JPH10231275A - カルボン酸エステル類の製造方法および樹脂分離槽 - Google Patents

カルボン酸エステル類の製造方法および樹脂分離槽

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JPH10231275A JP9356348A JP35634897A JPH10231275A JP H10231275 A JPH10231275 A JP H10231275A JP 9356348 A JP9356348 A JP 9356348A JP 35634897 A JP35634897 A JP 35634897A JP H10231275 A JPH10231275 A JP H10231275A
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボン酸類とアルコール類とを触媒として
の強酸性陽イオン交換樹脂の懸濁分散液中で反応させる
ことにより対応するカルボン酸エステル類を製造する際
に、反応液からイオン交換樹脂を効率よく分離し回収し
て反応に再使用することが可能な方法が提供される。 【解決手段】 その方法は、イオン交換樹脂を含むスラ
リー状反応液を樹脂分離槽に導入し、該樹脂分離槽の上
部から清澄液を取り出し、該樹脂分離槽の下部からスラ
リー状濃厚液を取り出して反応器に循環させることから
成る。好ましくは、該樹脂分離槽は清澄液の上昇速度が
0.003m/sec以下となるような条件の下で運転
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸エステ
ル類の製造方法およびこの方法で使用する樹脂分離槽に
関する。詳しくは、本発明はカルボン酸類とアルコール
類とを、触媒としての強酸性陽イオン交換樹脂の懸濁分
散液中で反応させ、得られる反応液からイオン交換樹脂
を効率よく分離し、触媒として再使用することにより連
続的にカルボン酸エステル類を製造する方法、およびこ
の方法で使用する樹脂分離槽に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸類とアルコール類とを、触媒
としての強酸性陽イオン交換樹脂を固定充填させた反応
器内で、反応させて得られる反応液から未反応のカルボ
ン酸類とアルコール類とを蒸留操作により分離回収し、
これらを循環することによりカルボン酸エステル類を連
続的に製造する方法は知られている。しかし、このよう
なイオン交換樹脂が固定充填された反応器を用いる方法
は、エステル化反応が平衡反応であるため、必然的に転
化率が低い。
【0003】そこで、従来法のこのような欠点を改善す
る方法として、特開昭49−54326号公報には、反
応器の底部からガスを導入してイオン交換樹脂を反応液
中に懸濁分散させ、その反応液からエステル化で生じる
水とエステル類とを共沸組成物として留去して平衡を反
応側にずらすことにより、転化率を高める方法が提案さ
れている。この方法の場合、イオン交換樹脂を含む反応
液は、フィルターを含む触媒分離装置を用いて、イオン
交換樹脂と反応液とに分離される。
【0004】また、特開昭63−17884号公報に
は、撹拌機を用いてイオン交換樹脂を懸濁分散させて反
応を行う方法が開示されており、反応液とイオン交換樹
脂との分離には80メッシュの金網が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換樹脂を反応
液中に懸濁分散させてエステル化反応を行う方法は転化
率が高い利点があるが、イオン交換樹脂を反応液から分
離するための手段や方法に、なお解決しなければならな
い問題が残されている。つまり、前記の従来方法のよう
に、フィルターや金網を用いてイオン交換樹脂を分離し
ようとすると、エステル化反応中に破砕したイオン交換
樹脂の破片、エステル化反応時に副生したポリマーなど
によってフィルターや金網が目詰まりを起こすため長期
の運転が困難になる。
