JPH10226025A - 多層包装体 - Google Patents

多層包装体

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JPH10226025A
JPH10226025A JP10069665A JP6966598A JPH10226025A JP H10226025 A JPH10226025 A JP H10226025A JP 10069665 A JP10069665 A JP 10069665A JP 6966598 A JP6966598 A JP 6966598A JP H10226025 A JPH10226025 A JP H10226025A
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ethylene
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food
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Hideaki Oda
英晶 小田
Tohei Moriya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装体、とりわけポリオレフイン系樹脂を主
材料とする包装体から食品へ、におい成分の移行がな
い、さらに食品中の味覚成分の食品包装体への移行のな
い、しかも、耐熱水性も合わせ有する従来例を見ない、
ボイル殺菌、レトルト殺菌可能な多層包装体を提供する
こと。 【解決手段】 エチレンモノマー単位を20〜65モル
%含むエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)3〜
97重量%と、酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよび
メタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一成分を
2〜25モル%含有するエチレン系共重合体若しくはそ
のけん化物、または不飽和カルボン酸若しくはその誘導
体で変性したポリオレフイン類(B)97〜3重量%か
らなる組成物の層を最内層とし、前記組成物以外の熱可
塑性樹脂の層を外層とする少なくとも二層からなる多層
包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装体、とりわけ
ポリオレフイン系樹脂を主材料とする包装体から食品
へ、におい成分の移行がない、さらに食品中の味覚成分
の食品包装体への移行のない、しかも、耐熱水性も合わ
せ有する従来例を見ない、ボイル殺菌、レトルト殺菌可
能な多層包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】最内層に使用される樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン―酢酸ビニル共重
合体といったポリオレフイン系樹脂が一般的である。こ
れはコスト、ヒートシール適性によるためである。しか
しこれらの樹脂は、芳香成分を透過しやすく、又逆に樹
脂中に残存している低分子物質が食品に移行し、いわゆ
るポリオレフイン臭を食品に与え易い。これらは内容物
の味、におい、有機成分の変化をもたらし、問題であ
る。
【0003】エチレン―ビニルアルコール共重合体(以
下EVOH)は、現在最高のガスバリヤー性を有する熱
可塑性樹脂である上に、芳香成分、有機物質のバリヤー
性にも優れ、さらに、内容物への低分子物質の移行がな
い。
【0004】EVOHを最内層に使用した例は特公昭6
1―58307号があり、また特開昭54―78749
号にはEVOHとポリアミドのブレンド物および該ブレ
ンド物は他の熱可塑性樹脂と積層しうることが記載され
ているが、該ブレンド物を最内層とし、熱可塑性樹脂を
外層とする記載はない。
【0005】さらに、特公昭59―38103号には、
EVOHと熱可塑性樹脂のブレンド層と耐湿性、あるい
は耐クリープ性樹脂層の二層からなる構成の記述はある
が、EVOHとのブレンド層を最内層とする記載はな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、EVOHは、
レトルト(120℃)あるいはボイル(98℃)処理に
よって波状のしわやデラミ、EVOH層同志(内層に使
用した場合は内層同志)の貼り付きが発生し、外観上実
用に耐えない。
【0007】このようなEVOH層のレトルト時の異常
は、EVOHが100℃以上の熱水、とりわけ120℃
以上の熱水中では吸水して膨潤すると同時に溶融流動し
不定形状態となるために起こるものである。従って、E
VOHを熱水と直接接触する最内層に使用してレトルト
包材とすることは不可能である。本発明は従来不可能と
して全く考慮だにされなかった構成、すなわちEVOH
層を最内層とするレトルト可能な包材を実現せんとした
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レトルト
処理によりEVOHが流動を起こさぬような手段につい
て広汎な検討を実施した。
【0009】その結果、EVOH(A)3〜97重量%
と、酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル
酸エステルから選ばれる少なくとも一成分を2〜25モ
ル%含有するエチレン系共重合体若しくはそのけん化
物、または不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性
したポリオレフイン類(B)97〜3重量%から成る組
成物を最内層に使用し、外層をそれ以外の熱可塑性樹脂
とした場合は組成物の層が流動を起こさず、波しわ、模
