JPH0415235A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体

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JPH0415235A
JPH0415235A JP11693290A JP11693290A JPH0415235A JP H0415235 A JPH0415235 A JP H0415235A JP 11693290 A JP11693290 A JP 11693290A JP 11693290 A JP11693290 A JP 11693290A JP H0415235 A JPH0415235 A JP H0415235A
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JP
Japan
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resin
foam
sheet
polyolefin resin
foaming
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Application number
JP11693290A
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English (en)
Inventor
Takashi Sonomura
隆志 薗村
Akira Fujie
富士栄 昭
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超微細な独立気泡を有する架橋ポリオレフィ
ン系樹脂発泡体に関し、更に詳しくは、任意の切断面に
おいて等方的に成長した気泡形状を有する発泡体であり
、表面および任意の切断面において優れた平滑性を有し
、断熱性、緩衝性、機械的特性、電気的特性が優れた架
橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
〔従来の技術〕
一般に、均一微細な独立気泡を有するポリオレフィン系
樹脂発泡体は緩衝性や断熱性に優れ、包装用資材、エネ
ルギー吸収体、建築用断熱材として種々の用途に使用さ
れている。ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法
としては、熱分解反応により気体を発生する熱分解型発
泡剤を用いるいわゆる化学発泡法と、樹脂中に溶解した
低分子量の揮発性物質が状態変化により気化する等の物
理状態の変化を利用する物理発泡法とがあることはよく
知られている。
これら発泡体の気泡径については、前者の化学発泡法の
方がより均一微細であることも公知の事実である。また
化学発泡法においては、熱分解型発泡剤を樹脂中に均一
に溶融混練する必要性から、必然的に該発泡剤の分解温
度はポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度であるもの
が選択され、該混練物の発泡加工温度は該樹脂の融点以
上となる。
一方ポリオレフィン系樹脂は、融点を境にして著しく粘
弾性が低下するため、発泡に先じて化学架橋、又は放射
線架橋等により該混練物を架橋処理することにより、発
泡に適した粘弾性を有する温度領域を広げ、均一な独立
気泡を有する発泡体を安定して得ている。
しかしながら、化学発泡法では熱分解型発泡剤を樹脂中
に分子分散せしめることが困難なため、必ず該発泡剤の
二次凝集粒子(通常、数10μm)が存在し、平均気泡
径の数倍のサイズのボイドが生じ易い。これに対して樹
脂に難溶性の微粉状核剤を予め添加しておき、気泡核形
成を増加せしめることにより、微細気泡を可能ならしめ
る試みもなされてきたが、同様に二次凝集物の存在や気
泡膜の破泡等により、独立気泡であり、かつ微細な10
0μm未満の気泡径を有する発泡体を得ることは困難で
あった。又、該方法では発泡剤の分解残渣が発泡体中に
残留し、それによる着色や、物性、特に電気特性の劣化
が生じるという問題点もあった。さらに長尺シート状発
泡体を連続的に製造する場合には、発泡に際し幅方向へ
の急激な寸法増加により、著しい波打ち現象(以下、コ
ルゲートと称す)が発生し、このコルゲートを抑制する
ために、強制的に拡幅することがなされているが、この
発泡混炭では樹脂は軟化流動し易いため、拡幅張力によ
り生成する気泡が偏平化し、さらに長さ方向と幅方向で
は諸物性の著しい異方性が生じてしまうという欠点を有
するものであった。
