JPH05239249A - フッ素樹脂発泡体 - Google Patents
フッ素樹脂発泡体Info
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Abstract
ッ素樹脂発泡体を提供する。 【構成】テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合樹脂、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等の熱可塑性フ
ッ素樹脂に、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフ
ルオロポリエーテルなどの高沸点液体を発泡剤として添
加する。溶融状態のフッ素樹脂中における蒸気圧が、フ
ロン等の低沸点発泡剤に比べて低いから、発泡体の気泡
径を均一で微細にすることができる。
Description
好適なフッ素樹脂発泡体に関する。
誘電率が低く、誘電正接も小さいなどの優れた電気特性
を有することから、誘電体材料として従来より使用さ
れ、また最近では、電気特性の向上を目的として、発泡
や延伸等の手段を用いて多孔質化することが行われてい
る。これらフッ素樹脂多孔質体の中で、独立気孔の多孔
質構造をなす発泡体は、連続気孔のものに比べると気孔
が潰れにくいという利点があるため、近年特に注目され
ている。
は、フッ素樹脂の成形温度が一般の熱可塑性樹脂に比べ
て高いので、それら熱可塑性樹脂で採用されている熱分
解型化学発泡剤による発泡が不可能であり、炭化水素ま
たはフロロカーボン等の液化ガスを溶融状態の樹脂に注
入し、ダイスから出るときの樹脂内含有ガスの膨張によ
り発泡させる方法が行われている(特開昭63−184
213号公報等参照)。
ッ素樹脂の発泡体を押出成形により製造する場合では、
熱可塑性フッ素樹脂の溶融時における粘弾性が小さいこ
とから、溶融フッ素樹脂中に溶解していた発泡剤ガス
は、ダイス口から押し出されて押出機内の圧力から解放
された時、大気との間の圧力差により急激な膨張を起こ
す。その結果、得られるフッ素樹脂発泡体においては、
一般に気泡径が150ミクロンメートル程度と大きく、
しかもそのばらつきも大きいものになってしまう。この
ため、このようなフッ素樹脂発泡体を例えば細径の絶縁
電線の絶縁体に適用した場合には、気泡が絶縁体の外側
表面にまで達して絶縁体表面に肌荒れを生じさせたり、
外径を不均一にしやすく、さらに電線の長手方向におけ
る電気特性を不均一にする原因となっている。そこで、
気泡径を小さくする方法として、冷却速度を速くするこ
とも考えられるが、この場合には発泡倍率が低く抑えら
れ、発泡倍率の高いものが得られないなど、解決すべき
幾つかの問題点があった。
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性フッ素樹脂の融
点と発泡剤の沸点とが所定の範囲内にあるものを用いた
場合に、均一で微細な独立気泡を有する発泡体が得られ
ることを見出し、本発明に想到した。即ち、本発明で
は、均一で微細な独立気泡を有し、しかも高発泡化が可
能なフッ素樹脂発泡体の提供をその目的とする。
め、この発明によるフッ素樹脂発泡体では、熱可塑性フ
ッ素樹脂と、この熱可塑性フッ素樹脂の融点よりも沸点
が低くその差が150℃以内にある発泡剤との混和物を
発泡せしめた構成とする。
えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA 融点:300〜310
℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP 融点:260〜280℃)、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE融
点:250〜280℃)などが挙げられ、その共重合組
成は特に限定されない。また、単独重合体の使用ももち
ろん可能である。本発明において、熱可塑性フッ素樹脂
の融点とは、JIS K7121−1987に記載の方
法で測定した融解ピークの頂点の温度により決められ、
またそのメルトフローレートについては特に限定はされ
ないが、気泡の微細化及び高発泡化には10グラム/1
0分以上のものが好ましい。
ーフルオロトリペンチルアミン(沸点:216〜218
℃)、パーフルオロポリエーテル(沸点:215℃)な
どのフッ素系化合物が電気特性等の面から好ましいが、
もちろんこれに限定されるものではなく、使用する熱可
塑性フッ素樹脂の融点に対して沸点が150℃以内にあ
るものであれば、塩素等の他のハロゲン元素を含む炭化
水素、あるいはシリコーン油やフッ素油などの低重合度
重合体の使用も可能である。
樹脂の融点との差を150℃以内としたのは、150℃
を越えた場合には、得られる発泡体の気泡径が大きくな
ると同時に、そのばらつきも急激に増大し、さらに高発
泡化が困難になるからである。
と発泡剤を使用することにより、気泡が微細で均一な本
発明の発泡体が得られる理由については必ずしも明らか
ではないが、種々の実験から判断すると、およそ次のよ
うに推察される。
は、その融点が他の樹脂に比べて著しく高いため、成形
温度も極めて高い。例えば押出成形の場合、シリンダー
内各部の温度とダイスの温度は、一般にフッ素樹脂の融
点を少し越えた温度から100℃程度高い温度範囲内に
設定される。そして、従来使用されている発泡剤の沸点
は、氷点下あるいは高くても50℃程度のものである。
したがって、これら低沸点の発泡剤を押出機に注入して
発泡体を得ようとする時、発泡剤は押出機内で上記のよ
うな高温に加熱されることから、その蒸気圧は極めて高
くなっている。このため、溶融樹脂と共にダイス口から
放出され圧縮状態から解放されたとき、その大きな圧力
差により発泡剤は急激な膨張を起こす。このことによ
り、得られる発泡体の気泡径が大きくなり、また気泡径
のばらつきが増大すると考えられる。
剤の沸点が従来のものよりも高く、熱可塑性フッ素樹脂
の融点との差が150℃以内、即ち成形加工温度との差
が従来の発泡剤を使用する場合に比べて小さいことか
ら、押出機内における発泡剤の蒸気圧がその分だけ低く
なる。このため、ダイス口から放出されたときの溶融樹
脂中に含まれる発泡剤の膨張圧が低くなり、その結果、
発泡体の気泡径が小さくなる。また、押出機内での発泡
剤の蒸気圧が低いから、多量の発泡剤を添加することも
可能で、それにより従来のものに比べて発泡度の高いも
のが得られる。
泡体について説明するが、本発明は何ら実施例に限定さ
れるものではない。
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(融点3
05℃,メルトフローレート13)100重量部に対し
て0.5重量部の窒化ホウ素を添加したものを押出機の
ホッパーから供給すると共に、発泡剤としてパーフルオ
ロトリペンチルアミン(徳山曹達社製:ペルフロードI
L−310 沸点215℃)を樹脂1ccに対して0.
