JPH10226623A - コスメティック・ゲル組成物 - Google Patents

コスメティック・ゲル組成物

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JPH10226623A JP9237156A JP23715697A JPH10226623A JP H10226623 A JPH10226623 A JP H10226623A JP 9237156 A JP9237156 A JP 9237156A JP 23715697 A JP23715697 A JP 23715697A JP H10226623 A JPH10226623 A JP H10226623A
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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】コスメティック・ゲル組成物、特に詳しくは、
鉛筆の芯のように先端をシャープに削れるペンシルの形
状をした高含水量のコスメティック・ゲル組成物を提供
する。 【解決手段】このコスメティック・ゲル組成物の組成
は、約２５重量％から約５０重量％の範囲の水；ビヒク
ルとしての約２５重量％から約３５重量％の範囲の脂肪
族ジオール；約４重量％から約１２重量％の範囲のステ
アリン酸ナトリウム；約４重量％から約２８重量％の範
囲の顔料；約０．１重量％から約２重量％の範囲のカル
ボキシル化された酸エステル可塑剤；および約０．１重
量％から約１重量％の範囲の界面活性剤である。そし
て、皮膚へ適用した場合における耐水性を高めるため
に、約５重量％から約１０重量％のスチレン・アクリル
ポリマー類が防水剤として添加され、皮膚及び／または
目などへの刺激もマイルドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、コスメティック
・ゲル組成物、特に詳しくは、鉛筆の芯のように先端を
シャープに削れるペンシルの形状をした高含水量のコス
メティック・ゲル組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】化粧品の分野においては、含水量が約１
０％〜約５０％といった水分含有量が多い高含水量のコ
スメティック・スティック（鉛筆のようなスティックの
形態になっている化粧品）が例えばゲル状のデオドラン
ト（臭い消し）などの用途に重宝されている。一般的に
いって、ゲル組成物がそれ自体のマスを支持するに十分
なしっかりしたものであれば、含水量は効能上低すぎる
（この場合の含水量は、約２％から約５％）。他方、ゲ
ル組成物が効能上十分な量の水を含んでいると（この場
合の含水量は、約１０％から約５０％）、ゲル組成物
は、柔らかすぎて、該組成物それ自体形にならなくな
る。
【０００３】主としてデオドラントに使用のステアリン
酸ナトリウムの一般的な組成の例は、以下の米国特許に
示されている： 5,462,736 クリスタル・クリア・コスメティック・ス
ティック 5,443,821 アルコキシレーテッド化合物及びコスメテ
ィック 5,424,070 透明なクリア・スティック組成物
【０００４】これらの特許のいずれも、この発明にとっ
て重要である前記ゲルの特性のモディフィケーションに
は言及していない。例えば、前記特許のいずれも着色料
または鉛筆の芯のようにシャープに尖らせるゲルの添加
について触れていない。前記特許に記載のゲルは、化粧
品の使用者（エンドユーザー）の皮膚に着色しようとす
るものではなく、脇の下につけるもので、エンドユーザ
ーーの顔や目につけようとする点については、一切示唆
していない。
【０００５】従来の技術においては、したがって、高含
水量のコスメティック組成物は、種々の形態の包装体に
入れておかなければなならない。現在使用されている包
装体には、特別なシールを施して、前記組成物中の水分
の発散を防ぐようになっている。水分が発散してしまえ
ば、高含水量のコスメティック組成物は、駄目なものに
なってしまい、機能を失ってしまう。
【０００６】前記のような問題に対処するために、高含
水量のコスメティック（化粧品）をスティック状にして
プラスチックのハウジングへ挿入したり、直接該ハウジ
ング内にモールドしたりする方法が採用されている。ブ
ラッシャー（ほほ紅）のようなソフトのコスメティツク
スやゲル・デオドラントを押し出し式のプラスチック容
器に入れたものは、日常親しまれているものである。例
えば1960年代からステアリン酸ナトリウム、アルコー
ル、水およびプロピレングリコールを成分とするデオド
ラント・ゲル・スティックスが普通に使用されている。
このようなスティック状のデオドラントまたは発汗防止
剤を皮膚につける場合、これらは、例えば先端の幅が約
１インチのように太くなっているので、幅広くぬるよう
につける。ブラッシャー・ゲルのスティックも同様に太
