JP3913957B2 - クラッチカバー組立体 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチカバー組立体、特に摩擦部材に摩耗が生じると、摩耗量に応じて押圧部材の支点を摩擦部材側に移動させることが可能な摩耗補償機構を備えたクラッチカバー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ装置のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールに装着され、ダイヤフラムスプリング等のバネ力を利用してクラッチディスク組立体の摩擦部材をフライホイールに押しつけることで、エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達する。このようなクラッチ装置では、摩擦部材の摩耗量が一定以上になると、摩擦部材が使用不可能になったり、クラッチカバー組立体のダイヤフラムスプリングの姿勢が変化して押圧荷重が変化してしまうなどの不具合が生じる。そのため、摩耗量が一定になるとクラッチディスク組立体を交換する必要がある。この交換時期を延ばすすなわちクラッチの長寿命化が従来より要請されている。
【0003】
クラッチの長寿命化を達成するためには、クラッチディスク組立体においては、摩擦部材の有効使用厚みを増加させることが重要である。そこで、摩擦部材をリベット等を用いずにクッションニングプレートに固定する方法などが知られている。
【0004】
クラッチカバー組立体においては、摩擦部材が摩耗した場合にダイヤフラムスプリングなどのバネの姿勢を初期状態に復帰させる必要がある。そのために、摩擦部材の摩耗量を検出し、その摩耗量に応じてダイヤフラムスプリングなどのバネの支点(プレッシャープレート側のファルクラムリング、またはクラッチカバー側の支持機構)を移動させる摩耗補償機構が用いられている。これにより、摩擦部材の摩耗に関わらずダイヤフラムスプリング等の姿勢を一定に保つことができ、クラッチディスク組立体の摩擦部材を最大限まで使用することができる。
【0005】
特開平8−170652号公報に示すクラッチカバー組立体では、プレッシャープレートに押圧力を与えるための押圧機構はバネとレバー部材とからなる。また、摩耗補償機構はクラッチカバー側の支持機構を摩耗量に応じて摩擦部材側に移動させるための機構である。この摩耗補償機構は、主に、レバー部材のクラッチカバー側支点を支持するための支持部材と、支持部材を摩擦部材側に付勢する付勢機構と、摩擦部材の摩耗量を検出するとともにその摩耗量に応じてプレッシャープレートのクラッチカバー側への移動を許容する機構とから構成されている。付勢機構は、互いに相補的に当接する複数の傾斜面からなるくさび機構を有する2個のリング部材と、クラッチカバー側のリング部材を回転方向に付勢することで他方のリング部材及び支持部材を摩擦部材側に移動させようとするバネとから構成されている。また、摩耗検出機構は、クラッチカバーの孔に軸方向移動可能に摩擦係止された筒状の部材と、プレッシャープレートから延び頭部が筒状部材の摩擦部材と反対側に当接するボルトとから構成されている。プレッシャープレートと筒状部材との軸方向間には、プレッシャープレートの切れ代に相当する軸方向隙間が確保されている。プレッシャープレートは複数のストラッププレートにより常に摩擦部材と反対側に付勢されている。これにより、バネからの付勢力が解除されたクラッチレリーズ状態では、プレッシャープレートは摩擦部材から離れる方向に移動し、筒状部材に当接するまで移動を続ける。
【0006】
摩擦部材に摩耗が生じると、プレッシャープレートがフライホイール側に移動し、ブッシュを摩耗量だけクラッチカバーに対して移動させる。この結果、プレッシャープレートと筒状部材との間の軸方向隙間は摩擦部材の摩耗前と同一である。この後クラッチレリーズ動作を行うと、プレッシャープレートは筒状部材により軸方向への移動を停止されるが、その停止位置は摩耗前のクラッチレリーズ時に比べて摩耗量分だけ摩擦部材側にある。そのため、レバー部材の半径方向外側部が軸方向に揺動可能になる。その結果、付勢機構は、レバー部材の半径方向外側部が支持部材とプレッシャープレートととの間で移動不能に支持されるまで、支持部材を軸方向に移動させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のクラッチカバー組立体における摩耗補償機構では、摩耗量の検出をプレッシャープレートとクラッチカバーに係止された筒状部材との軸方向間により行い、さらに支持部材の移動及びその停止を支持部材とプレッシャープレートとの軸方向間で行っている。そのため、たとえばクラッチレリーズ時においてプレッシャープレートに振動が入力されプレッシャープレートが摩擦部材側に移動してしまった場合には、支持部材が所定量以上にプレッシャープレート側に移動してしまうことがある。このようなオーバーアジャストが生じると、プレッシャープレートに付勢力を与えるバネの姿勢が初期状態から変化してしまい、押圧荷重が一定でなくなる。
