JPH10227905A

JPH10227905A - 平面型レンズ

Info

Publication number: JPH10227905A
Application number: JP9031724A
Authority: JP
Inventors: Kazunori Kawamura; 和典河村; Reiji Hirata; 麗司平太; Toshiaki Iwamoto; 登志明岩元
Original assignee: Nitto Denko Corp
Current assignee: Nitto Denko Corp
Priority date: 1997-02-17
Filing date: 1997-02-17
Publication date: 1998-08-25

Abstract

(57)【要約】【課題】透過型スクリーン等に適用した際に、どの方
向から見ても明るくて広い視野角を持ち、しかも画像の
輝度を低下させることなく、コントラストを向上させる
ことのできる平面型レンズを提供する。【解決手段】透明基材１と、この透明基材１の光入射
側の面に形成された着色ホットメルト接着剤層２と、こ
の接着剤層２に固着された単層からなる多数の透明ビー
ズによって平面型レンズＬを構成するとともに、その透
明ビーズ層を屈折率が異なる少なくとも２種類のビーズ
３ａと３ｂからなる混合体３とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型表示装
置の透過型スクリーン、あるいは液晶表示装置、プラズ
マ表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等の視
野角拡大板、あるいは液晶用バックライト、照明光源等
の光を拡散する光拡散板等に用いる平面型レンズに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、偏光特性を有する光束を出射す
る、例えば液晶パネル等のライトバルブを用いた投射型
表示装置が開発されている。液晶を用いた投射型表示装
置では、液晶パネルで空間変調された画像光を投射レン
ズによりスクリーンに拡大して投射するようになってい
る。この投射型表示装置には前面投射型あるいは背面投
射型の装置がある。

【０００３】それら二つの表示装置のうち、背面投射型
表示装置の構成例を図１に示す。この背面投射型表示装
置は、光を出射するための投射光学系１００と、透過型
スクリーン１０１と、投射光学系１００から出射された
光Ａを反射して、透過型スクリーン１０１に導くための
ミラー１０２によって構成されている。その透過型スク
リーン１０１は、通常図２に示すように、フレネルレン
ズ１１１とレンチキュラレンズ１１２からなり、投射光
学系１００から投射された光Ａをフレネルレンズ１１１
によってほぼ平行光とした後、レンチキュラレンズ１１
２によって左右に拡散するように構成されている。

【０００４】このように、背面投射型表示装置では、投
射光学系１００から出射された画像光Ａが透過型スクリ
ーン１０１に拡大投射されるようになっており、観視者
は投射光学系１００の反対側から透過型スクリーン１０
１の透過光として投射画像の観察を行うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、レンチキュ
ラレンズ１１２は、上記したように画像光を主として左
右（水平）方向に広く拡散させるので、斜めから見た場
合でも画像を認識することができるものの、これと直交
する上下（垂直）方向にはほとんど拡散させることがで
きないために、視点を上下させた場合、鮮明な画像を認
識できる範囲が極めて狭くなるという欠点がある。

【０００６】また、レンチキュラレンズ１１２は直線的
な形状のレンズが上下方向に規則的に配列されているの
で、画像にモアレ干渉縞が発生し、画像品位を低下させ
るという問題がある。

【０００７】さらに、レンチキュラレンズ１１２には精
密なレンズ形状が全面にわたって形成されており、一部
に僅かな欠陥が生じた場合でも使用不可能となることか
ら、その取り扱いに神経を使わなければならない上、画
像サイズが大型化する昨今では、その大型化に伴うコス
ト上昇も避けられないといった問題がある。

【０００８】これらの問題点を解決する手段の一つとし
て、例えば背面投射型ディスプレイ等に用いる透過型ス
クリーンとして特開平２−７７７３６号公報には、球状
レンズを樹脂等で固定した平面型レンズが提案されてい
る。この技術によれば大面積でつなぎ目の無いスクリー
ンを得ることができるが、球状レンズに接する拡散パネ
ルによって広い視野角を得ようとしているため、画像光
は拡散パネルを通過する際に、その一部が後方散乱によ
って投射光学系方向に戻され、透過率が低くなるという
欠点がある。さらには、外乱光がスクリーンの光出射面
側から容易に進入できるので、画像のコントラストが低
下するという欠点もある。

【０００９】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、透過型スクリーン等に適用した際に、どの方向
から見ても明るくて広い視野角を持ち、しかも画像の輝
度を低下させることなく、コントラストを向上させるこ
とのできる平面型レンズの提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の平面型レンズは、図３に例示するように、
透明基材１と、この透明基材１の光入射側の面に形成さ
れた着色ホットメルト接着剤層２と、この着色ホットメ
ルト接着剤層２に固着された単層からなる多数の透明ビ
ーズによって構成されているとともに、その透明ビーズ
層が、互いに屈折率が異なる少なくとも２種類のビーズ
３ａと３ｂの混合体３であることによって特徴づけられ
る。

【００１１】次に、本発明の平面型レンズの作用を述べ
る。まず、本発明の平面型レンズは、図２の透過型スク
リーンのレンチキュラレンズ１１２に替えて用いられ、
図４に示すように、その平面型レンズＬにはフレネルレ
ンズ１１１によってほぼ平行となった画像光が入射す
る。

【００１２】平面型レンズＬの光入射面側には、一例と
して、屈折率が互いに異なる２種類の透明ビーズ３ａ及
び３ｂが混在して密に単層で配置されており、それら２
種のビーズのうち、例えば屈折率の大きい透明ビーズ３
ａに入射した画像光Ａa は、屈折率の小さい透明ビーズ
３ｂに入射した画像光Ａb に比べて、より広い拡散性を
呈し、スクリーンの視野角を広げる作用をする。また、
屈折率の小さい透明ビーズ３ｂは、屈折率の大きい透明
ビーズ３ａに比べて光入射面の反射損が小さいので、光
透過率が比較的高く、画像光の輝度を高める作用をす
る。

【００１３】一方、平面型レンズＬに入射しても透明ビ
ーズ３ａ，３ｂに入射しなかった光Ａc つまり各透明ビ
ーズ３ａ，３ｂによるレンズ作用を受けることがない光
は着色ホットメルト接着剤層２に吸収される。また、外
乱光Ｂは平面型レンズＬに対して透明基材１側から入射
し、着色ホットメルト接着剤層２へと達するが、大半が
ここで吸収されるので、透明ビーズ３ａ，３ｂを透過し
て迷光となる可能性が少ない。

【００１４】以上のことから、本発明の平面型レンズを
透過型スクリーンに適用することにより、観視者はどの
角度から見ても明るく、コントラストの高い映像を見る
ことができる。

【００１５】なお、ここでは２種類のビーズを用いる場
合の作用について例示したが、屈折率が異なる３種類以
上のビーズを用いても同様の効果が得られることは明ら
かである。

【００１６】ここで、本発明の平面型レンズに用いる透
明ビーズは、屈折率が１．４以上であることが好まし
い。透明ビーズの屈折率がこの範囲にあると、出射光の
拡散角度が広がり、画像の視認角度が大きくなる。ま
た、少なくとも２種の異なる屈折率を有する異種のビー
ズの混合体は、それぞれの屈折率が０．１以上異なる透
明ビーズで構成されることが好ましい。屈折率の差がこ
の範囲にあると、混在する異種ビーズ間それぞれの光の
屈折角度差が大きくなり、混合比率を変えることにより
光の透過性と散乱性を選択できる範囲が広がる。

【００１７】さらに、透明ビーズの混合比は特に限定さ
れるものではなく、目的とする視野角特性に応じて、例
えば、視野角を広くした場合には比較的高い屈折率のビ
ーズの配合比率を多くし、明るさを重視する場合には比
較的低い屈折率のビーズの配合比率を多くすればよい。

【００１８】また、着色ホットメルト接着剤層は、その
全体が着色層による構成としてもよいし、図６に例示す
るように、透明層２ａと、この上の光入射側に形成され
た着色層２ｂの複合層２′としてもよい。なお、着色ホ
ットメルト接着剤層またはこの着色ホットメルト接着剤
層を構成する上記着色層は、黒色または灰色の顔料ある
いは染料により着色された樹脂からなることが好ましい
が、その着色は、赤、緑、青あるいはそれらの混色とし
てもよい。

【００１９】さらに、本発明において、透明基材の光出
射側の面に、光の反射を抑制または制御するための反射
防止層またはアンチグレア層を形成しておいてもよい
（図７参照）。

【００２０】さらにまた、本発明の平面型レンズで用い
る透明基材は、これ自体が剛性を有する基板であっても
よいし、あるいは透明基材をフィルム状基材として、こ
の透明基材の光出射側の面に透明接着剤を介して剛性の
透明基板を接合した形態を採ることもできる。

【００２１】なお、本発明で言う透明とは、目的とする
光すなわちレンズを透過させるべき光に対してこれを透
過し得るものであることを指し、いわゆる半透明も含め
た範囲までのことを指す。

【００２２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図
面に基づいて説明する。図３は本発明の平面型レンズの
実施の形態を示す模式断面図である。

【００２３】この図３に示す平面型レンズＬは、透明基
材１と、この透明基材１の光入射側の面に形成された着
色ホットメルト接着剤層２と、この着色ホットメルト接
着剤層２に固着された単層からなる多数の透明ビーズ３
ａ・・３ａ，３ｂ・・３ｂとによって構成されているととも
に、それら透明ビーズ３ａと３ｂの屈折率が互いに異な
り、全体として偏析がないように、透明ビーズが均一に
混合されて密に配置されている点に特徴がある。

【００２４】このような構造の平面型レンズＬを得る製
造方法としては、透明基材１上に、着色メルト接着剤層
２を形成（コーティング）して固化ないしは半固化の状
態とし、この接着剤層２上に透明ビーズ３ａ・・３ａと３
ｂ・・３ｂの混合体３を、１層すなわち単粒子配列を持っ
て分散配置する。これを、例えば図５に示す上下一対の
加熱加圧板２１及び２２を有するプレス装置の一方の加
熱加圧板２２上に載置して、加熱加圧板２１及び２２に
よって着色ホットメルト接着剤層２を溶解ないしは軟化
させつつ、所定の圧力をもって透明ビーズの混合体３を
着色ホットメルト接着剤層２に向けて押圧し、透明ビー
ズ３ａ・・３ａ，３ｂ・・３ｂを、その直径の一部すなわち
所定の深さだけ着色ホットメルト接着剤層２中に埋め込
む。そして、加熱加圧板２１及び２２による加熱及び加
圧を排除し、着色ホットメルト接着剤層２を室温まで自
然冷却もしくは強制冷却して、着色ホットメルト接着剤
層２を固化させることにより平面型レンズＬを得る、と
いった方法が挙げれる。

【００２５】この方法によると、透明基材１上に塗布さ
れ、固化された状態にある着色ホットメルト接着剤層２
上に、透明ビーズ３ａと３ｂの混合体３を配置するの
で、それら透明ビーズを密に配置すなわち最大充填密度
でもって単層の配列することを容易に行うことができ
る。また、そのような状態で、再び、着色ホットメルト
接着剤層２を軟化させて、この着色ホットメルト接着剤
層２の中に、透明ビーズ３ａ・・３ａ，３ｂ・・３ｂを押圧
埋設するので、透明ビーズ３ａ・・３ａ，３ｂ・・３ｂを均
一な配置密度でかつ均一な深さで埋め込むことができ
る。

【００２６】図６は本発明の平面型レンズの他の実施の
形態を示す模式的断面図である。この図６に示す平面型
レンズが、先の図３に示したものと相違するところは、
着色ホットメルト接着剤層２′が、透明基材１の光入射
側の面に形成された透明層２ａとこの透明層２ａ上に形
成された着色層２ｂとからなる２層で構成されている点
にある。

【００２７】また、図７は本発明の平面型レンズの更に
別の実施の形態を示す模式的断面図で、この実施の形態
は、図６の構成に加えて、透明基材１の光出射側の面に
反射防止膜４を形成したところに特徴がある。

【００２８】その反射防止膜４は、反射防止処理または
アンチグレア処理によって形成されており、このような
反射防止膜４を形成しておくことで、外乱光Ｂ（図４参
照）の透明基材１表面における正反射を抑制することが
できる結果、画像のコントラスト低下を回避することが
できる。

【００２９】ここで、以上の実施の形態において、透明
ビーズの混合体３を構成する２種の透明ビーズ３ａ，３
ｂは、それぞれ屈折率が１．４以上で、さらにそれぞれ
の屈折率差が０．１以上にしてある。そのビーズ材質と
しては、例えばガラス、あるいはアクリル樹脂、ポリス
チレン系樹脂等の透明材の中から選ぶことができる。

【００３０】以上の本発明の実施の形態に用いる透明基
材１の材質としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の透明性を
有する樹脂が挙げられる。

【００３１】その透明基材の光出射面に施される反射防
止処理あるいはアンチグレア処理の方法については、特
に限定するものではないが、これらの例としては、反射
防止処理においては、透明基材の上にシリカ、アルミナ
等の公知の反射防止層をコーティングあるいは真空蒸着
等によって所定の厚みに形成する方法がある。またアン
チグレア処理においては、樹脂にシリカ、プラスチック
ビーズ等を混入してコーティングする方法や、サンドブ
ラスト処理あるいはエンボス賦形処理等によって凹凸を
形成する方法がある。

【００３２】また、各実施の形態に適用される着色ホッ
トメルト接着剤層２もしくはその着色層２ｂは、透明ビ
ーズの混合体３及び透明基材１に対して十分な接着力を
持つものが好ましく、その材質としては、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等からなる
ホットメルト接着剤が挙げられ、これらの接着剤をベー
ス樹脂とし、そこへ顔料を分散するか、あるいは染料に
より染色することにより、着色ホットメルト接着剤層２
もしくはその着色層２ｂを形成できる。

【００３３】その着色ホットメルト接着剤層２のコーテ
ィングには、例えばナイフコート、ロールコート、グラ
ビアコート、キスコート、スプレーコート、ブレードコ
ート、ロッドコート等のコーティング法を採用する。

【００３４】そして、着色ホットメルト接着剤層を、図
６または図７に示したような、透明層２ａと着色層２ｂ
との２層構造とする場合、透明のホットメルト接着剤を
上述した各コーティング法により塗布し、次いで着色ホ
ットメルト接着剤を同様の方法によってコーティングす
るといった処理法を採用する。

【００３５】なお、以上の説明においては、透明ビーズ
の混合体を屈折率が異なる２種のビーズのを有するビー
ズの混合体とした場合について説明したが、これを３種
以上の混合体としても何ら差し支えなく、また、同様の
効果が得られることは言うまでもない。

【００３６】

【実施例】本発明の平面型レンズの具体的な実施例を以
下に説明する。〔実施例１〕図３に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。

【００３７】まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂か
らなる平坦な透明基板１（厚さ０．２５ｍｍ）の一方の
表面に、ポリエステル系樹脂（東洋紡績株式会社製、商
品名バイロン２００）１００重量部に対し、黒色カーボ
ンを３重量部配合した着色ホットメルト接着剤層２を、
乾燥後１０μｍの厚みになるようにナイフコーターによ
り塗布した。

【００３８】一方、屈折率１．９０、平均直径５０μｍ
の透明ビーズ３ａ（ガラスビーズを使用）と、屈折率
１．５２、平均直径５０μｍの透明ビーズ３ｂ（ガラス
ビーズを使用）を重量比１：１で混合し、２種類の屈折
率を有する透明ビーズの混合体３を得た。

【００３９】次いで、着色ホットメルト接着剤層２の上
に、透明ビーズ３ａと３ｂの混合体３を密に配設し、熱
プレスにより、温度１２０℃、圧力３ｋｇ／ｃｍ²で１
０分間保持した後、常温まで冷却することにより、ビー
ズを埋設した。

【００４０】そして、図１に示す背面投射型表示装置に
用いられている透過型スクリーン１０１のレンチキュラ
レンズ１１２（図２）に替えて、この実施例１による平
面型レンズを装着して投射画像を観察したところ、従来
のレンチキュラレンズ１１２を用いたスクリーンに比較
して、水平方向で１．３倍、垂直方向で２．４倍の視野
角を得た。また、コントラストが高く、解像度も良好な
品位の高い映像が観察できた。〔実施例２〕図６に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。

【００４１】まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂か
らなる平坦な透明基板１（厚さ０．２５ｍｍ）の一方の
表面に、ポリエステル系樹脂（東洋紡績株式会社製、商
品名バイロン２００）からなる透明ホットメルト接着剤
層２ａを、乾燥後６μｍになるようにナイフコーターに
より塗布した。さらにその上にポリエステル系樹脂（東
洋紡績株式会社製、商品名バイロン６３０）１００重量
部に対し、黒色カーボンを３重量部配合した着色ホット
メルト接着剤層２ｂを、乾燥後５μｍの厚みになるよう
にナイフコーターにより塗布した。

【００４２】一方、屈折率１．９０、平均直径５０μｍ
の透明ビーズ３ａ（ガラスビーズを使用）と、屈折率
１．５２、平均直径５０μｍの透明ビーズ３ｂ（ガラス
ビーズを使用）を重量比１：１で混合し、２種類の屈折
率を有する透明ビーズの混合体３を得た。

【００４３】次いで、着色ホットメルト接着剤層２ｂの
上に、透明ビーズの混合体３を密に配設し、熱プレスに
より、温度１２０℃、圧力３ｋｇ／ｃｍ²で１０分間保
持した後、常温まで冷却することにより、ビーズを埋設
した。

【００４４】そして、図１に示す背面投射型表示装置に
用いられている透過型スクリーン１０１のレンチキュラ
レンズ１１２（図２）に替えて、この実施例２による平
面型レンズを装着して投射画像を観察したところ、従来
のレンチキュラレンズ１１２を用いたスクリーンに比較
して、水平方向で１．３倍、垂直方向で２．４倍の視野
角を得た。また、コントラストが高く、解像度も良好
な、明るく、品位の高い映像が観察できた。〔実施例３〕図７に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。

【００４５】実施例２と同様にして得られた平面型レン
ズの透明基板１の画像光の出射側の面に、真空蒸着法を
用いてＳｉＯ₂からなる反射防止膜４を膜厚１００ｎｍ
の厚みに成膜した。

【００４６】そして、図１に示す背面投射型表示装置に
用いられている透過型スクリーン１０１のレンチキュラ
レンズ１１２（図２）に替えて、この実施例３による平
面型レンズを装着して投射画像を観察したところ、従来
のレンチキュラレンズ１１２を用いたスクリーンに比較
して、水平方向で１．３倍、垂直方向で２．４倍の視野
角を得た。また、外乱光の映り込みが低減され、コント
ラストが高く、解像度も良好な、明るく、品位の高い映
像が観察できた。〔実施例４〕透明ビーズ混合体３として、屈折率１．５
９、平均直径４０μｍの透明ビーズ３ａ（スチレンビー
ズを使用）と、屈折率１．４９、平均直径４０μｍの透
明ビーズ３ｂ（アクリルビーズを使用）を重量比１：１
で混合したものを用い、熱プレスの温度条件を１００℃
とした以外は、実施例１と同様にして平面型レンズを作
製した。

【００４７】そして、図１に示す背面投射型表示装置に
用いられている透過型スクリーン１０１のレンチキュラ
レンズ１１２（図２）に替えて、この実施例４による平
面型レンズを装着して投射画像を観察したところ、従来
のレンチキュラレンズ１１２を用いたスクリーンに比較
して、水平方向で１．１倍、垂直方向で２．２倍の視野
角を得た。また、コントラストが高く、解像も良好な、
明るく、品位の高い映像が観察できた。

【００４８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の平面型レ
ンズは、透明基材と、この透明基材の光入射側の面に形
成された着色ホットメルト接着剤層と、この接着剤層に
固着された単層からなる多数の透明ビーズによって構成
されているとともに、その透明ビーズ層が、互いに屈折
率が異なる少なくとも２種類のビーズの混合体で構成さ
れているので、透過型スクリーン等に適用した場合、ど
の方向から見ても広い視野を持ち、また画像の輝度の低
下させることなく、コントラストを向上させることがで
きるという効果を達成できる。

【００４９】なお、本発明の平面型レンズにおいて、透
明基材の光出射側面に、反射防止処理またはアンチグレ
ア処理を施しておけば、外乱光の鏡面反射を抑制でき、
映像のコントラスト低下を防ぐことができる結果、さら
に品位の高い画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】背面投射型表示装置の一般的な構成例を示す図

【図２】その背面投射型表示装置に用いられる透過型ス
クリーンの構造を示す模式的断面図

【図３】本発明の平面型レンズの実施の形態を示す模式
的断面図

【図４】本発明の平面型レンズの作用説明図

【図５】本発明の平面型レンズの製造に用いるプレス装
置の一例を示す図

【図６】本発明の平面型レンズの他の実施の形態を示す
模式的断面図

【図７】本発明の平面型レンズの更に別の実施の形態を
示す模式的断面図

【符号の説明】

Ｌ平面型レンズ１透明基材２，２′着色ホットメルト接着剤層２ａ透明層２ｂ着色層３透明ビーズの混合体３ａ・・３ａ，３ｂ・・３ｂ透明ビーズ４反射防止膜

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明基材と、この透明基材の光入射側の
面に形成された着色ホットメルト接着剤層と、この着色
ホットメルト接着剤層に固着された単層からなる多数の
透明ビーズによって構成されているとともに、その透明
ビーズ層が、互いに屈折率が異なる少なくとも２種類の
ビーズの混合体であることを特徴とする平面型レンズ。
【請求項２】上記透明ビーズの屈折率が１．４以上で
あることを特徴とする請求項１に記載の平面型レンズ。
【請求項３】上記透明ビーズの混合体は、それぞれの
屈折率が０．１以上異なる、異種の透明ビーズからなる
ことを特徴とする請求項１または２に記載の平面型レン
ズ。
【請求項４】上記着色ホットメルト接着剤層が、透明
層と、この上の光入射側に形成された着色層からなるこ
とを特徴とする請求項１、２または３に記載の平面型レ
ンズ。
【請求項５】上記透明基材の光出射側の面に、反射防
止処理もしくはアンチグレア処理が施されていることを
特徴とする請求項１、２、３または４に記載の平面型レ
ンズ。