幅の状態のステイック状の化粧品になっており、先端を
鉛筆の芯のように削って使用するものではなく、また、
削ることを前提としていない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】この発明が提案される
までは、高含水量のコスメティック組成物には、先端を
削って細くする鉛筆の芯のようにして使用できるものは
なかった。その代わりに、無水ワックスまたはオイルの
コスメティック組成物が鉛筆の芯のように削れるものと
して使用されてきた。この理由は、無水物の組成物は、
可塑化によって、先端を細く削れる特性が簡単に改善さ
れるからである。しかしながら高含水量のコスメティッ
ク組成物は、無水物組成物のように可塑化することが困
難である。可塑剤は、破損させないポイントまで圧力を
加えることが理想的である。脆すぎると、使用時に芯が
折れてしまう。柔らかすぎると、芯はこなごなになって
しまうか、細く削ることができなくなる。
【０００８】高含水量のコスメティック・ゲル組成物を
鉛筆の軸の内部に芯組成物として使用する価値があれ
ば、該組成物を可塑化して先端をスムーズに削れる強度
とフレキシビリティとを備えることができるようにする
必要がある。リップ・ライナーやアイ・ライナーは、先
端をシャープに削れるものでなければならない。可塑化
されていないコスメティック組成物は、削るとこなごな
になったり、こわれてしまったりする。さらに、可塑化
されていない組成物または脆すぎる組成物は、使用時折
れたり、こなごなになったりして、皮膚に具合よく塗っ
たり、つけたりできなくなる。
【０００９】これまで、鉛筆の軸に芯として納める形態
で使用するための可塑化（換言すれば、削ることが可
能）高含水量のコスメティック・ゲル組成物を提供しよ
うとする試みは、一切なされていない。この主な理由
は、木、スチレンまたはポリエチレンのような代表的な
軸組成物に水分を納めることは不可能であり、さらに、
これまで知られている高含水量の組成物は、皮膚を刺激
しすぎるという理由による。
【００１０】したがって、鉛筆の軸に芯として納める形
態で使用するための可塑化（換言すれば、削ることが可
能）高含水量のコスメティック・ゲル組成物を提供し、
さらに、皮膚を刺激しすぎない高含水量のコスメティッ
ク・ゲル組成物を提供することが、この発明の解決課題
である。
【００１１】
【課題を解決するための手段】前記のように、この発明
は、リップライナーやアイライナーのように先端を細く
削って単独または鉛筆の軸における芯組成物のようにし
て使用できる可塑化高含水量のコスメティック・ゲル組
成物を提供することを第１の目的とする。
【００１２】この発明は、さらに、シャープに削れて、
皮膚において比較的水に耐えるコスメティック（化粧
品）となる高含水量のコスメティック・ゲル組成物を提
供することを第２の目的とする。
【００１３】さらにまた、この発明は、前記ゲル・コス
メティックを納めておくシャープに削れる装置とその利
用とを提供することを第３の目的とする。なお、以下の
記述では、スティック状の高含水量のコスメティック・
ゲル組成物を”ゲルペンシル”と略記する。このゲルペ
ンシルは、可塑化された高含水量のコスメティック・ゲ
ル組成物の芯の回りをペンシル（鉛筆）の軸で囲んだシ
ャープに先端が削れる形態を基本構成とする。
【００１４】この発明の前記した第１の目的による可塑
化された高含水量コスメティック・ゲル組成物は、以下
に示す組成を有するもので、配合比率は、重量％により
示され、配合比率は、低い比率のもの、好ましい比率の
もの、高い比率のものに分けて示してある：
【００１５】 成 分 低い比率 好ましい比率 高い比率 水 ２５ ３３ ４２ 脂肪族ジオール ２５ ２９ ３５ ステアリン酸ナトリウム ４ ８ １２ 可塑剤(Velsan P8-3) ０．１ ０．２５ ２ 着色剤 ４ １６ ２８ 界面活性剤 ０．１ ０．２ １ (Procetyl AWS)
【００１６】前記可塑化された高含水量のコスメティッ
ク・ゲル組成物は、さらに約１０重量％のグリセリン、
増粘剤（または濃化剤）およびオプショナルにある種の
溶解された添加剤を含むこともでき、前記添加剤には、
着色剤として、活性水溶性成分として、または、香料と
して作用するように添加されるものが含まれる。
【００１７】この発明の第２の目的によれば、可塑化さ
れた高含水量のコスメティックは、先端をシャープに尖
らせることができると共に使用者の皮膚に施したとき、
耐水性を有するものである。この点は、ステアリン酸ナ
トリウム・ゲル組成物によって達成されるもので、該組
成物は、約２５〜４２重量％の水；約２５〜３５重量％
の例えばブチレングリコール（好ましくは、１，４，ブ
タンジオール）のようなポリオールまたは脂肪族ジオー
ル・ビヒクル；約４〜１２重量％のステアリン酸ナトリ
ウム；約０．１〜２重量％のカルボキシル化された酸エ
