JP3066052B2 - 多層包装体 - Google Patents

多層包装体

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JP3066052B2 JP2253713A JP25371390A JP3066052B2 JP 3066052 B2 JP3066052 B2 JP 3066052B2 JP 2253713 A JP2253713 A JP 2253713A JP 25371390 A JP25371390 A JP 25371390A JP 3066052 B2 JP3066052 B2 JP 3066052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.本発明の技術分野 本発明は高度のガスバリヤ−性を有するが故に食品な
どの保存性に優れた多層構造体および多層包装体に関
し、とりわけ、高度なガスバリヤ−性および優れた透明
性を合わせ持つ点で、従来例を見ないレトルト殺菌用包
材に関する。
B.従来技術 透明なプラスチック系包装材料、特にフィルム系包装
材料は、軽量である点、電子レンジ等による加熱ができ
る点、内容物が見える点などを大きな特徴としてレトル
トあるいはボイル殺菌食品などに広範に使用されてい
る。しかし、プラスチックフィルムはそのガスバリヤ−
性、とくに酸素ガスバリヤ−性が不足しているために、
限られた用途のみに使用されているが現状である。
エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体樹脂(以下、EV
OHと省略することがある。)は現在最高のガスバリヤ−
性を有する熱可塑性樹脂であることは周知の事実である
が、これをレトルト用フィルムに応用した場合、EVOH層
の吸水によりレトルト処理後、白味が残り、さらに層間
剥離など外観不良が起こるという問題点がある。これに
対し、特開平1−253442にはEVOHにポリアミド系樹脂な
どをブレンドした樹脂を中間層とし、外層材に透湿度の
高い樹脂を使用し、内層材に外層材より透湿度の低い樹
脂を使用したレトルト可能な透明性、ガスバリヤ−性に
優れるフィルムについての記載があるが、金属化合物を
含有させることの記述はない。また、特開昭62−225535
には、EVOHとPAの系に水溶性の金属塩などを添加する記
載があるが目的が異なっており。従って構成、使用目的
が本発明と異なっている。
C.本発明が解決しようとする課題 特開平1−253442に記載の多層フィルムで実用上の問
題点について述べる。例えば、PA15μ/EVOHとPAブレン
ドの無延伸層15μ/PP50μの多層フィルムは、レトルト
直後白化するが、短時間で完全に透明化する。これは、
上記特許に記載された通りである。しかし、レトルト
後、透明化した多層フィルムの表面に水滴が長時間付着
した場合に、フィルムが白化(以下、「再白化」と呼
ぶ)し、その後水滴を取り去っても、白味が残存してい
る(以下、「再白化の残存」と呼ぶ)。再白化自体は大
きな問題ではないが、再白化の残存は外観上問題であ
る。実際の使用において、雨による水滴付着、小売店で
の陳列棚における結露によって再白化、再白化の残存が
発声することが予測され、二重包装の使用などの制限が
あった。
但し、上記構成において、中間層を二軸延伸した場合
は、再白化は発声するが、付着水を取り去ることにより
透明性が回復し、再白化の残存が見られないのでこの系
は使用できた。しかし、例えば共押出フィルム等、二軸
延伸しないフィルムの用途も多く、この問題の解決を強
く要求されていた。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、再白化、再白化残存現象について詳し
く観察するとともに、この改善方法について検討した。
その結果、中間層(B)に、金属化合物を添加した場合
に再白化の残存が完全に解消されるという極めて有用な
結果を見出だした。
再白化、再白化の残存現象の状態、発声メカニズム、
改良メカニズムについて十分明らかでないが、EVOH、あ
るいはPAと相互作用の大きい金属化合物を添加した際の
効果が大きいこと、水溶性の化合物として添加した場合
に効果が大きいこと等から、水の存在下において、EVOH
とPAの一種の相溶化剤的な効果を持つのではないかと考
察している。
中間層(B)を形成する樹脂の一つであるエチレン−
ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)とはエチレンと酢酸
ビニルの共重合体中酢酸ビニル単位を加水分解したもの
であれば任意の物を含むものであるが、本発明の目的に
適合するものとして特にエチレン単位の含有量が20〜65
モル%、好適には20〜50モル%、とりわけ27〜45モル
%、酢酸ビニル単位の鹸化度が96%以上、とりわけ99%
以上のものが挙げられ、メルトインデックス(190℃、2
160g)の値としては0.2〜60g/10分の範囲が例示され
