JPH10197959A - 平面型レンズとその製造方法 - Google Patents

平面型レンズとその製造方法

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JPH10197959A
JPH10197959A JP9003316A JP331697A JPH10197959A JP H10197959 A JPH10197959 A JP H10197959A JP 9003316 A JP9003316 A JP 9003316A JP 331697 A JP331697 A JP 331697A JP H10197959 A JPH10197959 A JP H10197959A
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transparent
lens
adhesive layer
melt adhesive
beads
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JP9003316A
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English (en)
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Kazunori Kawamura
和典 河村
Reiji Hirata
麗司 平太
Toshiaki Iwamoto
登志明 岩元
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過型スクリーン等に適用した際に、どの方
向から見ても明るくて広い視野を持ち、しかも画像の輝
度を低下させることなく、コントラストを向上させるこ
とのできる平面型レンズとその製造方法を提供する。 【解決手段】 透明基材1と、この透明基材の光入射側
の面に形成された着色ホットメルト接着剤層2と、この
接着剤層2に固着された一層からなる多数の透明ビーズ
3と、その透明ビーズ3の光入射面側に、当該透明ビー
ズ3の各位置に対応して設けられた透明レンズ体4によ
って平面型レンズを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型表示装
置の透過型スクリーン、あるいは液晶表示装置、プラズ
マ表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等の視
野角拡大板、あるいは液晶用バックライト、照明光源等
の光を拡散する光拡散板等に用いる平面型レンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、偏光特性を有する光束を出射す
る、例えば液晶パネル等のライトバルブを用いた投射型
表示装置が開発されている。液晶を用いた投射型表示装
置では、液晶パネルで空間変調された画像光を投射レン
ズによりスクリーンに拡大して投射するようになってい
る。この投射型表示装置には前面投射型あるいは背面投
射型の装置がある。
【0003】それら二つの表示装置のうち、背面投射型
表示装置の構成例を図1に示す。この背面投射型表示装
置は、光を出射するための投射光学系100と、透過型
スクリーン101と、投射光学系100から出射された
光aを反射して、透過型スクリーン101に導くための
ミラー102によって構成されている。その透過型スク
リーン101は、通常図2に示すように、フレネルレン
ズ111とレンチキュラレンズ112からなり、投射光
学系100から投射された光aをフレネルレンズ111
によってほぼ平行光とした後、レンチキュラレンズ11
2によって左右に拡散するように構成されている。
【0004】このように、背面投射型表示装置では、投
射光学系100から出射された画像光aが透過型スクリ
ーン101に拡大投射されるようになっており、観視者
は投射光学系100の反対側から透過型スクリーン10
1の透過光として投射画像の観察を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レンチキュ
ラレンズ112は、上記したように画像光を主として左
右(水平)方向に広く拡散させるので、斜めから見た場
合でも画像を認識することができるものの、これと直交
する上下(鉛直)方向にはほとんど拡散させることがで
きないために、視点を上下させた場合、鮮明な画像を認
識できる範囲が極めて狭くなるという欠点がある。
【0006】また、レンチキュラレンズ112は直線的
な形状のレンズが上下方向に規則的に配列されているの
で、画像にモアレ干渉縞が発生し、画像品位を著しく低
下させるという問題がある。
【0007】さらに、レンチキュラレンズ112には精