ステル可塑剤（好ましくは、Velsan P8-3)；約４〜２８
重量％の着色剤；界面活性剤としての約０．１〜１重量
％のプロポキシル化およびエトキシル化された脂肪族ア
ルコール（好ましくは、Procetyl AWSとして入手できる
PPG-8-CETETH-2）および約５〜１０重量％のスチレン・
アクリルポリマー防水剤（好ましくは、Joncryl77）を
含む。耐水性の前記コスメティック・ゲル組成物は、さ
らにまた約１０重量％のグリセリン、増粘剤（又は濃化
剤）およびオプショナルにある種の溶解された添加剤を
含むこともでき、前記添加剤には、着色剤として、活性
水溶性成分として、または、香料として作用するように
添加されるものが含まれる。
【００１８】カルボキシル化された酸エステル可塑剤
（好ましくはVelsan P8-3)の作用を介して前記したステ
アリン酸ナトリウムをポリオール・ビヒクル（好ましく
は１，４−ブタンジオール）と水に反応させることで可
塑化される。この反応は、プロポキシル化およびエトキ
シル化された脂肪酸（好ましくは、Procetyl AWS）を含
む界面活性剤が存在するとき、前記組成物の成分の間の
湿潤作用によりアシストされる。先ず最初に、水、１，
４−ブタンジオール、界面活性剤およびグリセリンを含
むバッチを清澄になるまで混合し、加熱し、ついでステ
アリン酸ナトリウムを入れる。可塑剤（好ましくはVels
an P8-3)、着色剤および他の水溶性成分をさらに添加す
る。最後に、スチレン・アクリルポリマー防水剤（好ま
しくはJoncryl 77) を添加する。
【００１９】約１２重量％に達する範囲又は約１２重量
％以下の配合量でステアリン酸ナトリウムを使用する新
規の使用によって、極めて驚くべきことに、刺激性をマ
イルドなものに抑える高含水量コスメティック・ゲル組
成物が得られた。そして、このマイルドの刺激性につい
ては、１９９２年にゴウセロン氏（Gautheron)によって
開発された牛の角膜不透明度および浸透度分析評価のも
とで分類され、さらに、実施例１において述べる。さら
に驚くべきことに、可塑剤（Velsan P8-3)と防水剤（Jo
ncryl 77として入手できるスチレン・アクリルポリマー
を含むものが好ましい）とを可塑化された高含水量のコ
スメティック・ゲル組成物（ステアリン酸ナトリウムの
量は、コンスタントに留まっている）に増量的に添加し
ても、刺激度のスコアは、マイルドの範囲を越えないこ
とが確認された。
【００２０】この発明の第３の目的によれば、ゲルコス
メティックを納め、これを使用するための先端をシャー
プにできる装置（以下、”ゲルペンシル”という）は、
可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成物を
芯（コア）として含むペンシル・バレルハウジング（ペ
ンシルまたは鉛筆の軸）から構成されている。前記のゲ
ルペンシルの芯は、好ましくは、耐水性ステアリン酸ナ
トリウム・ゲル組成物であり、これは、前記第１または
第２の目的について上記したものである。前記ゲルペン
シルのバレルハウジングは、ポリプロピレンをベースと
したマテリアルを用いて押出成形または射出成形により
成形されるものであり、溶融されたゲル組成物は、前記
バレルハウジング内へ直接注入される。第３の目的を達
成するためには、前記バレルハウジングと前記芯との両
者は、先端をシャープに尖らせることが必要であり、貯
蔵、保存の間、前記芯から水分が滲み出したり、離液し
たりしてはならず、さらに、ノーマルな使用において前
記芯がぼろぼろに砕けたり、壊れたり、折損したりして
はならない。さらに、選択された特定の芯のフォーミュ
レーションに応じて、前記高含水量のコスメティック・
ゲルは、これを皮膚へつければ、つけた部分が耐水性の
コスメティック層になる。
【００２１】前記のゲルペンシルの芯の寸法ならびに前
記バレルハウジングの寸法は、あまり重要なものではな
く、要は、アイライナー・ペンシル（ペンシル形態の目
じりに化粧を施すもの）やリップライナー・ペンシル
（ペンシル形態の口紅）として一般に使用されている形
態のペンシル型化粧品のように、使用者が使い慣れてい
るペンシル形態、寸法のものでよく、前記バレルハウジ
ングは、手持ち小型鉛筆削りのようなシャープナーで削
れる木製またはプラスチックス製のものでよい。
【００２２】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施例によれ
ば、可塑化された高含水量のコスメティックは、シャー
プに尖らせることができ、使用者の皮膚につけたとき、
耐水性であるものである。この点は、ステアリン酸ナト
リウム・ゲル組成物によって達成されるもので、該組成
物の理想的配合例は、約３３重量％の水；約２９重量％
の１，４，ブタンジオール；約８重量％のステアリン酸
ナトリウム；約０．５重量％のカルボキシル化された酸