る。また、本発明にいうEVOHは5モル%以下の範囲の共
重合モノマ−で変性されていてもよく、かかる変性モノ
マ−としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1ペンテン、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、高級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエ−テ
ル、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミ
ド類およびはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N,
N−ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメ
チルメトキシシラン等を例示することができる。
また、中間層(B)を形成する、一方の樹脂であるポ
リアミド系樹脂(PA)としては、ポリカプラミド(ナイ
ロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−
7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポ
リウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラ
クタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパ
ミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジバミ
ド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド
(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド
(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナ
イロン−10,8)、あるいは、カプロラクタム/ラウリル
ラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム
/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カ
プロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジ−ト
共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘ
キサメチレンジアンモニウムアジペ−ト共重合体(ナイ
ロン−12/6,6)、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
−ト/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケ−ト共重合
体(ナイロン−6,6/6,10)、エチレンジアンモニウムア
ジペ−ト/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ−ト共
重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペ−ト/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケ−ト共重合体(ナイロン−6/6,6/
6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘ
キサメチレンテレフタルアミド、ヘキサメチレンイソフ
タルアミド/テレフタルアミド共重合体などが挙げられ
る。これらのPA類をメチルベンジルアミン、メタキシリ
レンジアミンのような芳香族アミンにより変性したもの
も好ましい。またメタキシリレンジアンモニウムアジペ
−トも好ましい。
これらのPA類は一種あるいは二種以上混合した形で使
用できる。
これらのPA類の中で、本発明に最も好適なものとして
はカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体、すなわ
ちナイロン−6/12を主成分とするものが挙げられる。ナ
イロン−6/12における6成分と12成分の組成は特に制限
はないが12成分が5〜60重量%、より好ましくは5〜50
%であるものが好ましい。また、その相対粘度は2.0〜
4.0、より好ましくは2.4〜3.9、の範囲である。
これらのPA類、とりわけナイロン−6/12の縮重合時に
ポリエ−テルジアミン類とジカルボン酸(ダイマ−類
等)を添加して、高分子鎖中にポリエ−テル結合を有す
るポリアミドとしても良い。また、縮合時に、NH3のよ
うなモノアミンやヘキサメチレンジアミンやラウリルア
ミンのような脂肪族アミンやメタキシリレンジアミンの
