JP4135194B2 - 平面型レンズとこれを用いた背面投射型プロジェクタ用スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面型レンズ、すなわち背面投射型プロジェクタ用スクリーン、あるいは液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロルミネッセンズ表示装置等の視野角拡大板、または液晶用バックライト、各種照明光源等の光を拡散する光拡散板等に用いる平面型レンズと、さらにこの平面型レンズを用いた背面投射型プロジェクタ用スクリーンに係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、偏光特性を有する光束を出射する、例えば液晶パネル等のライトバルブを用いた投射型表示装置が開発されている。この液晶を用いた投射型表示装置では、液晶パネルで空間変調された画像光を投射レンズによりスクリーンに拡大して投射するようになっている。この投射型表示装置には前面投射型と背面投射型がある。
【0003】
図34は、そのスクリーン背面から投射された画像を、スクリーン前方から観察する背面投射型表示装置の概略構成図を示すものである。この背面投射型表示装置は、光を出射するための映像投射部1と、透過型スクリーン2と、映像投射部1から得た投射映像光Lを反射ミラー3で反射させて透過型スクリーン2に導く構成とされている。
この透過型スクリーン2、すなわち背面投射型プロジェクタ用スクリーンは、通常図35にその要部の斜視図を示すように、フレネルレンズ4と垂直方向に延びるレンチキュラーレンズ5によって構成される。
【0004】
上述の構成による背面投射型表示装置においては、映像投射部1からの投射映像光Lは、フレネルレンズ4によってほぼ平行光となり、さらにレンチキュラーレンズ5によって左右に拡散される。
このように、この従来通常の背面投射型表示装置では、映像投射部1からの投射映像光は透過型スクリーン2に拡大投射されるようになっている。すなわち、観察者は、透過型スクリーン2の透過光として投射画像の観察を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した背面投射型表示装置は、一般に明るい部屋で用いられることが多く、この場合室内照明等の外光がレンチキュラーレンズ5の表面で反射され、これがスクリーン2からの出射映像光と共に観察されることから画像のコントラストが低下してしまう問題が生じていた。従来では、この対策としてレンチキュラーレンズ5の前面に別途、スモーク板(図示せず)を設け、外乱光の一部を吸収させることが行われ、これによりコントラストの低下を抑制する方法が採られている。
【0006】
ところがこのようなスモーク板を設けた場合、このスモーク板を通過する際に映像光の一部も同様に吸収され画像の輝度が低下する。この輝度を高めるためには、より消費電力の大きい光源を使用することが必要になり、省電力化を阻害し、また、このような電力増大化に伴う、より厳しい熱対策が必要になるなど、コスト高を来すという新たな問題が生じる。
【0007】
また、上述したレンチキュラーレンズを用いた平面型レンズ、更にこれを用いた透過型のスクリーン、すなわち背面投射型プロジェクタ用スクリーンにおいては、多くの問題が生じる。以下この問題点を列挙する。
(1)レンズ素子を上下(水平)方向に延長して形成したレンチキュラーレンズにおいては、(水平)方向に広く拡散させるので、斜めから見た場合でも像を観察することができるものの、これと直交する上下(垂直)方向には殆ど拡散させることができないために、視点を上下させた場合、鮮明な画像を観察できる範囲は、極めて狭いという欠点がある。
すなわち、例えば図36Aに示すように、このレンチキュラーレンズを用いた平面型レンズもしくはスクリーンは、その板面に垂直に入射する光による輝度の50%以上を示す領域が同図中aをもって示すように、垂直方向に偏平な楕円錐状となる。つまり、その水平方向の拡散が、同図Bに示すように、例えば中心の輝度の50%以上を示す領域が30°程度の範囲であるとき、垂直方向の同様の領域は、同図Cに示すように、20°程度の範囲となる。
(2)さらに、レンチキュラーレンズには精密なレンズ形状が全面に渡って形成されており、一部に僅かな欠陥が生じた場合でも、全体が使用可能となることから、このスクリーンの取扱には細心の注意を払う必要がある。さらに、昨今の画像の投射面積のより増大化に伴い、スクリーンの取扱がより問題となり、コスト高が避けられないという状況下にある。
(3)フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを組み合わせたスクリーンは、主として水平方向に投射光を広げるものであるという理由で、水平方向に広い視野角が得られる反面、垂直方向の視野角は狭く、観察者は、画像の輝度分布が一様でないことや、部分的不均一性を感ずる場合があり、場合によっては水平方向に光の帯として感じとる場合がある。
(4)また、レンチキュラーレンズにおいて、レンズ素子間にブラックストライプを設ける場合、充分なレンズ効果を持たせるためには一定間隔以下にブラックストライプを形成できないことから、投射された画像のコントラストが低下し、また解像度が低いという問題がある。
(5)更に、一般に、上述した映像投射部1、もしくは前面投射型映像表示装置等における投射光は、画角の中心部が明るく周囲に向かうに従って暗くなるという照度分布を示すことから、観察映像の強度分布は急峻な勾配を示すという問題がある。
(6)また、上述したフレネルレンズとレンチキュラーレンズとの組み合わせによるスクリーンにおいては、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとの間に多重反射が生じるために、観察映像が幾重にも重なって観察されるという問題がある。
(7)更に、上述したレンチキュラーレンズのブラックストライプと投射映像との間で光の干渉が発生し、観察映像に干渉模様いわゆるモアレが発生する場合がある。
【0008】
また、スクリーンにおいては、光が広く拡散するいわゆる拡散性の強いスクリーンは、ゲイン(=ある出射角度方向の輝度/入射光量)したがって輝度は低いが、視野角に対して、変動の少ない平坦なゲイン曲線が得られる。一方、指向性の強いスクリーンでは、ゲインは高いが、視野角が大きくなるに従って、急激にゲインが低下する。この変化は、スクリーンを肉眼観察した場合において、観察位置を移動することによりスクリーンに表示されている画像の明るさが変化しやすいことを表わしている。
江森氏による「リア・プロジェクション・スクリーンの特性と測定法」光学技術コンタクトvol.11、No.5(1973)p17〜p23の、特にp18に記載されているように、人間の眼は輝度に対して対数的な感度を持つので、ゲインの2倍程度の変動に対しては、一様な明るさに見える。
しかし、ゲインの変動が3倍以上になると、ピークゲインの部分(通常、スクリーンの中央)を中心に明るく見える、いわゆる、ホットスポット、ホットバンド現象が見られるようになると言われている。
上記文献によると、ピークゲインが3.5で、曲げ角(視野角)30°におけるゲインが、ピークゲインの25%以上であるスクリーンが、最適なものであるとしている。
【0009】
ある曲げ角でのゲインを示して、スクリーンの性能を示すことの意味を図37および図38を用いて説明する。
【0010】
スクリーンにリア・プロジェクタを取り付けて、スクリーン上の表示画面の中心点の真正面で、表示画面の縦の高さの3倍の距離離れた位置で肉眼観察した場合を考える。因みに、この距離はNTSCやHDTV(ハイビジョン)で標準観視距離とされているものである。
この場合、HDTVのような9:16のワイドスクリーンにおいては、図37のように、垂直方向で最大9.5°、水平方向で最大16.5°、対角線方向で最大18.8°の曲げ角がつくことになる。
【0011】
さらに、観察者を複数にした場合には、例えば図38に示すようにスクリーンの正面に観察者が並ぶこととなり、表示画面の中心点と同じ高さで、表示画面の横端の正面で縦の高さの3倍の距離の位置からスクリーンを見ることとなり、その結果、図38に示すように、水平方向で最大30.7°、斜め方向で最大31.6°の曲げ角がつくことになる。
【0012】
上述のような場合においても、スクリーンは、シェーディング、いわゆる明るさのムラが起きないことが必要である。一般にシェーディングは15〜50%なら肉眼観察した場合においても特に問題とならないが、これが70%以上になると許容できなくなる。このスクリーン上の表示画像を見たときにシェーディングが50%以内になる領域は好感領域と呼ばれ、この好感領域を大きくすれば、観察に適した領域を広げることができる。
【0013】
実際のプロジェクタにおいて、シェーディングは、スクリーンに投射される映像光の入射角や均一性を含めた形で評価されるが、スクリーン単体の評価においては、ピークゲインとある曲げ角でのゲインの関係からシェーディングを数値的に評価することができる。
【0014】
ところで、近年プロジェクタは、TFT液晶などの光空間変調素子(ライトバルブ)を用いた光投射部の開発が進むことで、光出力が年々高くなってきており、ピークゲインが高いことを第1の効果としてきた従来のスクリーンだけでなく、ある程度の拡散性を持つことで観察に適した領域を広げる効果も具備したスクリーンが求められるようになった。
【0015】
本発明は、前述したレンチキュラーレンズによるいわゆる平面型レンズとさらにこれを用いて構成する背面投射型プロジェクタ用スクリーンにおける諸問題の解決を図るものである。
【0016】
また、本発明は、スクリーンの輝度と、ある程度の拡散性を同時に確保することについての問題点、およびこれらとコスト面を含めた諸問題の解決を図るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による平面型レンズは、光出射側もしくは光入射側に透明基材が配置され、この透明基材上に、透明微小球体いわゆる透明ビーズが、2次元的に単粒子層配置をもって隣り合う透明微小球体が相互に接触ないしは近接して配置され、光入射側において透明微小球体の一部を外部に露呈させる着色層を少なくとも有してなる透明微小球体配置層を有し、この透明微小球体配置層は、その透明微小球体の光出射側端部において光透過性を高めた構成とする。そして透明微小球体の屈折率が、レンズの中央と周辺とで漸次もしくは段階的に変化させた構成とする。
【0018】
また、本発明による背面投射型プロジェクタ用スクリーンは、光出射側もしくは光入射側に透明基材が配置され、上記透明基材上に、透明微小球体が、2次元的に単粒子層配置をもって隣り合う透明微小球体が相互に接触ないしは近接して配置され、光入射側において上記透明微小球体の一部を外部に露呈させる着色層を少なくとも有してなる透明微小球体配置層を有し、この透明微小球体配置層が、透明微小球体の光出射側端部において光透過性を高めた構成とした平面型レンズを具備する構成とする。そして透明微小球体の屈折率が、スクリーンの中央と周辺とで漸次もしくは段階的に変化させた構成とする。