05ccの割合でポンプにより押出機の中間部分から注
入し、この発泡剤を含む溶融樹脂を外径0.18mmの
導体外周に押出被覆することにより、厚さ0.31mm
のフッ素樹脂発泡体からなる絶縁被覆を形成した。
0mm、L/D=30のものを使用し、シリンダー各部
の温度を310〜370℃、ダイス温度を390℃に設
定して押出成形を行った。
ルアミン(徳山曹達社製:ペルフロードIL−260)
を使用する以外は前記実施例1と同様な条件でフッ素樹
脂発泡体からなる絶縁被覆を形成した。
社製:ガルデンLS−215 沸点215℃)を使用す
る以外は前記実施例1と同様な条件でフッ素樹脂発泡体
からなる絶縁被覆を形成した。
ン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製:SH−7
04 沸点215℃)を使用する以外は前記実施例1と
同様な条件でフッ素樹脂発泡体からなる絶縁被覆を形成
した。
キサフルオロプロピレン共重合樹脂(融点265℃ メ
ルトフローレート7)を用い、押出条件としてシリンダ
ー温度270〜400℃、ダイス温度を380℃に設定
する以外は上記と同じ方法で発泡体を得た。
エーテル共重合樹脂の発泡剤として、フロン113(ト
リクロロトリフルオロエタン 沸点47.6℃)、フロ
ン111(ペンタクロロフルオロエタン 沸点137
℃)及びテトラクロロエタン(沸点146.3℃)を使
用し、これらを実施例1〜4と同様な条件で発泡させ、
比較例1〜3とした。さらに、比較例4として、フロン
121(沸点116.6℃)とテトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FEP 融点
265℃)からなる発泡体を形成した。
て、それぞれ発泡度、気泡径、発泡状態を比較評価し
た。その結果を表1に示す。なお、発泡度については、
発泡体の比重をPf、非発泡体の比重をPnとしたと
き、発泡度=(Pn−Pf)/Pn*100で求められ
る気泡部の体積分率をパーセントで表した。また、気泡
径は、発泡絶縁電線をその軸芯と直交する面で切断した
断面を顕微鏡で観察し、無作為に選んだ20個以上の気
泡の直径を測定してそれらの平均値で示した。さらに、
発泡状態は、気泡径を測定する際に切断した発泡体の断
面の気泡の形状及びその分布状態により評価した。
母材とした実施例1〜4のフッ素樹脂発泡体は、いずれ
も発泡度が80パーセントを越え、しかも気泡径が70
ミクロンメートル以下で均一なのに対し、比較例1〜3
のフッ素樹脂発泡体では、気泡径が90〜120ミクロ
ンメートルと大きいばかりか発泡度も低く、さらにその
分布範囲も広い不均一な発泡状態を呈するものであっ
た。また、FEPを母材とした場合では、均一な発泡体
を得ることはできるものの、比較例4の発泡体のの気泡
径は実施例に比べてかなり大きいものであった。
脂発泡体を電線の絶縁被覆に適用した例について説明し
たが、例えばシール材、断熱材、クッション材、高周波
絶縁材などにも有用であり、またその形状についても用
途に応じて、シート状、フィルム状、糸状、筒状、棒状
などに形成して使用することができる。
ッ素樹脂発泡体では、従来のフッ素樹脂発泡体で使われ
ている発泡剤に比べて高沸点の発泡剤を使用したことに
より、気泡が均一微細で発泡度の高いものを得ることが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】熱可塑性フッ素樹脂と、この熱可塑性フッ
素樹脂の融点よりも沸点が低くその差が150℃以内に
ある発泡剤との混和物を発泡せしめてなるフッ素樹脂発
泡体。
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JP7331992A Expired - Fee Related JP3245209B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | フッ素樹脂発泡体 |
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1992
- 1992-02-25 JP JP7331992A patent/JP3245209B2/ja not_active Expired - Fee Related
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