JPH10217257A - 金型およびその製造方法 - Google Patents
金型およびその製造方法Info
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- JPH10217257A JPH10217257A JP9019360A JP1936097A JPH10217257A JP H10217257 A JPH10217257 A JP H10217257A JP 9019360 A JP9019360 A JP 9019360A JP 1936097 A JP1936097 A JP 1936097A JP H10217257 A JPH10217257 A JP H10217257A
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Abstract
する非晶質合金からなり、ブロック1a,1bをその過
冷却液体域の温度に加熱して粘性液体とし、この状態で
マスター部材4をブロック1a,1bで挟み込んで形状
の転写を行い、その後、冷却し、マスター部材4を取り
除く。
Description
する非晶質合金(金属ガラス)を用いた金型およびその
製造方法に関する。
金型は、従来、成形品を成形するキャビティ部分等を切
削などの機械加工や、放電加工を行った後、機械または
人手による表面の研磨を行うことにより製造されてい
る。また、マスター転写を行う金型の製造方法として
は、ロストワックス法が使用されている。このロストワ
ックス法は、ろうで模型を作製し、この模型の周囲に低
融点合金からなる鋳型材料を詰めた後、加熱によってろ
うを流し出して金型とするものである。
経て、研磨を行うことにより作製される金型は、その製
造に数多くの工程を必要とすると共に、長時間を要して
おり、高価となっている。このため、多品種少量生産に
適用することができない問題を有している。
点合金を用いるため強度及び耐熱性が小さく、しかも精
度が低いため、適用できる範囲が限定されている。本発
明は、このような事情を考慮してなされたものであり、
高精度、且つ高強度の金型を提供することを目的とす
る。又、本発明は、この金型を簡便に製造することがで
きる製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の金型は、少なくともキャビティ部分の一部又
は全部が過冷却液体域を有する非晶質合金によって形成
されていることを特徴とする。
は全部を過冷却液体域を有する非晶質合金である金属ガ
ラスで形成している。金属ガラスは過冷却液体域まで加
熱されることにより、108 〜1010Pa・s程度の粘
性を有する状態となり、数MPa程度の低圧力で塑性変
形が可能である。従って、所望の形状のマスター部材を
製造し、過冷却液体域まで加熱された金属ガラスをこの
マスター部材に押圧することにより、大きな圧力を必要
とせず、マスター部材の形状が高精度に転写されるた
め、高精度の金型となる。金属ガラスは非晶質合金なの
で、引っ張り強度や硬度が極めて大きな値を示す。この
ため、金属ガラスからなるキャビティ部は、優れた耐久
性を有している。このように、請求項1の金型は、最重
要部分であるキャビティ部を含む部分に金属ガラスの特
性である転写精度の高さと強度の大きさを有している。
て、少なくともキャビティ部分の一部が非晶質合金を結
晶化させた合金によって形成されていることを特徴とす
る。
金により形成している。他の部分は請求項1と同様に金
属ガラスで構成する。この金型は、その耐久性を金属ガ
ラス部分で対応し、結晶化した合金部分は機械加工性に
対応する。金属ガラスは強度が大である反面、機械加工
はダイヤモンドバイトの如く、特殊な工具を必要とす
る。これに対し結晶化した合金部分は、機械加工する場
合に特殊な工具が要求されず、機械加工が容易となる。
型の一部も過冷却液体域を経て製造されるという点で
は、請求項1と同様であり、製造は容易である。結晶化
した合金部分においては、過冷却液体域以上に金属ガラ
スを加熱するか、または過冷却液体域の温度に金属ガラ
スを長時間保持する点のみが異なる。
は、温度幅が30℃以上である過冷却液体域の金属ガラ
スを使用することが好ましい。金属ガラスを使用するこ
とにより、強度が大でかつ形状精度の良い金型とするこ