【0019】
尚、本明細書において透明とは、目的とする光、すなわちレンズないしはスクリーンを透過させるべき光に対してこれを透過し得るものであることを指称し、いわゆる半透明をも含めて指称するものである。
【0020】
上述の構成による平面型レンズおよび背面投射型プロジェクタ用スクリーンによれば、入射光が透明微小球体によるレンズ作用によって収束され、これより発散することから、入射光は、透明微小球体によって水平垂直の両方向に関して拡散させることができることによって、水平および垂直の両方向に関して、視野角の拡大をはかることができる。また、透明微小球体に入射することがなかった光は、その殆どが透明微小球体配置層の着色層によって吸収され、これが出射することが回避される。また、光出射側からレンズもしくは背面投射型プロジェクタ用スクリーンに入射する外光もまた透明微小球体配置層の着色層によって吸収されることからコントラストの向上がはかられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による平面型レンズおよびこれを用いた背面投射型プロジェクタ用スクリーンの実施の形態を説明する。
本発明による平面型レンズは、図1〜図24にその実施例の模式的断面図を示すように、光出射側もしくは光入射側の少なくとも一方に透明基材11が配置され、この透明基材11上に、透明微小球体12が、2次元的に単粒子層配置をもって相互に接触ないしは近接して配置され、光入射側において上記透明微小球体の一部を外部に露呈させる着色層13を少なくとも有する透明微小球体配置層14を有し、更に、この透明微小球体配置層14は、透明微小球体12の光出射側端部において光透過性を高めた構成とする。尚、後述するように、透明微小球体12で入射光の収束がなされることから、この透明微小球体12からの出射領域(面積)は、微小であり、これに伴い透明微小球体配置層14の高い光透過性を示す領域は小面積でよい。
【0022】
図1で示す平面型レンズ10の構成においては、例えば剛性を有するガラス基板もしくはプラスチック基板、あるいは可撓性いわゆるフレキシブル基板による透明基材11を、レンズの光出射側に配置した場合である。すなわち、この場合、基材11の光入射側に、透明微小球体配置層14を形成した場合である。また、この例では、透明微小球体配置層14が、接着性ないしは粘着性を有する着色層13に、透明微小球体12を、隣り合う透明微小球体12が相互に充分近接して、あるいは接触するように細密充填をもってかつ単粒子層に、各透明微小球体12の各一部を埋設させることによって固着させたものである。つまり、各透明微小球体12は、その光入射端側が着色層13から所要部分、具体的には後述するように、透明微小球体12の直径の30%以上に相当する部分が突出するようにし、これとは反対側においては、着色層13内に埋没させるものであるが、その光出射端においては、各透明微小球体12が、透明基材11に直接的に接触するか、着色層13が充分薄い厚さで介在するようにして、この端部においては殆んど着色層13によって光の吸収がなされることなく光透過性が高められた構成として透明微小球体12からの出射される光量が、着色層13によって吸収されることを軽減させたものである。この着色層13による吸収を軽減させる領域は、前述したように透明微小球体12の光出射端側の微小領域(面積)とすることができる。
【0023】
この平面型レンズ10においては、その透明微小球体配置層14に対し、透明基材11とは反対側から、投射映像等の例えば平行光とされた入射光Liが、露出した透明微小球体12に入射されると、この入射光Liは、透明微小球体12によるレンズ効果によって収束され、その後発散することから、出射光Loは拡散し、拡散平面型レンズもしくは視野角拡大平面型レンズが構成される。
【0024】
そして、各透明微小球体12の出射端において、上述したように、着色層13による吸収を軽減させる領域を形成して、この出射光が効率良くレンズ10の前方に出射することができるようにするものであるが、この領域は、各透明微小球体12において、収束されて透明微小球体12から出射されるようになされるものであることから、微小面積とすることができ、その周囲には着色層13すなわち光吸収層が存在することから、外光Ldは、この着色層13に有効に吸収されてその迷走が効果的に回避される。したがって、この外光Ldによるコントラストの低下が効果的に回避される。
【0025】
図2は、本発明による他の例の平面型レンズ10を示し、この例においても、図1で説明した構成を基本構成とするものであるが、この場合においては透明微小球体配置層14が、それぞれ接着性ないしは粘着性を有する着色層13と透明層15との2層構造とした場合である。この場合、その光出射側端側に透明層15を配置することによって、この端部側における光透過性を高めて、透明微小球体12から高い出射光量が得られるようにしたものであるが、この構成による場合、透明微小球体12が着色層13と透明層15とに差し渡って埋め込まれた構成とされることから、透明微小球体12の保持強度が高められる。
【0026】
図3および図4で示す平面型レンズ10の構成においては、それぞれ図1および図2で示した構成において、その透明微小球体配置層14の、透明基材11とは反対側に透明微小球体配置層14に対する接着性ないしは粘着性を有する保護透明層25を配置して、透明微小球体配置層14したがって透明微小球体12の透明基材11を有する側とは反対側における保護をはかった場合である。
【0027】
図5および図6で示す平面型レンズ10の構成においては、それぞれ図1および図2で示した透明微小球体配置層14の光入射側に透明基材11を配置した場合である。この場合、その透明微小球体配置層14を透明基材11に、接着性もしくは粘着性を有する透明層26によって接合した構成とした場合である。
【0028】
図7および図8で示す平面型レンズ10の構成においては、それぞれ図1および図5、あるいは図2および図6で示した透明微小球体配置層14を挟んで透明基材11と、保護透明基材41とを配置した構成とした場合で、この構成とすることによって、平面型レンズ10の強度の保持と、透明微小球体配置層14の透明微小球体12や着色層13の損傷ないしは汚損を防止するようにした場合である。この保護透明基材41は、透明基材11と同一材料、構成とすることができるが、一方を剛性基板によって構成し、他方を可撓性いわゆるフレキシブルな基材とすることもできる。
【0029】
尚、図2〜図8において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0030】
本発明による平面型レンズ10は、これ自体で背面投射型プロジェクタ用スクリーンを構成することができるが、図9〜図12に示すように、この平面型レンズ10に対して投射映像光を平行光として入射させるためのフレネルレンズ27と接合して一体化して背面投射型プロジェクタ用スクリーン10Sを構成することができる。
【0031】
図9〜図12においては、透明基材31にフレネルレンズ27を形成した場合で、図9に示す例では、図1に示した構成において、フレネルレンズ27を接着性もしくは粘着性を有する透明層26によって接合した構成である。
図10に示す例では、図2に示した構成において、同様に接着性もしくは粘着性を有する透明層26によってフレネルレンズ27を接合した場合である。
図11に示す例では、図5に示した構成において、その透明基材11に代えて同様の透明層26によってフレネルレンズ27を接合した場合である。
図12に示す例では、図6に示した構成において、その透明基材11に代えて同様の透明層26によってフレネルレンズ27を接合した場合である。
【0032】
このように、透明基材11に代えてフレネルレンズ27を接合する構成とするときは、構造の簡潔化をはかることができる。
【0033】
尚、図9〜図12において、図1〜図8における各対応する部分に、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
また、上述の図1〜図12で示した各構成において、図13〜図24に示すように、その光入射側および光出射側の最外側における表面に、それぞれ反射防止層28を被着形成することができる。このようにするときは、有効に入射光の入射および出射光の出射を得ることができる。図13〜図24においては、光入射側および光出射側の最外側における両表面に、それぞれ反射防止層28を被着形成した場合であるが、いずれか一方に配置した構成とすることもできる。また、これら外側面にグレア防止層(図示せず)を被着形成することもできる。更に、反射防止層28に代えて、もしくはこれの上に、あるいは一方の反射防止層28に代えて、最外側の透明基材、透明微小球体配置層等を保護する防傷処理層等保護透明層を形成することができる。このように反射防止層28の形成とか、防傷処理層等保護透明層の形成によって光の透過率の増加および反射率の低減化、損傷の発生の回避による光学的性能の向上をはかることができる。
【0035】
尚、図13〜図24において、図1〜図12と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0036】
上述の本発明による平面型レンズおよびスクリーンにおいて、透明基材11、41および31は、レンズ作用を生じさせる光に対し透過性を有する透明ないしは半透明の剛性を有する例えば比較的厚い基板、もしくは比較的薄く可撓性を有するすなわちフレキシブルなシートによって構成することができる。
【0037】
これら透明基材11、41および31は、例えばガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等によって構成することができる。
【0038】
また、透明微小球体12は、例えばガラスビーズ、あるいはアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチックビーズによって構成することができ、その屈折率は、1.4以上で光入射側でこれに接する部材、例えば保護透明層25、接着のための透明層26に比し、その屈折率が大なる屈折率を有する材料によって構成して、入射光が効果的にこの透明微小球体12に導入されて、レンズ作用を受けることができるようにする。
【0039】
