JPH10231375A - フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法

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JPH10231375A
JPH10231375A JP3234897A JP3234897A JPH10231375A JP H10231375 A JPH10231375 A JP H10231375A JP 3234897 A JP3234897 A JP 3234897A JP 3234897 A JP3234897 A JP 3234897A JP H10231375 A JPH10231375 A JP H10231375A
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film
foaming
foaming agent
heating
stretching
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JP3234897A
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Inventor
Hisao Koike
尚生 小池
Toshio Imauchi
敏夫 今内
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜で、加熱寸法安定性、表面平滑性に優れ
る熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムを得ることを目的と
する。 【解決手段】 熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製造
方法において、発泡剤を含浸した熱可塑性フッ素樹脂の
発泡成形時に、延伸することを特徴とする熱可塑性フッ
素樹脂発泡フィルムの製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性フッ素樹脂
発泡フィルムの製造方法に関するものである。更に詳し
く言えば、熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムは、フッ素
樹脂の電気的特性、耐薬品性、耐熱性等を活かした独立
気泡の発泡フィルムであり、本発明では特に発泡フィル
ム厚みが薄く、強度、加熱寸法安定性、高周波絶縁性が
要求されるコンピューターや通信回線などの高速通信用
絶縁材や、電線の被覆材、表面保護材、或いは熱可塑性
フッ素樹脂発泡フィルムにLi塩電解液を含浸させたL
iイオン二次電池用の固体電解質などに有効な熱可塑性
フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ素樹脂発泡体としては種々の
ものが提案されている。例えば、特公昭42−4947
号公報にはポリテトラフルオロエチレンの微粒子を焼結
して得られる空孔率60%程度の多孔体が開示されてい
る。しかしながら、該多孔体はその製法上、連続気泡体
となるため電気絶縁性が一定の物が得られず、品質上の
問題を有している。又米国特許第3868337号公報
には低粘度のフッ素エラストマーに加硫剤と発泡剤とを
混合し、加圧下に加熱して得られる発泡体が開示されて
いる。又、特開昭54−41969号公報にはエチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体に該共重合体の溶融
成形温度で分解する固体状発泡剤を使用して得られる発
泡体、特開昭57−123233号公報にはエチレン−
塩化三フッ化エチレン共重合体に気泡核材と有効量の発
泡剤を用いた発泡体、特開昭59−11340号公報に
はパーフルオロフッ素樹脂に無機核材を添加した発泡体
の製造方法、米国特許第3072583号公報にはテト
ラフルオロエチレン−パーフルオロ−α−オレフィン共
重合体に気泡核剤として窒化ホウ素を、発泡剤にフルオ
ロメタンを用いた発泡体、特公平3−44575号公
報、特公平3−74696号公報には架橋処理した熱可
塑性フッ素樹脂に揮発性物理発泡剤を配合して加熱発泡
させた発泡体、特開昭62−50340号公報では特定
のメルトフローレートを有するフッ素樹脂であって0.
1重量%未満の無機化合物を含む発泡体が知られてい
る。
【0003】これら、開示されているフッ素樹脂発泡体
の製造方法は、フッ素樹脂と発泡剤もしくは、フッ素樹
脂と発泡剤と気泡核剤の組み合わせによる技術であり、
本発明の如く発泡成形時に、延伸を行う方法とは本質的
に異なる物である。特開平7−26051号公報に、発
泡フィルムを成形した後に一軸もしくは二軸方向に延伸
を行う薄膜化技術が開示されているが、該発泡フィルム