一方、後者の物理発泡法には、押出機等で溶融した樹脂
中に揮発性発泡剤を圧入し、高温高圧下で該樹脂と混練
し、その混合物を発泡に適した温度まで冷却し、ダイス
等から低圧下に押出し発泡せしめる押出発泡法と、無架
橋又は架橋処理された樹脂粒子に、該粒子か互いに融着
しない程度の高温高圧下で揮発性発泡剤を該粒子中に含
浸せしめて発泡性樹脂粒子とした後、加熱発泡せしめ予
備発泡粒子とし、該発泡粒子を金型等に充填し、加熱し
二次発泡及び融着せしめ発泡成形体とする型内発泡成形
方法とがある。
押出発泡法においては、樹脂と揮発性発泡剤の溶融混合
物が、ダイスから低圧域に押出される直前まで該発泡剤
の蒸気圧以上の圧力に保持され、かつ流動可能な高温状
態が維持されることが必須である。しかし低圧域に押出
されてくると、発泡剤による内部冷却作用があるため瞬
時の間に発泡を完了せしめようとすると、気泡核形成が
起こると同時に気泡成長が凌駕する状態となり、気泡径
としては粗大なものとなり易い。例えば特開平1−25
4742号公報に見られるように、均−微細気泡化には
限界があり、数100μmの平均気泡径にとどまり、超
微細気泡の発泡体を製造することは困難であった。
又、型内発泡成形法においては、その前駆段階である予
備発泡粒子では、押出発泡法に比べて一般に微細気泡と
なる傾向がある。例えば、特開昭49−195158号
公報においては、20〜700 ttmという広範囲の
気泡径を有する発泡粒子が記載されている。しかし、型
内成形に供する際に、気泡径が小さすぎると成形体にヒ
ケや変形が起き易く、天魔には100μm以上の平均気
泡径が採用されている。型内発泡成形体では、融着した
隣接する発泡粒子の界面は完全には発泡粒子が膨張変形
することはなく、必ず粒子境界に空隙部を残すものであ
り、さらに、粒子界面近傍の気泡形状は、著しく変形を
受は該粒子中央部の気泡形状とは大きく異なるものとな
る。そのため、現実に使用に供される成形品の機械的特
性は劣ったものとなり易い。
一方、最近米国マサチューセッツ工科大学(以下、MI
Tと称す)のSUH教授らにより、P CT / U 
S 88102567(WO089100918)にお
いて、半結晶性重合体の超微細気泡発泡体が開示された
これは、■無架橋の半結晶性重合体に、その融点以上で
高圧で不活性ガスを含有せしめ、■高圧下で形状賦与し
、■降圧し発泡させ、■直ちに融点以下に急冷すること
を特徴とするものである。
即ち、有機揮発性発泡剤を用いず、不活性ガスのみを用
いたた物理発泡で高圧下で樹脂の融点もしくはそれ以上
の温度、つまり実質的に結晶部分の存在しない状態にお
いて、不活性ガスを含有せしめ降圧して気泡を生成させ
、直ちに融点未満に急冷し、気泡の成長を抑えるように
してポリオレフィン系樹脂の超微細気泡の発泡体を実現
している。即ち、不活性ガスの含有工程、発泡工程共に
融点以上で行なうことで、上述の問題点を解決している
のである。しかし、ポリオレフィン系樹脂は融点以上か
ら以下へ冷却するにつれ結晶化が始まり、比容積が低下
し収縮が生じる。ここでMIT法は不活性ガスを用いて
いるため、外部冷却に頼るはかなく、その結果発泡体の
表層部と芯部とでは、冷却速度に差が生じ収縮の割合が
異なり、表層部と芯部の気泡径や形状がふぞろいとなり
易い欠点を有するものであった。又、断熱材である発泡
体を外部冷却により冷却せしめるという工程を必要とし
ており、極めて薄肉の発泡体への適用にのみ限定される
ものであり、しかも工業的規模で実施するには、設備的
に多くの難点を含むものであった。開示された実施例に
よれば、ある特定のポリプロピレン・コポリマーについ
ては核剤の添加なしで、又ポリプロピレン・ホモポリマ
ーについては核剤添加で微細気泡を達成するにとどまっ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような技術的状況に加え、近年は発泡体の利用分野
においても、より高性能化が求められてきており、例え
ば、断熱材では低熱伝導化、電気絶縁材分野では低誘電
率化、遮音材では遮音特性の向上等が求められている。
かかる発泡体の要求機能において、その気泡構造が果す
役割は極めて大きく、超微細気泡化の工業的技術の確立
が求められている。
本発明は合成樹脂発泡体のより高性能化のために、気泡
径をコントロールするとともに従来にない超微細気泡で
あり、かつ発泡体の任意の切断面において常に安定して
気泡径が一定の発泡体を工業的に提供することを課題と
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結