この透明微小球体12の大きさは、直径100μm以下例えば直径50μm程度に選定する。この直径を100μm以下、望ましくは50μm程度に選定するのは、透明微小球体12の大きさがこれより大きくなると、例えば背面投射型プロジェクタ用スクリーンを構成した場合において、通常の使用態様では、透明微小球体12間の隙間が観察者による肉眼での観察がされ易くなって解像度が低下し、投射画像の画質を損なうことが確認されたことによる。因みに、この透明微小球体12の直径を100μm以下とするとき、例えば100μmでは、その解像度は、5/mmとなり、50μmでは、10/mmとなるが、従来のレンチキュラーレンズによるときは、1本/mm程度となる。また、この透明微小球体12の大きさの下限は特に定めないが、透明微小球体12の大きさが余り小さい場合には、透明微小球体12を単粒子層として配置することが困難になったり、接着層の形成や厚さの均一化が困難になるという状態が発生する。
【0040】
また、透明微小球体12の大きさのばらつきは、その平均直径の10%以下の範囲にあるようにする。これは、この直径のばらつきが大きくなると、透明微小球体配置層14における透明微小球体12の細密充填が良好にかつ均一に行われなくなることを認めたことに因る。
【0041】
透明微小球体12の屈折率は、その周囲、特に入射端側の周囲における屈折率より大に選定されるものであるが、充分な収束レンズ効果を得る上で、その屈折率は、実際には1.4以上に選定する。後述のように、透明微小球体の入射端側の周囲の屈折率と透明微小球体の屈折率の値は、光の収束効果を決定し、透明微小球体の出射端側での拡散角を決定する。よって、本発明における平面型レンズおよびスクリーンの拡散角度は、光学における屈折の法則(スネルの法則)によって定められ、平面型レンズおよびスクリーンの各部材の屈折率を選定することで所望の拡散角を得ることができる。
【0042】
また、透明微小球体12の表面には、反射防止処理、撥水処理のいずれかもしくはその双方を施した構成とすることができる。
【0043】
また、この透明微小球体12は、その表面を光学的滑面とすることもできるが、透明微小球体12の細密充填を損なうことのない程度において微細凹凸を有する面として散乱効果の制御、調整を行うようにすることができる。あるいは、透明微小球体12の表面での不要な反射や散乱を回避することが望まれる場合には、透明微小球体12の表面に反射防止処理を施すことができ、また、製造工程上必要に応じて撥水処理を施すことができる。例えば水溶性の着色層を形成する場合、透明微小球体12の光入射端側に、着色層が回り込むことを回避するために、予め透明微小球体12の表面に撥水処理を行っておくことができる。
【0044】
透明微小球体配置層14における着色層13は、カーボンなどの黒色顔料とか、カーボンにバインダーを加え混合したいわゆるトナーなどの黒色顔料とか、アニリン系等の黒色染料、あるいはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明性を有する樹脂に、黒色顔料を分散するか、黒色染料によって染色した黒色化した材料層によって構成することができる。この着色層13は、製造上の必要に応じて、粘着性や接着性などの機能を有する材料層によって構成することができる。また、着色層は黒色に限らず、赤、緑、青などの分光分布を有するものでもよい。また、異なる色分布を持つ複数の顔料または染料を混合したものによって着色層を形成することもできる。
【0045】
また、この着色層13は、その吸光度もしくは分光吸光度を、その厚さ方向に段階的にもしくは漸次変化させた構成、例えば光出射側に向かって減少させる構成とすることができる。例えば、着色層13を、その厚さ方向に、上述の顔料もしくは染料の濃度を漸次変化させる構成とするとか複数の材料層を積層するとか、上述の顔料もしくは染料の濃度を漸次変化させる構成とすることができる。
【0046】
また、透明微小球体配置層14において、その着色層13よりの透明微小球体12の光入射側からの突出量すなわち露出量は、透明微小球体12の直径の30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上に相当する部分とする。これは30%未満では、入射光の透明微小球体12への取り込み量が減少して、有効な透明微小球体12による入射光の拡散効果が充分行われなくなるおそれが生じるものであり、その入射側での着色層13からの露出量が大になるにつれ、この透明微小球体12への入射光量が増加し、輝度を高めることができる。しかしながら、その上限は、着色層13に要求される厚さによって制約される。すなわち、着色層13の厚さは、透明微小球体12の直径の70%未満に相当する厚さとなるが、その下限は、着色層13の吸光度ないしは分光吸光度に応じて決定される。すなわち、この吸光度ないしは分光吸光度が小さい場合は、入射光のこの着色層13の厚さが薄い場合、この着色層13を通じての入射光の透過を発生し、これが透明微小球体12による拡散効果を受けない光が多くなって、平面型レンズ本来の特性を損ない、また出射側からの外光に対する吸収が低下することによってコントラストの低下を来す。
【0047】
また、上述の保護透明層例えば透明層25や、上述した最外側に形成される透明層(図示せず)、透明層26、更に透明微小球体配置層14の透明層15は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明樹脂によって構成することができる。そして、これらは同一の平面型レンズで用いる場合においても、必ずしも同一の材料によって構成する必要はなく、製造方法に応じて適切な材料から選定することができる。例えば透明微小球体配置層14における透明層15は、粘着性を有し、透明微小球体12の光出射側端部を埋込み保持する材料によって構成し、透明層16は接着性もしくは粘着性を有する材料によって構成する。
【0048】
また、これら保護透明層25および透明層26、更に透明微小球体配置層14の透明層15等は、それぞれ単一層によって構成することもできるが、上述した透明材料等から選定された複数の材料層の積層によって構成することもできる。
【0049】
また、反射防止層28防傷処理層等保護透明層は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のほか、TEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)をCVD(化学的気相成長)法によって形成するとか、SiO2 や金属薄膜を真空蒸着、スパッタ、ゾル・ゲル方法等によって被着することによって形成することができる。
【0050】
また、上述した各透明層、着色層等のコーティングは、ナイフコート、例えばロールコート、グラビアコート、キスコート、スプレーコート、ブレードコート、ロッドコート等によることができる。
【0051】
上述の本発明による平面型レンズ10を用いたスクリーン、例えば図9〜図12、図21〜図24に示すスクリーン10Sは、例えば図25に示すように、スクリーン10Sの背部に投射装置60を配置し、これよりの投射映像を、スクリーン10Sに投射し、このスクリーン10Sによって垂直および水平両方向に拡散された透過像を、スクリーン10Sの前方から観察する構成とする。
【0052】
あるいは、図26に示すように、筐体61の前面にスクリーン10Sを配置し、この筐体61内に配置した映像投射部1からの映像を反射ミラー3によって反射させてこのスクリーン10Sによって垂直および水平両方向に拡散された透過像を、スクリーン10Sの前方から観察する構成とする。
【0053】
本発明による平面型レンズ10もしくはこれを用いたスクリーンにおいて、その透明微小球体配置層14の透明微小球体12は、屈折率を異にする2種以上の透明微小球体によって構成することができる。
【0054】
すなわち、上述の各構成において、透明微小球体配置層14の透明微小球体12は、その屈折率が大きいほどそのレンズ作用、すなわち収束効果が強まり、したがって拡散角が大となる。図27中曲線27A、27B、27Cは、同図中に示すように、1粒子層をもって透明微小球体12が配置された透明基板51に対して垂直に光を入射させたときの出射側における視野角(入射軸に対する角度)θとするとき、透明微小球体12の屈折率nを、n=1.7、n=1.8、n=1.9としたときの、各ゲインの視野角依存性を示したものであり、θが大となるといずれもゲインは小さくなるが、θが小さい範囲、すなわち、ほぼ真正面からの観察では屈折率が大きいほどゲインが小さく、屈折率が小さいほどゲインが大きくなることがわかる。つまり、ほぼ真正面からの観察では屈折率が大きいほど暗く、屈折率が小さいほど明るく観察される。
【0055】
本発明においては、この現象に着目して1枚のレンズないしはスクリーンにおいて、異なる屈折率を有する2種以上の透明微小球体を混合して用いるとか、所要の分布をもって配置することによって、例えばその中央部と周辺部とで段階的にもしくは漸次屈折率が変化する構成とすることによって、1枚のレンズないしはスクリーンにおける各部において、所要の明るさが得られるようにする。
【0056】
すなわち、通常の光源からの照射光もしくは例えば映像投射部からの所定の画角内の映像は、図28Aにその照度分布を示すように、中心において最も大きくこれより遠ざかるにしたがって小となることから、この照射光若しくは映像を平面型レンズもしくはスクリーンに入射した場合、これら平面型レンズもしくはスクリーンの出射側における明るさは、中心で大で周辺に向かうほど暗くなる。
【0057】
本発明においては、例えば図29に示すように、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sにおいて、その中心部の領域Aにおいては、屈折率n=1.9の透明微小球体12を配置し、その外周の領域Bにおいては、屈折率n=1.8の透明微小球体12を配置し、更に最外周の領域Cにおいては、屈折率n=1.7の透明微小球体12を配置する。
【0058】
あるいは図30に示すように、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sにおいて、その中心から最外周に向かって漸次屈折率n=1.9からn=1.7へと漸次すなわちなだらかに変化させる構成とする。この場合においては、屈折率の異なる透明微小球体12を複数種用意して順次屈折率の異なる透明微小球体12を同心的に配置することもできるが、屈折率を異にする透明微小球体12の混合比を変化させて結果的にその中心から最外周に向かって漸次屈折率n=1.9からn=1.7へと漸次すなわちなだらかに変化させる構成とすることができる。
【0059】
このように平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sが中心部から周辺に向かって屈折率が変化する構成とすると、図31で模式的に示すように、その各水平および垂直の中心輝度の50%を示す拡散角領域は、円錐状aおよびcで示すように、スクリーンの中心部で大、周辺部で小となる。例えば、屈折率n=1.9とする領域では、図31Bに示すように、水平および垂直の拡がり角α≧45°となり、屈折率n=1.7とする領域では、図31Cで示すように、水平および垂直の拡がり角αは約15°となる。
【0060】
