JPH0726051A - 新規なフッ素系樹脂発泡体 - Google Patents
新規なフッ素系樹脂発泡体Info
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- JPH0726051A JPH0726051A JP6096279A JP9627994A JPH0726051A JP H0726051 A JPH0726051 A JP H0726051A JP 6096279 A JP6096279 A JP 6096279A JP 9627994 A JP9627994 A JP 9627994A JP H0726051 A JPH0726051 A JP H0726051A
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- sheet
- cell
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量性、耐熱性、断熱性、耐候性、耐薬品性
に富み、優れた精密研磨布、電気絶縁テ−プとして有用
であり、またソフトガスケット、テント生地、膜構造建
築の屋根材として有用な発泡体を提供する。 【構成】架橋構造を有しない熱可塑性フッ素系樹脂から
なり、任意の切断面に存在する個々のオ−プンセルの最
大径の最大値(LMax.)、最小値(LMin.)及び平均値
(Lav. )で表されるバラツキ指数、及び該最大径の変
動係数(Cv)が下記(1)、(2)式を満足する新規
なフッ素系樹脂発泡体。 0<(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6 (1) 0<Cv≦1 (2)
に富み、優れた精密研磨布、電気絶縁テ−プとして有用
であり、またソフトガスケット、テント生地、膜構造建
築の屋根材として有用な発泡体を提供する。 【構成】架橋構造を有しない熱可塑性フッ素系樹脂から
なり、任意の切断面に存在する個々のオ−プンセルの最
大径の最大値(LMax.)、最小値(LMin.)及び平均値
(Lav. )で表されるバラツキ指数、及び該最大径の変
動係数(Cv)が下記(1)、(2)式を満足する新規
なフッ素系樹脂発泡体。 0<(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6 (1) 0<Cv≦1 (2)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は適度な摩耗性を有する熱
可塑性のフッ素系樹脂からなる発泡体に関するものであ
り軽量性、クッション性、耐熱性、耐薬品性の特徴を活
して優れた精密研磨布として利用され、また断熱性、耐
候性、更に低誘電特性を始めとして電気特性に優れた特
徴を有し、ソフトガスケット、電気絶縁テ−プ、電線被
覆材また断熱性を活してテント生地、膜構造建築の屋根
材更には断熱チュ−ブ等広範な用途に極めて有効な発泡
体である。
可塑性のフッ素系樹脂からなる発泡体に関するものであ
り軽量性、クッション性、耐熱性、耐薬品性の特徴を活
して優れた精密研磨布として利用され、また断熱性、耐
候性、更に低誘電特性を始めとして電気特性に優れた特
徴を有し、ソフトガスケット、電気絶縁テ−プ、電線被
覆材また断熱性を活してテント生地、膜構造建築の屋根
材更には断熱チュ−ブ等広範な用途に極めて有効な発泡
体である。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコン単結晶ウエハ−、化合物
半導体ウエハ−、液晶用ガラス基板、液晶用カラ−フィ
ルタ−等の電子材料分野における材料の表面超平滑性の
要求が益々高まっている。例えば、集積回路では4Mビ
ットから16Mビット、64Mビットへと高集積化が進
んでおり、これに伴い回路の素線幅はサブミクロンとな
って来た。従って、鏡面に磨かれたウエハ−の表面形状
精度に対する要求は益々厳しくなっており、一方生産性
の向上の観点からシリコンウエハ−は大口径化されて来
ており、シリコンウエハ−の鏡面仕上げ精度への要求は
両面相まって一層厳しさを増してきている。また、ガリ
ウム/ひ素に代表される化合物半導体も近年応用が進
み、種々の分野で応用されているが、この化合物半導体
はシリコン半導体に比べ加工上傷付き易いという欠点を
有し、その鏡面加工仕上げにはシリコン以上の細心の注
意と工夫が必要である。更に、液晶を応用したディスプ
レ−(LCD)が多くの分野で使用されるようになって
きており、カラ−化や大型化への技術進歩には目を見張
るものがある。特にTFT(Thin Film Tr
ansistor)カラ−液晶は今後大きな市場を形成
すると期待されている。しかし、TFT型はガラス基板
上に極微細な電極類を成膜形成して行くが、電極欠陥が
画素の欠陥として現れるため一つの欠陥も許容されず、
そのためガラス基板の表面平滑性に対する要求は厳しい
ものがあり、大型化を指向している状況ではこの要求は
一層強まって来ている。また、カラ−LCDに使用され
るカラ−フィルタ−も基板に3原色の色素を所定のパタ
−ン通りに印刷等で形成して作られるが、LCDの高画
質への要求から画素が微細化してきておりそのためパタ
−ンも微細化する必要があり、パタ−ンのズレや膜厚の
バラツキ等が許容されず、基板の平滑性に対する要求も
±0.3μm以下という超平坦化が要求されてきてい
る。このような材料の表面超平滑性の要求に対応するた
め研磨方法においても種々の改良がなされてきている。
半導体ウエハ−、液晶用ガラス基板、液晶用カラ−フィ
ルタ−等の電子材料分野における材料の表面超平滑性の
要求が益々高まっている。例えば、集積回路では4Mビ
ットから16Mビット、64Mビットへと高集積化が進
んでおり、これに伴い回路の素線幅はサブミクロンとな
って来た。従って、鏡面に磨かれたウエハ−の表面形状
精度に対する要求は益々厳しくなっており、一方生産性
の向上の観点からシリコンウエハ−は大口径化されて来
ており、シリコンウエハ−の鏡面仕上げ精度への要求は
両面相まって一層厳しさを増してきている。また、ガリ
ウム/ひ素に代表される化合物半導体も近年応用が進
み、種々の分野で応用されているが、この化合物半導体
はシリコン半導体に比べ加工上傷付き易いという欠点を
有し、その鏡面加工仕上げにはシリコン以上の細心の注
意と工夫が必要である。更に、液晶を応用したディスプ
レ−(LCD)が多くの分野で使用されるようになって
きており、カラ−化や大型化への技術進歩には目を見張
るものがある。特にTFT(Thin Film Tr
ansistor)カラ−液晶は今後大きな市場を形成
すると期待されている。しかし、TFT型はガラス基板
上に極微細な電極類を成膜形成して行くが、電極欠陥が
画素の欠陥として現れるため一つの欠陥も許容されず、
そのためガラス基板の表面平滑性に対する要求は厳しい
ものがあり、大型化を指向している状況ではこの要求は
一層強まって来ている。また、カラ−LCDに使用され
るカラ−フィルタ−も基板に3原色の色素を所定のパタ
−ン通りに印刷等で形成して作られるが、LCDの高画
質への要求から画素が微細化してきておりそのためパタ
−ンも微細化する必要があり、パタ−ンのズレや膜厚の
バラツキ等が許容されず、基板の平滑性に対する要求も
±0.3μm以下という超平坦化が要求されてきてい
る。このような材料の表面超平滑性の要求に対応するた
め研磨方法においても種々の改良がなされてきている。
【0003】研磨布については、従来のピッチやワック
スポリッシャ−に替えてポリエステル基布上にポリウレ
タン発泡層を積層させた研磨布が使用されているが、該
研磨布は基布層の緻密度のバラツキ、発泡層の気泡の大
きさ、密度のバラツキにより被研磨面の平面度、均一性
にバラツキが出易く、また表面研磨に働く層が薄いため
耐久性に乏しく、化合物半導体用の研磨においてはその
エッチング液等に侵される等の問題があった。これら問
題を解決するために特公平4−8186号公報において
発泡倍率1.5〜30倍、平均セル径が300μm以下
で未発泡樹脂層を0〜70%含有するフッ素樹脂発泡体
からなる研磨布が開示されている。また特開平1−19
3166号公報にはフッ素樹脂発泡体を材質とする半導
体ウエハ−鏡面研磨用パッドが開示されている。該研磨
布は耐薬品性及び被研磨体の表面平滑性については充分
な性能を発現するものの、被研磨体としてのウエハ−を
一定条件下で何枚も研磨する間に、該被研磨体の表面精
度が維持出来なくなったり研磨速度が変動したりする場
合があった。すなわち、研磨布としての経時性能安定性
に不安があり、その都度研磨布の表面にツル−イング
(硬質物質を用いてパッド表面を磨き、表面の凹凸を修
正ないし調練し高平面度にすること)を施したり、研磨
条件を変更する等の必要があった。これは研磨布1枚当
たりのウエハ−生産性の低下を来たし極めて不利であっ
た。この原因は明確ではないが研磨布表面に存在するオ
−プンセル(表面に露出した気泡で、気泡を構成する気
泡壁がカットされたもの)の大きさ及びその均一性や研
磨布自体の摩耗特性が最適化されていないためか、初期
においては研磨布表面に存在して研磨材を保持しかつ研
磨圧力を受けているオ−プンセルの大きさや個数が研磨
の進行と共に研磨布それ自体も摩耗していく過程におい
て変動するために研磨布と被研磨体の界面状態が変動す
るためではないかと思われる。
スポリッシャ−に替えてポリエステル基布上にポリウレ
タン発泡層を積層させた研磨布が使用されているが、該
研磨布は基布層の緻密度のバラツキ、発泡層の気泡の大
きさ、密度のバラツキにより被研磨面の平面度、均一性
にバラツキが出易く、また表面研磨に働く層が薄いため
耐久性に乏しく、化合物半導体用の研磨においてはその
エッチング液等に侵される等の問題があった。これら問
題を解決するために特公平4−8186号公報において
発泡倍率1.5〜30倍、平均セル径が300μm以下
で未発泡樹脂層を0〜70%含有するフッ素樹脂発泡体
からなる研磨布が開示されている。また特開平1−19
3166号公報にはフッ素樹脂発泡体を材質とする半導
体ウエハ−鏡面研磨用パッドが開示されている。該研磨
布は耐薬品性及び被研磨体の表面平滑性については充分
な性能を発現するものの、被研磨体としてのウエハ−を
一定条件下で何枚も研磨する間に、該被研磨体の表面精
度が維持出来なくなったり研磨速度が変動したりする場
合があった。すなわち、研磨布としての経時性能安定性
に不安があり、その都度研磨布の表面にツル−イング
(硬質物質を用いてパッド表面を磨き、表面の凹凸を修
正ないし調練し高平面度にすること)を施したり、研磨
条件を変更する等の必要があった。これは研磨布1枚当
たりのウエハ−生産性の低下を来たし極めて不利であっ
た。この原因は明確ではないが研磨布表面に存在するオ
−プンセル(表面に露出した気泡で、気泡を構成する気
泡壁がカットされたもの)の大きさ及びその均一性や研
磨布自体の摩耗特性が最適化されていないためか、初期
においては研磨布表面に存在して研磨材を保持しかつ研
磨圧力を受けているオ−プンセルの大きさや個数が研磨
の進行と共に研磨布それ自体も摩耗していく過程におい
て変動するために研磨布と被研磨体の界面状態が変動す
るためではないかと思われる。
【0004】一方、従来からフッ素系樹脂の優れた特
性、例えば耐熱性、耐溶剤性、耐候性、電気絶縁性、難
燃性等を活しつつ、発泡体としての特性、例えば軽量
性、圧縮弾性、低誘電率性、断熱性等を具備せしめた新
規な発泡体が種々提案されており、特に電線被覆の分野
で活発である。しかしながら、従来から開示されている
発泡体は発泡倍率が低いためか硬度が高く、その用途も
自ずから限界があった。例えば、特開昭54−4196
9号公報、特開昭57−123233号公報、特開昭5
9−11340号公報、特開昭60−44532号公
報、特開昭61−53336号公報、特開昭61−91
229号公報、特開昭61−162534号公報、特開
昭62−98507号公報、特開平1−153738号
公報、特開平1−268730号公報、特開平1−26
8731号公報、USP3072583号公報に開示さ
れている発泡体はいずれも発泡倍率はせいぜい4倍前後
で硬度が高く発泡体としての機能は不十分であった。更
にUSP4761256号公報、USP5160674
号公報には微細気泡の発泡体が開示されているが該発泡
体も発泡倍率が3倍を越えず硬度の高いものであった。
特開昭62−50340号公報、特開平4−31446
号公報には高倍発泡で硬度が低いと予想される発泡体が
開示されているが、該発泡体は気泡径が大きいため気泡
径の分布が大きくなることが避けられず表面平滑性に劣
るという難点があった。特開昭62−112637号公
報、特開昭62−252435号公報、特開昭62−2
80236号公報には高倍発泡で気泡径の小さい発泡体
が開示されており優れた特性を発現するものの、該発泡
体は製造工程において発泡適性を賦与するため樹脂に架
