JPH1022110A - 希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石 - Google Patents
希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石Info
- Publication number
- JPH1022110A JPH1022110A JP8169435A JP16943596A JPH1022110A JP H1022110 A JPH1022110 A JP H1022110A JP 8169435 A JP8169435 A JP 8169435A JP 16943596 A JP16943596 A JP 16943596A JP H1022110 A JPH1022110 A JP H1022110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- earth permanent
- permanent magnet
- rare earth
- hydrogen
- rare
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/047—Alloys characterised by their composition
- H01F1/053—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
- H01F1/057—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
- H01F1/0571—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
- H01F1/0575—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together
- H01F1/0578—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together bonded together
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた磁気特性をもち、特に(BH)maxの
大きい希土類永久磁石を提供し、また、このような希土
類永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。さ
らには、優れた磁気特性をもち、特に(BH)maxの
大きい希土類永久ボンド磁石を提供する。 【解決手段】本発明の希土類永久磁石は、イットリウム
(Y)を少なくとも含む希土類元素と、鉄(Fe)と、
ホウ素(B)と、ガリウム(Ga)と、ニオブ(Nb)
と、からなる希土類永久磁石であって、原子百分率で、
12〜15at%の希土類元素と、5.5〜8at%の
Bとを含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0
at%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがF
e及び不可避な不純物の組成をもち、また最大エネルギ
ー積が33MGOe以上であることを特徴とする。ま
た、この希土類永久磁石を用いることにより、18MG
Oe以上の高い最大エネルギー積をもつ希土類永久ボン
ド磁石が形成される。
大きい希土類永久磁石を提供し、また、このような希土
類永久磁石の製造方法を提供することを目的とする。さ
らには、優れた磁気特性をもち、特に(BH)maxの
大きい希土類永久ボンド磁石を提供する。 【解決手段】本発明の希土類永久磁石は、イットリウム
(Y)を少なくとも含む希土類元素と、鉄(Fe)と、
ホウ素(B)と、ガリウム(Ga)と、ニオブ(Nb)
と、からなる希土類永久磁石であって、原子百分率で、
12〜15at%の希土類元素と、5.5〜8at%の
Bとを含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0
at%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがF
e及び不可避な不純物の組成をもち、また最大エネルギ
ー積が33MGOe以上であることを特徴とする。ま
た、この希土類永久磁石を用いることにより、18MG
Oe以上の高い最大エネルギー積をもつ希土類永久ボン
ド磁石が形成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最大エネルギー積
((BH)max)の高い希土類元素−鉄−ホウ素系の
希土類永久磁石粉末、およびその製造方法、並びに希土
類永久ボンド磁石粉末に関する。
((BH)max)の高い希土類元素−鉄−ホウ素系の
希土類永久磁石粉末、およびその製造方法、並びに希土
類永久ボンド磁石粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石として希土類元素の少な
くとも一種(R)と鉄とホウ素とからなる希土類元素−
鉄−ホウ素(R−Fe−B)系の希土類永久磁石があ
り、残留磁束密度、保磁力および(BH)maxなどの
磁気特性に優れるとして工業的に広く利用されている。
くとも一種(R)と鉄とホウ素とからなる希土類元素−
鉄−ホウ素(R−Fe−B)系の希土類永久磁石があ
り、残留磁束密度、保磁力および(BH)maxなどの
磁気特性に優れるとして工業的に広く利用されている。
【0003】このような希土類永久磁石を製造する技術
として、例えば特公平7−68561号公報にも開示さ
れているように、希土類永久磁石の原料を調製し、10
Torr(0.013atm)以上の水素ガスもしくは
10Torr以上の分圧の水素ガスと不活性ガスからな
る混合ガスの雰囲気の下で500℃〜1000℃の温度
で熱処理して原料中に水素を吸収させ、再び脱水素を行
うといった一連の水素処理を行うことにより希土類永久
磁石を製造する方法で最大10MGOeの希土類永久ボ
ンド磁石が得られることが開示されている。
として、例えば特公平7−68561号公報にも開示さ
れているように、希土類永久磁石の原料を調製し、10
Torr(0.013atm)以上の水素ガスもしくは
10Torr以上の分圧の水素ガスと不活性ガスからな
る混合ガスの雰囲気の下で500℃〜1000℃の温度
で熱処理して原料中に水素を吸収させ、再び脱水素を行
うといった一連の水素処理を行うことにより希土類永久
磁石を製造する方法で最大10MGOeの希土類永久ボ
ンド磁石が得られることが開示されている。
【0004】また、前記公報では、このR−Fe−B系
の希土類永久磁石の鉄の一部をCo、Ni、V、Nb、
Ta、Cu、Cr、Mn、Mo、W、Ti、Al、G
a、In、Zr、Hf等の金属の一種もしくは二種類以
上を少量で置換してもよいことが記載されている。そし
て、こうした金属元素で置換した例として、Co、P
r、Dyの金属の一種を少量置換させたものを実施例と
して挙げている。しかし、この公報では、こうした実施
例も含め、これらの金属元素の置換により磁気特性が向
上することを示唆していない。実際問題としてこれらの
合金元素を添加した実施例によると希土類永久ボンド磁
