JP3638422B2 - クラッチカバー組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチカバー組立体、特に摩擦部材の摩耗にかかわらず押圧荷重を初期状態に維持するための摩耗追従機構を備えたクラッチカバー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ装置のクラッチカバー組立体は、エンジンのフライホイールに装着され、ダイヤフラムスプリングのばね力を利用してクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングをフライホイールに押し付けて、エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達する。このようなクラッチ装置では、摩擦フェーシングの磨耗量が一定以上になると、摩擦フェーシングが擦り減って使用不可能になったり、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングの姿勢が変化して押圧荷重が変化してしまう。そのため、クラッチディスク組立体を交換する必要がでてくる。この交換時期を延ばす、すなわちクラッチの長寿命化が従来から要請されている。
【0003】
クラッチの長寿命化を達成するためには、クラッチディスク組立体においては、摩擦フェーシングの有効使用厚みを増加させることが重要である。そこで、摩擦フェーシングをリベット等を用いずにクッショニングプレートに固定する方法が用いられる。
クラッチカバー組立体においては、摩擦フェーシングが摩耗した場合にダイヤフラムスプリングの姿勢を初期状態に復帰させる必要がある。そのために、摩擦フェーシングの磨耗量を検出し、その磨耗量に応じてダイヤフラムスプリングを支持する部材(プレッシャープレート側のファルクラムリング、又はクラッチカバー側の支持機構)を移動させる。これにより、クラッチディスク組立体の摩擦フェーシングを最大限まで使用できる。
【0004】
特開平6−42553号公報に示すクラッチカバー組立体では、摩耗追従機構は、主に、クラッチカバーとダイヤフラムスプリングとの間に配置されたファルクラムリングと、ファルクラムリングをプレッシャープレートから離れる方向に付勢する付勢機構と、ファルクラムリングがプレッシャープレートから離れるのを防ぐとともに摩擦フェーシングに摩耗が生じた場合に摩耗量だけファルクラムリングがプレッシャープレートから軸方向に移動するのを許容する規制機構とを有している。
【0005】
特開平6−42553号の図3に示す付勢機構は、プレッシャープレートとファルクラムリングとの間に配置された1対のくさび部材と、くさび部材の傾斜面同士を円周方向に付勢するばねとから構成されている。第1くさび部材はファルクラムリングに固定されている。第2くさび部材はプレッシャープレートの溝内に円周方向に移動自在に配置されている。ばねは、各第1くさび部材と第2くさび部材との間に配置され、円周方向に圧縮された状態である。この結果、ばねは第1くさび部材と第2くさび部材を円周方向に押しつけ、第1くさび部材と第2くさび部材の傾斜面同士を互いに円周方向に付勢している。これにより、第2くさび部材及びファルクラムリングは常にプレッシャープレートから離れる方向に付勢されている。規制機構がファルクラムリングの移動を許すと第2くさび部材が円周方向に移動して第1くさび部材を軸方向に移動させる。この結果、ファルクラムリングが摩擦フェーシングの摩耗量だけプレッシャープレートから離れ、ダイヤフラムスプリングの姿勢が初期の状態に戻る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の摩耗追従機構の付勢機構では、ばねはプレッシャープレートとファルクラムリングとの間の空間に配置されている。このため、限られた空間内にばねを支持するための構造を設ける必要がある。また、ばねを配置しなければいけないのでくさび部材の当接面の数や面積を充分に確保できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、摩耗追従機構を備えたクラッチカバー組立体において、付勢機構が配置されたプレッシャープレートとファルクラムリングとの間の構造を簡単にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のクラッチカバー組立体は、クラッチディスク組立体の摩擦フェーシングをフライホイール側に付勢してクラッチを連結させるものであり、クラッチカバーとプレッシャープレートとファルクラムリングと押圧部材と付勢機構と規制機構とを備えている。クラッチカバーは、フライホイールに固定され、摩擦フェーシングに対抗する対抗部分を有する。プレッシャープレートは、摩擦フェーシングと対抗部分との間で摩擦フェーシングに近接して配置され、摩擦フェーシングの側の第1側面と対抗部分側の第2側面とを有する。ファルクラムリングはプレッシャープレートの第2側面側に配置されている。押圧部材は、クラッチカバーに支持され、ファルクラムリングにプレッシャープレート側への押圧力を与える。付勢機構は、プレッシャープレートとファルクラムリングとの間に配置され、ファルクラムリングにプレッシャープレートから軸方向に離れる向きの付勢力を与えるための機構である。付勢機構は、互いに当接する傾斜面が形成され円周方向に相対移動可能な本体を有する第1及び第2くさび部材と、第1及び第2くさび部材の内周側に配置されくさび部材同士を互いに円周方向に付勢するための引っ張りばねとを有する。規制機構は、摩擦フェーシングに摩耗がないときはファルクラムリングが軸方向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシングが摩耗すると摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルクラムリングが軸方向に移動するのを許す。
【0009】
このクラッチカバー組立体では、押圧部材がファルクラムリングを押すと、ファルクラムリングを介してプレッシャープレートが摩擦フェーシング側に押される。この結果、クラッチディスク組立体の摩擦フェーシングがフライホイールとプレッシャープレートとの間に挟まれる。このようにしてクラッチが連結される。次に押圧部材からの押圧力が解除されると、プレッシャープレートから摩擦フェーシングに対する押圧力が解除される。この結果、摩擦フェーシングはフライホイール及びプレッシャープレートから離れる。このようにしてクラッチ連結が解除される。
【0010】
クラッチ連結時に摩擦フェーシングが摩耗すると、規制機構がファルクラムリングに対して摩耗量に応じてプレッシャープレートから離れる軸方向に移動するのを許容する。したがって付勢機構において第1及び第2くさび部材が互いに対して円周方向に移動し、ファルクラムリングが押されてプレッシャープレートから摩耗量だけ離れる。この結果、押圧部材は初期の姿勢に戻され、プレッシャープレート側に与える押圧力が初期の押圧荷重が維持される。
