JPH10219113A - ポリアルコキシシロキサン含有組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリアルコキシシロキサン含有組成物及びその製造方法

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JPH10219113A
JPH10219113A JP2890897A JP2890897A JPH10219113A JP H10219113 A JPH10219113 A JP H10219113A JP 2890897 A JP2890897 A JP 2890897A JP 2890897 A JP2890897 A JP 2890897A JP H10219113 A JPH10219113 A JP H10219113A
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hydrolysis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高重合度でありながら室温での貯蔵安定性が
良好で、透明かつ組成変化のない液状態を保つことがで
きるポリアルコキシシロキサンを含有する液状組成物を
得る。 【解決手段】 テトラアルコキシシランに1.0〜1.
6モル倍の水を添加して加水分解縮合反応をして得られ
るポリアルコキシシロキサン5〜95重量部に対して溶
媒を95〜5重量部含有するポリアルコキシシロキサン
含有組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の用途に有用
な新規のポリアルコキシシロキサンを含有する液状組成
物及びその製造に関する。
【0002】
【従来技術】従来、有機樹脂にシリル基としてケイ素原
子を導入することにより、有機樹脂に耐候性、耐汚染
性、硬度向上、耐擦傷性等の特性を付与することが行わ
れてきた。一方、近年、アルコキシシランあるいはその
低縮合物を有機樹脂と配合して用いることにより、得ら
れる塗膜の耐候性等の表面特性を改善することを試みた
組成物が、各種基材へのコーティング液等として提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらはいずれも充分
な塗膜特性を発揮しうるものではなかったため、本発明
者らは先に、それ自体で、あるいは各種の樹脂、シラン
カップラー等の有機化合物との混合物や反応生成物とし
て優れた特性を発揮する、新規なテトラメトキシシラン
の加水分解縮合物からなる超微粒子を含有するサスペン
ジョンを発明している(WO95/17349)。
【0004】しかしながら、このサスペンジョンは、外
観上は安定な液状を保つものの、一定期間以上保存した
液は、硬化して得られる塗膜の硬度、耐沸騰水性などの
性能が低下することがあった。これは、この物の有する
反応性官能基量が経時的に変化するためであると考えら
れ、より一層の安定化が望まれていた。また、このサス
ペンジョンにアルコール系溶剤を用いた場合、アルコー
ルと相溶しない有機化合物やアルコールと反応して特性
低下をきたす様な有機化合物と配合して用いるのは困難
となる。一方、アルコール系以外の有機溶剤を用いたサ
スペンジョンは、アルコール系溶剤を用いた場合に比
べ、貯蔵安定性の低下が著しい傾向にあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは更
に鋭意検討を続けた結果、テトラアルコキシシランに特
定範囲の量の水を添加して加水分解縮合反応させてなる
液状組成物は、加水分解縮合反応で生成したアルコール
成分をこれより高い沸点の有機溶剤に置換することがで
き、これらの問題を解決できることを見いだし本発明に
至った。すなわち、本発明は、テトラアルコキシシラン
に1.0〜1.6モル倍の水を添加し加水分解縮合反応
して得られるポリアルコキシシロキサン5〜95重量部
に対して溶媒を95〜5重量部含有するポリアルコキシ
シロキサン含有組成物等に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔テトラアルコキシシランの加水分解、縮合〕まず、本
発明でいうテトラアルコキシシランとは、以下に示す化
学式の物をいう。
【化1】Si(OR)4
【0007】ここでRはアルキル基、好ましくは炭素数
1から6のアルキル基である。特に好ましくは炭素数1
から4のアルキル基、更に好ましくはメチル基である。
Rとして相異なる基を有していてもよい。これらのアル
コキシシラン、特にR=メチル基であるアルコキシシラ
ンは、後述するように加水分解縮合反応によるシロキサ
ン架橋が進行し易いため、後述の小粒子を得るのが容易
であり、また得られるポリアルコキシシロキサン及びこ
れを塗布してなる塗膜の特性、例えば塗膜の硬度、耐擦
傷性、耐溶剤性、耐汚染性等が非常に優れている。本発
明においては、テトラアルコキシシランに1.0〜1.
