JPH06107520A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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Publication number
JPH06107520A
JPH06107520A JP4256601A JP25660192A JPH06107520A JP H06107520 A JPH06107520 A JP H06107520A JP 4256601 A JP4256601 A JP 4256601A JP 25660192 A JP25660192 A JP 25660192A JP H06107520 A JPH06107520 A JP H06107520A
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JP
Japan
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powder
cosmetic
sponge
comparative example
spongy
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Withdrawn
Application number
JP4256601A
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English (en)
Inventor
Shigeru Oyama
茂 大山
Shinko Sano
真弘 佐野
Nobuo Kusamoto
伸夫 草本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】充分な帯電防止性の外、優れた品質特性をも有
する化粧料の提供。 【構成】化粧料に疎水化剤で表面処理した海綿粉末およ
び海綿繊維のうち少なくとも一方を配合する。ここで、
前記海綿粉末としては、平均粒径が15μm以下でかつ最
大粒径が50μm以下であるものを採用するのが好まし
い。また、前記海綿繊維としては、繊維長が0.1 〜 5.0
mmの範囲にあるものを採用するのが好ましい。海綿組織
を粉砕して得られる微粒子状または繊維状の粉砕物に
は、顔料や粉体の帯電を防止する働きが有るほか、油性
分とのなじみを良くする作用、紫外線を遮断する作用、
細菌の増殖等を抑える作用(抗菌性)等が有る。海綿組
織の粉砕物を化粧料に配合することにより、優れた品質
特性を有する化粧料とできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧料に関し、特に、メ
ークアップ化粧料等に好適な化粧料に関する。
【0002】
【背景技術】従来より化粧料として、口紅、マスカラ、
アイライナー、ファンデーション、制汗スティック等が
あり、これらの化粧料には、顔料や粉体が含まれてい
る。
【0003】このような顔料や粉体は、帯電することが
知られている。帯電した顔料や粉体を含む化粧料は、周
囲に存在する荷電物質、例えば、空気中の水蒸気やほこ
り、衣服、金属、プラスチック等と引き合って様々な不
具合を生じさせる。
【0004】具体的な例としては、製造時において釜か
ら保存タンクに移す際、あるいは使用時においてアイラ
イナー、マスカラ等の容器からブラシを引き出す際に、
化粧料が空気中に飛散することがある。飛散した化粧料
が帯電した顔料や粉体を含んでいると、化粧料は周囲に
存在する反対の極性に帯電したもの、例えば、製造設備
や衣服等に引き寄せられて強固に付着する。このため、
生産設備や衣服等が汚れるという不具合が発生する。
【0005】また、口紅やファンデーション等の使用時
においては、肌に付けた化粧料が空気中の塵埃などを吸
着することがあり、これにより、化粧効果が損なわれる
おそれがある。
【0006】そこで従来より、化粧料の製造工場では、
製造設備のアースを強化して製造設備の帯電を防ぎ、顔
料や粉体を引き寄せないようにして製造設備の汚れ防止
を図っている。また、容器内部の電荷の放電を促進して