橋構造を導入せしめており、工程が煩雑であると共に架
橋性の樹脂に限定されること、架橋処理時に酸性ガスが
発生し安全性の面で難点があること、また再溶融させて
樹脂をリサイクルさせることが出来ないこと等の難点を
抱えていた。特開平5−239249号公報には高沸点
の発泡剤を使用して高倍率でかつ微小気泡の発泡体が開
示されている。しかし、該発泡体は高沸点の発泡剤を使
用するため、発泡後の冷却により発泡剤が発泡体の気泡
内部で凝縮し気泡内圧力が低下して、特にシ−ト状やテ
−プ状の場合寸法変化を生じ易く、表面平滑性に優れる
安定した発泡体が得られにくいという傾向があった。す
なわち、従来技術では架橋構造を有しないフッ素系樹脂
の発泡体で微細な気泡でかつ均一な気泡径の分布を有
し、発泡体として適度な硬度を有するものは未だ知られ
ていなかった。
性、例えば耐熱性、耐溶剤性、耐候性、電気絶縁性、難
燃性等を活しつつ、発泡体としての特性、例えば軽量
性、圧縮弾性、低誘電率性、断熱性等を具備せしめた新
規な発泡体が種々提案されており、特に電線被覆の分野
で活発である。しかしながら、従来から開示されている
発泡体は発泡倍率が低いためか硬度が高く、その用途も
自ずから限界があった。例えば、特開昭54−4196
9号公報、特開昭57−123233号公報、特開昭5
9−11340号公報、特開昭60−44532号公
報、特開昭61−53336号公報、特開昭61−91
229号公報、特開昭61−162534号公報、特開
昭62−98507号公報、特開平1−153738号
公報、特開平1−268730号公報、特開平1−26
8731号公報、USP3072583号公報に開示さ
れている発泡体はいずれも発泡倍率はせいぜい4倍前後
で硬度が高く発泡体としての機能は不十分であった。更
にUSP4761256号公報、USP5160674
号公報には微細気泡の発泡体が開示されているが該発泡
体も発泡倍率が3倍を越えず硬度の高いものであった。
特開昭62−50340号公報、特開平4−31446
号公報には高倍発泡で硬度が低いと予想される発泡体が
開示されているが、該発泡体は気泡径が大きいため気泡
径の分布が大きくなることが避けられず表面平滑性に劣
るという難点があった。特開昭62−112637号公
報、特開昭62−252435号公報、特開昭62−2
80236号公報には高倍発泡で気泡径の小さい発泡体
が開示されており優れた特性を発現するものの、該発泡
体は製造工程において発泡適性を賦与するため樹脂に架
橋構造を導入せしめており、工程が煩雑であると共に架
橋性の樹脂に限定されること、架橋処理時に酸性ガスが
発生し安全性の面で難点があること、また再溶融させて
樹脂をリサイクルさせることが出来ないこと等の難点を
抱えていた。特開平5−239249号公報には高沸点
の発泡剤を使用して高倍率でかつ微小気泡の発泡体が開
示されている。しかし、該発泡体は高沸点の発泡剤を使
用するため、発泡後の冷却により発泡剤が発泡体の気泡
内部で凝縮し気泡内圧力が低下して、特にシ−ト状やテ
−プ状の場合寸法変化を生じ易く、表面平滑性に優れる
安定した発泡体が得られにくいという傾向があった。す
なわち、従来技術では架橋構造を有しないフッ素系樹脂
の発泡体で微細な気泡でかつ均一な気泡径の分布を有
し、発泡体として適度な硬度を有するものは未だ知られ
ていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は従来のフ
ッ素系樹脂発泡体の一用途分野である精密研磨布におい
て被研磨体としてのウエハ−を一定条件下で何枚も研磨
する間に、該被研磨体の表面精度が維持出来なくなった
り研磨速度が変動したりするような研磨性能の経時安定
性の問題を解決すると共に、一研磨布用途に限らず発泡
体としての特性を具備した広範な用途分野においてきわ
めて優れた性能を発揮する架橋構造を有しない新規なフ
ッ素系樹脂発泡体を開発するために鋭意研究した結果、
本発明を完成するに至った。
ッ素系樹脂発泡体の一用途分野である精密研磨布におい
て被研磨体としてのウエハ−を一定条件下で何枚も研磨
する間に、該被研磨体の表面精度が維持出来なくなった
り研磨速度が変動したりするような研磨性能の経時安定
性の問題を解決すると共に、一研磨布用途に限らず発泡
体としての特性を具備した広範な用途分野においてきわ
めて優れた性能を発揮する架橋構造を有しない新規なフ
ッ素系樹脂発泡体を開発するために鋭意研究した結果、
本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、架
橋構造を有しない熱可塑性フッ素系樹脂からなる発泡体
で、該発泡体の任意の切断面に存在する開放された気泡
の最大径の最大値(LMax.)、最小値(LMi n.)及び平
均値(Lav. )で表されるバラツキ指数((LMax.−L
Min.)/Lav . )、及び該気泡の最大径の変動係数(C
v )が下記の(1)、(2)式を満足する新規なフッ素
系樹脂発泡体である。
橋構造を有しない熱可塑性フッ素系樹脂からなる発泡体
で、該発泡体の任意の切断面に存在する開放された気泡
の最大径の最大値(LMax.)、最小値(LMi n.)及び平
均値(Lav. )で表されるバラツキ指数((LMax.−L
Min.)/Lav . )、及び該気泡の最大径の変動係数(C
v )が下記の(1)、(2)式を満足する新規なフッ素
系樹脂発泡体である。
【0007】 0<(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6 (1) 0<Cv≦1 (2) 以下、本発明を詳細に説明する。本発明の発泡体の任意
の切断面に存在する開放された気泡は、(1)式:0<
(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6(以後{(LMax.−L
Min.)/Lav. }をバラツキ指数と呼ぶ)、及び(2)
式:0<Cv≦1を満足しなければならない。
の切断面に存在する開放された気泡は、(1)式:0<
(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6(以後{(LMax.−L
Min.)/Lav. }をバラツキ指数と呼ぶ)、及び(2)
式:0<Cv≦1を満足しなければならない。
【0008】また、ここで開放された気泡とは、前述の
従来の記述の項で説明したオ−プンセルのことであり、
表面に露出した気泡で、気泡を構成する気泡壁がカット
されたものをいい、該気泡の最大径とは気泡膜で2次元
的に閉じられた領域の最大長さをいう。さらに、発泡体
の任意の切断面に存在する開放された気泡の最大径の変
動係数(Cv)は標準偏差(SD)を平均値で除した値
であり、(Cv)=(SD)/Lav. で表される。
従来の記述の項で説明したオ−プンセルのことであり、
表面に露出した気泡で、気泡を構成する気泡壁がカット
されたものをいい、該気泡の最大径とは気泡膜で2次元
的に閉じられた領域の最大長さをいう。さらに、発泡体
の任意の切断面に存在する開放された気泡の最大径の変
動係数(Cv)は標準偏差(SD)を平均値で除した値
であり、(Cv)=(SD)/Lav. で表される。
【0009】発泡体を切断した場合その切断面が必ず発
泡体を構成する個々の気泡の中心を切断することは有り
得ず、ある気泡においてはその中心を、ある気泡におい
ては中心からずれた箇所を切断することになり、その結
果気泡の大きさが同じでも切断面に露出するオ−プンセ
ルの大きさは同じにはならない。従って、オ−プンセル
の大きさを均一にしようとすれば気泡の大きさを微細に
かつ均一にする必要がある。
泡体を構成する個々の気泡の中心を切断することは有り
得ず、ある気泡においてはその中心を、ある気泡におい
ては中心からずれた箇所を切断することになり、その結
果気泡の大きさが同じでも切断面に露出するオ−プンセ
ルの大きさは同じにはならない。従って、オ−プンセル
の大きさを均一にしようとすれば気泡の大きさを微細に
かつ均一にする必要がある。
【0010】本発明の発泡体をシ−ト状として精密研磨
布に使用する場合、該シ−トの切断面に露出するオ−プ
ンセルの大きさの均一性は極めて重要である。通常、発
泡体を研磨布として使用する場合、その表面をスライス
するなどして均一な厚みに制御しつつ該表面にオ−プン
セルが存在する形態で用いられる。この時、表面にはあ
る確率をもってオ−プンセルとクロ−ズドセル(表面に
露出した気泡で、気泡を構成する気泡壁がカットされて
いないもの)が混在すると考えられる。
布に使用する場合、該シ−トの切断面に露出するオ−プ
ンセルの大きさの均一性は極めて重要である。通常、発
泡体を研磨布として使用する場合、その表面をスライス
するなどして均一な厚みに制御しつつ該表面にオ−プン
セルが存在する形態で用いられる。この時、表面にはあ
る確率をもってオ−プンセルとクロ−ズドセル(表面に
露出した気泡で、気泡を構成する気泡壁がカットされて
いないもの)が混在すると考えられる。
【0011】研磨に際しては研磨砥粒を含んだ研磨液が
併用されるが、オ−プンセル部ではこの研磨液が保持さ
れるものと考えられ、オ−プンセルの大きさが不均一で
あることは該セルに保持される研磨液量が変動すること
になる。また、オ−プンセル部とクロ−ズドセル部の割
合が変動することは研磨布と被研磨体との界面に存在す
る研磨液の状態が変動するものと考えられる。
併用されるが、オ−プンセル部ではこの研磨液が保持さ
れるものと考えられ、オ−プンセルの大きさが不均一で
あることは該セルに保持される研磨液量が変動すること
になる。また、オ−プンセル部とクロ−ズドセル部の割
合が変動することは研磨布と被研磨体との界面に存在す
る研磨液の状態が変動するものと考えられる。
【0012】しかも、研磨の進行と共に研磨布自体も摩
耗して常にその表面状態が更新されると共にその摩耗カ
スも該界面に存在するなど、常時その表面状態及び界面
状態は変動し複雑な様相を呈していると考えられる。い
わゆる目詰まりによるといわれる研磨速度の低下や被研
磨体表面精度の低下はオ−プンセルの大きさが変動する
ためか、オ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合が著
しく変動したために生じる現象かと思われる。
耗して常にその表面状態が更新されると共にその摩耗カ
スも該界面に存在するなど、常時その表面状態及び界面
状態は変動し複雑な様相を呈していると考えられる。い
わゆる目詰まりによるといわれる研磨速度の低下や被研
磨体表面精度の低下はオ−プンセルの大きさが変動する
ためか、オ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合が著
しく変動したために生じる現象かと思われる。
【0013】本発明のフッ素系樹脂発泡体はオ−プンセ
ルの大きさが均一であり、かつ好ましい態様として単位
体積当たりに存在する気泡の数が多いため研磨布として
使用した場合、研磨時における研磨布と被研磨体との界
面が安定し、オ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合
が研磨時の各瞬間において研磨布表面全体として実質的
に変動し難いものと考えられる。
ルの大きさが均一であり、かつ好ましい態様として単位
体積当たりに存在する気泡の数が多いため研磨布として
使用した場合、研磨時における研磨布と被研磨体との界
面が安定し、オ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合
が研磨時の各瞬間において研磨布表面全体として実質的
に変動し難いものと考えられる。
【0014】本発明の発泡体は、上述したように発泡体
の任意の切断面の任意の箇所における所定の面積に存在
する開放された気泡の最大径の最大値(LMax.)、その
最小値(LMin.)及びその平均値(Lav. )とで表され
るバラツキ指数が、0<(L Max.−LMin.)/Lav. ≦
6の範囲にあり、かつ開放された気泡の最大径の変動係
数(Cv)が0<Cv≦1の範囲にあることが必要であ
る。このバラツキ指数の値が6を越え、かつ変動係数
(Cv)の値が1を越えるとオ−プンセルの大きさの均
一性が損なわれ、研磨布として使用した場合被研磨体の
表面精度が低下したり、長期の研磨操作によって研磨性
能が低下したりする傾向があり好ましくない。研磨性能
の長期安定性のためにはバラツキ指数の値は好ましくは
5.5以下、更に好ましくは5以下でありCvの値は好
ましくは0.95、更に好ましくは0.90である。バ
ラツキ指数及び変動係数(Cv)の値は小さいほど好ま
しくその下限は何等限定されない。
の任意の切断面の任意の箇所における所定の面積に存在
する開放された気泡の最大径の最大値(LMax.)、その
最小値(LMin.)及びその平均値(Lav. )とで表され
るバラツキ指数が、0<(L Max.−LMin.)/Lav. ≦