6モル倍の水を添加して加水分解、縮合反応をさせてポ
リアルコキシシロキサンとする。ここでポリアルコキシ
シロキサンとは、シロキサン結合(Si−O)nを骨格
とし、珪素原子にアルコキシ基が結合している化合物を
いう。添加する水の量は好ましくは1.05〜1.5モ
ル倍、特に好ましくは1.1〜1.4モル倍である。
【0008】水の添加量がテトラアルコキシシランに対
して1.0モル倍未満では、得られるポリアルコキシシ
ロキサン含有組成物を用いて得られる塗膜の硬度等が十
分でない。一方、1.6モル倍を超えると、得られたポ
リアルコキシシロキサン含有組成物の貯蔵安定性が低下
する。または、後述する溶剤置換工程において、非常に
ゲル化し易いものとなる等の問題を生じる。
【0009】また、本発明では、あらかじめテトラアル
コキシシランのモノマーに1.6モル倍未満の水を添加
してある程度加水分解縮合してテトラアルコキシシラン
のオリゴマー(低縮合物)を得、これに更に水を添加し
て加水分解、縮合させてもよい。あるいはテトラアルコ
キシシランのオリゴマーとして市販されている各種製品
(三菱化学(株)製「MKCシリケートMS51」等)
を入手し、ここに水を添加して本発明を実施してもよ
い。この場合でも、オリゴマー化に用いた水の量と、そ
の後の加水分解に用いた水の量との総量がテトラアルコ
キシシランモノマーに対し1.0〜1.6モル倍の範囲
とする。なお、市販のオリゴマーを使用する場合は、オ
リゴマーのSi濃度を求めれば、以下の反応式からオリ
ゴマー生成時に添加された水の量を逆算することができ
るので、このオリゴマー生成時に添加された水の量と合
計してSiに対して1.0〜1.6モル倍となるように
水を添加して本発明を実施すればよい。
【0010】
【化2】Si(OR)4+xH2O→Si(OR)4-2x
x+2xROH オリゴマー中のSi濃度は公知の方法により測定すれば
よく、例えば少量のサンプルを採りアンモニア水を添加
して加水分解してゲル化させ、生成するメタノールと水
を乾燥除去し、電気炉で900℃2時間焼成して残存す
るシリカ固形分を秤量してSi濃度を求める方法が簡便
である。本発明における水の添加方法については、テト
ラアルコキシシランの加水分解反応による発熱を伴うた
め、撹拌下かつ系内を冷却しながら徐々に添加すること
が好ましい。この時の水の添加温度は、縮合反応により
生成するアルコールの沸点以下が好ましいが、特に好ま
しくは50℃以下、更に好ましくは45℃以下が好まし
い。50℃を超えると得られるポリアルコキシシロキサ
ン含有組成物が白濁したものになり易い。これは温度が
高いことにより局部的な縮合反応が起こり、極端に高分
子量の縮合体が生成するためと推定される。
【0011】更に、この加水分解縮合反応を行う際、溶
剤を使用することもできる。この時、C1〜C5のアル
コールが好ましく、更に好ましくは原料のテトラアルコ
キシシランのアルコキシ基と同じ炭素数のアルコールを
使用するのが良い。例えば、用いるアルコールとして
は、アルコキシシランのアルコキシ基がメトキシ基の場
合はメタノール、エトキシ基の場合はエタノール、プロ
ポキシ基の場合はプロパノール、更にブトキシ基の場合
はブタノールを用いることが好ましい。アルコール溶剤
の添加量は、テトラアルコキシシランと添加する水とが
均一に溶解するのに必要な量以上であれば十分である。
通常、テトラアルコキシシランに対し0.1〜10.0
モル倍、好ましくは0.5〜5.0モル倍の量のアルコ
ール溶剤を使用する。
【0012】加水分解、縮合に際して、触媒を用いるこ
ともできる。例えば、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸等
の有機酸や塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、又は、各種の
硼素化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、錫化
合物等の有機金属化合物、又は金属錯体等の公知の加水
分解縮合触媒を適宜用いることが可能である。又、加水
分解縮合反応は前述の添加水を加えた後、室温で一定時
間以上放置して熟成してもよいし、短時間で反応させる
目的で加熱して、生成するアルコール又は反応時に用い
る溶剤の沸点付近で還流条件下で行ってもよい。本発明
における縮合反応は、以下に示す反応である。
【化3】≡SiOH + ≡SiOR → ≡Si−O
−Si≡ + ROH ≡SiOH + ≡SiOH → ≡Si−O−Si≡
+ H2
【0013】〔ポリアルコキシシロキサン含有組成物〕
こうして本発明の製造方法により特性の優れた本発明の
ポリアルコキシシロキサンを得ることができる。上述の
本発明の製造方法により、ポリアルコキシシロキサンは
加水分解縮合時に副生物として生成したアルコールを含
有する液状組成物として得られる。また加水分解縮合時
に溶剤を存在させた場合は、液状組成物中にはこの溶剤