化粧料が帯電しないようにするために、化粧料の容器を
導電性の材料で形成するなど、容器による難帯電化が試
みられれている。この難帯電化により、使用時において
衣服等が化粧料で汚れることの防止を図ることができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アース
強化や容器の難帯電化によっては、化粧料中に含まれる
顔料や粉体そのものに帯電防止性を付与することができ
ず、根本的な解決とならない。このため、前述の帯電に
よる汚れの問題を完全に解決できない。
【0008】これに対し、親油性界面活性剤として利用
されているソルビタン脂肪酸エステル等を化粧料に添加
することで、顔料や粉体の帯電防止が行える。しかしな
がら、このような親油性界面活性剤では、添加により著
しいべたつき感を使用者に感じさせたり、棒状の化粧料
から硬度をなくしたりするおそれがある。このため、化
粧料としての品質を損なうことがあり、良好な使用感等
の優れた品質特性を付与できないという問題がある。
【0009】本発明の目的は、充分な帯電防止性を有す
るうえ、優れた品質特性を有する化粧料を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の化粧
料は、疎水化剤で表面処理した海綿粉末および海綿繊維
のうち少なくとも一方を配合したことを特徴とする。
【0011】ここで、前記海綿粉末としては、平均粒径
が15μm以下でかつ最大粒径が50μm以下であるものを
採用するのが好ましい。上記に記載した粒径は、レーザ
ー回折式粒度分布計(株式会社セイシン企業製:SK LAS
ER PRO 7000S、分散媒:エタノール、分散条件:U.S. W
AVE 60秒)で測定して得たものである。なお、以下に記
載する粒径も、上記と同じ測定により得られたものであ
る。また、前記海綿繊維としては、繊維長が0.1 〜 5.0
mmの範囲にあるものを採用するのが好ましい。
【0012】海綿組織の粉砕物である海綿粉末および海
綿繊維の表面処理に用いる疎水化剤としては、次のもの
が採用できる。すなわち、化粧用顔料の表面処理剤であ
るメチルハイドロジエンポリシロキサン、反応性ジメチ
ルポリシロキサン、金属石鹸等を用いることができるほ
か、水素添加レシチン、アシルアミノ酸、アシル化コラ
ーゲンの金属塩等も使用できる。ここで、アシル化コラ
ーゲンの金属塩としては、アルミニウム塩、マグネシウ
ム塩、カルシウム塩、チタニウム塩、亜鉛塩、ジルコニ
ウム塩、および、鉄塩等が採用できる。また、表面処理
の方法としては、特開昭60− 69011号、特開昭60−1845
71号、特開昭58− 72512号、特開昭61− 73775号、特開
昭61− 17667号、特開平3−250164号公報に示されてい
る方法等が採用できる。
【0013】前述のような海綿組織の粉砕物を化粧料に
配合するにあたり、その配合量には特に制限はない。所
望の感触や化粧料の形態に応じて、およそ50重量%の割
合まで前記粉砕物を配合することが可能である。帯電防
止効果のみを付与する場合には、1〜10重量%の割合で
配合すれば充分である。
【0014】海綿組織の粉砕物は、従来一般に使用され
ている基剤をベースとするものに配合できる。基剤とし
ては、カルナウバろう、密ろう、セレシン、流動パラフ
ィン、スクワラン、固形パラフィン、ステリアン酸、バ
チルアルコール、オリーブ油、ワセリン、ベヘニルアル
コール、ラノリン、イソプロピルミリステート、2−エ
チルヘキサン酸トリグリセリン、セタノール、シリコン
オイル等が採用できる。このような基剤を全体の10〜98
重量%の割合で含有する化粧料が採用できる。
【0015】化粧料には、海綿組織の粉砕物および基剤
の外に、顔料または粉体等の成分が含まれている。これ
らの顔料または粉体は、従来一般の化粧料に用いられて
いるものが使用でき、化粧料全体の 0.1〜40重量%の割
合で配合できる。
【0016】また、化粧料には、上記の必須成分に加え
て、必要に応じて保湿剤、各種薬効成分、活性剤、香
料、防腐剤等を配合してもよい。ただし、これらの薬剤
の量は、本発明の目的を損なわない程度にする必要があ