【0011】
このクラッチカバー組立体では、付勢機構の引っ張りばねが第1及び第2くさび部材の内周側に配置されている。すなわち、引っ張りばねはプレッシャープレートとファルクラムリングとの間に配置されていない。したがってプレッシャープレートとファルクラムリングとの間の第1及び第2くさび部材の構造が簡単になる。
付勢機構は、第1及び第2くさび部材の少なくとも一方に設けられ引っ張りばねの半径方向外方へのたわみを抑えるための抑え部をさらに有する。そのため、引っ張りばねの半径方向外方へのたわみは第1及び第2くさび部材の少なくとも一方に設けられた抑え部により抑えられ、この結果引っ張りばねの端部における摩耗や破損が生じにくくなる。
【0012】
請求項2に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1において、プレッシャープレートとファルクラムリングとの間には環状空間が形成されている。環状空間は内周側が開放されている。第1及び第2くさび部材は環状空間に配置されている。引っ張りばね環状空間からさらに内周側に配置されている。
【0013】
このクラッチカバー組立体では、プレッシャープレートとファルクラムリングとの間の第1及び第2くさび部材の構造が簡単になる。
請求項3に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1又は2において、第1及び第2くさび部材の本体は、傾斜面がそれぞれ複数形成された環状である。
このクラッチカバー組立体では、第1及び第2くさび部材の本体が環状に形成されているため、各傾斜面は円周方向に同期して移動し、ファルクラムリングの軸方向移動量が円周方向にわたって等しく保たれる。したがって、ファルクラムリングの姿勢が正しく維持される。
【0014】
請求項4に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1〜3のいずれかにおいて、第1及び第2くさび部材は板金製である。
このクラッチカバー組立体では、構造が単純になり、製作費が少なくなる。
【0015】
請求項5に記載のクラッチカバー組立体は、請求項1〜4のいずれかにおいて、抑え部は本体から一体に延びる。第1くさび部材の抑え部と第2くさび部材の抑え部とは摩擦フェーシングの摩耗量が一定になると円周方向に互いに当接するようになっている。第1及び第2くさび部材が板金からなる場合は、抑え部は本体から折り曲げ等された部分であり、製造が容易である。また、抑え部同士が当接することでそれ以上の第2くさび部材の回転が停止される。すなわち、摩擦フェーシングの摩耗が所定の値になると付勢機構の付勢が自動停止する。
【0016】
請求項6に記載のクラッチカバー組立体では、請求項5において、抑え部は本体から半径方向内方に延び引っ張りばねに対して半径方向に対向しており、抑え部と引っ張りばねとの間には半径方向に隙間がある。
このクラッチカバー組立体では、引っ張りばねに例えば遠心力が作用し引っ張りばねが半径方向外方にたわむと、引っ張りばねは抑え部に当接してそれ以上外周側にたわむのを制限される。このように、引っ張りばねのたわみが抑えられるため端部における摩耗や破損が生じにくい。
【0017】
請求項7に記載のクラッチカバー組立体では、請求項1〜6のいずれかにおいて、付勢機構は、第1及び第2くさび部材に設けられ引っ張りばねの端部が係合する円周面が形成された係合部をさらに有する。
このクラッチカバー組立体では、引っ張りばね端部における接触部分の面圧が低くなり、その部分の摩耗や破損が生じにくくなる。
【0018】
請求項8に記載のクラッチカバー組立体では、請求項7において、係合部は前記引っ張りばねの端部と略同等の半径を有する円柱形状であり、引っ張りばねの端部は係合部の外周に巻かれている。
このクラッチカバー組立体では、引っ張りばねの端部は係合部に対して軸方向に移動や変形が可能である。したがって、引っ張りばねの端部に応力が生じにくくなっている。
【0019】
請求項9に記載のクラッチカバー組立体では、請求項8において、係合部は第1及び第2くさび部材に固定されたリベットである。
このクラッチカバー組立体では、リベットによる簡単な構造によって引っ張りばね端部における摩耗や破損の問題が生じにくくなっている。
【0020】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
構成
図1〜図3は、本発明の一実施形態が採用されたクラッチカバー組立体1を示している。クラッチカバー組立体1は、車両、特にトラックなどの大型車両に採用されている。クラッチカバー組立体1は、エンジンのフライホイール2から伝達されたトルクをクラッチディスク組立体3に伝達又は遮断するための装置であり、フライホイール2に取り付けられる。なお、このクラッチ装置では、2個のクラッチディスク組立体3が設けられ、両クラッチディスク組立体3のフリクションディスク4間にはインターミディエイトプレート5が配置されている。なお、本発明はクラッチディスク組立体が1つだけ設けられたクラッチ装置にも採用できる。
【0021】
各クラッチディスク組立体3は、フリクションディスク4と、フリクションディスク4にコイルスプリング6を介して連結されたハブ7とから主に構成されている。フリクションディスク4は、円板状プレート9の外周部両面にそれぞれ固定された複数のフリクションプレート8により構成されている。各フリクションプレート8は、リベット12により円板状プレート9に固定された芯板10と、芯板10に固定された摩擦フェーシング11とから構成されている。この実施形態では、摩擦フェーシング11はセラミック・メタル焼結材料から構成されている。
【0022】
図1におけるR1 方向がクラッチの回転方向であり、その反対のR2 方向が後述する第2サポートプレート32の摩耗調整時における回転方向である。図2及び図3における左側に図示しないエンジンが配置され、右側に図示しないトランスミッションが配置されている。
クラッチカバー組立体1は、主に、クラッチカバー21と、プレッシャープレート22と、ファルクラムリング23と、付勢機構24と、規制機構25と、クラッチ押圧機構27と、ドライブ機構26と、レリーズ装置28とから構成されている。
【0023】
クラッチカバー21は、フライホイール2に取り付けられる皿形状の部材である。クラッチカバー21は、クラッチディスク組立体3の外周側を覆う外周覆い部21aと、クラッチディスク組立体3のトランスミッション側に対向する円板状部21bとを有している。さらに、円板状部21bの外周部には、フリクションディスク4に対して軸方向に対向する環状の対向部分21cが形成されている。この対向部分21c(すなわち円板状部21bの外周部分)には、円周方向に等間隔で4つの第1軸方向孔21dが形成されている。また、第1軸方向孔21dのトランスミッション側には、第1軸方向孔21dより径の大きい凹部21eが形成されている。