とができる。しかし、金属ガラスを過冷却液体域まで加
熱して成形する場合、高精度の温度制御が要求される。
即ち、室温からの加熱の初期には、毎分約100℃程度
の急速加熱が必要であり、過冷却液体域に近づく時点で
加熱速度が低下しても、毎分約30℃程度の加熱速度が
必要である。この場合の加熱としては、過冷却液体域の
目標温度以上の温度を到達目標温度として加熱すること
により、結果的には目標温度に金属ガラスを加熱するこ
とが必要となる。さらに、金属ガラスを金型とするた
め、バルク材を使用した場合は部位によって異なる温度
の温度分布となることを免れない。
体域まで加熱された場合、部分的に温度が上昇して、結
晶化することを防止するためである。従って、過冷却液
体域の温度幅が広いほど、温度制御が容易となる。この
場合、金属ガラスから金型を製造する場合、加熱と成形
と冷却とを数十分以内で行った方が、良好な金型が得ら
れる。本発明者の実験結果によれば、過冷却液体域の温
度幅が30℃以上の場合に、良好な制御が可能であり、
金型を高精度に製造できることが判明した。なお、過冷
却液体域の温度幅が30℃以上の金属ガラス材料は複数
あるため、材料の選択は困難ではない。また、温度幅の
上限としては、約100℃程度の過冷却液体域を有する
金属ガラス材料が現存しているが、30℃以上であれば
良い。
却液体域の温度に加熱された非晶質合金からなるブロッ
クに対して、少なくとも金型のキャビティ部分を形成す
るための形状を有したマスター部材を離型可能な範囲で
押圧して成形する工程と、前記ブロックの非晶質合金を
結晶化させる工程と、前記マスター部材が押圧されてい
るブロックの面に対して、過冷却液体域の温度に加熱さ
れた非晶質合金からなる他のブロックを押圧して密着さ
せる工程と、を備えていることを特徴とする。
ガラスを2つのブロックに分け、一方のブロック(ブロ
ックA)を過冷却液体域まで加熱し、その加熱されたブ
ロックAに離型性を考慮してオーバーハング部が生じな
いよう埋没量を制御してマスター部材を押圧し、成形す
る。
させる。この結晶化はブロックAを結晶化温度以上に上
昇若しくは結晶化温度に30分以上保温することによっ
て行うことができる。この結晶化の後、マスター部材の
一部が埋没し、他の部分が露出しているブロックAの面
に対して、非晶質合金からなる他のブロック(ブロック
B)を過冷却液体域の温度まで加熱して押圧し、密着さ
せて成形する。
埋没させたブロックAを結晶化させることにより、2度
目の成形の際にブロックAが再び過冷却液体域に加熱さ
れ、粘性流動を起こしてマスター部材が過度に埋没して
離型不能となることを防止できると共に、ブロックBが
ブロックAに密着して接合することを防止することがで
きる。以上の成形後、冷却した2つのブロックA、Bを
開き、ブロックA、Bの内部からマスター部材を取り除
くことにより、少なくともキャビティ部を非晶質合金に
よって形成することができる。
度に加熱された非晶質合金からなるブロックに対して、
少なくとも金型のキャビティ部分を形成するための形状
を有したマスター部材を離型可能な範囲で押圧して成形
する工程と、ガラス遷移温度が前記非晶質合金のガラス
遷移温度よりも低温の非晶質合金からなる他のブロック
を、その過冷却液体域に加熱して、前記マスター部材が
押圧されているブロックの面に押圧して密着させる工程
と、を備えていることを特徴とする。
ラスを2つのブロックに分ける点は請求項3と同じであ
るが、2つのブロックはそれぞれ過冷却液体域の異な
る、具体的にはガラス遷移温度が20℃以上異なってい
る金属ガラスを用いるものであり、これにより、結晶化
工程を省略できる。
側にあるブロック(ブロックC)を過冷却液体域の温度
に加熱し、このブロックCにマスター部材を押圧する。
この際、請求項3の方法と同様に、マスター部材の離型
を考慮して、オーバーハング部が生じないように埋没量
を制御し、離型可能な範囲で押圧する。
ロック(ブロックD)を過冷却液体域まで加熱して、ブ
ロックCのマスター部材の一部が埋没し、他の部分が露
出している面に押圧し、密着させて成形する。この加熱
温度をブロックDの金属ガラスのガラス遷移温度以上で
あって、ブロックCの金属ガラスのガラス遷移温度以下
とすることにより、マスター部材を埋没させたブロック
