JPH08157633A - プロピレン系樹脂組成物押出発泡体およびその製法 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物押出発泡体およびその製法

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JPH08157633A
JPH08157633A JP29850094A JP29850094A JPH08157633A JP H08157633 A JPH08157633 A JP H08157633A JP 29850094 A JP29850094 A JP 29850094A JP 29850094 A JP29850094 A JP 29850094A JP H08157633 A JPH08157633 A JP H08157633A
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propylene
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JP29850094A
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Takeshi Obayashi
毅 御林
Takahiro Murata
崇洋 村田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常のプロピレン系樹脂を用い、低密度の押
出発泡体を製造する。 【構成】 プロピレン系樹脂100重量部に対し、含ハ
ロゲン化合物重合体0.01〜10重量部を含有してな
る、密度0.01〜0.3g/cm3 のプロピレン系樹
脂組成物押出発泡体およびプロピレン系樹脂100重量
部に対し、含ハロゲン化合物重合体0.01〜10重量
部を含有してなるプロピレン系樹脂組成物に物理発泡剤
2〜30重量部を添加し、押出機外に押し出すことを特
徴とする密度0.01〜0.3g/cm3 のプロピレン
系樹脂組成物押出発泡体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロピレン系樹脂組成物
発泡体およびその製法に関する。さらに詳しくは、含ハ
ロゲン化合物重合体によって発泡性が改善されたプロピ
レン系樹脂組成物発泡体およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、スチレン系樹脂やエチレン系
樹脂の発泡体は、軽量で断熱性および強度特性が良好で
あることなどを活かし、断熱材・緩衝材・食品容器など
の用途に幅広く利用されている。
【0003】また、プロピレン系樹脂は、融点が約16
0℃と高く、スチレン系樹脂発泡体、エチレン系樹脂発
泡体に比べて高い耐熱性を有する発泡体の製造が期待で
きるために、スチレン系樹脂発泡体やエチレン系樹脂発
泡体と同様の用途において現在実用化が図られている。
【0004】しかし、プロピレン系樹脂は、結晶性樹脂
であるがためにスチレン系樹脂に比べて発泡時の樹脂粘
度が低く、発泡時の樹脂膜の強度が不足し、セルの独立
性の高い発泡体をうることが困難である。
【0005】こうしたプロピレン系樹脂の問題を解決す
る樹脂として、最近、プロピレン系樹脂の発泡加工特性
を改善した樹脂が開発されている。これは、たとえば特
開昭62−121704号公報、特開平2−29853
6号公報およびソサイアティ・オブ・プラスチック・エ
ンジニアス(Society of Plastic Engineers)刊行のアニ
ュアル・テクニカル・コンファレンス(Annual Technica
l Conference) (ANTEC)´92PP569−57
2に開示されているように、自由端長鎖分岐構造をも
ち、伸長粘度の歪硬化性を有する(分子量分布曲線に2
つのピークがあり、その高いピークの部分には枝分かれ
重合体を含み、重合体の溶融時に伸張がなされると抵抗
の増加が観察される)ような樹脂であり、このポリプロ
ピレンは、樹脂の持つ独特な粘弾性特性により、発泡時
の樹脂膜の強度を保持することができ、その結果、従来
の本質的に直鎖構造を有する通常の合成法により合成さ
れたポリプロピレンあるいはプロピレン系樹脂では達成
できなかった、セルが高い独立性を有する発泡体の製造
が可能となっており、この樹脂を用いた発泡体の製造事
例は数多い(たとえば特表平5−506875号公報、
特開平6−15751号公報、特開平5−124125
号公報など)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のごとき
セルが高い独立性を有する発泡体の製造が可能なポリプ
ロピレンは、自由端長鎖分岐構造をもち、伸長粘度の歪
硬化性を有させるために、電子線照射または過酸化物の
添加というような特殊な処理法または合成法を用いて製
造しなければならず、樹脂が高価であるという欠点を有
している。
【0007】こうした特殊な処理法または合成法を用い
ずに製造された通常のプロピレン系樹脂に、より安価な
方法で良好な発泡性を持たせることが求められており、
たとえば特開平5−214184号公報には、ポリプロ
ピレン100部(重量部、以下同様)に対して、分子量
50万〜2000万のポリテトラフルオロエチレン0.