ような芳香族アミンを添加して、ポリアミド中のカルボ
キシル末端求の量を減少させたものも好ましい。その場
合、アミノ基が5×10-5当量/g以上でかつカルボキシル
末端基が3×10-5当量/g以下とすると良い。
さらに、中間層(B)に添加される金属化合物の成分
である金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、ホウ素、珪素、アルミニウム、鉄、亜鉛、リンなど
があげられる。これらの添加に際して化合物の形は制限
されるものではないが、水溶性、あるいはアルコ−ル可
溶性の化合物が好ましい。例えば、塩化物、炭酸塩、水
酸化物、硫化物、酢酸塩などの塩類、金属アルコキシ
ド、シラン系カップリング剤が挙げられる。このうち好
適には、塩化物、硝酸塩、水酸化物、金属アルコラ−
ト、金属アルコキシドが挙げられる。
さらに具体的には、塩化リチウム、水酸化リチウム、
塩化ナトリウム、水酸化ナトリムウ、塩化カリウム、水
酸化カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硝酸アル
ムニウム、塩化第2鉄、塩化亜鉛、ホウ酸ナトリウム、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエ
トキシフェニルシラン、トリエトキシボラン、チタニウ
ムテトライソプロポキシドなどが例示される。
中間層(B)を形成するEVOHとPA、金属との組成比
は、50〜97重量%:45〜3重量%:0.005〜5重量%であ
り、好適には65〜85重量%:15〜35重量%:0.01〜2重量
%である。PAの成分が少ないと多層包装体をレトルト処
理したときに、波しわ、模様等の外観に欠点が出る傾向
がある。金属含量が少ないと再白化の残存が発生し、逆
に多いと、成形時のゲルの発生、フィルムの着色、強度
低下のため好ましくない。
また、中間層(B)には、本発明の目的を損わない範
囲で他のポリマ−あるいは、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などを
添加することもできる。その他のポリマ−としてはポリ
プロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げ
られる。さらには、酢酸ビニル、アクリル酸エステルお
よびメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一成
分単位を2〜25モル%含有するエチレン系不飽和単量体
(例、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類)との
共重合体あるいはそのけん化物をブレンドすることによ
り積層構造体に柔軟性を付与することも可能である。ま
た、ポリマ−以外の添加剤の具体例としては次のような
ものが挙げられる。
安定剤:ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト
類、の金属塩等。
酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、4,4−チオビス−
(6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2′−メチレン−ビ
ス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、オク
タデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネ−ト、4,4′−チオビス
−(6−t−ブチルフェノ−ル)等。
紫外線吸収剤:エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニ
ルアクリルレ−ト、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒド
ロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジオクチル、ワックス、硫酸パラフィン、リン酸エス
テル等。
帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレ−ト、ソ
ルビタンモノパルミテ−ト、硫酸化オレイン酸、ポリエ
チレンオキシド、カ−ボンワックス等。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレ−
ト等。
着色剤:カ−ボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ
等。
充填剤:グラスファイバ−、アスベスト、マイカ、セリ
サイト、タルク、ガラスフレ−ク、バラストナイトケイ
酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、モンモリロナイト
等。
とくにマイカ、セリサイト、タルクおよびガラスフレ