6の範囲にあり、かつ開放された気泡の最大径の変動係
数(Cv)が0<Cv≦1の範囲にあることが必要であ
る。このバラツキ指数の値が6を越え、かつ変動係数
(Cv)の値が1を越えるとオ−プンセルの大きさの均
一性が損なわれ、研磨布として使用した場合被研磨体の
表面精度が低下したり、長期の研磨操作によって研磨性
能が低下したりする傾向があり好ましくない。研磨性能
の長期安定性のためにはバラツキ指数の値は好ましくは
5.5以下、更に好ましくは5以下でありCvの値は好
ましくは0.95、更に好ましくは0.90である。バ
ラツキ指数及び変動係数(Cv)の値は小さいほど好ま
しくその下限は何等限定されない。
【0015】本発明の発泡体に存在する単位体積あたり
の気泡の数(セル密度と呼ぶ。)は少なくとも107 個
/cm3 であり、好ましくは108 個/cm3 である。
気泡の数が多いことは研磨布としての用途において被研
磨体の表面精度を向上させる傾向にあり、またバラツキ
指数や変動係数(Cv)の値を所定の範囲に納め易く、
かつ前述のオ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合を
経時的に安定化させる点で好ましい。この理由は明確で
はないが研磨布が被研磨体の表面に接触する際、該表面
に存在する微小な凹凸部分にできるだけ均一な圧力で接
触することに関係しているのではないかと考えられる。
の気泡の数(セル密度と呼ぶ。)は少なくとも107 個
/cm3 であり、好ましくは108 個/cm3 である。
気泡の数が多いことは研磨布としての用途において被研
磨体の表面精度を向上させる傾向にあり、またバラツキ
指数や変動係数(Cv)の値を所定の範囲に納め易く、
かつ前述のオ−プンセルとクロ−ズドセルの存在割合を
経時的に安定化させる点で好ましい。この理由は明確で
はないが研磨布が被研磨体の表面に接触する際、該表面
に存在する微小な凹凸部分にできるだけ均一な圧力で接
触することに関係しているのではないかと考えられる。
【0016】また、セル密度が大きいことは研磨布表面
に存在しているオ−プンセルの確率割合が高まり、逆に
クロ−ズドセルの存在割合が低下する。すなわち、概念
的にはクロ−ズドセルにおいては研磨時の圧力を面とし
ての気泡壁で受けることになり、オ−プンセルにおいて
は該圧力を線としての気泡壁のカット部で受けることに
なる。また、研磨布全体に負荷されている圧力は微細な
点では不均一な圧力分布を生じ易くなっていると考えら
れるので、均一な圧力分布を保持せしめるためにはセル
密度は高い方が好ましい。しかも、研磨布表面が研磨の
進捗に伴い摩耗して表面が更新される際にオ−プンセル
の存在割合が変動しにくいことが研磨性能の安定性に重
要と考えられる。その意味でもセル密度は高い方が好ま
しい。
に存在しているオ−プンセルの確率割合が高まり、逆に
クロ−ズドセルの存在割合が低下する。すなわち、概念
的にはクロ−ズドセルにおいては研磨時の圧力を面とし
ての気泡壁で受けることになり、オ−プンセルにおいて
は該圧力を線としての気泡壁のカット部で受けることに
なる。また、研磨布全体に負荷されている圧力は微細な
点では不均一な圧力分布を生じ易くなっていると考えら
れるので、均一な圧力分布を保持せしめるためにはセル
密度は高い方が好ましい。しかも、研磨布表面が研磨の
進捗に伴い摩耗して表面が更新される際にオ−プンセル
の存在割合が変動しにくいことが研磨性能の安定性に重
要と考えられる。その意味でもセル密度は高い方が好ま
しい。
【0017】一方、本発明の発泡体を薄いテ−プ状とし
て絶縁テ−プに使用する場合も、セル密度は重要であ
る。何故ならセル密度が低いと気泡が大きくなるため表
面平滑性が低下するし、テ−プ自体の厚みも薄く出来な
いという問題が生じる。セル密度の上限は何等制限され
ない。本発明の発泡体は、テ−バ−摩耗量が25mm3
以上240mm3 以下であり、このテ−バ−摩耗量は研
磨布としての経時的な研磨性能安定性に関係していると
考えられる。
て絶縁テ−プに使用する場合も、セル密度は重要であ
る。何故ならセル密度が低いと気泡が大きくなるため表
面平滑性が低下するし、テ−プ自体の厚みも薄く出来な
いという問題が生じる。セル密度の上限は何等制限され
ない。本発明の発泡体は、テ−バ−摩耗量が25mm3
以上240mm3 以下であり、このテ−バ−摩耗量は研
磨布としての経時的な研磨性能安定性に関係していると
考えられる。
【0018】テ−バ−摩耗量が240mm3 を越えると
あまりにも研磨布が摩耗し易く、研磨初期において研磨
布表面に存在して研磨材を保持しているオ−プンセルが
容易につぶれるためか、いわゆる目詰まりし易く、研磨
速度が低下したり被研磨体の表面精度が保持出来なくな
ったりする。このことは研磨布を使用して研磨布一枚当
たりで処理できるウエハ−の枚数が低下することを意味
し生産性やコストの面から極めて不利である。
あまりにも研磨布が摩耗し易く、研磨初期において研磨
布表面に存在して研磨材を保持しているオ−プンセルが
容易につぶれるためか、いわゆる目詰まりし易く、研磨
速度が低下したり被研磨体の表面精度が保持出来なくな
ったりする。このことは研磨布を使用して研磨布一枚当
たりで処理できるウエハ−の枚数が低下することを意味
し生産性やコストの面から極めて不利である。
【0019】一方、テ−バ−摩耗量が25mm3 未満で
あると研磨布の表面が更新され難く、該表面が被研磨体
の表面形態に馴染んでしまうためか被研磨体の表面精度
が低下してしまう傾向がある。研磨布としての性能を勘
案すれば、テ−バ−摩耗量は好ましくは30mm3 以上
220mm3 以下、更に好ましくは35mm3 以上20
0mm3 以下である。
あると研磨布の表面が更新され難く、該表面が被研磨体
の表面形態に馴染んでしまうためか被研磨体の表面精度
が低下してしまう傾向がある。研磨布としての性能を勘
案すれば、テ−バ−摩耗量は好ましくは30mm3 以上
220mm3 以下、更に好ましくは35mm3 以上20
0mm3 以下である。
【0020】本発明の発泡体は望ましくは硬度が15以
上93以下である。硬度は樹脂の種類、独立気泡率、セ
ル密度等に影響されるものであるが、本発明の発泡体を
研磨布として使用する場合一定の加圧下で使用される。
硬度は研磨布の弾性変形と関係しており、被研磨体表面
に存在する微小な凹凸部分に負荷される圧力分布の面で
重要と考えられる。硬度が93を越えると、硬度が高過
ぎ砥粒の引き掻き作用の緩和が充分でなく、加工面に加
工損傷を発生せしめて好ましくない。硬度が15未満で
あると硬度が低過ぎ研磨布自体の変形量が大きくなり過
ぎ加工面の平面度が低下する。 研磨布としての好まし
い態様を示せば、前述のテーバー摩耗量が25mm3 以
上240mm3 以下で、かつ硬度が15以上93以下の
発泡体である。
上93以下である。硬度は樹脂の種類、独立気泡率、セ
ル密度等に影響されるものであるが、本発明の発泡体を
研磨布として使用する場合一定の加圧下で使用される。
硬度は研磨布の弾性変形と関係しており、被研磨体表面
に存在する微小な凹凸部分に負荷される圧力分布の面で
重要と考えられる。硬度が93を越えると、硬度が高過
ぎ砥粒の引き掻き作用の緩和が充分でなく、加工面に加
工損傷を発生せしめて好ましくない。硬度が15未満で
あると硬度が低過ぎ研磨布自体の変形量が大きくなり過
ぎ加工面の平面度が低下する。 研磨布としての好まし
い態様を示せば、前述のテーバー摩耗量が25mm3 以
上240mm3 以下で、かつ硬度が15以上93以下の
発泡体である。
【0021】本発明の発泡体を薄いテ−プ状として使用
する場合も外力に対して変形し易いため厚みが変動する
などの難点が生じる。種々の用途を勘案すれば本発明の
発泡体の硬度は好ましくは20以上90以下、更に好ま
しくは25以上90以下である。本発明の発泡体は独立
気泡率が40%以上、好ましくは50%以上、更に好ま
しくは60%以上である。独立気泡率は発泡体の硬度、
弾性、弾性回復率などに影響し、研磨布用途においては
研磨に機能する表面の内側において研磨圧力を緩衝する
作用に大きく影響していると考えられる。独立気泡率が
40%未満では研磨圧力が微視的な部位において不均一
になるためか被研磨体の表面精度が低下する傾向にあり
好ましくない。
する場合も外力に対して変形し易いため厚みが変動する
などの難点が生じる。種々の用途を勘案すれば本発明の
発泡体の硬度は好ましくは20以上90以下、更に好ま
しくは25以上90以下である。本発明の発泡体は独立
気泡率が40%以上、好ましくは50%以上、更に好ま
しくは60%以上である。独立気泡率は発泡体の硬度、
弾性、弾性回復率などに影響し、研磨布用途においては
研磨に機能する表面の内側において研磨圧力を緩衝する
作用に大きく影響していると考えられる。独立気泡率が
40%未満では研磨圧力が微視的な部位において不均一
になるためか被研磨体の表面精度が低下する傾向にあり
好ましくない。
【0022】独立気泡率は本発明の発泡体を絶縁テ−プ
として使用する場合においても重要である。すなわち、
特公昭42−13560号公報、特開昭58−1457
35号公報に開示されているポリテトラフルオロエチレ
ンをペ−スト押出しした後カレンダ−ロ−ルにより圧延
し、1軸または2軸に加熱延伸して得られる多孔質テ−
プが絶縁テ−プとして知られているが、該テ−プはその
製法から必然的に完全連通孔構造となっており、そのた
め外力の作用で孔構造が容易に変化し見かけ密度が増大
するため、電気特性、特に誘電率が悪化する傾向にあっ
た。本発明の発泡体は独立気泡を内包しているため外力
によっても見かけ密度が変動し難く誘電率が変化し難い
という利点を有している。
として使用する場合においても重要である。すなわち、
特公昭42−13560号公報、特開昭58−1457
35号公報に開示されているポリテトラフルオロエチレ
ンをペ−スト押出しした後カレンダ−ロ−ルにより圧延
し、1軸または2軸に加熱延伸して得られる多孔質テ−
プが絶縁テ−プとして知られているが、該テ−プはその
製法から必然的に完全連通孔構造となっており、そのた
め外力の作用で孔構造が容易に変化し見かけ密度が増大
するため、電気特性、特に誘電率が悪化する傾向にあっ
た。本発明の発泡体は独立気泡を内包しているため外力
によっても見かけ密度が変動し難く誘電率が変化し難い
という利点を有している。
【0023】本発明の発泡体は表層または内部層に未発
泡層を有していてもよい。研磨布用途においては表層に
未発泡層が存在する場合には該層を除去して使用され
る。またテ−プ状での使用においては表面平滑性の面か
ら表層に未発泡層を有している方が好ましい場合が多
い。未発泡層の厚みは何等限定されない。本発明に用い
られるフッ素系樹脂とは樹脂を構成する少なくとも1モ
ノマ−成分が少なくとも1個のフッ素元素を有する部分
フッ素化樹脂及びパ−フルオロ樹脂を含み、単一モノマ
−からなるポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフ
ルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンやビニル
フルオライド、ビニリデンフルオライド、ジクロロフル
オロエチレン、ビニルクロライド、ビニリデンクロライ
ド、パ−フルオロ−α−オレフィン類(例えばヘキサフ
ルオロプロピレン、パ−フルオロブテン−1、パ−フル
オロペンテン−1、パ−フルオロヘキセン−1等)パ−
フルオロブタジエン、クロロトリフルオロエチレン、ト
リクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、パ−フル
オロアルキルパ−フルオロビニルエ−テル類(例えば、
パ−フルオロメチルパ−フルオロビニルエ−テル、パ−
フルオロエチルパ−フルオロビニルエ−テル、パ−フル
オロプロピルパ−フルオロビニルエ−テル等)、炭素数
1〜6個のアルキルビニルエ−テル、炭素数6〜8個の
アリ−ルビニルエ−テル、炭素数1〜6個のアルキルま
たは炭素数6〜8個のアリ−ルパ−フルオロビニルエ−
テル、エチレン、プロピレン、スチレン等の中から選ば
れた2種以上のモノマ−から得られる共重合フッ素樹脂
である。
泡層を有していてもよい。研磨布用途においては表層に
未発泡層が存在する場合には該層を除去して使用され
る。またテ−プ状での使用においては表面平滑性の面か
ら表層に未発泡層を有している方が好ましい場合が多
い。未発泡層の厚みは何等限定されない。本発明に用い
られるフッ素系樹脂とは樹脂を構成する少なくとも1モ
ノマ−成分が少なくとも1個のフッ素元素を有する部分
フッ素化樹脂及びパ−フルオロ樹脂を含み、単一モノマ
−からなるポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフ
ルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンやビニル
フルオライド、ビニリデンフルオライド、ジクロロフル
オロエチレン、ビニルクロライド、ビニリデンクロライ
ド、パ−フルオロ−α−オレフィン類(例えばヘキサフ
ルオロプロピレン、パ−フルオロブテン−1、パ−フル
オロペンテン−1、パ−フルオロヘキセン−1等)パ−
フルオロブタジエン、クロロトリフルオロエチレン、ト
リクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、パ−フル
オロアルキルパ−フルオロビニルエ−テル類(例えば、
パ−フルオロメチルパ−フルオロビニルエ−テル、パ−
フルオロエチルパ−フルオロビニルエ−テル、パ−フル
オロプロピルパ−フルオロビニルエ−テル等)、炭素数
1〜6個のアルキルビニルエ−テル、炭素数6〜8個の
アリ−ルビニルエ−テル、炭素数1〜6個のアルキルま
たは炭素数6〜8個のアリ−ルパ−フルオロビニルエ−
テル、エチレン、プロピレン、スチレン等の中から選ば
れた2種以上のモノマ−から得られる共重合フッ素樹脂
である。
【0024】本発明に用いられるフッ素系樹脂の代表的
一例を挙げれば、ポリビニリデンフルオライド、ポリビ
ニルフルオライド、ビニリデンフルオライド−テトラフ
ルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パ−フルオロメチルパ−フルオロビニルエ−テル
共重合体、テトラフルオロエチレン−パ−フルオロエチ
ルパ−フルオロビニルエ−テル共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−パ−フルオロプロピルパ−フルオロビニル
エ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−パ−フルオロメチルパ−フルオロビ
ニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン−パ−フルオロエチルパ−フルオ
ロビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン−パ−フルオロプロピルパ−
フルオロビニルエ−テル共重合体等である。
一例を挙げれば、ポリビニリデンフルオライド、ポリビ
ニルフルオライド、ビニリデンフルオライド−テトラフ
ルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パ−フルオロメチルパ−フルオロビニルエ−テル
共重合体、テトラフルオロエチレン−パ−フルオロエチ
ルパ−フルオロビニルエ−テル共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−パ−フルオロプロピルパ−フルオロビニル
エ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン−パ−フルオロメチルパ−フルオロビ
ニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン−パ−フルオロエチルパ−フルオ
ロビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン−パ−フルオロプロピルパ−
フルオロビニルエ−テル共重合体等である。
【0025】発泡適性や経済性、入手の容易さ等を勘案
すれば、好ましくは上述したポリビニリデンフルオライ
ド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフル
オライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テ
ル共重合体類、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体である。更に好ましくは、部分フ
ッ素化樹脂としてポリビニリデンフルオライド、ビニリ
デンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、パ−フルオロ樹脂としてテトラフルオロエチレン−
パ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テル共重
合体類である。
すれば、好ましくは上述したポリビニリデンフルオライ
ド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフル
オライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチ
レン−パ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テ
ル共重合体類、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体である。更に好ましくは、部分フ
ッ素化樹脂としてポリビニリデンフルオライド、ビニリ
デンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、パ−フルオロ樹脂としてテトラフルオロエチレン−
パ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テル共重
合体類である。
【0026】本発明で複数の単量体から構成されるフッ
素系樹脂を用いる場合、単量体成分の構成比は広範囲で
適宜選択される。テトラフルオロエチレンを1構成成分
とする他成分との共重合体においては、テトラフルオロ
エチレン含量の低減により結晶化度は低下する傾向にあ
り非晶質体にすることも可能であるがそれに伴い他成分
の種類によってはコストも増大する場合がある。また、
非晶質体に近づくと耐熱性、耐薬品性が低下する傾向に
ある。従って経済的理由及び物理的性質を勘案すれば結
晶性樹脂を使用することが好ましい。
素系樹脂を用いる場合、単量体成分の構成比は広範囲で
適宜選択される。テトラフルオロエチレンを1構成成分
とする他成分との共重合体においては、テトラフルオロ
エチレン含量の低減により結晶化度は低下する傾向にあ
り非晶質体にすることも可能であるがそれに伴い他成分
の種類によってはコストも増大する場合がある。また、
非晶質体に近づくと耐熱性、耐薬品性が低下する傾向に
ある。従って経済的理由及び物理的性質を勘案すれば結
晶性樹脂を使用することが好ましい。
【0027】本発明の発泡体は用途に応じて特定の厚
み、太さに制御するため、シ−ト、フィルム、チュ−
ブ、繊維状等の発泡体を1軸または2軸方向に延伸して
もよい。この際、気泡形状は延伸倍率に応じて異方性を
示すことになるが、上述した気泡の最大径に関わる数値
範囲、セル密度やテ−バ−摩耗量、独立気泡率を保持す
る限りその延伸倍率は何等限定されない。
み、太さに制御するため、シ−ト、フィルム、チュ−
ブ、繊維状等の発泡体を1軸または2軸方向に延伸して
もよい。この際、気泡形状は延伸倍率に応じて異方性を
示すことになるが、上述した気泡の最大径に関わる数値
範囲、セル密度やテ−バ−摩耗量、独立気泡率を保持す
る限りその延伸倍率は何等限定されない。
【0028】本発明の発泡体は使用されるフッ素系樹脂
に応じて物理発泡剤または化学発泡剤を用いて製造され
る。特に、フッ素系樹脂の中でパ−フルオロ樹脂を使用
して物理発泡剤により本発明の如き微細で均一な気泡を
有し、かつ高いセル密度を持つ発泡体が得られることは
全く予想外のことであった。何故なら、パ−フルオロ樹
脂は極めて耐溶剤性に優れており、従って物理発泡剤を
樹脂中に溶解または分散することは困難と考えられ、発
泡剤として機能させる量を保持せしめることが難しいと
考えられていた。更に、パ−フルオロ樹脂は通常融点が
250℃以上と高いため、樹脂が軟化し発泡に適性な溶
融粘弾性を示す間に発泡剤の逸散が生じたり、また一般
的に言えることであるがフッ素系樹脂のような結晶性樹
脂においては溶融粘弾性の温度依存性が激しく、発泡適
性を有する溶融粘弾性に温度制御することは困難な場合
が多く、架橋構造を有さず高いセル密度を持つ発泡体は
事実上困難と考えられ実質的に適用できるフッ素系樹脂
に限界があった。
に応じて物理発泡剤または化学発泡剤を用いて製造され
る。特に、フッ素系樹脂の中でパ−フルオロ樹脂を使用
して物理発泡剤により本発明の如き微細で均一な気泡を
有し、かつ高いセル密度を持つ発泡体が得られることは
全く予想外のことであった。何故なら、パ−フルオロ樹
脂は極めて耐溶剤性に優れており、従って物理発泡剤を
樹脂中に溶解または分散することは困難と考えられ、発
泡剤として機能させる量を保持せしめることが難しいと
考えられていた。更に、パ−フルオロ樹脂は通常融点が
250℃以上と高いため、樹脂が軟化し発泡に適性な溶
融粘弾性を示す間に発泡剤の逸散が生じたり、また一般
的に言えることであるがフッ素系樹脂のような結晶性樹
脂においては溶融粘弾性の温度依存性が激しく、発泡適
性を有する溶融粘弾性に温度制御することは困難な場合
が多く、架橋構造を有さず高いセル密度を持つ発泡体は
事実上困難と考えられ実質的に適用できるフッ素系樹脂
に限界があった。
【0029】本発明者等は物理発泡剤として種々検討し
た結果、炭素数8個以下でフッ素系樹脂の結晶融解温度
以下の沸点を有するハイドロフルオロカ−ボン及び/ま
たはパ−フルオロカ−ボンを主体とし、必要によりフッ
素系樹脂に対して不活性な無機ガス(以下添加物Aとい
う)及び/または沸点150℃以下で蒸発潜熱7.0k
cal/mole以上を有する化合物(以下添加物Bと
いう)を添加した発泡剤を使用することにより架橋構造
を有さずとも、また無機核剤を使用せずとも高いセル密
度の気泡構造の発泡体が得られることを発見した。
た結果、炭素数8個以下でフッ素系樹脂の結晶融解温度
以下の沸点を有するハイドロフルオロカ−ボン及び/ま
たはパ−フルオロカ−ボンを主体とし、必要によりフッ
素系樹脂に対して不活性な無機ガス(以下添加物Aとい
う)及び/または沸点150℃以下で蒸発潜熱7.0k
cal/mole以上を有する化合物(以下添加物Bと
いう)を添加した発泡剤を使用することにより架橋構造
を有さずとも、また無機核剤を使用せずとも高いセル密
度の気泡構造の発泡体が得られることを発見した。
【0030】ハイドロフルオロカ−ボン及びパ−フルオ
ロカ−ボンの一例を挙げれば、ヘキサフルオロエタン、
ペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、トリフ
ルオロエタン、ジフルオロエタン、フルオロエタン、テ
トラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロ
メタン、フルオロメタン、パ−フルオロシクロブタン、
ヘキサフルオロブタン、パ−フルオロプロパン、パ−フ
ルオロブタン、パ−フルオロペンタン、パ−フルオロヘ
キサン、パ−フルオロヘプタン等であり、それらは単独
または2種以上組み合わせて使用することが出来る。
ロカ−ボンの一例を挙げれば、ヘキサフルオロエタン、
ペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、トリフ
ルオロエタン、ジフルオロエタン、フルオロエタン、テ
トラフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロ
メタン、フルオロメタン、パ−フルオロシクロブタン、
ヘキサフルオロブタン、パ−フルオロプロパン、パ−フ
ルオロブタン、パ−フルオロペンタン、パ−フルオロヘ
キサン、パ−フルオロヘプタン等であり、それらは単独
または2種以上組み合わせて使用することが出来る。
【0031】また、これらを主成分とする他の揮発性有
機化合物、例えばプロパン、ブタン、ペンタンや塩化メ
チル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化エチレンなどと
の混合物として用いてもよい。また、上記のハイドロフ
ルオロカ−ボン、パ−フルオロカ−ボンにフッ素系アル
コ−ルを添加して使用しても良い。該フッ素系アルコ−
ルの一例を挙げれば、トリフルオロエタノ−ル、テトラ
フルオロプロパノ−ル、ペンタフルオロプロパノ−ル等
である。使用される各発泡剤の混合割合は安全性、経済
性、入手のし易さ、フッ素系樹脂の発泡性等を勘案して
適宜選択して使用される。
機化合物、例えばプロパン、ブタン、ペンタンや塩化メ
チル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化エチレンなどと
の混合物として用いてもよい。また、上記のハイドロフ
ルオロカ−ボン、パ−フルオロカ−ボンにフッ素系アル
コ−ルを添加して使用しても良い。該フッ素系アルコ−
ルの一例を挙げれば、トリフルオロエタノ−ル、テトラ
フルオロプロパノ−ル、ペンタフルオロプロパノ−ル等
である。使用される各発泡剤の混合割合は安全性、経済
性、入手のし易さ、フッ素系樹脂の発泡性等を勘案して
適宜選択して使用される。