る。
【0017】このような本発明では、海綿組織を粉砕し
て得られる微粒子状または繊維状の粉砕物に、顔料や粉
体の帯電を防止する働きが有ることを利用している。す
なわち、海綿組織の粉砕物を配合することで、化粧料中
の顔料や粉体の帯電を防止する。
【0018】ここで、海綿組織の粉砕物は、化粧料中に
配合しても、従来の親油性界面活性剤のようにべたつき
感を生じず、化粧料の使用感や品質等を低下させること
がない。
【0019】また、海綿組織の粉砕物は、疎水化剤で表
面処理を施すことにより、油性分とのなじみが良好なも
のになる。このため、海綿組織の粉砕物を配合すること
により、使用者に滑らかな感触を感じさせる化粧料とな
って、従来の化粧料では得られない優れた品質特性を有
する化粧料が得られることとなる。
【0020】さらに、海綿組織には、紫外線をカットす
る作用および細菌の増殖等を抑える作用(抗菌性)が有
る。海綿組織の粉砕物を化粧料に配合することにより、
使用者の肌を紫外線および細菌から保護する効果が付与
される。従って、優れた品質特性を化粧料に与えること
ができるようになる。
【0021】例えば、海綿組織の粉砕物を、マニキュア
の下地となるベースコートに配合すれば、従来にはない
高品質のベースコートを得ることができる。すなわち、
ベースコートは、爪を補強するためにマニキュアの下に
塗られるものである。ベースコートには、レーヨン、ナ
イロン、ポリエステル、木綿、麻、絹等の繊維が均一に
分散されて配合されている。このようなベースコートに
対し、繊維長が 0.1〜 5mm好ましくは 0.5〜 3mmの海綿
繊維を配合すれば、しっとり感、抗菌性、紫外線遮断効
果を有する優れたものが得られる。
【0022】また、皮膚の老廃物を除去するパック剤
は、短繊維を配合することにより、パック剤が形成する
皮膜は強度が増すうえ、パック剤の老廃物を除去する働
きが増大することが知られている。このようなパック剤
に対し、繊維長が 0.1〜 5mm好ましくは 0.5〜 3mmの海
綿繊維を配合すれば、しっとり感、抗菌性、紫外線遮断
効果を与えることができる。さらに、平均粒径15μm以
下かつ最大粒径50μm以下の海綿粉末を配合すれば、優
れた延展性を有するものが得られるようになり、これら
により前記目的が達成される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の海綿組織の粉砕物の製造例に
ついて説明する。 〔海綿組織の粉砕物の製造例〕海綿組織の粉砕物である
海綿粉末および海綿繊維は、次のようにして製造するこ
とができる。原料としては、海綿を化粧用のパフ等に成
形する際に生じるカット屑を用いる。このカット屑を磨
砕式ミルで粉砕して繊維長1cm以下の粗粉砕物にする。
この粗粉砕物には繊維状のものが含まれ、この繊維状の
ものを粗粉砕物から分別すれば、本発明に基づく海綿繊
維が得られる。また、前述の粗粉砕物をボールミルでさ
らに粉砕して平均粒径が30μm以下の中間粉砕物を得た
後、この中間粉砕物を気流式ミルで平均粒径5μm以下
に微粉砕することにより、本発明に基づく海綿粉末が得
られる。
【0024】次に、本発明に基づく海綿組織の粉砕物を
配合した実施例1〜5について説明する。ただし、実施
例1は、化粧料への適用を図ったものではない。海綿組
織を配合したことの効果を容易に確認できるように、紫
外線透過試験等の結果がわかりやすいフィルムに適用し
たものである。
【0025】〔実施例1〕実施例1は、海綿粉末を配合
して作製したフイルムである。フイルムの原料として
は、一液型ポリエステル系ポリウレタン樹脂溶液である
レザミンMB-3612LP (大日精化工業株式会社製)を用
い、この樹脂溶液に海綿粉末を配合し、海綿粉末を含有
させた海綿フイルムを得る。
【0026】具体的な作製工程を以下に説明する。 容量 200mlのビーカーa, bの各々に前述の樹脂溶液
を 100gずつ注入する。なお、この樹脂溶液にはフィル
ムとなる不揮発分が全体の30重量%(30g)含まれてい
る。 溶剤であるジメチルホルムアミド(DMF)およびメ
チルエチルケトン(MEK)を同一分量ずつ含有する溶