エステル可塑剤（好ましくは、Velsan P8-3)；約１６重
量％の着色剤；約１０重量％のグリセリン；約８重量％
のスチレン・アクリルポリマー防水剤（好ましくはJonc
ryl 77）；および界面活性剤としての約０．２重量％の
プロポキシル化およびエトキシル化された脂肪族アルコ
ール（好ましくは、Procetyl AWS）である。着色剤は、
通常のＣＴＦＡにリストされた水溶性着色剤、例えば、
FD&Cブルー#1、イエロー#5、レッド#40 のような水溶性
着色剤から選ばれ、または、ブチレングリコール・カラ
ーグラインドに溶解しない酸化鉄、水酸化クロム、第２
鉄フェロシアン化物などのような着色剤を含む水分散性
着色剤から選ばれる。
【００２３】さらに可塑化された高含水量コスメティッ
ク・ゲル組成物は、約１重量％までの増粘剤（又は濃化
剤）およびオプショナルにある種の溶解された添加剤を
含むこともでき、前記添加剤には、着色剤として、活性
水溶性成分として、または、香料として作用するように
添加されるものが含まれる。好ましい増粘剤（または濃
化剤）は、アカシア、カルボマー(carbomer)、カルボキ
シメチルヒドロキシメチルセルロース、ヘクトライト
（hectorite)、ヒドロキシエチルセルロース、マグネシ
ウム・アルミニウム・シリケートおよびメチルセルロー
スからなるグループから選ばれる。このような増粘剤が
存在することにより、離液作用の発生がなくなり、また
は、抑えられる事実が驚く勿れ判明したもので、この離
液作用の発生の抑制あるいは離液作用をなくす点は、特
に前記ゲル組成物が以下述べるように、昇温した温度状
況下においてペンシル・バレルハウジングに納められて
いるときに顕著である。前記可塑化された高含水量のコ
スメティック・ゲル組成物は、約１重量％または、それ
以下の増粘剤を含んでいることが好ましい。
【００２４】前記可塑化された高含水量のコスメティッ
ク・ゲル組成物は、さらに着色剤、活性水溶性成分およ
び溶解されたフラグランス（香料）のような分散された
添加物を含むことができる。
【００２５】前記したゲルペンシルを作るには、可塑化
高含水量コスメティック・ゲル組成物を溶融し、これを
押出成形または射出成形されたペンシル・バレルハウジ
ング（ペンシル軸）内へ直に注入して作ることができ
る。
【００２６】可塑化された高含水量コスメティック・ゲ
ル組成物は、前記した重量％の配合のスターティングマ
テリアルにより作られる。まず最初、ライトニング(Lig
htning) ミキサーを備えたタンク内で、水、１，４，ブ
タンジオール、界面活性剤およびグリセリンを約８０℃
まで加熱し、バッチが僅かに黄色みがかった色調で澄明
になるまで混合する。ついでステアリン酸ナトリウムを
移し入れ、必要に応じ、泡立ちを防ぐ脱泡剤を添加す
る。前記バッチを約８０℃に維持しながら、カルボキシ
ル化された酸エステル可塑剤（好ましくはVelsanP8-3)
、予め粉砕された着色剤およびその他の水溶性成分を
添加し、これらが均一に分散するまで混合する。スチレ
ン・アクリルポリマー防水剤（好ましくはJoncryl 77）
を使用する場合は、これを最後に添加し、完全に分散す
るまで混合する。そして、前記組成物を約７８〜８０℃
の温度に維持しながら、前記バレルハウジングに充填す
る。
【００２７】ステアリン酸ナトリウムがカルボキシル化
酸エステル可塑剤（好ましくはVelsan P8-3)の作用を介
して１，４，ブタンジオールおよび水と反応することに
よって可塑化される。この反応は、プロポキシル化およ
びエトキシル化された脂肪族アルコール（好ましくはPr
ocetyl AWS) を含む界面活性剤が存在するとき、前記諸
成分の間における湿潤作用によってアシストされる。
【００２８】ゲルペンシル構造の好ましい実施例におい
ては、前記バレルハウジングは、ポリプロピレンをベー
スとする成分を含んでいる。ポリプロピレンのバレルハ
ウジングは、リジッドで、着色や模様付けができ、通常
のペンシルシャープナーを用いて削れる。前記したポリ
プロピレン組成物には、例えば、木の粉、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸リチウムまたは炭酸カルシウムなど
のマテリアルが含まれていて、バレルハウジングの先端
をシャープに削れるようになる添加剤を含むことが好ま
しい。このような添加剤は、ポリプロピレン組成物をモ
ディファイして、シャープナー（鉛筆削り）でバレルハ
ウジングをザラザラになったりせずに、きれいに削れ、
先端を上手に尖らせることが分かっている。
【００２９】防水タイプのゲルペンシルの一実施例にお
いては、可塑化された高含水量コスメティック・ゲル組
成物の理想的配合は、約３３重量％の水；約２９重量％
の１，４，ブタンジオール；約８重量％のステアリン酸
ナトリウム；約０．２５重量％のカルボキシル化酸エス
テル可塑剤（好ましくはVelsan P8-3)；約１６重量％の
着色剤；約１０重量％のグリセリン；約８重量％のスチ
レン・アクリルポリマー防水剤（好ましくはJoncryl 7
7) ；および界面活性剤としての約０．２重量％のプロ
ポキシル化およびエトキシル化脂肪族アルコール（好ま
しくはProcetyl AWS) である。
【００３０】ゲルペンシルの第２の実施例においては、
可塑化された高含水量コスメティック・ゲル組成物は、
例えば、アカシア、カルボマー（carbomer) 、カルボキ
シメチルヒドロキシセルロース、ヘクトライト(hectori
te) 、ヒドロキシエチルセルロース、マグネシウム・ア
ルミニウム・シリケートまたはメチルセルロースなどの
約１重量％または以下の増粘剤（または濃化剤）をさら
に含む。昇温した温度での貯蔵条件下にあっては、第１
の実施例によるゲルペンシルの中には、離液現象を生ず
るものがあった。増粘剤を前記ゲル組成物へ添加するこ
とで、防水剤が前記ゲル組成物に使用されるか否かを問
わず、水滴または液体の水滴がゲルペンシルから完全に
滲み出なくなったり、滲み出ても極く僅かなものであっ
た。
【００３１】ゲルペンシルの他の実施例においては、可
塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成物は、
分散した着色剤、活性水溶性成分および溶解されたフラ
グランス（香料類）をさらに含む。前記したゲル組成物
からなるコア（芯）の太さ（直径）およびバレルハウジ
ング（軸）の太さ（直径）は、使い勝手がよければ、ど
のようなサイズのものでもよく、前記コアは、ポリプロ
ピレンと同じように削れることができる。この発明の有
用な用途およびプリンシプルを以下の実施例で示す。
【００３２】実施例 １： 三種類の可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル
組成物についての牛の角膜不透明度および浸透度分析評
価
【００３３】牛の角膜不透明度および浸透度分析は、ゴ
ウセロン(Gautheron) によって1992年に開発されたイン
ビトロでのアセスメントである。牛の眼球を屠殺場から
集め、角膜を摘出する。眼球の構造を模したプラスチッ
クのカセットっ角膜テストのホルダーとして使用する。
後部チャンバー内に細胞サポート媒体を満たし、角膜を
ナチュラルな形状に復原し、細胞の生存活力を維持す
る。前部チャンバ内に液体または固体のテストマテリア
ルを満たし、１０分間または４時間それぞれ保持する。
露光後、不透明度測定メーターから可視光線を角膜に当
て、該角膜を通過する光線を光センサーの面で受けて、
不透明度を測定する。前記テストマテリアルによって変
化しないクリアーな角膜は、前記光線が透過して前記セ
ンサーで検知される。不透明な角膜は、光散乱（Tydall
エフェクト）を起こし、目（視覚）ダメージに応じて検
知度合いが減少する。
【００３４】露光後に、前記カセットの前部チャンバに
フルオレセインを添加する。角膜を通過して後部チャン
バーへ達する染料の量によって、角膜の透過性の度合い
が示される。透過性が増加すれば、角膜が損傷している
ことになる。
【００３５】テストマテリアルの刺激度は、以下の式即
ち、平均補正された不透明度＋(15 X 光学密度値）を用
いて、処理した各角膜のインビトロスコアを計算するこ
とで測定される：下記のスケールを用いてインビトロス
コアを解析する：
【００３６】 インビトロスコア 刺激度ポテンシャル 0.0 〜 25.0 マイルドの刺激 25.1〜 55.0 中庸の刺激 55.1及び以上 激しい刺激
【００３７】AS-3-30-1,AS-3-29-3, AW-2-51A-3 の三種
類の可塑化された高含水量コスメティック・ゲル組成物
サンプルを調製し、目の刺激度をテストした。表Ｉに各
サンプルの配合を重量％で示す。サリンをネガティブの
コントロールサブスタンスとして用い、イミダゾールを
ポジティブなコントロールサブスタンスとして用いた。
【表１】
【００３８】表ＩＩに牛の角膜不透明度および浸透度分
析（アッセイ）を示す。ステアリン酸ナトリウムの配合
率が増えるにつれ、刺激度が増す。
【００３９】
【表２】
【００４０】表ＩＩに示すように、ステアリン酸ナトリ
ウムの濃度が約８％以下のサンプルAS-3-30-1 とAS-3-2
9-3 の両者については、ステアリン酸ナトリウムを含む
高含水量コスメティック・ゲル組成物は、刺激度がマイ
ルドのレベルにあるという驚くべき結果がでている。さ
らに驚くべきこととしては、前記サンプルAS-3-29-3 に
８重量％のJoncryl 77を防水剤として添加した後でも該
サンプルの刺激度は、マイルドの範囲に留まっているこ
とが判明した。市販されている目に関する製品は、マイ
ルドな刺激度合いにおいて平均されたインビトロスコア
を有している（０〜２５％）。９．５重量％レベルのの
ステアリン酸ナトリウムと８重量％のJoncryl 77をもつ