は延伸温度が樹脂の融点以下であるため、延伸によって
生じる歪みがフィルム内に残留し、加熱寸法変化が大き
いという欠点を有している。この欠点を解消するため
に、通常延伸後に熱処理を行うが、残留歪みを本質的に
解消するためには樹脂の融点以上まで加熱することが必
要であり、この操作は気泡構造を消滅させることである
ため、該製造方法では加熱寸法変化を無くすことは不可
能である。又、発泡成形時に延伸を行う場合、発泡させ
るための発泡炉等の発泡設備に付属する引き取りロール
や拡幅機等の設備で延伸が可能であるが、発泡成形後に
延伸する場合、発泡炉等の発泡設備以外にテンター等の
延伸するための装置、一軸もしくは二軸の延伸装置が必
要である。従って、生産性、及びプロセスコスト等を考
慮すると、発泡成形後に延伸することは好ましくない事
は明らかである。又、発泡フィルムの薄膜化は、発泡剤
含浸前の原反シートの厚みを薄くすることでも達成でき
るが、薄膜化した原反シートでは発泡剤の逸散速度が速
く、発泡剤の含浸量低下によって所望の発泡倍率、セル
密度が得られにくいという欠点も有している。
【0004】発泡フィルムに要求される特性は用途によ
って異なるが、例えば、熱可塑性フッ素樹脂発泡フィル
ムを電線被覆材に用いた時、該発泡フィルムの加熱寸法
変化は3%以下、好ましくは1%以下の特性が要求さ
れ、又、フィルム厚みは50ミクロン以上、300ミク
ロン以下、好ましくは50ミクロン以上150ミクロン
以下の厚みが要求される。又、独立気泡率は40%以
上、好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上
の特性が要求される。独立気泡率は発泡フィルムの力学
特性、特に圧縮強度、圧縮弾性率、圧縮回復率などの圧
縮特性に大きく影響する。又、該発泡フィルムを固体電
解質に用いる場合、発泡フィルムの厚みを薄くすること
で二次電池の体積エネルギー密度を高くすることができ
るため、発泡フィルムの厚みは20ミクロン以上300
ミクロン以下、好ましくは20ミクロン以上100ミク
ロン以下、さらに好ましくは20ミクロン以上50ミク
ロン以下の厚みが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の熱可
塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法、すなわち発泡
成形後に一軸、もしくは二軸方向に延伸する事を特徴と
する製造方法の有する種々の欠点を改良して、厚みが薄
く、加熱寸法安定性及び表面平滑性に優れ、且つ高い独
立気泡率を有する熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、発泡剤を含浸した熱可
塑性フッ素樹脂の発泡成形時に、延伸を行うことを特徴
とする熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法であ
る。以下本発明の詳細について説明する。
【0007】本発明に用いられる熱可塑性フッ素樹脂と
しては、例えばモノフルオロエチレン、1、1−ジフル
オロエチレン、1、1、2−トリフルオロエチレン、モ
ノクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ンなどのフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロペンテン
などのフルオロ−α−オレフィン、トリフルオロメチル
パーフルオロビニルエーテル、パーフルオロエチルパー
フルオロビニルエーテル、パーフルオロプロピルパーフ
ルオロビニルエーテル、などのフルオロアルキルフルオ
ロビニルエーテル、トリフルオロメチルビニルエーテ
ル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロ
プロピルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニル
エーテルなどの中から選ばれた少なくとも一種のモノマ
ーを主成分として得られた含フッ素樹脂重合体が挙げら
れる。
【0008】本発明で使用される熱可塑性フッ素樹脂の
例としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフ
ルオロメチルパーフルオロビニルエーテル共重合体、フ
ッ化ビニリデン−パーフルオロエチルパーフルオロビニ
ルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロ
プロピルパーフルオロビニルエーテル共重合体、エチレ
ン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−フッ化ビニリデン−パーフルオロメチル
パーフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−フッ化ビニリデン−パーフルオロエチルパー
フルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−フッ化ビニリデン−パーフルオロプロピルパーフ
ルオロビニルエーテル共重合体、などの分子鎖中に水素
原子を有するフッ素樹脂、テトラフルオロエチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフル
オロメチルパーフルオロビニルエーテル共重合体、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パー
フルオロエチルパーフルオロビニルエーテル共重合体、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
パーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルパ
ーフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロメチ
ルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルパ
ーフルオロビニルエーテル−(2−シアノテトラフルオ
ロエチルオキシ)パーフルオロプロピルパーフルオロビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル−2−シ
アノパーフルオロエチルパーフルオロビニルエーテル共
重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルパーフルオロビニルエーテル−3−クロロスルホニル
パーフルオロプロピルパーフルオロビニルエーテル共重
合体などのフッ素樹脂が挙げられる。これらのフッ素樹
脂は、フッ素エラストマーとは異なりDSCで吸熱ピー
クを有する結晶性のフッ素樹脂である。
【0009】本発明で使用される熱可塑性フッ素樹脂は
架橋処理を行っても、或いは架橋処理を行わなくてもよ
い。架橋処理を行う場合は該フッ素樹脂に電離性放射
線、例えばα線、β線、γ線、中性子線、加速粒子線、
X線、電子線等を真空中、空気中、或いはアルゴン、ヘ
リウム、窒素などの不活性ガス中や水中において照射す
ることにより行われる。特に分子鎖中に水素原子を有す
るフッ素樹脂は電離性放射線の照射などにより容易に架
橋化され、均一な架橋構造を有するフッ素樹脂となり、
機械的な強度に優れ、且つ弾力性に富んだ高発泡倍率の
発泡体を形成しうるので、特に有効である。架橋処理さ
れたフッ素樹脂の架橋度合いは、得られる発泡体の所望
性能、倍率、樹脂の種類に応じ適宜選択される。
【0010】本発明で用いられる発泡剤は化学発泡剤、
物理発泡剤どちらでもかまわない。化学発泡剤としては
アゾジカルボンイミド、ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリ
ヒドラジノトリアジン、バリウムアゾカルボキシレート
等の、分解温度がフッ素樹脂の融点よりも高い物であれ
ばよい。物理発泡剤としてはクロロフルオロカーボン
類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフル
オロカーボン類、パーフルオロカーボン類、炭化水素類
等の有機化合物が用いられるが、地球環境問題を考慮す
れば、オゾン破壊係数の小さい又はゼロのハイドロクロ
ロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、
パーフルオロカーボン類、炭化水素類を用いるのが好ま
しい。ハイドロクロロフルオロカーボン類の一例を挙げ
ればモノクロロモノフルオロメタン、モノクロロジフル
オロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、モノクロロ
モノフルオロエタン、モノクロロジフルオロエタン、モ
ノクロロトリフルオロエタン、モノクロロテトラフルオ
ロエタン、ジクロロモノフルオロエタン、ジクロロジフ
ルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロ
ロモノフルオロエタン、トリクロロジフルオロエタンで
あり、ハイドロフルオロカーボン類の一例を挙げれば、
ペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、トリフ
ルオロエタン、ジフルオロエタン、フルオロエタン、ト
リフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタン
等であり、パーフルオロカーボン類の一例を挙げればパ