01〜20部を含有させて加工性を改良したポリプロピ
レン組成物も開示されているが、開示された発泡体の製
法は射出法により、また発泡剤として化学発泡剤である
アゾジカルボンアミドを1部用いているために、理論
上、密度0.3g/cm3 以下の高い発泡倍率を有する
発泡体を製造することができないものであり、また製造
された発泡体のセルの独立性に関しては全く開示されて
いないものである。さらに、開示されている発泡体の製
法では、射出法であるために成形温度が190〜220
℃と高温であり、このような温度条件下では溶融粘度が
低く、したがって発泡時の気泡膜強度も弱く、発泡時に
気泡膜が破壊され、高発泡倍率、高独立気泡率の発泡体
は得難いものと考えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本質的に直鎖構造を有
するプロピレン系樹脂に含ハロゲン化合物重合体を添加
したばあい、樹脂組成物中で含ハロゲン化合物重合体が
フィブリル化し、プロピレン系樹脂の粘弾性特性の他に
結晶化特性をも同時に改良することが可能であるため
か、プロピレン系樹脂の発泡特性を大幅に改良すること
が可能であること、および射出法よりも比較的生産性
の高い押出法を用い、かつ、発泡剤として、樹脂中へ溶
解して溶融粘度を見かけ上低下させ、加工温度を低下さ
せる可塑化効果と、発泡剤の断熱膨張によって生じる樹
脂の冷却効果とを奏する物理発泡剤を使用して発泡体を
製造することにより、特殊な処理法または合成法を用い
て製造されたのではない、通常広く市販されているプロ
ピレン系樹脂を用いて、高い発泡倍率を有する発泡体を
安価に製造しうることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、プロピレン系樹脂1
00部に対して、含ハロゲン化合物重合体0.01〜1
0部を含有してなる、密度0.01〜0.3g/cm3
のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体(請求項1)、含
ハロゲン化合物重合体がポリテトラフルオロエチレンで
ある請求項1記載のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体
(請求項2)、独立気泡率が30%以上である請求項1
または2記載のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体(請
求項3)、プロピレン系樹脂100部に対し、含ハロゲ
ン化合物重合体0.01〜10部を含有してなるプロピ
レン系樹脂組成物に、物理発泡剤2〜30部を添加し、
押出機外に押し出すことを特徴とする密度0.01〜
0.3g/cm3 のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体
の製法(請求項4)に関する。
【0010】
【実施例】本発明のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体
の製造に使用されるプロピレン系樹脂は、特開昭62−
121704号公報、特開平2−298536号公報お
よびANTEC´92PP569−572に開示されて
いるような自由端長鎖分岐構造を有し、伸長粘度の歪硬
化性を有するような特殊なポリプロピレンではない、本
質的に直鎖構造を有し、伸長粘度の歪硬化性を持たない
一般に広く市販されているプロピレン系樹脂である。
【0011】前記プロピレン系樹脂には、ポリプロピレ
ン、プロピレンと50%(重量%、以下同様)以下のエ
チレンおよび(または)1−ブテンとのランダムまたは
ブロック共重合体、プロピレンと50%以下の酢酸ビニ
ル、芳香族ビニルなどのビニル化合物あるいはメタクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステルなどのエステル化合
物とのランダム、ブロックまたはグラフト共重合体など
が含まれる。また、これらのプロピレン系樹脂の混合物
を用いてもよく、さらには、これらプロピレン系樹脂
に、発泡体の物性を阻害しない範囲において、高密度、
低密度または線状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、アタクチ
ックまたはシンジオクタチック構造のポリスチレン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンエーテル、エチレンを50%以上含
有するエチレン系ポリオレフィン、シクロペンタジエン
とエチレンまたはプロピレンとの共重合体などからなる
環状ポリオレフィンなどを併用してもよい。これらのう
ち、とくに好ましい樹脂はポリプロピレンであり、発泡
体の強度、耐熱性の点からホモポリプロピレンが最も好
ましい。
【0012】前記プロピレン系樹脂はASTM D12
38によるメルトフローインデックス(MI)が0.3
