に起因して、摩擦材の耐摩耗性が低下するとい
う問題がある。
【0007】上記した公報にて提案されているブレーキ
パッドにおいては、摩擦材が下層および表面層の2層構
造であって、その下層側の気孔率が大きく設定されてい
るこから、摩擦材の使用早期における摩耗の程度は、従
来の摩擦材とほぼ同程度であるが、表面層の摩耗が進行
して下層が露呈した場合には、その後の下層の摩耗は著
しく助長されることになり、総合的にみれば、摩擦材の
耐摩耗性をブレーキパッドの摩擦材として許容される充
分な域とするためには、摩擦材の厚みを厚くする必要が
ある。
【0008】従って、本発明の目的は、ブレーキパッド
を構成する摩擦材の耐摩耗性を低下させることなく、ブ
レーキパッドの振動に起因するブレーキ鳴きを抑制する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、裏金の表面に
摩擦材を貼着してなるブレーキパッドにおいて、前記裏
金を多気孔質の焼結体にて構成したことを特徴とするも
のである。しかして、当該ブレーキパッドにおいては、
前記裏金を構成する焼結体の気孔率を、10%〜40%
の範囲とすることが好ましい。但し、本発明において、
焼結体の気孔率とは、焼結体の空隙部分が焼結体の見か
け容積に占める割合を意味する。
【0010】また、当該ブレーキパッドにおいては、前
記裏金を構成する焼結体には、フェノール樹脂を含浸さ
せることが好ましく、焼結体に対するフェノール樹脂の
含浸量は2容量%〜10容量%とすることが好ましい。
なお、裏金を構成する焼結体は、金属粉末を原料とする
粉末冶金により形成される。
【0011】
【発明の作用・効果】このように構成したブレーキパッ
ドにおいては、裏金を構成する多気孔質の焼結体がブレ
ーキパッドの振動を減衰する性能を有することから、従
来のブレーキパッドに比較してブレーキ鳴きを著しく抑
制することができるとともに、摩擦材それ自体は従来と
同様のもので多気孔質でないことから、従来のブレーキ
パッドと同等耐摩耗性を備えている。
【0012】本発明に係るブレーキパッドにおいては、
裏金を構成する焼結体の気孔率は10%〜40%の範囲
にあることが好ましく、気孔率が低すぎる場合には、振
動に対する減衰性能が低くてブレーキ鳴きの抑制効果が
低く、一方、気孔率が高すぎる場合には、裏金としての
剛性が低くて摩擦材に偏摩耗を生じさせるおそれがあ
る。
【0013】また、本発明に係るブレーキパッドにおい
ては、裏金を構成する焼結体にフェノール樹脂を含浸さ
せることが好ましく、これにより、裏金の振動に対する
減衰性能を一層向上させることができる。この場合、フ
ェノール樹脂の含浸量は、2容量%〜10容量%の範囲
にあることが好ましく、含浸量が少なすぎる場合には減
衰性能の向上効果が低く、一方含浸量が多すぎる場合に
は、樹脂量、および含浸作業の面からコスト的に不利で
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、例えばディスクブレー
キを構成するディスクブレーキパッドの裏金を、従来の
鋼板製のものから多気孔質の焼結体に変更することによ
り、裏金の振動に対する減衰性能を向上させるものであ
る。ディスクブレーキパッドの裏金に採用する焼結体
は、鉄系、銅系等の合金の粉末を原料として、通常の粉
末冶金により作成する。また、焼結体の気孔率の調整
は、粉末冶金におけるプレス時の成形面圧を適宜に設定
することにより行い、気孔率を10%〜40%の範囲の
ものとする。得られた所定の気孔率を有する焼結体を裏
金として、この裏金の表面にに、従来と同様の方法で、
従来と同様の摩擦材を貼着することにより、ディスクブ
レーキパッドを作成する。
【0015】図1に示すグラフは、このようにして作成
されたディスクブレーキパッドにおける、焼結体にて構
成された裏金の気孔率と、振動に対する減衰性能の関係
を示すグラフであって、裏金の気孔率が0%のときの減
衰性能を1として表示している。同グラフを参照すると
明らかなように、裏金の減衰性能は気孔率の増加に応じ
て曲線的に増大し、特に気孔率が低い値の範囲では飛躍
的に増大している。
【0016】また、図2に示すグラフは、上記した裏金
に一定量の歪を与えた際の、裏金の気孔率と曲げ強度の
関係を示すグラフであって、裏金の気孔率が0%の時の
曲げ強度を100として表示している。同グラフを参照
すると明らかなように、裏金の曲げ強度は気孔率の増加
に応じて直線的に減少している。
【0017】これらのグラフを総合的に見ると、裏金の
減衰性能は、裏金の気孔率を10%とすると気孔率が0
%の場合の約3倍に増大し、気孔率をそれ以上増加させ
ると、減衰性能はさらに増大する。これに対して、裏金
の曲げ強度は、裏金の気孔率を40%とすると気孔率が
0%の場合の60%程度にまで減少し、気孔率をそれ以
上増加させると、曲げ強度はさらに減少する。ディスク
ブレーキパッドの実際の使用においては、裏金の曲げ強
度の減少が60%程度までの場合には、裏金の機能上問
題ないことを確認している。
【0018】以上のことから、裏金を構成する焼結体の
気孔率は、減衰性能および剛性の面から総合すれば、1
0%〜40%の範囲にあることが好ましく、これによ
り、ブレーキパッドにおけるブレーキ鳴きを著しく抑制
することができる。
【0019】本発明に係るブレーキパッドにおいては、
裏金を構成する気孔率が10%〜40%の範囲にある焼
結体にフェノール樹脂を含浸させることにより、裏金の
減衰性能をさらに向上させて、ブレーキ鳴きをさらに抑
制することができる。この理由は、定かではないが、異
材質の接触による接触減衰の増加によるものと理解され
る。この場合、フェノール樹脂の含浸量は2容量%〜1
0容量%の範囲であることが好ましく、含浸量が少ない
場合には減衰性能の向上が低く、また、減衰性能を一段
と向上すべく含浸量を多くする場合には、焼結体に対す
る含浸作業の回数を多くしなければならず、樹脂量、お
よび含浸作業の面からコスト的に不利である。
【0020】なお、ブレーキパッドの裏金として、上記
したごとき多気孔質の焼結体を採用した場合には、振動
に対する減衰性能の向上、およびこれに起因するブレー
キ鳴きの抑制という作用効果に加えて、裏金の高い気孔
率に起因する熱伝導性能の低下によるブレーキオイルの
温度上昇の抑制効果、およびベーパロックの抑制効果を
有するとともに、さらには、裏金表面の多数の気孔への
摩擦材の侵入による裏金の表面に対する摩擦材の接着性
の向上効果を有する。
【0021】
【実施例】本実施例においては、下記の3種類の焼結体
からなる裏金と、1種類の鋼板からなる裏金を作成する
とともに、通常の工程で同一の材質の摩擦材を作成し
て、各裏金の表面にそれぞれ同一の摩擦材を貼着してブ
レーキパッドを製作した。
【0022】焼結体の作成においては、第1に、Cu−
0.2Sn粉末を原料として、これに0.8重量%のス
テアリン酸亜鉛を添加して混合し、得られた混合物を面
圧200MPaでプレスし、その後窒素ガスの雰囲気の
下、800℃で1時間焼成して、気孔率が28%の焼結
体(第1の焼結体)を作成した。第2に、JIS SM
F4050に規定する方法に基づいて、原料としてFe
−0.2Cu−0.8C粉末を採用し、気孔率が15%
の焼結体(第2の焼結体)を作成した。
【0023】第3に、第1焼結体の作成過程におけるプ
レス圧を面圧170MPaとした以外は同一の条件で、
気孔率が35%の焼結体を作成し、得られた焼結体を液
状のフェノール樹脂中に入れて真空引きし(10kP
a)、焼結体の気孔中にフェノール樹脂を含浸させ、こ
れを大気の下、250℃で1時間熱処理した。得られた
焼結体にフェノール樹脂を、上記した方法と同一の方法
で再度含浸させて熱処理し、含浸量が5容量%で気孔率
が30%の焼結体(第3の焼結体)を得た。第4に、鋼
板SHP45からなる裏金を作成した。
【0024】これらのブレーキパッドを自動車に搭載し
て、設定された一定の制動条件下で車輪の制動実験を繰
返し行い、この制動実験でのブレーキ鳴きの発生状態を
測定して、ブレーキ鳴きの発生率を算出した。得られた
結果を表1に示す。但し、表1における鳴き発生率と
は、ブレーキ鳴きの発生率を意味し、(鳴き発生回数/
全制動回数)により算出した。
【0025】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキパッドの裏金を構成する
焼結体の気孔率と減衰性能と関係を示すグラフである。
【図2】同焼結体の気孔率と曲げ強度との関係を示すグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏金の表面に摩擦材を貼着してなるブレー
    キパッドにおいて、前記裏金を多気孔質の焼結体にて構
    成したことを特徴とするブレーキパッド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のブレーキパッドにおい
    て、前記裏金を構成する焼結体の気孔率は10%〜40
    %であることを特徴とするブレーキパッド。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のブレーキパッド
    において、前記裏金を構成する焼結体にフェノール樹脂
    が含浸されていることを特徴とするブレーキパッド。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のブレーキパッドにおい
    て、前記裏金を構成する焼結体に対するフェノール樹脂
    の含浸量は2容量%〜10容量%であることを特徴とす
    るブレーキパッド。
JP3404197A 1997-02-18 1997-02-18 ブレーキパッド Pending JPH10231872A (ja)

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JP3404197A JPH10231872A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 ブレーキパッド

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121665A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Mitsubishi Electric Corp ブレーキライニング材及びその製造方法並びにそれを用いたブレーキ制動部
US20100163352A1 (en) * 2007-02-16 2010-07-01 Marcos Minoru Umeda Sintered brake pad backing plate
JP2015031317A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキパッド

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