つまり、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sのゲイン分布は図28Bに示すように、中心で小さく、周辺で大きくなることから、図28Aで示す照度分布を補償して、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sの透過後の明るさを、図28Cで示すように平坦化することができる。
【0061】
上述の例では、その照度分布が中心において最も大きくこれより遠ざかるにしたがって小となる場合において、明るさの均一化をはかる場合であるが、逆に図32Aにその照度分布を示すように、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sに照射される光の照度分布が、中心において小で、これより遠ざかるにしたがって大となる場合において、その明るさの均一化をはかる場合には、上述したと同様の方法によって、上述とは逆に、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sにおいて、その透明微小球体12の屈折率nを、中心部で小、周辺部に向かって大とする構成として、図32Bに示すように、そのゲインを中心において大に、これより遠ざかるにしたがって小とすることによって、図32Cに示すように、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sの透過後の明るさを平坦にすなわち均一にすることができる。
【0062】
また、上述した例では、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sの透過光の明るさを各部において均一化した場合であるが、均一化に限らず所定の分布に積極的に補正する場合においても透明微小球体12における屈折率を変化させる構成とすることもできる。
【0063】
また、上述したように、1枚のレンズないしはスクリーンにおいて、異なる屈折率を有する2種以上の透明微小球体を用いる場合において、透明微小球体12の屈折率と、各混合比を数値限定することにより、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上である平面型レンズおよび背面投射型プロジェクタ用スクリーンを実現することができる。
【0064】
図39に本発明のスクリーンにおいて、曲げ角を変化させた場合の輝度(ゲイン)の測定方法について示す。
すなわち、図39に示すように、光源101から出た光を、スクリーン の背面から入射させ、その前面中心付近から出射される光を、スクリーンから所定の距離を保って、例えば5°の角度毎に、輝度計102によって出射光の輝度を測定するものとする。
【0065】
このスクリーンは、図40に示すように、例えば、入射側透明基板103、入射側透明接着層104、透明微小球体12、光吸収層105、出射側透明接着層106、出射側透明基板107の6層構造を有するものを用いた。
また、入射側透明基板103はアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)、入射側透明接着層104はアクリル系の接着剤、透明微小球体12はガラス、光吸収層105はトナー(炭素系粉末)、出射側透明接着層106はアクリル系の接着剤、出射側透明基板107はアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)により形成することができる。
【0066】
このスクリーンの輝度測定に際しては、上記スクリーンを構成する層のうち、透明微小球体12の屈折率nを、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.1から、任意に選定し、その他の各層の屈折率は任意の値に固定するものとする。また、輝度測定においては、光に入射側から平行な光線が入射されたものとし、各構成層において屈折や吸収が起こり、出射側でそれぞれの角度にどれだけの光量が出射されるかについて測定または、光線追跡法を用いたシミュレーションによる計算を行うものとする。
【0067】
図41は、一種類の透明微小球体12を用いた場合に、この透明微小球体の屈折率nを変化させて輝度を測定した場合の結果を示す図である。図41中、曲線41aはn=1.5、41bはn=1.6、41cはn=1.7、41dはn=1.8、41eはn=1.9、41fはn=2.1のそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
また、図42はシミュレーション結果を示す図である。図42中、曲線42aはn=1.5、42bはn=1.6、42cはn=1.7、42dはn=1.8、42eはn=1.9、42fはn=2.1のそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
図41と図42とはゲイン曲線が一致していることから、このシミュレーション結果が測定実験と同等であることがわかる。
【0068】
(表1)に、1種類の透明微小球体12を用いた場合のスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、および曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下を×印を付して示した。
【0069】
【表1】
【0070】
(表1)に示すように、1種類の透明微小球体12を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0071】
図43は、異なる屈折率nを有する2種類の透明微小球体を、8:2の割合で混合して使用した場合の輝度を測定した結果を示す図である。図43中、曲線43aはn=1.9とn=1.5とを8:2、43bはn=1.9とn=1.6とを8:2、43cはn=1.9とn=1.7とを8:2、43dはn=1.9とn=1.8とを8:2とした場合である。43dは1.9単独で使用した場合のそれぞれの輝度曲線を示している。
【0072】
図44は、屈折率nがそれぞれ1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンの輝度を測定した場合の結果を示す図である。しかしながら、図44中、曲線44aは、屈折率nが1.6の透明微小球体のみを用いた場合である。曲線44b〜44hは、n=1.9と、n=1.6の透明微小球体の混合比をそれぞれ、曲線44bは1:9、曲線44cは3:7、曲線44dは5:5、曲線44eは7:3、曲線44fは8:2、曲線44gは8.5:1.5、曲線44hは9:1とした場合である。
また、曲線44iは、屈折率nが1.9の透明微小球体のみを用いた場合の輝度曲線を示している。
【0073】
また、図45は屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。
図45中、曲線45aはn=1.6の透明微小球体を単独で使用した場合、45bはn=1.9が20%でn=1.6が80%、45cはn=1.9が60%でn=1.6が40%、42dはn=1.9が95%でn=1.6が5%、42eはn=1.9が97%でn=1.6が3%、45fはn=1.9を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
図44と図45とは、同じ混合比においては、ゲイン曲線が一致していることから、このシミュレーション結果が妥当であることがわかる。
【0074】
(表2)に、屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、および曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0075】
【表2】
【0076】
(表2)に示すように、屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは、n=1.9が97%でn=1.6が3%、n=1.9が96%でn=1.6が4%の組み合わせにおいて、得られることがわかる。
【0077】
図46は、屈折率nが2.1と、1.9の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図46中、曲線46aはn=1.9を単独で使用した場合、46bはn=2.1が20%でn=1.9が80%、46cはn=2.1が40%でn=1.9が60%、46dはn=2.1が60%でn=1.9が40%、46eはn=2.1が80%でn=1.9が20%、46fはn=2.1を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0078】
(表3)に、屈折率nが2.1と、1.9の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるものについては、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0079】
【表3】
【0080】
(表3)に示すように、屈折率nが2.1と、1.9の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0081】
図47は、屈折率nが2.1と、1.8の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図47中、曲線47aはn=1.8を単独で使用した場合、47bはn=2.1が15%でn=1.8が85%、47cはn=2.1が20%でn=1.8が80%、47dはn=2.1が44%でn=1.8が56%、47eはn=2.1が60%でn=1.8が40%、47fはn=2.1を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0082】
(表4)に、屈折率nが2.1と、1.8の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0083】
【表4】
【0084】
(表4)に示すように、屈折率nが2.1と、1.8の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは、n=2.1の透明微小球体が16%〜44%で、これと対応して、n=1.8の透明微小球体が84%〜56%の組み合わせにおいて、得られることがわかる。
【0085】
図48は、屈折率nが2.1と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図48中、曲線48aはn=1.7を単独で使用した場合、48bはn=2.1が20%でn=1.7が80%、48cはn=2.1が40%でn=1.7が60%、48dはn=2.1が60%でn=1.7が40%、48eはn=2.1が80%でn=1.7が20%、48fはn=2.1を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0086】