ーフルオロシクロプロパン、パーフルオロシクロブタ
ン、パーフルオロシクロペンタン、テトラフルオロメタ
ン、ヘキサフルオロエタン、パーフルオロプロパン、パ
ーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオ
ロヘキサン、パーフルオロヘプタン等である。又、炭化
水素類の一例を挙げれば、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン等の炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレ
ン、塩化エチル、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素
類である。
【0011】又、これらを単独もしくは複数混合して用
いてもよい。また、所望の発泡倍率、セル径を得るため
に、気泡調整剤として、蒸発潜熱7.0kcal/mo
l以上を有する化合物、例えば水、メタノール、エタノ
ール、2−プロパノール、n−ブタノール、トルエン、
O−キシレン等や、分子量が50以下で沸点が20℃以
下である無機ガスや有機ガス、例えば空気、窒素、二酸
化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、メタン、エタ
ン、ジメチルエーテル等を添加してもよい。これらの気
泡調整剤は、発泡剤を熱可塑性フッ素樹脂に含浸させる
と同時もしくは、発泡剤含浸前後に熱可塑性フッ素樹脂
と共存させることができる。また、一度発泡成形した後
に再度、空気や窒素、二酸化炭素等のガスや上述した発
泡剤を含浸させて、発泡する追添発泡成形も可能であ
る。これらの発泡剤、気泡調整剤は使用される樹脂の種
類や発泡性、安全性、経済性を勘案して適宜選択され
る。
【0012】本発明における熱可塑性フッ素樹脂発泡フ
ィルムの製造方法は、上記のような発泡剤と熱可塑性フ
ッ素樹脂、もしくは発泡剤と気泡調整剤と熱可塑性フッ
素樹脂が共存する系で、発泡成形時に延伸を行うことを
特徴としている。発泡剤と熱可塑性フッ素樹脂が共存し
ていることで、該熱可塑性フッ素樹脂が該発泡剤によっ
て可塑化され、延伸倍率を上げることが可能であり、よ
り薄膜化した熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムを得るこ
とができる。発泡剤を樹脂中に存在させる手法の例を示
すと、フッ素樹脂と気体もしくは液体の発泡剤を所定の
温度、所定の時間、接触させて該樹脂中の該発泡剤濃度
が所定の量になるように調整する静的含浸方法、もしく
は、押し出し機中で溶融したフッ素樹脂と発泡剤を混合
する押し出し含浸方法などがある。いずれも発泡剤の物
理的性質を勘案して選択され、静的含浸方法の場合、フ
ッ素樹脂の形状保持の観点から、含浸温度は、該樹脂の
融点以下の温度が設定される。
【0013】また、発泡剤の融点以下の温度で静的含浸
を行うこと、つまり固体の発泡剤で静的含浸を行うこと
は不可能であるので、静的含浸方法における含浸温度は
発泡剤の融点以上、フッ素樹脂の融点以下で行われ、通
常20℃以上、300℃以下で行われ、好ましくは40
℃以上、150℃以下で行われる。又、静的含浸方法に
おける含浸時間は含浸温度での平衡含浸量になる時間が
設定される。押し出し含浸方法における含浸温度はフッ
素樹脂の融点以上で行われ、発泡剤は固体、液体、気体
どのような物でも混合が可能である。
【0014】又、発泡剤と熱可塑性フッ素樹脂が共存し
ていることで、該熱可塑性フッ素樹脂が該発泡剤によっ
て可塑化され、延伸倍率を上げることが可能であるた
め、発泡剤の含浸量が多いほど延伸倍率を上げることが
可能となる。しかし、発泡剤の含浸量を増やしすぎる
と、発泡時のガスの圧力が高すぎることにより、発泡体
の独立気泡率が低下することがあり、又、発泡剤の含浸
量が少なすぎると、充分な発泡倍率、延伸倍率が得られ
なくなる事がある。従って、通常、発泡剤の含浸量はフ
ッ素樹脂100重量部に対して1重量部以上で20重量
部以下であり、好ましくは2重量部以上、10重量部以
下であり、更に好ましくは3重量部以上、6重量部以下
である。また、熱可塑性フッ素樹脂の融点以上における
発泡及び延伸において、溶融した熱可塑性フッ素樹脂発
泡フィルムの気泡の消滅を防ぐことができるのは、気泡
内に存在する発泡剤のガスの圧力によるものである。
【0015】従って、発泡剤は物理発泡剤、化学発泡剤
どちらでもかまわないが、好ましくは物理発泡剤であ
り、より好ましくは該発泡剤の沸点が発泡温度以下の揮
発性物理発泡剤である。揮発性物理発泡剤を用いると、
発泡時つまり延伸時に発泡剤が気化し、その蒸発潜熱に
より熱可塑性フッ素樹脂を冷却する事が可能である。従
って、揮発性物理発泡剤を用いると、発泡剤のガスの圧