も含有されている。これらを溶媒として、ポリアルコキ
シシロキサン5〜95重量部に対して溶媒95〜5重量
部含有する本発明のポリアルコキシシロキサン含有液状
組成物とする。すなわち液状組成物のうち5〜95重量
%がポリアルコキシシロキサンであるように調製する。
より好ましくは20〜70重量%である。特にポリアル
コキシシロキサンの含有量として20〜70重量%の範
囲で液状態での安定性が極めて高く、しかも有機成分と
配合してもポリアルコキシシロキサン添加による効果発
現が著しい。
【0014】加水分解縮合により生成したアルコールと
反応時に存在させた溶剤との合計を溶媒として、上記の
割合をはずれている場合は、適宜追加、除去して上記の
範囲とすることができる。ポリアルコキシシロキサンの
含有量が5重量%未満では、それ自身を塗布してなる塗
膜の膜厚が非常に薄くなることや、有機成分に混合して
用いるときに固形分濃度の低下が著しい等の理由によ
る。一方、70重量%を超えるとそれ自身がゲル化し易
く貯蔵安定性が著しく低下する。ポリアルコキシシロキ
サンの含有量は、固形分換算として求めた値である。固
形分量の測定方法はJIS−K−5407の加熱残分測
定法による。
【0015】〔溶剤置換〕あるいは、上記のポリアルコ
キシシロキサン含有組成物に、更にテトラアルコキシシ
ランの加水分解縮合反応により生成するアルコールより
沸点の高い溶剤(以下、「高沸点溶剤」ともいう。)を
添加することができる。またテトラアルコキシシランの
加水分解縮合時に、加水分解縮合で生成するアルコール
とは異なる溶剤を用いた場合は、テトラアルコキシシラ
ンの加水分解縮合により生成するアルコールと、加水分
解縮合反応時の溶剤の双方よりも更に高沸点の溶剤を添
加することができる。こうすれば、更に以下に述べる方
法により、これらアルコールやその他の溶剤を所望の高
沸点溶剤に置換することも容易である。すなわち、反応
により生成するアルコール、あるいは反応により生成す
るアルコール及び加水分解縮合時の溶剤より高沸点の溶
剤を添加した後、アルコール及び/又はその他の溶剤を
系外に留去させることにより、高沸点溶剤に置換する
(以下「溶剤置換」ともいう。)方法である。こうして
高沸点溶剤を添加することにより各種の有機成分との相
溶性が優れたものとすることができる。
【0016】アルコール及び/又はその他の溶剤の留去
操作は、これらの成分が留去可能な条件であれば特に限
定されず、単蒸留、フラッシュ蒸留、減圧蒸留、又はイ
ナートガス吹き込み等の公知の分離技術を用いることが
できる。例えば、テトラアルコキシシランとしてテトラ
メトキシシランを用い、メタノール溶剤中で加水分解縮
合してポリアルコキシシロキサンとしてポリメトキシシ
ロキサンを得た場合、メタノールをキシレン等の高沸点
溶剤で置換することにより各種の有機樹脂、塗料等との
相溶性を向上させることができる。この場合、常圧下で
あればメタノールの沸点である約65℃でメタノールを
留出させた後、最終的にはキシレンの沸点である約14
4℃付近まで昇温して大部分のメタノールを留去させれ
ばよい。この時、高沸点溶剤の沸点より低い温度条件下
で、系内に窒素ガス等のイナートガスをSV(Spac
e Velocity)1〜100(1/Hr)で吹き込む
と、より短時間で効率よくメタノール留去ができる。例
えば、前述のキシレン溶剤で置換する場合は130〜1
40℃でイナートガスを吹き込めば良い。減圧下でこの
操作を行う場合には、留去しようとする成分を、その減
圧度に見合った沸点を示す温度条件で留去させればよ
い。また、加水分解反応により生成したアルコール及び
/又は加水分解縮合反応時の溶剤を一部残存させる場合
は、内液中の残存成分が所定の濃度になるように、留出
成分量を確認するか、又は内液中の残存成分濃度を分析
するなどして留出終点を判断すればよい。もし、高沸点
溶剤又は残存成分濃度が所定の範囲外になった場合は、
得られた液に残存成分又は高沸点溶剤を後添加する等の
濃度調整が可能である。
【0017】こうしてテトラアルコキシシランの加水分
解縮合反応で生成するアルコールを系外に除去すること
ができる。また、この際の内温を、このアルコールより
も沸点の高い溶剤の沸点より低い温度に保持することに
より、効率的に溶剤置換を行うことができる。用いられ
る高沸点溶剤の種類としては、テトラアルコキシシラン
の加水分解縮合反応により生成するアルコールより高沸
点の有機溶剤であれば何れも用いることが可能である。
加水分解縮合時にその他の溶剤を用いた場合は、この溶
剤と生成するアルコールの双方より高沸点の有機溶剤を
用いれば、これら双方を系外に除去することもできる。
尚、高沸点溶剤の選定に際しては、得られるポリアルコ
キシシロキサンを配合して用いる樹脂等の有機成分との
相溶性が良いものが望ましく、用いる有機成分に応じて
好ましい溶剤を選定する。以下に、例として使用可能な
置換溶剤を示す。