【0024】
プレッシャープレート22は、クラッチカバー21の外周覆い部21aの内側に配置され、フリクションディスク4とクラッチカバー21の対向部分21cとの間でフリクションディスク4に近接して配置されている。プレッシャープレート22は環状の部材であり、鋳鉄などから作られている。プレッシャープレート22は、フリクションディスク4に対向する摩擦面22a(第1側面)と対向部分21cに対向する第2側面22bとを有している。プレッシャープレート22の第2側面22bにおいて、内周側には環状に延びる溝22cが形成されている。この溝22c内に、後述する付勢機構24が設けられる。さらに、プレッシャープレート22の第2側面22b側外周部には円周方向に等間隔で4か所には、第2側面22bから凹んだ係合凹部22dが形成されている。また、各係合凹部22dのR2 方向側にはねじ孔22eが形成されている。
【0025】
ファルクラムリング23は、プレッシャープレート22の第2側面22b側に配置されている。ファルクラムリング23は、レバー部材46からの荷重を受け、プレッシャープレート22とともにをフライホイール2側に移動するための部材である。ファルクラムリング23は、環状部23aと環状部23aから半径方向外方に延びる3つの突出部23bとから構成されている。環状部23aは、プレッシャープレート22の溝22cに対して軸方向に所定の間隔をあけて対向するように配置されている。また、突出部23bはプレッシャープレート22の第2側面22bに当接している。図1から明らかなように、突出部23bは円周方向に所定角度延びており、R2 方向側には第2軸方向孔23cが形成されており、R1 側には第3軸方向孔23dが形成されている。第2軸方向孔23cと第3軸方向孔23dは、プレッシャープレート22のねじ孔22eと係合凹部22dにそれぞれ対応している。また、第2軸方向孔23cは第1軸方向孔21dに対応しており、第1軸方向孔21dより径が小さい。
【0026】
ファルクラムリング23及びプレッシャープレート22は、ドライブ機構26によりクラッチカバー21すなわちフライホイール2と一体回転する。ドライブ機構26は円周方向に並んで4か所に設けられ、各々がストラッププレート42とボルト43とブロック44とから構成されている。ストラッププレート42は、ファルクラムリング23をクラッチカバー21に対して回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結するための部材である。ストラッププレート42は、3枚の板部材を重ねた円周方向(概ね接線方向)に延びる板状弾性部材である。ストラッププレート42のR1 方向端はクラッチカバー21に固定されている。ストラッププレート42のR2 方向端はボルト43によってファルクラムリング23に固定されている。ボルト43は、ファルクラムリング23の第3軸方向孔23dを通過しブロック44に先端が螺合する。ストラッププレート42のR2 方向端は、突出部23bとボルト43の頭部との間に挟まれている。ブロック44は、プレッシャープレート22の係合凹部22d内に挿入されている。ブロック44は、係合凹部22dに対して図3の状態からトランスミッション側に移動可能である。このブロック44により、ファルクラムリング23とプレッシャープレート22は相対回転不能にかつ軸方向に相対移動可能に連結されている。
【0027】
付勢機構24は図6に示すように大半の部材がプレッシャープレート22の溝22cとファルクラムリング23の環状部23aとの間の環状空間内に配置されている。この環状空間はファルクラムリング23の外周壁23fのトランスミッション側から半径方向に内方に突出する環状部分(環状部23a)とプレッシャープレート22の外周壁22fのエンジン側から半径方向に内方に突出する環状部分との間に形成されている。この結果、環状空間の外周側はプレッシャープレート22の外周壁22fとファルクラムリング23外周壁23fとにより閉鎖され、軸方向両側はプレッシャープレート22の内周部とファルクラムリング23の環状部23aとによりそれぞれ閉鎖されている。ただし、環状空間の内周側は開放されており、環状空間は外部と連通している。
【0028】
付勢機構24は、ファルクラムリング23に対してプレッシャープレート22から離れる方向(トランスミッション側)に付勢力を与えるための機構である。付勢機構24は、主に、第1サポートプレート31と第2サポートプレート32と複数のリターンスプリング33とから構成されている。
第1及び第2サポートプレート31,32は環状の板金製部材である。第1及び第2プレート31,32は環状であり、図6に詳細に示すように、ファルクラムリング23の環状部23aとプレッシャープレート22の内周部にある環状の溝22cとの間に配置されている。第1プレート31はファルクラムリング23側に配置され環状部23aに当接している。第2プレート32はプレッシャープレート23側に配置され溝22cに(この実施形態では摩擦板67に)当接している。第2サポートプレート32の半径方向幅は溝22cの半径方向幅と一致しており、そのため第2サポートプレート32は溝22cに対して円周方向にのみ移動可能となっている。第1及び第2サポートプレート31,32の環状の本体には、円周方向に所定距離だけ延びる複数の第1及び第2傾斜面31a,32aがそれぞれ形成されている。第1及び第2傾斜面31a,32aはプレート31,32の本体の半径方向中間にそれぞれ形成されている。図11に示すように、第1サポートプレート31の第1傾斜面31aはR2 方向端が高くなっており(エンジン側に突出しており)、R1 方向端が低くなっている。第1及び第2傾斜面31a,32aの傾斜角度(傾斜面31a,32aと溝22cがなす角度)は、10〜15°の範囲にあることが好ましく、12〜14°の範囲にあることがもっとも好ましい。摩擦フェーシング11に摩耗が生じていない初期の状態では、第1サポートプレート31と第2サポートプレート32とは図11に示すような状態である。すなわち、各第1傾斜面31aと各第2傾斜面32aとが全面的に互いに当接している。ここでは、第1傾斜面31aと第2傾斜面32aとによりくさび機構が構成されている。第1及び第2サボートプレート31,32は同一の形状を有しているため、一種類のサボートプレートを製造するだけで1対のサボートプレート31,32を構成できる。
【0029】
この実施形態では、第1及び第2サポートプレート31,32には、全周にわたって第1及び第2傾斜面31a,32aが形成され、従来の構造に比べて多数のくさび構造が形成されている。この結果、各傾斜面同士の当接部分においては面圧が小さくなっている。