【0032】上記の物理発泡剤は、必要により添加物A
及び/または添加物Bを添加して使用され、またその方
が高いセル密度や高独立気泡率を得るのに好ましい場合
が多い。添加物Aとしての一例を挙げれば、空気、窒
素、酸素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどであり、
添加物Bとしては水、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プ
ロパノ−ル、i−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、トル
エン、o−キシレン、p−キシレン等である。添加物B
の沸点が150℃を越えたり、蒸発潜熱が7.0kca
l/mole未満であるとフッ素系樹脂の発泡時に蒸発
潜熱が有効に寄与しないためか独立気泡率が低下する傾
向にあり好ましくない。
及び/または添加物Bを添加して使用され、またその方
が高いセル密度や高独立気泡率を得るのに好ましい場合
が多い。添加物Aとしての一例を挙げれば、空気、窒
素、酸素、アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどであり、
添加物Bとしては水、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プ
ロパノ−ル、i−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、トル
エン、o−キシレン、p−キシレン等である。添加物B
の沸点が150℃を越えたり、蒸発潜熱が7.0kca
l/mole未満であるとフッ素系樹脂の発泡時に蒸発
潜熱が有効に寄与しないためか独立気泡率が低下する傾
向にあり好ましくない。
【0033】添加物A及び/または添加物Bが高セル密
度化や高独立気泡率化に有効な理由は明確ではないが、
発泡に際して一種の気泡核として機能したり大きな蒸発
潜熱により発泡時の気泡膜の冷却・固定化に有効に作用
し気泡の融合や連通化を阻止しているのではないかと考
えられる。また、添加物A及び/または添加物Bが樹脂
との相互作用のためか発泡時における発泡温度近傍での
溶融粘弾性の急激な低下をある程度緩和して、樹脂に良
好な発泡適性を賦与しているのではないかと考えられ
る。特に、添加物Bが有効に機能するという事実は驚く
べき発見である。何故なら通常フッ素系樹脂はその特性
として溌水、溌油性を有することが一大特徴と考えられ
ており、上記添加物Bをフッ素系樹脂に適用することは
通常考えられないことであった。本発明者らは物理発泡
剤に上記添加物Bを添加することにより、気泡径の微細
化や高独立気泡率化に有効であることを発見した。
度化や高独立気泡率化に有効な理由は明確ではないが、
発泡に際して一種の気泡核として機能したり大きな蒸発
潜熱により発泡時の気泡膜の冷却・固定化に有効に作用
し気泡の融合や連通化を阻止しているのではないかと考
えられる。また、添加物A及び/または添加物Bが樹脂
との相互作用のためか発泡時における発泡温度近傍での
溶融粘弾性の急激な低下をある程度緩和して、樹脂に良
好な発泡適性を賦与しているのではないかと考えられ
る。特に、添加物Bが有効に機能するという事実は驚く
べき発見である。何故なら通常フッ素系樹脂はその特性
として溌水、溌油性を有することが一大特徴と考えられ
ており、上記添加物Bをフッ素系樹脂に適用することは
通常考えられないことであった。本発明者らは物理発泡
剤に上記添加物Bを添加することにより、気泡径の微細
化や高独立気泡率化に有効であることを発見した。
【0034】添加物A及び添加物Bは気体状または液体
状にて使用される。添加物A及び/または添加物Bは物
理発泡剤をフッ素系樹脂に含浸する前、或いは含浸した
後、または含浸と同時に該樹脂中に導入される。例え
ば、予め気体状または液体状の添加物A及び/または添
加物Bにフッ素系樹脂を曝したり、浸漬したりして所定
量の添加物A及び/または添加物Bをフッ素系樹脂中に
導入した後該樹脂に物理発泡剤を導入するとか、所定量
の添加物A及び/または添加物Bを含む物理発泡剤を使
用して添加物A及び/または添加物Bと物理発泡剤をフ
ッ素系樹脂中に同時に導入するとか、予め物理発泡剤を
含むフッ素系樹脂を気体状または液体状の添加物A及び
/または添加物Bに曝したり、浸漬したりして所定量の
添加物A及び/または添加物Bをフッ素系樹脂中に導入
される。これらのうち、製造工程簡略化の面からは物理
発泡剤の該樹脂中への導入と同時に行うことが好まし
い。
状にて使用される。添加物A及び/または添加物Bは物
理発泡剤をフッ素系樹脂に含浸する前、或いは含浸した
後、または含浸と同時に該樹脂中に導入される。例え
ば、予め気体状または液体状の添加物A及び/または添
加物Bにフッ素系樹脂を曝したり、浸漬したりして所定
量の添加物A及び/または添加物Bをフッ素系樹脂中に
導入した後該樹脂に物理発泡剤を導入するとか、所定量
の添加物A及び/または添加物Bを含む物理発泡剤を使
用して添加物A及び/または添加物Bと物理発泡剤をフ
ッ素系樹脂中に同時に導入するとか、予め物理発泡剤を
含むフッ素系樹脂を気体状または液体状の添加物A及び
/または添加物Bに曝したり、浸漬したりして所定量の
添加物A及び/または添加物Bをフッ素系樹脂中に導入
される。これらのうち、製造工程簡略化の面からは物理
発泡剤の該樹脂中への導入と同時に行うことが好まし
い。
【0035】化学発泡剤としてはその分解温度が使用さ
れるフッ素系樹脂の融点よりも高いものであればよく、
例えばヒドラゾジカルボン酸ジエステル、5−フェニル
テトラゾ−ル、5−フェニルテトラゾ−ル塩、トリヒド
ラジノトリアジン、塩基性炭酸塩、炭酸塩などが使用さ
れる。上記発泡剤の中で、揮発性の物理発泡剤がフッ素
系樹脂への均一分散が容易で、気泡径も小さくなる傾向
にあり発泡後の分解残渣が残らないため発泡体に不純物
を含有しないという点で好ましい。
れるフッ素系樹脂の融点よりも高いものであればよく、
例えばヒドラゾジカルボン酸ジエステル、5−フェニル
テトラゾ−ル、5−フェニルテトラゾ−ル塩、トリヒド
ラジノトリアジン、塩基性炭酸塩、炭酸塩などが使用さ
れる。上記発泡剤の中で、揮発性の物理発泡剤がフッ素
系樹脂への均一分散が容易で、気泡径も小さくなる傾向
にあり発泡後の分解残渣が残らないため発泡体に不純物
を含有しないという点で好ましい。
【0036】本発明の発泡体は上述の発泡剤を使用して
種々の方法により製造される。物理発泡剤を使用する場
合の方法を例示すれば、耐圧容器内にシ−ト状、フィル
ム状、繊維状、チュ−ブ状、パイプ状等に成形された樹
脂や射出、ブロ−または圧縮成形による樹脂成形品を入
れ気体状または液体状の該発泡剤を注入し、密閉加圧下
で加熱して樹脂に発泡剤を含浸せしめた後、加熱発泡す
る含浸発泡方法、押出成形機の出口側に設けられた注入
装置から溶融した樹脂に該発泡剤を圧入して冷却しなが
ら押出成形する押出発泡方法等が適宜用いられる。高セ
ル密度や発泡シ−ト、発泡フィルムの表面平担性を考慮
すると含浸発泡方法が好ましい。
種々の方法により製造される。物理発泡剤を使用する場
合の方法を例示すれば、耐圧容器内にシ−ト状、フィル
ム状、繊維状、チュ−ブ状、パイプ状等に成形された樹
脂や射出、ブロ−または圧縮成形による樹脂成形品を入
れ気体状または液体状の該発泡剤を注入し、密閉加圧下
で加熱して樹脂に発泡剤を含浸せしめた後、加熱発泡す
る含浸発泡方法、押出成形機の出口側に設けられた注入
装置から溶融した樹脂に該発泡剤を圧入して冷却しなが
ら押出成形する押出発泡方法等が適宜用いられる。高セ
ル密度や発泡シ−ト、発泡フィルムの表面平担性を考慮
すると含浸発泡方法が好ましい。
【0037】前述の添加物A及び/または添加物Bを併
用する場合には、特に含浸発泡方法に好適である。添加
物A及び/または添加物Bの種類や樹脂に導入する量
は、樹脂及び物理発泡剤の種類、樹脂の物理発泡剤及び
該添加物の保持性、発泡時のセル密度、独立気泡率を勘
案して適宜選択される。元来、添加物Bはフッ素系樹脂
及び本発明で使用される物理発泡剤に対する親和性が低
いため該樹脂に含浸される量は多くなく、フッ素系樹脂
の種類によってもその最適量は変動するものであるが、
それでも本発明の発泡体を得るに適当な量として通常フ
ッ素系樹脂に対して少なくとも300ppm、好ましく
は400ppm、更に好ましくは500ppm使用され
る。その一例として、図2にフッ素樹脂中の添加物Bと
しての水の含水量とセル密度との関係を示している。そ
の上限は物理発泡剤を樹脂に含浸する際の該発泡剤中へ
の飽和溶解度や得られる発泡体のセル密度、独立気泡率
の状態を見ながら適宜決定される。
用する場合には、特に含浸発泡方法に好適である。添加
物A及び/または添加物Bの種類や樹脂に導入する量
は、樹脂及び物理発泡剤の種類、樹脂の物理発泡剤及び
該添加物の保持性、発泡時のセル密度、独立気泡率を勘
案して適宜選択される。元来、添加物Bはフッ素系樹脂
及び本発明で使用される物理発泡剤に対する親和性が低
いため該樹脂に含浸される量は多くなく、フッ素系樹脂
の種類によってもその最適量は変動するものであるが、
それでも本発明の発泡体を得るに適当な量として通常フ
ッ素系樹脂に対して少なくとも300ppm、好ましく
は400ppm、更に好ましくは500ppm使用され
る。その一例として、図2にフッ素樹脂中の添加物Bと
しての水の含水量とセル密度との関係を示している。そ
の上限は物理発泡剤を樹脂に含浸する際の該発泡剤中へ
の飽和溶解度や得られる発泡体のセル密度、独立気泡率
の状態を見ながら適宜決定される。
【0038】含浸発泡方法で樹脂に含浸する物理発泡剤
の量や押出発泡方法で溶融樹脂に注入する物理発泡剤の
量は樹脂のセル密度、独立気泡率などを考慮し適宜選択
される。含浸発泡方法で物理発泡剤を樹脂に含浸する温
度は該発泡剤の物理諸特性及び発泡に必要な適正量を考
慮して決められる。物理発泡剤の含浸量は温度、時間、
該発泡剤と樹脂の親和性により決まるものであり、少な
くとも樹脂100重量部に対して1重量部を必要とす
る。また樹脂の形状保持の観点から含浸温度は樹脂の融
点以下に設定され、通常20〜300℃、好ましくは2
5〜250℃更に好ましくは30〜200℃が適用され
る。
の量や押出発泡方法で溶融樹脂に注入する物理発泡剤の
量は樹脂のセル密度、独立気泡率などを考慮し適宜選択
される。含浸発泡方法で物理発泡剤を樹脂に含浸する温
度は該発泡剤の物理諸特性及び発泡に必要な適正量を考
慮して決められる。物理発泡剤の含浸量は温度、時間、
該発泡剤と樹脂の親和性により決まるものであり、少な
くとも樹脂100重量部に対して1重量部を必要とす
る。また樹脂の形状保持の観点から含浸温度は樹脂の融
点以下に設定され、通常20〜300℃、好ましくは2
5〜250℃更に好ましくは30〜200℃が適用され
る。
【0039】含浸時間はセル密度に著しく影響するので
該時間の設定は極めて重要である。すなわち、所定の含
浸温度において平衡含浸量に到達する時間に加えて、少
なくとも5時間、好ましくは7時間、更に好ましくは1
0時間で設定される。平衡含浸量に到達する時間以前ま
たは到達直後での発泡はセル密度が低く好ましくない。
この原因は明確でないが、平衡含浸量に到達後一定時間
経過する間に樹脂の分子鎖の再配列が生じる結果、最適
な気泡核が形成されるためではないかと考えられる。
該時間の設定は極めて重要である。すなわち、所定の含
浸温度において平衡含浸量に到達する時間に加えて、少
なくとも5時間、好ましくは7時間、更に好ましくは1
0時間で設定される。平衡含浸量に到達する時間以前ま
たは到達直後での発泡はセル密度が低く好ましくない。
この原因は明確でないが、平衡含浸量に到達後一定時間
経過する間に樹脂の分子鎖の再配列が生じる結果、最適
な気泡核が形成されるためではないかと考えられる。
【0040】含浸発泡方法において物理発泡剤が含浸さ
れた樹脂の加熱温度及び時間は、該発泡剤の種類、発泡
体のセル密度、硬度、発泡体の所望する独立気泡率など
を勘案して適宜選択されるが通常樹脂の融点より高い温
度が適用され、好ましくは融点より10℃高い温度であ
り、時間は1秒から120秒が適用される。化学発泡剤
を使用する場合の方法の一例を示せば、化学発泡剤とフ
ッ素系樹脂とを該樹脂の溶融温度以上発泡剤の分解温度
以下で溶融混練し、該混練物をシ−ト状、フィルム状、
繊維状等に成形した後発泡剤の分解温度以上に加熱する
方法が好ましい。
れた樹脂の加熱温度及び時間は、該発泡剤の種類、発泡
体のセル密度、硬度、発泡体の所望する独立気泡率など
を勘案して適宜選択されるが通常樹脂の融点より高い温
度が適用され、好ましくは融点より10℃高い温度であ
り、時間は1秒から120秒が適用される。化学発泡剤
を使用する場合の方法の一例を示せば、化学発泡剤とフ
ッ素系樹脂とを該樹脂の溶融温度以上発泡剤の分解温度
