JP2004006293A - 正極材料およびその製造方法、並びにそれを用いた電池 - Google Patents

正極材料およびその製造方法、並びにそれを用いた電池 Download PDF

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Abstract

【課題】構造安定性を向上させることにより、電池特性を向上させることができる正極材料およびその製造方法、並びにそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】正極12はLiMnCrAl1−b−cまたはLi1+e(MnCr1−f−g1−eで表される複合酸化物を含む。a〜hは1.0<a<1.6,0.5<b+c<1,1.8<d<2.5,0<e<0.4,0.2<f<0.5,0.3<g<1,f+g<1,1.8<h<2.5、MはTi,MgおよびAlのうちの少なくとも1種である。Ti,Mg,Alにより結晶構造を安定化させ、充放電サイクル特性を向上させることができる。また、過剰なLiにより充電容量を向上させることができると共に、充電後でも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性をより向上させることができる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム(Li)と、マンガン(Mn)と、クロム(Cr)と、チタン(Ti),マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)からなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有する正極材料、およびその製造方法、並びにそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の電子機器の飛躍的進歩とともに、長時間便利に、かつ経済的に使用できる電源として再充電可能な二次電池の研究が進められている。代表的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、あるいはリチウム二次電池などが知られている。中でも、リチウム二次電池は、高出力および高エネルギー密度を得ることができるなどの利点を有している。
【0003】
このリチウム二次電池は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・離脱可能な正極および負極と、電解質とから構成される。このうち正極材料としては、例えば金属酸化物,金属硫化物あるいはポリマーが用いられている。具体的には、TiS,MoS,NbSeあるいはVなどのリチウムを含まない化合物、またはLiMO(M=Co,Ni,Mn,Feなど)あるいはLiMnなどのリチウムを含むリチウム複合酸化物などが知られている。
【0004】
このうちLiCoOは、リチウム金属電位に対して約4Vの電位を有する正極材料として広く実用化されており、高エネルギー密度および高電圧を有し、様々な面において理想的な正極材料である。しかし、資源としてのCo(コバルト)が地球上に偏在しかつ稀少であるために、安定供給が難しく材料コストが高くなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、LiCoOに代わり、資源として豊富に存在し安価なニッケル(Ni)あるいはマンガンをベースとした正極材料が期待されている。
【0006】
【非特許文献1】
「エレクトロケミカル アンド ソリッド ステイト レターズ(Electrochemical and Solid−State Letters)」、2000年、3巻、8号、p355
【非特許文献2】
「ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエティ(Journal of The Electrochemical Society)」、2002年、149巻、4号、pA431
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LiNiOは、理論容量が大きくかつ高放電電位を有するものの、充放電サイクルの進行に伴って結晶構造が崩壊するので、放電容量の低下を招き、熱安定性も悪いといった問題があった。
【0008】
また、正スピネル構造を有するLiMnは、LiCoOと同等の高い電位を有し高い電池容量を得ることができ、合成も容易であるが、高温保存時における容量劣化が大きく、更にはマンガンが電解液中へ溶解してしまうといった安定性あるいはサイクル特性が十分でないといった問題が残されている。
【0009】
更に、層状構造を有するLiMnOは、LiMnよりも高容量を得ることができるが、合成が困難であり、しかも充放電を繰り返すと構造が不安定となり、容量が低下してしまうという問題があった。
【0010】
なお、この問題を解決するために、クロムでマンガンの一部を置換し、かつリチウムを多量に含有させたLi2+xMn0.91Cr1.09が、正極材料として提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、この正極材料は、常温でのサイクル特性が未だ十分ではないという問題があった。また、この正極材料は、メタノールを分散媒に用いた溶液中反応でMn0.91Cr1.09を合成したのち、リチウム塩とMn0.91Cr1.09を窒素雰囲気中で焼成することにより製造されており、毒性のあるメタノールを使用し、かつ二段階反応が必要という欠点があった。
【0011】