【0006】また、これらの従来法には、イオン交換樹
脂と反応液との分離が不十分であるという欠点もある。
分離が不十分であると、分離された反応液(清澄液)中
にイオン交換樹脂が漏洩する。そのように漏洩したイオ
ン交換樹脂の量が多いと、連続的にエステル化反応を行
う場合、その反応速度が低下し、新たなイオン交換樹脂
の追加が必要となる。
【0007】さらに、イオン交換樹脂と反応液との分離
が不十分であると、例えば高級アルコールのエステル化
反応の場合、次工程のエステル類の精製工程で、漏洩し
たイオン交換樹脂によりエステル類の加水分解などが起
こり、その結果、加水分解生成物たるカルボン酸類、ア
ルコール類などが最終製品に混入することになる。
【0008】一方、反応液からイオン交換樹脂を分離す
るのに有効な方法として、沈降法が考えられるが、該方
法には装置が大規模になり、また分離に要する時間が長
くなるなどの問題がある。
【0009】かくして、本発明の目的は、カルボン酸類
とアルコール類とを、触媒としての強酸性陽イオン交換
樹脂の懸濁分散液中で反応させて対応するカルボン酸エ
ステル類を製造するに際し、コンパクトな装置を用い
て、清澄液中へのイオン交換樹脂の漏洩を極力抑え、工
業的に十分満足できる程度の稼働期間にわたり、反応液
からイオン交換樹脂を効率よく分離する方法を提供しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々研究
の結果、反応器内のイオン交換樹脂を含むスラリー状の
反応液を樹脂分離槽に導入し、適切な運転条件の下で、
樹脂分離槽の上部からイオン交換樹脂を殆んどあるいは
全く含まない清澄液を取り出すと共に樹脂分離槽の下部
からイオン交換樹脂を含むスラリー状濃厚液を取るなら
ば、本発明の上記した目的が達成できることを見出し
た。
【0011】斯くして、本発明によれば、カルボン酸類
とアルコール類とを、触媒としての強酸性陽イオン交換
樹脂の懸濁分散液中で反応させることにより対応するカ
ルボン酸エステル類を製造する方法において、該イオン
交換樹脂を含むスラリー状の反応液を反応器から樹脂分
離槽に導入し、該スラリー状の反応液を該樹脂分離槽中
で清澄液部とスラリー状濃厚液部とに分離し、該樹脂分
離槽の上部から清澄液を取り出し、該樹脂分離槽の下部
からスラリー状濃厚液を取り出して反応器に循環する、
ことを特徴とするカルボン酸エステル類の製造方法が提
供される。
【0012】本発明によれば、また、上記の方法におい
て、式
【0013】
【数2】
【0014】で表わされる清澄液の上昇速度が0.00
3m/sec以下であるような条件下で該樹脂分離槽を
運転することからなる方法が提供される。
【0015】本発明によれば、さらに、上記の方法にお
いて使用される樹脂分離槽であって、槽の上部に設けら
れた、清澄液を取り出すための清澄液取り出し管、槽の
下部に設けられた、反応容器からのスラリー状反応液を
槽内に導入するためのスラリー状反応液導入管および槽
の下部に設けられた、スラリー状濃厚液を取り出すため
のスラリー状濃厚液取り出し管を備えてなり、該スラリ
ー状反応液導入管が水平線に対して20〜70°の角度
(α)で下向きに設けられていることを特徴とする樹脂
分離槽が提供される。
【0016】
【発明の実施のための形態】本発明では、カルボン酸類
とは、炭素数1〜5の飽和または不飽和のカルボン酸を
意味する。特に、炭素数2〜3の不飽和カルボン酸が好
適に用いられる。その代表例としては、アクリル酸およ
びメタクリル酸を挙げることができる。
【0017】本発明では、アルコール類とは、炭素数1
〜12の飽和または不飽和の脂肪族アルコール、炭素数
3〜10の脂環族アルコール、および炭素数6〜10の
芳香族アルコールを意味する。特に、炭素数4〜12の
脂肪族ないしは脂環族アルコールが好適に用いられる。
その代表例としては、n−ブタノール、イソブタノー
ル、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタ
ノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロ
ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、
3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノ
ール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オク
タノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノー
ル、イソノニルアルコール、ラウリルアルコールなどを
挙げることができる。
【0018】したがって、本発明の方法は、アクリル酸
および/またはメタクリル酸と上記の炭素数4〜12の
脂肪族ないしは脂環族アルコールとを反応させて対応す
る不飽和カルボン酸エステル類を製造するのに好適であ
る。
【0019】本発明で使用する強酸性陽イオン交換樹脂
に関しては、特に制限はなく、強酸性陽イオン交換樹脂
として一般に市販されているものを使用することができ
る。例えば、アンバーライトIR−120B(ロームア
ンドハース社製)、ダイヤイオンPK−208、PK−
228(三菱化学製)、デュオライトC−26(住友化
学製)などを挙げることができる。
【0020】本発明において、カルボン酸類とアルコー
ル類とを強酸性陽イオン交換樹脂の懸濁分散液中で反応
させることによって対応するカルボン酸エステル類を製
造するための具体的な操作、運転条件などについては、
前記したこと以外には特に制限はなく、従来周知の技術
にしたがうことができる。
【0021】本発明の方法によれば、エステル化反応を
終えたイオン交換樹脂を含むスラリー状の反応液は樹脂
分離槽に導入され、ここで清澄液とスラリー状濃厚液と
に分離され、樹脂分離槽の上部から清澄液が取り出され
ると共に樹脂分離槽の下部からスラリー状濃厚液が取り
出される。
【0022】「清澄液」とは、イオン交換樹脂が実質的
に分離された反応液、あるいは、イオン交換樹脂の含量
が著しく低減された反応液、を意味する。この清澄液
は、主として目的生成物としてのカルボン酸エステル類
からなっており、必要に応じて、これを蒸留などにより
精製することによって、製品としての高純度カルボン酸
エステル類を取得することができる。
【0023】「スラリー状濃厚液」とは、イオン交換樹
脂を含むスラリー状の反応液から清澄液が除去された残
余のスラリー状液を意味し、通常10〜50重量%好ま
しくは20〜30重量%のイオン交換樹脂と通常90〜
50重量%好ましくは80〜70重量%の未反応のカル
ボン酸類、アルコール類などとからなる。このスラリー
状濃厚液は、樹脂分離槽から取り出された後に反応器に
循環されてエステル化反応に再使用される。
【0024】以下、本発明の方法を図面に基づいて詳し
く説明する。
【0025】図1は、本発明の実施に使用する装置の一
つを示す。エステル化反応器6内のイオン交換樹脂を含
むスラリー状反応液はライン3をへて樹脂分離槽8に導
入される。そして、この樹脂分離槽8において、スラリ
ー状の反応液はイオン交換樹脂を含んだスラリー状濃厚
液とイオン交換樹脂を殆んど又は全く含まない清澄液と
に分離される。該清澄液はライン4から取り出され、そ
して該スラリー状濃厚液はライン5から取り出されてポ
ンプ9により反応器6に循環されて再使用される。
【0026】反応器6の上部からの留出物は、油水分離
槽7において水と未反応のカルボン酸類、生成したエス
テル類などのような油分とに分離され、油分はライン2
をへて反応器6に循環されて再使用される。
【0027】図2は、本発明で使用する樹脂分離槽8の
一具体例の説明図である。反応器6からのイオン交換樹
脂を含むスラリー状の反応液は、ライン3をへて導入管
10から樹脂分離槽8に導入され、ここでイオン交換樹
脂を含んだスラリー状濃厚液とイオン交換樹脂を殆んど