果、有機揮発性発泡剤を用いることにより、かかる課題
を解決する超微細気泡を有する架橋ポリオレフィン系樹
脂発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
即ち、本発明は、有機揮発性発泡剤を用いることにより
生成され、任意の切断面において気泡形状が一定で、か
つ100個/ Cm以上の独立気泡からなる架橋ポリオ
レフィン系樹脂発泡体を提供するものである。
ところで、ポリオレフィン系樹脂中に物理発泡剤を含む
発泡性組成物において、生成される気泡径を決定するも
のは、第一に気泡核形成の頻度と形成された気泡の成長
速度のバランスであることは、当該分野に精通した者の
よく知るところである。即ち、より微細な気泡径を達成
するには、前者を後者に対して促進せしめる必要があり
、樹脂と発泡剤が均一に混合した系では、発泡剤の樹脂
中における拡散速度が速いと気泡成長は促進され気泡径
は大きくなるし、逆であれば微細気泡となり易い。従っ
て、発泡剤としては樹脂に対し不活性であるものが好ま
しく、系の温度としては低いほど好ましいものである。
第二に気泡核の形成には、溶融した樹脂と発泡剤とが均
一に混合された系が、低圧域におかれる等の物理状態の
変化により統計力学的に発生するいわゆる均一気泡核形
成と、該均一混合物に更に第三の異質な物質の界面を存
在せしめる、例えば無機系化合物の微粉等の添加や、樹
脂そのものに結晶部と非晶部とを共存せしめる等の手法
による不均一気泡核形成とがある。即ち、より微細な気
泡径を達成するためには不均一気泡核形成を積極的に利
用する必要もある。
有機揮発性発泡剤を用いた押出発泡法においては、樹脂
と発泡剤の親和性があり、しかも混合物を溶融状態から
冷却していくという過程をとるため、第一の条件を十分
満足し得ないものであった。
一方、MITの開示技術では不活性ガスを発泡剤とし、
さらに不均一気泡核形成を促進せしめて発泡させ、直ち
に冷却することによって、第−及び第二の条件を満足せ
しめようとするものであった。
しかし、樹脂と発泡剤との混合物を溶融状態から発泡せ
しめるために、第一の条件において未だ不十分なもので
ある。
かかる状況下に、本発明者らは鋭意研究を重ね本発明を
完成したのである。
本発明は前述の従来技術、気泡核形成及び気泡成長の機
構を充分に考慮し、樹脂と発泡剤とが理想的に均一混合
(分子分散)した溶融混合物を出発点とするという従来
概念とは、全く逆の発想に立脚したものである。即ち、
樹脂と有機揮発性発泡剤のミクロな不均一混合物を形成
せしめた後、発泡可能な温度まで加熱して発泡せしめる
という過程をとるものである。
このように、本発明は、有機揮発性発泡剤を用いること
を必須要件とするものであるが、具体的には、ポリオレ
フィン系樹脂に有機揮発性発泡剤を含有せしめるに際し
、予め成形された樹脂に該発泡剤を樹脂の軟化点以上融
点以下の温度範囲において接触含浸せしめた後、冷却し
該発泡性組成物を加熱し発泡せしめるものである。
ポリオレフィン系樹脂の如き結晶性高分子物質において
、上記の如き特定の温度範囲にて処理することによって
、樹脂の結晶化が促進され、結晶領域と非晶領域の明確
な区別けがなされ、更にはその境界領域にはミクロボイ
ドが発生する場合もある。
このように、結晶部と非晶部の存在は球晶構造やラメラ
構造として知られているもので、数μmから数百人(オ
ングストローム)のミクロな不均一相をもたらすもので
あり、又有機揮発性発泡剤の溶解性も各相において太き
(異なり、該発泡剤の製炭分布もミクロに不均質である
発泡性組成物となる。かかる状態にある発泡性組成物を
加熱することにより、不均一気泡核形成が極めて高い開
度で起こり、超微細気泡を有する発泡体が容易に得られ
るものである。
又、上記の如き結晶/非晶構造による不均一気泡核形成
とは別の方法として、ポリオレフィン系樹脂に有機揮発
性物質を接触含浸せしめる温度範囲を特に限定せずに含
浸処理した後、更に該混合物に対しガス状核剤を含浸処
理せしめることにより、不均一気泡核形成の願文を高め
ることも可能である。
有機揮発性発泡剤は、通常大きな蒸発潜熱を有し、単に
断熱膨張に伴う冷却のみでなく、該発泡剤の気化潜熱に
よる樹脂の冷却作用も極めて大きな効果が発現され、過
度の加熱を抑制することになる。例えば、シート状の樹
脂を発泡せしめる際に発生するコルゲートを抑制するた
めに、拡幅張力を加えた場合でも気泡の偏平化は起こり
難い。
次に、本発明の今1つの重要な要件として、架橋処理さ
れたポリオレフィン系樹脂を用いることがある。
有機揮発性発泡剤を含浸したポリオレフィン系樹脂は、