密なレンズ形状が全面にわたって形成されており、一部
に僅かな欠陥が生じた場合でも使用不可能となることか
ら、その取り扱いに非常に神経を使わなければならない
上、画像サイズが大型化する昨今では、その大型化に伴
うコスト上昇も避けられないといった問題がある。
【0008】これらの問題点を解決する手段の一つとし
て、例えば背面投射型ディスプレイ等に用いる透過型ス
クリーンとして特開平2−77736号公報には、球状
レンズを樹脂等で固定した平面型レンズが提案されてい
る。この技術によれば大面積でつなぎ目の無いスクリー
ンを得ることができるが、光入射面側は球状レンズがそ
のまま露出しているので、球状レンズの周辺部に入射し
た光は正反射を起こして透過することができず、このた
め光の利用効率が悪く、透過率が低いという欠点があ
る。さらには、外乱光がスクリーンの光出射面側から容
易に進入できるので、画像のコントラストが低下すると
いう欠点もある。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、透過型スクリーン等に適用した際に、どの方
向から見ても明るくて広い視野角を持ち、しかも画像の
輝度を低下させることなく、コントラストを向上させる
ことのできる平面型レンズとその製造方法の提供を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の平面型レンズは、図3に例示するように、
透明基材1と、この透明基材1の光入射側の面に形成さ
れる着色ホットメルト接着剤層2と、この着色ホットメ
ルト接着剤層2に固着された一層からなる多数の透明ビ
ーズ3・・3によって構成されているとともに、その透明
ビーズ3・・3の光入射面側に、当該透明ビーズ3・・3の
各位置にそれぞれ対応して設けられた透明レンズ体4・・
4を備えていることによって特徴づけられる。
【0011】次に、本発明の平面型レンズの作用を述べ
る。まず、本発明の平面型レンズは、図2の透過型スク
リーンのレンチキュラレンズ112に替えて用いられ、
図4に示すように、その平面型レンズLにはフレネルレ
ンズ111によってほぼ平行となった画像光が入射す
る。
【0012】平面型レンズLの光入射面には、図3に示
したように、凸レンズを呈する透明レンズ体4が密に配
置されているので、透明レンズ体4に入射した入射光a
は、この透明レンズ体4の屈折率に基づいて屈折した
後、透明ビーズ3、透明基材1を順次に透過し、少なく
とも55%以上の光が等方的に拡散して出射する。
【0013】一方、平面型レンズLに入射しても透明ビ
ーズ3に入射しなかった光a′つまり透明ビーズ3によ
るレンズ作用を受けることがない光は着色ホットメルト
接着剤層2に吸収される。また、外乱光bは、平面型レ
ンズLに対し透明基材1側から入射し、着色ホットメル
ト接着剤層2へと達するが、大半がここで吸収されるの
で、透明ビーズ3を通過して投射型表示装置の内部まで
透過して迷光となる可能性が少ない。
【0014】以上のことから、本発明の平面型レンズを
透過型スクリーンに適用することで、観視者はどの角度
から見ても明るく、コントラストの高い映像を見ること
ができる。
【0015】なお、本発明の平面型レンズに用いる透明
基材は、これ自体が剛性を有する基板であってよいし、
あるいは透明基材をフィルム状基材として、この透明基
材の光出射側の面に透明接着剤を介して剛性の透明基板
を接合した形態を採ることもできる。
【0016】また、着色ホットメルト接着剤層は、その
全体が着色層による構成としてもよいし、図6に例示す
るように、透明層2Aと、この上の光入射側に形成され
た着色層2Bの複合層2′としてもよい。なお、着色ホ
ットメルト接着剤またはこの着色ホットメルト接着剤層
を構成する上記着色層は、黒色または灰色の顔料あるい
は染料により着色された樹脂からなることを好ましい
が、その着色は、赤、緑、青あるいはそれらの混合色と
してもよい。
【0017】さらに、本発明において、透明基材の光出
射側の面に、光の反射を抑制または制御するための反射
防止層またはアンチグレア層を形成しておいてもよい。
ここで、本発明に適用する透明レンズ体は、1.4以上
の屈折率を持つ透明樹脂であることが好ましい。透明レ
ンズ体の屈折率がこの範囲にあると、出射光の拡散角度
が広がり、画像の視認角度が大きくなる。また、透明ビ
ーズと、透明レンズ体の屈折率の差は0.2以内とする
ことが好ましい。屈折率の差がこの範囲にあると、透明
ビーズと透明レンズ体との界面における反射損が減少
し、光の利用効率が増大する。
【0018】さらに、本発明は、透明レンズ体側から平
行光線を入射させた時の全光線透過率が55%以上で、
その逆方向から平行光線を入射させた時の全光線透過率
が25%以下であることが好ましい。透過率がそれぞれ