サンプルAW-2-51A-3の刺激度は、中庸なものになってい
る結果がでている。以下の実施例は、好ましいコスメテ
ィックフォーミュラをさらに示す。
【００４１】実施例 ２ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。調製され
たゲル組成物の成分配合比率は、以下のとおりであっ
た：
【００４２】
【００４３】実施例 ３ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調が黒
色を特徴とする調製されたゲル組成物の成分配合比率
は、以下のとおりであった：
【００４４】
【００４５】実施例 ４ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調が灰
色を特徴とする調製されたゲル組成物の成分配合比率
は、以下のとおりであった：
【００４６】
【００４７】実施例 ５ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調がネ
イビーブルーを特徴とする調製されたゲル組成物の成分
配合比率は、以下のとおりであった：
【００４８】
【００４９】実施例 ６ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調がブ
ラウンを特徴とする調製されたゲル組成物の成分配合比
率は、以下のとおりであった：
【００５０】
【００５１】実施例 ７ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調がグ
リーンを特徴とする調製されたゲル組成物の成分配合比
率は、以下のとおりであった：
【００５２】
【００５３】実施例 ８ 可塑化され高含水量コスメティック・ゲル組成物および
ゲルペンシルを上記した手順により調製した。色調がタ
ン色を特徴とする調製されたゲル組成物の成分配合比率
は、以下のとおりであった：
【００５４】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィスタ エム．クローフォード アメリカ合衆国 37091 テネシー州 ル イスバーグ エルム ストリート 243

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 以下の成分を必須成分とする可塑化さ
    れた高含水量のコスメティック・ゲル組成物：約２５重
    量％から約５０重量％の範囲の水；ビヒクルとしての約
    ２５重量％から約３５重量％の範囲の脂肪族ジオール；
    約４重量％から約１２重量％の範囲のステアリン酸ナト
    リウム；約４重量％から約２８重量％の範囲の顔料 約０．１重量％から約２重量％の範囲のカルボキシル化
    された酸エステル可塑剤；および約０．１重量％から約
    １重量％の範囲の界面活性剤。
  2. 【請求項２】 前記ビヒクルとしての脂肪族ジオール
    が１，４−ブタンジオールからなり、さらに、約１重量
    ％及び、それ以下の範囲の増粘剤を含む請求項１による
    可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  3. 【請求項３】 前記増粘剤がアカシア、カーボマー(c
    arbomer)、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、ヘ
    クトライト（hectorite)、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、マグネシウム・アルミニウム・シリケートおよびメ
    チルセルロースからなるグループから選ばれるものであ
    る請求項２による可塑化された高含水量のコスメティッ
    ク・ゲル組成物。
  4. 【請求項４】 前記可塑化された高含水量のコスメテ
    ィック・ゲル組成物がさらに約５重量％から約１０重量
    ％の範囲のグリセリンを含む請求項１による可塑化され
    た高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  5. 【請求項５】 前記可塑化された高含水量のコスメテ
    ィック・ゲル組成物がさらに着色剤、活性水溶性成分お
    よびフラグランス（香料類）から選ばれた溶解された添
    加剤を含む請求項１による可塑化された高含水量のコス
    メティック・ゲル組成物。
  6. 【請求項６】 前記界面活性剤は、さらにプロポキシ
    ル化およびエトキシル化された脂肪族アルコールを含む
    請求項１による可塑化された高含水量のコスメティック
    ・ゲル組成物。
  7. 【請求項７】 皮膚に適用されたときに耐水性特性を
    発揮する可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル
    組成物であって、下記の成分を必須成分とするもの：約
    ２５重量％から約５０重量％の範囲の水；ビヒクルとし
    ての約２５重量％から約３５重量％の範囲の脂肪族ジオ
    ール；約４重量％から約１２重量％の範囲のステアリン
    酸ナトリウム；約４重量％から約２８重量％の範囲の顔
    料 約０．１重量％から約２重量％の範囲のカルボキシル化
    された酸エステル可塑剤；約０．１重量％から約１重量
    ％の範囲の界面活性剤；および約５重量％から約１０重
    量％の範囲のスチレン・アクリルポリマー類からなる防
    水剤。
  8. 【請求項８】 前記ビヒクルとしての脂肪族ジオール
    が１，４−ブタンジオールからなり、さらに、約１重量
    ％及び、それ以下の範囲の増粘剤を含む請求項７による
    可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  9. 【請求項９】 前記増粘剤がアカシア、カーボマー(c
    arbomer)、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、ヘ
    クトライト（hectorite)、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、マグネシウム・アルミニウム・シリケートおよびメ
    チルセルロースからなるグループから選ばれるものであ
    る請求項７による可塑化された高含水量のコスメティッ
    ク・ゲル組成物。
  10. 【請求項１０】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに約５重量％から約１０重
    量％の範囲のグリセリンを含む請求項７による可塑化さ
    れた高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  11. 【請求項１１】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに着色剤、活性水溶性成分
    およびフラグランス（香料類）から選ばれた溶解された
    添加剤を含む請求項７による可塑化された高含水量のコ
    スメティック・ゲル組成物。
  12. 【請求項１２】 前記界面活性剤は、さらにプロポキ
    シル化およびエトキシル化された脂肪族アルコールを含
    む請求項７による可塑化された高含水量のコスメティッ
    ク・ゲル組成物。
  13. 【請求項１３】 以下の構成からなるコスメティック
    を収納し、これを使用するための装置：ペンシル・バレ
    ル・ハウジング；及び以下の組成を有していて、前記ハ
    ウジング内にコア（芯）として納められる可塑化された
    高含水量のコスメティック・ゲル組成物：約２５重量％
    から約５０重量％の範囲の水；ビヒクルとしての約２５
    重量％から約３５重量％の範囲の脂肪族ジオール；約４
    重量％から約１２重量％の範囲のステアリン酸ナトリウ
    ム；約４重量％から約２８重量％の範囲の顔料；約０．
    １重量％から約２重量％の範囲のカルボキシル化された
    酸エステル可塑剤；および約０．１重量％から約１重量
    ％の範囲の界面活性剤。
  14. 【請求項１４】 前記ビヒクルとしての脂肪族ジオー
    ルが１，４−ブタンジオールからなり、さらに、約１重
    量％及び、それ以下の範囲の増粘剤を含む請求項１３に
    よる可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成
    物。
  15. 【請求項１５】 前記増粘剤がアカシア、カーボマー
    (carbomer)、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、
    ヘクトライト（hectorite)、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、マグネシウム・アルミニウム・シリケートおよびメ
    チルセルロースからなるグループから選ばれるものであ
    る請求項１３による可塑化された高含水量のコスメティ
    ック・ゲル組成物。
  16. 【請求項１６】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに約５重量％から約１０重
    量％の範囲のグリセリンを含む請求項１３による可塑化
    された高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  17. 【請求項１７】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに着色剤、活性水溶性成分