力と蒸発潜熱による樹脂の冷却という二つの効果によっ
て、熱可塑性フッ素樹脂の発泡及び延伸をより高温で行
うことができ、熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルム中に残
る延伸の歪みが少なくなる。また、発泡フィルムの用途
によっては、発泡フィルムのクリーン性が要求されるた
め、発泡剤の残査を残さない方が好ましい。よって、発
泡剤は揮発性物理発泡剤を用いることが好ましい。
【0016】本発明は、発泡成形時に延伸することが特
徴である。発泡成形時とは、熱可塑性フッ素樹脂に発泡
剤もしくは発泡剤と気泡調整剤が共存している系で、該
フッ素樹脂を加熱溶融させた時に、密度の変化つまり発
泡倍率の変化が起こっている状態のことを言う。従っ
て、本発明は発泡剤が存在している熱可塑性フッ素樹脂
の密度変化が起こっている状態で延伸することを特徴と
する熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法であ
る。発泡倍率の変化は、加熱時間によって、一度、その
ピークを迎えた後、徐々に低下する挙動を示す。この発
泡倍率の低下は、該フッ素樹脂の溶融粘度に対して、発
泡剤のガスの圧力が不足しているか、もしくはガスの圧
力に対して、該フッ素樹脂の溶融粘度が低すぎるためガ
ス圧力の維持ができない、つまり該フッ素樹脂の溶融粘
度と発泡剤のガス圧力のバランスがとれていないからだ
と考えられている。この発泡成形時に延伸を行う場合、
発泡倍率のピーク近傍で延伸することが好ましい。発泡
の初期での延伸は、フィルム厚みの減少に伴う発泡剤の
逸散速度上昇によって、上述した最高発泡倍率には到達
し得ないし、発泡後期での延伸は、樹脂中に存在する発
泡剤量の低下によって、可塑化効果による該フッ素樹脂
発泡フィルムの延伸倍率増加が得られなくなる。
【0017】又、発泡方法は、発泡剤を含浸させた熱可
塑性フッ素樹脂を、遠赤外線ヒーター、マイクロ波、加
熱オイル、スチーム等で加熱して発泡させる加熱発泡方
法がある。通常、発泡温度はフッ素樹脂の融点より50
℃低い温度から150℃高い温度の範囲で行われ、好ま
しくは、融点より20℃低い温度から100℃高い温度
の範囲である。加熱温度が高すぎると、発泡体の独立気
泡率が低下したり、延伸時の破断が起こる傾向があり、
加熱温度が低すぎると充分な発泡倍率、延伸倍率が得ら
れず、残留歪みが残りやすい傾向がある。
【0018】また、加熱炉の形状としては縦型の加熱炉
を用いるのが好ましい。横型の加熱炉では、溶融したフ
ッ素樹脂フィルムが下側の加熱炉に接触して、フィルム
表面に傷が発生したり、フィルムの破断が起きる事があ
る。従って、加熱炉の形状は、加熱炉上方から発泡剤を
含浸した熱可塑性フッ素樹脂フィルムを加熱炉中に送
り、下方から熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムを引き取
る構造のMD方向に延伸が可能な縦型加熱炉が好まし
い。更に、TD方向の延伸を考慮すると、拡幅機等の設
備を備える事が好ましい。
【0019】熱可塑性フッ素樹脂を押し出してフィルム
状に成形した後に、発泡剤を含浸した該フィルムの発泡
成形時に延伸を行う熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの
製造方法において、延伸倍率を上げるためには押し出し
成形時のドラフト比を小さくすることが望ましい。ドラ
フト比を高くすると、発泡前のシートに残留する歪みに
よって、延伸倍率が低下し、場合によってはフィルムの
破断が生じる。従って、押し出し成形時のドラフト比は
20以下が望ましく、更に望ましいドラフト比は10以
下である。
【0020】本発明における延伸倍率は、用途から要求
される特性、例えば発泡フィルムの厚み、加熱寸法変
化、力学特性、表面平滑性、独立気泡率等を勘案して設
定される。従って、好ましい延伸倍率は1.8倍以上で
あり、更に好ましくは2倍以上10倍以下である。発泡
剤を含浸した熱可塑性フッ素樹脂の発泡成形時に、延伸
を行う事を特徴とする熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルム
の製造方法において、発泡と延伸を制御するためには、
発泡時間と延伸時間を等しく制御する事が好ましい。発
泡剤を含浸したフィルムを加熱炉内に挿入し、発泡が始
まるまでの時間を予熱時間とし、発泡開始から所望の発
泡倍率に到達するまでの時間を加熱時間としたとき、式
1を満足するように延伸速度を設定することが肝要であ
る。
【0021】t=l/v×60・・(式1) t:加熱時間(sec) l:加熱ゾーン長(m) v:延伸速度(m/min) もしtがl/v×60よりも大きければ、所望の延伸倍
率が得られないし、逆にtがl/v×60よりも小さけ