Cの粘性流動を抑制して、マスター部材の離型不能やブ
ロック相互の接合を防止することができる。成形後、冷
却した2つのブロックC、Dを開き、ブロックC、Dの
内部からマスター部材を取り除くことによって、少なく
とも金型のキャビティ部が形成される。
ス遷移温度差は20℃以上が良好である。ブロックDを
ガラス遷移温度以上に加熱したとき、ブロックD全体を
完全に同一温度にすることは困難なため、ブロックDの
一部がブロックCのガラス遷移温度に近い温度となり、
ブロックCの一部が粘性流動を起こすことを完全に防止
するため、上述のような温度差を設けるものである。
材の離型位置に離型用板材を一体化させた後、この離型
用板材の両面から、過冷却液体域まで加熱した同一組成
の金属ガラスをマスター部材に押圧することができる。
これにより、同一の金属ガラスを用いても、マスターの
離型不能や金属ガラス相互の接合を防止でき、しかもオ
ーバーハングを防止して、適正な離型位置まで成形する
ことが可能となる。この方法では、2つの同一の金属ガ
ラスのブロックを同時に過冷却液体域まで加熱し、マス
ター部材に押圧して成形するので、前述の加熱と成形の
サイクルタイムを短くすることが可能で、成形や材料選
択の自由度が大きくなる。
各部材の位置関係を示す断面図、図2は金型の製造工程
を示す断面図である。本実施の形態では、過冷却液体域
を有する非晶質合金である金属ガラスとしてZr55Cu
30Al10Ni5 (添字は原子%を示す)を用いた。Zr
55Cu30Al10Ni5 は常温から350℃までは引っ張
り強度1.5GPa、硬さHv510、線膨張係数10
×10-6であり、一般の金型用鋼材SUS420J2比
べて遜色のない強度、硬さと適度な線膨張係数を有す
る。さらに、この金属ガラスはガラス遷移温度Tgが4
20℃、結晶化開始温度Txが500℃であり、過冷却
液体域△T(=Tx−Tg)は約80℃の広い温度範囲
を有している。この過冷却液体域ΔTでは108 〜10
10Pa・s程度の粘性を示し、数10MPa程度の圧力
で成形加工が可能である。
スからなるブロックであり、それぞれが上下の枠2、3
内に充填されている。枠2、3における対向面には位置
決め用凹部2aと凸部3aが形成されている。加熱手段
としては放射加熱、高周波加熱、抵抗加熱などを用いる
ことができ、本実施の形態では放射加熱を加熱手段とし
て用いた。
品のマスター部材4として、全長6mmの内視鏡処置具
の先端カップ部品を用いた。本実施の形態では耐熱性と
強度を考慮してSUS303を用いてマスター部材4を
機械加工で製造した。このマスター部材4を押圧手段で
あるポンチ5を用いて、ブロック1a上の所定の位置に
セットする。ポンチ5には図示しない直動機構などの押
圧機構と荷重センサ、変位センサが具備されている。
によりブロック1aを過冷却液体域の温度である450
℃に加熱する。このときブロック1aの金属ガラスは高
温での酸化性が高いため、10-2Pa以下の真空中、ま
たはAr、Heなどの不活性ガス雰囲気中で加熱する。
また、加熱に伴う結晶化により成形不能となるのを防止
するため、ガラス遷移温度(420℃)以上に加熱する
際はできるだけ速やかに、可能ならば毎分30℃以上の
加熱温度で、均一加熱することが望ましい。
接触部が10MPaの圧力となるように押圧して、過冷
却液体域に加熱されたブロック1aに埋没させる。この
とき、マスター4の変形、傾きを防止するためにマスタ
ー部材4の形状に近い治具6を用いることが良い。この
マスター部材4が離型できるように、その形状を考慮し
て、埋没量を設定し、ポンチ5の変位量が設定した埋没
量になるまで押圧を続ける。
晶化開始温度である500℃以上に5分間以上加熱する
か、もしくは過冷却液体域の温度のまま30分以上保持
する。これにより金属ガラスが非晶質から結晶組織に変
化し、過冷却液体域が消失し、結晶化したブロック1c
となる。
ック1bを過冷却液体域に加熱し、このポンチ5により
同様にマスター部材4との接触部が10MPaの圧力と
なるようにブロック1bを押圧する。押圧が進行すると
結晶化させた上述のブロック1cに密着する。このとき
位置決め用の凹部2a,凸部3aが嵌合するので、上下
の枠2,3が固定される。このとき、マスター部材4お
よび結晶化したブロック1cとの密着度を増大させるた