液を調合し、この溶液を各ビーカーa, bに60gずつ入
れて混ぜ合わせる。これにより、各ビーカーa, bの中
にフイルムの原料液160gを作っておく。
【0027】ビーカーaには、樹脂溶液の不揮発分に
対し30重量%(9g)の海綿粉末を混合し、ビーカーb
には、樹脂溶液の不揮発分に対し50重量%(15g)の海
綿粉末を混合する。 海綿粉末の混合後、薬さじを用いて海綿粉末が均一に
混ざるまで攪拌し、各ビーカーa, bをラップで密閉
し、通常の室温となった室内に24時間放置して脱泡す
る。脱泡後、ビーカーa, bの樹脂溶液の各々につい
て、次の〜に述べる手順でフィルム成形作業を行
う。 図1に示されるように、フィルムアプリケータ50の上
に離型紙51を配置する。この離型紙51の図中上下の端縁
に沿ってそれぞれ厚さ20μmのテープ52を貼っておく。
そして、脱泡した樹脂溶液53を泡が入らないように静か
に攪拌してから、樹脂溶液53を離型紙51の上に適量たら
す。
【0028】樹脂溶液53を均すためのコーティングバ
ー54を所定の速度で図中左右に移動し、離型紙51の表面
に樹脂溶液53を広げて膜状にする。この際、離型紙51の
図中上下に貼った厚さ20μmのテープ52により、離型紙
51とコーティングバー54との間に隙間が形成され、コー
ティングバー54の移動を繰り返すことで、厚さ20μmの
樹脂溶液53の膜が自動的に形成される。 温度を80℃に熱した乾燥オーブンの中にアプリケータ
50を入れ、樹脂溶液53を乾燥オーブンの中で10分間放置
し、樹脂溶液53に含有される溶剤を気化させて樹脂溶液
53を固化させる。 固まったフィルムを離型紙51から剥がし、ビーカー
a, bの樹脂溶液からそれぞれフィルムa, bを得てフ
ィルムの作製を完了する。
【0029】〔比較例1〕比較例1は、従来からあるフ
ィルムと同様に海綿組織に粉砕物を一切含まないもので
ある。すなわち、実施例1の作製工程〜のうち、海
綿粉末を混合する工程を省略し、これにより比較例1
のフィルムcを得る。
【0030】〔実施例1の評価〕実施例1を評価するに
あたり、実施例1のフィルムbおよび比較例1のフィル
ムcに対し抗菌力試験を行い、かつ、実施例1のフィル
ムaおよび比較例1のフィルムcに紫外線透過試験を行
い、各試験の結果について比較例1と比較して実施例1
の評価を行う。抗菌力の試験方法として、AATCC METHOD
100に準じた方法を採用した。試験を行うにあたり、フ
イルムb,cを小さな5cm四方の小片に切断し、各フィ
ルムb,cの小片に大腸菌の菌液を滴下する。そして、
温度を35℃に維持しておき、各フィルムb,c上の生菌
数を経時的に測定する。ここで、大腸菌は、温度35℃の
状態に維持された普通ブイヨン培地(栄研化学製)に18
〜24時間放置して培養したものである。大腸菌の菌液
は、前記培養した大腸菌を減菌生理食塩水で拡散し、当
該食塩水1ccの中に菌数が10〜 100万個となるように調
製したものである。
【0031】この試験の結果は、表1に示されている。
表1によれば、実験を開始してから3時間後の生菌数
は、フィルムbの方がほぼ0(10以下) となり、フィル
ムcの方が22万個となっている。比較例1の方は大腸菌
が多数生き残っているのに対し、実施例1の方は、大腸
菌がほぼ死滅している。従って、実施例1の海綿フィル
ムには抗菌性があることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】紫外線の透過を試験する方法は、自記式分
光光度計(島津製作所製UV-240型)および積分球によ
り、各フィルムa, cを透過する光の光度を測定した。
【0034】この試験の結果は、図2に示されている。
図2によれば、比較例1のフィルムcは、300 〜 600nm
の光をほぼ一様に透過させるいるのがわかる。一方、実
施例1のフィルムaが、波長約 450nm以下の光について
は、波長が短くなるほど光の透過率を減少させている。
従って、実施例1は、波長が 400nm以下の光、すなわち
紫外線を遮断する紫外線遮断効果を有しているのがわか
る。なお、一般に太陽からの紫外線(180 〜 400nm)の