以下で溶融混練し、該混練物をシ−ト状、フィルム状、
繊維状等に成形した後発泡剤の分解温度以上に加熱する
方法が好ましい。
【0041】上述で例示した発泡方法により発泡体のテ
−バ−摩耗量や硬度が所定の値に達しない場合は、該発
泡体に再度物理発泡剤を含浸して加熱発泡することがで
きる。この際使用される物理発泡剤は、上述した物理発
泡剤や添加物Aがそれぞれ単独または混合して使用され
る。発泡剤の種類、発泡剤の含浸量は再発泡させた発泡
体のテ−バ−摩耗量、硬度、セル密度、独立気泡率を勘
案して決定される。再発泡時の加熱温度、加熱時間は通
常上述した含浸発泡の条件から選択して適用される。
−バ−摩耗量や硬度が所定の値に達しない場合は、該発
泡体に再度物理発泡剤を含浸して加熱発泡することがで
きる。この際使用される物理発泡剤は、上述した物理発
泡剤や添加物Aがそれぞれ単独または混合して使用され
る。発泡剤の種類、発泡剤の含浸量は再発泡させた発泡
体のテ−バ−摩耗量、硬度、セル密度、独立気泡率を勘
案して決定される。再発泡時の加熱温度、加熱時間は通
常上述した含浸発泡の条件から選択して適用される。
【0042】
【実施例】実施例における各測定値は次のようにして求
めた。 バラツキ指数及び変動係数の測定 発泡体の任意の箇所をスライスして、その切断面を走差
型電子顕微鏡で50倍から150倍の範囲で拡大した写
真を撮る。該写真から任意の箇所で約0.04mm2 の
視野を設定し、画像処理装置にかける。画像処理装置は
日本アビオニクス(株)製Color Image P
rocessorSPICCA−IIを用いた。画像処
理から個々のオ−プンセルの最大径を測定し、該視野に
存在する開放された気泡(オ−プンセル)の中から気泡
の最大径の最大値LMax.、その最小値LMin.、及びその
平均値Lav.からバラツキ指数:{(LMax.−LMin.)
/Lav. }及び変動係数:(C0)を算出した。
めた。 バラツキ指数及び変動係数の測定 発泡体の任意の箇所をスライスして、その切断面を走差
型電子顕微鏡で50倍から150倍の範囲で拡大した写
真を撮る。該写真から任意の箇所で約0.04mm2 の
視野を設定し、画像処理装置にかける。画像処理装置は
日本アビオニクス(株)製Color Image P
rocessorSPICCA−IIを用いた。画像処
理から個々のオ−プンセルの最大径を測定し、該視野に
存在する開放された気泡(オ−プンセル)の中から気泡
の最大径の最大値LMax.、その最小値LMin.、及びその
平均値Lav.からバラツキ指数:{(LMax.−LMin.)
/Lav. }及び変動係数:(C0)を算出した。
【0043】セル密度 発泡体の任意の箇所をスライスして、その切断面を走差
型電子顕微鏡で50倍から150倍の範囲で拡大した写
真を撮る。該写真から任意の箇所で400μm×400
μmの視野を設定し、該視野に存在する気泡の個数
(M)を数える。Mから下式に従いセル密度を算出す
る。
型電子顕微鏡で50倍から150倍の範囲で拡大した写
真を撮る。該写真から任意の箇所で400μm×400
μmの視野を設定し、該視野に存在する気泡の個数
(M)を数える。Mから下式に従いセル密度を算出す
る。
【0044】セル密度(個/cm3 )={(M)1/2 ×
10000/400}3 ×発泡倍率 テ−バ−摩耗量 厚み約1mmの試験片を使用してJIS K7204に
記載の方法に従い、試験片に加える加重を1000gと
し,回転数1000回での摩耗質量を測定し、該質量を
樹脂の密度で除して摩耗量とする。
10000/400}3 ×発泡倍率 テ−バ−摩耗量 厚み約1mmの試験片を使用してJIS K7204に
記載の方法に従い、試験片に加える加重を1000gと
し,回転数1000回での摩耗質量を測定し、該質量を
樹脂の密度で除して摩耗量とする。
【0045】発泡倍率 次式により算出した。 発泡倍率={樹脂密度(g/cm3 )}/{発泡体密度
(g/cm3 )} 独立気泡率 ASTM D 2856に記載のエアピクノメ−タ−法
による連続気泡率の差分として計算した。
(g/cm3 )} 独立気泡率 ASTM D 2856に記載のエアピクノメ−タ−法
による連続気泡率の差分として計算した。
【0046】硬度 日本ゴム協会標準規格 SRIS 0101に従い高分
子計器(株)製ASKER Type Cを使用して測
定した。 研磨特性評価 前加工として平均粒径が5μmのアルミナ砥粒を使用し
てラッピングした直径50mm、厚さ450μmのGa
As単結晶ウエハ−を、図1に示す研磨装置を用い研磨
し、その時のウエハ−表面の品質から研磨特性を評価し
た。
子計器(株)製ASKER Type Cを使用して測
定した。 研磨特性評価 前加工として平均粒径が5μmのアルミナ砥粒を使用し
てラッピングした直径50mm、厚さ450μmのGa
As単結晶ウエハ−を、図1に示す研磨装置を用い研磨
し、その時のウエハ−表面の品質から研磨特性を評価し
た。
【0047】研磨装置は相対抗して回転する上下2枚の
プレ−ト1、3からなり、上記GaAs単結晶ウエハ−
5と直径300mm、厚さ1.0mmの研磨布6を貼り
付け、両プレ−ト間に80g/cm2 の圧力を加え、上
下プレ−トをそれぞれ毎分120回転で回転させ、研磨
液として2%のBr2 のメタノール溶液を点滴装置7か
ら毎分10ccの割合で滴下しながら1枚のウエハ−に
ついて1時間研磨を行った。
プレ−ト1、3からなり、上記GaAs単結晶ウエハ−
5と直径300mm、厚さ1.0mmの研磨布6を貼り
付け、両プレ−ト間に80g/cm2 の圧力を加え、上
下プレ−トをそれぞれ毎分120回転で回転させ、研磨
液として2%のBr2 のメタノール溶液を点滴装置7か
ら毎分10ccの割合で滴下しながら1枚のウエハ−に
ついて1時間研磨を行った。
【0048】この操作を繰り返し合計24枚のウエハ−
を研磨後、最後のウエハ−表面を直視または拡大観察に
より研磨表面の品質評価を行った。評価判定の基準は下
記とした。 表面平滑性優良、スクラッチ傷なし :◎ 表面平滑性良、 スクラッチ傷なし :○ 表面平滑性不良またはスクラッチ傷あり:× 誘電率測定 横河ヒュ−レッドパッカ−社製YHP−4192Aを使
用して、周波数1メガヘルツにて測定した。
を研磨後、最後のウエハ−表面を直視または拡大観察に
より研磨表面の品質評価を行った。評価判定の基準は下
記とした。 表面平滑性優良、スクラッチ傷なし :◎ 表面平滑性良、 スクラッチ傷なし :○ 表面平滑性不良またはスクラッチ傷あり:× 誘電率測定 横河ヒュ−レッドパッカ−社製YHP−4192Aを使
用して、周波数1メガヘルツにて測定した。
【0049】樹脂のリサイクル性評価 発泡体を樹脂の融点よりも60〜80℃高い温度にて加
熱溶融させてプレス製膜し、その時の溶融均一性及び着
色度合いにより評価する。評価判定の基準は下記とし
た。 発泡前の原反シ−トと同等の溶融均一性及び着色なし:
◎ 発泡前の原反シ−トに比較し溶融不均一及び着色あり:
×
熱溶融させてプレス製膜し、その時の溶融均一性及び着
色度合いにより評価する。評価判定の基準は下記とし
た。 発泡前の原反シ−トと同等の溶融均一性及び着色なし:
◎ 発泡前の原反シ−トに比較し溶融不均一及び着色あり:
×
【0050】
【実施例1】フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合樹脂(密度1.76g/cm3 、融点150
℃)を使用し、ホットプレスを用いて厚み1.1mmの
シ−トを作成した。該シ−ト100重量部を耐圧容器に
入れた後、テトラフルオロエタンを該耐圧容器に圧入
し、該シ−トがテトラフルオロエタンの液相に浸漬出来
るようにした。
レン共重合樹脂(密度1.76g/cm3 、融点150
℃)を使用し、ホットプレスを用いて厚み1.1mmの
シ−トを作成した。該シ−ト100重量部を耐圧容器に
入れた後、テトラフルオロエタンを該耐圧容器に圧入
し、該シ−トがテトラフルオロエタンの液相に浸漬出来
るようにした。
【0051】該耐圧容器を40℃の恒温水槽に入れ、6
4時間保持した後、該シ−トを該耐圧容器より取り出し
重量測定によりテトラフルオロエタンの含浸量を計算し
たところ7.5重量部であり、また該シ−ト中の水分は
120ppmであった(原シ−トと呼ぶ)。該原シ−ト
を30℃、相対湿度95%の雰囲気に曝し26時間放置
したところ、テトラフルオロエタンの含浸量は4.5重
量部に減少し水分は480ppmであった。
4時間保持した後、該シ−トを該耐圧容器より取り出し
重量測定によりテトラフルオロエタンの含浸量を計算し
たところ7.5重量部であり、また該シ−ト中の水分は
120ppmであった(原シ−トと呼ぶ)。該原シ−ト
を30℃、相対湿度95%の雰囲気に曝し26時間放置
したところ、テトラフルオロエタンの含浸量は4.5重
量部に減少し水分は480ppmであった。
【0052】該含浸シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた
温度190℃の加熱炉中に15秒保持した。該シ−トは
発泡しており、その密度は0.14g/cm3 であり、
発泡倍率は12.5倍であった。また独立気泡率は90
%であり、その断面を走差型電子顕微鏡にて観察し、気
泡の最大径のバラツキ指数、該最大径の変動係数、セル
密度を測定したところ、それぞれ3.0、0.81、
5.7×109 個/cm3 であった。
温度190℃の加熱炉中に15秒保持した。該シ−トは
発泡しており、その密度は0.14g/cm3 であり、
発泡倍率は12.5倍であった。また独立気泡率は90
%であり、その断面を走差型電子顕微鏡にて観察し、気
泡の最大径のバラツキ指数、該最大径の変動係数、セル
密度を測定したところ、それぞれ3.0、0.81、
5.7×109 個/cm3 であった。
【0053】得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
た。
【0054】
【実施例2】実施例1で使用した原シ−トを15℃、相
対湿度95%の雰囲気に曝し48時間放置したところテ
トラフルオロエタンの含浸量は5.2重量部に減少し水
分は310ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ
−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発
泡させた。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
対湿度95%の雰囲気に曝し48時間放置したところテ
トラフルオロエタンの含浸量は5.2重量部に減少し水
分は310ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ
−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発
泡させた。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
【0055】
【実施例3】実施例1で使用した原シ−トを30℃、相
対湿度95%の雰囲気に曝し120時間放置したところ
テトラフルオロエタンの含浸量は3.1重量部に減少し
水分は490ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−
タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、
発泡させた。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
対湿度95%の雰囲気に曝し120時間放置したところ
テトラフルオロエタンの含浸量は3.1重量部に減少し
水分は490ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−
タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、
発泡させた。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
【0056】
【比較例1】実施例1で使用した原シ−トを30℃、相
対湿度50%の雰囲気に曝し24時間放置したところテ
トラフルオロエタンの含浸量は5.5重量部に減少し水
分は140ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ
−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発
泡させた。該発泡体の気泡径が比較的大きいため、走差
型顕微鏡写真での視野を大きく設定してバラツキ指数及
び変動係数等を測定した。得られた発泡シ−トの特性を
表1にまとめた。
対湿度50%の雰囲気に曝し24時間放置したところテ
トラフルオロエタンの含浸量は5.5重量部に減少し水