石の最大エネルギー積は最大で13MGOeにすぎな
い。
の希土類永久磁石の鉄の一部をCo、Ni、V、Nb、
Ta、Cu、Cr、Mn、Mo、W、Ti、Al、G
a、In、Zr、Hf等の金属の一種もしくは二種類以
上を少量で置換してもよいことが記載されている。そし
て、こうした金属元素で置換した例として、Co、P
r、Dyの金属の一種を少量置換させたものを実施例と
して挙げている。しかし、この公報では、こうした実施
例も含め、これらの金属元素の置換により磁気特性が向
上することを示唆していない。実際問題としてこれらの
合金元素を添加した実施例によると希土類永久ボンド磁
石の最大エネルギー積は最大で13MGOeにすぎな
い。
【0005】この他に、R−Fe−B系の希土類永久磁
石の一部を前記のような金属元素で置換して磁気特性を
付与するものとして、例えば特開平3−129702号
公報では、希土類元素:10〜20%、B:3〜20
%、Ga、Zr、Hfのうち1種もしくは2種以上の合
計0.001〜5.0%を含有し、残りがFeおよび不
可避な不純物からなるR−Fe−Bを主成分とする希土
類永久磁石が開示されている。また、特開平4−133
406号公報では、希土類元素:10〜20%、B:3
〜20%、Ti、V、Nb、Ta、Al、Siのうち1
種もしくは2種以上の合計0.001〜5.0%を含有
し、残りがFeおよび不可避な不純物からなるR−Fe
−Bを主成分とする希土類永久磁石が開示されている。
石の一部を前記のような金属元素で置換して磁気特性を
付与するものとして、例えば特開平3−129702号
公報では、希土類元素:10〜20%、B:3〜20
%、Ga、Zr、Hfのうち1種もしくは2種以上の合
計0.001〜5.0%を含有し、残りがFeおよび不
可避な不純物からなるR−Fe−Bを主成分とする希土
類永久磁石が開示されている。また、特開平4−133
406号公報では、希土類元素:10〜20%、B:3
〜20%、Ti、V、Nb、Ta、Al、Siのうち1
種もしくは2種以上の合計0.001〜5.0%を含有
し、残りがFeおよび不可避な不純物からなるR−Fe
−Bを主成分とする希土類永久磁石が開示されている。
【0006】いずれも、正方晶構造をとるR2 Fe14B
型金属間化合物を主相とする再結晶粒が集合した再結晶
集合組織を有する希土類永久磁石粉末で、磁気異方性お
よび耐食性に優れていると説明されているが、(BH)
maxは16MGOe以下と低い値である。また、いず
れの実施例においても水素処理における水素ガス圧を1
atmに固定して実施している。水素ガス圧もしくは水
素ガス分圧による(BH)maxの向上に対する影響は
示唆されておらず、合金組成に応じた水素ガス圧にて水
素処理をしていないために高い(BH)maxを得るこ
とに成功していないものと推測される。
型金属間化合物を主相とする再結晶粒が集合した再結晶
集合組織を有する希土類永久磁石粉末で、磁気異方性お
よび耐食性に優れていると説明されているが、(BH)
maxは16MGOe以下と低い値である。また、いず
れの実施例においても水素処理における水素ガス圧を1
atmに固定して実施している。水素ガス圧もしくは水
素ガス分圧による(BH)maxの向上に対する影響は
示唆されておらず、合金組成に応じた水素ガス圧にて水
素処理をしていないために高い(BH)maxを得るこ
とに成功していないものと推測される。
【0007】したがって、十分に高い(BH)maxを
有する希土類永久磁石粉末は、特開平3−129703
号公報に開示されているようにCo量を0.1〜50
%、実施例によれば7〜50%を含有しており、また文
献においても10〜20%を含有している。すなわち、
18MGOe以上の(BH)maxを得るためにはCo
は必須の添加元素であった。
有する希土類永久磁石粉末は、特開平3−129703
号公報に開示されているようにCo量を0.1〜50
%、実施例によれば7〜50%を含有しており、また文
献においても10〜20%を含有している。すなわち、
18MGOe以上の(BH)maxを得るためにはCo
は必須の添加元素であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、優れた磁気特性をもち、特に
(BH)maxの大きい希土類永久磁石を提供し、ま
た、このような希土類永久磁石の製造方法を提供するこ
とを目的とする。さらには、優れた磁気特性をもち、特
に(BH)maxの大きい希土類永久ボンド磁石を提供
することを目的とする。
みてなされたものであり、優れた磁気特性をもち、特に
(BH)maxの大きい希土類永久磁石を提供し、ま
た、このような希土類永久磁石の製造方法を提供するこ
とを目的とする。さらには、優れた磁気特性をもち、特
に(BH)maxの大きい希土類永久ボンド磁石を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】R−Fe−B系の希土類
永久磁石にさらに高い(BH)maxをもたせ、優れた
磁気特性を持つ希土類永久磁石を得るため、R−Fe−
B系の希土類永久磁石の一部を様々な金属元素で置換
し、様々な組成のR−Fe−B系の希土類永久磁石を作
製するなどして鋭意研究を重ねた結果、原子百分率で、
12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBとを含
み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の
範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不
可避な不純物の組成をもつ希土類永久磁石が、33MG
Oe以上の高い(BH)maxをもち、また、残留磁束
密度および保磁力も高い優れた磁気特性をもつことを見
出し、本発明に至ったものである。
永久磁石にさらに高い(BH)maxをもたせ、優れた
磁気特性を持つ希土類永久磁石を得るため、R−Fe−
B系の希土類永久磁石の一部を様々な金属元素で置換
し、様々な組成のR−Fe−B系の希土類永久磁石を作
製するなどして鋭意研究を重ねた結果、原子百分率で、
12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBとを含
み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の
範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不
可避な不純物の組成をもつ希土類永久磁石が、33MG
Oe以上の高い(BH)maxをもち、また、残留磁束
密度および保磁力も高い優れた磁気特性をもつことを見
出し、本発明に至ったものである。
【0010】また、水素処理を用いた製造方法により高
い(BH)maxを持つ希土類永久磁石を作製するため
に本発明者は、原子百分率で、12〜15at%のR
と、5.5〜8at%のBとを含み、(Ga+10N
b)が0.5〜8.0at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含み、残りがFe及び不可避な不純物の組成をも
つ希土類永久磁石の原料を調製し、前記(Ga+10N
b)と水素圧力もしくは水素分圧とが図1に示されるグ
ラフの4つの座標点α(0.5,0.1)、β(0.