【0018】イソプロピルアルコール、n−ブタノー
ル、イソブタノール等のアルコール類、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル アセテート、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、トル
エン、キシレン、ケロシン、ソルベッソ等の炭化水素
類、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブ
チル、酢酸イソブチル等のエステル類、メチルn−ブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、
ジブチルケトン等のケトン類、ジブチルエーテル、ジオ
キサン等のエーテル類が挙げられる。これらは、単独又
は2種類以上を任意の割合で配合して用いることができ
る。
【0019】高沸点溶剤の添加量は、ポリアルコキシシ
ロキサンの含有量が5〜95重量%の範囲になるよう添
加する。加水分解縮合で生成したアルコールや加水分解
時の溶剤等の一部以上を留去する場合にも、ポリアルコ
キシシロキサンと溶剤等を合計した液状組成物の全重量
に対してポリアルコキシシロキサンを5〜95重量%と
なるよう調製する。
【0020】〔微小粒子〕以上説明した本発明のポリア
ルコキシシロキサン含有組成物中においては、ポリアル
コキシシロキサンを慣性半径100Å以下の微小粒子と
することができる。すなわち、テトラアルコキシシラン
が加水分解、縮合して慣性半径100Å以下の微小粒子
を形成することができるのである。さらには60Å以下
の極めて微小な粒子を形成し、安定に存在させすること
ができるのである。尚、微小粒子の存在は、小角散乱X
線等の手段で容易に確認できる。すなわち、微小粒子の
存在により、入射X線の回折強度分布が、入射線方向に
中心散乱と呼ばれる散漫な散乱、すなわち小角X線散乱
を示す。散乱強度Iは、次のGuinierの式により
与えられる。
【0021】I=C exp(−H2Rg2/3)(I:
散乱強度、H:散乱ベクトル(=2πsin2θ/
λ)、Rg:微小粒子の慣性半径、C:Const、
λ:入射X線波長、2θ:ひろがり角) 上記のGuinierの式の両辺の常用対数をとると、
logI=logC−(H2Rg2/3)となり、従って、微小
粒子が存在する場合、散乱強度を測定し、散乱ベクトル
に対する両対数グラフをプロット(得られるプロットは
ギニエプロットと称される)し、傾きを求めることによ
り、微小粒子の慣性半径を求めることができる。また、
散乱強度が十分にある場合は、散乱ベクトルのフーリエ
変換により距離分布関数を求め、そのピーク位置から慣
性半径、ピーク幅から形状やそのバラツキを知ることが
できる。
【0022】本発明における慣性半径は、ギニエプロッ
トがほぼ直線で、その傾きから慣性半径が1つに定まる
場合は、この値をいうものとする。また、ギニエプロッ
トが曲線であり、その傾きからは慣性半径が1つに定ま
らない場合は、散乱ベクトルのフーリエ変換により距離
分布関数を求め、そのピーク位置から求めた慣性半径を
いうものとする。本発明のポリアルコキシシロキサン
は、高沸点溶剤を添加してアルコールを留去した場合、
アルコール留去の過程で微小粒子が多少成長する場合が
あるが、慣性半径が100Å以下であれば、液は依然と
して外観上透明であり、密閉下で一年以上保存してもゲ
ル化もなく貯蔵安定性に優れている。尚、溶剤置換操作
については、上述の方法に限られたものではなくアルコ
ール成分を分離除去できる手法であれば特に制限はな
い。
【0023】〔有機成分との配合〕こうして、樹脂等の
有機成分と相溶性が良い本発明のポリアルコキシシロキ
サン含有組成物を得ることができる。例えば、有機成分
として、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、
シリコーン樹脂等の有機樹脂を配合し、混合して珪素含
有組成物とし、これを各種用途への硬化性組成物として
用いることができる。また、ここに更に顔料、染料等の
添加物を配合して塗料等に使用してもよい。これらは、
本発明のポリアルコキシシロキサンが含まれているため
に、耐候性、耐熱性、耐擦傷性、耐薬品性、耐酸性、耐
汚染性等に優れた特性を有したコーティング膜を得るこ
とができ、塗料、電気絶縁膜、接着剤、粉体表面処理等
の用途に有用である。以下、実施例により、更に本発明
を詳細に説明する。なお部及び%は特にことわりのない
限り重量部及び重量%を示す。
【0024】実施例1 [ポリアルコキシシロキサン含有組成物−の合成]攪
拌器、ジムロートコンデンサー、温度計を備えたガラス
製3リットル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラ
ン(三菱化学(株)製)1370g、メタノール432
gを仕込み5分攪拌した後、0.1規定塩酸水18gと
