JPH10219269A - 自動変速機油組成物 - Google Patents
自動変速機油組成物Info
- Publication number
- JPH10219269A JPH10219269A JP2937697A JP2937697A JPH10219269A JP H10219269 A JPH10219269 A JP H10219269A JP 2937697 A JP2937697 A JP 2937697A JP 2937697 A JP2937697 A JP 2937697A JP H10219269 A JPH10219269 A JP H10219269A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- automatic transmission
- cyclopentadiene
- oil
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
く、静摩擦係数とトルク伝達容量を大きく維持した上、
耐ピッチング性を向上させた自動変速機油組成物を提供
する。 【解決手段】 A〜Cを配合した基油にDとEを添加す
る。 A)シクロペンタジエン類とα−オレフィン類もしくモ
ノビニル芳香族炭化水素類との熱共重合物またはこの熱
共重合物の水素化物であって、軟化点40℃以上または
質量平均分子量250以上のひとつ以上を満たすシクロ
ペンタジエン系石油樹脂:2〜17質量%、B)質量平
均分子量100〜1,000で、分枝ポリα−オレフィ
ン:20〜45質量%、C)100℃での粘度2〜50
mm2/Sの鉱油:38〜78質量%D)特定の構造のリン
酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステルま
たは酸性亜リン酸エステルの1種以上のリン化合物0.
01〜5質量%、E)N系またはエステル系化合物の1
種以上の摩擦調整剤:0.01〜3質量%。
Description
し、トルク容量が大きく、耐ジャダー性に優れるととも
に、耐ピッチング性が大幅に改善された自動変速機油組
成物を提供する。
向上させるという観点から低粘度化し、また、エンジン
の高出力化に伴って負荷が増大することから、耐ピッチ
ング性すなわち自動変速機を構成する金属部品の表面の
劣化に対する耐久性を、一層向上させることが望まれて
いる。
ン系石油樹脂と、特定の合成油から成るトラクションド
ライブ用流体を開発し、すでに開示した(特開平5−1
40574号)。 しかし、トラクションドライブ用流
体に関しては、耐ピッチング性は問題にされない。 ト
ラクションドライブは動力伝達装置であり、自動変速機
に用いられるものの、その機構は無段変速機である。
一方、有段の自動変速機は、トラクションドライブ等の
無段変速機とは異なった機構の装置であり、従ってトラ
クションドライブ用流体と自動変速機油とでは、要求さ
れる性能が異なる。 自動変速機油に対して従来から要
求されている性能として、ロックアップ機構を作動させ
るときの変速ショック防止性能(これを「耐ジャダー性」
という)があり、耐ジャダー性を高くするには、自動変
速機油の動摩擦係数比(μ0/μd)が小さいことが望
ましい。 また、有段の自動変速機に装着されている湿
式クラッチは、静摩擦係数が低いと滑りが発生しやすく
なり、伝達トルクのロスが大きくなる。 ロスを小さく
するためには、湿式クラッチにおける静摩擦係数(μ
s)の大きな自動変速機油が望ましい。 トラクション
ドライブ用流体に関するその後の研究の成果として、出
願人は、α−アルキルスチレン二量体の水素化物と特定
のシクロペンタジエン系石油樹脂とからなる基油に、特
定のリン化合物およびN系またはエステル系の摩擦調節
剤を添加してなるトラクションドライブ用流体を開発
し、これも開示した(特願平8−180954号)。
さきに開示したトラクションドライブ用流体に関連し
て、発明者等は最近、耐ピッチング性に優れた潤滑油基
油組成物を確立し、これについても提案した(特願平8
−353794号)。 この潤滑油基油組成物は、特定
のシクロペンタジエン系石油樹脂と、特定の鉱油または
合成油から成ることを特徴とする。 さらに研究を重
ね、この潤滑油基油が自動変速機油の基油としても有用
であって、自動変速機油に用いたときにもその耐ピッチ