これらの範囲にあると、画像光の明るさを維持したま
ま、光出射側からの外乱光の進入を抑制するので、コン
トラストが高まる。また、このような点を考慮すると、
透明レンズ体側から平行光線を入射させた時の全光線透
過率は60%以上とし、かつ逆方向から平行光線を入射
させたときの全光線透過率は20%以下とするのが、よ
り好ましい。
【0019】本発明の製造方法は、上記した構造の平面
型レンズを作製する方法であって、透明基材上に、着色
ホットメルト接着剤層を形成する工程と、その着色ホッ
トメルト接着剤層上に多数の透明ビーズを分散配置する
工程と、この透明ビーズの分散層を基材に向けて押圧す
るとともに、着色ホットメルト接着剤層を昇温軟化させ
て透明ビーズを着色ホットメルト接着剤層に、各一部を
埋め込む工程と、上記着色ホットメルト接着剤層の降温
によって、当該着色ホットメルト接着剤層を固化して透
明ビーズを固着する工程と、透明ビーズの露出面上に透
明樹脂をコーティングし、このコーティング面を上面と
して硬化させることにより透明レンズ体を形成する工程
とを経て、目的とする平面型レンズを作製することによ
って特徴づけられる。
【0020】ここで、本発明で言う透明とは、目的とす
る光すなわちレンズを透過させるべき光に対してこれを
透過し得るものであることを指し、いわゆる半透明も含
めた範囲までのことを指す。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下、図
面に基づいて説明する。図3は本発明の平面型レンズの
実施の形態の一例を示す模式的断面図である。
【0022】この図3に示す平面型レンズLは、透明基
材1と、この透明基材1の光入射側の面に形成された着
色ホットメルト接着剤層2と、この着色ホットメルト接
着剤層2に固着された一層からなる多数の透明ビーズ3
・・3と、この透明ビーズ3・・3の各光入射面側にそれぞ
れ対応する位置に設けられた透明レンズ体4・・4によっ
て構成される。
【0023】このような構造の平面型レンズLは、透明
基材1上に、着色メルト接着剤層2を形成(コーティン
グ)して固化ないしは半固化の状態とし、この接着剤層
2上に透明ビーズ3・・3を、1層すなわち単粒子配列を
持って分散配置する。これを、例えば図5に示す上下一
対の加熱加圧板21及び22を有するプレス装置の一方
の加熱加圧板22上に載置して、加熱加圧板21及び2
2によって着色ホットメルト接着剤層2を溶解ないしは
軟化させつつ所定の圧力をもって透明ビーズ3・・3を着
色ホットメルト接着剤層2に向けて押圧するとともに、
透明ビーズ3・・3を、その直径の一部すなわち所定の深
さだけ着色ホットメルト接着剤層2中に埋め込む。そし
て、加熱加圧板21及び22による加熱及び加圧を排除
し、着色ホットメルト接着剤層2を室温まで自然冷却も
しくは強制冷却して、着色ホットメルト接着剤層2を固
化する。次に、単層で密に配列された透明ビーズ3・・3
の露出面上に、透明樹脂をコーティングし、コーティン
グ面を上面として該透明樹脂を硬化させることにより透
明レンズ体4を得る、といった工程により作製すること
ができる。
【0024】このような製造方法を採用すると、透明基
材1上に塗布され、固化された状態にある着色ホットメ
ルト接着剤層2を均一に軟化させて、この着色ホットメ
ルト接着剤層2中に、透明ビーズ3・・3を押圧埋設する
ので、透明ビーズ3・・3を均一な配置密度でかつ均一な
深さで埋め込むことができる。また、この方法では、透
明ビーズ3・・3の露出面上に透明樹脂をコーティング
し、そのコーティング面を上面として維持しながら硬化
させて透明レンズ体4を形成するので、着色ホットメル
ト接着剤層2より露出した透明ビーズ3・・3の個々の上
に、ビーズの露出面を包み込むように、しかも透明ビー
ズ3の曲率よりも大きな曲率を有する透明レンズ体4を
密接に配列して形成することができる。
【0025】図6は、本発明の平面型レンズの実施の形
態の他の例を示す模式的断面図である。この図6に示す
平面型レンズが、先の図3に示したものと相違するとこ
ろは、着色ホットメルト接着剤層2′が、透明基材1の
光入射側の面に形成された透明層2Aとこの透明層2A
上に形成された着色層2Bとからなる2層で構成されて
いる点にある。
【0026】また、図7は本発明の平面型レンズの実施
の形態の別の例を示す模式的断面図で、この実施の形態
は、図6の構成に加えて、透明基材1の光出射側の面に
反射防止膜5を形成したところに特徴がある。
【0027】その反射防止膜5は、反射防止処理または
アンチグレア処理によって形成されており、このような
反射防止膜5を形成しておくことで、外乱光b(図4参
照)の透明基材1表面における正反射を抑制することが
できる結果、画像のコントラスト低下を回避することが
できる。