水176.4gの混合液をゆっくり滴下した。このと
き、発熱反応により内温が上昇するので周りを冷却して
内温が40℃を超えないように注意した。このテトラメ
トキシシランに対する水の量は1.2モル倍に相当す
る。その後、還流状態(65℃)となるまで加熱し、還
流下で4時間反応させた。このものを、室温まで放冷し
たのち取り出して液状で無色透明なポリアルコキシシロ
キサン−、1995gを得た。
【0025】実施例2 [慣性半径測定]ポリアルコキシシロキサン含有組成物
−の小角散乱X線分析を以下の要領で行った。
【表1】 X線発生装置:理学電気社製 RU−200B(回転対陰極型) X線源:Cu−Kα線 平板グラファイトインシデントモノクロメーター使用 電流、電圧:50kV、200mA 光学系:理学電機社製 Kratkyカメラ U−スリット 幅70μm 高さ15mm 検出器:理学電機社製 PSPC 受光スリット 高さ8mm 積算時間 4000秒 チャンネル数 512(45.4ch/deg.) 試料から検出器までの距離 300mm ポリアルコキシシロキサンの慣性半径を小角X線散乱に
より測定した。得られたデータに吸収補正、バックグラ
ウンド補正、スリット補正を行い、散乱ベクトルからギ
ニエプロットを得、その傾きから慣性半径を求めたとこ
ろ約5Åであった。
【0026】実施例3 [溶剤置換1]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、130gを仕込み、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート(PGMAc)131.8
gを添加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメ
タノールをゆっくり留出させた。最終的には留出温度を
144℃、内温146℃まで昇温した後冷却した。メタ
ノール含有量1重量%以下、PGMAc62%、液粘度
2.9cpの無色透明な液状のポリアルコキシシロキサ
ン含有組成物−Aを得た。組成物中のポリアルコキシシ
ロキサンの慣性半径を小角X線散乱により測定した。得
られたデータに吸収補正、バックグラウンド補正、スリ
ット補正を行い、散乱ベクトルからギニエプロットを
得、その傾きから慣性半径を求めたところ約4Åであっ
た。このポリアルコキシシロキサン含有組成物−Aにつ
いて密閉下で50℃×63日の加速保存試験を実施した
が、液の粘度は当初の2.9cpから3.1cpしか上
昇せず、貯蔵安定性の良好なものであった。
【0027】実施例4 [溶剤置換2]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、130gを仕込み、メチルイソブチルケトン
(MIBK)128.6gを添加した。内部を撹拌しな
がら温度を徐々に上げメタノールをゆっくり留出させ
た。最終的には留出温度を116℃、内温118℃まで
昇温した後冷却した。メタノール含有量1重量%以下、
MIBK60.2%、液粘度1.6cpの無色透明な液
状のポリアルコキシシロキサン含有組成物−Bを得た。
このポリアルコキシシロキサン含有組成物−Bについて
密閉化で50℃×63日の加速保存試験を実施したが、
液の粘度は当初の1.6cpから1.9cpしか上昇せ
ず、貯蔵安定性の良好なものであった。
【0028】実施例5 [溶剤置換3]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、130gを仕込み、酢酸nブチル116.6
gを添加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメ
タノールをゆっくり留出させた。最終的には留出温度を
122℃、内温125℃まで昇温した後冷却した。メタ
ノール含有量1重量%以下、酢酸nブチル57%、液粘
度1.9cpの無色透明な液状のポリアルコキシシロキ
サン含有組成物−Cを得た。このポリアルコキシシロキ
サン含有組成物−Cについて密閉化で50℃×63日の
加速保存試験を実施したが、液の粘度は当初の1.9c
pから3.5cpしか上昇せず、貯蔵安定性の良好なも
のであった。
【0029】実施例6 [溶剤置換4]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、130gを仕込み、キシレンを103.3g
を添加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメタ
ノールをゆっくり留出させた。最終的には留出温度を1
42℃、内温144℃まで昇温した後冷却した。メタノ
ール含有量1重量%以下、キシレン56.2%、液粘度
2.0cpの無色透明な液状のポリアルコキシシロキサ
ン含有組成物−Dを得た。組成物中のポリアルコキシシ
ロキサンの慣性半径を小角X線散乱により測定した。得
られたデータに吸収補正、バックグラウンド補正、スリ
ット補正を行い、散乱ベクトルからギニエプロットを
