JPH1021910A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH1021910A
JPH1021910A JP8169660A JP16966096A JPH1021910A JP H1021910 A JPH1021910 A JP H1021910A JP 8169660 A JP8169660 A JP 8169660A JP 16966096 A JP16966096 A JP 16966096A JP H1021910 A JPH1021910 A JP H1021910A
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JP
Japan
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positive electrode
transition metal
lithium
manganese oxide
active material
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Withdrawn
Application number
JP8169660A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Sugano
直之 菅野
Takahiro Miyashita
孝洋 宮下
Koji Yamato
公史 山戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chuo Denki Kogyo Co Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Chuo Denki Kogyo Co Ltd
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムマンガン酸化物を正極活物質として
用いながら、その粒径に依存せず、またいずれの混合状
態においても極めて効率的な充放電反応性、イオン導電
性を保持でき、サイクル特性に優れた非水電解液二次電
池を提供する。 【解決手段】 LixMnOy(但し、x,yは、それぞ
れLi,Oの組成比を示す。)を主体とし、Mn化合物
以外の遷移金属化合物を添加した正極活物質からなる正
極と、リチウム金属、リチウム合金もしくはリチウムを
ドープ及び脱ドープ可能な炭素材料からなる負極と、非
水電解液とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブル用電子
機器の電源等に用いられる非水電解液二次電池に関する
ものであり、特に正極材料の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により、電子機器
の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これら電子
機器には、高エネルギー密度の高い二次電池が要求され
ている。従来、これら電子機器に使用される二次電池と
しては、ニッケル・カドミウム二次電池電池、鉛蓄電
池、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池などが
挙げられる。特に、リチウムイオン二次電池は、電池電
圧が高く、高エネルギー密度を有し、自己放電も少な
く、かつ、サイクル特性に優れ、小型軽量電池に適合で
きる最も有望な電池である。
【0003】一般に、このリチウムイオン二次電池は、
LiCoO2やLiNiO2からなる正極と、リチウムが
ドープ及び脱ドープ可能な炭素材料からなる負極と、合
成樹脂製の微多孔性膜からなるセパレータと、電解質を
溶解してなる非水電解液とから構成されている。
【0004】一方、正極材料としては、LiCoO2
LiNiO2ばかりではなく、LiMn24等の低コス
トなリチウムマンガン酸化物についても、開発研究が行
われてきた。
【0005】しかしながら、従来の電解二酸化マンガン
から合成したLiMn24等のリチウムマンガン酸化物
を正極活物質として用いる場合には、粒径が大きいた
め、微粉グラファイト導電剤やアセチレンブラックとい
った導電剤を10%以上混合させ、接触点をより増大さ
せ電子伝導を高めた混合性状にして使用する必要があっ
た。活物質の充放電性能を維持するために多量の導電剤
を添加することは、高容量化に対して推奨できるもので
はなく、高性能化と高容量化という相反する要望を同時
に満たすことができない。
【0006】そこで、一般には、二次電池としての性能
向上を図るために、正極活物質として微粉末のLiMn
24等のリチウムマンガン酸化物を用いることが検討さ
れている。しかし、試験目的では、従来のごとく、導電
剤を20%以上混合して電極を作製するという技術が取
られていた。
【0007】また、微粉末のリチウムマンガン酸化物
は、機械プレスだけで密に充填することができず、高密
度で高容量を有する電極の製造が困難となっていた。微
粉末のリチウムマンガン酸化物は、粉末としての性状か
ら大容量で柔軟性を有する電極特にシート状電極に形成
することが困難で、実用的電極を作製することができな
かった。この微粉末リチウムマンガン酸化物を正極活物
質として用いたリチウムイオン二次電池においては、数
十回の充放電により大きくサイクル特性が低下し、リチ
ウムの出入りに伴い充放電性能が急速に失われた。
【0008】従来、充放電サイクルに伴うサイクル劣化
を抑制する方法としては、極めて薄い電極を作製するこ
とにより、接触部分を多く取り、活物質が直接集電体と
接することを目指した方法が取られていた。しかしなが
ら、この方法では、活物質そのものの劣化に対して全く
防御がなく、極めて薄く電極を成形するには、微細な材
料を用いる必要があり、上述の問題を残したものとなっ
ていた。
【0009】さらに、従来の方法においては、微粉末の
活物質からなる混合溶液を塗布、乾燥する工程におい
て、ゾル・ゲル状を呈した混合溶液の内部に残存する気
泡を取り除くことができないため、均一な電極を得るこ
とができず、安定した性能を得ることができなかった。
そのため、自然落下による塗布に加えて機械的な加工装
置を必要としていた。
【0010】また、より大電流での放電条件で使用可能
な活物質としては、粒径が0.1〜0.5μm程度の微
粉末の粒径に比較的近いものがある。この小粒径の活物
質は、逆により大きな比表面積を有することで、イオン
の挿入脱離反応をよりスムーズに進める役割を果たす効
果をもつ。これは、集電体に塗布するものではなく直接
集電体に加圧成形するものであるが、集電体に軽金属を
用いる場合、加工成形などの大量生産に向いておらず、
電極活物質合剤として成形加工するものに比べて量産性
の低いものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
正極活物質として用いられているリチウムマンガン酸化
物は、大粒径の場合には導電性が充分得られず、導電材
が多く必要となり、このため容量を高めるのが困難であ
る。また、微粒子の場合には、正極の充填密度がばらつ
いたり、或いは低くなり、さらには電極の柔軟性を欠い
てしまい、サイクル特性や容量の点で問題が生じる。
【0012】そこで、本発明は、上述のような従来の実
情に鑑みて提案されたものであり、リチウムマンガン酸
化物を正極活物質として用いながら、その粒径に依存せ
ず、またいずれの混合状態においても極めて効率的な充
放電反応性、イオン導電性を保持でき、サイクル特性に
優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る非水電解液二次電池は、LixMnOy
(但し、x,yは、それぞれLi,Oの組成比を示
す。)を主体とし、Mn化合物以外の遷移金属化合物を
添加した正極活物質からなる正極と、リチウム金属、リ
チウム合金もしくはリチウムをドープ及び脱ドープ可能
な炭素材料からなる負極と、非水電解液とを備えている
ことを特徴とする。
【0014】また、正極活物質における遷移金属化合物
に含まれる遷移金属のMnに対する原子比が0.005
以上0.03以下であることが好ましい。
【0015】上記正極活物質に添加される遷移金属化合
物は、Ni化合物もしくはCo化合物であることが好ま
しい。
【0016】リチウムマンガン酸化物(LixMnOy
は、それ自体導電性が低いため、これを活物質として正
極を構成するには、10重量%以上の量で導電材を混合
することが必要であるが、このリチウムマンガン酸化物
に遷移金属酸化物を添加すると、この遷移金属化合物に
よって導電性が付与される。
【0017】したがって、比較的大粒径のリチウムマン
ガン酸化物を用いても、導電剤を増やしたり、特別な導
電剤を用いることなく、通常のNiやCoのリチウム化
合物を正極材料とする場合と同じ製法により電極を作製
することができ、同等の電池性能を得ることができる。
【0018】また、この遷移金属化合物が添加されたリ
チウムマンガン酸化物は、成型性に優れ、微粉末のリチ
ウムマンガン酸化物を用いた場合においても、充填密度
を高くでき、充放電容量の増大を図ることができる。す
なわち、広い粒子径分布を有するリチウムマンガン酸化
物を使用できる。
【0019】これにより、本発明に係る非水電解液二次
電池においては、リチウムマンガン酸化物の粒径、及び
正極材料に混合される導電材の添加量にあまり依存せ
ず、いずれの混合状態においても極めて効率的な充放電
反応性、イオン導電性を保持でき、サイクル特性に優れ
た正極活物質を提供できる。
【0020】しかも、この遷移金属化合物が添加された
リチウムマンガン酸化物は、充放電サイクルを繰り返し
ても結晶構造が保たれるので、従来以上のサイクル寿命
を得ることができる。
【0021】さらに、従来のリチウムマンガン酸化物で
は、長期充放電サイクルを行うと、容量の低下と共にセ
パレータでの変色が起きていたが、遷移金属化合物が添
加されたリチウムマンガン酸化物では、セパレータでの
変色が解消され、長時間の使用に充分耐えられるものと
なる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて説明する。
【0023】本発明に係る非水電解液二次電池は、Li
xMnOy(但し、x,yは、それぞれLi,Oの組成比
を示す。)を主体とし、Mn化合物以外の遷移金属化合
物を添加した正極活物質からなる正極と、リチウム金
属、リチウム合金もしくはリチウムをドープ及び脱ドー
プ可能な炭素材料からなる負極と、非水電解液とを備え
ている。
【0024】正極活物質に添加される遷移金属化合物
は、当該化合物に含まれる遷移金属Mnに対する原子比
が、0.005以上0.03以下となるような添加量で
添加されるのが好ましい。
【0025】正極活物質において主体となるLixMn
yとしては、LiMn24、LiMn23、LiMn
2、Li2MnO3等のリチウムマンガン酸化物等が挙
げられ、このうち、LiMn24、LiMn23がより
好ましい。
【0026】これらリチウムマンガン酸化物を合成する
ための原材料としては、二酸化マンガン、三酸化二マン
ガン、四酸化三マンガン、オキシ水酸化マンガン、硫酸
マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン等が挙げられ
る。リチウムマンガン酸化物は、これらマンガン化合物
とリチウム化合物とを混合し、酸素雰囲気下で熱処理す
ることによって生成される。また、リチウムマンガン酸
化物の製造方法は、これに限定されず、電解二酸化マン
ガンを用いてもよい。
【0027】正極活物質に添加される遷移金属化合物と
しては、特に限定されるものではないが、Ni化合物も
しくはCo化合物であることがより好ましく、導電性の
点から極めて効果的である。
【0028】ニッケル化合物としては、酢酸ニッケル、
硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッ
ケル、沃化ニッケル、水酸化ニッケル、シュウ酸ニッケ
ル化合物等、さらには有機ニッケル化合物等が挙げられ
る。
【0029】コバルト化合物としては、酢酸コバルト、
硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバ
ルト、沃化コバルト、水酸化コバルト、シュウ酸コバル
ト化合物等、さらには有機コバルト化合物等が挙げられ
る。
【0030】一方、負極活物質としては、リチウムをド
ープ及び脱ドープ可能なものであれば良く、熱分解炭素
類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、
石油コークスなど)、グラファイト類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン
樹脂などを適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素
繊維、活性炭などの炭素質材料、あるいは、金属リチウ
ム、リチウム合金(例えば、リチウム−アルミ合金)の
他、ポリアセチレン、ポリピロールなどのポリマーが挙
げられる。
【0031】電解液には、リチウム塩を電解質とし、こ
れを0.5〜1.5モル/lなる濃度で有機溶媒に溶解
させた非水電解液が用いられる。ここで有機溶媒として
は、特に限定されるものではないが、例えば、炭酸プロ
ピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ−ブチロラク
トン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、酢酸エステル
化合物、プロピオン酸エステル化合物、ジ酢酸エステル
化合物、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジメト
キシプロパン、ジエトキシプロパン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキソランなどの単独もしくは2種類以上混合し
た混合溶媒が挙げられる。
【0032】電解質としては、過塩素酸リチウム、トリ
フルオロロメタンスルホン酸リチウム、四フッ化硼酸リ
チウム、六フッ化燐酸リチウム、六フッ化砒酸リチウム
などが挙げられる。
【0033】本発明に係る非水電解液二次電池の形状
は、特に限定されるものではなく、コイン型電池、円筒
状渦巻式電池、平板状角型電池、インサイドアウト型円
筒電池等、いずれの電池にも適用可能である。また、本
発明においては、小型電池に言及しているが、価格的に
は、大型電池に特に好適なものである。
【0034】
【実施例】以下、実際にLiMn24を主体とした正極
材料を用いてコイン型電池を作製し、その効果を調べ
た。
【0035】LiMn24の合成 オキシ水酸化マンガンと水酸化リチウムを原子比でM
n:Li=1:0.5となるように計量し乳鉢に入れて
混合し、加圧成形し、さらに乳鉢を用いて粗く砕いた。
次に、これをアルミナ製坩鍋に入れて、電気炉を用いて
酸素雰囲気下350℃で2時間、800℃で24時間熱
処理を施した後、室温まで冷却した。
【0036】得られた化合物は、X線回折測定により、
スピネル型LiMn24であることが確認できた。この
化合物の粒子径分布は、レーザー式測定機による測定に
より、50%累積径で約40μmであった。
【0037】<実施例1>先ず、硫酸ニッケル六水和物
を0.01モル/l濃度になるように水に溶解させ、ニ
ッケル水溶液500mlを作製した。このニッケル水溶
液中に前記LiMn24を29g投入し、スターラーを
用いて攪拌させながら5%水酸化アンモニウム水溶液を
徐々に加えてpH10.0に調整し、この状態で1時間
攪拌した。次に、この混合溶液をガラスフィルターを用
いて濾過し、濾過した固形成分を取り出し、これを真空
乾燥機で減圧下100℃で12時間乾燥させた。そし
て、得られた固形物にさらに700〜800℃で10時
間加熱処理を施して、残存している水分及び水酸基を除
去した。
【0038】このようして、LiMn24に対するNi
の添加量が原子比でNi/Mn=0.015である正極
材料Ni−LiMn24を得た。
【0039】<実施例2>硫酸ニッケル六水和物を0.
02モル/l濃度になるように水に溶解させ、ニッケル
水溶液500mlを作製した。これ以外は、実施例1と
同様にして、ニッケル水溶液にLiMn24を29g投
入し、LiMn24に対するNiの添加量が原子比でN
i/Mn=0.03である正極材料Ni−LiMn24
を得た。
【0040】<実施例3>硫酸ニッケル六水和物を0.
005モル/l濃度になるように水に溶解させ、ニッケ
ル水溶液500mlを作製した。これ以外は、実施例1
と同様にして、ニッケル水溶液にLiMn24を29g
投入し、LiMn24に対するNiの添加量が原子比で
Ni/Mn=0.0075である正極材料Ni−LiM
24を得た。
【0041】<実施例4>硫酸コバルト七水和物を0.
01モル/l濃度になるように水に溶解させ、コバルト
水溶液500mlを作製した。これ以外は、実施例1と
同様にして、コバルト水溶液にLiMn24を29g投
入し、LiMn24に対するCoの添加量が原子比でC
o/Mn=0.015である正極材料Co−LiMn2
4を得た。
【0042】<比較例1>合成されたLiMn24にニ
ッケル/コバルト処理を施さずに、これを正極材料Li
Mn24とした。
【0043】<比較例2>硫酸ニッケル六水和物を0.
04モル/l濃度になるように水に溶解させ、ニッケル
水溶液500mlを作製した。これ以外は、実施例1と
同様にして、ニッケル水溶液にLiMn24を29g投
入し、LiMn24に対するNiの添加量が原子比でN
i/Mn=0.06である正極材料Ni−LiMn24
を得た。
【0044】以上、得られた正極材料の分析結果を表1
に示す。なお、Mnは鉄分離過マンガン酸直接滴定法
(JIS規格M8232による)により測定し、Mn以
外の金属は原子吸光法により測定した。表1の結果か
ら、ほぼ理論値通りの分析値が得られていることが確認
できた。
【0045】
【表1】
【0046】電池の組立 上述のように作製された正極材料(実施例1〜実施例
5、比較例1)を用いて、図1に示されるコイン型電池
1を次のように作製した。
【0047】先ず始めに、各々の正極材料を活物質とし
て用い、これに導電剤としてグラファイト、結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンを重量比で90:7:3の割合
で混合した。これを50mg秤り取り、アルミニウムネ
ットとともに加圧プレス装置で直径15mmに成形し正
極ペレット2とした。
【0048】負極としては、厚み1.6mmのリチウム
を用意し、直径17mmに打ち抜いて負極ペレット3と
し、予め用意された電池蓋4に負極ペレット3を加圧プ
レス装置で圧着した。
【0049】そして、上記正極ペレット2を電池缶5に
載せ、その上にポリプロピレン製セパレータ(商品名:
セルガード#2502、ヘキスト社製)6を載置した。
これに、プロピレンカーボネイト:ジエチルカーボネイ
ト=1:1にLiPF6を1モル/lで溶解させてなる
電解液を注液し、前記負極ペレット3が圧着された電池
蓋4を載せ、ガスケット7によりかしめて封口した。
【0050】電池試験 以上のようにして作製された実施例1〜実施例5、比較
例1のコイン型電池の開路電圧と、電池抵抗を測定した
結果を表2に示す。なお、電池抵抗は、1kHzの交流
電圧を与えて測定した。
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果からわかるように、実施例1〜
実施例4の正極材料を用いた電池においては、比較例1
の電池と変わらぬ回路電圧と電池抵抗が得られ、リチウ
ムマンガン酸化物に遷移金属酸化物を添加することによ
って電池性能が損なわれることはなかった。
【0053】また、実施例、比較例の正極材料を用いた
各々の電池について、次のような充放電試験を行った。
【0054】先ず、電流密度0.5mA/cm2、上限
電圧4.2Vで12時間充電後、電流密度0.5mA/
cm2で3.0Vまで放電させた。次に、電流密度1.
0mA/cm2、上限電圧4.2Vで5.5時間充電
し、電流密度1.0mA/cm2で3.0Vまで放電さ
せるサイクルを5回繰り返し行った。
【0055】そして、上記の電池について、放電負荷性
能試験として、電流密度1.0mA/cm2、上限電圧
4.2Vで5.5時間充電し、電流密度0.5〜5mA
/cm2で3.0Vまで放電させるサイクルをそれぞれ
3回づつ行った。
【0056】また、上記の電池について、放充電サイク
ル試験として、電流密度1.0mA/cm2、上限電圧
4.2Vで5.5時間充電し、電流密度1.0mA/c
2で3.0Vまで放電させるサイクル試験をそれぞれ
繰り返し行った。これらの試験結果を図2及び図3に示
す。
【0057】以上の結果から、リチウムマンガン酸化物
(LiMn24)にMn以外の遷移金属(Niもしくは
Co)化合物による処理を行った各実施例は、遷移金属
化合物による処理を施さない比較例1に比べて、電池容
量、サイクル特性に優れていることがわかった。とりわ
け、ニッケル処理を行うことで極めて大きい効果が得ら
れることがわかった。
【0058】また、比較例2の結果からわかるように、
遷移金属の添加量が原子比で0.06になる場合には、
若干容量の低下が起こる。したがって、リチウムマンガ
ン酸化物に添加される遷移金属化合物は、リチウムマン
酸化物のMnに対する原子比が、0.03以下となるよ
うに添加されることがより好ましい。
【0059】また、実施例3の結果からわかるように、
遷移金属化合物は、原子比が0.005以上となるよう
に添加されることがより好ましい。
【0060】このように、本実施例においては、リチウ
ムマンガン酸化物にニケッル化合物やコバルト化合物な
どのMn以外の遷移金属化合物を添加することにより、
リチウムマンガン酸化物の表面に遷移金属のリチウム化
合物に類似した構造が形成されることから、放充電サイ
クルに伴う正極材料そのものの変質、表面層の劣化を効
果的に抑制できるものと考えられる。
【0061】とりわけ、スピネル型のマンガン化合物
は、リチウムの出入りにおいて、トンネル構造からリチ
ウムをドープ及び脱ドープするために、その結晶構造が
抵抗層となりやすく、構造劣化が起こり劣化が進む一因
として考えられていたが、Mn以外の遷移金属化合物を
添加することにより、その性状を有用な材料に改良でき
る。
【0062】また、ニッケル化合物やコバルト化合物等
のMn以外の遷移金属化合物を添加することにより、こ
れまでリチウムマンガン酸化物において問題とされてい
た導電性も大幅に向上する。したがって、大きな粒子径
を有するリチウムマンガン酸化物を用いる場合にも、導
電剤の添加量を増やしたり、特別な導電剤を用いること
なく、従来の電池以上に優れた導電性を有する正極を得
ることができ、LiCoO2、LiNiO2等のイオン導
電性が高くリチウムイオン電池に用いられている正極材
料と同等の性能を得ることができる。
【0063】上述したように、ここで示される非水電解
液二次電池は、リチウムマンガン酸化物にMn以外の遷
移金属化合物を添加することにより、正極がリチウムを
ドープ及び脱ドープするのに有用な性状に改良される。
遷移金属化合物が添加されたリチウムマンガン酸化物か
らなる正極は、リチウムマンガン酸化物の粒径、及び正
極材料に混合される導電材の添加量にあまり依存せず、
いずれの混合状態においても極めて効率的な充放電反応
性、イオン導電性を保持できる。
【0064】さらに、ここで示される非水電解液二次電
池においては、充放電サイクルに伴う正極材料の変化を
小さくでき結晶構造を保つことができるので、従来以上
のサイクル寿命を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る非水電解液二次電池は、リチウムマンガン酸化
物LixMnOy(但し、x,yは、LiとMnの組成比
を示す。)に、Mn以外の遷移金属化合物を添加するこ
とにより、正極活物質をリチウムをドープ及び脱ドープ
するのに有用な性状に改良することができる。
【0066】本発明は、リチウムマンガン酸化物を主体
とする正極材料を用いるに際して、正極活物質の粒径、
及び正極材料に混合される導電材の添加量にあまり依存
せず、いずれの混合状態においても極めて効率的な充放
電反応性、イオン導電性を保持でき、サイクル特性、サ
イクル寿命に優れた非水電解液二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したコイン型電池の構成を示す断
面図である。
【図2】電流密度と放電容量との関係を示す特性図であ
る。
【図3】サイクル数と放電容量との関係を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
1 コイン型電池、2 正極ペレット、3 負極ペレッ
ト、4 電池蓋、5 電池缶、6 セパレータ、7 ガ
スケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 孝洋 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内 (72)発明者 山戸 公史 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LixMnOy(但し、x,yは、それぞ
    れLi,Oの組成比を示す。)を主体とし、Mn化合物
    以外の遷移金属化合物を添加した正極活物質からなる正
    極と、リチウム金属、リチウム合金もしくはリチウムを
    ドープ及び脱ドープ可能な炭素材料からなる負極と、非
    水電解液とを備えていることを特徴とする非水電解液二
    次電池。
  2. 【請求項2】 正極活物質における遷移金属化合物に含
    まれる遷移金属のMnに対する原子比が0.005以上
    0.03以下であることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 上記正極活物質に添加される遷移金属化
    合物がNi化合物もしくはCo化合物であることを特徴
    とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 LixMnOyがLiMn24、LiMn
    23であることを特徴とする請求項1記載の非水電解液
    二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6764790B2 (en) 1999-02-05 2004-07-20 Ngk Insulators, Ltd. Lithium secondary battery
JP4529288B2 (ja) * 1998-07-06 2010-08-25 Tdk株式会社 非水電解質二次電池用電極

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