5,0.6)、γ(8,0.9)、δ(8,0.4)で
形成される四角形の領域内にある水素ガス雰囲気もしく
は水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の下で、該原料
を加熱して昇温し、該原料の温度を760℃以上870
℃以下として保持することにより該原料に水素を吸蔵さ
せ、0.001atmより低い水素圧力の水素ガス雰囲
気の下で、もしくは、0.001atmより低い水素分
圧の水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の下で該原料
を760℃以上870℃以下の温度で保持して該水素を
吸蔵した該原料の脱水素を行い、脱水素を行った該原料
を急冷する一連の水素処理により、18MGOe以上の
高い(BH)maxをもち、また、残留磁束密度および
保磁力も高い優れた磁気特性をもつ希土類永久磁石が得
られることを見出し、本発明に至ったものである。
い(BH)maxを持つ希土類永久磁石を作製するため
に本発明者は、原子百分率で、12〜15at%のR
と、5.5〜8at%のBとを含み、(Ga+10N
b)が0.5〜8.0at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含み、残りがFe及び不可避な不純物の組成をも
つ希土類永久磁石の原料を調製し、前記(Ga+10N
b)と水素圧力もしくは水素分圧とが図1に示されるグ
ラフの4つの座標点α(0.5,0.1)、β(0.
5,0.6)、γ(8,0.9)、δ(8,0.4)で
形成される四角形の領域内にある水素ガス雰囲気もしく
は水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の下で、該原料
を加熱して昇温し、該原料の温度を760℃以上870
℃以下として保持することにより該原料に水素を吸蔵さ
せ、0.001atmより低い水素圧力の水素ガス雰囲
気の下で、もしくは、0.001atmより低い水素分
圧の水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の下で該原料
を760℃以上870℃以下の温度で保持して該水素を
吸蔵した該原料の脱水素を行い、脱水素を行った該原料
を急冷する一連の水素処理により、18MGOe以上の
高い(BH)maxをもち、また、残留磁束密度および
保磁力も高い優れた磁気特性をもつ希土類永久磁石が得
られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】さらに、本発明者は、この粉末状の希土類
永久磁石と、このバインダーとなる樹脂と、を用いてボ
ンド磁石を形成したところ、このボンド磁石が18MG
Oe以上の高い(BH)maxをもち、また、残留磁束
密度および保磁力も高い優れた磁気特性をもつことを見
出し、本発明に至ったものである。
永久磁石と、このバインダーとなる樹脂と、を用いてボ
ンド磁石を形成したところ、このボンド磁石が18MG
Oe以上の高い(BH)maxをもち、また、残留磁束
密度および保磁力も高い優れた磁気特性をもつことを見
出し、本発明に至ったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の希土類永久磁石は、Yを
少なくとも含むRと、Feと、Bと、Gaと、Nbと、
からなり、原子百分率で、12〜15at%のRと、
5.5〜8at%のBとを含み、かつ(Ga+10N
b)が0.5〜8.0at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含み、残りがFe及び不可避な不純物の組成をも
ち、最大エネルギー積が33MGOe以上である。
少なくとも含むRと、Feと、Bと、Gaと、Nbと、
からなり、原子百分率で、12〜15at%のRと、
5.5〜8at%のBとを含み、かつ(Ga+10N
b)が0.5〜8.0at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含み、残りがFe及び不可避な不純物の組成をも
ち、最大エネルギー積が33MGOe以上である。
【0013】このとき、Yを少なくとも含む希土類元素
としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、
Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種
または2種以上が利用できる。中でもコスト及び磁気特
性の理由からNdを用いることが好ましい。含有量が1
2%より低くても、また15%より高くても希土類永久
磁石の保磁力および残留磁束密度が低下するので好まし
くない。
としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、
Td、Dy、Ho、Er、Tm、Luから選ばれる1種
または2種以上が利用できる。中でもコスト及び磁気特
性の理由からNdを用いることが好ましい。含有量が1
2%より低くても、また15%より高くても希土類永久
磁石の保磁力および残留磁束密度が低下するので好まし
くない。
【0014】また、Gaは、希土類永久磁石に高い磁気
異方性を付与するのに有用な元素であり、また保磁力お
よび耐食性を向上させる効果をもつ。さらに、本発明の
希土類永久磁石では製造過程において原料の熱処理が不
可欠であり、このときNbは再結晶粒が粗大化するのを
防止し、結果として保磁力が低下するのを防ぐ。また、
本発明の希土類永久磁石は、前記(Ga+10Nb)が
0.5〜4.5at%の範囲内にあるGaおよびNbを
含むことがさらに望ましい。これにより、希土類永久磁
石にさらに高い磁気異方性を付与でき、34MGOeよ
り高い(BH)maxをもつ希土類永久磁石となる。
異方性を付与するのに有用な元素であり、また保磁力お
よび耐食性を向上させる効果をもつ。さらに、本発明の
希土類永久磁石では製造過程において原料の熱処理が不
可欠であり、このときNbは再結晶粒が粗大化するのを
防止し、結果として保磁力が低下するのを防ぐ。また、
本発明の希土類永久磁石は、前記(Ga+10Nb)が
0.5〜4.5at%の範囲内にあるGaおよびNbを
含むことがさらに望ましい。これにより、希土類永久磁
石にさらに高い磁気異方性を付与でき、34MGOeよ
り高い(BH)maxをもつ希土類永久磁石となる。
【0015】本発明の希土類永久磁石の形状については
特に限定されないが、粉末状であることが望ましい。粉
末状の本発明の希土類永久磁石は加工が容易で、用途に
より加工方法を選択することができる。本発明の希土類
永久磁石の製造方法では、原料調製工程において原料の
調製の方法は特に限定されないが、高純度の希土類、
鉄、ホウ素、ガリウム、ニオブを、用い、原子百分率