ング性を発揮すること、また、後の開示にかかるトラク
ションドライブ用流体の添加剤が、自動変速機油の添加
剤としても好適であることを見出した。
者らが得た上記の新しい知見を活用し、前記した要望に
こたえ得る自動変速機油、すなわち従来の自動変速機油
と同様に動摩擦係数比が小さく耐ジャダー性が良好であ
り、かつ静摩擦係数が大きくトルク伝達容量を大きく維
持した上で、耐ピッチング性を向上させた自動変速機油
組成物を提供することにある。
成物は、下記のA,BおよびCの成分(A)シクロペン
タジエン類とα−オレフィン類もしくはモノビニル芳香
族炭化水素類との熱共重合物またはこの熱共重合物の水
素化物であって、軟化点が40℃以上および重量平均分
子量が250以上の条件の少なくともひとつを満たすシ
クロペンタジエン系石油樹脂:2〜17質量%、(B)
重量平均分子量が100〜1,000である、分枝を有
するポリα−オレフィン:20〜45質量%、および
(C)100℃における粘度が2〜50mm2/Sである鉱
油:38〜78質量%からなる潤滑油組成物を基油とし
て使用し、これに、下記のDおよびEの成分(D)一般
式1〜3のリン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リ
ン酸エステルおよび酸性亜リン酸エステルから選ばれる
少なくとも1種のリン化合物0.01〜5質量%、
原子、C1〜C30の炭化水素基またはイオウ原子含有炭
化水素基をあらわし、XおよびYは1または2であ
る。]および(E)N系およびエステル系の化合物から
選ばれる少なくとも1種の摩擦調整剤:0.01〜3質
量%を添加して成る自動変速機油組成物である。
ペンタジエン系石油樹脂は、シクロペンタジエン類とα
−オレフィン類またはモノビニル芳香族炭化水素類とを
熱共重合させ、さらに必要に応じて水素化することによ
って得られる。
クロペンタジエン、その多量体、それらのアルキル置換
体およびそれらの混合物が包含される。 工業的には、
ナフサ等のスチームクラッキングにより得られる、シク
ロペンタジエン類を約30質量%以上、好ましくは約5
0質量%以上含有するシクロペンタジエン留分(CPD
留分)を用いることが有利である。 一般にCPD留分
中には、これら脂環式ジエンと共重合可能なオレフィン
性単量体が含まれている。 それらは、たとえば、イソ
プレン、ピペリレンあるいはブタジエン等の脂肪族ジオ
レフィンや、シクロペンテン等の脂環式オレフィンであ
る。 これらオレフィン類の濃度は低い方が好ましい
が、シクロペンタジエン類に対し約10質量%以下であ
れば許容される。
いまひとつの原料であるα−オレフィン類の例として
は、C4〜C14、好ましくはC4〜C10のα−オレフィン
およびそれらの混合物が挙げられ、エチレン、プロピレ
ンまたは1−ブテン等からの誘導体、あるいはパラフィ
ンワックスの分解物等が好ましく用いられる。 このα
−オレフィン類は、シクロペンタジエン類1モルあたり
4モル未満を反応させることが好ましい。
ンと共重合させる、もうひとつの原料であるモノビニル
芳香族炭化水素類としては、スチレン、o,m,p−ビ
ニルトルエン、α,β−メチルスチレン等が挙げられ
る。 これらの原料は、インデン、メチルインデンある
いはエチルインデン等のインデン類を含有していてもよ
く、工業的には、ナフサ等のスチームクラッキングより
得られる、いわゆる C9留分を用いることが有利であ
る。 このモノビニル芳香族炭化水素類は、シクロペン
タジエン類1モルあたり3モル未満を反応させるのが適
切である。
ジエン等の単量体を用いる場合には1モルを1当量とし
て、二量体を用いる場合には1モルを2当量として、そ
れぞれ計算する。
重合方法のひとつの例を示せば、下記の方法がある。
すなわち、上記のシクロペンタジエン類とα−オレフィ
ン類またはモノビニル芳香族炭化水素類とを、溶媒中
で、または無溶媒で、好ましくは窒素ガス等の不活性ガ
ス雰囲気下に、約160〜300℃、好ましくは約18
0〜280℃の範囲の温度において、約0.1〜10時
間、好ましくは約0.5〜6時間、原料系を液相に保持
し得る圧力の下に反応させることにより、第一段の熱共
重合を行なう。 続いて、第一段の重合反応液から常圧
下または加圧下に原料中の不活性成分、未反応原料、さ
らに必要ならば溶剤を蒸留等の操作により留去した後、
減圧下で、約160〜280℃の温度において、約0.