うち、比較的波長の短いもの(180 〜 290nm)は大気に
吸収されて地上に到達しない。このため、化粧料に必要
な紫外線遮断効果は、波長が290 〜 400nmの範囲にある
光を遮断できるものであればよい。この点から、実施例
1の紫外線遮断効果は、波長290 〜 400nmの光を遮断す
るので化粧料にとって有用な効果といえる。
【0035】〔実施例2〕実施例2は、海綿粉末を配合
して製造したアイライナーである。すなわち、表2の実
施例2の項に示される成分群Aを示された割合で混合す
る。この混合物を加熱により溶融して溶融物にする。こ
の溶融物に表2の残りの成分群Bを示された割合だけ加
えて混合する。この成分群A,Bからなる混合物を三本
ロールで分散してアイライナーを製造する。
【0036】〔比較例2〕比較例2は、実施例1で配合
した海綿粉末の代わりに、従来から使用されている親油
性界面活性剤であるソルビタンモノイソオレートを配合
して製造したアイライナーである。すなわち、表2の比
較例2の項に示される成分群Aを示された割合で混ぜ合
わせて加熱溶融した後、表2の残りの成分群Bを示され
た割合で混ぜ合わせ、三本ロールで分散することにより
製造される。
【0037】
【表2】
【0038】〔実施例2の評価〕実施例2を評価するに
あたり、実施例2および比較例2の両方に対し次の帯電
性試験を行い、それぞれの結果を比較して実施例2の評
価を行う。帯電試験には、約10cm四方のナイロン製の布
およびステンレス製のミクロスパチュラ(小型のさじ)
を用いる。試験するにあたり、ナイロン製の布を負に帯
電させてスタンド等に吊るしておく。そして、実施例2
もしくは比較例2のアイライナー約 0.1gをミクロスパ
チュラに付着させ、このミクロスパチュラを帯電した布
に近づけ、布の表面を観察してアイライナーの飛散状態
を調べる。
【0039】この試験の結果、実施例2のアイライナー
は全く飛散しなかったが、比較例2のアイライナーは負
の電荷に引き寄せられて著しく飛散し、これによりナイ
ロン製の布を汚した。
【0040】〔実施例3〕実施例3は、海綿粉末を配合
した制汗スティックである。すなわち、表3の実施例3
の項に示される成分群Aを示された割合で混合して加熱
溶融する。この成分群Aの溶融物に、表3の残りの成分
群Bを示された割合で混合する。成分群A,Bの混合物
を高速ディスパーで分散させてから成形金型に流し込
み、冷却固化したものを脱型すれば制汗スティックとな
る。
【0041】〔比較例3〕比較例3は、前記比較例2と
同様に、従来から使用されている親油性界面活性剤を配
合した制汗スティックである。親油性界面活性剤とし
て、グリセリルセスキオレートが配合されており、実施
例3と同様な手順で製造される。すなわち、表3の比較
例3の項に示される成分群Aを示された割合で混ぜ合わ
せて加熱溶融した後、表3の残りの成分群Bを示された
割合で混合して分散させ、成形金型に入れて冷却固化し
て製造する。
【0042】
【表3】
【0043】〔実施例3の評価〕実施例3を評価するに
あたり、実施例3および比較例3の両方に対し帯電性試
験および官能テストを行い、各結果を比較して実施例3
の評価を行う。
【0044】帯電性試験は、実施例3の制汗スティック
および比較例3の制汗スティックを湿度40%、温度20℃
の部屋に一昼夜放置し、各制汗スティックに付着したほ
こりの量を観察することにより行った。
【0045】この試験の結果、実施例3の方は表面に僅
かなほこりが付着した程度であった。一方、比較例1の
方は表面に大量のほこりが付着していた。なお、ほこり
の大半は負に帯電した化学繊維であった。
【0046】官能テストは、18〜22歳の女性10名に対
し、実施例2および比較例2の制汗スティックを除毛し
た腋下にそれぞれ使用してもらうことにより行った。そ
して、これらの制汗スティックに関し、各々のべたつき
感およびしっとり感について5段階評価してもらった。
【0047】このテストの結果は、表4に示されるよう
に、10名の5段階評価を平均した平均値で表してある。
表4において実施例3と比較例3とを比較すると、べた
つき感については実施例3よりも比較例3のものの方が