又は全く含まない清澄液とに分離され、清澄液は清澄液
取り出し管11から取り出され、そして、スラリー状濃
厚液は濃厚液取り出し管12から取り出される。
【0028】本発明の方法は、式
【0029】
【数3】
【0030】で表わされる清澄液の上昇速度が0.00
3m/sec以下、好ましくは0.0001〜0.003
m/secであるような条件下で運転されることが望ま
しい。このように清澄液の上昇速度(より単的にいえば
清澄液の取出し量)を調整することにより、イオン交換
樹脂を実質的に含まない或いはその含量が著しく低減さ
れた清澄液を得ることができる。上昇速度が0.003
m/secを超える運転条件下では、イオン交換樹脂が
清澄液中に漏洩しやすい。なお、上昇速度を小さく調整
するほど清澄液中のイオン交換樹脂の含量は少なくなる
が、そのためには、より大径の樹脂分離槽の使用が必要
となる。
【0031】本発明の実施に際しては、図2に示すよう
に、スラリー状の反応液は、導入管10から、樹脂分離
槽8の下半部に、水平線に対して、20〜70°好まし
くは30〜60°の角度(α)で下向きに導入されるこ
とが望ましい。スラリー状の反応液が樹脂分離槽8に対
し水平(α=0)近い角度で導入されると、導入部付近
の流れが乱れるため、イオン交換樹脂の浮遊が起こり、
スラリー状の反応液をスラリー状濃厚液と清澄液とに分
離するのにより多くの時間を要し、結果として、より大
容量の樹脂分離槽8を使用することが必要となる。
【0032】好ましくは、スラリー状の反応液は、図3
に示すように、導入管10から樹脂分離槽8の中心部に
向かって導入される。スラリー状の反応液が樹脂分離槽
8の接線方向に導入されると、液の流れが渦巻き状とな
りイオン交換樹脂の浮遊を生ずることがある。
【0033】好ましくは、また、図2に示すように、ス
ラリー状の反応液の導入管10と清澄液の取り出し管1
1との間に、整流板13が設けられる。この整流板13
の設置によって、イオン交換樹脂の清澄液への漏洩を効
果的に防止することができる。この整流板13の構造に
関しては特に制限はないが、特に網目の大きさが30〜
200mm程度の格子状になったグリッドが好適に用い
られる。
【0034】好ましくは、また、清澄液取り出し管11
から取り出される清澄液とスラリー状濃厚液取り出し管
12から取り出されるスラリー状濃厚液との流量比(清
澄液/濃厚液)は、1/1〜1/20好ましくは1/2
〜1/10とされる。流量比が1/1より大きいと:ス
ラリー状濃厚液中のイオン交換樹脂の濃度が高くなりす
ぎて、ポンプでの取り出しが困難となり、一方、該比が
1/20より小さいと、スラリー状濃厚液の取り出し量
が多くなり、樹脂分離槽8で乱流が発生してイオン交換
樹脂が巻き上がるため、清澄液へのイオン交換樹脂の漏
洩が大きくなる。
【0035】好ましくは、さらに、図4に示すように、
複数個好ましくは2〜8個の清澄液取り出し管11が樹
脂分離槽8の断面に対し均等に(対称的な位置に)設け
られる。これによって、イオン交換樹脂の清澄液への漏
洩を効果的に防止することができる。清澄液の取り出し
を一箇所のみから行うと、その個所付近での線速度が大
きくなるため、清澄液にイオン交換樹脂が巻き込まれる
ことがある。
【0036】本発明の方法は、上記した種々の好適な態
様を適宜に組み合わせて実施することができる。
【0037】本発明で使用される樹脂分離槽8は、例え
ば、図2に示すように、槽の長さ(L)と槽の内径
(D)との比(L/D)が0.8/1〜3/1であるも
のが通常であり、1/1〜2/1であるものがより好ま
しい。
【0038】なお、本発明において使用に好適な樹脂分
離槽は、例えば図2に示すように、槽の長さ(L)と槽
の内径(D)との比(L/D)が0.8/1〜3/1特
に1/1〜2/1であり、スラリー状反応液導入管10
の角度(α)が20〜70°特に30〜60°であるも
のである。この樹脂分離槽に更に整流板13を、槽の長
さ(L)と整流板の位置(P)との比(P/L)が0.