(表5)に、屈折率nが2.1と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0087】
【表5】
【0088】
(表5)に示すように、屈折率nが2.1と、1.7の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0089】
図49は、屈折率nが2.1と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図49中、曲線49aはn=1.6を単独で使用した場合、49bはn=2.1が20%でn=1.6が80%、49cはn=2.1が40%でn=1.6が60%、49dはn=2.1が60%でn=1.6が40%、49eはn=2.1が80%でn=1.6が20%、49fはn=2.1を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0090】
(表6)に、屈折率nが2.1と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0091】
【表6】
【0092】
(表6)に示すように、屈折率nが2.1と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0093】
図50は、屈折率nが2.1と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図50中、曲線50aはn=1.5を単独で使用した場合、50bはn=2.1が20%でn=1.5が80%、50cはn=2.1が40%でn=1.5が60%、50dはn=2.1が60%でn=1.5が40%、50eはn=2.1が80%でn=1.5が20%、50fはn=2.1を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0094】
(表7)に、屈折率nが2.1と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0095】
【表7】
【0096】
(表7)に示すように、屈折率nが2.1と、1.5の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0097】
図51は、屈折率nが1.9と、1.8の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図51中、曲線51aはn=1.8を単独で使用した場合、51bはn=1.9が17%でn=1.8が83%、51cはn=1.9が20%でn=1.8が80%、51dはn=1.9が50%でn=1.8が50%、51eはn=1.9が69%でn=1.8が31%、51fはn=1.9を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0098】
(表8)に、屈折率nが1.9と、1.8の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0099】
【表8】
【0100】
(表8)に示すように、屈折率nが1.9と、1.8の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは、n=1.9が18%〜68%で、これと対応して、n=1.8が82%〜32%の組み合わせにおいて、得られることがわかる。
【0101】
図52は、屈折率nが1.9と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図52中、曲線52aはn=1.7を単独で使用した場合、52bはn=1.9が30%でn=1.7が70%、52cはn=1.9が70%でn=1.7が30%、52dはn=1.9が82%でn=1.7が18%、52eはn=1.9が90%でn=1.7が10%、52fはn=1.9を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0102】
(表9)に、屈折率nが1.9と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0103】
【表9】
【0104】
(表9)に示すように、屈折率nが1.9と、1.7の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは、n=1.9が82%〜90%で、これと対応して、n=1.7が18%〜10%の組み合わせにおいて、得られることがわかる。
【0105】
図53は、屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーションを結果を示す図である。図53中、曲線53aはn=1.6を単独で使用した場合、53bはn=1.9が20%でn=1.6が80%、53cはn=1.9が60%でn=1.6が40%、53dはn=1.9が95%でn=1.6が5%、53eはn=1.9が97%でn=1.6が3%、53fはn=1.9を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0106】
(表10)に、屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0107】
【表10】
【0108】
(表10)に示すように、屈折率nが1.9と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは、n=1.9が96%〜97%で、これと対応して、n=1.6が4%〜3%の組み合わせにおいて、得られることがわかる。
【0109】
図54は、屈折率nが1.9と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図54中、曲線54aはn=1.5を単独で使用した場合、54bはn=1.9が20%でn=1.5が80%、54cはn=1.9が40%でn=1.5が60%、54dはn=1.9が60%でn=1.5が40%、54eはn=1.9が80%でn=1.5が20%、54fはn=1.9を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0110】
(表11)に、屈折率nが1.9と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0111】
【表11】
【0112】
(表11)に示すように、屈折率nが1.9と、1.5の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0113】
図55は、屈折率nが1.8と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図55中、曲線55aはn=1.7を単独で使用した場合、55bはn=1.8が20%でn=1.7が80%、55cはn=1.8が40%でn=1.7が60%、55dはn=1.8が60%でn=1.7が40%、55eはn=1.8が80%でn=1.7が20%、55fはn=1.8を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0114】
(表12)に、屈折率nが1.8と、1.7の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0115】
【表12】
【0116】
(表12)に示すように、屈折率nが1.8と、1.7の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0117】
図56は、屈折率nが1.8と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図56中、曲線56aはn=1.6を単独で使用した場合、56bはn=1.8が20%でn=1.6が80%、56cはn=1.8が40%でn=1.6が60%、56dはn=1.8が60%でn=1.6が40%、56eはn=1.8が80%でn=1.6が20%、56fはn=1.8を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0118】
(表13)に、屈折率nが1.8と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0119】
【表13】
【0120】
(表13)に示すように、屈折率nが1.8と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0121】
図57は、屈折率nが1.8と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図57中、曲線57aはn=1.5を単独で使用した場合、57bはn=1.8が20%でn=1.5が80%、57cはn=1.8が40%でn=1.5が60%、57dはn=1.8が60%でn=1.5が40%、57eはn=1.8が80%でn=1.5が20%、57fはn=1.8を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0122】
(表14)に、屈折率nが1.8と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0123】
【表14】
【0124】
(表14)に示すように、屈折率nが1.8と、1.5の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0125】
図58は、屈折率nが1.7と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図58中、曲線58aはn=1.6を単独で使用した場合、58bはn=1.7が20%でn=1.6が80%、58cはn=1.7が40%でn=1.6が60%、58dはn=1.7が60%でn=1.6が40%、58eはn=1.7が80%でn=1.6が20%、58fはn=1.7を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0126】
(表15)に、屈折率nが1.7と、1.6の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0127】
【表15】
【0128】
(表15)に示すように、屈折率nが1.7と、1.6の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0129】
図59は、屈折率nが1.7と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図59中、曲線59aはn=1.5を単独で使用した場合、59bはn=1.7が20%でn=1.5が80%、59cはn=1.7が40%でn=1.5が60%、59dはn=1.7が60%でn=1.5が40%、59eはn=1.7が80%でn=1.5が20%、59fはn=1.7を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0130】
(表16)に、屈折率nが1.7と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0131】
【表16】
【0132】
(表16)に示すように、屈折率nが1.7と、1.5の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0133】
図60は、屈折率nが1.6と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。図60中、曲線60aはn=1.5を単独で使用した場合、60bはn=1.6が20%でn=1.5が80%、60cはn=1.6が40%でn=1.5が60%、60dはn=1.6が60%でn=1.5が40%、60eはn=1.6が80%でn=1.5が20%、60fはn=1.6を単独で使用したそれぞれの場合の輝度曲線を示している。
【0134】
(表17)に、屈折率nが1.6と、1.5の2種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0135】
【表17】
【0136】
(表17)に示すように、屈折率nが1.6と、1.5の2種類の透明微小球体を用いた場合のスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすものは得られないことがわかる。
【0137】
上述した図41〜図60、および(表1)〜(表17)において示した結果を以下の(表18)にまとめる。
【0138】
【表18】
【0139】
(表18)においては、屈折率nが、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.1の透明微小球体を、任意の2種類組み合わせてスクリーンを形成して、このスクリーンの輝度のシミュレーション結果から、そのピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上になるものの、それぞれの混合する透明微小球体の全体に対する割合(%)を示す。
【0140】
(表18)から明らかなように、屈折率nが、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.1の透明微小球体を、所定の割合で2種類組み合わせてスクリーンを形成させると、優れたピークゲインおよび曲げ角30°におけるゲインを有するスクリーンを得ることができる。
【0141】
また、本発明は、上述のように透明微小球体配置層14を構成する透明微小球体12について、屈折率の異なる2種類の透明微小球体を用いる場合に限定されるものではなく、3種類以上組み合わせた場合においても、優れた平面型レンズおよび背面投射型プロジェクタ用スクリーンを実現することができる。
【0142】
図61は、屈折率nがそれぞれ1.7、1.8、および1.9の3種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンの輝度のシミュレーション結果を示す図である。
図61中、曲線61aはn=1.9が20%、n=1.8が75%、n=1.7が5%含有されている場合で、曲線61bはn=1.9が30%、n=1.8が30%、n=1.7が40%、曲線61cはn=1.9が60%、n=1.8が35%、n=1.7が5%、曲線61dはn=1.9が70%、n=1.8が20%、n=1.7が10%、曲線61eはn=1.9が90%、n=1.8が5%、n=1.7が5%、それぞれ含有されている場合の輝度曲線を示している。
【0143】
(表19)に、屈折率nがそれぞれ1.7、1.8、および1.9の3種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンのピークゲイン、曲げ角30°におけるゲイン、曲げ角20°におけるシェーディングについてのシミュレーション結果を示す。この場合、ピークゲインが2.4以上であるもの、曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上すなわち33%以上であるものについて、それぞれ○印を付し、それぞれそれ以下のものを×印を付して示した。
【0144】
【表19】
【0145】
(表19)に示すように、屈折率nがそれぞれ1.7、1.8、および1.9の3種類の透明微小球体を用いたときのスクリーンについては、ピークゲインが2.4以上であり、かつ曲げ角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上、すなわち33%以上である条件を満たすスクリーンとして望ましいものは、屈折率n=1.7の透明微小球体と、n=1.8の透明微小球体と、n=1.9の透明微小球体とを、5:35:60〜10:20:70の範囲で混合したものであることがわかる。
【0146】
また、上述した例では、透明微小球体12の屈折率を変化させて、平面型レンズ10もしくはスクリーン10Sの透過光の補正を行った場合であるが、透明基材11、あるいは41、さらにある場合は、基材31の1つ以上において、その吸光度または分光吸光度を、レンズの中心と周辺とで漸次もしくは段階的に変化させるとか、これと同時にもしくはこれに代えて透明層15、25、26等のいずれか1層以上において、その吸光度または分光吸光度を、レンズの中心と周辺とで漸次もしくは段階的に変化させて、例えば出射光の実質的均一化ないしは積極的に所要の分布を生じるようにすることができる。
【0147】
上述の本発明によるスクリーンを用いた背面投射型表示装置、すなわちプロジェクタにおいては、その映写投射部1の光学系において、ズーム機構を構成するとか、スクリーンと映写投射部1の間隔を変化させるようにして、投射映像の拡大、縮小を連続的にもしくは断続的に行うようにすることができる。因みに、このような構成は、従来のレンチキュラーレンズによるスクリーンにおいては、モアレの問題から、光学系、スクリーンと映像投射部との間隔等は、設計に基く一定の状態に設定することが必要であったが、本発明構成によるときは、透明微小球体の配置構成によったことにより、またこれを緻密に配置することができることから、解像度の向上がはかられたことによって可能となった。
【0148】
また、本発明によるスクリーンを用いた背面投射型表示装置の一例として、これに対する映像投射側の中心光照度を、500〔lx〕以上とすることによって中心輝度は実用充分な200〔cd/m2 〕以上となり、また、スクリーンの前方すなわち観察側で、中心輝度の50%以上が得られる円錐状領域の中心角は45°以上となる。
【0149】
次に、上述した本発明による平面型レンズないしはスクリーンの製造方法の例を説明する。例えば図1とこれを基本構成とする各構成による平面型レンズないしはスクリーンを構成する場合、シート状もしくは剛性を有する透明基材11上に、透明微小球体12を固定することのできる接着性ないしは粘着性を有する前述した着色層13を被着形成すなわちコーティングし、これに透明微小球体12の細密充填による配置を行って透明微小球体配置層14を形成する。
【0150】
図2とこれを基本構成とする各構成においては、同様の基材11上に、まず透明微小球体12を固定することのできる接着性ないしは粘着性を有する透明層15を被着形成すなわちコーティングし、これの上に、上述したと同様に透明微小球体12を固定することのできる接着性ないしは粘着性を有する前述した着色層13を被着形成すなわちコーティングし、これに透明微小球体12の細密充填による配置を行って透明微小球体配置層14を形成する。
【0151】
上述の各着色層13は、そのコーティング材料において前述した所要の着色のなされた着色コーティング材を用いることもできるが、そのコーティングにおいては、接着性ないしは粘着性を有する無色ないしは白色のコーティング材を用い、そのコーティングの後にこれを着色する方法によることができる。
【0152】
また、透明微小球体12の充填による透明微小球体配置層14は、上述した接着性ないしは粘着性を有する着色層13、あるいは着色層13および透明層15上に、透明微小球体12を相互に近接ないしは接触させて単粒子層すなわち1層に所要の深さ厚さに埋め込むことによって形成することができる。
【0153】
この透明微小球体配置層14の形成は、例えば本出願人の出願に係る特願平7−344488号出願「微小体の配列装置と微小体の配列方法」で提案した装置および方法を適用することができる。すなわち、最終的に形成する透明微小球体配置層14において用いられる透明微小球体12の供給ノズルが設けられ、これより最終的に構成する透明微小球体配置層14において配置される透明微小球体12の量より充分多い量を着色層13上に供給し、スキージングすることによって全面的に透明微小球体12を密に配置し、これの上から、押圧ローラを所要の圧力をもって転動させることによって透明微小球体12を、着色層13、もしくは着色層13とこれの下の透明層15中に差し渡って、その出射端側を埋込み、続いて真空吸引装置をその表面側に当てがって、余剰の透明微小球体12と、埋込み量が所要量に達することがない、したがって固着強度が小さい状態にある透明微小球体12を吸引除去する。このようにすると、所要の深さで、着色層13、もしくは着色層13とこれの下の透明層15中に差し渡って埋め込まれた透明微小球体12のみが配置された目的とする透明微小球体配置層14を構成することができる。
【0154】
また、ある場合は、例えば図2の構成による平面型レンズ10を製造するに当たり、例えば透明基材11上に、接着性ないしは粘着性を有する着色層13を形成する。一方、転写用シート(図示せず)上に、接着性ないしは粘着性を有する透明層15をコーティングし、この透明層15に、例えば前述した方法によって透明微小球体12の細密充填による配置を行い、この転写シートを、その透明微小球体12が配置された側を、透明基材11上の着色層13に当接押圧して、透明微小球体が着色層中に透明基材に達するようにもしくは殆ど達するように押し込み、この状態で透明微小球体を透明層と共に、転写シートから剥離して透明基材側に転写することによって透明基材11上に透明微小球体配置層14が形成させた平面型レンズないしはスクリーンを製造することができる。
【0155】
そして、図3および図4の構成による平面型レンズないしはスクリーンを製造するに当たっては、上述した方法によって形成した図1および図3の透明微小球体配置層14上に、透明保護層25を前述した各方法によってコーティングする。
【0156】