れば、所望の発泡倍率が得られない。また、縦型加熱炉
を用いて、発泡と延伸を制御するためには、送り速度と
引き取り速度の関係を式2が満足し、更に加熱時間と引
き取り速度の関係が式3を満足する条件で制御すること
が肝要である。
【0022】v1=v2×B1/3×D・・(式2) t1=l/v1×60・・(式3) v1:引き取り速度(m/min) v2:送り速度(m/min) B :発泡倍率 D :延伸倍率 t1:加熱時間(sec) l :加熱ゾーン長 また、加熱炉炉内温度分布は発泡フィルム出口側の温度
を発泡開始点近傍の温度以上にすることが好ましい。発
泡開始点の温度が発泡フィルム出口側の温度よりも高い
場合、MD方向の延伸応力が発泡点近傍に集中し、発泡
開始時に薄膜化されるため、発泡剤の逸散速度が加速さ
れ、所望の発泡倍率、延伸倍率が得られなくなる。従っ
て、加熱炉炉内温度分布は発泡フィルム出口側の温度を
発泡開始点近傍の温度以上、好ましくは10℃以上50
℃以下に設定することが肝要である。また、TD方向の
延伸は発泡点近傍への応力が集中しにくいことから、延
伸倍率と発泡倍率を同時に満足させる上で特に有効であ
る。
【0023】また、発泡フィルムの引き裂き強度は気泡
サイズに依存し、気泡が微細であるほど引き裂き強度は
強くなる傾向がある。従って、TD方向の延伸を併用す
る場合、安定的に延伸を行うためには、気泡を微細化す
ることが望ましい。更に熱可塑性フッ素樹脂発泡フィル
ム表面の平滑性を付与する意味でも気泡を微細化するこ
とが望ましい。従って、望ましい気泡サイズは100ミ
クロン以下であり、更に望ましくは60ミクロン以下、
更に望ましくは30ミクロン以下である。延伸されたフ
ィルムの場合、気泡は異方性を示すが、気泡サイズは気
泡の長径と短径の平均値で表される。従って、本発明に
よるフッ素樹脂発泡フィルムの製造方法は、薄膜で、加
熱寸法安定性及び表面平滑性に優れ、独立気泡であるこ
とから電線被覆材、Li塩電解液を含浸したLiイオン
二次電池用の固体電解質、表面保護フィルムとして有用
である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。尚、実施例中の各測定値は次のようにし
て求めた。 (1)発泡倍率 サンプルの重量と水没法で求めた体積から計算した発泡
体の密度と樹脂の密度から次式により計算した。 発泡倍率=樹脂密度(g/cm3)/発泡体密度(g/
cm3) (2)含浸量 含浸前後のフィルムの重量から次式により計算した。 含浸量=(含浸後のフィルムの重量−含浸前のフィルム
の重量)/含浸前のフィルムの重量×100
【0025】(3)延伸倍率 原反フィルムの厚みと発泡フィルムの厚みから次式によ
り計算した 延伸倍率=原反フィルム厚み×(発泡倍率)1/3/発泡
フィルム厚み (4)ドラフト比 リップの線速とキャストロール速度から次式により計算
した ドラフト比=キャストロール速度(m/min)/リッ
プ線速(m/min) (5)加熱寸法変化 JIS K6767記載の方法に従って、加熱温度を8
5℃、加熱時間を6時間として、MD,TD方向での変
化を測定した。 (6)独立気泡率 ASTM D 2856に記載のエアピクノメーター法
による連続気泡率の差分として計算した。 (7)平均気泡径 サンプルの厚み断面を電子顕微鏡で観察し、気泡の長
径、短径方向それぞれ150ミクロンのグリッド線中に
存在する気泡の個数を数え、次式を用いて、それぞれの
気泡径を計算し、平均気泡径を求めた。 気泡径=150/(セルの個数×0.616) 平均気泡径=(長径方向の気泡径+短径方向の気泡径)
/2
【0026】
【実施例1】フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合樹脂(密度1.76g/cm3、融点150
℃)を、東芝機械製65mm押し出し機で、L/D=2
8のフルフライト型スクリューを用いて吐出量20Kg
/hr、キャストロール温度105℃、キャストロール
速度3.45m/min、ドラフト比8.2で厚み10
0ミクロンのフィルムを成形した。該フィルムを電子線
照射装置で、10Mradの電子線を照射した後、該フ
ィルム100重量部を耐圧容器に入れた後、テトラフル
オロエタンと水の重量比95/5の混合物を該耐圧容器
に圧入し、該シートがテトラフルオロエタンと水の液相
に浸漬できるようにした。
【0027】耐圧容器を70℃の恒温水槽にいれ、24
時間保持した後、該フィルムを該耐圧容器から取り出
し、重量測定により含浸量を求めたところ、含浸量は
6.5部であった。(原フィルムと呼ぶ) 上下方向に三段の遠赤外線ヒーターを備えた、全長45
cmの加熱炉を上段、中段、下段ともに210℃に加熱
し、該原フィルムを、予熱時間は3.0秒、加熱時間は
2.5秒となるように、加熱炉上方から速度2.4m/