強く感じられ、しっとり感については比較例3よりも実
施例3の方が強く感じられるのがわかる。
【0048】
【表4】
【0049】〔実施例4〕実施例4は、海綿粉末を配合
して製造した口紅である。具体的には、表5の実施例4
の項に示される成分群Aを示された割合で混合して加熱
溶融する。この成分群Aの溶融物に、表5の残りの成分
群Bを示された割合で混合する。成分群A,Bの混合物
を三本ロールで分散してから成形金型に流し込み、冷却
固化したものを脱型して口紅とする。
【0050】〔比較例3〕比較例4は、従来から使用さ
れている親油性界面活性剤を配合した口紅である。親油
性界面活性剤として、ソルビタンモノイソステアレート
が配合されており、実施例4と同様な手順で製造され
る。すなわち、表5の比較例1の項に示されるA群の成
分を示された割合で混ぜ合わせて加熱溶融した後、表5
のB群に示される残りの成分を示された割合で混合して
分散させ、成形金型に入れて冷却固化して製造される。
【0051】
【表5】
【0052】〔実施例4の評価〕実施例4を評価するに
あたり、実施例3および比較例3の両方に対し硬度測定
および官能テストを行い、各結果を比較して実施例3の
評価を行う。
【0053】硬度測定は、室温25℃という温度条件のも
とで、カードテンションメーターを用いて硬度を測るこ
とによりなされた。硬度測定の結果、実施例4および比
較例4の各々について 200g,140gという硬度データが
得られた。これにより、比較例4よりも実施例4の方が
硬いとういことがわかる。
【0054】官能テストは、18〜22歳の女性に対し、実
施例4および比較例4の口紅をそれぞれ使用してもらう
ことにより行った。そして、実施例4および比較例4に
ついてそれぞれざらつき感の有無を5段階評価してもら
った。
【0055】このテストの結果は、表6に示されるよう
に、10名の5段階評価を平均した平均値で表してある。
表6において実施例4と比較例4とを比較すると、実施
例4よりも比較例4のもののほうがざらつき感が強く感
じられるのがわかる。
【0056】
【表6】
【0057】〔実施例5〕実施例5は、海綿粉末配合の
パウダーファンデーションである。具体的には、次のよ
うな手順で製造される。まず、表7の実施例4の項に示
される成分群Aを示された割合だけヘンシルミキサーに
入れてよく混合してからアトマイザーで粉砕すること
で、成分群Aの混合物を生成しておく。一方、表7の残
りの成分群Bについては、示された割合で混合して成分
群Bの混合物を生成し、この混合物を加熱しておく。成
分群Aの混合物と、加熱により熱い状態にしてある成分
群Bの混合物とをヘンシルミキサーで混合し、さらにア
トマイザーで粉砕した後、#60メッシュのふるいにかけ
てから中皿に充填形成してパウダーファンデーションと
する。
【0058】なお、表7の成分群Aは、予めシリコン処
理が施されたものである。このシリコン処理は次の手順
で行うことができる。まず、処理をしようとする粉体
(ここでは、酸化チタン、カオリン、セリサイト、マイ
カ、タルク、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、海綿粉
末、ナイロン12パウダー等の粉体が該当する)を計量
し、その所定量をヘンシルミキサーに入れて混ぜ合わせ
ておく。また、前記粉体 100重量部(以下単に「部」と
記す)に対してキシロール15部、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン 1.5部、水添卵黄油 1.5部を混合した溶
解混合物を生成しておく。そして、前記粉体の混合物と
溶解混合物とをヘンシルミキサーでさらに混ぜ合わせて
所定の調合物を生成する。次に、得られた調合物を風乾
してキシロールを除去した後、温度 130℃のかま等に2
時間入れて焼き付け処理することにより粉体のシリコン
処理を行う。
【0059】〔比較例5〕比較例5は、実施例5に配合
されている海綿粉末の代わりに、従来から使用されてい
るナイロン12パウダーを配合したパウダーファンデーシ
ョンである。比較例5の製造は、実施例5と同様な手順
で行われる。すなわち、表7の比較例5の成分群Aを示
