JPH1021906A - 電池用水素吸蔵合金 - Google Patents
電池用水素吸蔵合金Info
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- JPH1021906A JPH1021906A JP8169605A JP16960596A JPH1021906A JP H1021906 A JPH1021906 A JP H1021906A JP 8169605 A JP8169605 A JP 8169605A JP 16960596 A JP16960596 A JP 16960596A JP H1021906 A JPH1021906 A JP H1021906A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過充電時の電池内圧の上昇が抑制され、また
開路状態時の自己放電を起こしづらい密閉型ニッケル・
水素電池の負極材料として好適な水素吸蔵合金を提供す
る。 【解決手段】 この水素吸蔵合金は、組成式:ANia
CobMncXd(ただし、AはCe含有量が0〜60
重量%であるミッシュメタルを表し、XはAl,Cu,
Mo,Znの群から選ばれる少なくとも1種の元素を表
し、a,b,c,dは、0.4<b<2.0,0≦c<0.
2,0.1<d<2.0、かつ、4.55<a+b+c+d<
4.80の関係を満足する数を表す)で示される。
開路状態時の自己放電を起こしづらい密閉型ニッケル・
水素電池の負極材料として好適な水素吸蔵合金を提供す
る。 【解決手段】 この水素吸蔵合金は、組成式:ANia
CobMncXd(ただし、AはCe含有量が0〜60
重量%であるミッシュメタルを表し、XはAl,Cu,
Mo,Znの群から選ばれる少なくとも1種の元素を表
し、a,b,c,dは、0.4<b<2.0,0≦c<0.
2,0.1<d<2.0、かつ、4.55<a+b+c+d<
4.80の関係を満足する数を表す)で示される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型のニッケル
・水素二次電池における負極材料として用いられる電池
用水素吸蔵合金に関し、更に詳しくは、電池の過充電時
に電池内のガス圧低下を実現し、また電池の開路状態時
における自己放電を抑制することに資する電池用水素吸
蔵合金に関する。
・水素二次電池における負極材料として用いられる電池
用水素吸蔵合金に関し、更に詳しくは、電池の過充電時
に電池内のガス圧低下を実現し、また電池の開路状態時
における自己放電を抑制することに資する電池用水素吸
蔵合金に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の携帯用電子機器の電源としてニッ
ケル・水素二次電池の実用化が進んでいる。このニッケ
ル・水素二次電池は水素を負極活物質として作動する電
池であって、活物質であるNi(OH)2粉末を集電体に
担持して成る正極と、電気化学的に水素を可逆的に吸蔵
・放出する水素吸蔵合金の粉末を集電体に担持して成る
負極とを、セパレータを介してアルカリ電解液と一緒に
負極端子も兼ねる外装缶に収納し、その外装缶を正極端
子も兼ねる蓋で密封した構造になっている。
ケル・水素二次電池の実用化が進んでいる。このニッケ
ル・水素二次電池は水素を負極活物質として作動する電
池であって、活物質であるNi(OH)2粉末を集電体に
担持して成る正極と、電気化学的に水素を可逆的に吸蔵
・放出する水素吸蔵合金の粉末を集電体に担持して成る
負極とを、セパレータを介してアルカリ電解液と一緒に
負極端子も兼ねる外装缶に収納し、その外装缶を正極端
子も兼ねる蓋で密封した構造になっている。
【0003】この密封型ニッケル・水素二次電池におい
て、前記した負極の充放電反応は、次式:
て、前記した負極の充放電反応は、次式:
【0004】
【化1】
【0005】(ただし、Mは水素吸蔵合金を表す)で示
される。すなわち、充電時には、アルカリ電解液を構成
する水から電気化学的に還元された原子状水素を水素吸
蔵合金が吸蔵し、放電時には、吸蔵されていた水素を電
気化学的に酸化して水に戻して放出する。このような働
きをする水素吸蔵合金としては各種のものが知られてい
るが、次式: AB5 (ただし、Aはミッシュメタルを表し、BはNi,C
o,Mn,Alなどの元素を表す)で示される合金が広
く用いられている。
される。すなわち、充電時には、アルカリ電解液を構成
する水から電気化学的に還元された原子状水素を水素吸
蔵合金が吸蔵し、放電時には、吸蔵されていた水素を電
気化学的に酸化して水に戻して放出する。このような働
きをする水素吸蔵合金としては各種のものが知られてい
るが、次式: AB5 (ただし、Aはミッシュメタルを表し、BはNi,C
o,Mn,Alなどの元素を表す)で示される合金が広
く用いられている。
【0006】一方、前記した正極における充放電反応
は、次式:
は、次式:
【0007】
【化2】
【0008】で示される。すなわち、充電時には、Ni
(OH)2が電気化学的に酸化されてNiOOH(オキシ
水酸化ニッケル)になり、放電時には、その逆の反応が
起こる。そして、この密閉型ニッケル・水素二次電池で
は、負極の容量の方が正極の容量よりも大きく設定され
る。
(OH)2が電気化学的に酸化されてNiOOH(オキシ
水酸化ニッケル)になり、放電時には、その逆の反応が
起こる。そして、この密閉型ニッケル・水素二次電池で
は、負極の容量の方が正極の容量よりも大きく設定され
る。
【0009】これは、過充電時に、負極からの水素発生
に先立って正極から酸素を発生させ、これを、負極にお
いて、次式: O2 +2H2O+4e- →4OH- …(3) または、次式:
に先立って正極から酸素を発生させ、これを、負極にお