第1及び第2サポートプレート31,32には、軸方向に折り曲げられた外周筒部31b,32bがそれぞれ外周側に形成されている。第1サポートプレート31の外周筒部31bはファルクラムリング23の外周壁23fに当接している。第2サポートプレート32の外周筒部32bはプレッシャープレート22の外周壁22fに当接している。第1サポートプレート31は、複数のリベット(図示せず)によりファルクラムリング23の環状部23aに固定されている。
【0030】
第1及び第2サポートプレート31,32にはそれぞれ内周側部分に半径方向内側に突出するばね係合部31d,32dが形成されている。ばね係合部31d,32dは環状空間から飛び出してさらに半径方向内側に延びている。ばね係合部31dとばね係合部32dとは円周方向に交互に配置されている。ばね係合部31d,32dにはリベット61が固定されている。リベット61は、円柱形状の本体62と、本体62からばね係合部31d,32d内に延びる部分63と、部分63からばね係合部31d,32dの反対側に形成される第1頭部64と、本体62において部分63と反対側に形成された第2頭部65とから構成されている。ばね係合部31d,32dはリベット61の本体62と第1頭部64との間に挟まれている。本体62は中心線がクラッチカバー組立体1の軸線O−Oと平行に延びる円柱形状であり、外周面を有している。
【0031】
リターンスプリング33は、引っ張りコイルばねであり、第1サポートプレート31と第2サポートプレート32とを円周方向に付勢し、すなわち第1傾斜面31aと第2傾斜面32aとを互いに付勢することで第1サポートプレート31及びファルクラムリング23をプレッシャープレート22から軸方向に離れる方向に付勢するための部材である。
【0032】
リターンスプリング33の両端には、リベット61の本体62に円周方向に巻き付く端部66が形成されている。端部66の半径はリベット61の本体62の半径と略同等である。端部66は、図8に示すように、第1サポートプレート31のばね係合部31dにおいてはリベット61の本体62に対してトランスミッション側に巻き付いており(図6)、第2サポートプレート32のばね係合部32dにおいてはリベット61の本体62に対してエンジン側に巻き付いている。端部66は本体62に対して軸方向にすなわちばね係合部31d,32dと第2頭部65との間で7移動や変形が可能である。
【0033】
リターンスプリング33は、図7に示すように、第1及び第2サポートプレート31,32の内周側すなわちプレッシャープレート22及びファルクラムリング23のさらに内周側に配置されている。リターンスプリング33はばね係合部31d,32d間で引っ張られており、第1サポートプレート31を第2サポートプレート32に対してR1 側に付勢し、第2サポートプレート32を第1サポートプレート31に対してR2 側に付勢している。この結果、ファルクラムリング23及び第1サポートプレート31が軸方向に移動可能になると、第2サポートプレート32がR2 側に回転し、第2傾斜面32aが第1傾斜面31aのエンジン側に潜り込んでいき、第1サポートプレート31をプレッシャープレート22から離れる方向に押し上げていく。
【0034】
付勢機構24は、プレッシャープレート22の内周部に配置されており、環状空間は内周側に露出しているため、付勢機構24の操作が容易である。たとえば、リターンスプリング33の取り付けや取り外しが容易である。
また、第1及び第2サポートプレート31,32はプレスで製造された板金製品であり、複数の傾斜面31a,32aを同時に形成しているため、コストが低い。また、リターンスプリング33を係止するばね係合部31d,32dが第1及び第2サポートプレート31,32にそれぞれ一体に形成されているため、全体の構造が簡単である。また、傾斜面31a,32aが一体の環状の部材に形成されているため、第2傾斜面32aの円周方向移動量にばらつきが生じない。その結果、ファルクラムリング23の軸方向への突出量が円周方向で一定に保たれる。
【0035】
リターンスプリング33がプレッシャープレート22とファルクラムリング23とが形成する環状空間よりさらに内周側の空間に配置されている(すなわちリターンスプリング33がプレッシャープレート22とファルクラムリング23との間に配置されていない)ことにより、以下の利点が得られる。
(1) リターンスプリング33の長さを伸ばすことができ、設計が容易になる。
(2) リターンスプリング33の交換が容易になる。
(3) プレッシャープレート22とファルクラムリング23との間にばねを設ける必要がないため、その部分の構造が簡単になる。ばねが両部材間に配置される場合には、ばねの両端を係止するための構造を環状空間内に配置しなければならず、構造が複雑になってしまう。
(4) 第1及び第2傾斜面31a,32aを第1及び第2サポートプレート31,32のそれぞれ全周にわたって設けることができ、第1及び第2傾斜面31a,32aの数が増大する。この結果、第1及び第2傾斜面31a,32aからなるくさび機構における当接面の面圧を低くできる。この結果、第1及び第2傾斜面31a,32aにおける摩耗や破損を抑えられる。
【0036】
第1及び第2サポートプレート31,32には、図7に示すように、本体から一体に形成され半径方向内側に突出するステー68(抑え部)がそれぞれ形成されている。ステー68はリターンスプリング33の半径方向外方へのたわみを抑えるための部材である。第1サポートプレート31に形成されたステー68はばね係合部31dのR1 側に設けられており、第2サポートプレート32に形成されたステー68はばね係合部32dのR2 側で第1サポートプレート31に形成されたステー68のR1 側に設けられている。この結果、各リターンスプリング33に対してR1 側には第2サポートプレート32のステー68が配置され、R2 側には第1サポートプレート31のステー68が配置されている。
【0037】
各ステー68は第1及び第2サポートプレート31,32の本体の内周縁から一体に延びる板金製であり、半径方向内側においては軸方向に延びる当接部69が形成されている。当接部69の半径方向内側面は滑らかに湾曲している。第1サポートプレート31の当接部69はエンジン側に延びており、第2サポートプレート32の当接部69はトランスミッション側に延びている。このようにして各当接部69は、軸方向位置がリターンスプリング33に一致しており、リターンスプリング33の外周側に配置されている。当接部69とリターンスプリング33との間には軸方向に小さな隙間が確保されている。また、各リターンスプリングに対応する2つのステー68は円周方向に互いに当接可能なように配置され、後述のように摩擦フェーシング11の摩耗量が増大し所定の値になると円周方向に互いに当接するようになっている。
【0038】