分は140ppmであった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ
−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発
泡させた。該発泡体の気泡径が比較的大きいため、走差
型顕微鏡写真での視野を大きく設定してバラツキ指数及
び変動係数等を測定した。得られた発泡シ−トの特性を
表1にまとめた。
【0057】
【比較例2】実施例1で使用した原シ−トを遠赤外ヒ−
タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、
発泡させた。該発泡体は巨大気泡からなっているため、
走差型顕微鏡写真での視野を大きく設定してバラツキ指
数及び変動係数等を測定した。得られた発泡シ−トの特
性を表1にまとめた。
タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、
発泡させた。該発泡体は巨大気泡からなっているため、
走差型顕微鏡写真での視野を大きく設定してバラツキ指
数及び変動係数等を測定した。得られた発泡シ−トの特
性を表1にまとめた。
【0058】
【比較例3】実施例1で使用した厚み1.1mmのシ−
トを使用して、該シ−トを耐圧容器に入れた後、テトラ
フルオロエタンを該容器に圧入し該シ−トがテトラフル
オロエタンの液相に浸漬出来るようにした。該容器を7
0℃の恒温水槽に入れ、48時間保持した後、該容器か
らテトラフルオロエタンを完全に抜き取り窒素ガスを圧
入し26kg/cm2 の圧力下で30℃、48時間放置
したところテトラフルオロエタンの含浸量は3.9重量
部で水分は100ppmであった。
トを使用して、該シ−トを耐圧容器に入れた後、テトラ
フルオロエタンを該容器に圧入し該シ−トがテトラフル
オロエタンの液相に浸漬出来るようにした。該容器を7
0℃の恒温水槽に入れ、48時間保持した後、該容器か
らテトラフルオロエタンを完全に抜き取り窒素ガスを圧
入し26kg/cm2 の圧力下で30℃、48時間放置
したところテトラフルオロエタンの含浸量は3.9重量
部で水分は100ppmであった。
【0059】該シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた温度
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
【0060】
【比較例4】実施例1で使用した厚み1.1mmのシ−
トを使用して、500kVの電子線照射装置で20Mr
adの吸収線量に相当する電子線をシ−トの両面に照射
した。該シ−トからは酸性ガスの発生が認められた。該
シ−トをジクロロジフルオロメタンに耐圧容器内にて浸
漬し、75℃、100時間保持した後耐圧容器から取り
出した。
トを使用して、500kVの電子線照射装置で20Mr
adの吸収線量に相当する電子線をシ−トの両面に照射
した。該シ−トからは酸性ガスの発生が認められた。該
シ−トをジクロロジフルオロメタンに耐圧容器内にて浸
漬し、75℃、100時間保持した後耐圧容器から取り
出した。
【0061】該シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた温度
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。該発泡シ−ト
を細かく切断し、再度熱プレスによる溶融製膜を試みた
が樹脂が褐変し均一な溶融シ−トが得られなかった。
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。該発泡シ−ト
を細かく切断し、再度熱プレスによる溶融製膜を試みた
が樹脂が褐変し均一な溶融シ−トが得られなかった。
【0062】
【実施例4】実施例1で使用した原シ−トを50℃の温
水に浸漬して29時間保持した後、表面に付着している
水分を拭い去ってテトラフルオロエタンの含浸量を測定
したところ3.3重量部であり、含水量は910ppm
であった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた温度1
90℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得られ
た発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
水に浸漬して29時間保持した後、表面に付着している
水分を拭い去ってテトラフルオロエタンの含浸量を測定
したところ3.3重量部であり、含水量は910ppm
であった。該シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた温度1
90℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得られ
た発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
【0063】
【実施例5】実施例1で使用したフッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合樹脂をホットプレスを用
い、厚み0.2mmのシ−トを作製した。該シ−ト10
0重量部を耐圧容器に入れた後、テトラフルオロエタン
を該容器に圧入し該シ−トがテトラフルオロエタンの液
相に浸漬出来るようにした。
キサフルオロプロピレン共重合樹脂をホットプレスを用
い、厚み0.2mmのシ−トを作製した。該シ−ト10
0重量部を耐圧容器に入れた後、テトラフルオロエタン
を該容器に圧入し該シ−トがテトラフルオロエタンの液
相に浸漬出来るようにした。
【0064】該耐圧容器を70℃の恒温水槽に入れて2
4時間保持した後、該シ−トを該容器から取り出して、
6℃、相対湿度95%の雰囲気に曝し、26時間放置し
たところ、テトラフルオロエタンの含浸量は3.7重量
部で水分は400ppmであった。該シ−トを、遠赤外
ヒ−タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持
し、発泡させた。得られた発泡シ−トの倍率は6.4
倍、独立気泡率は93%であった。該シ−トの誘電率は
1.4であり発泡前のシ−トの誘電率7.7に比較して
著しく低下していた。得られた発泡シ−トの特性を表1
にまとめた。
4時間保持した後、該シ−トを該容器から取り出して、
6℃、相対湿度95%の雰囲気に曝し、26時間放置し
たところ、テトラフルオロエタンの含浸量は3.7重量
部で水分は400ppmであった。該シ−トを、遠赤外
ヒ−タ−を備えた温度190℃の加熱炉中に15秒保持
し、発泡させた。得られた発泡シ−トの倍率は6.4
倍、独立気泡率は93%であった。該シ−トの誘電率は
1.4であり発泡前のシ−トの誘電率7.7に比較して
著しく低下していた。得られた発泡シ−トの特性を表1
にまとめた。
【0065】
【比較例5】実施例5で使用した厚み0.2mmのシー
ト100重量部を耐圧容器に入れ、飽和含水したテトラ
フルオロエタンを該容器に圧入して該シ−トを浸漬し
た。該容器を70℃の恒温水槽に入れ、24時間保持し
た。その後該容器から該シートを取り出し、遠赤外ヒー
ターを備えた温度200℃の加熱炉中に25秒保持して
発泡させた。
ト100重量部を耐圧容器に入れ、飽和含水したテトラ
フルオロエタンを該容器に圧入して該シ−トを浸漬し
た。該容器を70℃の恒温水槽に入れ、24時間保持し
た。その後該容器から該シートを取り出し、遠赤外ヒー
ターを備えた温度200℃の加熱炉中に25秒保持して
発泡させた。
【0066】得られた発泡シートの発泡倍率は7.5倍
で独立気泡率は35%であった。発泡前のテトラフルオ
ロエタンの含漬量は8重量部で水分は700ppmであ
った。また、該発泡シートの誘電率は1.3であり、発
泡前のシートの誘電率7.7に比較して著しく低下して
いた。得られた発泡シートの特性を表1にまとめた。該
発泡シートを25℃の雰囲気下、2Kg/cm2 の圧力
でプレスし、10時間保持した後、圧力を開放し、5時
間放置した。該シートの誘電率は2.8と著しく上昇し
ており、外力による誘電率の変化が顕著であった。
で独立気泡率は35%であった。発泡前のテトラフルオ
ロエタンの含漬量は8重量部で水分は700ppmであ
った。また、該発泡シートの誘電率は1.3であり、発
泡前のシートの誘電率7.7に比較して著しく低下して
いた。得られた発泡シートの特性を表1にまとめた。該
発泡シートを25℃の雰囲気下、2Kg/cm2 の圧力
でプレスし、10時間保持した後、圧力を開放し、5時
間放置した。該シートの誘電率は2.8と著しく上昇し
ており、外力による誘電率の変化が顕著であった。
【0067】一方、実施例5で得られた発泡シートを、
同様に25℃の雰囲気下、2Kg/cm2 の圧力でプレ
スし、10時間保持した後、圧力を開放し、5時間放置
した。該シートの誘電率は1.5であり、殆ど変化しな
かった。
同様に25℃の雰囲気下、2Kg/cm2 の圧力でプレ
スし、10時間保持した後、圧力を開放し、5時間放置
した。該シートの誘電率は1.5であり、殆ど変化しな
かった。
【0068】
【実施例6】実施例5で得られたテトラフルオロエタン
を含浸したシ−トを耐圧容器に入れ、窒素ガスを圧力1
0kg/cm2 で圧入し室温で24時間保持した。該シ
−トを耐圧容器から取り出し、遠赤外ヒ−タ−を備えた
温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。
得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
を含浸したシ−トを耐圧容器に入れ、窒素ガスを圧力1
0kg/cm2 で圧入し室温で24時間保持した。該シ
−トを耐圧容器から取り出し、遠赤外ヒ−タ−を備えた
温度190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。
得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
【0069】
【実施例7】実施例5で使用した厚み0.2mmのシ−
ト100重量部を耐圧容器に入れ、メタノ−ルを含有す
るテトラフルオロエタンに浸漬し、40℃、64時間保
持した後、該シ−トを該耐圧容器より取り出し30℃、
48時間放置したところ、テトラフルオロエタンの含浸
量は4.0重量部で、メタノ−ルは600ppmであっ
た。
ト100重量部を耐圧容器に入れ、メタノ−ルを含有す
るテトラフルオロエタンに浸漬し、40℃、64時間保
持した後、該シ−トを該耐圧容器より取り出し30℃、
48時間放置したところ、テトラフルオロエタンの含浸
量は4.0重量部で、メタノ−ルは600ppmであっ
た。
【0070】該シ−トを、遠赤外ヒ−タ−を備えた温度
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
190℃の加熱炉中に15秒保持し、発泡させた。得ら
れた発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
【0071】
【実施例8】テトラフルオロエチレンとパ−フルオロア
ルキルパ−フルオロビニルエ−テルの共重合体(ダイキ
ン製、ネオフロンPFA、密度2.15g/cm3 、融
点308℃)を使用して、ホットプレスを用い、厚み1
mmのシ−トを作成した。該シ−ト100重量部を耐圧
容器に入れた後、水分含有のパ−フルオロペンタンに浸
漬し70℃、50時間保持した。該耐圧容器からシ−ト
を取り出し、重量を測定してパ−フルオロペンタンの含
浸量を計算したところ6.4重量部で水分は300pp
mであった。
ルキルパ−フルオロビニルエ−テルの共重合体(ダイキ
ン製、ネオフロンPFA、密度2.15g/cm3 、融
点308℃)を使用して、ホットプレスを用い、厚み1
mmのシ−トを作成した。該シ−ト100重量部を耐圧
容器に入れた後、水分含有のパ−フルオロペンタンに浸
漬し70℃、50時間保持した。該耐圧容器からシ−ト
を取り出し、重量を測定してパ−フルオロペンタンの含
浸量を計算したところ6.4重量部で水分は300pp
mであった。
【0072】該シ−トを遠赤外ヒ−タ−を備えた加熱炉
中で400℃、35秒加熱したところ、発泡倍率5.9
倍の発泡シ−トが得られた。また、独立気泡率は72%
であった。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。該発泡シ−トを細かく切断し、再度熱プレスによる
溶融製膜を試みたところ無色、半透明の均一な溶融シ−
トが得られた。
中で400℃、35秒加熱したところ、発泡倍率5.9
倍の発泡シ−トが得られた。また、独立気泡率は72%
であった。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。該発泡シ−トを細かく切断し、再度熱プレスによる