得、その傾きから慣性半径を求めたところ約6Åであっ
た。このポリアルコキシシロキサン含有組成物−Dにつ
いて密閉化で50℃×63日の加速保存試験を実施した
が、液の粘度は当初の2.0cpから2.7cpしか上
昇せず、貯蔵安定性の良好なものであった。
【0030】実施例7 [溶剤置換5]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製2.0リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、555gを仕込み、キシレンを383gを添
加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメタノー
ルをゆっくり留出させた。最終的には、窒素ガスをSV
=7で内温135℃×5時間ほど液中に吹き込んだのち
冷却した。メタノール含有量1重量%以下、キシレン5
6.3%、液粘度2.1cpの無色透明な液状のポリア
ルコキシシロキサン含有組成物−Eを得た。組成物中の
ポリアルコキシシロキサンの慣性半径を小角X線散乱に
より測定した。得られたデータに吸収補正、バックグラ
ウンド補正、スリット補正を行い、散乱ベクトルからギ
ニエプロットを得、その傾きから慣性半径を求めたとこ
ろ約6Åであった。このポリアルコキシシロキサン含有
組成物−Eについて密閉化で50℃×60日の加速保存
試験を実施したが、液の粘度は当初の2.0cpから
2.8cpしか上昇せず、貯蔵安定性の良好なものであ
った。
【0031】実施例8 〔ポリアルコキシシロキサン含有組成物−の合成〕攪
拌器、ジムロートコンデンサー、温度計を備えたガラス
製2リットル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラ
ン506.8g、メタノール409.3gを仕込み5分
攪拌した後、0.1規定塩酸水6.8gと水77.3g
の混合液を添加した。この時の、テトラメトキシシラン
に対する水の量は1.4モル倍に相当する。その後、還
流状態(65℃)となるまで加熱し、還流下で4時間反
応させた。このものを、室温まで放冷したのち取り出し
て液状で無色透明なポリアルコキシシロキサン含有組成
物−、997.0gを得た。組成物中のポリアルコキ
シシロキサンの慣性半径を小角X線散乱により測定し
た。得られたデータに吸収補正、バックグラウンド補
正、スリット補正を行い、散乱ベクトルからギニエプロ
ットを得、その傾きから慣性半径を求めたところ約6Å
であった。又、このポリアルコキシシロキサン含有組成
物−について、密閉下で50℃×63日間の加速保存
試験を実施したが、液粘度は当初の1.3cpから1.
7cp程度しか上昇せず、貯蔵安定性良好な液状物であ
った。
【0032】実施例9 [溶剤置換6]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、120gを仕込み、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート(PGMAc)122.0
gを添加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメ
タノールをゆっくり留出させた。最終的には留出温度を
144℃、内温146℃まで昇温した後冷却した。メタ
ノール含有量1重量%以下、PGMAc70.8%、液
粘度5.5cpの無色透明な液状のポリアルコキシシロ
キサン含有組成物−F118.9gを得た。 このポリ
アルコキシシロキサン含有組成物−Fについて密閉化で
50℃×45日の加速保存試験を実施したが、液の粘度
は当初の5.5cpから8.3cpしか上昇せず、貯蔵
安定性の良好なものであった。
【0033】実施例10 [溶剤置換7]攪拌器、ジムロートコンデンサー、温度
計を備えたガラス製0.5リットル四ツ口丸底フラスコ
に実施例1で得られたポリアルコキシシロキサン含有組
成物−、150gを仕込み、キシレン156.5gを
添加した。内部を撹拌しながら温度を徐々に上げメタノ
ールをゆっくり留出させた。最終的には留出温度を14
2℃、内温144℃まで昇温した後冷却した。メタノー
ル含有量1重量%以下、キシレン71%、液粘度1.2
cpの無色透明な液状のポリアルコキシシロキサン含有
組成物−G150gを得た。組成物中のポリアルコキシ
シロキサンの慣性半径を小角X線散乱により測定した。
得られたデータに吸収補正、バックグラウンド補正、ス
リット補正を行い、散乱ベクトルからギニエプロットを
得、その傾きから慣性半径を求めた値と散乱ベクトルを
フーリエ変換して得られる距離分布関数のピーク位置か
ら、慣性半径は約39Åであった。このポリアルコキシ
シロキサン含有組成物−Gについて密閉化で50℃×2
5日の加速保存試験を実施したが、液の粘度は当初の
1.2cpから7.8cpしか上昇せず、貯蔵安定性の
良好なものであった。