5〜4時間、第二段の重合を行なって、所望のシクロペ
ンタジエン系石油樹脂を得る。
が約40℃以上および重量平均分子量が約250以上の
条件の少なくともひとつを、おおむね満たすシクロペン
タジエン系石油樹脂が得られる。 最適の反応条件は、
上記範囲内で容易に決定できるであろう。このようにし
て得たシクロペンタジエン系石油樹脂は、水素化処理の
有無にかかわらず優れた配合効果を示す。 しかし、臭
気や安定性を改善するために、また色相を改善するため
に、水素化処理を施すことが好ましい。 水素化処理
は、通常の方法で行なうことができる。 たとえば、ニ
ッケル、パラジウム、白金等の水素化触媒を用い、溶媒
中で、または無溶媒で、約70〜300℃、好ましくは
約100〜250℃の範囲の温度において、圧力約10
〜200Kg/cm2(G)、好ましくは約20〜120Kg
/cm2(G)の水素圧力下に、約0.5〜20時間、好ま
しくは約1〜10時間置けば、水素化処理ができる。
水素化処理後は、触媒を、またさらに必要ならば溶剤を
除去することにより、目的とする水素化シクロペンタジ
エン系石油樹脂が得られる。
エン系石油樹脂は、前記のように、軟化点約40℃以上
および平均分子量約250以上の条件の、少なくともひ
とつを満たす必要がある。 軟化点の好ましい値は、約
80〜180℃であり、平均分子量の好ましい値は、約
400〜2,000である。
は、A〜C成分からなる基油の全量を基準として2〜1
7質量%、好ましくは2〜12質量%、より好ましくは
3〜8質量%、とくに好ましくは4〜6質量%である。
少な過ぎると耐ピッチング性の向上がほとんど認めら
れず、一方、多過ぎると低温粘度が大きくなり過ぎる。
を有するポリα−オレフィンは、四級または三級炭素原
子を主鎖にもつポリオレフィンである。 その合成原料
は炭素数3以上のオレフィンであればとくに制限はない
が、とくにイソブチレンの1〜4量体やプロピレンの1
〜5量体が好適に用いられる。 これらのα−オレフィ
ンは、1種類単独で重合させてもよいし、2種類以上混
合して重合させてもよい。
のように、分子量が100〜1,000の範囲にあるこ
とを要する。 好ましいのは、分子量150〜500の
範囲のものである。 分子量が100より小さいと、ポ
リα−オレフィンが蒸発性をもってくるとともに油膜保
持能力が低下して不適切であり、分子量が1,000よ
り大きいと、粘度上昇により低温流動性が低下して、や
はり不都合である。
ついては、とくに制限はないが、100℃における粘度
が2〜50mm2/Sのものを使用することが望ましい。
好ましい粘度は2〜20mm2/Sであり、さらに好ましい
のは2〜12mm2/S、とくに好ましいのは2〜7mm2/Sで
ある。
は、A〜C成分からなる基油を基準として20〜45質
量%とする。 配合量が20質量%に満たないと、耐ピ
ッチング性や低温流動性が悪くなる。 好ましい配合量
は25〜45質量%、さらに好ましいのは30〜40質
量%である。
は、高度に精製されたパラフィン系鉱油、たとえば水素
化精製基油、触媒異性化基油を用いることが好ましい。
C成分としての鉱油は、100℃における粘度が2〜
50mm2/Sの範囲になければならない。 好ましい粘度
は2〜20mm2/S、さらに好ましくは2〜12mm2/S、と
くに好ましくは2〜7mm2/Sである。
しい。 許容されるイオウ分の含有量は、1.0質量%
までである。 イオウ分が1.0質量%を超えて存在す
ると、高温の使用条件下でスラッジの生成が促進されや
すくなるからである。 好ましくはイオウ分0.6質量
%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下であ
る。可能であれば0.3質量%以下、とくに0.25質
量%以下にしたい。
好ましく、−35℃以下であることがとくに好ましい。
流動点が−15℃以上になると、低温粘度特性が悪く
なる傾向が見られる。
において2〜50mm2/S、流動点が−15℃以下、イオ
ウ分が1.0質量%以下のものである。
わちA〜C成分の合計を基準として、38〜78質量%
である。 好ましい配合割合は40〜72質量%、さら
に好ましくは55〜70質量%である。
D成分は、前記の一般式1〜3で表されるリン酸エステ
ル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステルおよび酸性
亜リン酸エステルなどのリン化合物である。
ルホスフェート、トリアルキルホスフェート等があり、
たとえば、ベンジルジフェニルホスフェート、アリルジ
フェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、エチルジフェニルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフ
ェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフ
ェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロ
ピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェ
ニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフ
ェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフ
ェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェ
ニルホスフェートおよびトリブチルフェニルホスフェー
ト等の化合物を挙げることができる。
2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシル
アシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェー
ト、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシ
ッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェー
ト、オレイルアシッドホスフェート、ジ(2−エチルヘ
キシル)アシッドホスフェート等が挙げられる。
リフェニルホスファイト、トリ(p−クレジル)ホスフ
ァイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイ
ソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスフ
ァイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソ
デシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ト
リオレイルホスファイト等が挙げられる。
ば、ジ(2−エチルヘキシル)ハイドロジエンホスファ
イト、ジラウリルハイドロジエンホスファイト、ジオレ
イルハイドロジエンホスファイト等が挙げられる。
らなる基油を基準として、0.01〜5質量%を添加す
る。 添加量が0.01質量%より少ないと耐摩耗性お
よび摩擦特性が悪く、5質量%より多くなると、再び摩
擦特性が悪化する。 好ましい添加量は0.03〜3質
量%であり、さらに好ましくは0.05〜1質量%、と
くに好ましくは、0.1〜0.6質量%である。
て、E成分としてN系摩擦調整剤またはエステル系摩擦
調整剤から選ばれる少なくとも1種を添加する。
(CO)NH−(アミド結合)、−NH−、および−N
<を有する化合物がある。 −(CO)NH−を有する
ものとしては、エチルヘキシルアミド、ブチルヘキシル
アミド、ブチルデシルアミド、ブチルエイコシルアミ
ド、エチルヘキサデシルアミド、ブチルエイコシルアミ
ド、ジヘキサデシルアミドのような、一般式 R9−CO
NH−R10であらわされる化合物を挙げることができ、
これらの中でも、ブチルデシルアミド、エチルヘキサデ
シルアミド、ブチルエイコシルアミドなどが好ましい。
上記一般式中、R9 およびR10は、各々炭素数3〜2
0および2〜20の炭化水素基であり、好ましい炭化水
素基は、アルキル基およびアルケニル基である。 −N
H−を有するものとしては、エチルヘキシルアミン、エ
チルデシルアミン、ブチルデシルアミン、エチルヘキサ
デシルアミン、ブチルエイコシルアミンなどを挙げるこ
とができ、これらの中でも、エチルデシルアミン、ブチ
ルデシルアミン、ブチルエイコシルアミンなどが好まし
い。
N(C8H16−COOH)2のように、一般式 R13−N
(R14−COOH)2であらわされる化合物を挙げるこ
とができる。 C18H37−N(C8H16−COOH)2な
どは、カルボキシル基と−N<結合の両方を含む化合物
である。
−COO−を有する化合物であって、ヘキサン酸メチ
ル、ウンデカン酸メチル、テトラデカン酸メチル、オク
タデカン酸メチル、エイコサン酸ブチル、酢酸オクタデ
シル、こはく酸ジテトラデシルなどを挙げることがで
き、これらの中でも、テトラデカン酸メチル、オクタデ
カン酸メチルなどが好ましい。
擦調整剤は、A〜C成分からなる基油を基準として、
0.01〜3質量%の範囲の量を添加する。 0.01
質量%より少ないと耐ジャダー性能(μ−V特性)の改
善効果が小さく、多すぎると静摩擦係数が低くなって、
伝達トルク容量の低下による湿式クラッチの滑りが生じ
る。 好ましい添加量の範囲は0.03〜1質量%、さ
らに好ましくは0.05〜0.5質量%、とくに好まし
くは0.1〜0.3質量%である。
自動変速機油組成物は、各成分の共同作用により、大き
な伝達トルク容量、優れた耐ジャダー性および耐ピッチ
ング性を発揮する。
応じて、摩耗防止剤、無灰型分散剤、金属型清浄剤、酸
化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤およ
び消泡剤などを添加してもよい。
属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート等が、
無灰型分散剤としてはアルケニルコハク酸イミド、アル
