JPH10222883A - 貼り合わせ型光ディスクおよびその製造方法 - Google Patents
貼り合わせ型光ディスクおよびその製造方法Info
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- JPH10222883A JPH10222883A JP9022714A JP2271497A JPH10222883A JP H10222883 A JPH10222883 A JP H10222883A JP 9022714 A JP9022714 A JP 9022714A JP 2271497 A JP2271497 A JP 2271497A JP H10222883 A JPH10222883 A JP H10222883A
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- disk
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- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 記録層を有する基板と記録層の有しないダミ
ーディスクとの貼り合わせ型光ディスクにおいて、貼り
合わせ部の剥離を防止する。 【解決手段】 貼り合わせ型光ディスクの構成は射出成
形により、片面に凹凸状の記録ピットを形成したポリカ
ーボネート樹脂の基板1を作製し、記録ピットが形成さ
れている面に反射膜2を形成する。反射膜2はROM型
ディスクではAl、Au等の単層で形成され、記録可能
なRAM型ディスクでは多層膜で形成されている。反射
膜2の腐食防止のためアクリル系紫外線硬化樹脂からな
る保護層3を反射膜2の上に形成する。記録ピットを形
成しないダミーディスク5として、基板1と同様にポリ
カーボネート樹脂を射出成形で作製し、エポキシ系の接
着剤を用いて貼り合わせて光ディスク6を形成する。ダ
ミーディスク5の接着剤を塗布する全領域を粗面化して
接着性を向上させる。
ーディスクとの貼り合わせ型光ディスクにおいて、貼り
合わせ部の剥離を防止する。 【解決手段】 貼り合わせ型光ディスクの構成は射出成
形により、片面に凹凸状の記録ピットを形成したポリカ
ーボネート樹脂の基板1を作製し、記録ピットが形成さ
れている面に反射膜2を形成する。反射膜2はROM型
ディスクではAl、Au等の単層で形成され、記録可能
なRAM型ディスクでは多層膜で形成されている。反射
膜2の腐食防止のためアクリル系紫外線硬化樹脂からな
る保護層3を反射膜2の上に形成する。記録ピットを形
成しないダミーディスク5として、基板1と同様にポリ
カーボネート樹脂を射出成形で作製し、エポキシ系の接
着剤を用いて貼り合わせて光ディスク6を形成する。ダ
ミーディスク5の接着剤を塗布する全領域を粗面化して
接着性を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は片面上に少なくとも
1層以上の記録面が形成されている基板と、記録面が形
成されていないダミーディスクとを貼り合わせる構造の
光ディスクとその製造方法に関する。
1層以上の記録面が形成されている基板と、記録面が形
成されていないダミーディスクとを貼り合わせる構造の
光ディスクとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により情報の記録・再生
を行う光ディスクとしては、光磁気ディスク、各種追記
型光ディスク、デジタルオーディオディスク(所謂、コ
ンパクトディスク)、光学式ビデオディスク(所謂、レ
ーザディスク)等の各種媒体が実用化されている。これ
ら光ディスクはいずれもポリカーボネート樹脂等のプラ
スチック、或いはガラス製の透明基板上に記録層や反射
膜等の機能膜よりなる記録部が形成された構成となって
いる。
を行う光ディスクとしては、光磁気ディスク、各種追記
型光ディスク、デジタルオーディオディスク(所謂、コ
ンパクトディスク)、光学式ビデオディスク(所謂、レ
ーザディスク)等の各種媒体が実用化されている。これ
ら光ディスクはいずれもポリカーボネート樹脂等のプラ
スチック、或いはガラス製の透明基板上に記録層や反射
膜等の機能膜よりなる記録部が形成された構成となって
いる。
【0003】また、利用方法からは、コンパクトディス
クやレーザディスクのように再生のみを行うROM(R
ead Only Memory)的な光ディスクと、
光磁気ディスクや各種追記型光ディスクのように情報を