溝22cと第2サポートプレート32との間には摩擦板67が配置されている。摩擦板67は環状の摩擦ライニングであり、プレッシャープレート22及び第2サポートプレート32より摩擦係数が高い。摩擦板67は、耐熱性、耐摩耗性が優れているものが好ましい。摩擦板67の一例としては商品名NAH44(日本バルカー)が挙げられる。摩擦板67は、プレッシャープレート22の溝22c又は第2サポートプレート32の一方に固定されていてもよい。また、摩擦板67は分割された複数の弧状板から構成されていてもよい。摩擦板67の代わりに、第2サポートプレート32のエンジン側面とプレッシャープレート22の溝22cの両方又は一方に、摩擦係数を従来に比べて増加させるための摩擦材料をコーティングしてもよい。
【0039】
以上に述べた摩擦板67又は摩擦材料により、振動が激しい条件下であってもアンダーアジャストが生じにくい。アンダーアジャストとは、クラッチ連結状態で、振動により第1サポートプレート31から第2サポートプレート32に対して軸方向に作用する力が大きくなりつまりその力の円周方向成分が大きくなることで、第2サポートプレート32がR1 方向(摩耗補償時に滑る方向と反対方向)に滑る現象である。そこでは、第1サボートプレート31の軸方向高さが低くなってしまい、ファルクラムリング23の位置が磨耗量に対応しなくなる。
【0040】
前述のアンダーアジャストを防止する他の方法としては、第1及び第2傾斜面31a,32aの傾斜角度を小さくすることも考えられる。その場合は第1傾斜面31aから第2傾斜面32aに対して軸方向に作用する力の円周方向成分を小さくできる。しかし、角度を極端に小さくすると以下の問題点があるので実用化は難しい。第1に、クラッチレリーズ時に第2サポートプレート32が必要以上にR2 方向に回転し、ファルクラムリング23を磨耗量以上に軸方向に移動させてしまう現象(オーバーアジャスト)が生じやすい。第2に、同じ磨耗量に対して第2サポートプレート32の回転角度が大きくなる。そうなると、リターンスプリング33の引っ張り荷重の低下が極端になり好ましくなく、それを防ぐためのリターンスプリング33の設計が難しい。
【0041】
すなわち、本願は傾斜面31a,32aの傾斜角を極端に小さくすることなく、アンダーアジャストを抑制している。また、本願は、第2サポートプレート32の滑りやすさを摩擦材料のコーティング等による簡単な方法で調整している。規制機構25は、摩擦フェーシング11に摩耗がないときはファルクラムリング23が軸方向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシング11が摩耗するとその摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルクラムリング23が軸方向に移動するのを許すための機構である。規制機構25は、プレッシャープレート22のねじ孔22eとファルクラムリング23の第2軸方向孔23cに対応して、円周方向に等間隔で4か所に設けられている。規制機構25を構成する部材は、各箇所において、ボルト38(第1部材)とブッシュ39(第2部材)の2個の部材である。このように規制機構25は、2個の簡単な部材から構成されている。
【0042】
ボルト38は、本体38aと、本体38aの先端に形成されたねじ部38bと頭部38cとから構成されている。ねじ部38bはプレッシャープレート22のねじ孔22eに螺合している。これにより、ボルト38はプレッシャープレート22と一体に固定されている。ボルト38の本体38aは、ファルクラムリング23の第2軸方向孔23cとクラッチカバー21の第1軸方向孔21d内を貫通している。本体38aは、第1軸方向孔21d及び第2軸方向孔23cとの間には隙間を有している。頭部38cはクラッチカバー21の対向部分21cからトランスミッション側に間隔をおいて配置されている。なお、プレッシャープレート22に固定される第1部材はボルトでなく、ピンなどの他の棒状部材であってもよい。
【0043】
ブッシュ39は、図5に示すように、筒状の部材であり、半径方向に拡縮すなわち弾性変形可能である。ブッシュ39は、筒部39aと筒部39aの一端から外周側に延びる円板状のフランジ39bとから構成されている。筒部39aとフランジ39bには軸方向に延びるスリット39cが形成されている。このブッシュ39は、図4に示すように、クラッチカバー21の対向部分21cの第1軸方向孔21d内でしかもボルト38の本体38aの外周に配置されている。ブッシュ39は本体38aに締まり嵌めされている。また、筒部39aの一端は、ファルクラムリング23の突出部23bのエンジン側の面に当接している。筒部39aの外周面とクラッチカバー21の第1軸方向孔21dとの間には隙間が確保されている。フランジ39bは、対向部分21cの凹部21eの底面に当接して配置されている。フランジ39bとボルト38の頭部38cとの軸方向隙間Aは、摩擦フェーシング11の摩耗代とほぼ同じかあるいはそれ以上に確保されている。ブッシュ39はスリットが形成された弾性筒状体であるため、たわみ変形しやすく、ボルト38との間で生じる摺動抵抗が安定している。
【0044】
クラッチ押圧機構27は、ファルクラムリング23を介してプレッシャープレート22をフライホイール2側に押圧するための機構である。クラッチ押圧機構27は、レバー部材46(押圧部材)と、リテーナ47と、プレート48と、当接プレート49と、スナップリング50と、ダイヤフラムスプリング51と、ピン52と、割りピン53とから構成されている。
【0045】
リテーナ47は、トランスミッションの入力シャフト(図示せず)の外周に配置された環状の部材である。リテーナ47は後述するレリーズ装置28に係合している。リテーナ47は、円筒状の本体47aと、そのトランスミッション側端から外周側に延びるフランジ47bとから主に構成されている。リテーナ47は、クラッチカバー21の円板状部21bの内周部に固定されたピン52に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に係合している。
【0046】
ダイヤフラムスプリング51は概ね円板形状である。ダイヤフラムスプリング51は、外周側に環状の弾性部51aを有し、弾性部51aからは内周側に多数のレバー部51bが延びている。すなわち、ダイヤフラムスプリング51には大径の中心孔が形成されその内周縁から放射状に延びる複数のスリット51cが形成されている。スリット51cの半径方向外側端すなわちレバー部51bの根元部分には、スリット51cより円周方向幅の広い小判孔51dが形成されている。ダイヤフラムスプリング51の外周部はクラッチカバー21に支持され、内周端はリテーナ47に対して所定の押圧力を与え、リテーナ47をエンジン側に付勢している。リテーナ47に固定された割りピン53が円周方向に複数箇所でダイヤフラムスプリング51のレバー部51bの間に挿入されている。これにより、ダイヤフラムスプリング51はリテーナ47とともに一体回転する。
【0047】