ケニルコハク酸エステル、長鎖脂肪酸とポリアミンのア
ミド(アミノアミド型)等が、摩耗防止剤としてはジアル
キルジチオリン酸亜鉛等が、酸化防止剤としてはアミン
系、フェノール系の酸化防止剤等が、金属不活性剤とし
てはベンゾトリアゾール、チアジアゾール、防錆剤とし
てはアルケニルコハク酸エステルまたはその部分エステ
ル等が、流動点降下剤としてはポリメタクリレート等
が、消泡剤としてはシリコン化合物、エステル系消泡剤
等が、それぞれ挙げられる。
グ性が要求される自動変速機油のすべてに好適に使用で
きるが、有段自動変速機に使用したときに、その意義が
十分に発揮される。 とくに自動車用の有段自動変速機
に好適である。
する。 ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
(その1) ナフサのスチームクラッキングより得られたCPD留分
であって、ジシクロペンタジエン75.0質量%および
オレフィン5.4質量%を含有し、残余の大部分が飽和
炭化水素からなるもの500g(シクロペンタジエン
5.7モル)と、ナフサのスチームクラッキングより得
られ、スチレン、ビニルトルエン、α,β−メチルスチ
レンおよびインデンの含有量の合計が26.5質量%
(平均分子量118)であって残りの大部分が不活性な
芳香族炭化水素からなるC9 系芳香族留分500g(反
応性成分1.1モル)とを、窒素雰囲気下に圧力18Kg/
cm2(G)、温度260℃において3時間、熱共重合させ
た。 この第一段の熱共重合反応液から、原料中の不活
性留分および未反応原料を、最初は加圧下に、ついで減
圧下に252℃で留去し、第二段の重合を行ないながら
50Torr.の減圧下に同じ温度に1時間保持し、シクロ
ペンタジエン系樹脂409gを得た。 この樹脂の軟化
点は120℃。
水素圧60Kg/cm2(G)、反応温度250℃において1
2時間水素化処理し、目的とするシクロペンタジエン−
モノビニル芳香族共重合樹脂水素化物を得た。 この樹
脂の軟化点は125℃、重量平均分子量は640。
樹脂の製造(その2) 製造例1で用いたCPD留分750g(シクロペンタジ
エン8.5モル)と、デセン−1を96.5質量%含み
残部がα−オレフィン以外の留分から成るC10留分25
0g(α−オレフィンとして1.7モル)とを、製造例1
と同じ条件で2時間熱共重合させた。 熱共重合反応液
から、原料中の不活性留分および未反応原料を、最初は
加圧下に、ついで減圧下に、200℃において留去し、
シクロペンタジエン系樹脂380gを得た。 引き続
き、製造例1と同じ触媒および水素圧力の条件下に22
0℃において4時間水素化し、目的とするシクロペンタ
ジエン−α−オレフィン共重合樹脂水素化物を得た。
この樹脂の軟化点は32℃、重量平均分子量は486。
例1および2で得たシクロペンタジエン系石油樹脂を用
いて、表1に示す組成の自動変速機油組成物を製造し
た。 実施例は本発明に従った組成を有するものであ
り、比較例は本発明の範囲外の組成のものである。 表
1において、原料の符号はそれぞれ下記の意味をあらわ
す: A−1:シクロペンタジエン−モノビニル芳香族共重合
樹脂水素化物(製造例1) A−2:シクロペンタジエン−α−オレフィン共重合樹
脂水素化物(製造例2) B−1:ポリジイソブチレン水素化物(重量平均分子
量:350、100℃における粘度:2.71mm2/S) B−2:ポリジイソブチレン水素化物(重量平均分子
量:200、100℃における粘度:2.35mm2/S) C :パラフィン系鉱油(100℃における粘度:
4.02mm2/S、流動点:−17.5℃、イオウ分:
0.15質量%) D−1:トリイソオクチルホスファイト D−2:2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト D−3:ジ−2−エチルヘキシルハイドロゼンホスファ
イト E−1:(N系)ブチルデシルアミド E−2:(N系)ブチルデシルアミン E−3:(エステル系)ミリスチン酸メチル E−4:(エステル系)ステアリン酸メチル 表1に示したA〜C成分の配合量ならびにDおよびE成
分の添加量は、基油を100質量%としたものである。
実施例および比較例を通じて、自動変速機油に、酸化
防止剤、無灰型分散剤、金属型清浄剤、摩耗防止剤およ
び金属不活性剤を、合計10質量%添加した。
た。
評価法として、ユニスチールころがり疲労試験を採用し
た。ユニスチールころがり疲労試験の試験条件および疲
労寿命判定法は、次のとおりとした: <試験条件> 回 転 数 :1500rpm 押しつけ荷重:3340N 油 温 :60℃ 加速度計 :4G 試験球数 :6個 繰り返し数 :6回 テストベアリング:51110 P5(NSK製) テストピース:SUJ−2 <疲労寿命判定法>疲労寿命をワイブル統計処理し、L
10(hr)により評価した。 この試験においては、L10
(hr)が7.0hr以上のものを合格とした。
擦特性は、SAE No.2 試験機および低速滑り試験機
により評価した。
サイクル運転した後のスタティックサイクルにおける静