該発泡剤が充分に揮散し、かつガスの膨張に拮抗しなが
ら充分な伸びが得られる程、樹脂が軟化流動する温度ま
で加熱される。この際、急激な粘弾性の低下が起これば
、生成された微細気泡の合一が起こり気泡成長が促進さ
れ、著しい場合は気泡膜の破泡が起こる。従って、ポリ
オレフィン系樹脂の如き融点を境に著しい粘弾性の低下
が起こる系に対しては、架橋によりこれを抑制する必要
がある。
このため、架橋度はゲル分率で、通常30wt%以上8
0wt%以下、より好ましくは50wt%以上80wt
%以下の比較的高いゲル分率のものがよい。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、任意の切
断面において気泡形状が一定で、かつ100個/ cm
以上である独立気泡からなる超微細気泡構造と、例えば
無機物微粉や熱分解型発泡剤の残渣などの不純物が残ら
ないことが大きな特徴である。
本発明において、任意の切断面とは、発泡体の任意の場
所により任意の方向ヘカットした切断面である。
又、一定の気泡形状とは、任意の切断面において観察さ
れる全ての気泡が同一の形状を有し、かつ偏平化等の異
方性をもつことなく等方的に成長したものであり、気泡
断面の長径と短径の比(長径/短径)が2以下であるこ
とで定義される。
その結果、従来の発泡体では得られなかった極めて優れ
た機械特性を発揮するものである。例えば引張り強度で
は、従来の物理発泡法による低密度ポリエチレン発泡体
の10倍発発泡では、高々4〜5/dであったものが、
本発明の同材質及び同倍率の発泡体では、15〜20k
g/cjとなり、実に3〜4倍以上の強度向上をもたら
す。さらに、シート状の発泡体では、従来品は幅方向と
長さ方向とで例えば引張り、引裂き等の強度が異なり、
著しい場合は2倍近い強度の異方性を示す。これに比較
し、本発明の発泡体では異方性がなく、幅。
長さ方向共にほぼ同程度の強度を有し、等方性であるこ
とも大きな特徴である。
又、超微細気泡であるが故に、表面平滑性に優れる特徴
をも有する、例えば、従来の発泡体では100ミクロン
の厚みにスライスすれば、必ずといっていい程、スライ
スされたシートの表裏に貫通する孔があくものであった
し、スライス面は気泡形状が肉眼ではっきりと確認され
るものであった。これに対し、本発明の発泡体は100
ミクロンの厚みにスライスしても、表裏に貫通する孔は
存在せず流体を透過することはないし、スライス面の気
泡形状は肉眼では観察できないものである。
さらに本発明の発泡体は、電気絶縁性にも優れ、従来の
ポリオレフィン系発泡体では達成し得なかった低誘電率
及び低い誘電損失を有し、耐電圧にも優れた発泡体であ
る。
本発明における、任意の切断面における気泡数とは、発
泡体の幅、長さ、厚み方向の各切断面において、JIS
−K 6402に準じて測定した気泡数を示すものであ
る。
本発明における発泡体は前述の優れた特徴を発現せしめ
るために、任意の切断面における気泡数が100個/c
m以上であり、独立気泡からなることが必要である。ま
た、好ましくは任意の切断面における気泡数が150個
/ cm以上が良い。
本発明の発泡体の製造方法は次に示す通りである。
例えばポリオレフィン系樹脂をチューブ、丸棒、シート
、フィルム等に成形し、これに電離性放射線、例えばβ
線、γ線、電子線等の照射により架橋するか、或いは過
酸化物等の架橋剤を予め混練して、同様に成形した後加
熱により架橋せしめ、該成形品に有機揮発性発泡剤を特
定の温度で含浸せしめるか、あるいは該温度を特定せず
に、有機揮発性発泡剤とガス状核剤を接触含浸せしめた
後、該発泡性組成物を加熱して本発明の発泡体を製造す
ることができる。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂とは、例えば
低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、線状低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン
、エチレン−プロピレン拳ランダム共重合体、エチレン
、エチレン−プロピレン・ブロック共重合体、プロピレ
ン・ホモ重合体等のポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−1
−ペンテンなどから選ばれた1種あるいは2種以上の混
合物でもよい。また、樹脂は必要に応じ共重合したもの
でも良い。架橋特性や発泡体の気泡の均一性を考えた場