で、12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBと
を含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at
%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及
び不可避な不純物の組成となるようにそれぞれ用意し、
これらを混合して溶解炉等で溶解し、これを鋳造して合
金のインゴットを作製し、これを原料とすることができ
る。さらに、このインゴットを粉砕して粉末状とし、こ
れを原料とすることもできる。
特に限定されないが、粉末状であることが望ましい。粉
末状の本発明の希土類永久磁石は加工が容易で、用途に
より加工方法を選択することができる。本発明の希土類
永久磁石の製造方法では、原料調製工程において原料の
調製の方法は特に限定されないが、高純度の希土類、
鉄、ホウ素、ガリウム、ニオブを、用い、原子百分率
で、12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBと
を含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at
%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及
び不可避な不純物の組成となるようにそれぞれ用意し、
これらを混合して溶解炉等で溶解し、これを鋳造して合
金のインゴットを作製し、これを原料とすることができ
る。さらに、このインゴットを粉砕して粉末状とし、こ
れを原料とすることもできる。
【0016】このとき、原料の調製の方法によっては原
料中の組成分布の偏りが生じることもある。このような
組成分布の偏りが生じると、原子百分率で、12〜15
at%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、かつ
(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内に
あるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な不
純物の組成をもたない部分が原料中に生じ好ましくな
い。そこで、これらの原料を均質化処理しておくことが
望ましい。この均質化処理により組成分布の偏りが生じ
るのを減少させることができる。
料中の組成分布の偏りが生じることもある。このような
組成分布の偏りが生じると、原子百分率で、12〜15
at%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、かつ
(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内に
あるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な不
純物の組成をもたない部分が原料中に生じ好ましくな
い。そこで、これらの原料を均質化処理しておくことが
望ましい。この均質化処理により組成分布の偏りが生じ
るのを減少させることができる。
【0017】水素吸蔵工程においては、原料調製工程で
調製された原料を、前記(Ga+10Nb)と水素圧力
もしくは水素分圧とが図1に示されるグラフの4つの座
標点α、β、γ、δにより形成される四角形の領域内に
ある水素ガス雰囲気もしくは水素ガスと不活性ガスとの
混合雰囲気の下に置き、これを加熱して昇温し、この原
料の温度を760℃以上870℃以下として保持するこ
とによりこの原料に水素を吸蔵させる。このような雰囲
気は真空槽等を用い、一旦高真空雰囲気にした後、高純
度のH2 ガス、もしくは高純度のH2 ガスと高純度の不
活性ガスを導入することにより形成することができる。
なお、このとき水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の
下で行う場合、不活性ガスとしてアルゴン等の希ガスを
使用することができる。また、このとき該原料を加熱し
て760℃以上870℃以下の温度まで昇温する時間
は、原料の形状、大きさ、量等により異なり、この76
0℃以上870℃以下の温度を保持する時間も、原料の
形状、大きさ、量等により異なるが、原料に吸蔵される
水素が飽和するまで行うことが望ましい。このような水
素吸蔵処理により、原料に所望の磁気異方性を付与する
ことができる。
調製された原料を、前記(Ga+10Nb)と水素圧力
もしくは水素分圧とが図1に示されるグラフの4つの座
標点α、β、γ、δにより形成される四角形の領域内に
ある水素ガス雰囲気もしくは水素ガスと不活性ガスとの
混合雰囲気の下に置き、これを加熱して昇温し、この原
料の温度を760℃以上870℃以下として保持するこ
とによりこの原料に水素を吸蔵させる。このような雰囲
気は真空槽等を用い、一旦高真空雰囲気にした後、高純
度のH2 ガス、もしくは高純度のH2 ガスと高純度の不
活性ガスを導入することにより形成することができる。
なお、このとき水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の
下で行う場合、不活性ガスとしてアルゴン等の希ガスを
使用することができる。また、このとき該原料を加熱し
て760℃以上870℃以下の温度まで昇温する時間
は、原料の形状、大きさ、量等により異なり、この76
0℃以上870℃以下の温度を保持する時間も、原料の
形状、大きさ、量等により異なるが、原料に吸蔵される
水素が飽和するまで行うことが望ましい。このような水
素吸蔵処理により、原料に所望の磁気異方性を付与する
ことができる。
【0018】なお、(Ga+10Nb)および水素圧力
もしくは水素分圧が、図1に示されるグラフの4つの座
標点α、β、γ、δにより形成される四角形の領域外に
あるとき等方性もしくは未反応物となり好ましくない。
また、760℃より低い温度で水素吸蔵処理を行うと、
得られる希土類永久磁石において異方性が十分に得られ
ず、870℃を超える温度で行うと結晶粒の粗大化が起
こり好ましくない。
もしくは水素分圧が、図1に示されるグラフの4つの座
標点α、β、γ、δにより形成される四角形の領域外に
あるとき等方性もしくは未反応物となり好ましくない。
また、760℃より低い温度で水素吸蔵処理を行うと、
得られる希土類永久磁石において異方性が十分に得られ
ず、870℃を超える温度で行うと結晶粒の粗大化が起
こり好ましくない。
【0019】水素吸蔵工程に続く脱水素工程において
は、0.001atmより低い圧力の水素ガス雰囲気の
下で、もしくは、0.001atmより低い分圧の水素
ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気の下で該原料を7