−ク、モンモリロナイトから選ばれる充填剤5〜60重量
%と上記の組成物(EVOHとPAなどと組成物)95〜40重量
%との組成物を層(B)として用いたとき、ガスバリヤ
−性が向上するので好ましい。これは主としてはカッ
プ、トレ−などの容器に対して応用可能である。
上記無機充填材のうち、モンモリロナイトで代表され
る水膨潤性のフィロケイ酸塩は、通常の溶融ブレンド法
でも混練できるが、以下に示す方法で混合すると少量の
充填量で効果が発揮され、さらに好ましい。
水を分散媒とするコロイド状のモンモリロナイト分散
液にメチルアルコ−ル、n−プロパノ−ルあるいはイソ
プロピルアルコ−ルなどのアルコ−ル、水およびEVOHを
添加・加熱かく拌しEVOHを溶解後、通常の方法、すなわ
ち溶液を冷却固化後、粉砕、乾燥し、ペレット化による
方法を適用することができる。また、上記のアルコ−ル
−水混合溶媒などに加熱溶解したEVOH溶液にモンモリロ
ナイトを添加・かく拌後、前記の方法を適用するやり方
をとってもよい。あるいは、該EVOH溶液と水あるいは前
記アルコ−ル水混合溶媒などを分散媒としてゾルを形成
しているコロイド状のモンモリロナイト分散液とを混合
・かく拌後、前記の方法を適用してもよい。あるいは、
所望の量のモンモリロナイトが均一に分散したEVOH組成
物を得る際、予め前述の方法でモンモリロナイトで高濃
度で含むEVOH組成物を作成し、これを最終的な希望濃度
となるように使用してもよい。また、ベント式混練押出
機を使用し、EVOHの融点以上で溶融している中にモンモ
リロナイトの水系ゾルを滴下させ、混練を実施する方法
も適用できる。
中間層(B)を形成する組成物を得るためのブレンド
方法としては、単軸あるいは二軸スクリュ−押出機(同
方向あるいは異方向)、インテンシブミキサ−、連続式
インテンシブミキサ−等による溶融押出後、冷却下にペ
レット化する方法が用いられる。
このようにして得られた組成物は溶融成形後、シ−
ト、フィルムとし、中間層(B)として使用される。成
形法は、特に規定されないが、通常の方法を使用するこ
とができる。また、EVOHとPAの組成物からなるフィル
ム、シ−トを成形後、金属化合物を溶解した溶液中に保
持し、金属化合物とフィルム、シ−ト中に含ませる方法
も好ましい。また、中間層(B)を二軸延伸(一軸延伸
または二軸延伸)して用いる異も可能である。
本発明の多層包装体中で、中間層(B)はガスバリヤ
−材の役割を担うものであり、特にその厚みはバリヤ−
性能に直接影響する。中間層(B)の厚みとしては10〜
250μの範囲、通常15〜100μの範囲から選ばれる。
中間層(B)には、必要に応じて、無機膜を積層する
こともできる。ここで無機膜は、透明性のある無機膜が
好ましい。特に、無機酸化物膜、窒化物膜がコスト、膜
強度などの点で好ましい。例えば、酸化アルミニウム
(AlOx)類、酸化珪素(SiOx)類、酸化ホウ素(BOx
下略)類、酸化ジルコニウム類、酸化チタン類,酸化マ
グネシウム類、窒化アルミニウム類、窒化珪素類などが
あげられる。他に、フッ素化物、アルカリあるいはアル
カリ土類酸化物、これらの複素の化合物などがあげられ
る。
これらの無機膜は代表的には蒸着法により積層され、
中間層(B)の片面のみに積層してもよいし、また両面
に積層しても良い。片面のみに積層する場合はとくにレ
トルト用の場合は中間層(B)の内側(包装体に充填す
る内容物側)に設けることが好ましい。また無機膜は薄
膜で充分であるが、その厚みは100Å〜500Å、好適には
200〜400Åである。
外層(A)の透湿度は本発明の多層包装体、とりわけ
多層フィルム系包材のレトルト処理後の外観とガスバリ
ヤ−性に影響を与える故に注意深い選択が必要である。
また、本発明の多層包装体が100℃以下のいわゆるボイ
ル殺菌処理に供給される場合は耐熱性の低い樹脂が使用
可能であるが、100℃を越える場合、とりわけ105〜135
℃で実施されるレトルト処理に供される場合には耐熱性
に対する配慮も必要である。さらに本発明においては、
外層の透湿性を高くするほどレトルト後の外観とガスハ
リヤ−性に好影響をおよぼすなど良好な結果となること
が見出だされた。透湿性を評価する方法としてはJIS−
Z−0208に示された方法、すなわち、吸湿剤を入れたカ
ップに任意の厚みのフィルムを取り付け、密封、固定し
た後、40℃、相対湿度90%に調節された恒温恒湿装置内
に放置し、重量増加速度を測定することにより求める方
法が便利である。この方法により測定された透湿度(単
位g/m2・day)が40以上の値、とりわけ50以上、さらに
好ましくは100以上の値を示す樹脂外層(A)を使用し
た場合にはレトルト処理後の保存時のガスバリヤ−性の
回復が速い。
本発明においては、好適に用いられる外層(A)の樹
脂はPA、ポリエステル、ポリカ−ボネ−トであり、最も
好適に用いられる外層用の樹脂はPAである。その例とし
ては前述したような各種PAを挙げることができるが、と
りわけナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン6/6,6等
が挙げられる。この樹脂の厚みは10μあたりの透湿度は
無延伸品で900〜1100g/m2・dayである。透湿度は、樹脂
層(A)の厚みにほぼ比例する。よって薄いほうが好ま
しいが、樹脂によっては薄く成形できないもの、薄くし
たゆえに強度など不良が発生する場合があり、各樹脂に
よって好適な範囲は少し異なる。
無延伸ナイロンであれば275μ以下、とりわけ10μ以
下、さらに好ましくは15〜40μで使用される。二軸延伸
ナイロンであれば97μ以下、とりわけ、39μ以下、さら
に好ましくは10〜20μの厚みで使用できる。他の樹脂と
してはポリカ−ボネ−ト樹脂(10μ厚みの透湿度が120
〜150g/m2・dayを挙げることができ、10〜38μの厚みの
範囲で使用することが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂も本発明の目的に採用し得
る。とりわけポリエチレンテレフタレ−ト樹脂は延伸フ
ィルムの透湿度が厚み10μあたりで60g/m2・dayである
ので15μ以下で使用されることが好ましい。
その他本発明の目的に使用可能な、外層多(A)に用
いられる樹脂のフィルム10μあたりの透湿度(カッコ内
に表示)を示す。ポリエ−テルケトン(143)、ポリサ
ルフォン(490)、ポリエ−テルサルフォン(500)、ポ
リエ−テルイミド(218)、ポリイミド(208)、ポリア
リレ−ト(510)。一方、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ンは透湿度が高い点は、本発明の多層包装体の構成に適
しているが、耐熱性が低いため、低温の殺菌などの特殊
な用途に限定される。また、ポリプロピレンは透湿性が
低い(10μあたりで14〜35g/m2・day)ため、通常その
使用は困難である。ポリエチレン類も透湿性が低く、耐
熱性も低いため適していない。
外層(A)としては市販のフィルムが使用でき、無延
伸ナイロンフィルム(CN)、二軸延伸ナイロンフィルム
(ON)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム
(O−PET)、ポリカ−ボネ−トフィルムなどが好適あ
るが、とくに二軸延伸フィルムが最良である。
外層(A)に使用する樹脂の透湿度は、単層フィルム
の透湿度が測定可能で、これをドライラミネ−ト法で積
層したものについてはその単層フィルムの透湿度の値と
することが出来る。ドライラミネ−トにおける接着剤の
透湿度に与える影響は小さく、考慮しない。既に積層さ
れている多層包装体(ラミネ−ト品あるいは共押出品)
については外奏に使用されている樹脂を単層で製膜した
フィルムの透湿度をもって多層包装体の外層の透湿度の
値に代用することができる。外層が2層以上よりなる場
合には構成する樹脂の各々について単層で製膜したフィ
ルムの透湿度から多層からなる外層の透湿度を常法によ
り求めることができる。この透湿度の考え方は以下に述
べる内層についても適用できる。
本発明の多層包装体において内層(C)は透湿度が低
いことが重要である。内層に使用される低吸水性熱可塑
性樹脂としては特に制限はないが、目的によっては透湿
性、耐熱性、ヒ−トシ−ル性、透明性等の点を配慮する
ことにより優れた包材を得ることができる。
まず、一般的に内層の透湿度が低いほど得られる多層
構造体の酸素ガスバリヤ−性を高度なものとすることが
できる。これは、内層の透湿度が低いほど中間層の相対
温度が低くなるためと信じられる。前述した透湿度で20
g/m2・day以下、さらに好ましくは10g/m2・day以下とす
ることが好ましく、例えばポリプロピレエン60μ(透湿
度6g/m2・day)を用いることにより好適な結果が得られ
る。ポリプロピレンは耐熱性、ヒ−トシ−ル性、透明性
の点から満足できる結果を得ることができる。多くの目
的に対してはポリプロピレンが内層用の樹脂として好適
であるが、他の熱可塑性樹脂も使用可能である。例とし
ては、ポリプロピレン以外のポリオレフィン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩
化ビニリデン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリカ−
ボネ−ト系樹脂などが挙げられ、これらの樹脂が単独あ
るいは積層して使用される。
内層(C)に使用されるフィルムとしては、ナイロン
フィルム(CNあるいはON),無延伸ポリプロピレンフィ
ルム(CPP)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(CP
P)、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム等が好適であるが、レトルト性、ヒ−トシ−ル性を
重視した場合、最内層は無延伸ポリプロピレンフィルム