【0028】ここで、以上の実施の形態に用いる透明レ
ンズ体4は、屈折率が1.4以上の透明樹脂によって構
成されている。その透明樹脂としては、例えば、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂等の透明性を有する樹脂を用いることができ、そ
の硬化方法としては熱硬化、架橋、光架橋などが挙げら
れる。
【0029】透明レンズ体のコーティング方法は、特に
限定されるものではなく、例えばロールコート、グラビ
アコート、キスコート、スプレーコート、ブレードコー
ト、ロッドコート等によることができ、該コーティング
層の硬化時にコーティング面を上面として維持する。
【0030】また、透明ビーズ3は、透明レンズ体4と
の屈折率の差が0.2以内にしてあり、例えばガラス、
あるいはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂等の透明性を有する樹脂の中か
ら、透明レンズ体4との屈折率差が0.2以内になるよ
うに材質を選択する。
【0031】以上の本発明の実施の形態に用いる透明基
材の材質としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の透明性を有
する樹脂が挙げられる。
【0032】その透明基材の光出射面に施される反射防
止処理あるいはアンチグレア処理の方法については、特
に限定するものではないが、これらの例としては、反射
防止処理においては、透明基材の上にシリカ、アルミナ
等の公知の反射防止層をコーティングあるいは真空蒸着
等によって所定の厚みに形成する方法がある。またアン
チグレア処理においては、樹脂にシリカ、プラスチック
ビーズ等を混入してコーティングする方法や、サンドブ
ラスト処理あるいはエンボス賦形処理等によって凹凸を
形成する方法がある。
【0033】また、各実施の形態に適用される着色ホッ
トメルト接着剤層2もしくはその着色層2Bは、透明ビ
ーズ3及び透明基材1に対して十分な接着力を持つもの
が好ましく、その材質としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等からなるホットメル
ト接着剤が挙げられ、これらの接着剤をベース樹脂と
し、そこへ顔料を分散するか、あるいは染料により染色
することにより、着色ホットメルト接着剤層2もしくは
その着色層2Bを形成できる。
【0034】その着色ホットメルト接着剤層2のコーデ
ィングは、例えばナイフコート、ロールコート、グラビ
アコート、キスコート、スプレーコート、ブレードコー
ト、ロッドコート等によることができる。
【0035】そして、着色ホットメルト接着剤層を、図
6または図7に示したような、透明層2Aと着色層2B
との2層構造とする場合、透明のホットメルト接着剤を
上述した各コーティング法により塗布し、次いで着色ホ
ットメルト接着剤を同様の方法によってコーティングす
るといった処理法を採用する。
【0036】
【実施例】本発明の平面型レンズの具体的な実施例を以
下に説明する。 〔実施例1〕図3に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。
【0037】まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂か
らなる平坦な透明基板1(厚さ0.25mm)の一方の
表面に、ポリエステル系樹脂(東洋紡績株式会社製、商
品名:バイロン200)100重量部に対し、黒色カー
ボンを3重量部配合した着色ホットメルト接着剤層2
を、乾燥後10μmの厚みになるようにナイフコーター
により塗布した。次いで、着色ホットメルト接着剤層2
の上に、屈折率1.52、平均直径50μmの透明ビー
ズ3・・3(ガラスビーズを使用)を密に配設し、熱プレ
スにより、温度120℃、圧力3kg/cm2 で10分
間保持した後、常温まで冷却することにより、ビーズを
埋設した。
【0038】この後、透明ビーズ3・・3の上に、屈折率
1.49のアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、商
品名:ダイヤナールLR−162)をグラビアコーター
により塗布し、塗布面を上面として40℃で30分間乾
燥することにより、透明レンズ体4・・4を得た。その各
透明レンズ体4・・4はそれぞれ透明ビーズ3・・3に対応
した位置にあり、ビーズを包むように、しかもビーズの
曲率よりも大きな曲率を有する凸レンズ状に形成されて
おり、輪郭形状は略六角形であった。
【0039】このようにして作製した平面型レンズにつ
いて光透過率を測定したところ、透明レンズ体側から平
行光線を入射させたときの全光線透過率は63%であ
り、その逆方向(透明基材側)から平行光線を入射させ