いて、次式: O2 +2H2O+4e- →4OH- …(3) または、次式:
【0010】
【化3】
【0011】で示される反応によって当該負極で吸収
し、もって電池内のガス圧が過剰に上昇することを防止
するためである。ところで、最近は、携帯用電子機器の
急速な普及に伴い、電源であるニッケル・水素二次電池
には更なる高容量化への要求が強まっている。このよう
な要求への対応としては、まず、集電体に担持させるN
i(OH)2や水素吸蔵合金の量を可能な限り多くして正
極、負極の容量を高めたり、また、単位体積当たりの容
量が高い活物質を用いたりすることが考えられる。
し、もって電池内のガス圧が過剰に上昇することを防止
するためである。ところで、最近は、携帯用電子機器の
急速な普及に伴い、電源であるニッケル・水素二次電池
には更なる高容量化への要求が強まっている。このよう
な要求への対応としては、まず、集電体に担持させるN
i(OH)2や水素吸蔵合金の量を可能な限り多くして正
極、負極の容量を高めたり、また、単位体積当たりの容
量が高い活物質を用いたりすることが考えられる。
【0012】しかしながら、このような対応は既に限界
に近い状態にあり、この対応で更なる高容量化の実現は
困難である。別の対応としては、過充電時におけるガス
圧を低下させることが考えられる。ガス圧が低ければ、
負極にとっては、過充電時の水素発生を抑制するために
必要な過剰容量分を減らすことができるからである。
に近い状態にあり、この対応で更なる高容量化の実現は
困難である。別の対応としては、過充電時におけるガス
圧を低下させることが考えられる。ガス圧が低ければ、
負極にとっては、過充電時の水素発生を抑制するために
必要な過剰容量分を減らすことができるからである。
【0013】その場合、負極を構成する水素吸蔵合金と
しては、次のようなものが好適とされる。まず、活性が
高く、充電時における過電圧が低い水素吸蔵合金であ
る。その理由は、過充電時における電池内のガス成分の
大半は負極から発生する水素ガスであるため、過電圧の
低い水素吸蔵合金を負極に用いれば、充電中において水
素の漏出を抑制することができることになりガス圧の上
昇が抑制されるからである。
しては、次のようなものが好適とされる。まず、活性が
高く、充電時における過電圧が低い水素吸蔵合金であ
る。その理由は、過充電時における電池内のガス成分の
大半は負極から発生する水素ガスであるため、過電圧の
低い水素吸蔵合金を負極に用いれば、充電中において水
素の漏出を抑制することができることになりガス圧の上
昇が抑制されるからである。
【0014】また、水素吸蔵合金の過電圧を小さくする
ためには、充電反応に関与する有効表面積が大きいこと
が好ましい。一般に、前記した有効表面積は、用いる水
素吸蔵合金の粉末を微細化することによって実現するこ
とができる。しかしながら、負極の製造時に、最初から
微細化した粉末を使用することは好ましくない。その理
由は、微細化した粉末は、その表面が酸化されるなどし
て失活していて、必ずしも充電反応に関与する有効表面
積が増大しているとは限らないからである。
ためには、充電反応に関与する有効表面積が大きいこと
が好ましい。一般に、前記した有効表面積は、用いる水
素吸蔵合金の粉末を微細化することによって実現するこ
とができる。しかしながら、負極の製造時に、最初から
微細化した粉末を使用することは好ましくない。その理
由は、微細化した粉末は、その表面が酸化されるなどし
て失活していて、必ずしも充電反応に関与する有効表面
積が増大しているとは限らないからである。
【0015】そのため、充電反応に関与する有効表面積
が増大する水素吸蔵合金を考えた場合、その水素吸蔵合
金としては、電池の充放電の過程で微細化していき、そ
の微細化とともに活性な表面が新たに表出してくるもの
であることが好ましいことになる。ところで、水素吸蔵
合金は水素の吸蔵・放出によって微細化するという性質
を備えている。しかしながら、その性質は、水素を当該
水素吸蔵合金の水素吸蔵能の限界にまで吸蔵させ、つい
で放出させないと充分に発揮されないという問題があ
る。
が増大する水素吸蔵合金を考えた場合、その水素吸蔵合
金としては、電池の充放電の過程で微細化していき、そ
の微細化とともに活性な表面が新たに表出してくるもの
であることが好ましいことになる。ところで、水素吸蔵
合金は水素の吸蔵・放出によって微細化するという性質
を備えている。しかしながら、その性質は、水素を当該
水素吸蔵合金の水素吸蔵能の限界にまで吸蔵させ、つい
で放出させないと充分に発揮されないという問題があ
る。
【0016】しかしながら、密閉型ニッケル・水素二次
電池の負極を構成する水素吸蔵合金の場合、正極容量よ
りも負極容量を過剰にしているため、その水素吸蔵合金
の水素吸蔵能の限界にまで水素を吸蔵させるということ
はできず、水素吸蔵量はその限界値よりも超かに少量の
水準にとどまらざるを得ない。そのため、充放電時にお
ける水素吸蔵合金の微細化は充分に進行するとはいえ
ず、したがって新たに形成される活性な有効表面積も充
分大きなものとはならないという問題がある。
電池の負極を構成する水素吸蔵合金の場合、正極容量よ
りも負極容量を過剰にしているため、その水素吸蔵合金
の水素吸蔵能の限界にまで水素を吸蔵させるということ
はできず、水素吸蔵量はその限界値よりも超かに少量の
水準にとどまらざるを得ない。そのため、充放電時にお
ける水素吸蔵合金の微細化は充分に進行するとはいえ
ず、したがって新たに形成される活性な有効表面積も充
分大きなものとはならないという問題がある。
【0017】ところで、特開平2−277737号公報
には次のような組成の水素吸蔵合金が提案されている。
すなわち、次式: ANiaCobMnc …(5) (ただし、式中、AはLaを含む希土類元素であり、2.