様などの形態不良を起こさない上に、EVOH本来の高
度な保存性を備えた包材が得られるという、従来のEV
OH系樹脂に対する常識を覆えす驚くべき事実を確認し
て、本発明を完成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の最内層の組成物を形成す
る樹脂の一つであるEVOHとはエチレンと酢酸ビニル
の共重合体中の酢酸ビニル単位を加水分解したものであ
れば任意のものを含むものであるが、本発明の目的に適
合するものとして、特に、エチレン単位の含量が20〜
65モル%、とりわけ27〜50モル%、酢酸ビニル単
位の鹸化度が96%以上、とりわけ99%以上のものが
挙げられ、メルトインデツクス(190℃、2160
g)の値としては0.2〜60g/10分の範囲が例示
される。
【0011】また、本発明にいうEVOHは5モル%以
下の範囲の共重合モノマーで変性されていてもよく、か
かる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アル
キルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類ああるいはその4級化物、N−
ビニルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−ビニ
ルピロリドン、N−n−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等を例示する
ことができる。
【0012】また、最内層を形成する組成物を形成する
もう一方の樹脂は酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよ
びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一成分
を2〜25モル%含有するエチレン系共重合体若しくは
そのけん化物、または不飽和カルボン酸若しくはその誘
導体で変性したポリオレフイン類である。
【0013】酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメ
タクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一成分を2
〜25モル%含有するエチレン系共重合体若しくはその
けん化物としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体また
はその部分けん化物、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体等が例示される。
【0014】また、不飽和カルボン酸若しくはその誘導
体で変性したポリオレフイン類は、EVOHとの相溶性
をより改良することができる。かかる変性ポリオレフィ
ンとしては、ポリオレフイン類にマレイン酸、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、マレイン
酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、ヤシ油脂肪酸アミド、マレ
イミド等を作用させ変性したものが例示される。
【0015】ここで、変性されるポリオレフィン類とし
ては、高密度、中密度あるいは低密度のポリエチレン、
酢酸ビニル、アクリル酸エステル、あるいはブテン、ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフイ
ン類を共重合したポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポ
リプロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト共重合
したポリプロピレン、あるいはエチレン、ブテン、ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフイン
類を共重合したポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポ
リ4−メチル−1−ペンテンが使用できる。さらにまた
酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エ
ステルから選ばれる少なくとも一成分を2〜25モル%
含有するエチレン系共重合体あるいはそのけん化物もか
かるポリオレフィン類として使用できる。
【0016】なかでも、カルボニル基を10〜1400
ミリモル/100g重合体、特に30〜1200ミリモ
ル/100g重合体の濃度で含有せしめた変性ポリオレ
フイン、とりわけ変性ポリプロピレンがより好ましく使
用できる。
【0017】これらの樹脂(B)をEVOH(A)に配
合したものを最内層に使用することにより形態不良をお
こさず、しかも食品包装体に存在するにおい成分(外層
の樹脂臭、たとえばポリオレフイン臭)の食品への移行
のない、さらに食品中の味覚成分の食品包装体への移行
がないことは意外である。
【0018】かかる顕著な効果をもたらす詳しい機構は
必ずしも明らかではないが、無水マレイン酸で変性した
PP等をEVOHとブレンド使用した場合には98℃の
高温ボイル、120℃のレトルト後等のEVOHの流動
防止に効果があることを考慮すると、熱処理温度より融
点の高い樹脂のブレンドがかかる効果を発揮するものと
信じられる。
【0019】最内層の組成物を形成するEVOH(A)
と酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸
エステルから選ばれる少なくとも一成分を2〜25モル
%含有するエチレン系共重合体若しくはそのけん化物、
または不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性した
ポリオレフイン類(B)の組成比は3〜97重量%:9
7〜3重量%であり、好ましくは55〜95重量%:4
5〜5重量%、更に好ましくは65〜85重量%:15
〜35重量%である。(B)成分が少ないとこの組成物
を最内層とする外層包装体をレトルト処理した時に波し
わ、模様等の形態上の欠点がでる傾向にある。逆に
(B)成分が多いとにおい移行防止性が低下するため、
好ましくない。
【0020】また、最内層の組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲で他のポリマーあるいは酸化防止剤、
紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充
填剤などを添加することができる。他のポリマーとして
は(B)以外のポリオレフイン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂な
どが挙げられる。また、ポリマー以外の添加剤の具体的
な例としては次の様なものが挙げられる。
【0021】安定剤:酢酸カルシウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ハイドロタルサイト類、エチレンジアミン四
酢酸の金属塩等。 酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−
チオビス−(6−t−ブチルフエノール)、2,2’−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフエノー
ル)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフエニル)プロピオネート、4,
4’−チオビス−(6−t−ブチルフエノール)等。 紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3−ジフエニ
ルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’ヒドロキ
シ−3’−t−ブチル−5’−メチルフエニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフエノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メ
トキトベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキ
シベンゾフエノン等。
【0022】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワツクス、流動パラフイ
ン、リン酸エステル等。 帯電防止剤:ペンタエリスリツトモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエ
チレンオキサイド、カーボワツクス等。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
ト等。 着色剤:カーボンブラツク、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ
等。 充填剤:グラスフアイバー、アスベスト、マイカ、セリ
サイト、タルク、ガラスフレーク、バラストナイト、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム
等。
【0023】このうちで、マイカ、セリサイト、タルク
およびガラスフレークから選ばれる粉体5〜60重量%
と上記の樹脂ブレンド組成物95〜40重量%との組成
物を最内層として使用したときは、粉体を使用しない場
合に比較してガスバリヤー性が向上する傾向があり好ま
しい。この方法は主としてカップ、トレー等の容器に対
して応用可能である。
【0024】組成物を得るためのブレンド方法として
は、単軸あるいは二軸スクリュー押出機(同方向あるい
は異方向)、インテンシブミキサー、連続式インテンシ
ブミキサー等による溶融押出後、冷却下にペレツト化す
る方法が用いられる。
【0025】本発明の多層包装体中で、上記組成物はガ
スバリヤー材の役割を担うものであり、特にその厚みは
バリヤー性能に直接影響する。最内層の厚みとしては1
0〜250μの範囲、通常は20〜100μの範囲から
選ばれる。
【0026】本発明において、上記組成物の層は最内層
であることが必須の要件であるが、表面保護を目的とし
て樹脂のラテツクスや溶液を少量コーテイングして保護
層を設けることは本発明の範囲に含まれる。この場合の
樹脂としてはポリアミド系、ポリエステル系、セルロー
ス系、エポキシ系あるいはゴム系などが含まれる。塗工
量は固型分で1〜10g/m2、好ましくは3〜7g/
2である。
【0027】本発明の外層包装体において外層は前記最
内層用樹脂以外の熱可塑性樹脂、好ましくは疎水性熱可
塑性樹脂層であることが重要であり、さらに目的によっ
て耐熱性、透明性等の点を配慮することにより優れた包
材を得ることができる。
【0028】本発明の多層包装体が100℃以下のいわ
ゆるボイル殺菌処理に供される場合は耐熱性の低い樹脂
が使用可能であるが、100℃を越える場合、とりわけ
105℃〜135℃で実施されるレトルト処理に供され
る場合には耐熱性に対する配慮も必要である。
【0029】本発明において外層に用いられる樹脂とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオ
レフイン系樹脂が本発明の目的にとって最も重要であ
る。ポリオレフイン以外にも、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、
ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを
挙げられ、これらの樹脂は単独または2種以上混合され
て、単層あるいは複層として使用される。
【0030】本発明の多層包装体は次のような各種の積
層方法によって製造可能である。すなわち、共押出法、
ドライラミネート法、サンドラミネート法、押出ラミネ
ート法、共押出ラミネート法等である。ドライラミネー
トにおいて外層に使用されるフイルムとしては、ナイロ
ンフイルム(CNあるいはON)の他、無延伸ポリプロ
ピレンフイルム(CCP)、二軸延伸ポリプロピレンフ
イルム(OPP)、ポリエチレンフイルム、ポリ塩化ビ
ニリデンフイルム等が好適である。
【0031】また、本発明の多層包装体を共押出法によ
って作製する場合には外層と内層の主要樹脂は接着性樹
脂をはさんで積層する通常の技術が採用される。接着性
樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレン、あるいは
エチレンとこれと共重合しうるモノマー(酢酸ビニル、
アクリル酸エステルなど)との共重合体等のポリオレフ
イン類を無水マレイン酸などを付加して変性した樹脂等
が使用される。
【0032】外層に使用する樹脂には前述したような酸
化防止剤、着色剤、充填剤等の添加物を添加しても良
い。
【0033】本発明の多層包装体は、用途を限定するも
のではないが、特に、ボイル、レトルト用として使用し
た時、最もその特徴が発揮される。
【0034】フイルム包材の用途としては、蓋材、パウ
チ類、真空包装、スキンパック、深絞り包装、ロケット
包装が挙げられる。ふた材はガスバリヤー材を積層した
ポリプロピレンを主体とした容器にヒートシール法によ
りシール密封する方法が好適である。本発明のふた材は
高度な保存性を有すると同時に、黄味なども帯びていな
いことから商品価値を高め、また内容物を確認しながら
ふたを開封できる長所がある。パウチ類は三方シール、
四方シール、ピロー、ガゼツト、スタンデイングパウチ
などの形態で使用される。また、バツグインボツクスの
形で使用することもできる。本発明の多層包装体はフイ
ルム包装以外にカツプあるいはトレー型の容器としても
優れた性能を発揮する。この場合外層の樹脂としてはポ
リプロピレン、高密度ポリエチレン、耐熱性ポリエステ
ル等を用い、フイルム材より厚く200〜1200μと
する。この容器の成形法としては共押出法によりシート
を作製する方法以外に外層樹脂の厚手のシートに最内層
の組成物を押出ラミネートする方法、あるいは組成物の
フイルムを外層樹脂のシートにドライラミネートあるい
はサンドラミネート法などにより積層後、真空圧空成型
機で深絞り成形する方法が採用される。さらに本発明の
多層包装体は共押出法によるボトル形状あるいはチュー
ブ状となすこともできる。
【0035】本発明の多層包装体は、ふた材、パウチ、
トレー、カップ類、ボトルあるいはチューブの形で使用
されるが、これらはとくにボイル殺菌用またはレトルト
殺菌用の多層包装体として優れた効果を発揮する。
【0036】ここでレトルト殺菌処理、あるいはボイル
殺菌処理としては公知の熱水加熱処理をすることができ
る。レトルト殺菌処理は回収式、置換式、蒸気式、シヤ
ワー式、スプレー式等各種の方法が採用される。
【0037】ボイル殺菌またはレトルト殺菌処理する場
合は、食品を充填してから、必要に応じ公知の手段によ
り内部を脱気状態にして、あるいは窒素ガス、炭酸ガス
などの不活性ガスで内部を置換した後に熱シールなどの
手段で密封し、次いでボイル殺菌またはレトルト殺菌を
行うのが好適である。また本発明の多層包装体は、ボイ
ル殺菌またはレトルト殺菌処理することなく、そのまま
食品を充填して使用することもできる。充填する食品と
しては、そのまま喫食されるか、喫食に先立って加温さ
れるような調理済みまたは半調理の食品類が適してい
る。次に食品類の例を示す。
【0038】かつお節、のり、茶、ハム、ソーセージ等
の畜肉加工品、米菓子、カステラ、パン、豆菓子、ケー
キ類、米、インスタントラーメン、スナック食品、漬
物、かまぼこ、ちくわ等の水産ねり製品、佃煮、味噌、
液体スープ、チーズ製品、ふりかけ類。
【0039】次に殺菌が必要なものとしては調理済みカ
レー、調理済みハヤシ、ビーフシチュー、ボルシチ、ミ
ートソース、酢豚、すき焼、中華あん、八宝菜、肉じや
が、おでん、アスパラガスゆで煮、スイートコーン、マ
ツシユルーム、ツナクリーム煮、コンソメ、ポタージユ
等の各種スープ類、味噌汁、豚汁、けんちん汁、米飯、
赤飯、釜飯、炊飯、ピラフ、粥類、スパゲテイ、そば、
うどん、ラーメン、ヌードル、釜飯の素、中華そばの素
等の添加用食品類、ゆであずき、ぜんざい、あんみつ、
肉団子、ハンバーグ、ビーフステーキ、ローストポー
ク、ポークソテー、コンビーフ、ハム、ソーセージ、焼
魚、焼肉、焼鳥、ローストチキン、ポークケチャツプ、
魚肉くんせい、ベーコン、かまぼこ、プリン、ゼリー、
ようかん、各種ペットフード類。また、本発明の多層包
装体はミカン、ピーチ、パイナツプル、チェリー、オリ
ーブ等の果実製品、しょう油、ソース、食酢、みりん、
ドレッシング、マヨネーズ、ケチャツプ、食用油、味
噌、ラードなどの調味料、豆腐、ジャム、バター、マー
ガリン、果実ジュース、野菜ジュース、ビール、コー
ラ、レモネード、清酒、焼酎、果実酒、ワイン、ウイス
キー、ブランデーなどの容器としても優れている。ま
た、リンゲル液のような医薬、農薬、化粧品、洗剤、ベ
ンゼル、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチル
ケトン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭
素、ガソリン、灯油、石油ベンジン、シンナー、グリー
ス等の有機液状薬品のための容器としても用いることが
できる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する。
なお部は重量部を示している。 実施例1 EVOH(A)として、エチレンモノマー単位の含量が
44モル%、ケン化度が99.8モル%、メルトインデ
ツクス(190℃、2160g)が5.5g/10mi
nの樹脂ペレツト80部と、(B)としてエチレン−酢
酸ビニル共重合体部分けん化物(エチレン含量89モル
%、けん化度82%)を20部ドライブレンド後、径3
0mmの同方向二軸押出機(ダイ温度230℃)で溶融
押出しし、ブレンドペレツトを得た。このプレンドペレ
ツトを乾燥し、組成物(1)を得た。
【0041】これを用いて、径40mmのフルフライト
型スクリユーと550mm巾のコートハンガーダイ(温
度230℃)を有する押出機を用いて製膜し、厚み50
μの透明なフイルムを得た。このフイルムに二軸延伸ポ
リプロピレンフイルム(面積延伸倍率50倍、20μ)
をドライラミネートした。ドライラミネート用接着剤と
しては、ウレタン系接着剤{タケラツクA−385(武
田薬品工業(株)製)を主剤とし、タケネートA−50
(武田薬品工業(株)製)を硬化剤とするもの}を使用
し、ラミネート後40℃、3日間養生を実施した。この
積層フイルムをヒートシーラーで圧力0.5kg/cm
2、ヒーター表面温度135℃、時間2秒で内層同志を
ヒートシールし、三方をヒートシールし10×10cm
大の袋状にした。内容物として、カレーを充填し、最後
に一辺をシールしパウチテストサンプル(1)を得た。
【0042】又、100ccのガラスびんにカレーを充
填し、アルミキャツプで密封し、対照サンプル(0)を
準備した。
【0043】上記サンプルをレトルト装置((株)日阪
製作所製、高温高圧調理殺菌試験機RCS−40RTG
N)を使用し、120℃30分のレトルト処理を実施し
た。レトルト後、袋内部の貼り付きシール部の破れなど
なく、また最内層の波しわなどの形態不良も認められな
かった。
【0044】このサンプル(1)を20℃65%RH中
で、対照サンプル(0)を冷蔵庫(5℃)に保存した。
3ヶ月後両者を開封し、年齢、性別を無作為に選んだパ
ネラー10人で評価したところ、10人中9人が味、に
おい、色に変化を認めなかった。
【0045】比較例1 実施例1において、内層フイルムに代えて無延伸ポリプ
ロピレンフイルム(厚さ50μ)を使用し、他は同様に
して多層フイルムを得た後、カレーを充填し、レトルト
実施した。レトルト後、最内層の波しわなどの形態不良
も認められず良好であったが、3ヶ月後、内容物はにお
い、味に変化がみられた(10人中10人が認め
た。)。特にプラスチック特有のにおいを感じ、風味が
少なくなったという指摘が多かった。
【0046】比較例2 実施例1において、内層フイルムに代えて、EVOH
(エチレンモノマー含量44モル%)を用いて製膜した
厚さ50μのフイルムを用いて、多層フイルムを得て、
カレーを充填後レトルトした。レトルト後、内層同志の
貼り付き、シール部の破れが発生し、実用に耐えなかっ
た。またシール部に破れが生じなかったものを3ヶ月放
置し、内容物を調べた。その結果、内容物の風味に変化
がみられ、またポリオレフイン臭がみとめられた。
【0047】比較例3 実施例1の多層構成を、外層と内層を逆にし外層を実施
例1のフイルム、内層をCPPとしたものを作製し、充
填後、レトルトした。得られた袋は、レトルト後に形態
不良が認められた。又得られた袋を3ヶ月保存し、同様
に評価したところ内容物の味、風味には変化が認められ
た(10人中10人)。
【0048】実施例2 (B)として無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用
い、実施例1の内層材の組成を変えてテストを実施した
が、形態不良はなく3ヶ月後の味、におい、色は10人
中9人が変化を認めなかった。
【0049】比較例4〜6 表1に示す通り比較例1、2、3において120℃30
分のレトルト処理に代え、98℃30分のボイルを実施
したところ、同様な問題点が発生した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の多層包装体は、形態不良をおこ
さず、しかもガスバリヤー性を有し、さらに食品包装体
中に存在するにおい成分の食品への移行のない、さらに
また食品中の味覚成分の食品包装体への移行が少ないも
ので、とくにボイル殺菌レトルト殺菌用に適するもので
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンモノマー単位を20〜65モル
    %含むエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)3〜
    97重量%と、酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよび
    メタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一成分を
    2〜25モル%含有するエチレン系共重合体若しくはそ
    のけん化物、または不飽和カルボン酸若しくはその誘導
    体で変性したポリオレフイン類(B)97〜3重量%か
    らなる組成物の層を最内層とし、前記組成物以外の熱可
    塑性樹脂の層を外層とする少なくとも二層からなる多層
    包装体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層包装体からなる、ボ
    イル殺菌、またはレトルト殺菌用多層包装体。
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