60℃以上870℃以下の温度で保持する。このとき保
持する時間は、原料の形状、大きさ、量等により異なる
が、水素を吸蔵した該原料から十分に脱水素を行える時
間であることが望ましい。なお、水素吸蔵工程と同様、
水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気の下で行う場
合、不活性ガスとしてアルゴン等の希ガスを使用するこ
とができる。
は、0.001atmより低い圧力の水素ガス雰囲気の
下で、もしくは、0.001atmより低い分圧の水素
ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気の下で該原料を7
60℃以上870℃以下の温度で保持する。このとき保
持する時間は、原料の形状、大きさ、量等により異なる
が、水素を吸蔵した該原料から十分に脱水素を行える時
間であることが望ましい。なお、水素吸蔵工程と同様、
水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気の下で行う場
合、不活性ガスとしてアルゴン等の希ガスを使用するこ
とができる。
【0020】また、このとき、800℃〜840℃温度
で該原料を保持して水素吸蔵処理および脱水素処理を行
うことが望ましい。この水素処理により、さらに大きい
磁気異方性を原料に付与することができる。急冷工程で
は、脱水素を行った該原料を室温に急冷する。この急冷
を行う時間は、原料の形状、大きさ、量等により異なる
が、少なくとも5℃/min.の冷却速度で行うことが
望ましい。
で該原料を保持して水素吸蔵処理および脱水素処理を行
うことが望ましい。この水素処理により、さらに大きい
磁気異方性を原料に付与することができる。急冷工程で
は、脱水素を行った該原料を室温に急冷する。この急冷
を行う時間は、原料の形状、大きさ、量等により異なる
が、少なくとも5℃/min.の冷却速度で行うことが
望ましい。
【0021】このとき、インゴット状の原料を用いたと
き、得られるインゴット状の希土類永久磁石は乳鉢等で
容易に粉砕することができる。また、粉末状の原料を用
いた場合、凝集等により固化することもあるが、乳鉢等
で容易に粉砕することができる。本発明の希土類永久ボ
ンド磁石は、Yを少なくとも含むRと、Feと、Bと、
Gaと、Nbと、からなり、原子百分率で12〜15a
t%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、かつ(G
a+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内にある
GaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な不純物
である組成をもつ希土類永久磁石粉末と、この磁石粉末
のバインダーとなる樹脂と、を用いて形成される。
き、得られるインゴット状の希土類永久磁石は乳鉢等で
容易に粉砕することができる。また、粉末状の原料を用
いた場合、凝集等により固化することもあるが、乳鉢等
で容易に粉砕することができる。本発明の希土類永久ボ
ンド磁石は、Yを少なくとも含むRと、Feと、Bと、
Gaと、Nbと、からなり、原子百分率で12〜15a
t%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、かつ(G
a+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内にある
GaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な不純物
である組成をもつ希土類永久磁石粉末と、この磁石粉末
のバインダーとなる樹脂と、を用いて形成される。
【0022】その形成方法は特に限定されないが、本発
明の希土類永久磁石の磁石粉末と、この磁石粉末のバイ
ンダーとなる樹脂と、を用いて形成されることが望まし
い。このとき樹脂としてはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂を用いることができ、この樹脂と磁石粉末とを混合し
て得られた混合物を加圧成形等により成形した後、熱処
理して樹脂を熱硬化し、希土類永久ボンド磁石を形成す
ることができる。
明の希土類永久磁石の磁石粉末と、この磁石粉末のバイ
ンダーとなる樹脂と、を用いて形成されることが望まし
い。このとき樹脂としてはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂を用いることができ、この樹脂と磁石粉末とを混合し
て得られた混合物を加圧成形等により成形した後、熱処
理して樹脂を熱硬化し、希土類永久ボンド磁石を形成す
ることができる。
【0023】
【発明の作用】本発明の希土類永久磁石は、異方性が大
きいため33MGOe以上の高い(BH)maxをも
ち、また、残留磁束密度および保磁力も高く、磁気特性
に優れる。また、これらの磁石粉末を用いたボンド磁石
は18MGOe以上の高い(BH)maxをもつ。特に
(Ga+10Nb)が0.5〜4.5at%の範囲内に
あるGaおよびNbを含む希土類永久磁石は34MGO
eより高い(BH)maxをもち、また、これらの磁石
粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上の高い(B
H)maxをもつ。
きいため33MGOe以上の高い(BH)maxをも
ち、また、残留磁束密度および保磁力も高く、磁気特性
に優れる。また、これらの磁石粉末を用いたボンド磁石
は18MGOe以上の高い(BH)maxをもつ。特に
(Ga+10Nb)が0.5〜4.5at%の範囲内に
あるGaおよびNbを含む希土類永久磁石は34MGO
eより高い(BH)maxをもち、また、これらの磁石
粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上の高い(B
H)maxをもつ。
【0024】また、本発明の希土類永久磁石の製造方法
により、異方性が大きくなるため、33MGOe以上の
高い(BH)maxをもつ希土類永久磁石が製造され
る。これらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18MGO
e以上の高い(BH)maxをもつ。特に、800℃〜
840℃温度で希土類永久磁石の原料を昇温、保持して
水素吸蔵処理および脱水素処理を行うことにより、さら
に異方性が大きくなるため、34MGOeより高い(B
H)maxをもつ希土類永久磁石が製造される。これら
の磁石粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上のさ
らに高い(BH)maxをもつ。
により、異方性が大きくなるため、33MGOe以上の