摩擦係数を測定した。 静摩擦係数が0.120以上あ
れば、伝達トルク容量が十分であるとした。
枚) プレート:国産自動変速機用鋼製プレート(1枚) 回転数 :1〜150rpm 油 温 :40℃ 面 圧 :10kg/cm2 以上の評価条件における回転数1rpmのときの摩擦係数
をμ1、回転数50rpmのときの摩擦係数をμ50として測
定し、μ1/μ50を算出した。 μ1/μ50が1より小さ
ければ、実際に自動車用自動変速機に使用したときにジ
ャダーを発生しない。
ASTM D 2983に従って、−40℃のBF粘度を
測定した。 −40℃におけるBF粘度が20000を
超えないこと、を合格基準とした。
標準物質としてポリスチレンを用い、通常のゲルパーミ
ュエーションクロマトグラフィーを行ない、その結果を
ポリスチレン換算値で表示した値である。 装置として
は東ソー(株)製HLC−802型を用い、以下の分析
条件で測定した: カラム :テトラヒドロフラン(THF) カラム恒温槽温度:40℃ 流 速 :1.2ml/min 資料濃度 :0.005g/1ml THF 検出器 :示差屈折計 結果を、表2に示す。 この表において、* 印を付した
データは、上記の基準を満たしていないものである。
伝達容量が大きく、耐ジャダー性に優れるとともに耐ピ
ッチング性にも優れ、かつ長い疲労寿命を有する。 し
たがって本発明の組成物は、燃費向上に伴う自動変速機
油の低粘度化傾向、エンジンの高出力化に伴う負荷の増
大に応えることができ、耐ピッチング性の要求される自
動変速機油として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記のA,BおよびCの成分(A)シク
ロペンタジエン類とα−オレフィン類もしくはモノビニ
ル芳香族炭化水素類との熱共重合物、またはこの熱共重
合物の水素化物であって、軟化点が40℃以上および重
量平均分子量が250以上の条件の少なくともひとつを
満たすシクロペンタジエン系石油樹脂:2〜17質量
%、(B)重量平均分子量が100〜1,000であ
る、分枝を有するポリα−オレフィン:20〜45質量
%、および(C)100℃における粘度が2〜50mm2/
Sである鉱油:38〜78質量%からなる潤滑油組成物
を基油として使用し、これに、下記のDおよびEの成分
(D)一般式1〜3のリン酸エステル、酸性リン酸エス
テル、亜リン酸エステルおよび酸性亜リン酸エステルか
ら選ばれる少なくとも1種のリン化合物0.01〜5質
量%、 【化1】 【化2】 【化3】 [上記三つの式において、R1〜R3は水素原子、C1〜
C30の炭化水素基またはイオウ原子含有炭化水素基をあ
らわし、XおよびYは1または2である。]および
(E)N系およびエステル系の化合物から選ばれる少な
くとも1種の摩擦調整剤:0.01〜3質量%を添加し
て成る自動変速機油組成物。 - 【請求項2】 C成分として、100℃における粘度が
2〜50mm2/S、流動点が−15℃以下、イオウ分
が0.5質量%以下である鉱油を使用した請求項1の自
動変速機油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2937697A JP3873349B2 (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | 自動変速機油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2937697A JP3873349B2 (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | 自動変速機油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10219269A true JPH10219269A (ja) | 1998-08-18 |
JP3873349B2 JP3873349B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=12274438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2937697A Expired - Fee Related JP3873349B2 (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | 自動変速機油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3873349B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10259393A (ja) * | 1997-03-19 | 1998-09-29 | Cosmo Sogo Kenkyusho:Kk | ギヤ油組成物 |
WO2011122637A1 (ja) | 2010-03-30 | 2011-10-06 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | コハク酸イミド化合物、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物 |