記録し、再生を行うRAM(Random Acces
s Memory)的な光ディスクとに分類される。
クやレーザディスクのように再生のみを行うROM(R
ead Only Memory)的な光ディスクと、
光磁気ディスクや各種追記型光ディスクのように情報を
記録し、再生を行うRAM(Random Acces
s Memory)的な光ディスクとに分類される。
【0004】ROM的な光ディスクの再生は、透明基板
上に再生レーザ光の1/4波長程度の深さに凹凸状プリ
ピットが形成され、その上を覆うように反射膜が成膜さ
れていて、プリピットで生じる光の干渉による反射率変
化を検出して行われる。
上に再生レーザ光の1/4波長程度の深さに凹凸状プリ
ピットが形成され、その上を覆うように反射膜が成膜さ
れていて、プリピットで生じる光の干渉による反射率変
化を検出して行われる。
【0005】一方、RAM的な光ディスクの記録再生
は、例えば光磁気ディスクの場合、記録情報に応じて記
録部の磁化方向を上向き或いは下向きに揃った領域を形
成して記録し、再生はその部分で反射した直線偏光の回
転角θk (カー回転角)を検出して行っている。また、
相変化ディスクの場合は記録情報に応じて記録ピットを
結晶からアモルファス状態に変えて記録し、それに伴う
反射率変化を検出して再生を行っている。
は、例えば光磁気ディスクの場合、記録情報に応じて記
録部の磁化方向を上向き或いは下向きに揃った領域を形
成して記録し、再生はその部分で反射した直線偏光の回
転角θk (カー回転角)を検出して行っている。また、
相変化ディスクの場合は記録情報に応じて記録ピットを
結晶からアモルファス状態に変えて記録し、それに伴う
反射率変化を検出して再生を行っている。
【0006】従来の光磁気ディスクの記録部は、記録磁
性膜であるTbFeCo膜の両側を、記録磁性膜の酸化
防止と、多重干渉による光磁気信号のエンハンスの効果
のため、透明な誘電体膜、例えばSiNで覆い、更にA
l反射膜で覆った4層構造で構成されている。一方、相
変化ディスクの記録部は相変化膜であるGeSbTe膜
の両側を、酸化防止と多重干渉による光磁気信号のエン
ハンスの効果のため、透明な誘電体膜、例えばZnS−
SiO2 膜等で覆い、更にAl反射膜で覆った4層構造
で構成されている。
性膜であるTbFeCo膜の両側を、記録磁性膜の酸化
防止と、多重干渉による光磁気信号のエンハンスの効果
のため、透明な誘電体膜、例えばSiNで覆い、更にA
l反射膜で覆った4層構造で構成されている。一方、相
変化ディスクの記録部は相変化膜であるGeSbTe膜
の両側を、酸化防止と多重干渉による光磁気信号のエン
ハンスの効果のため、透明な誘電体膜、例えばZnS−
SiO2 膜等で覆い、更にAl反射膜で覆った4層構造
で構成されている。
【0007】ところで最近、コンパクトディスクと同じ
直径120mmのディスクに現行テレビ並みの画質で映
画1本を納めるデジタル・ビデオ・ディスクの開発が進
められている。このデジタル・ビデオ・ディスクは記録
容量をコンパクトディスクの6〜8倍まで高める必要が
あるため、現行レーザの波長である780nmよりも短
い635〜650nmのレーザを記録再生に用い、厚さ
0.6mmの単板ディスクの記録面を対向させて貼り合
わせた構造の光ディスクが考案されている(日経エレク
トロニクス 1995年2月27日号 No630)。
再生専用のディスクには記録面がディスク両面に形成さ
れているSD−10型ディスクと、記録面は片面のみで
他の面は記録面が形成されていないダミーディスクが貼
り合わされたSD−5型ディスクが提案されている。ま
た、記録が可能なディスクにも両面に記録できるタイプ
と片面のみにできるタイプとがある。
直径120mmのディスクに現行テレビ並みの画質で映
画1本を納めるデジタル・ビデオ・ディスクの開発が進
められている。このデジタル・ビデオ・ディスクは記録
容量をコンパクトディスクの6〜8倍まで高める必要が
あるため、現行レーザの波長である780nmよりも短
い635〜650nmのレーザを記録再生に用い、厚さ
0.6mmの単板ディスクの記録面を対向させて貼り合
わせた構造の光ディスクが考案されている(日経エレク
トロニクス 1995年2月27日号 No630)。
再生専用のディスクには記録面がディスク両面に形成さ
れているSD−10型ディスクと、記録面は片面のみで
他の面は記録面が形成されていないダミーディスクが貼
り合わされたSD−5型ディスクが提案されている。ま
た、記録が可能なディスクにも両面に記録できるタイプ
と片面のみにできるタイプとがある。
【0008】これら光ディスクに用いられる透明基板と
しては、ガラスの他、ポリカーボネート、アクリル、エ
ポキシ等の樹脂が用いられている。その中でも成形性、
寸法安定性、低吸水性等で優れていることから、ポリカ
ーボネート樹脂が最も使用されている。
しては、ガラスの他、ポリカーボネート、アクリル、エ
ポキシ等の樹脂が用いられている。その中でも成形性、
寸法安定性、低吸水性等で優れていることから、ポリカ
ーボネート樹脂が最も使用されている。
【0009】これらの材料で形成されたディスクとダミ
ーディスクの貼り合わせは、一般にホットメルト型接着
剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化性接着剤等により行わ
れている。接着剤のディスクへの供給はロールコート法
やスピンコート法が一般的に用いられている。
ーディスクの貼り合わせは、一般にホットメルト型接着
剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化性接着剤等により行わ
れている。接着剤のディスクへの供給はロールコート法
やスピンコート法が一般的に用いられている。
【0010】ところで最近、紫外線を照射してから完全
に硬化するまで数時間かかる反応性の遅いエポキシ系接
着剤が開発されている。この接着剤を利用する場合は最
初にディスクの記録層にアクリル系紫外線硬化樹脂から
なる保護膜を形成し、その上に接着剤を均一に塗布す
る。次に2枚のディスクの接着面が向かい合うように貼
り合わせ、その後数時間放置することで接着強度が増
し、貼り合わせが完了する。この接着剤は紫外線照射後
に貼り合わせることが可能であるため、従来の紫外線硬
化型接着剤とは異なり、紫外線が透過しない厚い記録多
層膜を有するRAM型のディスクの貼り合わせが可能と
なる。
に硬化するまで数時間かかる反応性の遅いエポキシ系接
着剤が開発されている。この接着剤を利用する場合は最
初にディスクの記録層にアクリル系紫外線硬化樹脂から
なる保護膜を形成し、その上に接着剤を均一に塗布す
る。次に2枚のディスクの接着面が向かい合うように貼
り合わせ、その後数時間放置することで接着強度が増
し、貼り合わせが完了する。この接着剤は紫外線照射後
に貼り合わせることが可能であるため、従来の紫外線硬
化型接着剤とは異なり、紫外線が透過しない厚い記録多
層膜を有するRAM型のディスクの貼り合わせが可能と
なる。
【0011】しかし、エポキシ系接着剤は記録膜の保護
膜であるアクリル系樹脂との密着性は優れているもの
の、基板材料であるポリカーボネート樹脂との密着性は
極めて悪い。即ち、2枚とも記録層が形成してあるRO
M型、或いはRAM型ディスク同士を貼り合わせる場合
は、両方にアクリル系保護膜が存在するため十分な接着
力が得られるが、記録層が形成されていないダミーディ
スクを貼り合わせる場合には十分な接着力を得ることが
できず、長時間の経過後に貼り合わせたディスクが自然
に剥がれることがあった。
膜であるアクリル系樹脂との密着性は優れているもの
の、基板材料であるポリカーボネート樹脂との密着性は
極めて悪い。即ち、2枚とも記録層が形成してあるRO
M型、或いはRAM型ディスク同士を貼り合わせる場合
は、両方にアクリル系保護膜が存在するため十分な接着
力が得られるが、記録層が形成されていないダミーディ
スクを貼り合わせる場合には十分な接着力を得ることが
できず、長時間の経過後に貼り合わせたディスクが自然
に剥がれることがあった。
【0012】また、特開昭60−66343号公報で
は、記録層が形成されている樹脂基板と、有機樹脂保護
膜との接着性を向上させるために、基板の内周部と外周
部の記録層が形成されていない領域を粗面化する方法が
提案されている。しかし、この場合も内周部と外周部だ
けの粗面化であり、その粗面化面積は小さいため、ディ
スク全体として十分な接着力を得ることは困難であっ
た。
は、記録層が形成されている樹脂基板と、有機樹脂保護
膜との接着性を向上させるために、基板の内周部と外周
部の記録層が形成されていない領域を粗面化する方法が
提案されている。しかし、この場合も内周部と外周部だ
けの粗面化であり、その粗面化面積は小さいため、ディ
スク全体として十分な接着力を得ることは困難であっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、ダミ
ーディスクの接着面の全面を粗面化することによって、
エポキシ系接着剤とポリカーボネート樹脂との接着性を
向上させ、長期間の使用によっても剥離が発生しない貼
り合わせ型光ディスクを提供する。
ーディスクの接着面の全面を粗面化することによって、
エポキシ系接着剤とポリカーボネート樹脂との接着性を
向上させ、長期間の使用によっても剥離が発生しない貼
り合わせ型光ディスクを提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題に鑑
みなされたものであって、透明プラスチック基板の一主
面上に少なくとも1層以上の記録膜からなる記録面が形
成されているディスクと、記録面が形成されていないダ
ミーディスクとを貼り合わせる光ディスクの製造方法に
おいて、前記ダミーディスクの接着剤塗布面の全領域を
粗面化すると共に、前記ダミーディスクの粗面化した領
域上と、前記記録面が形成されているディスクの記録面
上に接着剤を塗布し、この接着剤を塗布した両面を対向
させて貼り合わせる製造方法を用いる。
みなされたものであって、透明プラスチック基板の一主
面上に少なくとも1層以上の記録膜からなる記録面が形
成されているディスクと、記録面が形成されていないダ
ミーディスクとを貼り合わせる光ディスクの製造方法に
おいて、前記ダミーディスクの接着剤塗布面の全領域を
粗面化すると共に、前記ダミーディスクの粗面化した領
域上と、前記記録面が形成されているディスクの記録面
上に接着剤を塗布し、この接着剤を塗布した両面を対向
させて貼り合わせる製造方法を用いる。
【0015】前記ダミーディスクの表面粗度を300n
m以上、10μm以下とする。
m以上、10μm以下とする。
【0016】前記ダミーディスクの粗面化は、サンドブ
ラスト処理によって行うこと、または、梨地処理を施し
たダミーディスク成形金型によりダミーディスクを射出
成形することによりなされること。
ラスト処理によって行うこと、または、梨地処理を施し
たダミーディスク成形金型によりダミーディスクを射出
成形することによりなされること。
【0017】透明プラスチック基板の一主面上に少なく
とも1層以上の記録膜からなる記録面が形成されている
ディスクと、記録面が形成されていないダミーディスク
とを貼り合わせる光ディスクにおいて、前記ダミーディ
スクの接着剤が塗布される全領域が粗面化されていると
共に、前記ダミーディスクの粗面化された面と、前記記
録面が形成されているディスクの記録面とを対向させて
貼り合わせた貼り合わせ型光ディスクを構成する。
とも1層以上の記録膜からなる記録面が形成されている
ディスクと、記録面が形成されていないダミーディスク
とを貼り合わせる光ディスクにおいて、前記ダミーディ
スクの接着剤が塗布される全領域が粗面化されていると
共に、前記ダミーディスクの粗面化された面と、前記記
録面が形成されているディスクの記録面とを対向させて
貼り合わせた貼り合わせ型光ディスクを構成する。
【0018】前記記録面が形成されているディスクと前
記ダミーディスクの厚みはそれぞれ0.6mmで光ディ
スクを構成して上記課題を解決する。
記ダミーディスクの厚みはそれぞれ0.6mmで光ディ
スクを構成して上記課題を解決する。
【0019】ダミーディスクの接着剤が塗布される領域
全面を粗面化するため、ポリカーボネート樹脂とエポキ
シ系樹脂との接着性が向上し、貼り合わせ型光ディスク
の剥離を防止する。
全面を粗面化するため、ポリカーボネート樹脂とエポキ
シ系樹脂との接着性が向上し、貼り合わせ型光ディスク
の剥離を防止する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例について図
1ないし図7を参照して説明する。図1は本発明に係わ
る貼り合わせ型光ディスクの断面図である。図2は反射
膜上にスピンコート法により紫外線硬化樹脂の保護層を
塗布する工程を示す図であり、図3は紫外線硬化樹脂の
保護層に紫外線を照射し、硬化させる工程を示す図であ
る。また、図4は保護層形成面にスクリーン印刷法によ
りエポキシ系接着剤を塗布する工程を示す図であり、図
5は接着剤に紫外線を照射して硬化させる工程を示す図
である。更に図6はディスクの貼り合わせを示す図であ
り、図7は貼り合わせ型光ディスクの外観を示す図であ
る。
1ないし図7を参照して説明する。図1は本発明に係わ
る貼り合わせ型光ディスクの断面図である。図2は反射
膜上にスピンコート法により紫外線硬化樹脂の保護層を
塗布する工程を示す図であり、図3は紫外線硬化樹脂の
保護層に紫外線を照射し、硬化させる工程を示す図であ
る。また、図4は保護層形成面にスクリーン印刷法によ
りエポキシ系接着剤を塗布する工程を示す図であり、図
5は接着剤に紫外線を照射して硬化させる工程を示す図
である。更に図6はディスクの貼り合わせを示す図であ
り、図7は貼り合わせ型光ディスクの外観を示す図であ
る。
【0021】まず、貼り合わせ型光ディスクの構成は図
1に示すように、射出成形により、片面に凹凸状の記録
ピットを形成したポリカーボネート樹脂の基板1を作製
し、記録ピットが形成されている面に蒸着、或いはスパ
ッタリングにより反射膜2を形成する。前記反射膜2は
再生専用のROM型ディスクではAl、Au等の単層で
形成され、一方、記録可能なRAM型ディスクでは多層
膜で形成されている。つぎに反射膜2の腐食防止のため
アクリル系紫外線硬化樹脂からなる保護層3を反射膜2
の上にスピンコート法やスクリーン印刷法により形成す
る。一方、記録ピットを形成しないダミーディスク5と
して、基板1と同様にポリカーボネート樹脂を射出成形
で作製し、前述した基板1とエポキシ系の接着剤層4に
よって貼り合わせて光ディスク6を形成する。
1に示すように、射出成形により、片面に凹凸状の記録
ピットを形成したポリカーボネート樹脂の基板1を作製
し、記録ピットが形成されている面に蒸着、或いはスパ
ッタリングにより反射膜2を形成する。前記反射膜2は
再生専用のROM型ディスクではAl、Au等の単層で
形成され、一方、記録可能なRAM型ディスクでは多層
膜で形成されている。つぎに反射膜2の腐食防止のため
アクリル系紫外線硬化樹脂からなる保護層3を反射膜2
の上にスピンコート法やスクリーン印刷法により形成す
る。一方、記録ピットを形成しないダミーディスク5と
して、基板1と同様にポリカーボネート樹脂を射出成形
で作製し、前述した基板1とエポキシ系の接着剤層4に
よって貼り合わせて光ディスク6を形成する。
【0022】実験例 つぎに、上述した構成であるROM型の光ディスク6の
実験例について説明する。基板1はポリカーボネート樹
脂を直径が120mm、厚さ0.6mmとして射出成形
したものである。反射膜2はROM型であるためAl膜
をRFスパッタリングで50nmの厚さに作製する。つ
ぎに反射膜2の上に保護層3として紫外線硬化樹脂をス
ピンコート法により厚み15μmで積層する。ダミーデ
ィスク5は基板1と同様にポリカーボネート樹脂を直径
が120mm、厚さ0.6mmとして射出成形する。基
板1とダミーディスク5とを保護層3を内側にして接着
剤層4を介して貼り合わせ、光ディスク6を形成する。
このときダミーディスク5の接着面の表面粗度は4nm
である。
実験例について説明する。基板1はポリカーボネート樹
脂を直径が120mm、厚さ0.6mmとして射出成形
したものである。反射膜2はROM型であるためAl膜
をRFスパッタリングで50nmの厚さに作製する。つ
ぎに反射膜2の上に保護層3として紫外線硬化樹脂をス
ピンコート法により厚み15μmで積層する。ダミーデ
ィスク5は基板1と同様にポリカーボネート樹脂を直径
が120mm、厚さ0.6mmとして射出成形する。基
板1とダミーディスク5とを保護層3を内側にして接着
剤層4を介して貼り合わせ、光ディスク6を形成する。
このときダミーディスク5の接着面の表面粗度は4nm
である。
【0023】つぎに、基板1とダミーディスク5との貼
り合わせ工程について図2ないし図7を参照して説明す
る。
り合わせ工程について図2ないし図7を参照して説明す
る。
【0024】図2は反射膜2の上面に形成される記録面
1aの上にアクリル系の紫外線硬化樹脂からなる保護層
3をスピンコート法で形成する様子を示していて、記録
面1aを上にして装置の回転テーブル(図示せず)に載
置する。アクリル系の紫外線硬化樹脂11は樹脂供給部
12から樹脂供給管13で樹脂が導かれて、ノズル14
から記録面1a上に塗布される。
1aの上にアクリル系の紫外線硬化樹脂からなる保護層
3をスピンコート法で形成する様子を示していて、記録
面1aを上にして装置の回転テーブル(図示せず)に載
置する。アクリル系の紫外線硬化樹脂11は樹脂供給部
12から樹脂供給管13で樹脂が導かれて、ノズル14
から記録面1a上に塗布される。
【0025】つぎに図3に示すように、前記塗布された
アクリル系の紫外線硬化樹脂11を紫外線ランプ15の
紫外線16を照射して硬化させる。
アクリル系の紫外線硬化樹脂11を紫外線ランプ15の
紫外線16を照射して硬化させる。
【0026】接着剤層4の形成は図4に示すように、硬
化した保護層3を上にしてスクリーン印刷装置20に載
置し、メッシュ構造の印刷用スクリーン21を保護層3
を覆うように被せる。この印刷用スクリーン21の上に
エポキシ系の接着剤22を供給し、スキージ23を矢印
の方向に往復させることで保護層3の上に接着剤層4を
均一な膜厚で塗布する。
化した保護層3を上にしてスクリーン印刷装置20に載
置し、メッシュ構造の印刷用スクリーン21を保護層3
を覆うように被せる。この印刷用スクリーン21の上に
エポキシ系の接着剤22を供給し、スキージ23を矢印
の方向に往復させることで保護層3の上に接着剤層4を
均一な膜厚で塗布する。
【0027】つぎは図5に示すように、図4に示した方
法で塗布した接着剤層4に紫外線を照射して硬化させる
工程であって、接着剤層4を紫外線ランプ15の紫外線
16を照射して硬化させる。このエポキシ系の接着剤2
2の粘度は8000cps、ガラス転移点は100℃で
あり、硬化させるために照射する紫外線光量は300m
J/cm2 である。
法で塗布した接着剤層4に紫外線を照射して硬化させる
工程であって、接着剤層4を紫外線ランプ15の紫外線
16を照射して硬化させる。このエポキシ系の接着剤2
2の粘度は8000cps、ガラス転移点は100℃で
あり、硬化させるために照射する紫外線光量は300m
J/cm2 である。
【0028】一方、ダミーディスク5の接着する面にも
基板1と同様に図4および図5に示す方法で接着剤層4
を形成し、硬化させる。尚、ここで用いるエポキシ系の
接着剤22は従来例でも説明したように、紫外線照射後
に貼り合わせをすることが可能な接着剤である。
基板1と同様に図4および図5に示す方法で接着剤層4
を形成し、硬化させる。尚、ここで用いるエポキシ系の
接着剤22は従来例でも説明したように、紫外線照射後
に貼り合わせをすることが可能な接着剤である。
【0029】上述したようにして作製した基板1とダミ
ーディスク5とを、その接着剤層4を対向させ、図6に
示すようにプレスすることにより貼り合わせる。本実施
形態例では接着剤層4の厚みが50μmになるようにプ
レス圧力を0.8kgf/cm2 に設定した。このプレ
ス終了後、数時間放置して接着剤を完全に硬化させ、図
7に示す貼り合わせ構造の光ディスク6を形成する。
ーディスク5とを、その接着剤層4を対向させ、図6に
示すようにプレスすることにより貼り合わせる。本実施
形態例では接着剤層4の厚みが50μmになるようにプ
レス圧力を0.8kgf/cm2 に設定した。このプレ
ス終了後、数時間放置して接着剤を完全に硬化させ、図
7に示す貼り合わせ構造の光ディスク6を形成する。
【0030】しかしながら、上述した方法で形成した光
ディスクを温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する
信頼性試験を行った結果、1000時間経過後に貼り合
わせ部に剥がれの発生が確認された。この剥がれ面を観
察した結果、基板1の接着面には接着剤が付着していた
が、ダミーディスク5の接着面には接着剤は付着してい
なかった。即ち、基板1の接着面は下地がエポキシ系の
接着剤22と密着性のよいアクリル系の保護層3である
のに対して、ダミーディスク5では下地がエポキシ系の
接着剤22と接着性の悪いポリカーボネート樹脂である
ことが、剥がれの原因であると想定される。
ディスクを温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する
信頼性試験を行った結果、1000時間経過後に貼り合
わせ部に剥がれの発生が確認された。この剥がれ面を観
察した結果、基板1の接着面には接着剤が付着していた
が、ダミーディスク5の接着面には接着剤は付着してい
なかった。即ち、基板1の接着面は下地がエポキシ系の
接着剤22と密着性のよいアクリル系の保護層3である
のに対して、ダミーディスク5では下地がエポキシ系の
接着剤22と接着性の悪いポリカーボネート樹脂である
ことが、剥がれの原因であると想定される。
【0031】実施例1 上記実験例の結果に基づいて、ダミーディスク5の接着
面を粗面化し、ポリカーボネート樹脂とエポキシ系の接
着剤22との接着性の改善を行った。まず、実験例と同
様に作製したダミーディスク5の接着面をサンドブラス
ト処理を施し、100nm〜10μmの表面粗度をもた
せた。この工程以外は実験例と同様にして光ディスク6
を作製した。
面を粗面化し、ポリカーボネート樹脂とエポキシ系の接
着剤22との接着性の改善を行った。まず、実験例と同
様に作製したダミーディスク5の接着面をサンドブラス
ト処理を施し、100nm〜10μmの表面粗度をもた
せた。この工程以外は実験例と同様にして光ディスク6
を作製した。
【0032】上述したようにして作製した光ディスク6
を温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する信頼性試
験を行った結果、ダミーディスク5の表面粗度が300
nm以上であれば、1000時間の経過後であっても、
接着剤層4における剥がれは生じなかった。
を温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する信頼性試
験を行った結果、ダミーディスク5の表面粗度が300
nm以上であれば、1000時間の経過後であっても、
接着剤層4における剥がれは生じなかった。
【0033】実施例2 つぎに、放電加工等により接着面を梨地処理を施したダ
ミーディスク5の成形金型を用いて、接着面に100n
m〜10μmの表面粗度を有するダミーディスク5を形
成した。この工程以外は実験例と同様にして光ディスク
6を作製した。
ミーディスク5の成形金型を用いて、接着面に100n
m〜10μmの表面粗度を有するダミーディスク5を形
成した。この工程以外は実験例と同様にして光ディスク
6を作製した。
【0034】上述したようにして作製した光ディスク6
を温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する信頼性試
験を行った結果、ダミーディスク5の表面粗度が300
nm以上であれば、1000時間の経過後であっても、
接着剤層4における剥がれは生じなかった。
を温度80℃、湿度85%の恒温槽に保管する信頼性試
験を行った結果、ダミーディスク5の表面粗度が300
nm以上であれば、1000時間の経過後であっても、
接着剤層4における剥がれは生じなかった。
【0035】上記実験例と2つの実施例とから、ダミー
ディスク5の接着面全体を粗面化することにより、アン
カー効果が増し、ポリカーボネート樹脂とエポキシ系の
接着剤22との接着性が改善されることが分かる。
ディスク5の接着面全体を粗面化することにより、アン
カー効果が増し、ポリカーボネート樹脂とエポキシ系の
接着剤22との接着性が改善されることが分かる。
【0036】尚、本発明は上述したROM型の光ディス
クに限ることなく、書き換え可能なRAM型の光ディス
ク等、記録面のあるディスクとダミーディスクとを貼り
合わせる構造の光ディスク全般に用いて効果の大きいこ
とは当然である。
クに限ることなく、書き換え可能なRAM型の光ディス
ク等、記録面のあるディスクとダミーディスクとを貼り
合わせる構造の光ディスク全般に用いて効果の大きいこ
とは当然である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による貼り合わせ型光ディスクの製造方法による光ディ
スクは、長期間の使用においても貼り合わせ部が剥離す
ることがなく、信頼性の高い光ディスクを提供すること
ができる。
による貼り合わせ型光ディスクの製造方法による光ディ
スクは、長期間の使用においても貼り合わせ部が剥離す
ることがなく、信頼性の高い光ディスクを提供すること
ができる。
【図1】 本発明に係わる貼り合わせ型光ディスクの断
面図である。
面図である。
【図2】 反射膜上にスピンコート法により紫外線硬化
樹脂の保護層を塗布する工程を示す図である。
樹脂の保護層を塗布する工程を示す図である。
【図3】 紫外線硬化樹脂の保護層に紫外線を照射し、
硬化させる工程を示す図である。
硬化させる工程を示す図である。
【図4】 保護層上にスクリーン印刷法によりエポキシ
系接着剤を塗布する工程を示す図である。
系接着剤を塗布する工程を示す図である。
【図5】 接着剤に紫外線を照射して硬化させる工程を
示す図である。
示す図である。
【図6】 ディスクの貼り合わせ工程を示す図である。
【図7】 貼り合わせ型光ディスクの外観を示す図であ
る。
る。
1…基板、2…反射膜、3…保護層、4…接着剤層、5
…ダミーディスク、6…光ディスク、11…紫外線硬化
樹脂、12…樹脂供給部、13…樹脂供給管、14…ノ
ズル、15…紫外線ランプ、16…紫外線、20…スク
リーン印刷装置、21…印刷用スクリーン、22…接着
剤、23…スキージ
…ダミーディスク、6…光ディスク、11…紫外線硬化