高い(BH)maxをもつ希土類永久磁石が製造され
る。これらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18MGO
e以上の高い(BH)maxをもつ。特に、800℃〜
840℃温度で希土類永久磁石の原料を昇温、保持して
水素吸蔵処理および脱水素処理を行うことにより、さら
に異方性が大きくなるため、34MGOeより高い(B
H)maxをもつ希土類永久磁石が製造される。これら
の磁石粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上のさ
らに高い(BH)maxをもつ。
【0025】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。Rと
してNdを用い、表1に示されるaからsの組成となる
ように、それぞれR、B、Ga、Nb、Feを所定量混
合し、ボタンアーク溶解炉にて溶解・鋳造して19種類
の組成の異なる合金インゴットを作製した。得られた各
合金のインゴットを1140℃で40時間の均質化処理
を施し、希土類永久磁石の原料とした。なお、表1で
は、各元素の含量を原子百分率の値で示しており、合金
全体で100原子%とし、Feはその残り全部であるこ
とを示している。
してNdを用い、表1に示されるaからsの組成となる
ように、それぞれR、B、Ga、Nb、Feを所定量混
合し、ボタンアーク溶解炉にて溶解・鋳造して19種類
の組成の異なる合金インゴットを作製した。得られた各
合金のインゴットを1140℃で40時間の均質化処理
を施し、希土類永久磁石の原料とした。なお、表1で
は、各元素の含量を原子百分率の値で示しており、合金
全体で100原子%とし、Feはその残り全部であるこ
とを示している。
【0026】
【表1】
【0027】均質化処理が施された各合金のインゴット
を最高10-3Paの真空度を保てる真空加熱炉に設置
し、炉内に水素ガスを導入して所定の水素圧力とし、炉
内を水素ガス雰囲気とした。この水素ガス雰囲気で各合
金のインゴットを加熱して所定の処理温度まで昇温し、
インゴットが所定の処理温度となったら、そのままの水
素ガス雰囲気で所定の処理温度を3時間保持し、水素ガ
ス雰囲気での加熱によりインゴットに水素を吸蔵させ水
素ガス吸蔵処理を行った。水素ガス吸蔵処理後も加熱を
続け、この所定の処理温度を保ったまま、水素ガス吸蔵
処理がなされた各合金のインゴットを10-2Paの真空
雰囲気で0.5時間保持して脱水素処理を行った。脱水
素処理後、処理温度から室温に急冷した。急冷された各
合金のインゴットを乳鉢で軽く粉砕し、平均粒度105
μmの磁石粉末とした。
を最高10-3Paの真空度を保てる真空加熱炉に設置
し、炉内に水素ガスを導入して所定の水素圧力とし、炉
内を水素ガス雰囲気とした。この水素ガス雰囲気で各合
金のインゴットを加熱して所定の処理温度まで昇温し、
インゴットが所定の処理温度となったら、そのままの水
素ガス雰囲気で所定の処理温度を3時間保持し、水素ガ
ス雰囲気での加熱によりインゴットに水素を吸蔵させ水
素ガス吸蔵処理を行った。水素ガス吸蔵処理後も加熱を
続け、この所定の処理温度を保ったまま、水素ガス吸蔵
処理がなされた各合金のインゴットを10-2Paの真空
雰囲気で0.5時間保持して脱水素処理を行った。脱水
素処理後、処理温度から室温に急冷した。急冷された各
合金のインゴットを乳鉢で軽く粉砕し、平均粒度105
μmの磁石粉末とした。
【0028】このとき、aからsの組成をもつ希土類永
久磁石の原料を用い、表2〜表4に示される水素圧力お
よび処理温度で水素ガス吸蔵処理を行い、それぞれ磁石
粉末(a−1〜5、b−1〜5、c−1〜5、d−1〜
5、e−1〜5、f−1〜5、g−1〜5、h−1〜
5、i−1〜5、j−1〜5、k−1〜5、l−1〜
5、m−1〜5、n−1〜5、o−1〜5、p−1〜
5、q−1〜5、r−1〜5、s−1〜5)を得た。こ
れらの各磁石粉末について磁化測定をVSMにより反磁
場補正した後、(BH)maxを求めた。
久磁石の原料を用い、表2〜表4に示される水素圧力お
よび処理温度で水素ガス吸蔵処理を行い、それぞれ磁石
粉末(a−1〜5、b−1〜5、c−1〜5、d−1〜
5、e−1〜5、f−1〜5、g−1〜5、h−1〜
5、i−1〜5、j−1〜5、k−1〜5、l−1〜
5、m−1〜5、n−1〜5、o−1〜5、p−1〜
5、q−1〜5、r−1〜5、s−1〜5)を得た。こ
れらの各磁石粉末について磁化測定をVSMにより反磁
場補正した後、(BH)maxを求めた。
【0029】また、これらの各磁石粉末にそれぞれ3重
量%のエポキシ樹脂を混合し、15kOeの横磁場で6
ton/cm2 でプレス成形し、ついで120℃の熱硬
化処理を施してボンド磁石を作製した。得られたボンド
磁石について、磁石粉末の(BH)maxを求めた時と
同様にして(BH)maxを求めた。表2〜表4に、こ
れらの磁石粉末およびボンド磁石の(BH)maxを併
せて示す。
量%のエポキシ樹脂を混合し、15kOeの横磁場で6
ton/cm2 でプレス成形し、ついで120℃の熱硬
化処理を施してボンド磁石を作製した。得られたボンド
磁石について、磁石粉末の(BH)maxを求めた時と
同様にして(BH)maxを求めた。表2〜表4に、こ
れらの磁石粉末およびボンド磁石の(BH)maxを併
せて示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表2および表3より、aからnの組成をも
つ磁石粉末のうち、(a−1、b−1、c−1、d−
1、e−1、f−1、g−1、h−1、i−1、j−
1、k−1、l−1、m−1)は33.1〜39.7M
GOe以上の(BH)maxをもち、またこれらの磁石
粉末を用いたボンド磁石は18.2〜22.0MGOe
の(BH)maxをもつことがわかる。特に(a−1、
b−1、f−1、g−1、h−1、l−1)の磁石粉末
は、34.8〜39.7MGOeの(BH)maxをも
ち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石は19.
0〜22.0MGOeの(BH)maxをもつことがわ
かる。
つ磁石粉末のうち、(a−1、b−1、c−1、d−
1、e−1、f−1、g−1、h−1、i−1、j−
1、k−1、l−1、m−1)は33.1〜39.7M
GOe以上の(BH)maxをもち、またこれらの磁石
粉末を用いたボンド磁石は18.2〜22.0MGOe
の(BH)maxをもつことがわかる。特に(a−1、
b−1、f−1、g−1、h−1、l−1)の磁石粉末
は、34.8〜39.7MGOeの(BH)maxをも
ち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石は19.