レバー部材46は、レバー比によりダイヤフラムスプリング51の押圧力を増大してファルクラムリング23に伝達するための押圧部材である。レバー部材46は、円周方向に等間隔で放射状に配置されている。各レバー部材46は、たとえば短冊状のプレート部材を折り曲げて形成されている。レバー部材46の半径方向外側部はトランスミッション側に突出するように折り曲げられている。その部分には円周方向に長く延びる孔46bが形成されている。この孔46b内にクラッチカバー21から延びる係合突出部21fが係合している。これにより、レバー部材46はクラッチカバー21と一体回転する。孔46bの円周方向両側は、クラッチカバー21に揺動可能に当接している支点46aとなっている。さらに、レバー部材46には、半径方向外側寄り部分においてエンジン側に突出しファルクラムリング23の環状部23aに当接する作用点46cが形成されている。レバー部材46の半径方向内側部には、トランスミッション側に突出する力点46dが形成されている。力点46dは、リテーナ47のフランジ47bのトランスミッション側に配置されている。フランジ47bのとレバー部材46の力点46dの間には、コーンスプリング60とプレート48とが配置されている。コーンスプリング60は、図2及び図3に示すクラッチ連結状態では、フランジ47bと力点46dとの間で圧縮されて平坦になっている。円板状のプレート48のエンジン側には、レバー部材46の力点46dが当接している。当接プレート49は、リテーナ47の本体47aの外周のトランスミッション側にスナップリング50により固定されている。当接プレート49の外周部はトランスミッション側に突出する屈曲部となっている。図2に示すクラッチ連結状態では、この屈曲部とレバー部材46との間には軸方向に所定の隙間が確保されている。
【0048】
レリーズ装置28は、クラッチ押圧機構27によるプレッシャープレート22への押圧力を解除してクラッチのレリーズを行うための装置である。レリーズ装置28は、レリーズベアリング54と、クイル55と、円筒部材56と、支持リング57と、スナップリング58と、コイルスプリング59とから構成されている。レリーズベアリング54は、インナーレースとアウターレースと両レース間に配置された複数の転動体とから構成されている。クイル55はレリーズベアリング54の外周に配置され、アウターレースに相対回転不能に固定されている。円筒部材56は、インナーレースに固定され、その先端はリテーナ47の内周側に配置されている。支持リング57は、円筒部材56の先端外周部に固定されたスナップリング58により円筒部材56に固定されている。支持リング57は、リテーナ47の内周部のエンジン側の面に当接している。支持リング57とリテーナ47の当接面は球面形状になっており、ミスアライメントの吸収を行うことができる。コイルスプリング59は、円筒部材56の外周に配置されている。コイルスプリング59は、インナーレースとリテーナ47との間に圧縮状態で配置されている。
動作
〔クラッチ連結〕
図2〜図4に示すクラッチ連結状態では、ダイヤフラムスプリング51がリテーナ47をエンジン側に付勢し、さらにリテーナ47がレバー部材46を介してファルクラムリング23をエンジン側に付勢している。これにより、プレッシャープレート22はフライホイール2との間にクラッチディスク組立体3のフリクションディスク4及びインターミディエイトプレート5を挟持する。これによりクラッチ連結が行われている。
【0049】
レバー部材46の力点46dと支点46aとの距離をEとし、作用点46cと支点46aとの距離をFとすると、レバー部材46のレバー比はE/Fとなる。すなわち、ダイヤフラムスプリング51の押圧力はE/F倍となってファルクラムリング23に作用する。このため、ダイヤフラムスプリング51の押圧力は小さく設定可能である。
【0050】
コーンスプリング60は、クラッチ連結状態に移行する際に、クッショニングプレートとしての役割を果たす。
〔クラッチレリーズ〕
クラッチレリーズ時には、クイル55をトランスミッション側に移動し、レリーズベアリング54、円筒部材56及びリテーナ47がトランスミッション側に移動する。当接プレート49の屈曲部がレバー部材46に当接すると、以後はレバー部材46がトランスミッション側に移動させられる。このとき、レバー部材46において当接プレート49が当接する部分から作用点46cまでの距離が、力点46dから作用点46cまでの距離より短くなっているため、作用点46cはファルクラムリング23から素早く離れる。すなわち、クラッチの切れ性能が良くなっている。
【0051】
ダイヤフラムスプリング51の押圧力が小さく設定されているため、レリーズ時にダイヤフラムスプリング51がリテーナ47に与える荷重が小さい。そのため、レリーズ荷重は小さくなっている。さらに、コーンスプリング60がリテーナ47に対してリテーナ47の移動方向(トランスミッション側)に荷重を与えるため、レリーズ荷重はさらに減少している。この結果、クラッチペダルの踏力が大幅に減少している。
【0052】
レバー部材46の作用点46cがファルクラムリング23から離れると、ストラッププレート42の反力によりファルクラムリング23がトランスミッション側に移動する。このとき、ファルクラムリング23とプレッシャープレート22は一体となって軸方向に移動する。これは、ボルト38とブッシュ39との間で生じる摺動抵抗が、ストラッププレート42の反力と付勢機構24からの付勢力の合計より大きく設定されており、ボルト38とブッシュ39との間で滑りが生じないからである。すなわち、ファルクラムリング23は、規制機構25を介してプレッシャープレート22を軸方向に移動させる。この結果、プレッシャープレート22からクラッチディスク組立体3のフリクションディスク4に対する押圧力が解除される。
【0053】
なお、ボルト38とブッシュ39との間で生じる摺動抵抗は、ストラップレート42の反力と付勢機構24からの付勢力の合計よりはるかに大きい方が良く、2倍以上であるのが好ましい。このような設定により、フライホイール2からプレッシャープレート22に振動が伝達されるときに、ボルト38とブッシュ39との間では滑りが生じず、ストラッププレート42がたわむ。すなわち、磨耗量への追従が正確に保たれる。
〔磨耗発生〕
クラッチ連結時に摩擦フェーシング11が摩耗すると、プレッシャープレート22及びファルクラムリング23が摩耗量だけ摩擦フェーシング11側に移動する。このとき、規制機構25のボルト38はプレッシャープレート22とともにエンジン側に移動する。しかし、ブッシュ39はフランジ39bが対向部分21cが当接しているため、移動不能である。そのため、ボルト38がブッシュ39に対して軸方向に移動する。この結果、図10に示すように、ファルクラムリング23の突出部23bとブッシュ39の筒部39a先端との間には、摩擦フェーシング11の摩耗量に等しい隙間Bが形成される。ブッシュ39のフランジ39bとボルト38の頭部38cとの軸方向隙間は、磨耗量分だけ短くなりA' (A−B)となる。