minで送り、下方から速度9.3m/minで巻きと
った。該原フィルムは発泡しており、発泡倍率は6.2
倍、フィルムの厚みは88ミクロンであった。従って延
伸倍率は2.1倍であった。該発泡フィルムの加熱寸法
変化を測定したところMD方向で−0.2%、TD方向
で0%であった。又、独立気泡率は97%であり、平均
気泡径は12ミクロンであり、表面平滑性も優良であっ
た。
【0028】
【実施例2】実施例1で使用した原フィルムを、実施例
1と同じ条件で加熱炉を通過させる時、加熱炉出口にお
いてTD方向に2倍の延伸を行った。該原フィルムは発
泡しており、発泡倍率6.2倍、フィルムの厚みは44
ミクロンであった。従って延伸倍率は4.2倍であっ
た。該発泡フィルムの加熱寸法変化を測定したところ、
MD方向で−0.2%、TD方向で−0.2%であっ
た。又、独立気泡率は94%であり、平均気泡径は13
ミクロンであり、表面平滑性も優良であった。
【0029】
【実施例3】上下方向に三段の遠赤外線ヒーターを備え
た、全長45cmの加熱炉を上段、中段を210℃に加
熱し、下段を240℃に加熱した。実施例1で使用した
原フィルムを、予熱時間3.5秒、加熱時間1.75秒
になるように加熱炉上方から速度2.2m/minで送
り、下方から速度11.1m/minで引き取った。該
原フィルムは発泡しており、発泡倍率は6.8倍、フィ
ルムの厚みは70ミクロンであった。従って延伸倍率は
2.7倍であった。該発泡フィルムの加熱寸法変化を測
定したところ、MD方向で0%、TD方向で0%であっ
た。又、独立気泡率は96%であり、平均気泡径は15
ミクロンであり、表面平滑性も優良であった。
【0030】
【参考例1】実施例1で使用した原フィルムを、実施例
1と同様の加熱炉の温度条件で予熱時間は3.0秒、加
熱時間は2.5秒となるように、加熱炉上方から速度
3.4m/minで送り、下方から速度6.8m/mi
nで巻きとった。該原フィルムは発泡しており、発泡倍
率は8.0倍、フィルムの厚みは200ミクロンであっ
た。従って延伸倍率は1.0倍であった。該発泡フィル
ムの加熱寸法変化を測定したところMD方向で0%、T
D方向で0%であった。又、独立気泡率は98%であ
り、平均気泡径は17ミクロンであり、表面平滑性も優
良であった。延伸倍率1.0倍つまり未延伸の、発泡フ
ィルムであった。
【0031】
【実施例4】参考例1で得た発泡フィルムを耐圧容器に
入れた後、該耐圧容器を窒素で5kg/cm2になるま
で加圧し、該耐圧容器を25℃の恒温水槽に入れ、72
時間保持した後に該発泡フィルムを取り出した。上下方
向に三段の遠赤外線ヒーターを備えた、全長45cmの
加熱炉を上段、中段、下段ともに180℃に加熱し、該
原フィルムを、予熱時間は4.0秒、加熱時間は3.0
秒となるように、加熱炉上方から速度2.5m/min
で送り、下方から速度5.7m/minで巻きとった。
該発泡フィルムの発泡倍率は10倍であり、厚みは10
0ミクロンであった。従って延伸倍率は2.2倍であっ
た。該発泡フィルムの加熱寸法変化を測定したところ、
MD方向で−0.2%、TD方向で0%であった。又、
独立気泡率は95%であり、平均気泡径は17ミクロン
であり、表面平滑性も優良であった。
【0032】
【比較例1】参考例1で得た発泡フィルムを東洋機械
(株)製二軸延伸試験装置X4HD−HT型を用いて延
伸温度120℃、延伸速度1m/minで2×2倍延伸
を行った。該発泡フィルムの厚みは70ミクロンであ
り、発泡倍率は7.5倍であった。該発泡フィルムを加
熱寸法変化を測定したところ、MD方向で−9.2%、
TD方向で−8.9%であった。又、独立気泡率は92
%であり、平均気泡径は13ミクロンであり、表面平滑
性も優良であった。
【0033】
【比較例2】比較例1と同様に、参考例1で得た発泡フ
ィルムを比較例1と同様の条件で二軸延伸試験装置を用
いて延伸を行った後、1分間、145℃で熱処理を行っ
たところ、該発泡フィルムの厚みは50ミクロンであ
り、発泡倍率は7.2倍であった。該発泡フィルムを加
熱寸法変化を測定したところ、MD方向で−4.0%、
TD方向で−3.5%であった。又、独立気泡率は93
%であり、平均気泡径は15ミクロンであり、表面平滑
性も優良であった。
【0034】
【実施例6】実施例1で使用した原フィルムを30℃の
温水中で1時間保持した。原フィルムの含浸量は1.8
部であった。実施例1と同じ温度条件で、予熱時間3.
5秒、加熱時間2.5秒となるように、送り速度3.5
m/min、引き取り速度7.4m/minで加熱炉中
を通過させた。該原フィルムは発泡しており、発泡倍率
は2.8倍、発泡フィルム厚みは94ミクロンであっ
た。従って延伸倍率は1.5倍であった。該発泡フィル
ムの加熱寸法変化を測定したところ、MD方向で−0.