0〜22.0MGOeの(BH)maxをもつことがわ
かる。
【0033】一方、(a−2〜5、b−2〜5、c−2
〜5、d−2〜5、e−2〜5、f−2〜5、g−2〜
5、h−2〜5、i−2〜5、j−2〜5、k−2〜
5、l−2〜5、m−2〜5、n−1〜5)の磁石粉末
は33MGOeより低い(BH)maxをもち、またこ
れらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18MGOeより
低い(BH)maxをもつことがわかる。
〜5、d−2〜5、e−2〜5、f−2〜5、g−2〜
5、h−2〜5、i−2〜5、j−2〜5、k−2〜
5、l−2〜5、m−2〜5、n−1〜5)の磁石粉末
は33MGOeより低い(BH)maxをもち、またこ
れらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18MGOeより
低い(BH)maxをもつことがわかる。
【0034】
【表4】
【0035】また、表4より、oからsの組成をもつ磁
石粉末では、いずれの条件で水素処理がなされたものに
おいても(o−1〜5、p−1〜5、q−1〜5、r−
1〜5、s−1〜5)33MGOeより低い(BH)m
axをもち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石
は18MGOeより低い(BH)maxをもつことがわ
かる。
石粉末では、いずれの条件で水素処理がなされたものに
おいても(o−1〜5、p−1〜5、q−1〜5、r−
1〜5、s−1〜5)33MGOeより低い(BH)m
axをもち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石
は18MGOeより低い(BH)maxをもつことがわ
かる。
【0036】aからnの各磁石粉末は、原子百分率で、
12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBとを含
み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の
範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不
可避な不純物である組成をもつものである。そして、
(a−1、b−1、c−1、d−1、e−1、f−1、
g−1、h−1、i−1、j−1、k−1、l−1、m
−1)の各磁石粉末は、図2に示されるように、(Ga
+10Nb)と水素吸蔵処理における水素圧力とが、図
1の4つの座標点α、β、γ、δで形成される四角形の
領域内にあり、その他の磁石粉末(a−2〜5、b−2
〜5、c−2〜5、d−2〜5、e−2〜5、f−2〜
5、g−2〜5、h−2〜5、i−2〜5、j−2〜
5、k−2〜5、l−2〜5、m−2〜5、n−1〜
5)の水素吸蔵処理条件は、この四角形の領域外であ
る。また、特に(a−1、b−1、f−1、g−1、h
−1、l−1)の希土類永久磁石は、(Ga+10N
b)が0.5〜4.5at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含むものである。
12〜15at%のRと、5.5〜8at%のBとを含
み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の
範囲内にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不
可避な不純物である組成をもつものである。そして、
(a−1、b−1、c−1、d−1、e−1、f−1、
g−1、h−1、i−1、j−1、k−1、l−1、m
−1)の各磁石粉末は、図2に示されるように、(Ga
+10Nb)と水素吸蔵処理における水素圧力とが、図
1の4つの座標点α、β、γ、δで形成される四角形の
領域内にあり、その他の磁石粉末(a−2〜5、b−2
〜5、c−2〜5、d−2〜5、e−2〜5、f−2〜
5、g−2〜5、h−2〜5、i−2〜5、j−2〜
5、k−2〜5、l−2〜5、m−2〜5、n−1〜
5)の水素吸蔵処理条件は、この四角形の領域外であ
る。また、特に(a−1、b−1、f−1、g−1、h
−1、l−1)の希土類永久磁石は、(Ga+10N
b)が0.5〜4.5at%の範囲内にあるGaおよび
Nbを含むものである。
【0037】従って、上記の結果より、本発明の希土類
永久磁石は33MGOe以上の高い(BH)maxをも
ち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18M
GOe以上の高い(BH)maxをもつことがわかる。
特に、(Ga+10Nb)が0.5〜4.5at%の範
囲内にあるGaおよびNbを含む希土類永久磁石は34
MGOeよりさらに高い(BH)maxをもち、またこ
れらの磁石粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上
のさらに高い(BH)maxをもつことがわかる。
永久磁石は33MGOe以上の高い(BH)maxをも
ち、またこれらの磁石粉末を用いたボンド磁石は18M
GOe以上の高い(BH)maxをもつことがわかる。
特に、(Ga+10Nb)が0.5〜4.5at%の範
囲内にあるGaおよびNbを含む希土類永久磁石は34
MGOeよりさらに高い(BH)maxをもち、またこ
れらの磁石粉末を用いたボンド磁石は19MGOe以上
のさらに高い(BH)maxをもつことがわかる。
【0038】また、本発明の希土類永久磁石の製造方法
により、33MGOe以上の高い(BH)maxをもつ
希土類永久磁石が製造され、またこれらの磁石粉末を用
いたボンド磁石は18MGOe以上の高い(BH)ma
xをもつことがわかる。特に、水素吸蔵工程および脱水
素工程において、800℃〜840℃温度で希土類永久
磁石の原料を昇温、保持して水素処理がなされることに
より、(BH)maxが34MGOeより高い希土類永
久磁石が製造でき、またこれらの磁石粉末を用いたボン
ド磁石は19MGOe以上のさらに高い(BH)max
をもつことがわかる。
により、33MGOe以上の高い(BH)maxをもつ
希土類永久磁石が製造され、またこれらの磁石粉末を用
いたボンド磁石は18MGOe以上の高い(BH)ma
xをもつことがわかる。特に、水素吸蔵工程および脱水
素工程において、800℃〜840℃温度で希土類永久
磁石の原料を昇温、保持して水素処理がなされることに
より、(BH)maxが34MGOeより高い希土類永
久磁石が製造でき、またこれらの磁石粉末を用いたボン
ド磁石は19MGOe以上のさらに高い(BH)max
をもつことがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明の希土類永久磁石は、高い(B
H)maxをもつ異方性ボンド磁石等に利用することが
できる。本発明の希土類永久磁石の製造方法により、高
い(BH)maxをもつ異方性ボンド磁石等に利用でき
る永久磁石を製造することができる。
H)maxをもつ異方性ボンド磁石等に利用することが
できる。本発明の希土類永久磁石の製造方法により、高
い(BH)maxをもつ異方性ボンド磁石等に利用でき
る永久磁石を製造することができる。
【0040】本発明の希土類永久ボンド磁石により、高
い(BH)maxが要求される磁石材料に利用すること
ができる。
い(BH)maxが要求される磁石材料に利用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の希土類永久磁石の製造方法
において、(Ga+10Nb)と水素吸蔵工程での水素
圧力との条件を示す図である。
において、(Ga+10Nb)と水素吸蔵工程での水素
圧力との条件を示す図である。
【図2】この図は、本実施例の希土類永久磁石(a−
1、b−1、c−1、d−1、e−1、f−1、g−
1、h−1、i−1、j−1、k−1、l−1、m−
1)について、(Ga+10Nb)と水素吸蔵工程での
水素圧力との関係を示す図である。
1、b−1、c−1、d−1、e−1、f−1、g−
1、h−1、i−1、j−1、k−1、l−1、m−
1)について、(Ga+10Nb)と水素吸蔵工程での
水素圧力との関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】イットリウム(Y)を少なくとも含む希土
類元素(以下、Rと称す)と、鉄(Fe)と、ホウ素
(B)と、ガリウム(Ga)と、ニオブ(Nb)と、か
らなる希土類永久磁石であって、原子百分率で、12〜
15at%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、か