の使用が望ましい。
内層(C)の透湿度を低くするには樹脂を選択する
か、または内層、外層の厚さ比などを調整することによ
り達成される。また、本発明の積層構造体の一部の層を
共押出法によって作成する場合には中間層と内層の主要
樹脂は接着性樹脂をはさんで積層する通常の技術が使用
される。装着性樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチ
レン、あるいはエチレンとこれと共重合しうるモノマ−
(酢酸ビニル、アクリル酸エステルなど)との共重合体
等のポリオレフィン類を無水マレイン酸などを付加して
変性した樹脂等が使用される。
外層あるいは内層に使用する樹脂には前述したような
酸化防止剤、着色剤、充填剤等の添加物を添加しても良
い。
本発明の多層構造体は次のような各種の積層方法によ
って製造可能である。共押出法、ドライラミネ−ト法、
サンドラミネ−ト法、押出ラミネ−ト法、共押出法にお
いて、外層にPAを用いる場合は中間層との間に接着性樹
脂層を必要としない場合があり、工程上有利である。装
着性樹脂を設ける場合には外層と接着性樹脂層を合わせ
た透湿度ができるだけ高くなるように、とりわけ40g/m2
・day以上となるように配慮することが好ましい。ドラ
イラミネ−トは外層。中間層、および内層の3種あるい
はそれ以上のフィルムを貼り合わせ方法が一般的であ
る。従って、無機膜は必要に応じて、貼り合わせ前に、
希望の位置に蒸着法により積層することになる。
本発明の多層構造体および多層包装体の層構成として
は、他に、次のものも使用できる。(A)/(B)/
(A)/(C)、(A)/(B)/(A)/(B)
(C)。これらの各層間には必要に応じ接着層を設ける
ことは自由であるし、また各層間にその他の層、例えば
樹脂層を設けることも自由である。
本発明の多層包装体はフィルム包材、とりわけレトル
ト用のフィルム包材として使用した時、最もその特徴が
発揮される。フィルム包材の用途としては蓋材、パウチ
類、真空包装、スキンパック、深絞り包装、ロケット包
装が挙げられる。蓋材はガスバリヤ−材を積層したポリ
プロピレンを主体とした容器にヒ−トシ−ル法によりシ
−ル密封する方法が好適である。本発明の蓋材は高度の
保有性を有すると同時に透明性に優れ、黄色味なども帯
びていないことから商品価値を高め、また内容物を確認
しながらふたを開封できる長所がある。パウチ類は三方
シ−ル、四方シ−ル、ピロ−、ガゼット、スタンディン
グパウチなどの形態で使用される。また、バックインバ
ックスの形で使用することもできる。本発明の多層包装
体はフィルム包装以外にカップあるいはトレ−型の容器
としても優れた性能を発揮する。この場合内層の樹脂と
してはポリプロピレン、高密度ポリエチレン、耐熱性ポ
リエステル等を用い、フィルム材より厚く200〜1200μ
とするのが好ましい。この容器の成形法としては内層樹
脂の厚手のシ−トに外層のナイロンと中間層の組成物を
共押出ラミネ−トする方法、あるいはナイロンフィルム
と組成物のフィルムの積層体(ドライラミネ−トあるい
は共押出法による)を内層樹脂のシ−トにドライラミネ
−トあるいはサンドラミネ−ト法などにより積層後、真
空圧空感型機で深絞り成形する方法が好適に採用され
る。
本発明の外層包装体を蓋材、パウチ、トレ−、カップ
類の形で使用した容器はレトルト処理、あるいはボイル
殺菌処理されるが、これらの処理法としては公知の熱水
加熱処理方法および条件を採用することができる。レト
ルト処理は回収式、置換式、蒸気式、シャワ−式、スプ
レ−式等各種の方法が採用される。レトルト処理を実施
した直後は、本発明の包材は白色不透明になりやすい。
例えば、本発明の多層包装体のうちフィルム包材とし
て好適な例としては外層に無延伸ナイロン−6フィルム
(30μ、透湿度300g/m2・day)、中間層にEVOHとナイロ
ン−6/12の80:20の重量部の組成物のフィルム(50μ)
の内側に無機蒸着したのち、さらに内層として無延伸ポ
リプロピレンのフィルム(60μ、透湿度6g/m2・day)を
ドライラミネ−ト法で積層したフィルムであるが、この
フィルムを蓋材あるいはパウチとして使用したものをレ
トルト(120℃、30分)処理するとレトルト処理直後は
白色不透明化する。しかし、風乾後は、完全に透明化す
る。酸素ガス透過度(以下OTR)も12時間以内にその平
衡値に達する。より確実に透明化とOTRの回復を計る場
合には通常より強化した乾燥を実施すれば良い。
このようにして得た多層フィルムは保存中に水に接触
した場合に再白化するものの、表面水を取り去れば、再
び完全に透明性が回復する。
上述した本発明の多層包装体は食品を充填してから必
要に応じて公知の手段により内部を脱気状態にしてある
いは窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスを置換した後
に熱シ−ルなどの手段で密封し、次いでボイル殺菌また
はレドルト殺菌を行う。