【0054】
次にクラッチレリーズ動作を行うと、ファルクラムリング23は付勢機構24からの付勢力により、ブッシュ39に当接するまでトランスミッション側に移動する。ファルクラムリング23は、突出部23bがブッシュ39の筒部39aに当接するとそれ以上はプレッシャープレート22に対して離れる方向に移動しない。これは、前述したように、ボルト38とブッシュ39との間で生じる摺動抵抗が、ストラップレート42の反力と付勢機構24からの付勢力の合計より大きく設定されているからである。この結果、磨耗量のオーバーアジャスト(磨耗量以上にファルクラムリング23がプレッシャープレート22に対して移動すること)は生じにくい。
【0055】
以上の動作の結果、図11に示すように、プレッシャープレート22の第2側面22bとファルクラムリング23との間に前述の摩耗量(B)に等しい隙間Cが形成される。この状態からクラッチ連結動作を行うと、図12の状態に移行する。図12と図2とを比較すると、プレッシャープレート22とファルクラムリング23との間に隙間Cが形成され、ブッシュ39のフランジ39bとボルト38の頭部38cとの間の隙間A' が初期の隙間Aに比べて前回の摩耗量の分(B)だけ短くなっている。
〔効果〕
規制機構25における構造では、摩耗量検出のためのボルト38及びブッシュ39がプレッシャープレート22の外部に設けられているため、ファルクラムリング23の移動を規制するための摩擦係合部分がプレッシャープレート22の摩擦面22a側で生じる熱の悪影響を受けにくい。その結果、ボルト38とブッシュ39の間で生じる摺動抵抗の大きさが長期間にわたって安定する。
【0056】
さらに、ボルト38とブッシュ39はプレッシャープレート22やクラッチカバー21から独立した部材であるため、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定が容易である。規制機構25は、クラッチカバー組立体1に取付ける前に、ボルト38にブッシュ39を巻付けて完成させる。すなわち、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定は、クラッチカバー組立体1の外部で行うことができる。また、プレッシャープレートやフライホイールに摩擦係合部を設けていないため、摩擦係合部分での摺動抵抗の設定がさらに容易になっている。プレッシャープレートやクラッチカバーに摩擦係合部分を設ける従来例では、それら部材に開けた孔において荷重調整をする必要があり、設定が困難である。
【0057】
規制機構25のクラッチカバー組立体1に対する取り付け及び取り外しは容易である。各規制機構25は、プレッシャープレート22のねじ孔22eとファルクラムリング23の第2軸方向孔23cとクラッチカバー21の第1軸方向孔21dを合わせた状態でクラッチカバー21のエンジン側からトランスミッション側から取り付け及び取り外しが可能である。
【0058】
また、ボルト38には頭部38cが形成されているため、摩擦フェーシング11に摩耗が生じて摩耗調整動作が行われるにつれて、ボルト38の頭部38cとブッシュ39のフランジ39bとの間の隙間Aが短くなっていく。この隙間Aはクラッチカバー組立体1の外部から観察可能であるため、作業者がクラッチカバー組立体1の交換時期を簡単に判断できる。
【0059】
ファルクラムリング23がストラッププレート42により相対回転可能にかつ軸方向移動可能に連結されているため、摩擦フェーシング11に摩耗が生じてもストラッププレート42の姿勢は変化せず一定に保たれる。これは、ファルクラムリング23はフライホイール2やクラッチカバー21に対する軸方向の位置が変化しないためである。プレッシャープレートにストラッププレートが固定されている場合は、摩擦フェーシングの磨耗によるプレッシャープレートの移動に伴ってストラッププレートの姿勢も変化してしまう。
〔付勢機構〕
付勢機構24の動作について説明する。摩擦フェーシング11に摩耗が生じてファルクラムリング23がトランスミッション側に移動可能になると、第2サポートプレート32が第1サポートプレート31に対してR2 側に回転する。この結果、図7,8,11に示す状態から図9,10,12に示す状態にそれぞれ移行する。すなわちリターンスプリング33により付勢された第2サポートプレート32が回転すると第2傾斜面32aが第1サポートプレート31の第1傾斜面31aを押し上げていく。この結果、ファルクラムリング23は規制機構25のブッシュ39に当接するまでプレッシャープレート22から離れていく。
【0060】
第1サポートプレート31と第2サポートプレート32の初期軸方向高さをT1 とすると、動作後に軸方向高さはT1 から摩耗量Cだけ増えたT2 となる。このとき、図9に示すように、各リターンスプリング33に対応するばね係合部31dとばね係合部32dとが円周方向に近づくことでリターンスプリング33は半径方向外方に移動し、ステー68の当接部69に当接することがある。このとき、図10に示すように、第1サポートプレート31と第2サポートプレート32とが軸方向に離れるため、リターンスプリング33の両端部66におけるリベット61の位置も軸方向にずれる。この結果、リターンスプリング33はわずかに斜めに傾斜する。この状態でリターンスプリング33の両端部66はリベット61の本体62において自由に軸方向に移動又は変形し、両端部66には応力が生じにくい。
【0061】
ステー68は、初期段階又は摩耗発生時のいずれにおいてもリターンスプリング33が遠心力により半径方向外方にたわんだときもそのたわみ量を一定に制限している。ステー68によりリターンスプリング33は遠心力によるたわみが抑えられているため、リターンスプリング33の破損が生じにくい。特に、リターンスプリング33の両端部66における接触部分での摩耗や破損が生じにくい。
【0062】
1つのリターンスプリング33に対応するステー68同士は摩擦フェーシング11の摩耗が進行すると互いに円周方向に接近し、やがて当接する。こき当接により第1サポートプレート31と第2サボートプレート32とのそれ以上の相対回転が行われない。すなわち、ファルクラムリング23はそれ以上軸方向に移動しない。このようにして、ステー68によって摩擦フェーシング11の摩耗が所定の値になると付勢機構24の付勢が自動停止する。
【0063】
また、この実施形態ではリターンスプリング33の両端部66が第1及び第2サポートプレート31,32に設けられたリベット61の外周面に係止しているため、接触面積が増大し面圧が低くなることにより、摩耗や破損が生じにくい。このため、リターンスプリング33及び相手側の部材(リベット)の摩耗や破損が生じにくい。
【0064】