たときの全光線透過率は6%であった。 〔実施例2〕図6に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。
【0040】まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂か
らなる平坦な透明基板1(厚さ0.25mm)の一方の
表面に、ポリエステル系樹脂(東洋紡績株式会社製、商
品名:バイロン200)からなる透明ホットメルト接着
剤層2Bを、乾燥後6μmになるようにナイフコーター
により塗布した。さらにその上にポリエステル系樹脂
(東洋紡績株式会社製、商品名:バイロン630)10
0重量部に対し、黒色カーボンを3重量部配合した着色
ホットメルト接着剤層2Bを、乾燥後5μmの厚みにな
るようにナイフコーターにより塗布した。次いで、着色
ホットメルト接着剤層2Bの上に、屈折率1.52、平
均直径50μmの透明ビーズ3・・3(ガラスビーズを使
用)を密に配設し、熱プレスにより、温度120℃、圧
力3kg/cm2 で10分間保持した後、常温まで冷却
することによりビーズを埋設した。
【0041】この後、透明ビーズ3・・3の上に、屈折率
1.49のアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、商
品名:ダイヤナールLR−162)をグラビアコーター
により塗布し、塗布面を上面として40℃で30分間乾
燥することにより、透明レンズ体4・・4を得た。その各
透明レンズ体4・・4はそれぞれ透明ビーズ3・・3に対応
した位置にあり、ビーズを包みように、しかもビーズの
曲率よりも大きな曲率を有する凸レンジ状に形成されて
おり、輪郭形状は略六角形であった。
【0042】このようにして作製した平面型レンズにつ
いて光透過率を測定したところ、透明レンズ体側から平
行光線を入射させたときの全光線透過率は65%であ
り、その逆方向(透明基材側)から平行光線を入射させ
たときの全光線透過率は9%であった。 〔実施例3〕図7に示す構造の平面型レンズを次のよう
に作製した。
【0043】まず、実施例2と同様にして得られた平面
型レンズの透明基板1の画像光の出射側の面に、真空蒸
着を用いてSiO2 からなる反射防止膜5を膜厚100
nmの厚みに成膜した。
【0044】このようにして作製した平面型レンズにつ
いて光透過率を測定したところ、透明レンズ体側から平
行光線を入射させたときの全光線透過率は67%であ
り、その逆方向(透明基材側)から平行光線を入射させ
たときの全光線透過率は12%であった。 〔実施例4〕透明ビーズの屈折率を1.9にした以外
は、実施例1と同様にして平面型レンズを作製した。
【0045】このようにして作製した平面型レンズにつ
いて光透過率を測定したところ、透明レンズ体側から平
行光線を入射させたときの全光線透過率は58%であ
り、その逆方向(透明基材側)から平行光線を入射させ
たときの全光線透過率は8%であった。 〔比較例〕透明レンズ体4の効果を確認するために図8
に示す比較例を以下のようにして作製した。
【0046】まず、ポリエチレンテレフタレート樹脂か
らなる平坦な透明基板31(厚さ0.25mm)の一方
の表面に、ポリエステル系樹脂(東洋紡績株式会社製、
商品名:バイロン200)100重量部に対し、黒色カ
ーボンを3重量部配合した着色ホットメルト接着剤層3
2を、乾燥後10μmの厚みになるようにナイフコータ
ーにより塗布した。次いで、着色ホットメルト接着剤層
32の上に、屈折率1.9、平均直径50μmの透明ビ
ーズ33・・33(ガラスビーズを使用)を密に配設し、
熱プレスにより、温度120℃、圧力3kg/cm2
10分間保持した後、常温まで冷却することにより、ビ
ーズを埋設した。
【0047】このようにして作製した平面型レンズにつ
いて光透過率を測定したところ、透明レンズ体側から平
行光線を入射させたときの全光線透過率は53%であ
り、その逆方向(透明基材側)から平行光線を入射させ
たときの全光線透過率は9%であった。
【0048】そして、図1に示す背面投射表示装置に用
いられている透過型スクリーン101のレンチキュラレ
ンズ112(図2)に替えて、以上述べた実施例1乃至
4及び比較例よる平面型レンズを装着して、投射画像を
観察したところ、いずれの平面型レンズも、従来のレン
チキュラレンズ112を用いたスクリーンに比較してコ
ントラストが高く、解像度も良好で、モアレ干渉縞のな
い、品位の高い画像が観察できた。視野角もレンチキュ
ラレンズと比較して、水平方向で1.5倍以上、垂直方
向で6倍以上であった。画面の明るさは実施例1乃至4
がレンチキュラレンズとほぼ同等であったのに対し、比
較例による平面型レンズは劣っていた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平面型レ