図1〜図4に示す構成においては、透明基材11が光出射側に配置された構成とした場合であるが、図5および図6に示すように、透明基材11が光入射側に配置される場合においては、例えば透明基材11上に、接着性ないしは粘着性を有する透明層26を形成し、転写用シート(図示せず)上に、接着性ないしは粘着性を有する着色層13、あるいはこの着色層13下に同様に接着性ないしは粘着性を有する透明層15をコーティングし、この着色層13あるいはこの着色層13およびこれの下に形成した透明層15に渡って、例えば前述した方法によって透明微小球体12の細密充填による埋込み配置を行い、この転写シートを、その透明微小球体12が配置された側を、透明基材11上の透明層26に当接押圧して、この状態で透明微小球体12を着色層13あるいはこの着色層13および透明層15と共に、転写シートから剥離して透明基材11側に転写することによって透明基材11上に透明微小球体配置層14が形成された平面型レンズないしはスクリーンを製造することができる。
【0157】
更に、図7および図8に示す構成による平面型レンズないしはスクリーンを製造するには、上述した図1〜図6の構成による平面型レンズないしはスクリーンを製造する方法を適用して、その透明基材11とは反対側にシート状もしくは剛性を有する基板による保護透明基材41を、接着層を介してあるいは例えば透明層26、15の接着性ないしは粘着性を用いて接合することによって構成することができる。
【0158】
本発明による平面型レンズないしはスクリーンを得る方法は、上述の各方法に限られるものではなく、種々の方法、組み合わせによることができる。
【0159】
そして、上述の本発明による平面型レンズとこれを用いた背面投射型プロジェクタ用スクリーンによれば、冒頭に述べたレンチキュラーレンズによる場合の諸問題を解決することができる。
【0160】
すなわち、本発明によれば、上述したように、外光の迷光を有効に回避できることから画像のコントラストの向上をはかることができる。
また、スモーク板等の配設を回避できることから輝度の低下を回避でき、これに伴って消費電力の大きい光源の使用を回避でき、省電力化、熱対策の軽減、コスト高を回避できる。
また、本発明構成によれば、水平および垂直の両方向に関して、広く拡散させるので、鮮明な画像を観察できる範囲が拡張され、また部分的不均一性を回避できる。
さらに、レンチキュラーレンズに比し、製造が容易で、取扱も簡便で、コスト高が避けられる。
また、レンチキュラーレンズが用いられる場合に比し、解像度の向上が図られる。
照度分布の補正を、容易に行って所望の輝度分布を得ることができる。
フレネルレンズとレンチキュラーレンズとの組み合わせにおけるような、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとの間の多重反射を回避できる。
更に、モアレが発生しにくくなることから、例えば背面投射型プロジェクタ等を構成する場合における、設計の制約が緩和され、またズーム機構等を容易に具備させることができる。
【0161】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、コントラストの向上、輝度の向上、消費電力の低減化、省電力化、熱対策の軽減、コスト高の回避、水平および垂直の両方向に関しての拡散による、鮮明な画像を観察、観察範囲の拡張、取扱の簡便化、解像度の向上、モアレの改善等多くの効果を奏することができるものである。
【0162】
また、本発明によれば、異なる屈折率を有する透明微小球体を好ましい割合で組み合わせることにより、高いピークゲインを有し、曲げ角30°においてもゲインを比較的高く保ったスクリーンを形成することができた。
【0163】
また、ガラス製の透明微小球体は、屈折率nが1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.1のものが作製可能であるが、nが1.5、1.9、2.1の透明微小球体は、工業的に大量生産されているため、一般に安価に入手可能であり、これに比し、nが、1.6、1.7、1.8のものは、比較的高価であるため、コスト的に不利になる。これに対し、本発明によれば、安価な透明微小球体を2種類以上、任意に組み合わせてスクリーンを形成することにより、または安価な透明微小球体を主に高価な透明微小球体を少量のみ用いて、2種以上、任意に組み合わせてスクリーンを形成することにより、優れたゲイン曲線が得られるスクリーンを安価に作製することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの一例の模式的断面である。
【図2】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図3】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図4】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図5】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図6】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図7】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図8】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図9】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図10】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図11】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図12】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図13】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図14】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図15】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図16】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図17】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図18】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図19】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図20】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図21】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図22】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図23】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図24】本発明による平面型レンズないしはスクリーンの他の一例の模式的断面である。
【図25】本発明によるスクリーンを用いた背面投射型プロジェクタの一例の構成図である。
【図26】本発明によるスクリーンを用いた背面投射型プロジェクタの他の一例の構成図である。
【図27】本発明の説明に供する透明微小球体の屈折率に対するスクリーンゲインに視野角依存性を示す曲線である。
【図28】Aは平面型レンズないしはスクリーンに対する投射照度の分布図である。
Bはレンズないしはスクリーンゲインの分布図である。
Cはレンズないしはスクリーンの輝度分布図である。
【図29】本発明による平面型レンズないしはスクリーンにおける屈折率分布を示す図である。
【図30】本発明による平面型レンズないしはスクリーンにおける屈折率分布を示す図である。
【図31】Aは本発明による平面型レンズないしはスクリーンにおける拡散態様を示す図である。
Bはその中央部の拡散の拡がり角を示す図である。
Cはその周辺部の拡散の拡がり角を示す図である。
【図32】Aは本発明による平面型レンズないしはスクリーンに対する投射照度の分布図である。
Bはレンズないしはスクリーンゲインの分布図である。
Cはレンズないしはスクリーンの輝度分布図である。
【図33】Aは本発明による平面型レンズないしはスクリーンに対する投射照度の分布図である。
Bはレンズないしはスクリーンゲインの分布図である。
Cはレンズないしはスクリーンの輝度分布図である。
【図34】従来の背面投射型映像表示装置の構成図である。
【図35】従来の背面投射型映像表示装置のスクリーンの斜視図である。
【図36】Aは従来の背面投射型映像表示装置の平面型レンズないしはスクリーンに対する投射照度の分布図である。
Bはレンズないしはスクリーンゲインの分布図である。
Cはレンズないしはスクリーンの輝度分布図である。
【図37】スクリーンを観察した場合の曲げ角の説明図を示す。
【図38】スクリーンを観察した場合の曲げ角の説明図を示す。
【図39】 本発明のスクリーンの輝度の測定図を示す。
【図40】 本発明のスクリーンの一例の構成図を示す。
【図41】 一種類の透明微小球体を使用した場合の輝度曲線を示す。
【図42】 一種類の透明微小球体を使用した場合の輝度曲線を示す。