樹脂、12…樹脂供給部、13…樹脂供給管、14…ノ
ズル、15…紫外線ランプ、16…紫外線、20…スク
リーン印刷装置、21…印刷用スクリーン、22…接着
剤、23…スキージ
Claims (6)
- 【請求項1】 透明プラスチック基板の一主面上に少な
くとも1層以上の記録膜からなる記録面が形成されてい
るディスクと、記録面が形成されていないダミーディス
クとを貼り合わせる光ディスクの製造方法において、 前記ダミーディスクの接着剤塗布面の全領域を粗面化す
ると共に、 前記ダミーディスクの粗面化した領域上と、前記記録面
が形成されているディスクの記録面上に接着剤を塗布
し、この接着剤を塗布した両面を対向させて貼り合わせ
ることを特徴とする貼り合わせ型光ディスクの製造方
法。 - 【請求項2】 前記ダミーディスクの表面粗度が300
nm以上、10μm以下であることを特徴とする、請求
項1に記載の貼り合わせ型光ディスクの製造方法。 - 【請求項3】 前記ダミーディスクの粗面化は、サンド
ブラスト処理によって行うことを特徴とする、請求項1
に記載の貼り合わせ型光ディスクの製造方法。 - 【請求項4】 前記ダミーディスクの粗面化は、梨地処
理を施したダミーディスク成形金型によりダミーディス
クを射出成形することによりなされることを特徴とす
る、請求項1に記載の貼り合わせ型光ディスクの製造方
法。 - 【請求項5】 透明プラスチック基板の一主面上に少な
くとも1層以上の記録膜からなる記録面が形成されてい
るディスクと、記録面が形成されていないダミーディス
クとを貼り合わせる光ディスクにおいて、 前記ダミーディスクの接着剤が塗布される全領域が粗面
化されていると共に、 前記ダミーディスクの粗面化された面と、前記記録面が
形成されているディスクの記録面とを対向させて貼り合
わせてあることを特徴とする貼り合わせ型光ディスク。 - 【請求項6】 前記記録面が形成されているディスクと
前記ダミーディスクの厚みはそれぞれ0.6mmである
ことを特徴とする、請求項5に記載の貼り合わせ型光デ
ィスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022714A JPH10222883A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 貼り合わせ型光ディスクおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9022714A JPH10222883A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 貼り合わせ型光ディスクおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10222883A true JPH10222883A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=12090496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9022714A Pending JPH10222883A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 貼り合わせ型光ディスクおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10222883A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011249610A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Arisawa Manufacturing Co Ltd | 透明印刷板、および、透明印刷板の製造方法 |
-
1997
- 1997-02-05 JP JP9022714A patent/JPH10222883A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011249610A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Arisawa Manufacturing Co Ltd | 透明印刷板、および、透明印刷板の製造方法 |
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