2〜0.8特に0.3〜0.7となるような位置に設けら
れたものは、更に好適である。
【0039】本発明の方法は、上記のような種々の好適
な樹脂分離槽を用いることによって、特に好適に実施す
ることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0041】実施例1 強酸性陽イオン交換樹脂として三菱化学(株)製のPK
208を15.5m3(水湿潤状態)用いて、アクリル酸
とブタノールとのエステル化反応を、反応器内で、80
℃の温度及び150mmHgの減圧下で、反応液を撹拌
しながら行ない、スラリー状の反応液を毎時112m3
の流速で連続的に反応器から取り出して、図2に示すよ
うな樹脂分離槽8(ただし、整流板13が設置されてい
ないもの)に導入した。このスラリー状の反応液は21
容量%のイオン交換樹脂と79重量%の液とから成り、
該液は水1.99重量%、ブタノール9.75重量%、ア
クリル酸ブチル59.59重量%、アクリル酸21.98
重量%、安定剤としてのフェノチアジン0.13重量%
及び6.56重量%の不純物からなるものであった。こ
の樹脂分離槽8は、内径(D)が1700mm、長さ
(L)が2000mm、スラリー状反応液導入管10の
角度(α)が45°のものであった。なお、スラリー状
反応液導入管10は、樹脂分離槽8の中心部に向けて設
置されていた。清澄液取り出し管11からは、毎時18
3の流速で清澄液を取り出した。スラリー状濃厚液取
り出し管12からは、スラリー濃度が25容量%のスラ
リー状濃厚液を毎時94m3の流速で取り出して反応器
に循環した。清澄液取り出し管出口での清澄液の上昇速
度は0.0022m/secであった。この条件で10
日間運転したところ、イオン交換樹脂の次工程への漏洩
量は僅か5リットルであった。
【0042】実施例2 強酸性陽イオン交換樹脂として三菱化学(株)製のPK
208を10m3用いて、アクリル酸と2−エチルヘキ
シルアルコールとのエステル化反応を、85℃の温度及
び70mmHgの減圧下で、反応液を撹拌しながら行な
い、スラリー状の反応液を毎時57m3の流速で連続的
に反応器から取り出して、図2に示すような樹脂分離槽
8(ただし、整流板13が設置されていないもの)に導
入した。このスラリー状の反応液は27容量%のイオン
交換樹脂と73容量%の液とから成り、該液は水0.2
4重量%、2−エチルヘキシルアルコール28.76重
量%、アクリル酸2−エチルヘキシル63.51重量
%、アクリル酸5.29重量%、安定剤としてのフェノ
チアジン0.03重量%及び2.17重量%の不純物から
なるものであった。
【0043】この樹脂分離槽8は内径(D)が1000
mm、長さ(L)が1500mm、スラリー状反応液導
入管10の角度(α)が45°のものであった。なお、
スラリー状反応液導入口10は樹脂分離槽中心部に向け
て設置されていた。
【0044】清澄液取り出し管11からは、毎時7m3
の流速で清澄液を取り出した。スラリー状濃厚液取り出
し管12からは、スラリー濃度が31容量%のスラリー
状濃厚液を毎時50m3の流速で取り出して反応器に循
環した。清澄液取り出し管出口での清澄液の上昇速度は
0.0025m/secであった。この条件で10日間
運転したところ、イオン交換樹脂の次工程への漏洩量は
僅か7リットルであった。
【0045】実施例3 実施例1において、樹脂分離槽8内にグリッド状の整流
板13を設置した以外は実施例1と同様の条件で10日
間運転したところ、イオン交換樹脂の漏洩量は1リット
ルであった。なお、整流板13の設置箇所(P)は12
00mmであった。
【0046】実施例4 実施例1において、樹脂分離槽8として、6個の清澄液
取り出し管を該槽の断面に対して均等に配置したものを
用いた以外は実施例1と同様の条件で10日間運転した
ところ、イオン交換樹脂の清澄液への漏洩量は1リット
ルであった。
【0047】比較例1 スラリー状反応液を毎時130m3の流速で樹脂分離槽
8に導入し、清澄液取り出し管11からは毎時36m3
の流速で清澄液を取り出し、スラリー状濃厚液取り出し
管12からは毎時94m3の流速でスラリー状濃厚液を
取り出し、清澄液取り出し管出口での清澄液の上昇速度
を0.0044m/secに調整した以外は、実施例1
と同様の条件で10日間運転した。その結果、100リ
ットルという多量のイオン交換樹脂が清澄液へ漏洩し
た。
【0048】比較例2 スラリー状反応液を毎時28m3の流速で樹脂分離槽8