リターンスプリング33を環状空間のさらに内周側に配置した本実施形態の構造においては、リターンスプリング33の半径方向外方へのたわみによってリターンスプリング33の端部と端部を係止する部分との間に摺動が生じやすい。このため、摺動部分が摩耗したり破損する可能性がある。そこで本願発明ではステー68によりリターンスプリング33のたわみを抑え、リベット61により摺動部分の面圧を下げることで、摺動部分の摩耗や破損を生じにくくしている。
〔他の実施例〕
前記実施形態ではステーとリベットの両方が用いられていたが、いずれか一方のみでもそれなりに優れた効果が得られる。図16に示す構造では、リターンスプリング33の両端部66は、第1及び第2サポートプレート31,32に固定されたリベット61に巻き付けられている。リベット61の外周は円周面であり、端部66とリベット61は接触面積が増大しているため、両端部66とリベット61との間で摩耗や破損が生じにくい。図17に示す構造では、リターンスプリング33の外周側には、前記実施形態と同様のステー68が設けられている。リターンスプリング33の両端部73は、第1及び第2サポートプレート31,32から延びるばね係合部71に設けられた切り欠き72内に係止している。この実施形態では、ステー68によりリターンスプリング33の外周側へのたわみが抑えられているため、両端部73と切り欠き72とで摩耗や破損が生じにくい。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係るクラッチカバー組立体では、付勢機構の引っ張りばねがプレッシャープレート及びファルクラムリングの内周側に配置されているため、プレッシャープレートとファルクラムリングの間の構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチカバー組立体の平面図。
【図2】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】規制機構のブッシュの斜視図。
【図6】図1の部分拡大図であり、付勢機構の断面図。
【図7】付勢機構の平面図。
【図8】付勢機構の正面図。
【図9】付勢機構の部分平面図。
【図10】付勢機構の側面図。
【図11】傾斜面からなるくさび機構を示す部分断面図。
【図12】傾斜面からなるくさび機構を示す部分断面図。
【図13】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略図。
【図14】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略図。
【図15】クラッチ装置の動作状態を示す縦断面概略図。
【図16】他の実施形態における付勢機構の部分平面図。
【図17】他の実施形態における付勢機構の部分平面図。
【符号の説明】
1 クラッチカバー組立体
2 フライホイール
3 クラッチディスク組立体
4 フリクションディスク
5 インターミディエイトプレート
6 コイルスプリング
21 クラッチカバー
22 プレッシャープレート
23 ファルクラムリング
24 付勢機構
25 規制機構
26 ドライブ機構
27 クラッチ押圧機構
28 レリーズ装置
31 第1サポートプレート
32 第2サポートプレート
33 リターンスプリング
61 リベット
68 ステー
Claims (9)
- クラッチディスク組立体の摩擦フェーシングをフライホイール側に付勢してクラッチを連結させるクラッチカバー組立体であって、
前記フライホイールに固定され、前記摩擦フェーシングに対向する対向部分を有するクラッチカバーと、
前記摩擦フェーシングと前記対向部分との間で前記摩擦フェーシングに近接して配置され、前記摩擦フェーシング側の第1側面と前記対向部分側の第2側面とを有する環状のプレッシャープレートと、
前記プレッシャープレートの前記第2側面側に配置されたファルクラムリングと、
前記クラッチカバーに支持され、前記ファルクラムリングに前記プレッシャープレート側への押圧力を与える押圧部材と、
前記ファルクラムリングに前記プレッシャープレートから軸方向に離れる向きの付勢力を与えるための機構であり、前記プレッシャープレートと前記ファルクラムリングとの間に配置され、互いに当接する傾斜面が形成され円周方向に相対移動可能な本体を有する第1及び第2くさび部材と、前記第1及び第2くさび部材からさらに内周側に配置され前記くさび部材同士を互いに円周方向に付勢するための引っ張りばねとを有する付勢機構と、
前記摩擦フェーシングに磨耗がないときは前記ファルクラムリングが軸方向に移動するのを禁じ、前記摩擦フェーシングが磨耗すると磨耗量を検出し、前記磨耗量に応じて前記ファルクラムリングが軸方向に移動するのを許すための規制機構とをさらに備え、
前記付勢機構は、前記第1及び第2くさび部材の少なくとも一方に設けられ前記引っ張りばねの半径方向外方へのたわみを抑えるための抑え部をさらに有する、
クラッチカバー組立体。 - 前記プレッシャープレートと前記ファルクラムリングとの間には環状空間が形成され、
前記第1及び第2くさび部材は前記環状空間に配置され、
前記引っ張りばねは前記環状空間からさらに内周側に配置されている、請求項1に記載のクラッチカバー組立体。 - 前記第1及び第2くさび部材の前記本体は、前記傾斜面がそれぞれ複数形成された環状である、請求項1又は2に記載のクラッチカバー組立体。
- 前記第1及び第2くさび部材は板金製である、請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
- 前記抑え部は前記本体から一体に延び、前記第1くさび部材の抑え部と前記第2くさび部材の抑え部とは前記摩擦フェーシングの摩耗量が一定になると円周方向に互いに当接するようになっている、請求項1〜4のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
- 前記抑え部は前記本体から半径方向内方に延び前記引っ張りばねに対して半径方向に対向しており、前記抑え部と前記引っ張りばねとの間には半径方向に隙間がある、請求項5に記載のクラッチカバー組立体。
- 前記付勢機構は、前記第1及び第2くさび部材に設けられ前記引っ張りばねの端部が係合する円周面が形成された係合部をさらに有する、請求項1〜6のいずれかに記載のクラッチカバー組立体。
- 前記係合部は前記引っ張りばねの端部と略同等の半径を有する円柱形状であり、
前記引っ張りばねの前記端部は前記係合部の外周に巻かれている、請求項7に記載のクラッチカバー組立体。 - 前記係合部は前記第1及び第2くさび部材に固定されたリベットである、請求項8に記載のクラッチカバー組立体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34336197A JP3638422B2 (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | クラッチカバー組立体 |
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