5≦a≦3.5,0.4≦b≦1.5,0.2≦c≦1.0であ
り、a+b+cが3.85以上4.78以下である)で示さ
れる水素吸蔵合金、または次式: ANiaCobMncXd …(6) (ただし、式中、AはLaを含む希土類元素、XはF
e,Mo,W,B,Al,Si,Snからなる群より選
ばれた少なくとも1つの元素であり、2.5≦a≦3.5,
0.4≦b≦1.5,0.2≦c≦1.0,0<d≦0.3であ
り、a+b+c+dが3.85以上4.78以下である)で
示される水素吸蔵合金である。
には次のような組成の水素吸蔵合金が提案されている。
すなわち、次式: ANiaCobMnc …(5) (ただし、式中、AはLaを含む希土類元素であり、2.
5≦a≦3.5,0.4≦b≦1.5,0.2≦c≦1.0であ
り、a+b+cが3.85以上4.78以下である)で示さ
れる水素吸蔵合金、または次式: ANiaCobMncXd …(6) (ただし、式中、AはLaを含む希土類元素、XはF
e,Mo,W,B,Al,Si,Snからなる群より選
ばれた少なくとも1つの元素であり、2.5≦a≦3.5,
0.4≦b≦1.5,0.2≦c≦1.0,0<d≦0.3であ
り、a+b+c+dが3.85以上4.78以下である)で
示される水素吸蔵合金である。
【0018】これらの水素吸蔵合金は、AB5型に属す
るものであり、元素Aと元素Bの組成比を非化学量論比
にしたものであって、少量の水素を吸蔵しても微細化し
ていく性質を備えている。
るものであり、元素Aと元素Bの組成比を非化学量論比
にしたものであって、少量の水素を吸蔵しても微細化し
ていく性質を備えている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】(5)式、(6)式で示され
る水素吸蔵合金は、たしかに、少量の水素の吸蔵によっ
ても微細化が進行していく。したがって、本来であれ
ば、充電反応に関与する活性な表面積が増加して過充電
時における電池内のガス圧上昇が抑制されるものと考え
られるが、実際にはそれほど顕著にガス圧上昇を抑制す
るものではない。
る水素吸蔵合金は、たしかに、少量の水素の吸蔵によっ
ても微細化が進行していく。したがって、本来であれ
ば、充電反応に関与する活性な表面積が増加して過充電
時における電池内のガス圧上昇が抑制されるものと考え
られるが、実際にはそれほど顕著にガス圧上昇を抑制す
るものではない。
【0020】しかも、電池を開路状態にして放置してお
くと、当該電池の自己放電が大きく進み、その放電特性
が低下するという問題が生じてくる。本発明は、前記し
た先行技術が開示する水素吸蔵合金、とりわけ(6)式で
示されている水素吸蔵合金における上記した問題を解決
し、過充電時における電池内のガス圧上昇を抑制し、同
時に電池の開路状態時における自己放電を小さくするこ
とができる水素吸蔵合金の提供を目的とする。
くと、当該電池の自己放電が大きく進み、その放電特性
が低下するという問題が生じてくる。本発明は、前記し
た先行技術が開示する水素吸蔵合金、とりわけ(6)式で
示されている水素吸蔵合金における上記した問題を解決
し、過充電時における電池内のガス圧上昇を抑制し、同
時に電池の開路状態時における自己放電を小さくするこ
とができる水素吸蔵合金の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、(6)式で示
される水素吸蔵合金が少量の水素吸蔵によって微細化が
進むにもかかわらず、電池内のガス圧上昇の抑制効果は
それほど顕著ではなく、しかも電池の開路状態時におけ
る自己放電を大きくしてしまうという事実について鋭意
調査を進める過程で、前記(6)式の合金組成におけるM
nの働きに着目した。
される水素吸蔵合金が少量の水素吸蔵によって微細化が
進むにもかかわらず、電池内のガス圧上昇の抑制効果は
それほど顕著ではなく、しかも電池の開路状態時におけ
る自己放電を大きくしてしまうという事実について鋭意
調査を進める過程で、前記(6)式の合金組成におけるM
nの働きに着目した。
【0022】すなわち、Mnは水素吸蔵合金における水
素平衡圧を調整する機能を備えている。しかしながら、
Mnはアルカリ電解液によって腐食されて2価のMnか
ら成る腐食生成物になりやすいという性質がある。そし
て、2価のMnは、アルカリ電解液に溶解して正極にま
で拡散していき、当該正極で3価以上のMnに酸化され
るため、正極の還元(放電)が進むことになる。また、
そのことに伴って、負極側における水素濃度は高濃度側
にシフトしていく。
素平衡圧を調整する機能を備えている。しかしながら、
Mnはアルカリ電解液によって腐食されて2価のMnか
ら成る腐食生成物になりやすいという性質がある。そし
て、2価のMnは、アルカリ電解液に溶解して正極にま
で拡散していき、当該正極で3価以上のMnに酸化され
るため、正極の還元(放電)が進むことになる。また、
そのことに伴って、負極側における水素濃度は高濃度側
にシフトしていく。
【0023】しかしながら、水素吸蔵合金の充電効率は
水素濃度が上昇していくにつれて低下していき、水素ガ
スが漏出しやすくなる。したがって、腐食生成物である
2価のMnが増量すると、過充電時における電池内のガ
ス圧は上昇していくことになる。上記したようなMnの
働きを考えると、(6)式で示した水素吸蔵合金の場合、
少量の水素吸蔵でも微細化が進んで活性な表面積が増加
していくが、そのことは、むしろ、新たに表出した活性
な表面におけるMnの腐食を促進し、その結果、腐食生
成物である2価のMnが増量してガス圧上昇の抑制効果
が阻害されるということである。
水素濃度が上昇していくにつれて低下していき、水素ガ
スが漏出しやすくなる。したがって、腐食生成物である
2価のMnが増量すると、過充電時における電池内のガ
ス圧は上昇していくことになる。上記したようなMnの
働きを考えると、(6)式で示した水素吸蔵合金の場合、
少量の水素吸蔵でも微細化が進んで活性な表面積が増加
していくが、そのことは、むしろ、新たに表出した活性
な表面におけるMnの腐食を促進し、その結果、腐食生
成物である2価のMnが増量してガス圧上昇の抑制効果
が阻害されるということである。
【0024】また、電池の自己放電が大きくなることに
関するMnの影響については定かではないが、アルカリ
電解液に溶解したMn2+による正極の還元(放電)が関
係しているものと考えられる。更には、発生した酸素ガ
スによってMn2+が酸化され、3価以上の酸化物(また
は水酸化物)としてセパレータの中に沈殿し、固体状態
で正極と負極間の電子授受を行う経路になることも考え
られる。
関するMnの影響については定かではないが、アルカリ
電解液に溶解したMn2+による正極の還元(放電)が関
係しているものと考えられる。更には、発生した酸素ガ
スによってMn2+が酸化され、3価以上の酸化物(また
は水酸化物)としてセパレータの中に沈殿し、固体状態
で正極と負極間の電子授受を行う経路になることも考え
られる。
【0025】このようなことから、本発明者は、AB5
型の水素吸蔵合金におけるMn量と、成分Aおよび成分
Bの組成比との関係につき鋭意研究を重ねた結果、少量
の水素吸蔵によっても微細化し、同時に電池内のガス圧
上昇を抑制し、かつ自己放電の問題を生じない本発明の
水素吸蔵合金を開発するに至った。すなわち、本発明の
電池用水素吸蔵合金は、組成式: ANiaCobMncXd …(7) (ただし、AはCe含有量が0〜60重量%であるミッ
シュメタルを表し、XはAl,Cu,Mo,Znの群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a,b,c,
dは、0.4<b<2.0,0≦c<0.2,0.1<d<2.
0、かつ、4.55<a+b+c+d<4.80の関係を満
足する数を表す)で示されることを特徴とする。
型の水素吸蔵合金におけるMn量と、成分Aおよび成分
Bの組成比との関係につき鋭意研究を重ねた結果、少量
の水素吸蔵によっても微細化し、同時に電池内のガス圧
上昇を抑制し、かつ自己放電の問題を生じない本発明の
水素吸蔵合金を開発するに至った。すなわち、本発明の
電池用水素吸蔵合金は、組成式: ANiaCobMncXd …(7) (ただし、AはCe含有量が0〜60重量%であるミッ
シュメタルを表し、XはAl,Cu,Mo,Znの群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a,b,c,
dは、0.4<b<2.0,0≦c<0.2,0.1<d<2.
0、かつ、4.55<a+b+c+d<4.80の関係を満
足する数を表す)で示されることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】まず、本発明の水素吸蔵合金は、
前記したAB5型の水素吸蔵合金において、成分Aは、
Ce含有量が0〜60重量%であるミッシュメタルから
成り、また、成分Bは、Ni,Co,Mn、そしてA
l,Cu,Mo,Znの群から選ばれる少なくとも1種
を表すXから成るものである。
前記したAB5型の水素吸蔵合金において、成分Aは、
Ce含有量が0〜60重量%であるミッシュメタルから
成り、また、成分Bは、Ni,Co,Mn、そしてA
l,Cu,Mo,Znの群から選ばれる少なくとも1種
を表すXから成るものである。
【0027】そして、成分Aと成分Bとの化学量論比:
B/A値、すなわち、(7)式における(a+b+c+
d)値が5ではなく、4.55<a+b+c+d<4.80
に制御されていることを特徴とする。本発明の水素吸蔵
合金の場合、B/A値が正規の化学量論比である5より
小さくなっていることにより、少量の水素吸蔵によって
も微細化が進んで充電反応に関与する有効表面積は増加
する。
B/A値、すなわち、(7)式における(a+b+c+
d)値が5ではなく、4.55<a+b+c+d<4.80
に制御されていることを特徴とする。本発明の水素吸蔵
合金の場合、B/A値が正規の化学量論比である5より
小さくなっていることにより、少量の水素吸蔵によって
も微細化が進んで充電反応に関与する有効表面積は増加
する。
【0028】そして同時に、後述するように成分B内の
Mn量を規制することと、前記B/A値、すなわち(a
+b+c+d)値を前記した範囲内に制御することが組
み合わされることにより、過充電時における電池内のガ
ス圧上昇が効果的に抑制され、電池の開路状態時におけ
る自己放電も抑制される。この場合、(7)式の組成にお
いて、(a+b+c+d)値が4.55以下である合金を
負極材料として用いると、その合金はアルカリ電解液中
での腐食が過度に進行しやすく、Mn量を規制したとし
ても過充電時の電池内のガス圧は上昇してしまう。ま
た、(a+b+c+d)値が4.80以上である合金を負
極材料として用いると、その合金は微細化しづらくな
り、結局、電池内のガス圧上昇を抑制する機能が減退し
てしまう。このようなことから、(a+b+c+d)値
は前記した範囲内に制御されるのである。
Mn量を規制することと、前記B/A値、すなわち(a
+b+c+d)値を前記した範囲内に制御することが組
み合わされることにより、過充電時における電池内のガ
ス圧上昇が効果的に抑制され、電池の開路状態時におけ
る自己放電も抑制される。この場合、(7)式の組成にお
いて、(a+b+c+d)値が4.55以下である合金を
負極材料として用いると、その合金はアルカリ電解液中
での腐食が過度に進行しやすく、Mn量を規制したとし
ても過充電時の電池内のガス圧は上昇してしまう。ま
た、(a+b+c+d)値が4.80以上である合金を負
極材料として用いると、その合金は微細化しづらくな
り、結局、電池内のガス圧上昇を抑制する機能が減退し
てしまう。このようなことから、(a+b+c+d)値
は前記した範囲内に制御されるのである。
【0029】本発明の水素吸蔵合金の場合、ミッシュメ
タルAとしては、Ce含有量が0〜60重量%のものが
選定される。Mn量が規制されているので、Ce含有量
が60重量%より多いミッシュメタルでは、電池の電極
として機能するための充分低い水素平衡圧が得られない
からである。また、Co量、すなわちb値は、0.4<b
<2.0の関係を満足するように制御される。このb値が
0.4以下である合金を用いると実用的水準のサイクル寿
命特性の確保は困難になる。またb値が2.0以上である
合金を用いると、実用的な放電容量を確保することがで
きない。
タルAとしては、Ce含有量が0〜60重量%のものが
選定される。Mn量が規制されているので、Ce含有量
が60重量%より多いミッシュメタルでは、電池の電極
として機能するための充分低い水素平衡圧が得られない
からである。また、Co量、すなわちb値は、0.4<b
<2.0の関係を満足するように制御される。このb値が
0.4以下である合金を用いると実用的水準のサイクル寿
命特性の確保は困難になる。またb値が2.0以上である
合金を用いると、実用的な放電容量を確保することがで
きない。
【0030】つぎに、(7)式におけるMnとXは、本
来、水素吸蔵合金における水素平衡圧の調整成分として
機能する。そして、Mnは、前記したように、アルカリ
電解液によって腐食生成物となり、電池内のガス圧上昇
の原因や電池の開路状態時における自己放電の要因を構
成する。
来、水素吸蔵合金における水素平衡圧の調整成分として
機能する。そして、Mnは、前記したように、アルカリ
電解液によって腐食生成物となり、電池内のガス圧上昇
の原因や電池の開路状態時における自己放電の要因を構
成する。
【0031】しかしながら、Al,Cu,Mo,Znな
どのX成分は、Mnのような悪影響を及ぼすことなく水
素平衡圧の調整能を備えている。すなわち、Al,M
o,Znはアルカリ電解液によって腐食されるが、その
ときの腐食生成物は正極に拡散していっても当該正極の
作動電位で更に酸化されることはないので、Mnの腐食
生成物の場合のような不都合を引き起こさずに水素平衡
圧の調整能を発揮する。またCuの腐食生成物は正極の
作動電位で酸化されるが、しかし、Cuは負極の作動電
位では金属単体の状態にあるので、同じくMnの場合の
ような不都合を引き起こさずに水素平衡圧の調整能を発
揮する。
どのX成分は、Mnのような悪影響を及ぼすことなく水
素平衡圧の調整能を備えている。すなわち、Al,M
o,Znはアルカリ電解液によって腐食されるが、その
ときの腐食生成物は正極に拡散していっても当該正極の
作動電位で更に酸化されることはないので、Mnの腐食
生成物の場合のような不都合を引き起こさずに水素平衡
圧の調整能を発揮する。またCuの腐食生成物は正極の
作動電位で酸化されるが、しかし、Cuは負極の作動電
位では金属単体の状態にあるので、同じくMnの場合の
ような不都合を引き起こさずに水素平衡圧の調整能を発
揮する。
【0032】このようなことから、本発明の水素吸蔵合
金においては、Mnの含有量を規制し、かつ規制された
Mn量すなわちc値と、X量すなわちd値とは以下のこ
とを勘案して決められる。まず、B/A値が5より小さ
い水素吸蔵合金の場合、Mn量が多くなると、前記した
ように、電池内のガス圧上昇の抑制効果が低下したり、
またかえってガス圧上昇を進めることもあるので、(7)
式の組成では、Mn量すなわちc値は0.2未満に設定さ
れる。
金においては、Mnの含有量を規制し、かつ規制された
Mn量すなわちc値と、X量すなわちd値とは以下のこ
とを勘案して決められる。まず、B/A値が5より小さ
い水素吸蔵合金の場合、Mn量が多くなると、前記した
ように、電池内のガス圧上昇の抑制効果が低下したり、
またかえってガス圧上昇を進めることもあるので、(7)
式の組成では、Mn量すなわちc値は0.2未満に設定さ
れる。
【0033】そして、Mn量が少ないほど、Mnの腐食
生成物は少なくなって電池内のガス圧上昇は抑制され、
また電池の開路状態時における自己放電は小さくなるの
で好適である。すなわち、Mn量は0であることが最良
である。しかしながら、M量を少なくすることは、水素
平衡圧の調整という問題からすれば、他方ではX量を増
大させなければならないことを意味する。
生成物は少なくなって電池内のガス圧上昇は抑制され、
また電池の開路状態時における自己放電は小さくなるの
で好適である。すなわち、Mn量は0であることが最良
である。しかしながら、M量を少なくすることは、水素
平衡圧の調整という問題からすれば、他方ではX量を増
大させなければならないことを意味する。
【0034】そして、X量すなわちd値が多くなりすぎ
ると、そもそも水素吸蔵合金としての合金活性が確保で
きなくなるので、(7)式の組成の合金のような非化学量
論比組成にして微細化の効果を発揮したとしても、電池
内のガス圧は下がらない。そのため、d値は2.0未満の
値に設定されることが必要になる。このようなことか
ら、(7)式で示した本発明の水素吸蔵合金では、Mn量
すなわちc値は、0≦c<0.2の関係を満足する値に設
定され、それとの関係で、X量すなわちd値は、0.1<
d<2.0を満足する値に設定される。
ると、そもそも水素吸蔵合金としての合金活性が確保で
きなくなるので、(7)式の組成の合金のような非化学量
論比組成にして微細化の効果を発揮したとしても、電池
内のガス圧は下がらない。そのため、d値は2.0未満の
値に設定されることが必要になる。このようなことか
ら、(7)式で示した本発明の水素吸蔵合金では、Mn量
すなわちc値は、0≦c<0.2の関係を満足する値に設
定され、それとの関係で、X量すなわちd値は、0.1<
d<2.0を満足する値に設定される。
【0035】
実施例1〜11、比較例1〜3 アーク溶解炉で表1に示した組成の合金を溶製した。こ
の合金のMn量は、いずれも、0≦c<O.2を満足して
いるが、(a+b+c+d)値が変化している。得られ
たインゴットに10時間の焼鈍処理を行ったのち粉砕し
て平均粒径100μmの粉末にした。
の合金のMn量は、いずれも、0≦c<O.2を満足して
いるが、(a+b+c+d)値が変化している。得られ
たインゴットに10時間の焼鈍処理を行ったのち粉砕し
て平均粒径100μmの粉末にした。
【0036】ついで、この合金粉末とニッケル粉末とポ
リフッ化ビニリデン粉末とを100:10:2の重量比
で混合し、その混合粉末とカルボシキメチルセルロース
を水に溶解させて成る増粘剤水溶液とを混練してスラリ
ーを調製した。このスラリーをパンチングニッケルシー
トに塗着し、温度80℃で1時間乾燥したのちローラ圧
延して厚み0.35mmの負極板にした。ついで、温度17
0℃の窒素気流中で焼成したのち所定の寸法形状に裁断
した。得られた負極1枚当たりにおける合金重量は8g
である。
リフッ化ビニリデン粉末とを100:10:2の重量比
で混合し、その混合粉末とカルボシキメチルセルロース
を水に溶解させて成る増粘剤水溶液とを混練してスラリ
ーを調製した。このスラリーをパンチングニッケルシー
トに塗着し、温度80℃で1時間乾燥したのちローラ圧
延して厚み0.35mmの負極板にした。ついで、温度17
0℃の窒素気流中で焼成したのち所定の寸法形状に裁断
した。得られた負極1枚当たりにおける合金重量は8g
である。
【0037】この負極と公知のペースト式ニッケル正極
とナイロン不織布製のセパレータとを組み合わせ、AA
サイズで、設計容量が1200mAhの密閉型ニッケル・
水素二次電池を組み立てた。なお組立て電池の上部に
は、内圧測定用のガス圧センサを取り付けた。これらの
電池に対しては、240mAhの電流で充放電を4回反復
して活性化処理を行った。このとき、充電は7.5時間行
い、放電終止電圧は1Vにした。
とナイロン不織布製のセパレータとを組み合わせ、AA
サイズで、設計容量が1200mAhの密閉型ニッケル・
水素二次電池を組み立てた。なお組立て電池の上部に
は、内圧測定用のガス圧センサを取り付けた。これらの
電池に対しては、240mAhの電流で充放電を4回反復
して活性化処理を行った。このとき、充電は7.5時間行
い、放電終止電圧は1Vにした。
【0038】このように活性化処理が行われた電池につ
き、下記の仕様で電池内のガス圧と開路状態時における
自己放電を調べた。 電池内のガス圧:1200mAの電流で4.5時間の充電を
行い、その間、電池内のガス圧をガス圧センサで測定し
続けた。4.5時間の充電を行った時点におけるガス圧を
表1に示した。
き、下記の仕様で電池内のガス圧と開路状態時における
自己放電を調べた。 電池内のガス圧:1200mAの電流で4.5時間の充電を
行い、その間、電池内のガス圧をガス圧センサで測定し
続けた。4.5時間の充電を行った時点におけるガス圧を
表1に示した。
【0039】自己放電:放電が終了した電池を温度80
℃の恒温槽に配置し、そのときの電圧の経時変化を調べ
た。電池電圧が0.9Vにまで低下するまでの時間(hr)を
測定し、その結果を表1に示した。この値が小さい電池
ほど自己放電が大きい電池とみなすことができる。
℃の恒温槽に配置し、そのときの電圧の経時変化を調べ
た。電池電圧が0.9Vにまで低下するまでの時間(hr)を
測定し、その結果を表1に示した。この値が小さい電池
ほど自己放電が大きい電池とみなすことができる。
【0040】
【表1】
【0041】この表1の結果を図1に示した。図中、●
印は表1における電池内のガス圧、○印は電池電圧の低
下時間をそれぞれプロットしたものである。表1および
図1から明らかなように、合金中のMn量が0≦c<0.
2を満足している場合であっても、(a+b+c+d)
値が変化すると、電池内のガス圧は曲線的に激しく変化
し、(a+b+c+d)値が4.55〜4.80程度である
ときに極小のガス圧になっている。
印は表1における電池内のガス圧、○印は電池電圧の低
下時間をそれぞれプロットしたものである。表1および
図1から明らかなように、合金中のMn量が0≦c<0.
2を満足している場合であっても、(a+b+c+d)
値が変化すると、電池内のガス圧は曲線的に激しく変化
し、(a+b+c+d)値が4.55〜4.80程度である
ときに極小のガス圧になっている。
【0042】一方、これらMn量を規制したものは、
(a+b+c+d)値によらず、開路状態時における電
池電圧の低下時間がいずれも遅く、充分な電圧維持性能
を示している。これらのことから、0≦c<0.2を満足
させた状態において(a+b+c+d)値を4.55<a
+b+c+d<4.80の関係を満たすように設定するこ
とにより、電池内のガス圧を1MPa以下に抑制し、かつ
自己放電を抑制することができる。
(a+b+c+d)値によらず、開路状態時における電
池電圧の低下時間がいずれも遅く、充分な電圧維持性能
を示している。これらのことから、0≦c<0.2を満足
させた状態において(a+b+c+d)値を4.55<a
+b+c+d<4.80の関係を満たすように設定するこ
とにより、電池内のガス圧を1MPa以下に抑制し、かつ
自己放電を抑制することができる。
【0043】実施例12〜14、比較例4,5 表2で示した組成の合金粉末を用いたことを除いては、
実施例1〜11と同じ密閉型ニッケル・水素二次電池を
組み立てた。これらの電池についても、実施例1〜11
と同じようにして電池内のガス圧と自己放電の状態を測
定した。その結果を表2に示した。
実施例1〜11と同じ密閉型ニッケル・水素二次電池を
組み立てた。これらの電池についても、実施例1〜11
と同じようにして電池内のガス圧と自己放電の状態を測
定した。その結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】この表1の結果を図2に示した。図中、●
印は表2における電池内のガス圧、○印は電池電圧の低
下時間をそれぞれプロットしたものである。表2および
図2から明らかなように、用いた合金はいずれも、(a
+b+c+d)値は4.55<a+b+c+d<4.80の
関係を満たしているにもかかわらず、Mn量すなわちc
値が変化すると、ガス圧と自己放電の状態は顕著に変化
している。
印は表2における電池内のガス圧、○印は電池電圧の低
下時間をそれぞれプロットしたものである。表2および
図2から明らかなように、用いた合金はいずれも、(a
+b+c+d)値は4.55<a+b+c+d<4.80の
関係を満たしているにもかかわらず、Mn量すなわちc
値が変化すると、ガス圧と自己放電の状態は顕著に変化
している。
【0046】すなわち、c値が0.2より大きくなると、
電池内のガス圧は急激に上昇し、しかも、開路電圧の低
下時間も急激に短くなっていく。このようなことから、
c値は0≦c<0.2を満たすように設定すべきであるこ
とがわかる。
電池内のガス圧は急激に上昇し、しかも、開路電圧の低
下時間も急激に短くなっていく。このようなことから、
c値は0≦c<0.2を満たすように設定すべきであるこ
とがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
水素吸蔵合金を負極材料として用いた密閉型ニッケル・
水素二次電池は、過充電時においても、その電池内のガ
ス圧が1MPa以下に抑制されており、しかも開路状態時
にあっても自己放電を起こしづらい電池になっている。
水素吸蔵合金を負極材料として用いた密閉型ニッケル・
水素二次電池は、過充電時においても、その電池内のガ
ス圧が1MPa以下に抑制されており、しかも開路状態時
にあっても自己放電を起こしづらい電池になっている。
【0048】これは、Mn量、すなわち(7)式の組成に
おけるc値を0≦c<0.2を満たすような値に設定し、
かつ、(a+b+c+d)値を、4.55<a+b+c+
d<4.80を満たすように制御したことにより、本発明
の水素吸蔵合金は、少量の水素吸蔵でも微細化して充電
反応に関与する活性な有効表面積が増加して吸蔵水素の
漏出が抑制され、同時に、Mnの腐食生成物の悪影響が
極力発揮できないように設計されているからである。
おけるc値を0≦c<0.2を満たすような値に設定し、
かつ、(a+b+c+d)値を、4.55<a+b+c+
d<4.80を満たすように制御したことにより、本発明
の水素吸蔵合金は、少量の水素吸蔵でも微細化して充電
反応に関与する活性な有効表面積が増加して吸蔵水素の
漏出が抑制され、同時に、Mnの腐食生成物の悪影響が
極力発揮できないように設計されているからである。
【図1】(a+b+c+d)値と、電池内のガス圧およ
び電池の開路電圧の低下時間との関係を示すグラフであ
る。
び電池の開路電圧の低下時間との関係を示すグラフであ
る。
【図2】c値と、電池内のガス圧および電池の開路電圧
の低下時間との関係を示すグラフである。
の低下時間との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 組成式: ANiaCobMncXd (ただし、AはCe含有量が0〜60重量%であるミッ
シュメタルを表し、XはAl,Cu,Mo,Znの群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a,b,c,
dは、0.4<b<2.0,0≦c<0.2,0.1<d<2.
0、かつ、4.55<a+b+c+d<4.80の関係を満
足する数を表す)で示されることを特徴とする電池用水
素吸蔵合金。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169605A JPH1021906A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 電池用水素吸蔵合金 |
KR1019970023777A KR980006580A (ko) | 1996-06-28 | 1997-06-10 | 전지용 수소흡장(吸藏) 합금 |
US08/880,582 US5902545A (en) | 1996-06-28 | 1997-06-23 | Hydrogen occlusion alloys for electrical cells |
EP97110302A EP0817290B1 (en) | 1996-06-28 | 1997-06-24 | Hydrogen occlusion alloys for electrical cells |
DE69700861T DE69700861T2 (de) | 1996-06-28 | 1997-06-24 | Wasserstoffspeicherlegierungen für elektrochemische Zellen |
CA002209128A CA2209128A1 (en) | 1996-06-28 | 1997-06-27 | Hydrogen occlusion alloys for electrical cells |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8169605A JPH1021906A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 電池用水素吸蔵合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1021906A true JPH1021906A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=15889603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8169605A Pending JPH1021906A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 電池用水素吸蔵合金 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5902545A (ja) |
EP (1) | EP0817290B1 (ja) |
JP (1) | JPH1021906A (ja) |
KR (1) | KR980006580A (ja) |
CA (1) | CA2209128A1 (ja) |
DE (1) | DE69700861T2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100829931B1 (ko) * | 2006-12-19 | 2008-05-19 | 한국생산기술연구원 | 니켈수소전지용 수소저장합금 및 이의 제조방법 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0690924B2 (ja) * | 1985-12-12 | 1994-11-14 | 松下電器産業株式会社 | 蓄電池用電極 |
JP2771592B2 (ja) * | 1989-04-18 | 1998-07-02 | 三洋電機株式会社 | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極 |
US5284619A (en) * | 1990-03-24 | 1994-02-08 | Japan Storage Battery Company, Limited | Hydrogen absorbing electrode for use in nickel-metal hydride secondary batteries |
JPH0685323B2 (ja) * | 1990-06-18 | 1994-10-26 | 古河電池株式会社 | 水素吸蔵電極 |
JPH04169061A (ja) * | 1990-10-31 | 1992-06-17 | Yuasa Corp | カルアリ蓄電池用水素吸蔵合金電極 |
JPH04206348A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-28 | Hitachi Chem Co Ltd | 密閉型二次電池 |
US5496424A (en) * | 1992-10-07 | 1996-03-05 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Hydrogen absorbing alloy and process for preparing same |
FR2698881B1 (fr) * | 1992-12-04 | 1995-01-13 | Accumulateurs Fixes | Matériau hydrurable pour électrode négative d'accumulateur nickel-hydrure. |
JPH06279900A (ja) * | 1993-03-23 | 1994-10-04 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 水素吸蔵合金及びそれを用いた電極 |
JPH0729570A (ja) * | 1993-07-07 | 1995-01-31 | Japan Metals & Chem Co Ltd | ニッケル−水素電池用水素吸蔵合金 |
US5512385A (en) * | 1994-02-28 | 1996-04-30 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Hydrogen storage alloy and nickel-metal hydride storage battery using the same |
JP3520573B2 (ja) * | 1994-08-09 | 2004-04-19 | 日本電池株式会社 | ニッケル・金属水素化物電池の製造方法 |
JPH09209065A (ja) * | 1994-11-07 | 1997-08-12 | Santoku Kinzoku Kogyo Kk | 時効析出型希土類金属−ニッケル系合金、その製造法及びニッケル水素2次電池用負極 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP8169605A patent/JPH1021906A/ja active Pending
-
1997
- 1997-06-10 KR KR1019970023777A patent/KR980006580A/ko not_active Application Discontinuation
- 1997-06-23 US US08/880,582 patent/US5902545A/en not_active Expired - Fee Related
- 1997-06-24 EP EP97110302A patent/EP0817290B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-06-24 DE DE69700861T patent/DE69700861T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-06-27 CA CA002209128A patent/CA2209128A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0817290B1 (en) | 1999-12-01 |
KR980006580A (ko) | 1998-03-30 |
CA2209128A1 (en) | 1997-12-28 |
DE69700861T2 (de) | 2000-07-27 |
EP0817290A1 (en) | 1998-01-07 |
US5902545A (en) | 1999-05-11 |
DE69700861D1 (de) | 2000-01-05 |
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