-
1997
- 1997-02-13 JP JP2937697A patent/JP3873349B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10259393A (ja) * | 1997-03-19 | 1998-09-29 | Cosmo Sogo Kenkyusho:Kk | ギヤ油組成物 |
WO2011122637A1 (ja) | 2010-03-30 | 2011-10-06 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | コハク酸イミド化合物、潤滑油添加剤及び潤滑油組成物 |
US8933247B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-01-13 | Jx Nippon Oil & Energy Corporation | Succinimide compound, lubricating oil additive, and lubricating oil composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3873349B2 (ja) | 2007-01-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6444622B1 (en) | Friction modified lubricants | |
KR101968350B1 (ko) | 윤활유 조성물용 점도 지수 향상제 | |
CN101903506A (zh) | 动力传递液组合物及其制备 | |
JP2859083B2 (ja) | 自動車リミテッドスリップデファレンシャル用潤滑油組成物 | |
US5922656A (en) | Lubricant compositions for automatic transmissions | |
CN104371793A (zh) | 用于改进的能量效率的汽车传动流体组合物 | |
CN101331215A (zh) | 改进燃料经济性的发动机润滑剂 | |
US20160340601A1 (en) | Lubricant composition containing organomodified siloxanes | |
JP3785378B2 (ja) | 自動変速機用潤滑油組成物 | |
JP2004155924A (ja) | 変速機用潤滑油組成物 | |
JP2593264B2 (ja) | イミド基含有低分子量エチレン共重合体、その製造方法およびその利用 | |
US6184185B1 (en) | Lubricant oil composition comprising borated cyclic carboxylic acid imide | |
JP3873349B2 (ja) | 自動変速機油組成物 | |
JPH027359B2 (ja) | ||
JP2005089748A (ja) | 動力伝達流体および添加剤組成物 | |
JP3873358B2 (ja) | ギヤ油組成物 | |
JP3811996B2 (ja) | トラクションドライブ用流体 | |
EP2204389A1 (en) | Power transmission fluids with improved viscometric properties | |
JP2002097488A (ja) | 増強された最終動力伝達装置性能のギア油配合物 | |
JP3812855B2 (ja) | 潤滑油基油組成物 | |
US20190177639A1 (en) | Bimodal copolymer compositions useful as oil modifiers and lubricating oils comprising the same | |
CN104371797A (zh) | 用于改进的能量效率的传动流体组合物 | |
RU2726002C1 (ru) | Смазочная композиция для гидравлического масла | |
JP7348747B2 (ja) | 変速機用潤滑油組成物、その製造方法、変速機用潤滑油組成物を用いた潤滑方法及び変速機 | |
JP7301017B2 (ja) | 潤滑油用添加剤及び駆動系用潤滑油組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060904 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061003 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061016 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |