JPH10227317A - クラッチカバー組立体 - Google Patents

クラッチカバー組立体

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JPH10227317A
JPH10227317A JP17176797A JP17176797A JPH10227317A JP H10227317 A JPH10227317 A JP H10227317A JP 17176797 A JP17176797 A JP 17176797A JP 17176797 A JP17176797 A JP 17176797A JP H10227317 A JPH10227317 A JP H10227317A
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clutch
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宏 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチカバー組立体の摩耗追従機構におい
て摩擦係合部分の摺動抵抗を長期間にわたって安定させ
る。 【解決手段】 クラッチカバー組立体1において、規制
機構25は、摩擦フェーシング11に摩耗がないときは
ファルクラムリング23がプレッシャプレート22に対
して軸方向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシング11
が摩耗すると摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルク
ラムリング23が軸方向に移動するのを許す機構であ
る。規制機構25は、ボルト38とブッシュ39とを有
している。ボルト38は、プレッシャプレート22の第
2側面22eに固定され軸方向に延びる。ブッシュ39
は、所定以上の荷重が作用するとボルト38に対して軸
方向に移動可能なように摩擦係止され、クラッチカバー
21に摩擦フェーシング11側と反対側から当接可能な
フランジ39bを有している。ブッシュ39はファルク
ラムリング23がプレッシャプレート22から離れる方
向に移動するのを制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチカバー組
立体、特に摩擦部材の摩耗にかかわらず押圧荷重を初期
状態に維持するための摩耗追従機構を備えたクラッチカ
バー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチ装置のクラッチカバー組立体
は、エンジンのフライホイールに装着され、ダイヤフラ
ムスプリングのばね力を利用してクラッチディスク組立
体の摩擦フェーシングをフライホイールに押し付けて、
エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達する。
このようなクラッチ装置では、摩擦フェーシングが磨耗
量が一定以上になると、摩擦フェーシングが擦り減って
使用不可能になったり、クラッチカバーのダイヤフラム
スプリングの姿勢が変化して押圧荷重が変化してしま
う。そのため、クラッチディスク組立体を交換する必要
がでてくる。この交換時期を延ばす、すなわちクラッチ
の長寿命化が従来より要請されている。
【0003】クラッチの長寿命化を達成するためには、
クラッチディスク組立体においては、摩擦フェーシング
の有効使用厚みを増加させることが重要である。そこ
で、摩擦フェーシングをリベット等を用いずにクッショ
ニングプレートに固定する方法が用いられる。クラッチ
カバー組立体においては、摩擦フェーシングが摩耗した
場合にダイヤフラムスプリングの姿勢を初期状態に復帰
させる必要がある。そのために、摩擦フェーシングの磨
耗量を検出し、その磨耗量に応じてダイヤフラムスプリ
ングを支持する部材(プレッシャープレート側のファル
クラムリング、又はクラッチカバー側の支持機構)を移
動させる。これにより、クラッチディスク組立体の摩擦
フェーシングを最大限まで使用できる。
【0004】特開平6−42553号公報に示すクラッ
チカバー組立体では、摩耗追従機構は、主に、クラッチ
カバーとダイヤフラムスプリングとの間に配置されたフ
ァルクラムリングと、ファルクラムリングをプレッシャ
ープレートから離れる方向に付勢する付勢機構と、ファ
ルクラムリングがプレッシャープレートから離れるのを
防ぐとともに摩擦フェーシングに摩耗が生じた場合に摩
耗量だけファルクラムリングがプレッシャープレートか
ら軸方向に移動するのを許容する規制機構とを有してい
る。
【0005】特開平6─42553号の図7に示す規制
機構は、プレッシャープレートの内部に収容されてい
る。具体的には、プレッシャープレートには、摩擦面と
反対側に穴が形成されており、その穴内に摩擦ブッシュ
が配置されており、さらに、ブッシュの内側に摩耗セン
サ部材が配置されている。摩耗センサ部材は、摩擦ブッ
シュに摩擦係合するとともに、クラッチカバーに対して
は摩擦フェーシング側に移動不能に係合しており、さら
にファルクラムリングがクラッチカバー側に移動するの
を制限している。
【0006】摩擦フェーシングに摩耗が生じると、プレ
ッシャープレートが移動し、プレッシャープレートとク
ラッチカバーに係合した磨耗センサ部材との間で相対移
動が生じる。この結果、磨耗センサ部材とファルクラム
リングとの間に摩耗量に応じた隙間が形成される。次に
レリーズ動作を行うと、ファルクラムリングが付勢機構
に付勢されてセンサ部材に当接するまで移動する。これ
により、ダイヤフラムスプリングの姿勢は摩耗が生じて
いないときと同じ状態になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の摩耗追従機
構では、摩擦センサ部材と摩擦ブッシュの間の摩擦係合
部はプレッシャープレートの内部に配置されている。そ
のため、摩擦係合部分はプレッシャープレートの摩擦面
から伝達される熱の影響を受けやすい。その結果、摩擦
係合部分で生じる摺動抵抗が安定しにくい。
【0008】本発明の目的は、クラッチカバー組立体の
摩耗追従機構において摩擦係合部分の摺動抵抗を長期間
にわたって安定させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チカバー組立体は、クラッチディスク組立体の摩擦フェ
ーシングをフライホイール側に付勢してクラッチを連結
させるものであり、クラッチカバーと環状プレッシャー
プレートとファルクラムリングと押圧部材と付勢機構と
規制機構とを備えている。クラッチカバーはフライホイ
ールに固定され、摩擦フェーシングに対向する対向部分
を有する。プレッシャープレートは、摩擦フェーシング
と対向部分との間で摩擦フェーシングに近接して配置さ
れ、摩擦フェーシング側の第1側面と対向部分側の第2
側面とを有する。ファルクラムリングは、プレッシャー
プレートの第2側面に対向して配置されている。押圧部
材はクラッチカバーに支持され、ファルクラムリングに
プレッシャープレート側への押圧力を与える。付勢機構
は、プレッシャープレートとファルクラムリングとの間
に配置され、ファルクラムリングにプレッシャープレー
トから軸方向に離れる向きの付勢力を与える。規制機構
は、摩擦フェーシングに摩耗がないときはファルクラム
リングが軸方向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシング
が摩耗すると摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルク
ラムリングが軸方向に移動するのを許すための機構であ
る。摩耗量検出機構は、第1部材と第2部材とを含んで
いる。第1部材はプレッシャープレートの第2側面に固
定され軸方向に延びる。第2部材は、所定以上の荷重が
作用すると第1部材に対して軸方向に移動可能なように
第1部材に摩擦係止され、クラッチカバーに対して摩擦
フェーシング側と反対側から当接可能な当接部を有し、
ファルクラムリングがプレッシャープレートから離れる
方向に移動するのを制限する。
【0010】請求項1に記載のクラッチカバー組立体で
は、押圧部材がファルクラムリングを押すと、ファルク
ラムリングを介してプレッシャープレートが摩擦フェー
シング側に押される。この結果、クラッチディスク組立
体の摩擦フェーシングがフライホイールとプレッシャー
プレートとの間に挟まれる。このようにしてクラッチが
連結される。次に押圧部材からの押圧力が解除される
と、プレッシャープレートから摩擦フェーシングに対す
る押圧が解除される。この結果、摩擦フェーシングはフ
ライホイール及びプレッシャープレートから離れる。こ
のようにしてクラッチ連結が解除される。
【0011】クラッチ連結時に摩擦フェーシングが摩耗
すると、プレッシャープレート及びファルクラムリング
が摩耗量だけ摩擦フェーシング側に移動する。このと
き、規制機構の第2部材はクラッチカバーに当接部が当
接しており、プレッシャープレートとの間で相対移動が
生じる。すなわち、第2部材は第1部材に対して軸方向
に摺動し、ファルクラムリングと第2部材との間には摩
耗量に対応する隙間が形成される。次にクラッチレリー
ズ動作を行うと、ファルクラムリングが第2部材に当接
して軸方向への移動を停止させられるまでプレッシャー
プレートから離れる方向に移動する。さらにクラッチレ
リーズ動作を続けると、プレッシャープレートが摩擦フ
ェーシングから離れ、クラッチ連結が解除される。次に
クラッチ連結を行うと、押圧部材の姿勢は初期状態に復
帰しており、初期の押圧荷重をプレッシャープレート及
びファルクラムリングに与える。以上に述べた構造で
は、規制機構の第1部材及び第2部材がプレッシャープ
レートの第2側面側に設けられているため、これらの部
材がプレッシャープレートの第1側面で生じる熱の悪影
響を受けにくい。その結果、第1部材と第2部材との間
で生じる摺動抵抗が長期間にわたって安定する。
【0012】請求項2に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項1において、第1部材は棒状であり、第2部
材はスリットが形成され第1部材の外周に締まり嵌めさ
れた弾性筒状体からなる。第2部材はたわみ変形しやす
く、第1部材との間で生じる摺動抵抗が安定している。
請求項3に記載のクラッチカバー組立体では、請求項2
において、第2部材は一端がファルクラムリングの対向
部分側の面に当接している。
【0013】請求項4に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項3において、クラッチカバーの対向部分には
第1軸方向孔が形成されており、ファルクラムリングに
は第1軸方向孔に対応する第2軸方向孔が形成されてい
る。第1部材は、一端がプレッシャープレートの第2側
面に取り外し自在に固定され、第1及び第2軸方向孔内
に配置されている。第2部材は、第1軸方向孔内で第1
部材の外周に締まり嵌めされており、クラッチカバー対
向部分の摩擦フェーシング側と反対側の面に当接する前
記当接部が他端に形成されている。
【0014】請求項4に記載のクラッチカバー組立体で
は、第1部材と第2部材はクラッチカバー組立体の他の
部分から容易に取付け及び取り外しができる。具体的に
は、第1部材に第2部材を組付けた状態で外部から第1
軸方向孔と第2軸方向孔を通し、第1部材の一端をプレ
ッシャープレートに固定する。取り外しの際は逆の動作
を行う。このようにして、規制機構は、クラッチカバー
組立体に取付ける前に、第1部材に第2部材を巻付けて
完成させる。すなわち、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定
は、クラッチカバー組立体の外部で行うことができる。
そのため、摺動抵抗の設定が容易である。
【0015】請求項5に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項4において、第1部材の他端には第1軸方向
孔を通っている部分より大径の頭部が形成されており、
頭部は当接部から軸方向に所定距離だけ離れている。摩
擦フェーシングに摩耗が生じ摩耗調整が行われるにつれ
て、第1部材の頭部と第2部材の当接部との間の軸方向
距離が短くなっていく。この軸方向距離はクラッチカバ
ー組立体の外部から観察可能であるため、作業者がクラ
ッチカバー組立体の交換時期を簡単に判断できる。
【0016】請求項6に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項4または5において、ファルクラムリング
は、環状部と一体に形成され環状部から半径方向外方に
突出する突出部を有しており、突出部には第2軸方向孔
が形成されている。請求項7に記載のクラッチカバー組
立体では、請求項1〜6のいずれかにおいて、一端がク
ラッチカバーに固定され、他端がファルクラムリングに
固定されている板状弾性部材をさらに備えている。プレ
ッシャープレートでなくファルクラムリングがクラッチ
カバーに対して相対回転不能に連結されているため、板
状弾性部材の姿勢は摩耗が生じても変化せず一定に保た
れる。その結果、板状弾性部材からの付勢力が一定にな
る。これは、ファルクラムリングは、プレッシャープレ
ートと異なり、クラッチディスクの磨耗が生じてもフラ
イホイール及びクラッチカバーに対する軸方向の位置が
変化しないためである。
【0017】請求項8に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項1〜7のいずれかにおいて、付勢機構は、プ
レッシャープレートとファルクラムリングとの間に配置
され円周方向に延びる傾斜面同士が当接する1対のくさ
び機構と、1対のくさび機構同士を円周方向に互いに付
勢することでファルクラムリングをプレッシャープレー
トから軸方向に離れる向きに付勢する付勢部材とを有し
ている。
【0018】請求項9に記載のクラッチカバー組立体で
は、請求項1〜7のいずれかにおいて、付勢機構は第1
環状部材と第2環状部材と付勢部材とを有している。第
1環状部材は、ファルクラムリングの環状部のプレッシ
ャープレート側の面に固定され複数の第1傾斜面を有す
る。第2環状部材は、プレッシャープレートの第2側面
に回転自在に配置され複数の第1傾斜面に当接する複数
の第2傾斜面を有する。付勢部材は、第2環状部材を円
周方向に第1環状部材に向けて付勢することで第2傾斜
面を第1傾斜面に付勢し、第1環状部材とファルクラム
リングとを軸方向に移動させようとする。複数の傾斜面
を一体に有する第1及び第2環状部材が設けられている
ため、第1環状部材及びファルクラムリングの軸方向移
動量が円周方向において一定になる。
【0019】請求項10に記載のクラッチカバー組立体
では、請求項1〜6のいずれかにおいて、ファルクラム
リングをクラッチカバーに対して、軸方向に弾性的にか
つ一体回転するように連結する連結部材をさらに備えて
いる。ファルクラムリングは第1部材に対して軸方向に
移動自在にかつ円周方向に移動不能に係合している ファルクラムリングがクラッチカバーに対して相対回転
不能に連結されているため、連結部材の姿勢は摩耗が生
じても変化せず一定に保たれる。その結果、連結部材か
らファルクラムリングへの付勢力が一定になる。これ
は、ファルクラムリングは、プレッシャープレートとは
異なり、クラッチディスクの磨耗が生じてもフライホイ
ール及びクラッチカバーに対する軸方向の位置が変化し
ないためである。
【0020】ファルクラムリングは連結部材によりクラ
ッチカバーと一体回転する。ファルクラムリングのトル
クは第1部材を介してプレッシャープレートに伝達され
る。このように規制機構を構成する第1部材を用いてフ
ァルクラムリングからプレッシャープレートへのトルク
伝達を行うため、部品点数が少なくコストが低い。請求
項11に記載のクラッチカバー組立体では、請求項4〜
6のいずれかにおいて、ファルクラムリングをクラッチ
カバーに対して、軸方向に弾性的にかつ一体回転するよ
うに連結する連結部材をさらに備えている。第1部材は
ファルクラムリングの第2軸方向孔に対して軸方向に移
動自在にかつ円周方向に移動不能に係合している。
【0021】プレッシャープレートでなくファルクラム
リングがクラッチカバーに対して相対回転不能に連結さ
れているため、連結部材の姿勢は摩耗が生じても変化せ
ず一定に保たれる。その結果、連結部材からファルクラ
ムリングへの付勢力が一定になる。これは、ファルクラ
ムリングは、プレッシャープレートとは異なり、クラッ
チディスクに磨耗が生じてもフライホイール及びクラッ
チカバーに対する軸方向の位置が変化しないためであ
る。
【0022】ファルクラムリングは連結部材によりクラ
ッチカバーと一体回転する。ファルクラムリングのトル
クは第1部材を介してプレッシャープレートに伝達され
る。このように規制機構を構成する第1部材を用いてフ
ァルクラムリングからプレッシャープレートへのトルク
伝達を行うため、部品点数が少なくコストが低い。
【0023】
【発明の実施の形態】第1実施形態 構成 図1〜図3は、本発明の一実施形態が採用されたクラッ
チカバー組立体1を示している。クラッチカバー組立体
1は、車両、特にトラックなどの大型車両に採用されて
いる。クラッチカバー組立体1は、エンジンのフライホ
イール2から伝達されたトルクを、クラッチディスク組
立体3に伝達または遮断するための装置であり、フライ
ホイール2に取り付けられる。なお、このクラッチ装置
では、2個のクラッチディスク組立体3が設けられ、両
クラッチディスク組立体3のフリクションディスク4間
にはインターミディエイトプレート5が配置されてい
る。なお、本発明はクラッチディスク組立体が1つだけ
設けられたクラッチ装置にも採用できる。
【0024】クラッチディスク組立体3は、フリクショ
ンディスク4と、フリクションディスク4にコイルスプ
リング6を介して連結されたハブ7とから主に構成され
ている。フリクションディスク4は、円板状プレート9
の外周部両面にそれぞれ固定された複数のフリクション