所頻としては、そのまま喫食するか、喫食に先立って
加温されるような調理済みまたは半調理の食品類が適し
ている。次に食品の例を示す。
調理済みカレ−、調理済みハヤシ、ビ−フシチュ−、
ボルシチ、ミ−トソ−ス、酢豚、すき焼き、中華あん、
八宝菜、肉じゃが、おでん、アスパラガスゆで煮、スイ
−トコ−ン、マッシュル−ム、ツナクリ−ム煮、コンソ
メ、ポタ−ジュ等の各ス−プ類、味噌汁、豚汁、けんち
ん汁、米飯、赤飯、釜飯、炒飯、ピラフ、粥類、スパゲ
ッティ、そば、うどん、ラ−メン、ヌ−ドル、釜飯の
素、中華そばの素などの添付用食品類、ゆで小豆、ぜん
ざい、あんみつ、肉団子、ハンバ−グ、ビ−フステ−
キ、ロ−ストポ−ク、ポ−クソテ−、コ−ンビ−フ、ハ
ム、ソ−セ−ジ、焼魚、焼肉、焼き鳥、ロ−スチキン、
ポ−クケッチャップ、魚肉くんせい、ベ−コン、かまぼ
こ、プリン、ゼリ−、ようかん、各種ペットフ−ド類。
また、本発明の多層包装体はミカン、ピ−チ、パイナッ
プル、チェリ−、オリ−ブ等の果実製品、醤油、ソ−
ス、食酢、みりん、ドレッシング、マヨネ−ズ、ケッチ
ャプ、食用油、味噌、ラ−ドなどの調味料、豆腐、ジャ
ム、バタ−、マ−ガリン、果実ジュ−ス、野菜ジュ−
ス、ビ−ル、コ−ラ、レモネ−ド、清酒、焼酎、果実
酒、ワイン、ウイスキ−、ブランデ−などの容器として
も優れている。また、リンゲ液のような医薬、農薬、化
粧品、洗剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセト
ン、メチルエチルケトン、ノルマルヘキサン、シクロヘ
キサン、四塩化炭素、ガソリン、灯油、石油ベンジン、
シンナ−、グリ−ス等の有機液状薬品、ビタミン剤、ブ
ドウ糖などの医療用薬液のための容器としても用いる事
ができる。
E.実施例 実施例1 EVOHとしてエチレンモノマ−単位の含量が28モル%、
鹸化度が99.8%、メルトインデックス(190℃2160g)が
1.2g/10minの樹脂ペレット79%とPAとしてPA−6/12共重
合体[カプロラクタムの単位とラウリルラクタムの単位
の重量比が80/20で、融点が196℃、相対粘度が2.5]20
%および塩化リチウム1%(リチウム原素にして0.0233
mol/樹脂100g)をドライブレンド後、径30mmの同方向二
軸押出機(ダイ温度230℃)で溶融押出し、ブレンドペ
レットを得た。このブレンドペレットを乾燥した後、径
40mmのフルフライト型スクリュ−と500mm巾のコ−トハ
ンガ−ダイ(温度230℃)を有する押出機を用いて製膜
を実施し、厚み15μの組成物の透明な無延伸フィルムを
得た。
次に、このフィルムを中間層に用い、外層に市販の二
軸延伸ナイロン−6フィルム(ユニチカエンブレムON、
厚み15μ、透湿度260g/m2・day),内層に市販の無延伸
ポリプロピレンフィルム(ト−セロCP,厚み60μ、透湿
度7g/m2・day)を用い、ドライラミネ−トを実施し、3
層の透明なフィルムを得た。ドライラミネ−ト用接着剤
としてはタケラックA−385(武田薬品工業(株)製)
を主剤としてタケネ−トA−10(武田薬品工業(株)
製)を硬化剤として使用した。接着剤の塗布量は4.0g/m
2であった。ラミネ−ト後、40℃、3日間養生を実施し
た。
このフィルムを10×10cm内寸の四方シ−ルしたパウチ
とした。内容物は水とした。これをレトルト装置
((株)日坂製作所製、高温高圧調理殺菌試験機、RCS
−40RTGN)を使用して、120℃で30分のレトルト処理を
実施した。
レトルト処理後、フィルムは白味を帯びていたが、レ
トルト処理後約2時間でフィルムは透明となり、また、
デラミ等も無く外観良好であった。
レトルト1日後、透明化したパウチ表面に水で濡れた
紙を帯、濡れたままでさらに1日置いた。パウチ表面
は、まだらに白化していた。しかし、表面水を拭き取る
と、約30分で完全に透明性が回復した。
また、同様にレトルトしたパウチより、フィルムを切
り出しOX−TRAN−10/50A(MOCON社)にて、外側65%RH,
内側100%RHの条件で酸素透過量を測定した。レトルト
後約12時間で1.2cc/m2・day・atm(このときフィルムは
透明化していた)。さらに、再白化後再び透明化したフ
ィルムの酸素透過量も1.2cc/m2・day・atmであった。
比較例1 実施例1において、金属塩を添加しないで、他は同様
にして多層フィルムを得、パウチとした。以下も同様に
レトルトを実施した。このパウチもレトルト後約2時間
で透明化した。1日保存したのち、表面に濡れた紙を
置き1日保存した後は、まだらに白化していた。風乾し
た後も一部白化が残っていた。
実施例2〜5 実施例1において塩化リチウムに替え、硝酸カルシウ
ム(Ca(NO3)4.0g(Ca原子0.024mol/樹脂100g)
(実施例2)、硝酸アルミニウム(Al(NO3)5.0g
(Al原子0.023mol/樹脂100g)(実施例3)、酢酸ナト
リウム(CH3COONa)2.0g(Na原子0.024mol/樹脂100g)