め、枠2の上部に設けられた開口部7からポンチ5によ
り再押圧することが望ましい。
及び1cを冷却し、図2(c)に示すようにマスター部
材4を離型する。これにより、一部は非晶質合金からな
るブロック1bであり、他の部分は結晶化した合金から
なるブロック1cからなる金型のキャビティ部8が形成
される。
の脆化を防止するため、冷却速度は50℃/min以上
であることが望ましい。又、キャビティ部8の形状転写
精度は、マスター部材4の形状、材質によって影響され
るが、立方体や球形など単純な形状の場合には、線膨張
係数の影響を除去した形状転写誤差(=(転写後の形
状)−(マスター部材の形状))0.5μm以下であ
り、高精度とすることができた。この実施の形態では必
要に応じて機械加工、放電加工により、ゲート部やラン
ナー部を形成することができる。
工により製造されたマスター部材4を過冷却液体域に加
熱された金属ガラスからなるブロック1a、1bに10
MPaの低圧力で押圧することによって簡便にキャビテ
ィ部8を製造できるため、高強度、高精度とすることが
できる。
ク1cを結晶化させるため、マスター部材4の過度の埋
没や金属ガラス相互の接合を防止することができる。さ
らに2次加工によりゲート部やライナー部を加工する際
に、非晶質部分よりも機械加工し易いい結晶化した部分
を加工することにより加工効率を向上する。
態2における各部材の位置関係を示す断面図である。本
実施の形態の構成は基本的には実施の形態1と同様であ
るが、過冷却液体域を有する非晶質合金である金属ガラ
スとしてZr55Cu30Al10Ni5 (添字は原子%を示
す)を用いたブロック12と、金属ガラスとしてZr65
Al7.5 Cu27 .5(添字は原子%を示す)を用いたブロ
ック10とにより、金型を製造する。ブロック12は実
施の形態1で用いた金属ガラス1a、1bと同一組成及
び、同一特性を有するものである。
0℃までは引っ張り強度1.2GPa、硬さHv47
0、線膨張係数9×10-6であり、金属ガラス1と同様
に、一般の金型用鋼材SUS420J2に比べ遜色のな
い強度、硬さと、適度な線膨張係数を有する。
遷移温度Tg370℃、結晶化開始温度Tx470℃で
あり、このため100℃の広い過冷却液体域ΔTを有す
る。この過冷却液体域では108 〜1010Pa・s程度
の液体としての粘性を示し、数10MPa程度の圧力で
成形加工が可能である。図4は、ブロック12及び10
に使用した金属ガラスのDSC(元差操作熱分析)曲線
を示す。
す。図5(a)において、図示しない加熱装置によりブ
ロック12を過冷却液体域の450℃に加熱する。ブロ
ック12の金属ガラスは高温での酸化性が高いので、1
0-2Pa以下の真空中、またはAr、Heなどの不活性
ガス雰囲気中で加熱する。また、加熱に伴う結晶化によ
り成形不能となるのを防止するため、ガラス遷移温度以
上に加熱する際は出来るだけ速やかに、出来れば毎分3
0℃以上の加熱速度で、均一に加熱する事が望ましい。
4をポンチ5とともに治具6を用いて接触部が10MP
aの圧力となるように押圧して、過冷却液体域に加熱さ
れたブロック12に埋没させる。このとき、マスター部
材4が離型できるように、その形状を考慮して、埋没量
を設定し、ポンチ5の変位量が設定した埋没量になるま
で押圧を続ける。
ラスをガラス遷移温度以下の400℃まで速やかに冷却
する。このときの冷却速度は非晶質の金属ガラスの脆化
を防止するために、50℃/min以上であることが望
ましい。ガラス遷移温度以下に冷却された金属ガラス
は、常温とほぼ変わらない強度、硬さを回復し、結晶化
も進行しなくなる。
の別のブロック10を過冷却液体域の400℃に加熱
し、同様にマスター部材4との接触部が10MPaの圧
力となるようにブロック10をポンチ5によって押圧す
る。押圧が進行するとブロック10はブロック12に密
着し、位置決め部の凹部2a,凸部3aが嵌合して上下
の枠2,3が固定される。このときマスター部材4およ
びブロック10との密着度を増大させるため、ポンチ5
を用いて枠2の上部に設けられた開口部7からよりさら
に、再押圧することが望ましい。
の金属ガラスの脆化を防止するため、冷却速度50℃/
min以上で冷却し、図5(c)の様にマスター部材4
を離型する。これにより、非晶質合金からなる金型のキ