に導入し、清澄液取り出し管11からは毎時18m3
流速で清澄液を取り出し、スラリー状濃厚液取り出し管
12からは毎時10m3の流速でスラリー状濃厚液を取
り出し、清澄液取り出し流量とスラリー状濃厚液取り出
し流量との比を1:0.6に調整した以外は、実施例1
と同様の条件で運転した。その結果、槽下部からの取り
出しポンプ9で樹脂が詰まり、運転不能となった。この
時のスラリー状濃厚液中のスラリー濃度は59容量%で
あった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、上記した実施例におい
て例証されているとおり、次のような効果を挙げること
ができる。
【0050】(1) コンパクトな装置を用いて、イオ
ン交換樹脂を含む反応液からイオン交換樹脂を容易に且
つ効率よく分離して回収することができる。
【0051】(2) フィルターや金網などのような分
離装置を使用しないので、イオン交換樹脂の破片などに
よって引き起こされる目詰まりなどの問題を生じること
がない。
【0052】(3) 清澄液へのイオン交換樹脂の漏洩
量が少ないので、次工程でエステル類を精製する際にイ
オン交換樹脂によってエステル類が分解されることを防
止することができ、また、反応器に追加するイオン交換
樹脂の量を低減させることができる。
【0053】(4) イオン交換樹脂の懸濁分散液中で
のエステル化反応において、長期にわたって安定的にイ
オン交換樹脂の分離及び回収を行うことができ、且つこ
の回収したイオン交換樹脂を反応器に循環して使用する
ことにより、連続的にエステル化反応を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスを示す説明図である。
【図2】本発明で使用する一つの樹脂分離槽の説明図で
ある。
【図3】樹脂分離槽におけるスラリー状反応液導入管の
配置を示す説明図である。
【図4】樹脂分離槽における清澄液取り出し管の配置を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 原料供給ライン 2 反応生成水の排出ライン 3 反応器からのスラリー状反応液の抜出しライン 4 清澄液抜出しライン 5 スラリー状濃厚液の循環ライン 6 エステル化反応器 7 油水分離槽 8 樹脂分離槽 9 スラリーポンプ 10 スラリー状反応液導入口 11 清澄液抜出し口 12 スラリー状濃厚液抜出し口 13 整流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/14 C07C 69/14 69/24 69/24 // C07B 61/00 C07B 61/00 C 300 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸類とアルコール類とを、触媒
    としての強酸性陽イオン交換樹脂の懸濁分散液中で反応
    させることにより対応するカルボン酸エステル類を製造
    する方法において、該イオン交換樹脂を含むスラリー状
    の反応液を反応器から樹脂分離槽に導入し、該スラリー
    状の反応液を該樹脂分離槽中で清澄液部とスラリー状濃
    厚液部とに分離し、該樹脂分離槽の上部から清澄液を取
    り出し、該樹脂分離槽の下部からスラリー状濃厚液を取
    り出して反応器に循環する、ことを特徴とするカルボン
    酸エステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 式 【数1】 で表わされる清澄液の上昇速度が0.003m/sec
    以下であるような条件下で該樹脂分離槽を運転する、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法において使用され
    る樹脂分離槽であって、槽の上部に設けられた、清澄液
    を取り出すための清澄液取り出し管、槽の下部に設けら
    れた、反応容器からのスラリー状の反応液を槽内に導入
    するためのスラリー状反応液導入管および槽の下部に設
    けられた、スラリー状濃厚液を取り出すためのスラリー
    状濃厚液取り出し管を備えてなり、該スラリー状反応液
    導入管が水平線に対して20〜70°の角度(α)で下
    向きに設けられていることを特徴とする樹脂分離槽。
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