4%、TD方向で−0.3%であった。又、独立気泡率
は97%であり、平均気泡径は45ミクロンであり、表
面平滑性も良であった。
【0035】
【実施例7】遠赤外線ヒーターを備えた加熱炉の上段を
210℃、中段を210℃、下段を180℃で加熱し
た。実施例1で使用した原フィルムを、送り速度3.4
m/min、引き取り速度7.5m/minで加熱炉中
を通過させた。原フィルムは発泡しており、その発泡倍
率は2.2倍であり、発泡フィルム厚みは85ミクロン
であった。従って、延伸倍率は1.5倍であった。該発
泡フィルムの加熱寸法変化を測定したところ、MD方向
で−0.8%、TD方向で−0.5%であった。又、独
立気泡率は95%であり、平均気泡径は18ミクロンで
あり、表面平滑性も優良であった。
【0036】
【実施例8】実施例1と同様に、東芝機械製65mm押
し出し機を用いて、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合樹脂をドラフト比22で厚み100ミ
クロンのフィルムを成形した。該フィルムを実施例1と
同様の条件で電子線を照射した後、発泡剤の含浸を行っ
た。発泡剤の含浸量を求めたところ、含浸量は6.5部
であった。(原フィルム2と呼ぶ) 実施例1と同様の温度条件で、該原フィルム2を、予熱
時間は3.0秒、加熱時間は2.5秒となるように、加
熱炉上方から速度2.7m/minで送り、下方から速
度7.6m/minで巻きとった。該原フィルム2は発
泡しており、発泡倍率は5.8倍、フィルムの厚みは1
10ミクロンであった。従って延伸倍率は1.6倍であ
った。該発泡フィルムの加熱寸法変化を測定したとこ
ろ、MD方向で−0.7%、TD方向で−0.1%であ
った。又、独立気泡率は96%であり、平均気泡径は1
7ミクロンであり、表面平滑性も優良であった。
【0037】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂発泡フィルムの製造
方法は、発泡剤を含浸した熱可塑性フッ素樹脂の発泡成
形時に、延伸する事を特徴とする製造方法である。発泡
剤が樹脂を可塑化する効果によって、延伸倍率が高く、
より薄膜化が可能となり、又、発泡剤の蒸発潜熱やガス
の圧力の効果で、延伸が該フッ素樹脂の融点以上の温度
で可能となることから、該製造方法は加熱寸法安定性に
優れた薄膜発泡フィルムの製造が可能となった。しか
も、特別な延伸装置などを用いずに、発泡に用いる加熱
炉に付属している拡幅機や引き取りロール等を用いて、
延伸を行う手法である。
【0038】この方法で製造した熱可塑性フッ素樹脂発
泡フィルムは、薄膜で加熱寸法安定性、表面平滑性に優
れることから、電線被覆材、表面保護フィルム、さらに
は、熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムにLi塩電解液を
含浸させてLiイオン二次電池用の固体電解質等に有効
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの製造
    方法において、発泡剤を含浸した熱可塑性フッ素樹脂の
    発泡成形時に、延伸することを特徴とする熱可塑性フッ
    素樹脂発泡フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤が揮発性物理発泡剤であることを
    特徴とする請求項1記載の熱可塑性フッ素樹脂発泡フィ
    ルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸倍率が2倍以上10倍以下であるこ
    とを特徴とする請求項1もしくは2記載の熱可塑性フッ
    素樹脂発泡フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性フッ素樹脂発泡フィルムの厚み
    が150ミクロン以下であることを特徴とする請求項1
    から3いずれかに記載の熱可塑性フッ素樹脂発泡フィル
    ムの製造方法。
JP3234897A 1997-02-17 1997-02-17 フッ素樹脂発泡フィルムの製造方法 Withdrawn JPH10231375A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007096472A1 (en) * 2006-02-24 2007-08-30 Conenor Oy Method and apparatus for producing plastic film
JP2013132889A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Okuda Corp 熱プレス用クッション材
WO2016017785A1 (ja) * 2014-08-01 2016-02-04 矢崎総業株式会社 ワイヤハーネス

Cited By (4)

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WO2016017785A1 (ja) * 2014-08-01 2016-02-04 矢崎総業株式会社 ワイヤハーネス
JP2016035815A (ja) * 2014-08-01 2016-03-17 矢崎総業株式会社 ワイヤハーネス

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