また、非特許文献2には、Li1.2Mn0.4Cr0.4が正極材料として提案されている。この正極材料によれば、対リチウム電圧で4.4Vまで充電し、2.5Vまで放電させた場合、258mAh/gの初期充電容量、173mAh/gの初期放電容量が得られるが、常温でのサイクル特性はやはり十分でないという問題があった。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、構造安定性を向上させることにより、電池特性を向上させることができる正極材料およびそれを用いた電池を提供することにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、毒性の高い分散媒を用いることなく、簡単に合成することができる正極材料の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による正極材料は、リチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有し、この複合酸化物におけるリチウムのマンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対する組成比は、モル比で、1よりも大きいものである。
【0015】
本発明による正極材料の製造方法は、リチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有する正極材料を製造するものであって、原料をエタノールまたは水を分散媒として混合し、複合酸化物を合成するものである。
【0016】
本発明による電池は、正極および負極と共に、電解質を備えたものであって、正極は、リチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有し、この複合酸化物におけるリチウムのマンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対する組成比は、モル比で、1よりも大きいものである。
【0017】
本発明による正極材料では、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことにより構造安定性が向上されている。また、リチウムの組成が1よりも大きいので、充電時に大きな電気容量が得られるとともに、充電後にも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性が保たれる。
【0018】
本発明による正極材料の製造方法では、毒性の低いエタノールまたは水を分散媒として原料が混合される。
【0019】
本発明による電池では、本発明の正極材料を用いているので、大きな充放電容量および優れた充放電サイクル特性が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
本発明の一実施の形態に係る正極材料は、リチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有している。この複合酸化物は、例えば層状構造を有しており、例えば、化1または化2に示した化学式で表されるものが好ましい。
【0022】
【化1】
LiMnCrAl1−b−c
式中、a,b,cおよびdは、1.0<a<1.6,0.5<b+c<1,1.8<d<2.5の範囲内の値である。
【0023】
【化2】
Li1+e(MnCr1−f−g1−e
式中、Mはチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種の元素である。e,f,gおよびhは、0<e<0.4,0.2<f<0.5,0.3<g<1,f+g<1,1.8<h<2.5の範囲内の値である。
【0024】
この複合酸化物において、クロムはレドックス主体としての機能を有しており、マンガンは層状構造を保つためのものである。チタン,マグネシウムおよびアルミニウムは結晶構造を安定化させるためのものであり、マンガンおよびクロムの一部と置換されて存在している。これにより、この正極材料は構造が安定し、充放電容量が向上すると共に、優れた充放電サイクル特性を得られるようになっている。
【0025】
また、この複合酸化物は、マンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対するリチウムの組成比が、モル比で、1よりも大きくなっている。この組成比が小さいと不純物が多くなり、大きい充電容量を得ることができず、更に、この組成比を1よりも大きくリチウムを過剰とすることにより、充電後にも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性を保つことができるからである。
【0026】
なお、化1および化2において、リチウムの組成a,1+eは1から2の範囲内で選択することができるが、1<a<1.6、1<1+e<1.4と規定するのは、リチウムの組成a,1+eが大きいと不純物が多くなり、結晶構造が変化して、充放電容量が低下してしまうからである。より好ましい組成a,eの範囲は、1.1<a≦1.55、0.1<e≦0.35である。
【0027】
化1および化2において、マンガンとクロムとの合計の組成b+c,f+gは0から1の範囲内で選択することができるが、b+cを0.5よりも大きく、gを0.3よりも大きく規定するのは、組成b+c,gが小さいとレドックス主体が少なくなり、充放電容量が低下してしまうからである。より好ましい組成b+cの範囲は、0.6<b+c<1である。また、fを0.2よりも大きく0.5よりも小さく規定するのは、組成fが小さいと層状構造が保たれず、逆に大きいとレドックス主体としてのクロムの量が少なくなり、充放電容量が低下してしまうからである。
【0028】
化1または化2において、酸素の組成d,hを1.8よりも大きく2.5未満と規定するのは、この範囲外では単一相の層状構造を持つ化合物が生成しにくく、結晶構造が不安定になり、電池特性が劣化してしまうからである。
【0029】
なお、この複合酸化物は、リチウム,マンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウム以外の他の金属元素を更に含んでいてもよい。この場合、リチウム以外の金属元素の合計に対するリチウムの組成比は、モル比で、1よりも大きいことが好ましい。上述したように、充電後にも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性を保つことができるからである。