プレート8により構成されている。各フリクションプレ
ート8は、リベット12により円板状プレート9に固定
された芯板10と、芯板10に固定された摩擦フェーシ
ング11とから構成されている。この実施形態では、摩
擦フェーシング11はセラミック・メタル焼結材料から
構成されている。
【0025】図1におけるR1 方向がクラッチの回転方
向であり、R2 方向が後述する第2サポートプレート3
2の摩耗調整時における回転方向である。図2及び図3
における左側に図示しないエンジンが配置され、右側に
図示しないトランスミッションが配置されている。クラ
ッチカバー組立体1は、主に、クラッチカバー21と、
プレッシャープレート22と、ファルクラムリング23
と、付勢機構24と、規制機構25と、クラッチ押圧機
構27と、ドライブ機構26と、レリーズ装置28とか
ら構成されている。
【0026】クラッチカバー21は、フライホイール2
に取り付けられる皿形状の部材である。クラッチカバー
21は、クラッチディスク組立体3の外周側を覆う外周
覆い部21aと、クラッチディスク組立体3のトランス
ミッション側に対向する円板状部21bとを有してい
る。さらに、円板状部21bの外周部には、フリクショ
ンディスク4に対して軸方向に対向する環状の対向部分
21cが形成されている。この対向部分21c(すなわ
ち円板状部21bの外周部分)には、円周方向に等間隔
で4つの第1軸方向孔21dが形成されている。また、
第1軸方向孔21dのトランスミッション側には、第1
軸方向孔21dより径の大きい凹部21eが形成されて
いる。
【0027】プレッシャープレート22は、クラッチカ
バー21の外周覆い部21aの内側に配置され、フリク
ションディスク4とクラッチカバー21の対向部分21
cとの間でフリクションディスク4に近接して配置され
ている。プレッシャープレート22は環状の部材であ
り、鋳鉄などから作られている。プレッシャープレート
22は、フリクションディスク4に対向する摩擦面22
a(第1側面)と対向部分21cに対向する第2側面2
2bとを有している。プレッシャープレート22の第2
側面22bにおいて、内周側には環状に延びる溝22c
が形成されている。この溝22c内に、後述する付勢機
構24が設けられる。さらに、プレッシャープレート2
2の第2側面22b側外周部には円周方向に等間隔で4
か所には、第2側面22bから凹んだ係合凹部22dが
形成されている。また、各係合凹部22dのR2 方向側
にはねじ孔22eが形成されている。
【0028】ファルクラムリング23は、プレッシャー
プレート21の第2側面22b側に配置されている。フ
ァルクラムリング23は、レバー部材46からの荷重を
受け、プレッシャープレート22とともにをフライホイ
ール2側に移動するための部材である。ファルクラムリ
ング23は、環状部23aと環状部23aから半径方向
外方に延びる3つの突出部23bとから構成されてい
る。環状部23aは、プレッシャープレート22の溝2
2cに対して軸方向に所定の間隔をあけて対向するよう
に配置されている。また、突出部23bはプレッシャー
プレート21の第2側面22bに当接している。図1か
ら明らかなように、突出部23bは円周方向に所定角度
延びており、R2 方向側には第2軸方向孔23cが形成
されており、R1 側には第3軸方向孔23dが形成され
ている。第2軸方向孔23cと第3軸方向孔23dは、
プレッシャープレート22のねじ孔22eと係合凹部2
2dにそれぞれ対応している。また、第2軸方向孔23
cは第1軸方向孔21dに対応しており、第1軸方向孔
21dより径が小さい。
【0029】ファルクラムリング23及びプレッシャー
プレート22は、ドライブ機構26によりクラッチカバ
ー21すなわちフライホイール2と一体回転する。ドラ
イブ機構26は円周方向に並んで4か所に設けられ、各
々がストラッププレート42とボルト43とブロック4
4とから構成されている。ストラッププレート42は、
ファルクラムリング23をクラッチカバー21に対して
回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結するための部材
である。ストラッププレート42は、3枚の板部材を重
ねた円周方向(概ね接線方向)に延びる板状弾性部材で
ある。ストラッププレート42のR1 方向端はクラッチ
カバー21に固定されている。ストラッププレート42
のR2 方向端は、ボルト43によりファルクラムリング
23に固定されている。ボルト43は、ファルクラムリ
ング23の第3軸方向孔23dを通過しブロック44に
先端が螺合する。ストラッププレート42のR2 方向端
は、突出部23bとボルト43の頭部との間に挟まれて
いる。ブロック44は、プレッシャープレート22の係
合凹部22d内に挿入されている。ブロック44は、係
合凹部22dに対して図3の状態からトランスミッショ
ン側に移動可能である。このブロック44により、ファ
ルクラムリング23とプレッシャープレート22は相対
回転不能にかつ軸方向に相対移動可能に連結されてい
る。
【0030】付勢機構24は、プレッシャープレート2
2の溝22cとファルクラムリング23の環状部23a
との間の環状空間内に配置されている。付勢機構24
は、ファルクラムリング23に対してプレッシャープレ
ート22から離れる方向(トランスミッション側)に付
勢力を与えるための機構である。付勢機構24は、主
に、第1サポートプレート31(第1環状部材)と第2
サポートプレート32(第2環状部材)と複数のリター
ンスプリング33とから主に構成されている。第1及び
第2サポートプレート31,32は、図6、図7及び図
9から明らかなように、環状の板金製部材である。第1
及び第2サポートプレート31,32には、円周方向に
所定距離だけ延びる複数の第1及び第2傾斜面31a,
32aが形成されている。初期の状態では、第1サポー
トプレート31と第2サポートプレート32とは、図7
に示すよう状態である。すなわち、第1傾斜面31aと
第2傾斜面32aが互いに当接している。なお、図7に
示すように、第1サポートプレート31の第1傾斜面3
1aはR2 方向が高くなっており(エンジン側に突出し
ている)、R1 方向端が低くなっている。第1及び第2
傾斜面31a,32aの傾斜角度(傾斜面と溝22cが
なす角度)は、10〜15度の範囲にあることが好まし
く、12〜14度の範囲にあることが最も好ましい。第
2サポートプレート32の第2傾斜面32aは第1傾斜
面31aに対して相補的に当接するように形成・配置さ
れている。第1及び第2サポートプレート31,32に
は、外周部に折り曲げられた外周筒部31b,32bが
それぞれ形成されている。第2サポートプレート32の
外周筒部32bはプレッシャープレート22の溝22c
の外周壁に当接可能である。また、第1サポートプレー
ト31の外周筒部31bはファルクラムリング23の環
状部23aの内周面に当接可能である。第2サポートプ
レート32は、溝22c内で円周方向に移動自在に配置
されている。第1サポートプレート31は、複数のリベ
ット34(図3)によりファルクラムリング23の環状
部23aに固定されている。第1サポートプレート31
と第2サポートプレート32には、それぞれ内周側部分
に軸方向に切り起こされた複数のばね係合部31c,3
2cが形成されている。ばね係合部31c,32cには
半径方向に貫通する孔31d,32dが形成されてい
る。そして、リターンスプリング33の両端は円周方向
に位置の異なるばね係合部31cと32cとを連結して
いる。リターンスプリング33の両端は、ばね係合部3
1c,32cの孔31d,32d内に挿入されている。
図7に示すような初期の状態において、リターンスプリ
ング33は、第2サポートプレート32を第1サポート
プレート31に対してR2 方向に引っ張っている。傾斜
面31a,32aからなるくさび機構により、第1サポ
ートプレート31及びファルクラムリング23は軸方向
に常に付勢されている。
【0031】付勢機構24はプレッシャープレート22
の内周部に配置されており、内周側に露出しているた
め、付勢機構24の操作が容易である。たとえば、リタ
ーンスプリング33の取り付けや取り外しが容易であ
る。また、第1及び第2サポートプレート31,32は
プレスで製造された板金製品であり、複数の傾斜面31
a,31bを同時に形成しているため、コストが低い。
また、リターンスプリング33を係止するばね係合部3
1c,32cが第1及び第2サポートプレート31,3
2に一体に形成されているため、全体の構造が簡単にな
る。また、傾斜面31a,32aが一体の部材に形成さ
れているため、第2傾斜面32aの円周方向移動量にば
らつきが生じない。その結果、ファルクラムリング23
の軸方向への突出量が円周方向で一定に保たれる。
【0032】第2サポートプレート32のエンジン側面
とプレーッシャープレート22の溝22cの両方または
一方に、摩擦係数を従来に比べて増加させるための摩擦
材料(摩擦係数調整材)をコーテイングしてもよい。そ
の結果、振動が激しい条件下であっても、アンダーアジ