された割合だけ混合して粉砕する。表7の残りの成分群
Bを示された割合で混合して加熱する。この熱い状態の
混合物と、前記成分群Aの混合物とを混合・粉砕した
後、ふるいを通して中皿に充填形成してファンデーショ
ンを得る。
【0060】
【表7】
【0061】〔実施例5の評価〕実施例5を評価するに
あたり、実施例5および比較例5の両方に対し官能テス
トを行い、それぞれの結果を比較して実施例5の評価を
行う。
【0062】官能テストは、18〜22歳の女性10名に対
し、実施例2および比較例2のパウダーファンデーショ
ンの各々を使用してもらうことにより行った。そして、
これらのパウダーファンデーションの各々の感触、伸び
およびしっとり感について5段階評価してもらった。
【0063】このテストの結果は、表8に示されるよう
に、10名の5段階評価を平均した平均値で表してある。
表8において実施例5と比較例5とを比較すると、感
触、伸びおよびしっとり感の何れにおいても比較例5よ
りも実施例5の方が優れているのがわかる。
【0064】
【表8】
【0065】実施例1〜5によれば、本発明に基づく海
綿組織の粉砕物を配合することにより、化粧料に優れた
品質特性を付与できることが判る。すなわち、実施例1
によれば、海綿組織の粉砕物を配合することにより、配
合したものに抗菌性および紫外線遮断効果を付与でき
る。従って、海綿組織の粉砕物を配合した化粧料には抗
菌性および紫外線遮断効果があることがわかる。
【0066】また、実施例2によれば、帯電防止効果の
点で比較例2よりも優れたアイライナーが得られること
がわかる。このため、従来のものに比べて使用時にアイ
ライナーが周囲に飛散せず、汚れを生じさせない優れた
アイライナーとすることができる。
【0067】さらに、実施例3によれば、比較例3より
も帯電防止効果の点で優れ、使用時にべたつき感のない
制汗スティックが得られることがわかる。このため、従
来のものと比べて、空気中の塵埃等を吸着せず化粧効果
を損なわないうえ、使用時に不快感のない高品質な制汗
スティックとできる。
【0068】また、実施例4によれば、比較例4より
も、硬度の点で優れ、ざらつき感の少ない口紅が得られ
るのがわかる。このため、従来のものと比べて、形崩れ
しにくいうえ、スムーズな塗布感を使用者に与える高品
質な口紅とできる。
【0069】さらに、実施例5によれば、感触、伸びお
よびしっとり感の全ての点で比較例5よりも優れたパウ
ダーファンデーションが得られることがわかる。このた
め、従来のものと比べて、肌になじみのよい高品質なパ
ウダーファンデーションとすることができる。
【0070】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、充分な帯
電防止性を付与できるうえ、抗菌性、紫外線遮断効果、
良好な使用感等、優れた品質特性を付与できるから、高
品質な化粧料とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で使用するフィルム成形用具
を示す平面図。
【図2】同実施例の紫外線遮断効果を表すグラフ。
【符号の説明】
50 フィルムアプリケータ 51 離型紙 52 テープ 53 樹脂溶液 54 コーティングバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水化剤で表面処理した海綿粉末および海
    綿繊維のうち少なくとも一方を配合したことを特徴とす
    る化粧料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化粧料において、前記海
    綿粉末は、平均粒径が15μm以下でかつ最大粒径が50μ
    m以下であることを特徴とする化粧料。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化粧料において、前記海
    綿繊維は、繊維長が0.1〜 5.0mmの範囲にあることを特
    徴とする化粧料。
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