    およびフラグランス（香料類）から選ばれた溶解された
    添加剤を含む請求項１３による可塑化された高含水量の
    コスメティック・ゲル組成物。
  18. 【請求項１８】 前記界面活性剤は、さらにプロポキ
    シル化およびエトキシル化された脂肪族アルコールを含
    む請求項１３による可塑化された高含水量のコスメティ
    ック・ゲル組成物。
  19. 【請求項１９】 前記ペンシル・バレル・ハウジング
    がプラスチック素材からなる請求項１３によるコスメテ
    ィックを収納し、これを使用するための装置。
  20. 【請求項２０】 前記ペンシル・バレル・ハウジング
    は、ポリプロピレンを素材として射出成形または押出成
    形技術により成形された鉛筆の軸のような構成のもので
    あり、該ハウジングの先端を鉛筆のようにシャープに削
    れる既有の特性をさらに改善する添加剤として、木粉、
    ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムおよび炭酸カ
    ルシウムからなるグループから選ばれた少なくとも一つ
    又は複数の添加剤を含む請求項１９によるコスメティッ
    クを収納し、これを使用するための装置。
  21. 【請求項２１】 以下の構成からなるコスメティック
    を収納し、これを使用するための装置：ペンシル・バレ
    ル・ハウジング；及び以下の組成を有していて、前記ハ
    ウジング内にコア（芯）として納められる可塑化された
    高含水量のコスメティック・ゲル組成物：約２５重量％
    から約５０重量％の範囲の水；ビヒクルとしての約２５
    重量％から約３５重量％の範囲の脂肪族ジオール；約４
    重量％から約１２重量％の範囲のステアリン酸ナトリウ
    ム；約４重量％から約２８重量％の範囲の顔料；約０．
    １重量％から約２重量％の範囲のカルボキシル化された
    酸エステル可塑剤；約０．１重量％から約１重量％の範
    囲の界面活性剤；及び約５重量％から約１０重量％の範
    囲のスチレン・アクリルポリマー類からなる防水剤。
  22. 【請求項２２】 前記ビヒクルとしての脂肪族ジオー
    ルが１，４−ブタンジオールからなり、さらに、約１重
    量％及び、それ以下の範囲の増粘剤を含む請求項２１に
    よる可塑化された高含水量のコスメティック・ゲル組成
    物。
  23. 【請求項２３】 前記増粘剤がアカシア、カーボマー
    (carbomer)、カルボキシメチルヒドロキシセルロース、
    ヘクトライト（hectorite)、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、マグネシウム・アルミニウム・シリケートおよびメ
    チルセルロースからなるグループから選ばれるものであ
    る請求項２２による可塑化された高含水量のコスメティ
    ック・ゲル組成物。
  24. 【請求項２４】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに約５重量％から約１０重
    量％の範囲のグリセリンを含む請求項２１による可塑化
    された高含水量のコスメティック・ゲル組成物。
  25. 【請求項２５】 前記可塑化された高含水量のコスメ
    ティック・ゲル組成物がさらに着色剤、活性水溶性成分
    およびフラグランス（香料類）から選ばれた溶解された
    添加剤を含む請求項２１による可塑化された高含水量の
    コスメティック・ゲル組成物。
  26. 【請求項２６】 前記界面活性剤は、さらにプロポキ
    シル化およびエトキシル化された脂肪族アルコールを含
    む請求項２１による可塑化された高含水量のコスメティ
    ック・ゲル組成物。
  27. 【請求項２７】 前記ペンシル・バレル・ハウジング
    がプラスチック素材からなる請求項２１によるコスメテ
    ィックを収納し、これを使用するための装置。
  28. 【請求項２８】 前記ペンシル・バレル・ハウジング
    は、ポリプロピレンを素材として射出成形または押出成
    形技術により成形された鉛筆の軸のような構成のもので
    あり、該ハウジングの先端を鉛筆のようにシャープに削
    れる既有の特性をさらに改善する添加剤として、木粉、
    ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムおよび炭酸カ
    ルシウムからなるグループから選ばれた少なくとも一つ
    又は複数の添加剤を含む請求項２７によるコスメティッ
    クを収納し、これを使用するための装置。
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