ャストが生じにくい。アンダーアジャストとは、クラッ
チ連結時すなわちファルクラムリング23に軸方向に力
が作用しその結果くさび機構の第1傾斜面31aから第
2傾斜面32aに軸方向に力が作用している状態で、振
動により第2サポートプレート32に対して円周方向に
作用する力が大きくなり、第2サポートプレート32が
1 方向に滑る現象である。そこでは、ファルクラムリ
ング23の位置が磨耗量に対応しなくなる。
【0033】前述のアンダーアジャストを防止する方法
としては、他には、第1傾斜面31aと第2傾斜面32
aの角度を小さくすることも考えられる。その場合は第
1傾斜面から第2傾斜面に対して軸方向に作用する力の
円周方向成分を小さくできる。しかし、角度を極端に小
さくすると以下の問題点があるので実用化は難しい。第
1にクラッチレリーズ時に第2サポートリング32が必
要以上にR2 方向に回転し、ファルクラムリング23を
磨耗量以上に軸方向に移動させてしまう現象(オーバー
アジャスト)が生じやすい。第2に同じ磨耗量に対して
第2サポートプレート32の回転角度が大きくなる。そ
うなると、リターンスプリング33の引っ張り荷重の低
下が極端になり好ましくなく、それを防ぐためのリター
ンスプリング33の設計が難しい。
【0034】すなわち、本願は傾斜面の傾斜角を極端に
小さくすることなく、アンダーアジャストを抑制してい
る。また、本願は、第2サポートプレート32の滑りや
すさを摩擦材料のコーティングによる簡単な方法で調整
している。規制機構25は、摩擦フェーシング11に摩
耗がないときはファルクラムリング23が軸方向に移動
するのを禁じ、摩擦フェーシング11が摩耗するとその
摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルクラムリング2
3が軸方向に移動するのを許すための機構である。規制
機構25は、プレッシャープレート22のねじ孔22e
とファルクラムリング23の第2軸方向孔23cに対応
して、円周方向に等間隔で4か所に設けられている。規
制機構25を構成する部材は、各箇所において、ボルト
38(第1部材)とブッシュ39(第2部材)の2個の
部材である。このように規制機構25は、2個の簡単な
部材から構成されている。
【0035】ボルト38は、本体38aと、本体38a
の先端に形成されたねじ部38bと頭部38cとから構
成されている。ねじ部38bはプレッシャープレート2
2のねじ孔22eに螺合している。これにより、ボルト
38はプレッシャープレート22と一体に固定されてい
る。ボルト38の本体38aは、ファルクラムリング2
3の第2軸方向孔23cとクラッチカバー21の第1軸
方向孔21d内を貫通している。本体38aは、第1軸
方向孔21d及び第2軸方向孔23cとの間には隙間を
有している。頭部38cはクラッチカバー21の対向部
分21cからトランスミッション側に間隔をおいて配置
されている。なお、プレッシャープレート22に固定さ
れる第1部材はボルトでなく、ピンなどの他の棒状部材
であってもよい。
【0036】ブッシュ39は、図5に示すように、筒状
の部材であり、半径方向に拡縮すなわち弾性変形可能で
ある。ブッシュ39は、筒部39aと筒部39aの一端
から外周側に延びる円板状のフランジ39bとから構成
されている。筒部39aとフランジ39bには軸方向に
延びるスリット39cが形成されている。このブッシュ
39は、図4に示すように、クラッチカバー21の対向
部分21cの第1軸方向孔21d内でしかもボルト38
の本体38aの外周に配置されている。ブッシュ39は
本体38aに締まり嵌めされている。また、筒部39a
の一端は、ファルクラムリング23の突出部23bのエ
ンジン側の面に当接している。筒部39aの外周面とク
ラッチカバー21の第1軸方向孔21dとの間には隙間
が確保されている。フランジ39bは、対向部分21c
の凹部21eの底面に当接して配置されている。フラン
ジ39bとボルト38の頭部38cとの軸方向隙間A
は、摩擦フェーシング11の摩耗代とほぼ同じかあるい
はそれ以上に確保されている。ブッシュ39はスリット
が形成された弾性筒状体であるため、たわみ変形しやす
く、ボルト38との間で生じる摺動抵抗が安定してい
る。
【0037】クラッチ押圧機構27は、ファルクラムリ
ング23を介してプレッシャープレート22をフライホ
イール2側に押圧するための機構である。クラッチ押圧
機構27は、レバー部材46(押圧部材)と、リテーナ
47と、プレート48と、当接プレート49と、スナッ
プリング50と、ダイヤフラムスプリング51と、ピン
52と、割りピン53とから構成されている。
【0038】リテーナ47は、トランスミッションの入
力シャフト(図示せず)の外周に配置された環状の部材
である。リテーナ47は後述するレリーズ装置28に係
合している。リテーナ47は、円筒状の本体47aと、
そのトランスミッション側端から外周側に延びるフラン
ジ47bとから主に構成されている。リテーナ47は、
クラッチカバー21の円板状部21bの内周部に固定さ
れたピン52に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に
係合している。
【0039】ダイヤフラムスプリング51は概ね円板形
状である。ダイヤフラムスプリング51は、外周側に環
状の弾性部51aを有し、弾性部51aからは内周側に
多数のレバー部51bが延びている。すなわち、ダイヤ
フラムスプリング51には大径の中心孔が形成されその
内周縁から放射状に延びる複数のスリット51cが形成
されている。スリット51cの半径方向外側端すなわち
レバー部51bの根元部分には、スリット51cより円
周方向幅の広い小判孔51dが形成されている。ダイヤ
フラムスプリング51の外周部はクラッチカバー21に
支持され、内周端はリテーナ47に対して所定の押圧力
を与え、リテーナ47をエンジン側に付勢している。リ
テーナ47に固定された割りピン53が円周方向に複数
箇所でダイヤフラムスプリング51のレバー部51bの
間に挿入されている。これにより、ダイヤフラムスプリ
ング51はリテーナ47とともに一体回転する。
【0040】レバー部材46は、レバー比によりダイヤ
フラムスプリング51の押圧力を増大してファルクラム
リング23に伝達するための押圧部材である。レバー部
材46は、円周方向に等間隔で放射状に配置されてい
る。各レバー部材46は、たとえば短冊状のプレート部
材を折り曲げて形成されている。レバー部材46の半径
方向外側部はトランスミッション側に突出するように折
り曲げられている。その部分には円周方向に長く延びる
孔46bが形成されている。この孔46b内にクラッチ
カバー21から延びる係合突出部21fが係合してい
る。これにより、レバー部材46はクラッチカバー21
と一体回転する。孔46bの円周方向両側は、クラッチ
カバー21に揺動可能に当接している支点46aとなっ
ている。さらに、レバー部材46には、半径方向外側寄
り部分においてエンジン側に突出しファルクラムリング
23の環状部23aに当接する作用点46cが形成され
ている。レバー部材46の半径方向内側部には、トラン
スミッション側に突出する力点46dが形成されてい
る。力点46dは、リテーナ47のフランジ47bのト
ランスミッション側に配置されている。フランジ47b
のとレバー部材46の力点46dの間には、コーンスプ
リング60とプレート48とが配置されている。コーン
スプリング60は、図2及び図3に示すクラッチ連結状
態では、フランジ47bと力点46dとの間で圧縮され
て平坦になっている。円板状のプレート48のエンジン
側には、レバー部材46の力点46dが当接している。
当接プレート49は、リテーナ47の本体47aの外周
のトランスミッション側にスナップリング50により固
定されている。当接プレート49の外周部はトランスミ
ッション側に突出する屈曲部となっている。図2に示す
クラッチ連結状態では、この屈曲部とレバー部材46と
の間には軸方向に所定の隙間が確保されている。
【0041】レリーズ装置28は、クラッチ押圧機構2
7によるプレッシャープレート22への押圧力を解除し
てクラッチのレリーズを行うための装置である。レリー
ズ装置28は、レリーズベアリング54と、クイル55
と、円筒部材56と、支持リング57と、スナップリン
グ58と、コイルスプリング59とから構成されてい
る。レリーズベアリング54は、インナーレースとアウ
ターレースと両レース間に配置された複数の転動体とか
ら構成されている。クイル55はレリーズベアリング5
4の外周に配置され、アウターレースに相対回転不能に
固定されている。円筒部材56は、インナーレースに固
定され、その先端はリテーナ47の内周側に配置されて
いる。支持リング57は、円筒部材56の先端外周部に
固定されたスナップリング58により円筒部材56に固
定されている。支持リング57は、リテーナ47の内周
部のエンジン側の面に当接している。支持リング57と
リテーナ47の当接面は球面形状になっており、ミスア
ライメントの吸収を行うことができる。コイルスプリン
グ59は、円筒部材56の外周に配置されている。コイ
ルスプリング59は、インナーレースとリテーナ47と
の間に圧縮状態で配置されている。動作 〔クラッチ連結〕図2〜図4に示すクラッチ連結状態で
は、ダイヤフラムスプリング51がリテーナ47をエン
ジン側に付勢し、さらにリテーナ47がレバー部材46
を介してファルクラムリング23をエンジン側に付勢し
ている。これにより、プレッシャープレート22はフラ
イホイール2との間にクラッチディスク組立体3のフリ
クションディスク4及びインターミディエイトプレート
5を挟持する。これによりクラッチ連結が行われてい
る。
【0042】レバー部材46の力点46dと支点46a
との距離をEとし、作用点46cと支点46aとの距離
をFとすると、レバー部材46のレバー比はE/Fとな
る。すなわち、ダイヤフラムスプリング51の押圧力は
E/F倍となってファルクラムリング23に作用する。
このため、ダイヤフラムスプリング51の押圧力は小さ
く設定可能である。
【0043】コーンスプリング60は、クラッチ連結状
態に移行する際に、クッショニングプレートとしての役
割を果たす。 〔クラッチレリーズ〕クラッチレリーズ時には、クイル
55をトランスミッション側に移動し、レリーズベアリ
ング54、円筒部材56及びリテーナ47がトランスミ
ッション側に移動する。当接プレート49の屈曲部がレ
バー部材46に当接すると、以後はレバー部材46がト
ランスミッション側に移動させられる。このとき、レバ
ー部材46において当接プレート49が当接する部分か
ら作用点46cまでの距離が、力点46dから作用点4
6cまでの距離より短くなっているため、作用点46c
はファルクラムリング23から素早く離れる。すなわ
ち、クラッチの切れ性能が良くなっている。
【0044】ダイヤフラムスプリング51の押圧力が小
さく設定されているため、レリーズ時にダイヤフラムス
プリング51がリテーナ47に与える荷重が小さい。そ
のため、レリーズ荷重は小さくなっている。さらに、コ
ーンスプリング60がリテーナ47に対してリテーナ4
7の移動方向(トランスミッション側)に荷重を与える
ため、レリーズ荷重はさらに減少している。この結果、
クラッチペダルの踏力が大幅に減少している。
【0045】レバー部材46の作用点46cがファルク
ラムリング23から離れると、ストラッププレート42
の反力によりファルクラムリング23がトランスミッシ
ョン側に移動する。このとき、ファルクラムリング23
とプレッシャープレート22は一体となって軸方向に移
動する。これは、ボルト38とブッシュ39との間で生
じる摺動抵抗が、ストラッププレート42の反力と付勢
機構24からの付勢力の合計より大きく設定されてお
り、ボルト38とブッシュ39との間で滑りが生じない
からである。すなわち、ファルクラムリング23は、規
制機構25を介してプレッシャープレート22を軸方向
に移動させる。この結果、プレッシャープレート22か
らクラッチディスク組立体3のフリクションディスク4
に対する押圧力が解除される。
【0046】なお、ボルト38とブッシュ39との間で
生じる摺動抵抗は、ストラップレート42の反力と付勢
機構24からの付勢力の合計よりはるかに大きい方が良
く、2倍以上であるのが好ましい。このような設定によ
り、フライホイール2からプレッシャープレート22に
振動が伝達されるときに、ボルト38とブッシュ39と
の間では滑りが生じず、ストラッププレート42がたわ
む。すなわち、磨耗量への追従が正確に保たれる。 〔磨耗発生〕クラッチ連結時に摩擦フェーシング11が
摩耗すると、プレッシャープレート22及びファルクラ
ムリング23が摩耗量だけ摩擦フェーシング11側に移
動する。このとき、規制機構25のボルト38はプレッ
シャープレート22とともにエンジン側に移動する。し
かし、ブッシュ39はフランジ39bが対向部分21c
が当接しているため、移動不能である。そのため、ボル
ト38がブッシュ39に対して軸方向に移動する。この
結果、図10に示すように、ファルクラムリング23の
突出部23bとブッシュ39の筒部39a先端との間に
は、摩擦フェーシング11の摩耗量に等しい隙間Bが形
成される。ブッシュ39のフランジ39bとボルト38
の頭部38cとの軸方向隙間は、磨耗量分だけ短くなり
A’(A−B)となる。
【0047】次にクラッチレリーズ動作を行うと、ファ
ルクラムリング23は付勢機構24からの付勢力によ
り、ブッシュ39に当接するまでトランスミッション側
に移動する。ファルクラムリング23は、突出部23b
がブッシュ39の筒部39aに当接するとそれ以上はプ
レッシャープレート22に対して離れる方向に移動しな
い。これは、前述したように、ボルト38とブッシュ3
9との間で生じる摺動抵抗が、ストラップレート42の
反力と付勢機構24からの付勢力の合計より大きく設定
されているからである。この結果、磨耗量のオーバーア
ジャスト(磨耗量以上にファルクラムリング23がプレ
ッシャープレート22に対して移動すること)は生じに
くい。
【0048】以上の動作の結果、図11に示すように、
プレッシャープレート22の第2側面22bとファルク
ラムリング23との間に前述の摩耗量(B)に等しい隙
間Cが形成される。この状態からクラッチ連結動作を行
うと、図12の状態に移行する。図12と図2とを比較
すると、プレッシャープレート22とファルクラムリン
グ23との間に隙間Cが形成され、ブッシュ39のフラ
ンジ39bとボルト38の頭部38cとの間の隙間A’
が初期の隙間Aに比べて前回の摩耗量の分(B)だけ短
くなっている。 〔効果〕規制機構25における構造では、摩耗量検出の
ためのボルト38及びブッシュ39がプレッシャープレ
ート22の外部に設けられているため、ファルクラムリ
ング23の移動を規制するための摩擦係合部分がプレッ
シャープレート22の摩擦面22a側で生じる熱の悪影
響を受けにくい。その結果、ボルト38とブッシュ39
の間で生じる摺動抵抗の大きさが長期間にわたって安定
する。
【0049】さらに、ボルト38とブッシュ39はプレ
ッシャープレート22やクラッチカバー21から独立し
た部材であるため、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定が容
易である。規制機構25は、クラッチカバー組立体1に
取付ける前に、ボルト38にブッシュ39を巻付けて完
成させる。すなわち、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定
は、クラッチカバー組立体1の外部で行うことができ
る。また、プレッシャープレートやフライホイールに摩
擦係合部を設けていないため、摩擦係合部分での摺動抵
抗の設定がさらに容易になっている。プレッシャープレ
ートやクラッチカバーに摩擦係合部分を設ける従来例で
は、それら部材に開けた孔において荷重調整をする必要
があり、設定が困難である。
【0050】規制機構25のクラッチカバー組立体1に
対する取り付け及び取り外しは容易である。各規制機構
25は、プレッシャープレート22のねじ孔22eとフ
ァルクラムリング23の第2軸方向孔23cとクラッチ
カバー21の第1軸方向孔21dを合わせた状態でクラ
ッチカバー21のエンジン側からトランスミッション側
から取り付け及び取り外しが可能である。
【0051】また、ボルト38には頭部38cが形成さ
れているため、摩擦フェーシング11に摩耗が生じて摩
耗調整動作が行われるにつれて、ボルト38の頭部38
cとブッシュ39のフランジ39bとの間の隙間Aが短
くなっていく。この隙間Aはクラッチカバー組立体1の
外部から観察可能であるため、作業者がクラッチカバー
組立体1の交換時期を簡単に判断できる。
【0052】ファルクラムリング23がストラッププレ
ート42により相対回転可能にかつ軸方向移動可能に連
結されているため、摩擦フェーシング11に摩耗が生じ
てもストラッププレート42の姿勢は変化せず一定に保
たれる。これは、ファルクラムリング23はフライホイ
ール2やクラッチカバー21に対する軸方向の位置が変
化しないためである。プレッシャープレートにストラッ
ププレートが固定されている場合は、摩擦フェーシング
の磨耗によるプレッシャープレートの移動に伴ってスト
ラッププレートの姿勢も変化してしまう。第2実施形態 構成 図13〜図16は、本発明の一実施形態が採用されたク
ラッチカバー組立体61を示している。クラッチカバー
組立体61は、車両、特に乗用車などの小型車両に採用
される。クラッチカバー組立体61は、エンジンのフラ
イホイール62から伝達されたトルクを、クラッチディ
スク組立体に伝達または遮断するための装置であり、フ
ライホイール62に取り付けられる。
【0053】クラッチディスク組立体は、フリクショシ
ンディスク64と、フリクショシンディスク64にコイ
ルスプリングを介して連結されたハブとから主に構成さ
れている。フリクショシンディスク64は、円板状プレ
ートの外周部両面にそれぞれ固定された摩擦フェーシン
グにより構成されている。この実施形態では、摩擦フェ
ーシングは有機物からなる摩擦材料から構成されてい
る。
【0054】図13におけるR1 方向がクラッチの回転
方向であり、R2 方向が後述するサポートプレート92
の摩耗調整時における回転方向である。図15及び図1
6における左側に図示しないエンジンが配置され、右側
には図示しないトランスミッションが配置されている。
クラッチカバー組立体81は、主に、クラッチカバー8
1と、プレッシャープレート82と、ファルクラムリン
グ83と、付勢機構84と、規制機構85と、ダイヤフ
ラムスプリング90(押圧部材)と、ドライブ機構86
とから構成されている。
【0055】クラッチカバー81は、フライホイール6
2に取り付けられる皿形状の部材である。クラッチカバ
ー81は、クラッチディスク組立体の外周側を覆う外周
覆い部81aと、クラッチディスク組立体のトランスミ
ッション側に対向する円板状部81bとを有している。
円板状部81bには、円周方向に等間隔で3つの第1軸
方向孔81d(図15)が形成されている。また、第1
軸方向孔81dのトランスミッション側には、第1軸方
向孔21dより径の大きい凹部81eが形成されてい
る。
【0056】プレッシャープレート82は、クラッチカ
バー81の外周覆い部81aの内側に配置され、フリク
ショシンディスク64とクラッチカバー81の円板状部
81bとの間でフリクショシンディスク64に近接して
配置されている。プレッシャープレート82は環状の部
材であり、フリクションディスク64に対向する摩擦面
82a(第1側面)と円板状部81bに対向する第2側
面82bとを有している。プレッシャープレート82の
第2側面82bには環状に延びる溝82cが形成されて
いる。この溝82c内に、後述する付勢機構84が設け
られる。さらに、プレッシャープレート82の第2側面
82b側外周部には円周方向に等間隔で3か所に半径方
向に突出する係合部82dが形成されている。また、各
係合部82dにはねじ孔82eが形成されている。
【0057】ファルクラムリング91は、プレッシャー
プレート82の第2側面82b側に配置されている。フ
ァルクラムリング91は、ダイヤフラムスプリング90
に当接し、ダイヤラムスプリング90によりプレッシャ
ープレート82とともにフライホイール62側に付勢さ
れている。ファルクラムリング91は、環状部91aと
環状部91aから半径方向外方に延びる3つの突出部9
1bとから構成されている。環状部91aは、プレッシ
ャープレート82の溝82cに対して軸方向に所定の間
隔をあけて対向するように配置されている。環状部91
aのトランスミッション側には環状の凸部が形成されて
いる。また、突出部91bはプレッシャープレート82
の第2側面82bに当接している。図13から明らかな
ように、突出部91bは円周方向に所定角度延びてお
り、R2 方向側には第2軸方向孔91cが形成されてい
る。第2軸方向孔91cは、プレッシャープレート82
のねじ孔82eと、フライホイール81の第1軸方向孔
81dとに対応している。第2軸方向孔91cは第1軸
方向孔81dより径が小さい。
【0058】ファルクラムリング91及びプレッシャー
プレート82は、ドライブ機構86によりクラッチカバ
ー81すなわちフライホイール62と一体回転する。ド
ライブ機構86は円周方向に並んで3か所に設けられ、
各々が主にストラッププレート71から構成されてい
る。ストラッププレート71は、ファルクラムリング9
1をクラッチカバー81に対して回転不能にかつ軸方向
に移動可能に連結するための部材である。ストラッププ
レート71は、複数の板部材を重ねた円周方向(概ね接
線方向)に延びる板状弾性部材である。ストラッププレ
ート71のR1 方向端はリベット72によりクラッチカ
バー81に固定されている。ストラッププレート71の
2 方向端は、リベット73によりファルクラムリング
91の突出部91bのR1 側に固定されている。
【0059】付勢機構84は、プレッシャープレート8
2の溝82cとファルクラムリング91の環状部91a
との間の環状空間内に配置されている。付勢機構84
は、ファルクラムリング91に対してプレッシャープレ
ート82から離れる方向(トランスミッション側)に付
勢力を与えるための機構である。付勢機構84は、主
に、ファルクラムリング91の一部と、サポートプレー
ト92と、複数のリターンスプリング93と、摩擦板9
4とから構成されている。ファルクラムリング91とサ
ポートプレート92には、円周方向に所定距離だけ延び
る複数の第1及び第2傾斜面が形成されている。第1傾
斜面と第2傾斜面は互いに当接している。第1傾斜面及
び第2傾斜面の傾斜角度(傾斜面と溝82cがなす角
度)は、10〜15度の範囲にあることが好ましく、1
2〜14度の範囲にあることが最も好ましい。なお、第
1傾斜面はR2 方向端が高くなっており(エンジン側に
突出している)、R1 方向端が低くなっている。サポー
トプレート92の第2傾斜面は第1傾斜面に対して相補
的に当接するように形成・配置されている。サポートプ
レート92は、溝82c内で円周方向に移動自在に配置
されている。
【0060】ファルクラムリング91とサポートプレー
ト92には、それぞれ複数のばね係合部が形成されてい
る。そして、リターンスプリング93の両端は円周方向
に位置の異なるばね係合部とを連結している。リターン
スプリング93は、サポートプレート92をファルクラ
ムリング91に対してR2 方向に引っ張っている。第1
及び第2傾斜面からなるくさび機構により、ファルクラ
ムリング91は軸方向に常に付勢されている。
【0061】摩擦板94(摩擦係数調整材)は、サポー
トプレート92と溝82cとの間に配置されている。摩
擦板94は図17に示すように環状の摩擦ライニングで
あり、プレッシャープレート82及びサポートプレート
92より摩擦係数が高い材料からなる。摩擦板94は、
耐熱性、耐磨耗性が優れており、所望の摩擦係数を有し
ているものが好ましい。摩擦板94の一例としては、商
品名NAH44(日本バルカー)が挙げられる。摩擦板
94は、プレッシャープレート82の溝82c又はファ
ルクラムリング91の一方に固定されていてもよい。ま
た、図18に示すように、摩擦板94を分割された弧状
板94Aから構成し、材料の歩留りをよくしてもよい。
摩擦板94はサポートプレート92又はプレッシャープ
レート82の溝82cの一方に貼着されていてもよい。
【0062】摩擦板94を設けることで、摩擦板94を
設けずにサポートプレート92とプレッシャープレート
82の溝82cが直接に接触している場合より、プレッ
シャープレート82とサポートプレート92との間の摩
擦係数が増加している。その結果、振動が激しい条件下
であっても、アンダーアジャストが生じにくい。アンダ
ーアジャストとは、クラッチ連結時すなわちファルクラ
ムリング91にダイヤフラムスプリング90から軸方向
に力が作用しその結果くさび機構の第1傾斜面から第2
傾斜面に軸方向に力が作用している状態で、振動により
サポートプレート92に対して円周方向に作用する力が
大きくなり、サポートプレート92がR 2 方向に滑る現
象である。
【0063】前述のアンダーアジャストを防止する方法
としては、他には、第1傾斜面と第2傾斜面の角度を小
さくすることも考えられる。その場合は第1傾斜面から
第2傾斜面に対して軸方向に作用する力の円周方向成分
を小さくできる。しかし、角度を極端に小さくすると以
下の問題点があるので実用化は難しい。第1にクラッチ
レリーズ時にサポートプレート92が必要以上にR2
向に回転し、ファルクラムリング91を磨耗量以上に軸
方向に移動させてしまう現象(オーバーアジャスト)が
生じやすい。第2に、同じ磨耗量に対してサポートプレ
ート92の回転角度が大きくなる。そうなると、リター
ンスプリング93の引っ張り荷重の低下が極端になり好
ましくなく、それを防ぐためにはリターンスプリング9
3の設計が難しい。
【0064】すなわち、本願では、傾斜角を極端に小さ
くせず、アンダーアジャストを生じにくくしている。ま
た、本願は、サポートプレート92の滑りやすさを摩擦
板94の設置による簡単な方法で調整している。前述の
プレッシャープレート82とサポートプレート92との
間の摩擦係数の条件を満たすためには、摩擦板94を廃
止して、サポートプレート92のエンジン側面とプレー
ッシャープレート82の溝82cの両方または一方に摩
擦係数を従来に比べて増加させるための摩擦材料をコー
テイングしてもよい。
【0065】規制機構85は、フリクションディスク6
4に摩耗がないときはファルクラムリング91が軸方向
に移動するのを禁じ、フリクションディスク64が摩耗
するとその摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルクラ
ムリング91が軸方向に移動するのを許すための機構で
ある。規制機構85は、プレッシャープレート82のね
じ孔82eとファルクラムリング91の第2軸方向孔9
1cに対応して、円周方向に等間隔で3か所に設けられ
ている。規制機構85を構成する部材は、各箇所におい
て、ボルト98(第1部材)とブッシュ99(第2部
材)の2個の部材である。このように規制機構85は、
2個の簡単な部材から構成されている。
【0066】ボルト98は、本体98aと、頭部98c
と、本体98aの先端に形成されたねじ部98bとから
構成されている。ねじ部98bはプレッシャープレート
82のねじ孔82eに螺合している。これにより、ボル
ト98はプレッシャープレート82と一体に固定されて
いる。ボルト98の本体98aは、ファルクラムリング
91の第2軸方向孔91cとクラッチカバー81の第1
軸方向孔81d内を貫通している。本体98aと第1軸
方向孔81dの間には隙間が確保されているが、本体9
8aは第2軸方向孔91cに対して円周方向に当接して
いる。頭部98cはクラッチカバー81の円板状部81
bからトランスミッション側に間隔をおいて配置されて
いる。なお、プレッシャープレート82に固定される部
材はボルトでなく、ピンなどの他の棒状部材であっても
よい。
【0067】ブッシュ99は筒状の部材であり、半径方
向に拡縮すなわち弾性変形可能である。ブッシュ99
は、筒部99aと筒部99aの一端から外周側に延びる
円板状のフランジ99bとから構成されている。筒部9
9aとフランジ99bには軸方向に延びるスリットが形
成されている。このブッシュ99は、クラッチカバー8
1の円板状部81bの第1軸方向孔81d内でしかもボ
ルト98の本体98aの外周に配置されている。ブッシ
ュ99は本体98aに締まり嵌めされている。また、筒
部99aの一端は、ファルクラムリング91の突出部9
1bのエンジン側の面に当接している。筒部99aの外
周面とクラッチカバー81の第1軸方向孔81dとの間
には隙間が確保されている。フランジ99bは、円板状
部81bの凹部の底面に当接して配置されている。フラ
ンジ99bとボルト98の頭部98cとの軸方向隙間
は、フリクションディスク64の摩耗代とほぼ同じかあ
るいはそれ以上に確保されている。ブッシュ99はスリ
ットが形成された弾性筒状体であるため、たわみ変形し
やすく、ボルト98との間で生じる摺動抵抗が安定して
いる。
【0068】ブッシュ99のエンジン側の周囲には、ク
ッショニング部材としてのOリング90が配置されてい
る。Oリング90は、ファルクラムリング91の突出部
91bに形成された凹部内に嵌入されており、一部が突
出部91bの他の面によりトランスミッション側に突出
している。クラッチレリーズ時に振動によりファルクラ
ムリング23及びプレッシャープレート82がクラッチ
カバー81に接近したときに衝突のショックを緩和する
クッショニング部材として機能する。
【0069】プレート95は、クラッチカバー81とボ
ルト98の頭部98cとの間に挟まれた部材であり、ク
ラッチカバー組立体61の搬送時にボルト98とブッシ
ュ99との間の滑りを防止するための部材である。ダイ
ヤフラムスプリング90は円板状の薄板部材であり、弾
性力によりプレッシャープレート82及びファルクラム
リング91をフライホイール62側に付勢するための部
材である。ダイヤラムスプリング90は、環状の弾性部
88aと、弾性部88aの内周縁から半径方向内側に延
びる複数のレバー部88bとから構成されている。弾性
部88aの内周部は、クラッチカバー81の内周側に形
成された複数の折り曲げタブ81cに支持された2つの
ワイヤリング87に軸方向両側を支持されている。これ
により、ダイヤフラムスプリング90は、2つのワイヤ
リング87を支点として揺動可能になっている。弾性部
88aの外周部はファルクラムリング91の凸部に当接
している。レバー部88bの先端には図示しないレリー
ズ装置が係合している。動作 〔クラッチ連結〕クラッチ連結状態では、ダイヤフラム
スプリング90はファルクラムリング91をエンジン側
に付勢している。これにより、プレッシャープレート8
2はフライホイール62との間にクラッチディスク組立
体のフリクショシンディスク64を挟持する。これによ
りクラッチ連結が行われている。 〔クラッチレリーズ〕クラッチレリーズ時には、図示し
ないレリーズ装置がエンジン側側に移動し、ダイヤフラ
ムスプリング90のレバー部88b先端をエンジン側に
押す。すると、弾性部88aの外周端がトランスミッシ
ョン側に移動し、ファルクラムリング91への付勢力を
解除する。この結果、プレッシャープレート82からク
ラッチディスク組立体のフリクショシンディスク64に
対する押圧力が解除される。
【0070】なお、ボルト98とブッシュ99との間で
生じる摺動抵抗は、ストラッププレート71の反力と付
勢機構84からの付勢力の合計よりはるかに大きい方が
良く、2倍以上であるのが好ましい。このような設定に
より、フライホイール62からプレッシャープレート8
2に振動が伝達されるときに、ボルト98とブッシュ9
9との間では滑りが生じず、ストラッププレート71が
たわむ。すなわち、磨耗量への追従が正確に保たれる。 〔磨耗発生〕クラッチ連結時にフリクションディスク6
4が摩耗すると、プレッシャープレート82及びファル
クラムリング91が摩耗量だけフリクションディスク6
4側に移動する。このとき、規制機構85のボルト98
はプレッシャープレート82とともにエンジン側に移動
する。しかし、ブッシュ99はフランジ99bが円板状
部81aに当接しているため、移動不能である。そのた
め、ボルト98がブッシュ99に対して軸方向に移動す
る。この結果、ファルクラムリング91の突出部91b
とブッシュ99の筒部99a先端との間には、フリクシ
ョンディスク64の摩耗量に等しい隙間が形成される。
ブッシュ99のフランジ99bとボルト98の頭部98
cとの軸方向隙間は、磨耗量分だけ短くなる。
【0071】次にクラッチレリーズ動作を行うと、ファ
ルクラムリング91は付勢機構84からの付勢力によ
り、ブッシュ99に当接するまでトランスミッション側
に移動する。ファルクラムリング91は、突出部91b
がブッシュ99の筒部99aに当接するとそれ以上はプ
レッシャープレート82に対して離れる方向に移動しな
い。これは、前述したように、ボルト98とブッシュ9
9との間で生じる摺動抵抗が、ストラップレート71の
反力と付勢機構84からの付勢力の合計より大きく設定
されているからである。この結果、磨耗量のオーバーア
ジャスト(磨耗量以上にファルクラムリング91をプレ
ッシャープレート82に対して移動させること)は生じ
ない。
【0072】以上の動作の結果、プレッシャープレート
82の第2側面82bとファルクラムリング91との間
に前述の摩耗量に等しい隙間が形成される。この状態か
らクラッチ連結動作を行うと、プレッシャープレート8
2とファルクラムリング91との間に隙間が形成され、
ブッシュ99のフランジ99bとボルト98の頭部98
cとの間の隙間が初期の隙間に比べて前回の摩耗量の分
だけ短くなっている。 〔効果〕規制機構85における構造では、摩耗量検出の
ためのボルト98及びブッシュ99がプレッシャープレ
ート82の第2側面82b側に設けられているため、フ
ァルクラムリング91の移動を規制するための摩擦係合
部分がプレッシャープレート82の摩擦面82a側で生
じる熱の悪影響を受けにくい。その結果、ボルト98と
ブッシュ99の間で生じる摺動抵抗の大きさが長期間に
わたって安定する。
【0073】さらに、ボルト98とブッシュ99はプレ
ッシャープレート82やクラッチカバー81から独立し
た部材であるため、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定が容
易である。規制機構85は、クラッチカバー組立体61
に取付ける前に、ボルト98にブッシュ99を巻付けて
完成させる。すなわち、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定
は、クラッチカバー組立体61の外部で行うことができ
る。また、プレッシャープレートやフライホイールに摩
擦係合部を設けていないため、摩擦係合部分での摺動抵
抗の設定がさらに容易になっている。プレッシャープレ
ートやクラッチカバーに摩擦係合部分を設ける従来例で
は、それら部材に開けた孔において荷重調整をする必要
があり、設定が困難である。
【0074】規制機構85のクラッチカバー組立体61
に対する取り付け及び取り外しは容易である。各規制機
構85は、プレッシャープレート82のねじ孔82eと
ファルクラムリング91の第2軸方向孔91cとクラッ
チカバー81の第1軸方向孔81dを合わせた状態でク
ラッチカバー81のエンジン側からトランスミッション
側から取り付け及び取り外しが可能である。
【0075】また、ボルト98には頭部98cが形成さ
れているため、フリクションディスク64に摩耗が生じ
て摩耗調整動作が行われるにつれて、ボルト98の頭部
98cとブッシュ99のフランジ99bとの間の隙間が
短くなっていく。この隙間はクラッチカバー組立体61
の外部から観察可能であるため、作業者がクラッチカバ
ー組立体61の交換時期を簡単に判断できる。
【0076】ファルクラムリング91がストラッププレ
ート71により相対回転可能にかつ軸方向移動可能に連
結されているため、フリクションディスク64に摩耗が