合、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。
又、必要に応じ着色剤、難燃剤等を添加したポリオレフ
ィン系樹脂も使用できる。
ポリオレフィン系樹脂の成形方法は、押出成形、プレス
成形、射出成形等が挙げられる。
本発明に用いられる有機揮発性発泡剤は、例えばトリク
ロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、
トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオ
ロエタン、モノクロロペンタフルオロエタン、塩化メチ
レン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素が挙げられる
。又、いわゆるフロンガスによる環境破壊問題を考えた
場合、モノクロロジフルオロメタン、モノクロロジフル
オロエタン、ジフルオロエタン、1,1−ジクロロ1−
フルオロエタン、2.2−ジクロロり、1.l−トリフ
ルオロエタン、1.1.1.2−テトラフルオロエタン
等のいわゆるHCFC,HFCや、n−ブタン、1so
−ブタン、n−ペンタン、 1so−ペンタン、プロパ
ン等の脂肪族炭化水素が挙げられる。
有機揮発性発泡剤の含有量は樹脂100重量部に対し、
0.5重量部以上50重量部以下が好ましい。
接触含有方法は、オートクレーブ等の圧力容器を用いる
方法が好ましい。
本発明の発泡体は、気泡核形成剤(不拘−気泡核)とし
てガス状核剤を用いることもできる。ガス状核剤の含有
量は、樹脂100ffi量部に対し、0.0005ff
iffi部以上0.12重量部以下が好ましい。ガス状
核剤とは、例えば窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等
の不活性ガスや空気等である。
〔発明の効果〕
本発明の発泡体は、有機揮発性発泡剤を用いているため
、発泡工程において加熱された樹脂は、発泡剤の蒸発潜
熱として熱が奪われるため、発泡体の表層部も芯部も均
一に冷却され、気泡径の分布も均一で、気泡形状の異方
性がなく、冷却工程において厳しい温度管理の必要もな
い。
本発明の発泡体は、気泡径が数ミクロンから数十ミクロ
ンの均一微細な独立気泡を密に有しているため、例えば
、数十ミクロンから数百ミクロンの厚みのシートあるい
はフィルム状であっても、ピンホールのない断熱性、電
気絶縁性に優れた発泡体となる。
また、本発明の発泡体は、均一微細気泡を有するため、
表面平滑性、肌触りが良く特に表面に気泡断面を露出さ
せた場合、独特の風合をもつものである。
本発明の発泡体は、特に気泡数が150個/ cm以上
のものについては、機械的物性の向上が著しく、断熱性
、電気絶縁性に優れている。
ポリオレフィン系樹脂の発泡剤としてよく利用されてい
る熱分解型化学発泡剤を用いる方法と比較し、気泡径は
小さく、分解残渣による着色もなく、電気絶縁性の低下
もない。
本発明の発泡体は、従来のような無機物の粉体や熱分解
型発泡剤を核剤として用いているものと比較し、発泡体
中に、核剤や分解残渣が残らない。
又、それによる破泡もなく独立気泡率が高い。又、核剤
の粒子の凝集や、樹脂への均一分散、混練に気をつかう
必要もなく工程が簡素化できる。
このように、本発明は従来のポリオレフィン系樹脂発泡
体の特性を大幅に改善できる画期的なものであり、極め
て有意義な発明と言える。
〔実 施 例〕
以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。
なお、本発明における各種特性値は以下の方法で求めた
ものである。
0気泡数の測定 月S−K 8402に準拠し、単位長さ(1cm)当り
の個数に換算した。
0気泡構造 気泡の大きさの分布、形状の均一性、ボイドの有無を観
察して評価した。大きさが揃っていて、形状が均−即ち
、気泡の長径/短径の比が2以下でボイドの少ないもの
を均一とした。
0 ゲル分率 沸騰キシレン中で8時間抽出した残渣の重量分率 0発泡倍率 発泡体の密度 O独立気泡率 ASTM−D285Bに準拠し、単エアービクノメータ
法により測定した。
0引張特性 JIS−K 6767に準拠した。
0熱伝導率 ASTN−C518に準拠した。
0誘電率 ASTM−D1873に準拠した( 1 kHz)。
0流体透過性 厚さ100ミクロンのフィルム状にスライス加工し、そ
の表面にインクを数滴落とし、10分後裏面へインクが
透過していないものは○、透過しているものは、ピンホ
ール有りとじ×とした。