溶融製膜を試みたところ無色、半透明の均一な溶融シ−
トが得られた。
【0073】
【実施例9】実施例8のシ−トを使用し、耐圧容器中で
水分含有のパ−フルオロヘキサンに浸漬し、70℃、2
4時間保持した。その後該シ−トを真空乾燥し再度パ−
フルオロヘキサンとペンタフルオロプロパノ−ルの混合
物(重量比3:7)に70℃、24時間含浸したところ
含浸量は5.2重量部であった。
水分含有のパ−フルオロヘキサンに浸漬し、70℃、2
4時間保持した。その後該シ−トを真空乾燥し再度パ−
フルオロヘキサンとペンタフルオロプロパノ−ルの混合
物(重量比3:7)に70℃、24時間含浸したところ
含浸量は5.2重量部であった。
【0074】該シ−トを遠赤外ヒ−タ−を備えた加熱炉
中で400℃、35秒加熱し発泡させたところ発泡倍率
6.2倍の発泡シ−トが得られた。独立気泡率は65%
であった。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
中で400℃、35秒加熱し発泡させたところ発泡倍率
6.2倍の発泡シ−トが得られた。独立気泡率は65%
であった。得られた発泡シ−トの特性を表1にまとめ
た。
【0075】
【実施例10】実施例8で使用したテトラフルオロエチ
レンとパ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テ
ルの共重合体樹脂を使用して厚み0.2mmのシ−トを
得た。該シ−トを使用して実施例9と同様な操作により
発泡シ−トが得られた。該シ−トの誘電率は1.1であ
り、発泡前のシ−トの誘電率2.1に比較して著しく低
下していた。該発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
レンとパ−フルオロアルキルパ−フルオロビニルエ−テ
ルの共重合体樹脂を使用して厚み0.2mmのシ−トを
得た。該シ−トを使用して実施例9と同様な操作により
発泡シ−トが得られた。該シ−トの誘電率は1.1であ
り、発泡前のシ−トの誘電率2.1に比較して著しく低
下していた。該発泡シ−トの特性を表1にまとめた。
【0076】
【実施例11】実施例10のシ−トを用いて水分含有の
パ−フルオロヘキサンに150℃で24時間浸漬した。
その後、30℃、相対湿度95%の雰囲気に48時間曝
した。パ−フルオロヘキサンの含浸量は7.0重量部で
あり、水分は280ppmであった。
パ−フルオロヘキサンに150℃で24時間浸漬した。
その後、30℃、相対湿度95%の雰囲気に48時間曝
した。パ−フルオロヘキサンの含浸量は7.0重量部で
あり、水分は280ppmであった。
【0077】該シ−トを遠赤外ヒ−タ−を備えた加熱炉
中で400℃、35秒加熱し発泡させたところ、発泡シ
−トの発泡倍率は16.9倍であり、誘電率は1.1で
あった。
中で400℃、35秒加熱し発泡させたところ、発泡シ
−トの発泡倍率は16.9倍であり、誘電率は1.1で
あった。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂発泡体は任意の切断
面におけるオ−プンセルの最大径が極めて均一であり、
かつセル密度が高く適度なテ−バ−摩耗量と硬度を有し
ているため研磨布として使用したときに長時間安定した
研磨性能を発揮する。また、セル密度が高く、独立気泡
率が高いという特徴により厚みの薄いテ−プ状への加工
が可能であり、絶縁テ−プとしてだけでなく広範な用途
に極めて有用である。
面におけるオ−プンセルの最大径が極めて均一であり、
かつセル密度が高く適度なテ−バ−摩耗量と硬度を有し
ているため研磨布として使用したときに長時間安定した
研磨性能を発揮する。また、セル密度が高く、独立気泡
率が高いという特徴により厚みの薄いテ−プ状への加工
が可能であり、絶縁テ−プとしてだけでなく広範な用途
に極めて有用である。
【0080】しかも、本発明の発泡体は架橋構造を有し
ないため再度溶融加工でき、製造工程内での樹脂のリサ
イクル、製品の粗原料樹脂へのリサイクルという観点か
らも環境負荷の低い発泡体である。
ないため再度溶融加工でき、製造工程内での樹脂のリサ
イクル、製品の粗原料樹脂へのリサイクルという観点か
らも環境負荷の低い発泡体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨特性評価のための研磨装置の略図
である。
である。
【図2】本発明の発泡剤としてテトラフルオロエタンを
使用したフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合樹脂シ−トの含水量とセル密度との関係を示した
図である。
使用したフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合樹脂シ−トの含水量とセル密度との関係を示した
図である。
1 上プレ−ト 2 上プレ−トの回転軸 3 下プレ−ト 4 下プレ−トの回転軸 5 GaAsウエハ− 6 研磨布 7 研磨液滴下装置
Claims (6)
- 【請求項1】 架橋構造を有しない熱可塑性フッ素系樹
脂からなる発泡体で、該発泡体の任意の切断面に存在す
る開放された気泡の最大径の最大値(LMax.)、最小値
(LMin.)及び平均値(Lav. )で表されるバラツキ指
数((LMax.−LMin.)/Lav. )、及び該気泡の最大
径の変動係数(Cv)が下記の(1)、(2)式を満足
する新規なフッ素系樹脂発泡体。 0<(LMax.−LMin.)/Lav. ≦6 (1) 0<Cv≦1 (2) - 【請求項2】 発泡体の単位体積あたりに存在する気泡
の数が、少なくとも107 個/cm3 である請求項1記
載の新規なフッ素系樹脂発泡体。 - 【請求項3】 表層に未発泡体層を含む請求項2記載の
新規なフッ素系樹脂発泡体。 - 【請求項4】 テ−バ−摩耗量が25mm3 以上240
mm3 以下である請求項1または請求項2記載の新規な
フッ素系樹脂発泡体。 - 【請求項5】 発泡体の硬度が15以上93以下である
請求項4記載の新規なフッ素系樹脂発泡体。 - 【請求項6】 独立気泡率が40%以上の請求項2記載
の新規なフッ素系樹脂発泡体。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6096279A JPH0726051A (ja) | 1993-05-11 | 1994-05-10 | 新規なフッ素系樹脂発泡体 |
KR1019960700089A KR0165748B1 (ko) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | 불소계 수지 발포체 및 그의 제조 방법 |
EP95900274A EP0713897B1 (en) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | Fluororesin foam and process for producing the same |
CN 94192735 CN1067414C (zh) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | 氟树脂发泡体及其制造方法 |
DE69427915T DE69427915T2 (de) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | Fluorharzschaum und dessen herstellungsverfahren |
DE69430762T DE69430762D1 (de) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | Herstellungsverfahren eines Fluorharz Schaums |
EP98204435A EP0908487B1 (en) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | Preparation of expanded fluorine type resin products |
PCT/JP1994/001886 WO1995030711A1 (fr) | 1994-05-10 | 1994-11-09 | Mousse de fluororesine et procede de production de ladite mousse |
US08/921,528 US5814409A (en) | 1994-05-10 | 1997-09-02 | Expanded fluorine type resin products and a preparation process thereof |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10927393 | 1993-05-11 | ||
JP5-109273 | 1993-05-11 | ||
JP6096279A JPH0726051A (ja) | 1993-05-11 | 1994-05-10 | 新規なフッ素系樹脂発泡体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726051A true JPH0726051A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=26437502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6096279A Pending JPH0726051A (ja) | 1993-05-11 | 1994-05-10 | 新規なフッ素系樹脂発泡体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0726051A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8410187B2 (en) | 2009-03-10 | 2013-04-02 | Jsp Corporation | Polyvinylidene fluoride resin expanded beads, and molded articles of polyvinylidene fluoride resin expanded beads |
WO2019155747A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | 株式会社クレハ | フッ化ビニリデン単独重合体の発泡成形体および発泡成形体の製造方法 |
WO2019155746A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | 株式会社クレハ | フッ化ビニリデン共重合体の発泡成形体および発泡成形体の製造方法 |
US20200024149A1 (en) * | 2016-01-14 | 2020-01-23 | Omya International Ag | Wet surface treatment of surface-modified calcium carbonate |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP6096279A patent/JPH0726051A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8410187B2 (en) | 2009-03-10 | 2013-04-02 | Jsp Corporation | Polyvinylidene fluoride resin expanded beads, and molded articles of polyvinylidene fluoride resin expanded beads |
US20200024149A1 (en) * | 2016-01-14 | 2020-01-23 | Omya International Ag | Wet surface treatment of surface-modified calcium carbonate |
WO2019155747A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | 株式会社クレハ | フッ化ビニリデン単独重合体の発泡成形体および発泡成形体の製造方法 |
WO2019155746A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | 株式会社クレハ | フッ化ビニリデン共重合体の発泡成形体および発泡成形体の製造方法 |
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