〜30g/10分、さらには0.4〜20g/10分、
とくには0.4〜15g/10分のものが好ましい。M
Iが0.3g/10分より小さいものは、溶融時の流れ
が充分でなく成形が困難になる傾向にあり、30g/1
0分よりも大きいものは、後述する含ハロゲン化合物重
合体、とくにポリテトラフルオロエチレンを添加するこ
とによる溶融時の張力の改質効果が小さくなる傾向にあ
るからである。
【0013】本発明のプロピレン系樹脂組成物押出発泡
体の製造に使用される含ハロゲン化合物重合体は、プロ
ピレン系樹脂に添加混合することにより、プロピレン系
樹脂の粘弾性特性および(または)結晶化特性を改良す
る成分である。
【0014】前記含ハロゲン化合物重合体の具体例とし
ては、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポ
リパーフルオロアルコキシアルケン、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、フッ化エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体などがあげられる。なかでもP
TFEがプロピレン系樹脂の粘弾性特性および結晶化特
性の改善効果が著しく、とくに好適に用いられる。
【0015】含ハロゲン化合物重合体としてPTFEを
用いるばあいには、プロピレン系樹脂に対する均一な分
散が容易であり、PTFEの優れた粘弾性特性および
(または)結晶化特性改良効果を効果的に発揮させるた
め、標準比重(Standard Specific Gravity 、以下SS
Gと略記する)が2.00〜2.50、好ましくは2.
10〜2.20のPTFEおよび該PTFEを主成分と
し通常市販されているPTFE組成物が好適に用いられ
る。
【0016】前記SSGはASTM D1457−56
Tに示された一定の熱処理条件で成形した試料の比重で
ある。また、これはPTFEの数平均分子量(Mn)と
の間に式(1): Log Mn=45.1002 −17.2712 ×(SSG) (1) の関係があり、SSGが2.00未満のばあいにはPT
FEの分子量が大きくなりすぎて発泡性を低下させる傾
向にあり、また、2.50をこえるばあいには分子量が
小さくなりすぎて粘弾性特性の改良効果が充分期待でき
なくなる。
【0017】前記含ハロゲン化合物重合体の添加量は、
プロピレン系樹脂100部に対して好ましくは0.01
〜10部、さらに好ましくは0.01〜5部、とくに好
ましくは0.01〜3部である。添加量が0.01部未
満では含ハロゲン化合物重合体の添加によるプロピレン
系樹脂の粘弾性特性および(または)結晶化特性の改良
効果が小さく、また10部をこえて添加すると、プロピ
レン系樹脂に対する含ハロゲン化合物重合体の均一分散
が困難となり、また含ハロゲン化合物重合体が凝集し、
添加後の樹脂組成物の物性が均一でなくなる傾向が生じ
る。
【0018】本発明のプロピレン系樹脂組成物押出発泡
体の密度は0.01〜0.3g/cm3 、好ましくは
0.015〜0.3g/cm3 である。密度が0.01
g/cm3 未満の高発泡倍率のばあい、セルを構成する
樹脂膜が薄くなり、破断が生じやすくなり、結果として
セルの高い独立性を維持することが困難になる。また、
密度が0.3g/cm3 をこえる低発泡倍率のばあい、
軽量性・断熱性が低下するため好ましくない。
【0019】また、発泡体のセルの独立性を示す指標と
しては、独立気泡率が知られており、この独立気泡率が
高いほどセルの独立性が高く、その結果、同一密度にお
ける発泡体の強度および断熱性が高くなる。独立気泡率
は30%以上が好ましく、さらに好ましくは40%以上
である。
【0020】つぎに、本発明のプロピレン系樹脂組成物
押出発泡体の製法について説明する。
【0021】本発明においては、プロピレン系樹脂と含
ハロゲン化合物重合体とからなるプロピレン系樹脂組成
物に物理発泡剤を添加し、押出機外に押し出すことによ
って本発明のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体が製造
される。
【0022】プロピレン系樹脂に対する含ハロゲン化合
物重合体の添加、混合の方法としては、様々な方法が適
用可能であるが、たとえば含ハロゲン化合物重合体の分
散液をプロピレン系樹脂粉粒体に撹拌下噴霧する方法、
含ハロゲン化合物重合体の分散液をプロピレン系樹脂溶
液に撹拌下添加し、ニーダーのごとき装置で溶媒を揮発
させる方法、ベント付押出機でプロピレン系樹脂をペレ
ット化する際に、含ハロゲン化合物重合体の分散液を定
量供給し、ベント部より揮発成分を除去する方法、含ハ
ロゲン化合物重合体の粉体とプロピレン系樹脂粉粒体と
をスーパーミキサーによる撹拌のごとき強力な撹拌下混
合する方法、含ハロゲン化合物重合体の粉体をプロピレ
ン系樹脂溶液に添加混合したのち溶媒を揮発させる方法
などをあげることができる。さらに、添加部数が少ない
ばあいは、含ハロゲン化合物重合体の粉体とプロピレン
系樹脂とをドライブレンドしたのち、2軸混練押出機の
ごとき混練押出機に供給し、組成物ペレットを製造して
もよい。
【0023】本発明に用いられる物理発泡剤は、別名蒸
発型発泡剤または揮発性発泡剤とも呼ばれるものである
が、いずれも化学発泡剤が加熱により熱分解して気体を
発生させるのに対し、発泡剤自体が押出機中で樹脂に溶
解し、発泡に伴う急激な圧力低下により樹脂膜より析出
(滲出)、気化し、化学的変化を伴わずに発泡体を生成
するものである。したがって、物理発泡剤は樹脂中に解
けることにより樹脂の溶融粘度を見かけ上低下させる効
果(可塑化効果)を有し、大量に添加したばあい加工温
度を大幅にさげることが可能である。また、樹脂膜から
の析出ののち気化するため、周囲から気化熱を吸収し、
樹脂膜の冷却を促進し、樹脂膜強度をあげ、発泡時のセ
ル膜の破壊を抑制する。したがって、物理発泡剤を用い
たばあいには化学発泡剤を用いたばあいよりもセルが高
い独立性を保ったまま、えられる発泡体の発泡倍率を高
くすることが可能である。
【0024】前記物理発泡剤としては、通常の押出発泡
体の製造に用いられる発泡剤が使用可能である。その好
ましい具体例としては、たとえばプロパン、n−ブタ
ン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペ
ンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭
化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、ク
ロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロ−2,2,2
−トリフルオロエタン、2−クロロ−1,1,1,2−
テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロ−2
−クロロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタ
ン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、トリフル
オロメタン、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオロエ
タン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1−
トリフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロ
エタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、オク
タフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロプロパ
ン、2,2−ジフルオロプロパンなどのハロゲン化炭化
水素類などがあげられる。また、これらの他に、二酸化
炭素(CO2 )、水(H2 O)、チッ素(N2 )などを
発泡剤または発泡助剤として用いてもよい。プロピレン
系樹脂に対する溶解性および所望の発泡倍率を実現する
ために必要な蒸気圧を有する点から、炭素数3〜5の低
級脂肪族炭化水素類がとくに好適に用いられる。
【0025】これらの発泡剤あるいは発泡助剤はそれぞ
れ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】前記物理発泡剤の添加量としては、プロピ
レン系樹脂100部に対し、2〜30部、好ましくは2
〜25部である。発泡剤の添加量が2部未満のばあい、
発泡能力が不足し、所望の発泡倍率をうることができ
ず、30部をこえて添加したばあいには、押出機中にお
ける発泡剤の均一分散および溶解が充分に進行せず、均
一で正常な発泡体をうることが困難となるため好ましく
ない。
【0027】本発明の発泡体を製造する際に、さらに、
えられる発泡体の物性を阻害しない範囲において、タル
ク、ケイ酸カルシウム、インジゴ、シリカなどの無機微
粉体、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カリウムなどの高級脂肪酸金属塩、重
曹/クエン酸混合物などの気泡調整剤;2塩基性ステア
リン鉛、オクチルスズマレエート、エポキシ化大豆油、
ヒンダードフェノール系抗酸化剤などの安定剤などを併
用してもよい。これらの気泡調整剤、安定剤は、いずれ
もプロピレン系樹脂100部に対して0.01〜5部、
好ましくは0.01〜3部用いるのがよい。0.01部
未満ではいずれも効果が小さく、5部をこえて添加した
ばあいには、添加した物質のプロピレン系樹脂組成物内
における均一分散が困難となり、好ましくない。