(実施例4)、ホウ酸(H3BO4)1.4g(B原子0.023mol/
樹脂100g)(実施例5)を添加し、他は同様に評価し
た。いずれも再白化の残存が無く透明性良好なフィルム
が得られた。
実施例6 4台の押出機とTダイを有するフィ−ドブロック型共
押出装置を使用して4層からなる共押出多層フィルムを
製作した。構成は外側からポリアミド(三菱化成工業
(株)製ノバミッド1020、厚み15μm、透湿度373g/m2
・day)、実施例1で用いた組成物(厚み15μ)、接着
性樹脂(三井石油化学(株)製アドマ−QF−500,厚み10
μ),ポリプロピレン(三菱油化(株)製PY−220,厚み
50μ、透明度6g/m2・day)であった。以下は実施例1同
様に実施した。レトルト後の透明回復性は良好で、水付
着後の再白化の残存もなかった。
実施例7 実施例6と同様にして、多層シ−トを得て、真空圧空
成型機((株)浅野製作所製)を用い熱成形し、口径7c
m、高さ3.5cm.底面径6cmの丸形カップを得た。容器の平
均厚みは外層からポリアミド(三菱化成工業(株)製ノ
バミッド1020、厚み12μ、透湿度467g/m2・day)、実施
例1で用いた組成物(厚み16μ)、接着性樹脂(三井石
油化学(株)製アドマ−QF−500,厚み8μ),ポリプロ
ピレン(三菱油化(株)製PY−220,厚み381μ、透湿度
0.8g/m2・day)であった。この容器に水を充填し、蓋材
は市販のアルミ系包材を使用してヒ−トシ−ルした。以
下は実施例1と同様にレトルトした。レトルト後の透明
回復性は良好で、再白化の残存もなかった。
実施例8および比較例2 実施例1においてEVOH組成物のフィルムを得た。次
に、電子ビ−ム蒸着装置を使用し、真空度1.0×10-5Tor
rで、上記フィルムの片面(内面)に200オングストロ−
ムの酸化珪素膜を蒸着した。このフィルムを使用して、
後は実施例1と同様にレトルトした。
レトルト後のフィルムの外観は良好で、水接触による
再白化の残存はなかった。実施例1のEVOH組成物に金属
を添加せずフィルムを得た。以下同様に酸化珪素を蒸着
し、レトルトした。レトルト後の外観は良好であった
が、水接触による再白化後、風乾しても白味が残存し
た。
実施例9〜12および比較例3〜6 実施例1において、EVOH組成物の組成を変えた場合を
示す。エチレン含量の異なるEVOH、共重合組成の異なる
ナイロンを用いてもほぼ同様な透明性が得られた。しか
し、エチレン含量の少ない系の方が酸素透過速度が小さ
く保存性に優れる。一方、PA含量が少ないもの、逆に多
すぎるものは外観不良を起こした、金属含量が少ないも
のは再白化の残存があった。逆に金属含量が多いものは
熱成形時にゲルの発生があり使用に耐えなかった。結果
を表1に示す。
F.発明の効果 本発明の多層構造体、および多層包装体は、従来のEV
OH系レトルト用包材の実用上の大きな外観の欠点であっ
た。保存中の水に接触した時の、白化の残存を解決する
ものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18 C08L 29/04 B65D 65/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透湿度(40℃、90%RH下で測定)が40g/m2
    ・day以上の値を有する樹脂外層(A)、エチレンモノ
    マー単位を20〜65モル%含むエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体樹脂50〜97重量%と、ポリアミド系樹脂45〜
    3重量%と、少なくとも一種の水溶性あるいはアルコー
    ル可溶性のアルカリ金属塩0.005〜5重量%からなる組
    成物の層(B)、および透湿度(40℃、90%RH下で測
    定)が20g/m2・day以下の値を有する樹脂内層(C)か
    らなるガスバリヤー性多層包装体。
  2. 【請求項2】外層(A)がポリアミド、ポリエステル、
    ポリカーボネートから選ばれる少なくとも一種の樹脂層
    である請求項1記載の多層包装体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の中間層(B)の内側あるい
    は両側に透明な無機膜を有する多層包装体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかひとつの項に記載
    の多層包装体よりなるボイル殺菌またはレトルト殺菌用
    多層包装体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかひとつの項に記載
    の多層包装体に食品あるいは医薬品を充填し、ボイル殺
    菌またはレトルト殺菌して得た食品包装体。
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