【0034】実施例11 〔ポリアルコキシシロキサン含有組成物−の合成〕攪
拌器、ジムロートコンデンサー、温度計を備えたガラス
製2リットル四ツ口丸底フラスコにテトラメトキシシラ
ン506.8g、メタノール397.3gを仕込み5分
攪拌した後、0.1規定塩酸水6.8gと水89.3g
の混合液を添加した。この時の、テトラメトキシシラン
に対する水の量は1.6モル倍に相当する。その後、還
流状態(65℃)となるまで加熱し、還流下で4時間反
応させた。このものを、室温まで放冷したのち取り出し
て液状で無色透明なポリアルコキシシロキサン含有組成
物−、998.7gを得た。
【0035】又、このポリアルコキシシロキサン含有組
成物−について、密閉下で室温×60日間の保存試験
を実施したが、液粘度は当初の2.3cpから2.7c
p程度しか上昇せず、貯蔵安定性良好な液状物であっ
た。また、60日保存後の組成物中のポリアルコキシシ
ロキサンの慣性半径を小角X線散乱により測定した。得
られたデータに吸収補正、バックグラウンド補正、スリ
ット補正を行い、散乱ベクトルからギニエプロットを
得、その傾きから慣性半径を求めた値と散乱ベクトルを
フーリエ変換して得られる距離分布関数のピーク位置か
ら、慣性半径は約15Åであった。
【0036】比較例1 〔ポリアルコキシシロキサン含有組成物−6の合成〕テ
トラメトキシシラン・オリゴマー(「MKCシリケート
MS51」、三菱化学(株)製)38.46g、エタノ
ール53.0gを混合した液に、アルミニウムトリスア
セチルアセトネート0.38g、を加え、室温下で攪拌
して溶解した。次に、水8.15gを添加し室温密閉化
で3日間放置してポリアルコキシシロキサン含有組成物
−、99.9gを得た。この時の、加水分解率は11
3%である。このポリアルコキシシロキサン含有組成物
−の分子量を、以下に示すGPC分析から求めた。
【0037】 〔GPC分析条件〕 装 置 :Waters製 高温GPC 150C カ ラ ム :PLgel 500Å(5μ)1本+100Å(5μ)2本 温 度 :カラム40℃,注入口30℃,ポンプ30℃ 溶 媒 :酢酸エチル 1.0ml/min 検 出 器 :RI検出器 −32×1 RIU/FS 試 料 :酢酸エチルで5重量%に希釈し、100μl注入 チャート速度 :5mm/min データ処理 :東ソー製 CP−8000
【0038】標準ポリプロピレングリコール及びテトラ
メトキシシラン・オリゴマーを用いた、GPC検量線を
図1に示す。この結果、ポリアルコキシシロキサン含有
組成物−の重量平均分子量は1040であった。ま
た、微小粒子の慣性半径を実施例2と同様に小角散乱X
線法で求めたところ、慣性半径は約6Åであった。ポリ
アルコキシシロキサン含有組成物−について、密閉下
で50℃での加速保存試験を実施したが、10日目にゲ
ル化してしまった。
【0039】比較例2 〔ポリアルコキシシロキサン含有組成物−の溶媒置
換〕ガラス製200ml四ツ口丸底フラスコに攪拌器、
温度計、リービッヒコンデンサーを取り付けた簡単な単
蒸留装置に、比較例1で得られたポリアルコキシシロキ
サン含有組成物−6、50.0gとキシレン40.0g
を仕込み攪拌しながら徐々に加熱して、留出温度が約6
5℃でメタノールを留去させていたところ、内液が白濁
すると共に全体がゲル化してしまった。
【0040】実施例12〜17 実施例1、6、8、11及び比較例1で得られたポリア
ルコキシシロキサン含有組成物と、有機高分子化合物と
を配合した各々の液状組成物の相溶性を表1に、またそ
れらの塗膜物性を表2に示す。 実施例18〜29 実施例6で得られたポリアルコキシシロキサン含有組成
物−Dを、種々の有機高分子化合物及びこれに酸化チタ
ンを分散してエナメル化した物に少量添加して、相溶性
及び造膜性を確認した。結果を、表3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】(塗膜作製条件) ・基板・・・・ガラス及びアルミニウム ・塗工・・・・150μmアプリケーター ・硬化条件・・150℃、2時間硬化 (塗膜物性評価方法) ・外 観 :目視観察及びヘイズメータによる△H値測
定(ガラス基板使用 ・鉛筆硬度:JIS K 5400塗料一般試験方法参
照 ・耐溶剤性:キシレンを含浸させた綿布で、塗膜表面を
往復100回ラビングした後、キズ又は溶出等を目視評
価。 ○:変化なし △:若干のキズ ×:キズ又は溶出 ・耐屈曲性:JIS K 5400塗料一般試験方法参
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】※−1 [エナメルA]アクリルシリコン樹脂/酸化チタンを固
形分換算で1/1重量比で分散した白色エナメル。 [エナメルB](ポリエステル樹脂+ブロックイソシア
ネート)/酸化チタンを固形分換算で1/1重量比で分
散した白色エナメル。 [エナメルC](フッ素樹脂+ブロックイソシアネート)
/酸化チタンを固形分換算で1/1重量比で分散した白
色エナメル。 [樹 脂 D]フッ素含有アクリルシリコン樹脂 [エナメルD]フッ素含有アクリルシリコン樹脂/酸化
チタンを固形分換算で1/1重量比で分散した白色エナ
メル。 [樹 脂 E]酢酸ビニル系アクリル樹脂 [エナメルE]酢酸ビニル系アクリル樹脂/酸化チタン
を固形分換算で1/1重量比で分散した白色エナメル。
【0048】
【式1】 ※−2
【0049】(塗膜作製条件) ・基板・・・・ブリキ ・塗工・・・・#30バーコータ(ドライ膜厚約20μ
m) ・硬化条件・・170℃、20分間の加熱硬化
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高重合度で
ありながら室温での貯蔵安定性が良好で、透明かつ組成
変化のない液状態を保つことができるポリアルコキシシ
ロキサンを含有する液状組成物を製造することができ
る。さらに、溶剤を高沸点溶剤で置換することにより得
られるポリアルコキシシロキサン含有組成物は、樹脂な
どの各種有機物や無機塗料等との相溶性に優れ、これら
と配合してなるコーティング剤、塗料等の組成物に親水
性、耐汚染性、耐酸性、耐薬品性、耐候性、耐熱性、硬
度向上等の機能改善が期待できることから、非常に有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1における、標準ポリプロピレングリコ
ール及びテトラメトキシシラン・オリゴマーを用いた、
GPC検量線を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 穂積 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラアルコキシシランに1.0〜1.6
    モル倍の水を添加して加水分解縮合反応をして得られる
    ポリアルコキシシロキサン5〜95重量部に対して溶媒
    を95〜5重量部含有するポリアルコキシシロキサン含
    有組成物。
  2. 【請求項2】テトラアルコキシシランの加水分解縮合反
    応で生成するアルコールよりも沸点の高い有機溶剤を含
    有することを特徴とする請求項1記載のポリアルコキシ
    シロキサン含有組成物。
  3. 【請求項3】ポリアルコキシシロキサンが慣性半径10
    0Å以下の微小粒子を形成している請求項1又は2記載
    のポリアルコキシシロキサン含有組成物。
  4. 【請求項4】テトラアルコキシシランに1.0〜1.6
    モル倍の水を添加して加水分解縮合することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のポリアルコキシシロ
    キサン含有組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】テトラアルコキシシランのモノマーに1.
    6モル倍未満の水を添加して加水分解縮合してなるテト
    ラアルコキシシランのオリゴマーに、更に水を添加して
    加水分解縮合することを特徴とする請求項4記載のポリ
    アルコキシシロキサン含有組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】テトラアルコキシシランの加水分解縮合反
    応で生成するアルコールを系外に除去することを特徴と
    する請求項5記載のポリアルコキシシロキサン含有組成
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】テトラアルコキシシランの加水分解縮合反
    応で生成したアルコールを系外へ除去する際、このアル
    コールよりも沸点の高い溶剤を存在させ、且つ内温を該
    溶剤の沸点より低い温度に保持することを特徴とする請
    求項6記載のポリアルコキシシロキサン含有組成物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】テトラアルコキシシランがテトラメトキシ
    シランであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか
    に記載のポリアルコキシシロキサン含有組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】テトラアルコキシシランへの水の添加を5
    0℃以下で行うことを特徴とする請求項4〜8のいずれ
    かに記載のポリアルコキシシロキサン含有組成物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜3のいずれかに記載のポリア
    ルコキシシロキサン含有組成物を有機成分と配合してな
    るポリシロキサン含有組成物。
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