【0008】
本発明の目的は、クラッチカバー側の支持部材を移動させることで摩擦部材の摩耗を補償する摩耗補償機構において、クラッチカバー側の支持部材の移動量を所望の値に正確に保つことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のクラッチカバー組立体は、フライホイールに装着され、摩擦部材をフライホイールに連結及び連結解除させるためのものであり、クラッチカバーとプレッシャープレートと押圧部材と摩耗補償機構とを備えている。クラッチカバーはフライホイールと一体回転する。プレッシャープレートは、摩擦部材に近接して配置され、クラッチカバーに一体回転するが軸方向に移動可能である。押圧部材はプレッシャープレートに摩擦部材側への押圧力を与えるための部材である。摩耗補償機構は、クラッチカバーに設けられ押圧部材を支持し、摩擦部材に摩耗が生じたときすると押圧部材の支持位置を摩擦部材側に移動させるための機構である。摩耗補償機構は、クラッチカバーの摩擦部材側に設けられた回転方向に延びる第1傾斜面と、クラッチカバーに相対回転可能にかつ軸方向に移動可能に配置され第1傾斜面に対して相補的に当接する第2傾斜面をクラッチカバー側に有する第1リング部材と、第1リング部材がクラッチカバーから軸方向に離れるように第1リング部材をクラッチカバーに対して回転方向に付勢する弾性部材と、クラッチカバーに設けられ第1リング部材の摩擦部材側に当接して第1リング部材の摩擦部材側への移動を防止し摩擦部材が摩耗すると第1リング部材の摩擦部材側への移動を許容する規制機構とを有する。
【0010】
このクラッチカバー組立体では、摩擦部材に摩耗が生じると、規制機構は第1リング部材が摩擦部材側へ摩耗量に対応して移動するのを許容する。したがって、第1リング部材は弾性部材に付勢されて摩擦部材側に移動する。以上の動作では、第1リング部材が移動可能な軸方向隙間は、規制機構と第1リング部材との間に形成されている。このため、たとえばクラッチレリーズ動作時にプレッシャープレートに振動が入力されプレッシャープレートが軸方向に移動しても、プレッシャープレートの変位は軸方向隙間を変化させることはない。すなわち押圧部材の支点の軸方向移動量が正確に保たれる。
【0011】
請求項2に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1において、規制機構は摩耗量検出部材を有している。摩耗量検出部材は、クラッチカバーに対して軸方向に移動可能に摩擦係合されさらに第1リング部材の摩擦部材側の面に当接することで第1リング部材が摩擦部材側に移動するのを制限し、摩擦部材が摩耗するとプレッシャープレートともに摩擦部材側に移動して第1リング部材との間に隙間を形成する。
【0012】
請求項3に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1又は2において、摩耗補償機構は第2リング部材をさらに有している。第2リング部材は、第1リング部材の摩擦部材側に当接して配置され、クラッチカバーに対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合し、押圧部材を支持するための支持部を有する。
【0013】
請求項4に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1から3のいずれかにおいて、第1リング部材が、前記規制機構と当接し前記クラッチカバーの回転軸に垂直な平面に対して傾斜し回転方向に延びる傾斜面をさらに有している。
【0014】
【発明の実施の形態】
構造
図1及び図2は、本発明の一実施形態が採用され得るクラッチ装置1の基本的な構造を示している。このクラッチ装置1は、車両、特に、トラック等の大型車両に採用されている。クラッチ装置1はエンジンのフライホイール2からトランスミッションの入力シャフト3にトルクを伝達するとともに必要に応じてトルク伝達を遮断するための装置である。クラッチ装置1は、主に、クラッチディスク組立体4と、クラッチカバー組立体5と、レリーズ装置6とから構成されている。なお、図1に示すO−Oがクラッチ装置1の回転軸線であり、図1の下側を第1軸方向側(エンジン側)とし、図1の上側を第2軸方向側(トランスミッション側)とする。図4及び図5に示す矢印R1方向がクラッチ装置1の回転方向であり、矢印R2方向がその反対方向である。なお、図1における各部材の位置及び姿勢はクラッチディスク組立体4に摩耗が生じていない段階でクラッチ装置1が連結された状態であり、図2における各部材の位置及び姿勢はクラッチディスク組立体4の摩耗が進行した段階でクラッチ装置1が連結された状態である。また、このクラッチ装置1が設けられるトランスミッションはシンクロ機構を有さないタイプであるため、クラッチブレーキ7(後述)が設けられている。
【0015】
フライホイール2はエンジンのクランクシャフト(図示せず)端部に取り付けられる円坂状の部材である。フライホイール2の外周部第2軸方向側には環状かつ平坦な摩擦面11が形成されている。
【0016】
クラッチディスク組立体4はフライホイール2の第2軸方向側に近接して配置されている。クラッチディスク組立体4は、フライホイール2に連結されることで、エンジン側のトルクをトランスミッション入力シャフト3に伝達するための装置である。ここではクラッチディスク組立体4として2個の装置が使用され、各々が、外周部に設けられた摩擦フェーシング4a(摩擦部材)と、トランスミッション入力シャフト3に連結されたハブ4bと、両者を回転方向に弾性的に連結するダンパー機構4cとを有している。一方のクラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aはフライホイール2の摩擦面11に近接して配置されている。他方のクラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aはフライホイール2の摩擦面11から第2軸方向側に離れたところに配置されている。各摩擦フェーシング4aの軸方向間には中間プレート13が配置されている。中間プレート13は後述するクラッチカバー15と一体回転しかつ軸方向に移動可能となっている部材である。
【0017】
クラッチカバー組立体5は、フライホイール2のトルクをクラッチディスク組立体4に伝達又は遮断するための装置であり、フライホイール2に取り付けられている。クラッチカバー組立体5は、図3に示すように、主に、クラッチカバー15と、プレッシャープレート16と、押圧機構17と、摩耗補償機構18とから構成されている。
【0018】
クラッチカバー15はフライホイール2に固定された環状の部材である。具体的には、クラッチカバー15の外周部がボルトによりフライホイール2に固定されている。クラッチカバー15は、クラッチディスク組立体4の外周側を覆うとともにクラッチディスク組立体4の第2軸方向側に位置している。このようにして、クラッチカバー15はフライホイール2の摩擦面11に対して軸方向に対向している。
【0019】
クラッチカバー15は、大きく分けて、外周覆い部分21と、円板状部分22と、両者の間に形成された筒状部23とから構成されている。外周覆い部分21はプレッシャープレート16の外周側を覆う概ね筒状であり、その外周端は図示しないボルトによってフライホイール2に固定されている。外周覆い部分21の複数箇所は外周側が開くように切り欠かれている。また、外周覆い部分21において筒状部23の外周側には複数の平坦部24が形成されている。平坦部24は筒状部23の第1軸方向側端に連続しており、プレッシャープレート16の内周側部分の第2軸方向面38と軸方向に間隔を空けて対向している。円板状部分22は外周覆い部分21の第2軸方向側先端から内周側に延びる部分であり、その内周縁は入力シャフト3の回りに近接している。円板状部分22の半径方向中間部分には円周方向に複数の孔27が形成されているが、円板状部分22の外周部すなわち筒状部23よりすぐ内周側の部分には環状部分26が確保されている。また、円板状部分22の内周側縁近傍には棒状部材28が固定されている。棒状部材28はクラッチカバー15の内周端から第1軸方向側に延びている。
【0020】
図3に示すように、クラッチカバー15の筒状部23の内周側すなわち環状部分26の第1軸方向側には、後述する摩耗補償機構18の付勢機構55を収容するための収容部29が形成されている。環状部分26の内周端には第1軸方向に突出する環状突出部30が形成されている。筒状部23と環状突出部30との間は環状の溝32となっている。
【0021】
プレッシャープレート16は、クラッチカバー15の内周側において、第2軸方向側のクラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aとクラッチカバー15との軸方向間に配置された環状の部材である。プレッシャープレート16の第1軸方向側の面は環状でかつ平坦な押圧面37となっている。プレッシャープレート16の第2軸方向側にはクラッチカバー15と対向する第2軸方向面38が形成されている。さらに、第2軸方向面38の内周側には環状の支持部39が形成されている。支持部39は他の部分より第2軸方向側に突出している。
【0022】
プレッシャープレート16は図2に示すストラッププレート41によりクラッチカバー15に連結されている。具体的には、円周方向に等間隔で複数のストラッププレート41が設けられ、各ストラッププレート41のR2側端はボルト42によりプレッシャープレート16の外周部に固定され、R1側端は図示しないボルトによりクラッチカバー15に固定されている。この連結によりプレッシャープレート16はクラッチカバー15とともにR1側に回転するようになっている。また、クラッチ連結状態においてストラッププレート41は軸方向にたわんでおり、ストラッププレート41はプレッシャープレート16に対して第2軸方向側に付勢力を与えている。なお、ボルト42の頭部はクラッチカバー15の前述の切り欠きに対応して配置されている。
【0023】
押圧機構17は、プレッシャープレート16に対してクラッチ連結のための押圧力を与えるための機構であり、ダイヤフラムスプリング44とレバー部材45リティーナ46とから構成されている。
【0024】
リティーナ46は、環状の部材であり、入力シャフト3の回りに近接して配置されている。リティーナ46は、外周面に環状の溝46aが形成され、内周面に内周側フランジ46bを有している。
【0025】
レバー部材45は、円周方向に放射状に並んだ複数の板部材からなり、リティーナ46の第1軸方向側部分の回りに配置されている。各レバー部材45は、半径方向内側端がリティーナ46に係合し、半径方向外側端がプレッシャープレート16及びファルクラムリング60に係合している。なお、レバー部材は1枚の環状プレートから構成されていてもよい。レバー部材45の半径方向内側端はリティーナ46の溝46a内に挿入されている。レバー部材45の半径方向内側端の第1軸方向側は、半径方向に湾曲した凸形状面となっており、溝46aの第1軸方向側面に対して揺動可能に当接している。レバー部材45は、半径方向外側部がプレッシャープレート16とクラッチカバー15特に収容部29との軸方向間に配置されている。レバー部材45の外周部の第2軸方向側面は後述するファルクラムリング60に支持されている。また、レバー部材45において前述の支持部分より内周側部分の第1軸方向側面がプレッシャープレート16の支持部39に支持されている。
【0026】
ダイヤフラムスプリング44はレバー部材45の第2軸方向側に軸方向に離れて配置されている。ダイヤフラムスプリング44の外周部の第2軸方向側面はクラッチカバー15特に収容部29において環状突出部30に支持されている。ダイヤフラムスプリング44は内周端がリティーナ46の第2軸方向面に当接している。この状態でダイヤフラムスプリング44はリティーナ46を介してレバー部材45の内周端を第1軸方向側に付勢している。
【0027】
ダイヤフラムスプリング44の内周端は棒状部材28に係合して回り止めされている。また、リティーナ46には棒状部材28が挿入された孔が形成されており、リティーナ46は棒状部材28にガイドされて軸方向に移動するようになっている。
【0028】
レバー部材45は、内周側から、リティーナ46から第1軸方向側への力が作用する力点50、プレッシャープレート16に力を与えることが可能な作用点51,及びクラッチカバー15側に支持される支点52を有している。各点50,51,52は実際は中心軸O回りに弧状又は環状に形成された線状部分である。作用点51は、レバー部材45において第1軸方向側に突出した部分であり、プレッシャープレート16の支持部39に当接している。支点52は、レバー部材45において第2軸方向側に突出した部分であり、ファルクラムリング60の第1軸方向側面に形成された環状の支持部40に当接している。なお、支点52部分では円周方向に複数の穴52aが形成されており、それら穴52a内にファルクラムリング60の支持部40から延びる突起40aが挿入されている。この結果、レバー部材45はクラッチカバー15と一体回転する。力点50から支点52までの半径方向距離をL1とし、力点50から作用点51までの半径方向距離をL2とし、作用点51から支点52までの半径方向距離をL3とする。これにより、ダイヤフラムスプリング44からレバー部材45に伝達される押圧荷重はL2/L3倍されてプレッシャープレート16に伝達される。
【0029】
次に、摩耗補償機構18について説明する。図3に詳細に示す摩耗補償機構18は、クラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aが摩耗した後にレバー部材45の先端すなわち内周端である力点50部分の軸方向高さを初期の位置に復帰させること、すなわちレリーズベアリング84の軸方向位置を一定に保つことでクラッチブレーキギャップを一定にすることを目的としている。そのため、摩耗補償機構18は、クラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aに摩耗が生じると次のクラッチレリーズ時にレバー部材45のクラッチカバー側支点52を摩耗に応じて摩擦フェーシング4a側に移動させるようになっている。
【0030】
摩耗補償機構18は主に付勢機構55と摩耗量検出機構56とを備えている。付勢機構55は後述のファルクラムリング60を第1軸方向側すなわちクラッチディスク組立体4側に付勢するための機構である。摩耗量検出機構56(規制機構)は、付勢機構55のアジャストリング59の第1軸方向側への移動制限するとともに、クラッチディスク組立体4に摩耗が生じるとその後のレリーズ時にアジャストリング59が摩耗量に応じて第1軸方向側に移動するのを許容するための機構である。
【0031】
付勢機構55はクラッチカバー15の収容部29内に配置されている。付勢機構55は、主に、クラッチカバー15に固定されたリング部材58と、アジャストリング59と、ファルクラムリング60と、アジャストスプリング61とから構成されている。
【0032】
リング部材58は、図1及び図5に示すように、クラッチカバー15の環状部分26の底面に回転不能に固定された環状の部材である。具体的には、リング部材58は第2軸方向側に複数の突起58aを有している。突起58aは環状部分26に形成された凹部に挿入され、これによりリング部材58はクラッチカバー15と一体回転する。リング部材58は、外周面が筒状部23の内周面に支持され、内周面が環状突出部30の外周面に支持されている。リング部材58の第1軸方向側面には複数の傾斜面58bが形成されている。各傾斜面58bは、円周方向に長く延びており、回転方向R1側にいくにしたがって徐々に軸方向に高くなるように傾斜している。
【0033】
アジャストリング59(第1リング)はリング部材58の第1軸方向側に配置され、ファルクラムリング60(第2リング)はアジャストリング59の第1軸方向側に配置されている。各部材は互いに軸方向に当接している。なお、クラッチカバー15の溝32の底面(環状部分26の第1軸方向側面)、リング部材58の第2軸方向側面、アジャストリング59の第1軸方向側面、及びファルクラムリング60の第2軸方向側面は、クラッチ装置1の回転軸線O−Oに対して垂直な面となっている。
【0034】
アジャストリング59はリング部材58の第1軸方向側に当接している。アジャストリング59は、外周面が筒状部23の内周面に支持されている。アジャストリング59の第2軸方向側面には、傾斜面58bに対応して複数の第1傾斜面59aが形成されている。各第1傾斜面59aは各傾斜面58bに対して相補的に当接している。すなわちリング部材58の傾斜面58bとアジャストリング59の第1傾斜面59aとにより第1くさび機構が形成されている。
【0035】
リング部材58とアジャストリング59の軸方向間には環状又は複数の弧状空間が確保されており、その空間内に複数のアジャストスプリング61が配置されている。アジャストスプリング61はアジャストリング59をリング部材58に対して回転方向R1側に付勢するための部材である。アジャストスプリング61は引っ張りばねでも圧縮ばねでもよい。アジャストスプリング61によって付勢されることでリング部材58の傾斜面58bからアジャストリング59の第1傾斜面59aに作用する力の軸方向成分により、アジャストリング59は第1軸方向側に常に付勢されている。
【0036】
アジャストリング59の第1軸方向側面は概ね平坦な面であるが、その外周側に複数の第2傾斜面59bが形成されている。各第2傾斜面59bはその外周側の面から軸方向に凹んだ凹部であり、各傾斜面58bは、円周方向に長く延びており、回転方向R1側にいくにしたがって徐々に軸方向に高くなるように傾斜している。
【0037】
第1傾斜面59aの傾斜角度θ1は第2傾斜面59bの傾斜角度θ2より大きく、その比θ1/θ2はレバー部材45における比L1/L2をr1/r2倍にしたものに等しい。なお、r1は第1傾斜面59aの平均半径であり、r2は第2傾斜面59bの平均半径である。また、ここでの傾斜角度とは、クラッチ装置1の回転軸線O−Oに対して垂直な平面に対する勾配を意味する(図5を参照)。
【0038】
ファルクラムリング60は、クラッチカバー15の筒状部23の内周面に指示され、さらに溝や突起の係合によりクラッチカバー15に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能となっている。この実施形態で摩耗量検出機構56は例えば半径方向に対向する位置に設けられた2組の機構からなり、各組はロールピン73とナット74とボルト75とから構成されている。ロールピン73は、クラッチカバー15の平坦部24に形成された軸方向孔24a内に挿入されている。ロールピン73は軸方向にスリットが形成されたばね部材であり、軸方向孔24aの壁面に自ら弾性的に当接している。このようにロールピン73はクラッチカバー15に対して所定量の力が作用するまでは軸方向に移動しないように摩擦係合されている。クラッチ連結状態である図3においては、ロールピン73の第1軸方向側端面はクラッチカバー15の平坦部24の第1軸方向側端面から突出していない。この第1軸方向側端面とプレッシャープレート16の第2軸方向側端面との間の軸方向隙間がクラッチレリーズ時にプレッシャープレート16が第2軸方向側に移動可能な量(プレッシャープレートの切れ代)になっている。
【0039】
なお、孔24aは筒状部23に対応して形成されており、その部分では筒状部23は半径方向に貫通している。
【0040】
ナット74はロールピン73に挿入されている。ナット74は第1軸方向側にネジ孔74aが形成され、第2軸方向側にロールピン73の第2軸方向側面に当接するフランジ74bを有している。ナット74の第1軸方向側端はロールピン73の第1軸方向側端より第2軸方向側に位置している。なお、この実施例ではナット74はロールピン73に圧入されており、両者が軸方向に離れる方向に移動することはない。また、ナット74とロールピン73の固定方法は圧入に限定されない。
【0041】
ボルト75はネジ部77がナット74のネジ孔74aに螺合している。ボルト75の頭部78は、プレッシャープレート16の軸方向孔79内に配置されている。軸方向孔79はプレッシャープレート16においてクラッチカバー15の軸方向孔24aに対応する位置にある。軸方向孔79は、押圧面37側に開いた第1孔80と、第1孔80につながり第2軸方向側面に開いた第2孔81とから構成されている。第2孔81は第1孔80と同心であるが小径になっている。ボルト75の頭部78は第1孔80の底面に当接している。
【0042】
以上の構成によって、ボルト75とナット74とロールピン73は軸方向に一体に移動する1つの部材(摩耗量検出部材)であり、図3の状態からプレッシャープレート16に対して軸方向に接近することは可能であるが離反することは不可能になっている。これにより、プレッシャープレート16は、図3の状態から、第2軸方向側に移動する際にはボルト75から抵抗力が作用するが、第1軸方向側に移動する際にはロールピン73に当接するまで自由に移動できる。なお、第2孔81の押圧面37側には、ボルト75の脱落防止用ボルト83が螺合している。
【0043】
さらに、ナット74のフランジ74bには半径方向内側に延びる係合部74cが形成されている。係止部74cはアジャストリング59の外周面に形成された凹部内に挿入されている。係止部74cの第2軸方向側面は回転方向に傾斜した傾斜面74dであり、アジャストリング59の第2傾斜面59bに対して相補的に当接している。このように第2傾斜面59bと傾斜面74dとにより第2くさび機構が形成されている。第2傾斜面59bと傾斜面74dとが互いに当接した状態でアジャストリング59からナット74及びロールピン73に軸方向に力が加わると、クラッチカバー15の孔24aからロールピン73に対して抵抗力が作用する。言い換えると、ナット74及びロールピン73は、クラッチカバー15に対して軸方向に移動可能に摩擦係止され、付勢機構55の荷重を支持するための移動停止機構として機能している。この機能を実現するのであれば、これら部材の形状・構成・配置等は本実施形態に限定されない。また、さらに他の部材が本構成に新たに加えられて停止機構を構成していてもよい。
【0044】
以上をまとめると、摩耗量検出機構56は、従来のようなプレッシャープレートのクラッチカバーに対する軸方向移動を停止させる機構ではなく、ファルクラムリング60を直接駆動する付勢機構55を停止させるための機構である。より具体的には、摩耗量検出機構56は、ファルクラムリング60に軸方向の力を与えるアジャストリング59の回転を停止させることで付勢機構55の動作を停止させている。また、摩耗量検出機構56はアジャストリング59との間に第2くさび機構を構成することで、アジャストリング59の回転を禁止及び許可している。また、摩耗量検出機構56は付勢機構55との間に付勢機構55が作動可能な隙間を形成するための機構である。この隙間はクラッチカバー15にともに支持された付勢機構55と摩耗量検出機構56の位置関係によってのみ決定される。すなわちこの隙間(ファルクラムリング60を移動可能とする量)は、プレッシャープレート16の位置や動き、ファルクラムリング60とレバー部材45との間の隙間の大きさに影響されることはない。
【0045】
図1に示すレリーズ装置6は、レバー部材45の先端を第2軸方向側に引き出すことでクラッチ装置1の連結を解除するための装置であり、主に、スリーブ82とレリーズベアリング84から構成されている。スリーブ82はトランスミッション入力シャフト3の外周に配置された筒状の部材である。スリーブ82の第1軸方向端に形成された外周側フランジ82aはリティーナ46の内周側フランジ46bの内周面に第1軸方向側から当接している。
【0046】
レリーズベアリング84は、スリーブ82の第2軸方向側端の回りに配置されている。レリーズベアリング84のインナーレース84aはスリーブ82に固定されている。レリーズベアリング84のアウターレース84bの外周には外周壁85が固定されている。外周壁85にはたとえば半径方向に対向する2カ所に係合部86が設けられている。レリーズフォーク87は、図示しないクラッチハウジングに取り付けられた支持手段(図示せず)により揺動自在に支持されるとともに、図示されないクラッチ操作機構に連結されている。レリーズフォーク87の先端は外周壁85の係合部86の第1軸方向側に所定の隙間をあけて配置されている。
【0047】
レリーズベアリング84のインナーレース84aとリティーナ46の内周部との軸方向間にはコイルスプリング88が配置されている。コイルスプリング88はリティーナ46をスリーブ82に対して付勢している。これによりリティーナ46はスリーブ82に対して第1軸方向に押し付けられており、その結果内周側フランジ46bと外周側フランジ82aは軸方向に互いに離れないようになっている。この結果、スリーブ82及びインナーレース84aはクラッチカバー15と一体回転する。
【0048】
さらに、図示しないトランスミッションハウジングの壁面にはクラッチブレーキ7が設けられている。クラッチブレーキ7とレリーズベアリング84との間には所定の軸方向隙間(クラッチブレーキギャップ)が確保されている。クラッチブレーキ7はトランスミッションの変速をスムーズに行わせるための機構である。具体的には、クラッチブレーキ7は、レリーズ装置6が最も第2軸方向側に移動した状態でレリーズ装置6とトランスミッションハウジングの壁面との間に挟み付けられることで、トランスミッション入力シャフト3の回転を停止させる機能を有している。なお、クラッチブレーキギャップは、プレッシャープレート16の切れ代にレバー部材45のレバー比を掛けた値となっている。また、レリーズベアリング84がクラッチブレーキ7に接触した状態を最大レリーズ状態という。
【0049】
動作
図1に示すクラッチ連結状態では、レバー部材45がプレッシャープレート16に対して押圧力を与えている。また、このときストラッププレート41がプレッシャープレート16をクラッチディスク組立体4から引き離す方向に付勢力を与えている。すなわち押圧力から付勢力をひいた力がプレッシャープレート16からクラッチディスク組立体4に作用している。また、この状態でファルクラムリング60及びロールピン73は軸方向に移動しないようになっている。
【0050】
次に、クラッチディスク組立体4に摩耗が生じた際のクラッチカバー組立体5における摩耗補償動作について説明する。
【0051】
図1の状態からクラッチディスク組立体4の摩擦フェーシング4aに摩耗が生じるとそれに従いプレッシャープレート16が摩擦面11側に移動する。このとき、プレッシャープレート16は、ボルト75に作用することで、ナット74とロールピン73をクラッチカバー15に対してフライホイール2側に摩耗量だけ移動させる。すなわち、プレッシャープレート16に対してフライホイール側に作用する力は、クラッチカバー15からロールピン73に作用する静止摩擦力より大きくなるように設定されている。この結果、図6に示すように、ナット74の係止部74cはアジャストリング59の第2傾斜面59bから軸方向に摩耗量だけ離れる。
【0052】
次にクラッチレリーズ動作を行う。操作者がクラッチペダルを踏むことにより、クラッチ操作機構を介してレリーズフォーク87がレリーズ装置6を第2軸方向側に移動させる。具体的には、レリーズフォーク87の先端が外周壁85に設けられた係合部86に当接しレリーズ装置6全体を第2軸方向側に移動させる。このとき、リティーナ46を介してダイヤフラムスプリング44及びレバー部材45の内周端が第2軸方向側に移動させられる。この結果、レバー部材45からプレッシャープレート16に作用する押圧力が解除され、プレッシャープレート16はストラッププレート41からの付勢力によって第2軸方向側に移動する。
【0053】
クラッチレリーズ状態になると、アジャストリング59は回転方向R1側に回転しながらファルクラムリング60を第1軸方向に移動させる。これが可能なのは、リング部材58からアジャストリング59に作用する力の軸方向成分がストラッププレート41の付勢力より大きく設定されているためである。以上の結果、レバー部材45の支持部40及びプレッシャープレート16も第1軸方向側に移動する。
【0054】
図5に示すように、アジャストリング59の第2傾斜面59bがナット74の傾斜面74dに当接すると、クラッチカバー15の孔24aからロールピン73に抵抗力が作用することで、アジャストリング59の回転が停止する。すなわちそれ以上はファルクラムリング60は軸方向に移動しない。
【0055】
以上の動作において、ファルクラムリング60とアジャストリング59は軸方向にS移動する。距離Sは摩耗量Wより大きく、摩耗量Wに比θ1/θ2(=(L1/L2)×(r1/r2))をかけた量となっている。このようにして、レバー部材45先端(内周端)高さを一定に保つことができる。ファルクラムリング60の移動量が摩耗量Wに等しい場合は、摩耗補償後に支持部材とレバー部材の支点との軸方向間に隙間が発生し、次のクラッチ連結時に支点がクラッチカバー側に移動してしまいレバー部材の姿勢が変化する、つまりレバー部材先端(内周端)がフライホイール側に移動してしまう。
【0056】
このように摩耗補償動作によって、レバー部材45の支点52の軸方向位置は、摩擦フェーシング4aの摩耗量に対応して第1軸方向側に移動している。この結果、レバー部材45の支点52及び作用点51は摩耗量に対応して第1軸方向に移動しており、したがってレバー部材45の姿勢は変化しているが力点50の軸方向位置は変化しておらず、ダイヤフラムスプリング44の姿勢は変化せず、さらにリティーナ46,スリーブ82,及びレリーズベアリング84の軸方向位置は変化していない。すなわち、レリーズフォーク87先端とレリーズ装置6の係合部86との軸方向隙間及びクラッチブレーキギャップが変化していない。
【0057】