【0030】
このような構成を有する正極材料は例えば次のようにして製造することができる。
【0031】
図1は本実施の形態に係る正極材料の製造方法を表すものである。まず、上述した複合酸化物の構成元素であるリチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種との原料として、例えば、水酸化リチウム(LiOH・HO)、炭酸マンガン(MnCO)、硝酸クロム(Cr(NO・9HO))あるいは水酸化クロム(LiOH・HO)、酸化チタン(TiO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、および硝酸アルミニウム(Al(NO・9HO)を用意し、秤量する(ステップS101)。なお、原料には上述したものの他にも、各種炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、あるいは酸化物を用いてもよい。
【0032】
次いで、これら原料をエタノールまたは水を分散媒としてボールミルあるいはビーズミルにより混合および粉砕する(ステップS102)。続いて、この混合物を例えば窒素雰囲気中で焼成する(ステップS103)。これにより化1に示した複合酸化物が得られる。すなわち、毒性の低いエタノールまたは水を分散媒として用い、1回の焼成で合成するようにしたので、簡単にかつ経済的に製造することが可能となる。
【0033】
このような正極材料は、例えば、次のような二次電池に用いられる。
【0034】
図2は、本実施の形態に係る正極材料を用いた二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶11内に収容された円板状の正極12と外装カップ13内に収容された円板状の負極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。外装缶11および外装カップ13の内部は液状の電解質である電解液16により満たされており、外装缶11および外装カップ13の周縁部は絶縁ガスケット17を介してかしめられることにより密閉されている。
【0035】
外装缶11および外装カップ13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。外装缶11は正極12の集電体として機能し、外装カップ13は負極14の集電体として機能するようになっている。
【0036】
正極12は、例えば、正極活物質として本実施の形態に係る正極材料を含有しており、カーボンブラックやグラファイトなどの導電剤と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成されている。すなわち、この正極12は、上述した複合酸化物を含有している。ちなみに、この正極12は、例えば、正極材料と導電剤とバインダとを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤を圧縮成型してペレット形状とすることにより作製される。また、正極材料,導電剤およびバインダに加えて、N−メチルピロリドンなどの溶剤を添加して混合することにより正極合剤を調製し、この正極合剤を乾燥させたのち圧縮成型するようにしてもよい。その際、正極材料はそのまま用いても、乾燥させて用いてもどちらでもよいが、水と接触すると反応し、正極材料としての機能が損なわれるため、充分に乾燥させることが好ましい。
【0037】
負極14は、例えば、負極活物質としてリチウム金属、リチウム合金、あるいはリチウムを吸蔵・離脱可能な材料のうちのいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。リチウムを吸蔵・離脱可能な材料としては、例えば、炭素質材料,金属化合物,ケイ素,ケイ素化合物あるいは導電性ポリマが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。炭素質材料としては、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化性炭素などが挙げられ、金属化合物としてはSnSiOあるいはSnOなどの酸化物が挙げられ、導電性ポリマとしてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。中でも、炭素質材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。
【0038】
なお、負極活物質を粉末状として用いる場合には、負極14は例えばポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成される。この場合、負極14は、例えば負極活物質とバインダとを混合して負極合剤を調整したのち、得られた負極合剤を圧縮成型してペレット形状とすることにより作製される。また、リチウムを吸蔵・離脱可能な材料およびバインダに加えて、N−メチルピロリドンなどの溶剤を添加して混合することにより負極合剤を調整し、この負極合剤を乾燥させたのちに圧縮成型するようにしてもよい。
【0039】
セパレータ15は、正極12と負極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック性の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0040】
電解液16は、溶媒に電解質塩としてリチウム塩を溶解させたものであり、リチウム塩が電離することによりイオン伝導性を示すようになっている。リチウム塩としては、LiPF,LiClO,LiAsF,LiBF,LiCFSOあるいはLiN(CFSOなどが適当であり、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。
【0041】
溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γーブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートあるいはジプロピルカーボネートなどの非水溶媒が好ましく、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。
【0042】
この二次電池は次のように作用する。
【0043】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極12からリチウムイオンが離脱し、電解液16を介して負極14に析出または吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極14からリチウムイオンが溶出または離脱し、電解液16を介して正極12に吸蔵される。ここでは、正極12がマンガンおよびクロムに加えてチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含む複合酸化物を含んでいるので、結晶構造が安定しており、大きな充放電容量が得られ、充放電サイクルによる容量の低下も少ない。また、この複合酸化物はリチウムが過剰となっているので、充電容量が向上し、大きな放電容量が得られると共に、充電後でも正極12に一定量のリチウムが残り、複合酸化物の結晶構造の安定性がより向上し、より優れた充放電サイクル特性が得られる。
【0044】
このように本実施の形態に係る正極材料によれば、マンガンおよびクロムに加えてチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むようにしたので、結晶構造を安定化させることができ、充放電容量を向上さることができると共に、充放電サイクル特性を向上させることができる。また、リチウムを過剰に含むようにしたので、充電容量をより向上させることができると共に、充電後でも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性をより向上させることができる。
【0045】
よって、この正極材料を用いれば、大きな充放電容量および優れた充放電サイクル特性を有する二次電池を得ることができる。
【0046】
特に、化1または化2に示した複合酸化物を含有するようにすれば、より大きな効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施の形態に係る正極材料の製造方法によれば、原料を混合する際に、毒性の低いエタノールまたは水を分散媒として用いるようにしたので、簡単にかつ経済的に本実施の形態の正極材料を製造することができる。
【0048】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0049】
(実施例1−1〜1−3)
まず、原料として、水酸化リチウム一水和物と、炭酸マンガンと、硝酸クロム九水和物と、硝酸アルミニウム九水和物とを用意し、表1に示した配合モル比となるように実施例1−1〜1−3で変化させて秤量した(図1;ステップS101参照)。次いで、これら原料を、エタノールを分散媒として用い、ボールミルにより十分に粉砕・混合した(図1;ステップS102参照)。続いて、得た混合物を窒素雰囲気中において650℃で24時間焼成した(図1;ステップS103参照)。これにより、正極材料として表1に示した組成の複合酸化物LiMnCrAl1−b−cを合成した。
【0050】
【表1】
Figure 2004006293
【0051】
得られた実施例1−1〜1−3の複合酸化物について、粉末X線回折パターンを測定した。X線回折装置にはリガクRINT2500の回転対陰極型を用いた。なお、このX線回折装置は、ゴニオメータとして縦標準型半径185mmのものを備えていると共に、Kβフィルタなどのフィルタは使用せず波高分析器とカウンタモノクロメータとの組み合わせによりX線の単色化を行い、シンチレーションカウンタにより特定X線を検出するタイプのものである。測定は、特定X線としてCuKα(40kV,100mA)を用い、試料面に対する入射角度DSおよび試料面に対する回折線のなす角度RSをそれぞれ1°、入射スリットの幅SSを0.15mmとし、連続スキャン(走査範囲2θ=10°〜80°,走査速度4°/min)で反射法により行った。
【0052】
図3にそのX線回折パターンを示す。図3から、得られた実施例1−1〜1−3の複合酸化物はいずれも層状構造を有するLiMnCrAl1−b−cであることが分かった。なお、実施例1−1〜1−3のいずれについても、約21°に不純物を示すピークが僅かに見られた。
【0053】
更に、得られた実施例1−1〜1−3の複合酸化物を用いて、図2に示したようなコイン型の電池を作製し、充放電特性を調べ正極材料の特性評価を行った。
【0054】
電池の正極12は次のようにして作製した。まず、合成した複合酸化物を乾燥させて正極材料として60mg秤取り、導電剤であるアセチレンブラックおよびバインダであるポリフッ化ビニリデンと共に、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンを用いて混練し、ペースト状の正極合剤とした。なお、正極材料,アセチレンブラックおよびポリフッ化ビニリデンの割合は、正極材料85質量%、アセチレンブラック10質量%、ポリフッ化ビニリデン5質量%とした。次いで、この正極合剤をアルミニウムよりなる網状の集電体と共にペレット化し、乾燥アルゴン(Ar)気流中において100℃で1時間乾燥させ、正極12とした。
【0055】
負極14には円板状に打ち抜いたリチウム金属板を用い、セパレータ15にはポリプロピレン製の多孔質膜を用い、電解液16にはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1の体積比で混合した溶媒にリチウム塩としてLiPFを1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。電池の大きさは、直径20mm、高さ1.6mmとした。
【0056】
また、充放電は次のようにして行った。まず、定電流で電池電圧が4.5Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.5Vの定電圧で電流が0.05mA/cm以下となるまで定電圧充電を行った。次いで、定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。その際、この充放電は常温(23℃)中で行った。
【0057】
図4に実施例1−1の充放電曲線を、図5に実施例1−2の充放電曲線を代表して示すと共に、図6に実施例1−1〜1−3における放電容量のサイクル数による変化を示す。また、表2に実施例1−1〜1−3の1サイクル目における充電容量および放電容量を示す。
【0058】
【表2】
Figure 2004006293
【0059】
実施例1−1〜1−3に対する比較例1−1として、原料の配合モル比を表1に示したように変えたことを除き、実施例1−1〜1−3と同様にして表1に示した組成の複合酸化物Li1.5Mn0.5Cr0.5を合成した。比較例1−1はアルミニウムを含まないものである。
【0060】
比較例1−1の複合酸化物についても、実施例1−1〜1−3と同様にして粉末X線回折パターンを測定した。図7にそのX線回折パターンを示す。図7から、得られた比較例1−1の複合酸化物は層状構造を有するLi1.5Mn0.5Cr0.5であることが分かった。なお、実施例1−1〜1−3と同様に、約21°に不純物を示すピークが僅かに見られた。
【0061】
また、比較例1−1の複合酸化物を用いて、実施例1−1〜1−3と同様にしてコイン型の電池を作製し、同様にして特性評価を行った。図8にその充放電曲線を示すと共に、図6に放電容量のサイクル数による変化を実施例1−1〜1−3の結果と合わせて示す。また、表2に1サイクル目における充電容量および放電容量を実施例1−1〜1−3の結果と合わせて示す。
【0062】
図6に示したように、アルミニウム含む実施例1−1〜1−3によれば、アルミニウム含まない比較例1−1よりも、優れた充放電サイクル特性が得られた。すなわち、マンガンおよびクロムに加えてアルミニウムを含むようにすれば、結晶構造を安定化させることができ、充放電サイクル特性を改善できることが分かった。
【0063】
(実施例1−4〜1−6)
原料の配合モル比を表3に示したように変えたことを除き、実施例1−2と同様にして表3に示した組成の複合酸化物LiMnCrAl1−b−cを合成し、コイン型の電池を作製した。実施例1−4〜1−6はリチウムの組成aを変えたことを除き、実施例1−2と組成を同一としたものである。
【0064】
【表3】
Figure 2004006293
【0065】
実施例1−2,1−4〜1−6に対する比較例1−2,1−3として、原料の配合モル比を表3に示したように変えたことを除き、実施例1−2と同様にして表3に示した組成の複合酸化物LiMnCrAl1−b−cを合成し、コイン型の電池を作製した。比較例1−2はリチウムの組成aを1.0とし、比較例1−3はリチウムの組成aを1.6としたことを除き、実施例1−2と組成を同一としたものである。
【0066】
実施例1−4〜1−6および比較例1−2,1−3の複合酸化物についても、実施例1−2と同様にして粉末X線回折パターンを測定した。図9に実施例1−4〜1−6のX線回折パターンを実施例1−2の結果と合わせて示す。また、図10に比較例1−2のX線回折パターンを、図11に比較例1−3のX線回折パターンを示す。
【0067】
図9から、得られた実施例1−4〜1−6の複合酸化物は、実施例1−2と同様に、いずれも層状構造を有するLiMnCrAl1−b−cであることが分かった。なお、実施例1−4〜1−6のいずれについても、約21°に不純物を示すピークが僅かに見られた。これに対して、図10および図11から、得られた比較例1−2,1−3の複合酸化物は層状構造を有するLiMnCrAl1−b−cを主として含むが、不純物を示すピークも見られることが分かった。図10および図11において不純物を示すピークには*印を付した。すなわち、比較例1−2,1−3は、実施例1−2,1−4〜1−6に比べて不純物が多いことが分かった。
【0068】
また、実施例1−4〜1−6および比較例1−2,1−3の電池についても、実施例1−2と同様にして特性評価を行った。表4に1サイクル目における充電容量および放電容量を実施例1−2の結果と合わせて示す。
【0069】
【表4】
Figure 2004006293
【0070】
表4に示したように、実施例1−2,1−4〜1−6によれば、リチウムの組成aを1.0とした比較例1−2およびリチウムの組成aを1.6とした比較例1−3よりも、充電容量および放電容量について大きな値を得られた。すなわち、リチウムの組成aを1.0よりも大きく1.6よりも小さくするようにすれば、充電容量を大きくすることができ、放電容量も大きくできることが分かった。
【0071】
また、実施例1−2,1−4〜1−6の結果から分かるように、放電容量はリチウムの組成aを大きくすると大きくなり、aが1.5前後において極大値を示したのち、小さくなる傾向が見られた。すなわち、リチウムの組成aを1.1<a≦1.55の範囲内とすれば、より大きな放電容量を得られることが分かった。
【0072】
(実施例2−1〜2−3)
原料の配合モル比を表5に示したように変え、水を分散媒としてビーズミルにより混合し、800℃で24時間焼成したことを除き、実施例1−1〜1−3と同様にして表5に示した組成の複合酸化物Li1+e(MnCr1−f−g1−eを合成し、コイン型の電池を作製した。実施例2−1はチタンを添加し、実施例2−2はアルミニウムを添加し、実施例2−3はマグネシウムを添加したものである。
【0073】
【表5】
Figure 2004006293
【0074】
実施例2−1〜2−3に対する比較例2−1として、原料の配合モル比を表5に示したように変えたことを除き、実施例2−1〜2−3と同様にして表5に示した組成の複合酸化物Li1+e(MnCr1−f−g1−eを合成し、コイン型の電池を作製した。比較例2−1はチタン,アルミニウムおよびマグネシウムを含まないものである。
【0075】
実施例2−1〜2−3および比較例2−1の複合酸化物についても、実施例1−1〜1−3と同様にして粉末X線回折パターンを測定した。図12に実施例2−1のX線回折パターンを、図13に実施例2−2のX線回折パターンを、図14に実施例2−3のX線回折パターンを、図15に比較例2−1のX線回折パターンをそれぞれ示す。
【0076】
図12ないし図15から、得られた実施例2−1〜2−3および比較例2−1の複合酸化物は、いずれも層状構造を有することが分かった。なお、実施例2−1〜2−3および比較例2−1のいずれについても、約21°に不純物を示すピークが僅かに見られた。
【0077】
また、実施例2−1〜2−3および比較例2−1の電池についても、充放電を行い、正極材料の特性評価を行った。その際、充放電は常温(23℃)において次のようにして行った。まず、0.5mA/cmの定電流で電池電圧が4.4Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.4Vの定電圧で電流が0.05mA/cm以下となるまで定電圧充電を行った。次いで、0.5mA/cmの定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。
【0078】
図16に実施例2−1の充放電曲線を、図17に実施例2−2の充放電曲線を、図18に実施例2−3の充放電曲線を、図19に比較例2−1の充放電曲線を示すと共に、図20に実施例2−1〜2−3および比較例2−1における放電容量のサイクル数による変化を示す。また、表6に実施例2−1〜2−3および比較例2−1の1サイクル目における充電容量および放電容量、並びに25サイクル目における放電容量の容量維持率を示す。
【0079】
【表6】
Figure 2004006293
【0080】
図20および表6に示したように、チタン,アルミニウムあるいはマグネシウムを含む実施例2−1〜2−3によれば、これらを含まない比較例2−1よりも、優れた充放電サイクル特性が得られた。すなわち、マンガンおよびクロムに加えてチタン,アルミニウムおよびマグネシウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むようにすれば、結晶構造を安定化させることができ、充放電サイクル特性を改善できることが分かった。
【0081】
なお、上記実施例では、複合酸化物LiMnCrAl1−b−c、Li1+e(MnCr1−f−g1−eの組成について一例を挙げて説明したが、実施の形態で説明した組成の範囲内であれば、他の組成を有するものでも同様の効果を得ることができる。
【0082】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、正極材料としてリチウムと、マンガンと、クロムと、チタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有する場合について説明したが、この複合酸化物に加えて、LiCoO,LiNiO,LiMnOあるいはLiMnなどの他のリチウム複合酸化物、またはリチウム硫化物、またはLiMnFePOなどのリチウム含有リン酸塩、または高分子材料などが混合されてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質、またはこれらの無機固体電解質と電解液とを混合したもの、またはこれらの無機固体電解質とゲル状の電解質あるいは有機固体電解質とを混合したものが挙げられる。
【0084】
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は他の構造を有する円筒型や、ボタン型あるいは角型など他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。
【0085】
加えて、上記実施の形態および実施例では、本発明の正極材料を二次電池に用いる場合について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
【0086】
更にまた、上記実施の形態および実施例では、原料を混合する際にエタノールまたは水を分散媒として用い、正極材料を製造する説明したが、他の有機溶媒を分散媒として用いて正極材料を製造するようにしてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の正極材料によれば、マンガンおよびクロムに加えてチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含む複合酸化物を含有するようにしたので、結晶構造を安定化させることができ、充放電容量を向上さることができると共に、充放電サイクル特性を向上させることができる。また、リチウムのマンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対する組成比を、モル比で、1よりも大きくしたので、充電容量をより向上させることができると共に、充電後でも結晶構造中に一定量のリチウムが残り、結晶構造の安定性をより向上させることができる。
【0088】
また、請求項4記載の正極材料の製造方法によれば、原料を混合する際に、毒性の低いエタノールまたは水を分散媒として用いるようにしたので、簡単にかつ経済的に本発明の正極材料を製造することができる。
【0089】
更に、請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の電池によれば、本発明の正極材料を用いるようにしたので、大きな充放電容量および優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る正極材料の製造方法を表す流れ図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る正極材料を用いた二次電池の構成を表す断面図である。
【図3】実施例1−1〜1−3に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図4】実施例1−1に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図5】実施例1−2に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図6】実施例1−1〜1−3および比較例1−1に係る放電容量とサイクル数との関係を表す特性図である。
【図7】比較例1−1に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図8】比較例1−1に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図9】実施例1−2,1−4〜1−6に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図10】比較例1−2に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図11】比較例1−3に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図12】実施例2−1に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図13】実施例2−2に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図14】実施例2−3に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図15】比較例2−1に係る正極材料のX線回折パターンを表す特性図である。
【図16】実施例2−1に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図17】実施例2−2に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図18】実施例2−3に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図19】比較例2−1に係る充放電曲線を表す特性図である。
【図20】実施例2−1〜2−3および比較例2−1に係る放電容量とサイクル数との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
11…外装缶、12…正極、13…外装カップ、14…負極、15…セパレータ、16…電解液、17…ガスケット。

Claims (7)

  1. リチウム(Li)と、マンガン(Mn)と、クロム(Cr)と、チタン(Ti),マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)からなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有し、この複合酸化物におけるリチウムのマンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対する組成比は、モル比で、1よりも大きいことを特徴とする正極材料。
  2. 前記複合酸化物は、化学式LiMnCrAl1−b−c(式中、a,b,cおよびdは、1.0<a<1.6,0.5<b+c<1,1.8<d<2.5の範囲内の値である)で表されることを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  3. 前記複合酸化物は、化学式Li1+e(MnCr1−f−g1−e(式中、Mはチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種の元素である。e,f,gおよびhは、0<e<0.4,0.2<f<0.5,0.3<g<1,f+g<1,1.8<h<2.5の範囲内の値である)で表されることを特徴とする請求項1記載の正極材料。
  4. リチウム(Li)と、マンガン(Mn)と、クロム(Cr)と、チタン(Ti),マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)からなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有する正極材料の製造方法であって、
    原料をエタノールまたは水を分散媒として混合し、前記複合酸化物を合成することを特徴とする正極材料の製造方法。
  5. 正極および負極と共に、電解質を備えた電池であって、
    前記正極は、リチウム(Li)と、マンガン(Mn)と、クロム(Cr)と、チタン(Ti),マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)からなる群のうちの少なくとも1種とを含む複合酸化物を含有し、この複合酸化物におけるリチウムのマンガン,クロム,チタン,マグネシウムおよびアルミニウムの合計に対する組成比は、モル比で、1よりも大きいことを特徴とする電池。
  6. 前記複合酸化物は、化学式LiMnCrAl1−b−c(式中、a,b,cおよびdは、1.0<a<1.6,0.5<b+c<1,1.8<d<2.5の範囲内の値である)で表されることを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記複合酸化物は、化学式Li1+e(MnCr1−f−g1−e(式中、Mはチタン,マグネシウムおよびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種の元素である。e,f,gおよびhは、0<e<0.4,0.2<f<0.5,0.3<g<1,f+g<1,1.8<h<2.5の範囲内の値である)で表されることを特徴とする請求項5記載の電池。
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