つ(Ga+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内
にあるGaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な
不純物の組成をもち、また最大エネルギー積が33MG
Oe以上であることを特徴とする希土類永久磁石。 - 【請求項2】前記(Ga+10Nb)が0.5〜4.5
at%の範囲内にあるGaおよびNbを含む請求項1に
記載の希土類永久磁石。 - 【請求項3】Yを少なくとも含むRと、Feと、Bと、
Gaと、Nbと、からなる希土類永久磁石であって、原
子百分率で、12〜15at%のRと、5.5〜8at
%のBとを含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜
8.0at%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残
りがFe及び不可避な不純物の組成をもち、また最大エ
ネルギー積が33MGOe以上である希土類永久磁石の
製造方法であって、 原子百分率で、12〜15at%のRと、5.5〜8a
t%のBとを含み、かつ(Ga+10Nb)が0.5〜
8.0at%の範囲内にあるGaおよびNbを含み、残
りがFe及び不可避な不純物の組成をもつ該希土類永久
磁石の原料を調製する原料調製工程と、 前記(Ga+10Nb)と水素圧力もしくは水素分圧と
が図1に示されるグラフの4つの座標点α(0.5,
0.1)、β(0.5,0.6)、γ(8,0.9)、
δ(8,0.4)により形成される四角形の領域内にあ
る水素ガス雰囲気もしくは水素ガスと不活性ガスとの混
合雰囲気の下で、該原料を加熱して昇温し、該原料の温
度を760℃以上870℃以下として保持することによ
り該原料に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、 0.001atmより低い水素圧力の水素ガス雰囲気の
下で、もしくは、0.001atmより低い水素分圧の
水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気の下で該原料を7
60℃以上870℃以下の温度で保持して該水素を吸蔵
した該原料の脱水素を行う脱水素工程と、 脱水素を行った該原料を急冷する急冷工程と、 からなることを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。 - 【請求項4】前記水素吸蔵工程および脱水素工程におい
て800℃〜840℃温度で該原料を保持する請求項3
に記載の希土類永久磁石の製造方法。 - 【請求項5】Yを少なくとも含むRとFeとBとGaと
Nbとからなる希土類永久磁石粉末と、該希土類永久磁
石粉末のバインダーとなる樹脂と、からなるボンド磁石
であって、 該希土類永久磁石粉末は、原子百分率で、12〜15a
t%のRと、5.5〜8at%のBとを含み、かつ(G
a+10Nb)が0.5〜8.0at%の範囲内にある
GaおよびNbを含み、残りがFe及び不可避な不純物
の組成をもち、また該ボンド磁石の最大エネルギー積が
18MGOe以上であることを特徴とする希土類永久ボ
ンド磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169435A JPH1022110A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169435A JPH1022110A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1022110A true JPH1022110A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=15886555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8169435A Pending JPH1022110A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1022110A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001289400A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-19 | Ulvac Japan Ltd | 水素処理装置 |
JP2003031432A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-31 | Showa Denko Kk | 希土類焼結磁石の製造方法および希土類焼結磁石 |
WO2004003245A1 (ja) * | 2002-06-28 | 2004-01-08 | Aichi Steel Corporation | ボンド磁石用合金、等方性磁石粉末および異方性磁石粉末とそれらの製造方法並びにボンド磁石 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP8169435A patent/JPH1022110A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001289400A (ja) * | 2000-04-10 | 2001-10-19 | Ulvac Japan Ltd | 水素処理装置 |
JP2003031432A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-31 | Showa Denko Kk | 希土類焼結磁石の製造方法および希土類焼結磁石 |
JP4648586B2 (ja) * | 2001-07-16 | 2011-03-09 | 昭和電工株式会社 | 希土類焼結磁石の製造方法および希土類焼結磁石 |
WO2004003245A1 (ja) * | 2002-06-28 | 2004-01-08 | Aichi Steel Corporation | ボンド磁石用合金、等方性磁石粉末および異方性磁石粉末とそれらの製造方法並びにボンド磁石 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4597938A (en) | Process for producing permanent magnet materials | |
US4601875A (en) | Process for producing magnetic materials | |
JPH0510806B2 (ja) | ||
JPS6134242B2 (ja) | ||
JPH0510807B2 (ja) | ||
JP2586198B2 (ja) | 磁気的異方性および耐食性に優れた希土類―Fe―B系永久磁石粉末およびボンド磁石 | |
JPH0316761B2 (ja) | ||
JP2576671B2 (ja) | 磁気的異方性および耐食性に優れた希土類ーFeーB系永久磁石粉末およびボンド磁石 | |
JPH04245403A (ja) | 希土類−Fe−Co−B系異方性磁石 | |
JP2774372B2 (ja) | 永久磁石粉末 | |
JPH06207203A (ja) | 希土類永久磁石の製造方法 | |
JP2753429B2 (ja) | ボンド磁石 | |
JPS59132105A (ja) | 永久磁石用合金 | |
JPH06124825A (ja) | 焼結永久磁石 | |
JPH1022110A (ja) | 希土類永久磁石及びその製造方法、並びに希土類永久ボンド磁石 | |
JPH0536495B2 (ja) | ||
JP2586199B2 (ja) | 磁気的異方性および耐食性に優れた希土類―Fe―Co―B系永久磁石粉末およびボンド磁石 | |
JPS609104A (ja) | 永久磁石材料 | |
JP3092673B2 (ja) | 希土類−Fe−B系異方性磁石 | |
JP3080275B2 (ja) | 耐食性および耐熱性に優れたR−Fe−Co−Al−Nb−Ga−B系焼結磁石及びその製造方法 | |
JPH044386B2 (ja) | ||
JPH04247604A (ja) | 希土類−Fe−Co−B系異方性磁石 | |
JP3178848B2 (ja) | 永久磁石の製造方法 | |
JPH0316763B2 (ja) | ||
JPS6365742B2 (ja) |