【図43】 2種類の透明微小球体を8:2に混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図44】 屈折率が1.9と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図45】 屈折率が1.9と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図46】 屈折率が2.1と1.9の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図47】屈折率が2.1と1.8の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図48】屈折率が2.1と1.7の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図49】屈折率が2.1と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図50】屈折率が2.1と1.5の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図51】屈折率が1.9と1.8の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図52】屈折率が1.9と1.7の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図53】屈折率が1.9と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図54】屈折率が1.9と1.5の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図55】屈折率が1.8と1.7の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図56】屈折率が1.8と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図57】屈折率が1.8と1.5の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図58】屈折率が1.7と1.6の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図59】屈折率が1.7と1.5の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図60】屈折率が1.6と1.5の2種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【図61】屈折率が1.7と1.8と1.9の3種類の透明微小球体を混合して使用した場合の輝度曲線を示す。
【符号の説明】
1 映像投射部、2 透過型スクリーン、3 反射ミラー、4 フレネルレンズ、5 レンチキュラーレンズ、10 平面型レンズ、10S 背面投射型プロジェクタ用スクリーン、11 透明基材、12 透明微小球体、13 着色層、14 透明微小球体配置層、15 透明層、25 保護透明層、26 透明層、28 反射防止層、31 透明基材、41 保護透明基材
Claims (36)
- 光出射側もしくは光入射側に配置される透明基材と、
上記透明基材上に配置される透明微小球体配置層と、を有する平面型レンズであって、
上記透明微小球体配置層は、
透明微小球体が、隣り合う該透明微小球体が相互に接触ないしは近接するように2次元的に単粒子層配置をもって配置され、
光入射側において上記透明微小球体の一部を外部に露呈させる着色層を有してなり、
上記透明微小球体の光出射側端部において光透過性を高めると共に、
上記透明微小球体の屈折率が、上記平面型レンズの中央と周辺とで漸次もしくは段階的に変化される構成とされた
ことを特徴とする平面型レンズ。 - 平面型レンズを具備する背面投射型スクリーンであって、
上記平面型レンズは、光出射側もしくは光入射側に透明基材が配置され、該透明基材上に透明微小球体配置層が配置され、
上記透明微小球体配置層は、
透明微小球体が、隣り合う該透明微小球体が相互に接触ないしは近接するように2次元的に単粒子層配置をもって配置され、
光入射側において上記透明微小球体の一部を外部に露呈させる着色層を少なくとも有してなり、
上記透明微小球体の光出射側端部において光透過性を高めると共に、
上記透明微小球体の屈折率が、上記背面投射型プロジェクタ用スクリーンの中央と周辺とで漸次もしくは段階的に変化される構成とされた
ことを特徴とする背面投射型プロジェクタ用スクリーン。 - 上記透明微小球体配置層の上記透明微小球体と上記透明基材との間に透明層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層の上記透明微小球体と上記透明基材との間に透明層が形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体配置層の上記透明基材を有する側とは反対側に保護透明層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層の上記透明基材を有する側とは反対側に保護透明層が形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体配置層を挟んで上記透明基材に対向して、保護透明基材が配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層を挟んで上記透明基材に対向して、保護透明基材が配置されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体配置層の光入射側に透明層を介してフレネルレンズが接合されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層の光入射側に透明層を介してフレネルレンズが接合されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 最外側における光入射面側もしくは光出射面側のいずれかもしくは一方に反射防止層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 最外側における光入射面側もしくは光出射面側のいずれかもしくは一方に反射防止層を形成したことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 最外側における光入射面側もしくは光出射面側のいずれかもしくは一方に保護層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 最外側における光入射面側もしくは光出射面側のいずれかもしくは一方に保護層を形成したことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体は、上記着色層より光入射側から、該透明微小球体の直径の30%以上に相当する部分が突出し、上記着色層の厚さは、上記透明微小球体の直径の70%未満に相当する厚さとされたことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体は、上記着色層より光入射側から、該透明微小球体の直径の30%以上に相当する部分が突出し、上記着色層の厚さは、上記透明微小球体の直径の70%未満に相当する厚さとされたことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記着色層および光出射側の上記透明層の双方もしくは一方の吸光度または分光吸光度を、厚さ方向に関して変化させたことを特徴とする請求項3に記載の平面型レンズ。
- 上記着色層および光出射側の上記透明層の双方もしくは一方の吸光度または分光吸光度を、厚さ方向に関して変化させたことを特徴とする請求項4に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記着色層および光出射側の上記透明層の双方もしくは一方を吸光度または分光吸光度が異なる複数の層が積層された構成としたことを特徴とする請求項17に記載の平面型レンズ。
- 上記着色層および光出射側の上記透明層の双方もしくは一方を吸光度または分光吸光度が異なる複数の層が積層された構成としたことを特徴とする請求項18に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体の直径が、100μm以下とされたことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体の直径が、100μm以下とされたことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体の直径の分布範囲が、平均直径の10%以下とされたことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体の直径の分布範囲が、平均直径の10%以下とされたことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体の屈折率を、1.4以上で光入射側でこれに接する部材より大としたことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体の屈折率を、1.4以上で光入射側でこれに接する部材より大としたことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体配置層の透明微小球体が、屈折率を異にする2種以上の透明微小球体によって構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層の透明微小球体が、屈折率を異にする2種以上の透明微小球体によって構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体配置層の透明微小球体が、屈折率を異にする2種以上の透明微小球体によって構成されてなることと、上記平面型レンズのピークゲインが2.4以上であることと、上記平面型レンズの曲角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上であることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体配置層の透明微小球体が、屈折率を異にする2種以上の透明微小球体によって構成されてなることと、上記平面型レンズのピークゲインが2.4以上であることと、上記平面型レンズの曲角30°におけるゲインがピークゲインの1/3以上であることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明基材の吸光度または分光吸光度が、レンズの中央と周囲とで漸次もしくは段階的に変化させたことを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明基材の吸光度または分光吸光度が、スクリーンの中央と周囲とで漸次もしくは段階的に変化させたことを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体の表面に微細凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体の表面に微細凹凸が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
- 上記透明微小球体の表面に、反射防止処理、撥水処理のいずれかもしくはその双方が施されてなることを特徴とする請求項1に記載の平面型レンズ。
- 上記透明微小球体の表面に、反射防止処理、撥水処理のいずれかもしくはその双方が施されてなることを特徴とする請求項2に記載の背面投射型プロジェクタ用スクリーン。
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