実施例 1 低密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業■ サンチック■
F 1920)を押出成形した厚さ1.Ommのシート
に電子線照射(線量20Mrad) I、、ゲル分率6
5wt%の架橋シートを得た。ついで、この架橋シート
をオートクレーブに入れ、ジクロロジフルオロメタンを
75℃で3時間かけて24重量部含有させた後、窒素ガ
スを30kg/cTIGで3時間かけて0.1重量部含
有させ発泡性シートを得た。
この発泡性シートを1.Okg/cTIGのスチームで
30秒間加熱し発泡させたところ、表1に示すような良
好な発泡体を得た。
実施例 2 ゲル分率を40wt%とする以外、実施例1と同じ架橋
シートをオートクレーブに入れ、1.1.l、2−テト
ラフルオロエタンを75℃で1時間かけて2.5重量部
含有させた後、窒素ガスを35kg/c♂Gで4時間か
けて0.11重量部含有させ発泡性シートを得た。この
発泡性シートを0.9kg/c♂Gのスチームで30秒
間加熱し発泡させたところ、表1に示すように非常に微
細で均一性な独立気泡の発泡体を得た。
実施例 3 高密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業株 サンチック■
J 340)を加熱プレスを用いて成形した厚さ1關の
シートに、電子線照射し、ゲル分率67%の架橋シート
を得た。
ついで、この架橋シートをオートクレーブに入し、1,
1,1.2−テトラフルオロエタンを75℃で3時間か
けて1.1重責部含有させた後、窒素ガスを35kg/
cjGで4時間かけて0.10重量部含有させ発泡性シ
ートを得た。
この発泡性シートを3.0kg/c♂Gのスチームで3
0秒間加熱し発泡させたところ、表1に示すような良好
な発泡体を得た。
実施例 4 ポリプロピレン樹脂(旭化成工業K F 3551)に
架橋助剤を添加し加熱プレスを用いて成形した厚み1m
n+のシートに、電子線照射し、ゲル分率50%の架橋
シートを得た。
ついで、この架橋シートをオートクレーブに入れ、ジク
ロロジフルオロメタンを75℃で15時間かけて20重
量部含有させた後、窒素ガスを30 kg /C−Gで
3時間かけて0.1重量部含有させ発泡性シートを得た
この発泡性シートを3.0kg/crlGのスチームで
1分間加熱し発泡させたところ、表1に示すような良好
な発泡体を得た。
実施例 5 低密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業■ サンチック■
F 1920)を加熱プレスで成形した厚さ1、la+
+oのシートに電子線照射し、ゲル分率76wt%の架
橋シートを得た。
ついで、この架橋シートをオートクレーブに入れ、1,
1,1.2−テトラフルオロエタンを90℃、5時間か
けて3.8重量部含有させ発泡性シートを得た。この発
泡性シートは架橋シートと比較し、肉眼で確認できるほ
ど白色度が増し成長した結晶が均一で密に分散している
ことを確認した。この発泡性シートを1.0kg/cI
IGのスチームで30秒間加熱し発泡させたところ、表
1に示すような良好な発泡体を得た。
実施例 6 実施例5と同じ架橋シートをオートクレーブに入れ、ジ
クロロフルオロメタンを90℃、5時間かけて38重量
部含有させ白色度の増した発泡性シートを得た。この発
泡性シートを1.0kg/cJGのスチームで80秒間
加熱し発泡させたところ、表1に示すような良好な発泡
体を得た。
実施例 7 実施例5と同じポリエチレン樹脂シートに電子線照射し
、ゲル分率63%の架橋シートを得た。
ついで、この架橋シートをオートクレーブに入れ、モノ
クロロジフルオロメタンを90℃、5時間かけて18重
量部含有させ白色度の増した発泡性シートを得た。この
発泡性シートを1.Okg/cJGのスチームで30秒
間加熱し発泡させたところ、良好な発泡体を得た。
実施例 8 実施例3と同じポリエチレン樹脂の架橋シートを、オー
トクレーブに入れ、1.1,1.2−テトラフルオロエ
タンを120℃5時間かけて2.4重量部含有させ白色
度の増した発泡性シートを得た。
この発泡性シートを3.0kg/cjGのスチームで3
0秒間加熱し発泡させたところ、良好な発泡体を得た。
比較例 1 ゲル分率を90wt%とする以外は、実施例1と同じ架
橋シートをオートクレーブに入れ、ジクロロジフルオロ
メタンを75℃で1時間かけて22ffi量部含有させ
た後、窒素ガスを30)cg/cjGで3時間かけて0
.10重量部含有させ発泡性シートを得た。
この発泡性シートを1.0kg/c♂Gのスチームで3
0秒間加熱し発泡させたところ、表1に示すように、発