生じてもストラッププレート71の姿勢は変化せず一定
に保たれる。これは、ファルクラムリング91はフライ
ホイール62やクラッチカバー81に対する軸方向の位
置が変化しないためである。プレッシャープレート82
にストラッププレート71が固定されている場合は、摩
擦フェーシングの磨耗によるプレッシャープレートの移
動に伴ってストラッププレートの姿勢も変化してしま
う。第3実施形態 図19に示すように、第1実施形態のクラッチカバー組
立体1において、溝222cと第2サポートリング31
との間に摩擦板75を配置してもよい。この場合も第2
実施形態と同様の効果が得られる。
【0077】
【発明の効果】本願に係るクラッチカバー組立体では、
規制機構の第1部材及び第2部材がプレッシャープレー
トの外部に設けられているため、これらの部材がプレッ
シャープレートの第1側面で生じる熱の悪影響を受けに
くい。その結果、第1部材と第2部材との間で生じる摺
動抵抗を長期間にわたって安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチカバー組
立体の平面図。
【図2】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】規制機構のブッシュの斜視図。
【図6】第1サポートプレートの部分平面図。
【図7】付勢機構の部分断面展開図。
【図8】付勢機構の動作状態を示す、図7に対応する
図。
【図9】図6のIX−IX断面図。
【図10】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略
図。
【図11】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略
図。
【図12】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略
図。
【図13】第2実施形態におけるクラッチカバー組立体
の平面図。
【図14】図13のXIV 矢視図。
【図15】図13のXV-XV 断面図。
【図16】図13のXVI-XVI 断面図。
【図17】摩擦板の平面図。
【図18】変形例における摩擦板の平面図。
【図19】第3実施形態におけるクラッチカバー組立体
の縦断面概略図。
【符号の説明】
1 クラッチカバー組立体 2 フライホイール 3 クラッチディスク組立体 4 フリクションディスク 5 インターミディエイトプレート 6 コイルスプリング 21 クラッチカバー 22 プレッシャープレート 23 ファルクラムリング 24 付勢機構 25 規制機構 26 ドライブ機構 27 クラッチ押圧機構 28 レリーズ装置 38 ボルト 38a 本体 38b ねじ部 38c 頭部 39 ブッシュ 39a 筒部 39b フランジ 39c スリット 61 クラッチカバー組立体 62 フライホイール 64 フリクションディスク 81 クラッチカバー 82 プレッシャープレート 84 付勢機構 85 規制機構 86 ドライブ機構 94 摩擦板 98 ボルト 98a 本体 98b ねじ部 98c 頭部 99 ブッシュ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチディスク組立体の摩擦フェーシン
    グをフライホイール側に付勢してクラッチを連結させる
    クラッチカバー組立体であって、 前記フライホイールに固定され、前記摩擦フェーシング
    に対向する対向部分を有するクラッチカバーと、 前記摩擦フェーシングと前記対向部分との間で前記摩擦
    フェーシングに近接して配置され、前記摩擦フェーシン
    グ側の第1側面と前記対向部分側の第2側面とを有する
    環状プレッシャープレートと、 前記プレッシャープレートの前記第2側面に対向して配
    置されたファルクラムリングと、 前記クラッチカバーに支持され、前記ファルクラムリン
    グに前記プレッシャープレート側への押圧力を与える押
    圧部材と、 前記プレッシャープレートと前記環状部との間に配置さ
    れ、前記ファルクラムリングに前記プレッシャープレー
    トから軸方向に離れる向きの付勢力を与える付勢機構
    と、 前記摩擦フェーシングに磨耗がないときは前記ファルク
    ラムリングが軸方向に移動するのを禁じ、前記摩擦フェ
    ーシングが磨耗すると磨耗量を検出し、前記磨耗量に応
    じて前記ファルクラムリングが軸方向に移動するのを許
    すための機構であり、前記プレッシャープレートの前記
    第2側面に固定され軸方向に延びる第1部材と、所定以
    上の荷重が作用すると前記第1部材に対して軸方向に移
    動可能なように前記第1部材に摩擦係止された第2部材
    を含み、前記第2部材は前記クラッチカバーに対して前
    記摩擦フェーシング側と反対側から当接可能な当接部を
    有し、前記ファルクラムリングが前記プレッシャープレ
    ートから離れる方向に移動するのを制限する第2部材と
    を含んでいる規制機構と、を備えたクラッチカバー組立
    体。
  2. 【請求項2】前記第1部材は棒状であり、 前記第2部材はスリットが形成され前記第1部材の外周
    に締まりばめされた弾性筒状体からなる、請求項1に記
    載のクラッチカバー組立体。
  3. 【請求項3】前記第2部材は一端が前記ファルクラムリ
    ングの前記対向部分側の面に当接すしている、請求項2
    に記載のクラッチカバー組立体。
  4. 【請求項4】前記クラッチカバーの前記対向部分には第
    1軸方向孔が形成されており、 前記ファルクラムリングには前記第1軸方向孔に対応す
    る第2軸方向孔が形成されており、 前記第1部材は前記第1及び第2軸方向孔内に配置さ
    れ、一端が前記プレッシャープレートの前記第2側面に
    取り外し自在に固定され、 前記第2部材は、前記第1軸方向孔内で前記第1部材の
    外周に締まりばめされており、前記クラッチカバー対向
    部分の前記摩擦フェーシング側と反対側の面に当接する
    前記当接部が他端に形成されている、請求項3に記載の
    クラッチカバー組立体。
  5. 【請求項5】前記第1部材の他端には、前記第1軸方向
    孔を通っている部分より大径の頭部が形成されており、
    前記頭部は前記当接部から軸方向に所定距離だけ離れて
    いる、請求項4に記載のクラッチカバー組立体。
  6. 【請求項6】前記ファルクラムリングは、前記環状部か
    ら半径方向外方に突出する突出部を有しており、 前記突出部に前記第2軸方向孔が形成されている、請求
    項4又は5に記載のクラッチカバー組立体。
  7. 【請求項7】一端が前記クラッチカバーに固定され、他
    端が前記ファルクラムリングに固定されている板状弾性
    部材をさらに備えている、請求項1〜6のいずれかに記
    載のクラッチカバー組立体。
  8. 【請求項8】前記付勢機構は、前記プレッシャープレー
    トと前記ファルクラムリングの前記環状部との間に配置
    され円周方向に延びる傾斜面同士が当接する1対のくさ
    び機構と、前記1対のくさび機構同士を円周方向に互い
    に付勢することで前記ファルクラムリングを前記プレッ
    シャープレートから軸方向に離れる向きに付勢する付勢
    部材とを有している、請求項1〜7のいずれかに記載の
    クラッチカバー組立体。
  9. 【請求項9】前記付勢機構は、前記ファルクラムリング
    の前記プレッシャープレート側の面に固定され複数の第
    1傾斜面を有する第1環状部材と、前記プレッシャープ
    レートの前記第2側面に回転自在に配置され前記複数の
    第1傾斜面に当接する複数の第2傾斜面を有する第2環
    状部材と、前記第2環状部材を円周方向に前記第1環状
    部材に付勢することで前記第2傾斜面を前記第1傾斜面
    に付勢し、前記第1環状部材と前記ファルクラムリング
    とを軸方向に移動させようとする付勢部材とを有してい
    る、請求項1〜7のいずれかに記載のクラッチカバー組
    立体。
  10. 【請求項10】ファルクラムリングをクラッチカバーに
    対して軸方向に弾性的にかつ一体回転するように連結す
    る連結部材ををさらに備え、 前記ファルクラムリングは前記第1部材に対して軸方向
    に移動自在にかつ円周方向に移動不能に係合している、
    請求項1〜6のいずれかに記載のクラッチカバー組立
    体。
  11. 【請求項11】ファルクラムリングをクラッチカバーに
    対して軸方向に弾性的にかつ一体回転するように連結す
    る連結部材をさらに備え、 前記第1部材は前記ファルクラムリングの第2軸方向孔
    に対して軸方向に移動自在にかつ円周方向に移動不能に
    係合している、請求項4〜6のいずれかに記載のクラッ
    チカバー組立体。
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