【0028】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0029】なお、表2に示す発泡体密度、独立気泡率
の評価は以下の方法により行なった。
【0030】(発泡体密度)えられた発泡体を水没法に
より測定した。
【0031】(独立気泡率)湯浅アイオニクス(株)製
のマルチピクノメータを用い、ASTM D−2856
に準拠して測定した。
【0032】実施例1〜14および比較例1〜2 表2に示すように、住友化学工業(株)製の各種ポリプ
ロピレン100部に対して、表1に示す各種PTFE、
気泡調整剤をそれぞれ表2に記載の量混合したのち、2
軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30、L/D=
28.5、スクリュ径30mm)で、シリンダ温度18
0〜230℃で押し出し、組成物ペレットを製造した。
【0033】この組成物ペレットを40−50φタンデ
ム型押出発泡装置に供給し、第1段押出機(40φ)に
てシリンダ温度を200〜230℃にして可塑化したの
ち、発泡剤としてブタン(n/i=15/85(重量
比):実施例1〜6、実施例8〜14、比較例1〜2)
あるいはHCFC−142b(1−クロロ−1,1−ジ
フルオロエタン:実施例7)をプロピレン系樹脂100
部に対して表2に記載の量注入し、第2段(50φ)押
出機にて樹脂温度が145〜165℃になるまで冷却し
たのち、円筒ダイ(4φ×45L:実施例1)、スリッ
トダイ(60W×5L×0.5t:実施例2〜13、比
較例1〜2)またはサーキュラーダイ(75φ×0.2
t:実施例14)より押し出した。えられた発泡体の密
度および独立気泡率を測定した。結果を表2に併せて示
す。
【0034】なお、樹脂にZ101Aを用いたばあい、
発泡倍率が高くなると独立気泡率が低下する傾向にある
が、これは基材樹脂がZ101AのようにMIが20〜
30g/10分になると溶融粘度が低くなり、本発明で
使用するのが好ましい樹脂とそうでない樹脂との境界領
域に入るためである。
【0035】本実施例において使用した樹脂、PTF
E、気泡調整剤は以下のとおりである。
【0036】(樹脂) D−501 :住友化学工業(株)製ポリプロピレン
MI=0.4 H−501 :住友化学工業(株)製ポリプロピレン
MI=3.5 W−501 :住友化学工業(株)製ポリプロピレン
MI=8.0 Z−101A:住友化学工業(株)製ポリプロピレン
MI=20 (PTFE)
【0037】
【表1】
【0038】(気泡調整剤) タルク:林化成工業(株)製 TALCAN POWD
ER
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】通常のプロピレン系樹脂であっても含ハ
ロゲン化合物重合体を特定量加えた組成物にし、これを
基材樹脂とすることにより、密度0.01〜0.3g/
cm3の押出発泡体を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系樹脂100重量部に対し、
    含ハロゲン化合物重合体0.01〜10重量部を含有し
    てなる、密度0.01〜0.3g/cm3 のプロピレン
    系樹脂組成物押出発泡体。
  2. 【請求項2】 含ハロゲン化合物重合体がポリテトラフ
    ルオロエチレンである請求項1記載のプロピレン系樹脂
    組成物押出発泡体。
  3. 【請求項3】 独立気泡率が30%以上である請求項1
    または2記載のプロピレン系樹脂組成物押出発泡体。
  4. 【請求項4】 プロピレン系樹脂100重量部に対し、
    含ハロゲン化合物重合体0.01〜10重量部を含有し
    てなるプロピレン系樹脂組成物に物理発泡剤2〜30重
    量部を添加し、押出機外に押し出すことを特徴とする密
    度0.01〜0.3g/cm3 のプロピレン系樹脂組成
    物押出発泡体の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017535656A (ja) * 2014-11-28 2017-11-30 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー フッ素樹脂/クエン酸混合物を核形成剤として使用してポリオレフィン組成物を発泡させるためのプロセス

Cited By (1)

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JP2017535656A (ja) * 2014-11-28 2017-11-30 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー フッ素樹脂/クエン酸混合物を核形成剤として使用してポリオレフィン組成物を発泡させるためのプロセス

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