ンズは、透明基材と、この透明基材の光入射側の面に形
成された着色ホットメルト接着剤層と、この接着剤層に
固着された一層からなる多数の透明ビーズと、その透明
ビーズの光入射面側に、当該透明ビーズの各位置に対応
して設けらた透明レンズ体によって構成されているの
で、透過型スクリーン等に適用した場合、どの方向から
見ても広い視野を持ち、また画像の輝度の低下させるこ
となく、コントラストを向上させることができるという
効果を達成できる。
【0050】また、本発明の製造方法によれば、上記し
た効果をもつ平面型レンズを製作するにあたり、多数の
透明ビーズを均一な配置密度で、かつ均一な深さで着色
ホットメルト接着剤層(または光拡散層)に埋め込むこ
とができる。
【0051】なお、本発明の平面型レンズにおいて、透
明基材の光出射側面に、反射防止処理またはアンチグレ
ア処理を施しておけば、外乱光の鏡面反射を抑制でき、
映像のコントラスト低下を防ぐことができる結果、さら
に品位の高い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】背面投射型表示装置の一般的な構成例を示す図
【図2】その背面投射型表示装置に用いられる透過型ス
クリーンの構造を示す模式的断面図
【図3】本発明の平面型レンズの実施の形態の一例を示
す模式的断面図
【図4】本発明の平面型レンズの作用説明図
【図5】本発明の平面型レンズの製造方法に用いるプレ
ス装置の一例を示す図
【図6】本発明の平面型レンズの実施の形態の他の例を
示す模式的断面図
【図7】本発明の平面型レンズの実施の形態の更に別の
例を示す模式的断面図
【図8】本発明の平面型レンズの比較例を示す模式的断
面図
【符号の説明】
L 平面型レンズ 1 透明基材 2,2′着色ホットメルト接着剤層 2A 透明層 2B 着色層 3 透明ビーズ 4 透明レンズ体 5 反射防止膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、この透明基材の光入射側の
    面に形成された着色ホットメルト接着剤層と、この着色
    ホットメルト接着剤層に固着された一層からなる多数の
    透明ビーズと、その透明ビーズの光入射面側に、当該透
    明ビーズの各位置にそれぞれ対応して設けられた透明レ
    ンズ体を備えてなる平面型レンズ。
  2. 【請求項2】 上記透明レンズ体が、1.4以上の屈折
    率を持つ透明樹脂からなることを特徴とする請求項1に
    記載の平面型レンズ。
  3. 【請求項3】 上記透明ビーズと、上記透明レンズ体の
    屈折率の差が0.2以内であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の平面型レンズ。
  4. 【請求項4】 上記着色ホットメルト接着剤層が、透明
    層と、この上の光入射側に形成された着色層からなるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3に記載の平面型レ
    ンズ。
  5. 【請求項5】 上記透明基材の光出射側の面に、反射防
    止処理もしくはアンチグレア処理が施されていることを
    特徴とする請求項1、2、3または4に記載の平面型レ
    ンズ。
  6. 【請求項6】 上記透明レンズ体側から平行光線を入射
    させた時の全光線透過率が55%以上で、かつ、その逆
    方向から平行光線を入射させたときの全光線透過率が2
    5%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4
    または5に記載の平面型レンズ。
  7. 【請求項7】 透明基材上に着色ホットメルト接着剤層
    を形成する工程と、その着色ホットメルト接着剤層上に
    多数の透明ビーズを分散配置する工程と、その透明ビー
    ズの分散層を上記基材に向けて押圧するとともに、上記
    着色ホットメルト接着剤層を昇温軟化させて上記透明ビ
    ーズを上記着色ホットメルト接着剤層に、各一部を埋め
    込む工程と、上記着色ホットメルト接着剤層の降温によ
    って、当該着色ホットメルト接着剤層を固化して上記透
    明ビーズを固着する工程と、上記透明ビーズの露出面上
    に透明樹脂をコーティングし、このコーティング面を上
    面として硬化させることにより透明レンズ体を形成する
    工程を経て、請求項1、2、3、4、5または6に記載
    の平面型レンズを作製することを特徴とする平面型レン
    ズの製造方法。
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