本実施形態では、アジャストリング59の第1傾斜面59a及び第2傾斜面59bの角度の関係を適宜設定することにより、摩擦フェーシングの摩耗量のみならず、レバー部材やダイヤフラムスプリングの各支点部の摩耗量を見込んで摩耗調整することができる。
〔変形例〕
なお、本発明は本実施形態におけるクラッチ装置に限定されない。
【0058】
本発明は、クラッチディスク組立体が1つのクラッチ装置、押圧部材がダイヤフラムスプリング等のばねのみからなるクラッチ装置、押圧部材がレバー部材と他のばねからなるクラッチ装置、押圧部材をフライホイール側に押すことでクラッチレリーズを行うクラッチ装置等にも採用可能である。また、クラッチブレーキの有無にも限定されない。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係るクラッチカバー組立体では、第1リング部材が移動可能な軸方向隙間は、検出機構と第1リング部材との間に形成されているため、押圧部材の支点の軸方向移動量が正確に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態としてのクラッチカバー組立体が採用されたクラッチ装置の摩耗補償前のクラッチ連結状態を示す縦断面概略図。
【図2】 本発明の実施形態としてのクラッチカバー組立体が採用されたクラッチ装置の摩耗補償後のクラッチ連結状態を示す縦断面概略図。
【図3】 図1の部分拡大図であり、クラッチカバー組立体の摩耗補償機構を示すための縦断面概略図。
【図4】 クラッチカバーの部分平面図。
【図5】 摩耗補償機構における2種類の傾斜面からなるくさび機構の構造を説明するための概略図。
【図6】 摩耗補償機構における2種類の傾斜面からなるくさび機構の構造を説明するための概略図。
【図7】 摩耗補償機構における2種類の傾斜面からなるくさび機構の構造を説明するための概略図。
【符号の簡単な説明】
1 クラッチ装置
2 フライホイール
4 クラッチディスク組立体
5 クラッチカバー組立体
6 レリーズ装置
15 クラッチカバー
16 プレッシャープレート
17 押圧機構
18 摩耗補償機構
55 付勢機構
56 摩耗量検出機構
59 アジャストリング
60 ファルクラムリング
61 アジャストスプリング

Claims (4)

  1. フライホイールに装着され、摩擦部材を前記フライホイールに連結及び連結解除させるためのクラッチカバー組立体であって、
    前記フライホイールと一体回転するクラッチカバーと、
    前記摩擦部材に近接して配置され、前記クラッチカバーに一体回転するが軸方向に移動可能なプレッシャープレートと、
    前記プレッシャープレートに前記摩擦部材側への押圧力を与えるための押圧部材と、
    前記クラッチカバーに設けられ前記押圧部材を支持し、前記摩擦部材に摩耗が生じたときに前記押圧部材の支持位置を摩擦量に応じて前記摩擦部材側に移動させるための摩耗補償機構とを備え、
    前記摩耗補償機構は、前記クラッチカバーの前記摩擦部材側に設けられた回転方向に延びる第1傾斜面と、前記クラッチカバーに相対回転可能にかつ軸方向に移動可能に配置され前記第1傾斜面に対して相補的に当接する第2傾斜面を前記クラッチカバー側に有する第1リング部材と、前記第1リング部材が前記クラッチカバーから軸方向に離れるように前記第1リング部材を前記クラッチカバーに対して回転方向に付勢する弾性部材と、前記クラッチカバーに設けられ前記第1リング部材の前記摩擦部材側に当接して前記第1リング部材の摩擦部材側への移動を防止し前記摩擦部材が摩耗すると前記第1リング部材の前記摩擦部材側への移動を許容する規制機構とを有する、
    クラッチカバー組立体。
  2. 前記規制機構は摩耗量検出部材を有しており、
    前記摩耗量検出部材は、前記クラッチカバーに対して軸方向に移動可能に摩擦係合されさらに前記第1リング部材の前記摩擦部材側の面に当接することで前記第1リング部材が前記摩擦部材側に移動するのを制限し、前記摩擦部材が摩耗すると前記プレッシャープレートともに前記摩擦部材側に移動して前記第1リング部材との間に隙間を形成する、請求項1に記載のクラッチカバー組立体。
  3. 前記摩耗補償機構は第2リング部材をさらに有しており、
    前記第2リング部材は、前記第1リング部材の前記摩擦部材側に当接して配置され、前記クラッチカバーに対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合し、前記押圧部材を支持するための支持部を有する、請求項1又は2に記載のクラッチカバー組立体。
  4. 前記第1リング部材は、前記規制機構と当接し前記クラッチカバーの回転軸に垂直な平面に対して傾斜し回転方向に延びる傾斜面をさらに有している、
    請求項1から3のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
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