泡倍率が低くシートの芯部に直径IIIIli程度の粗
大ボイドが数個存在するような異常発泡が観察された。
比較例 2 低密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業掃 サンチック■
F 1920)のベレットに熱分解型化学発泡剤アゾジ
カルボンアミド20重量部添加した後、2軸押用機にて
混練しつつ厚さ1酎のシート状に成形した。このシート
に電子線照射し、ゲル分率60%の架橋シートを得た。
この発泡性シートを熱風と遠赤外線ヒーターを併用した
加熱炉の中を通し、拡幅しつつ加熱し発泡体を得た。こ
の発泡体は表1に示すように幅方向に気泡が偏平してい
た。又、アゾジカルボンアミドの凝集による粗大気泡、
ボイドや、未分解の化学発泡剤の塊も点在していた。
引張特性は、著しい異方性を示した。
比較例 3 比較例2と同じ低密度ポリエチレン樹脂のベレットに、
無機物系の核剤である酸化チタンを0.5重量部添加し
た後、2軸押用機にて混練しつつ厚さI ll1mのシ
ート状に成形した。このシートに電子線照射してゲル分
率50%の架橋シートを得た。
この架橋シートをオートクレーブに入れ、ジクロロジフ
ルオロメタンを75℃で3時間含浸して発泡性シートを
得た。この発泡性シートを1.0kg/cJGのスチー
ムで30秒間加熱し発泡体を得た。この発泡体は表1に
示すように、気泡サイズが太き(、独立気泡率の低いも
のであった。
比較例 4 比較例2と同じ低密度ポリエチレン樹脂を押出機により
溶融させた後、ジクロロテトラフルオロエタン8重量部
を溶融樹脂中に圧入し、混練後クーラーで適正発泡温度
まで下げた後、降圧しつつダイリップより樹脂を吐出さ
せ発泡体を得た。
この発泡体は粗大気泡で、100ミクロンにスライス加
工したものは、気泡の全てが表裏貫通穴となった。
比較例 5 有機揮発性発泡剤の使用量を20重量部とする以外は、
比較例4と同様にして発泡体を得た。
比較例 6 低密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業■ サンチック■
F 2130)の樹脂粒子を、ジクミルパーオキサイド
で架橋し、モノクロロジフルオロメタンを75℃で1時
間かけて12重量部含有させ発泡性樹脂粒子を得た。こ
の発泡性樹脂粒子を0.7kg/cTIGのスチームで
加熱し予備発泡粒子とした後、金型内に充填しり、Ok
g/cJGのスチームにより加熱しビーズ発泡成形品を
得た。この成形品の切断面を観察すると、樹脂粒子の表
面に近づくにつれ、気泡は偏平化し、平面近傍では長径
/短径が2を大幅に越えるものであった。
(以下余白)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、有機揮発性発泡剤を用いることにより生成され、任
    意の切断面において気泡形状が一定で、かつ100個/
    cm以上の独立気泡からなる架橋ポリオレフィン系樹脂
    発泡体。 2、架橋処理されたポリオレフィン系樹脂に有機揮発性
    発泡剤を該樹脂の軟化点以上融点以下の温度で接触、含
    浸せしめて得たミクロ的に不均一な発泡性組成物を加熱
    、発泡することによって製造した任意の切断面に於ける
    気泡の長径/短径の比が2以下である一定の気泡形状を
    有し、且つ100個/cm以上の独立気泡からなる架橋
    ポリオレフィン系樹脂発泡体。
JP11693290A 1990-05-08 1990-05-08 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 Pending JPH0415235A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138150A (ja) * 2005-10-18 2007-06-07 Toray Ind Inc ポリオレフィン系樹脂発泡成形体及びその製造方法、及びそれを用いたサービスホールカバー
US7994231B2 (en) * 2005-01-18 2011-08-09 Zotefoams Plc. Polyamide foams, process to make them and applications thereof
JP2015201895A (ja) * 2009-09-30 2015-11-12 日東電工株式会社 2次元通信用低誘電シートおよびその製造方法、通信用シート構造体

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