ャビティ部8が形成される。このキャビティ部8の形状
転写精度は、立方体や球形など単純な形状の場合には、
0.5μm以下の形状転写誤差とすることができた。ま
た必要に応じて機械加工、放電加工により、ゲート部や
ランナー部を形成しても良い。
異なる2種類の金属ガラスを用いることにより、金属ガ
ラスを結晶化させることなく、キャビティ部8を成形す
ることができる。このためマスター部材4の形状に若干
の変更が生じても、再び過冷却液体域に加熱することに
より簡単に金型の形状を修正することができる。また、
長時間加熱を要する結晶化工程を省略できるため、製造
時間を短縮できる。
製造方法を示す断面図である。本実施の形態では、過冷
却液体域を有する非晶質合金である金属ガラスとしてZ
r65Al7.5 Cu27.5を用いた。この金属ガラスは実施
の形態2で用いた金属ガラスと同一組成で、同一特性を
有するものである。基本的な構成は、実施の形態1およ
び実施の形態2と変わらないが、マスター部材4の離型
予定位置に離型用板材20を装着した。この離型用板材
20は、本実施の形態の場合、厚さ0.5mmのSUS
303製板材を用いた。
下の枠2、3内に納められた上述の金属ガラスからなる
ブロック10a及び10bを、図示しない加熱装置によ
り過冷却液体域の400℃に加熱する。このときブロッ
ク10a,10bの金属ガラスは高温での酸化性が高い
ので、10-2Pa以下の真空中、またはAr、Heなど
の不活性ガス雰囲気中で加熱する。また、加熱に伴う結
晶化により成形不能となるのを防止するため、ガラス遷
移温度以上に加熱する際は出来るだけ速やかに、出来れ
ば毎分30℃以上の加熱速度で、均一加熱する事が望ま
しい。
を上下の枠2、3内のブロック10a及び10bで挟み
込むようにポンチ5を用いて押圧する。そして接触部が
10MPaの圧力となるように押圧して、過冷却液体域
に加熱されたブロック10a及び10bに埋没させる。
ック10a及び10bが接触して接合されるのを防止す
る。又、この離型用板材20は、各ブロック10a及び
10bの金属ガラスの自由表面を拘束するために、均等
な圧力を生じさせる。これにより過冷却液体状態の金属
ガラスが有している強い表面張力に起因したマスター部
材4と自由表面とのダレ部を減少させる。
0bと、マスター部材4及び離型用板材20とが密着す
ると共に、位置決め部の凹部2a、凸部3aが嵌合する
ため、上下の枠2、3が固定される。このとき、マスタ
ー部材4およびブロック10a及び10bとの密着度を
増大させるため、枠2の上部に設けられた開口部7から
ポンチ5により、さらに再押圧することが望ましい。
て成形された金型の脆化を防止するため、冷却速度50
℃/min以上で冷却し、図6(c)の様にマスター4
を離型することにより、非晶質合金製のキャビティ部8
が形成される。このとき必要に応じて離型用板材20を
取り除いても良いが、その場合、板材20の厚み分、各
金型との嵌合にクリアランスが生じるので、マスター部
材4の形状をこのクリアランス分、変更しておく必要が
ある。このため、図6(c)で示すように、ブロック1
0aのキャビティ部8の周囲に対しては、離型用板材2
0を残すものである。
各実施の形態と同様に、立方体や球形など単純な形状の
場合、0.5μm以下の形状転写誤差とすることができ
た。また必要に応じて機械加工、放電加工により、ゲー
ト部やランナー部を形成しても良い。
実施の形態2に比べ、離型用の板材20を用いることに
より、マスター部材4とブロックの金属ガラスの自由表
面とのダレを防止することができると共に、マスター部
材4を正確に離型位置に設けることができる。また、一
度に両方の金属ガラスを成形できるために、製造時間を
さらに短縮できる。
体域を有する非晶質合金を用いたが、他の過冷却液体域
を有する非晶質合金、例えばLa55Al25Ni20(数値
は原子%を示し、ガラス遷移温度Tg=200℃、結晶
化温度Tx=275℃)などを用いることもできる。
するものである。 (1) 少なくともキャビティ部の一部又は全部が、3
0℃以上の温度幅の過冷却液体域を有する非晶質合金に
よって形成されていることを特徴とする金型。 (2) 少なくとも金型のキャビティ部分を形成する形
状を有したマスター部材に離型用板材を取り付け、過冷
却液体域の温度に加熱された非晶質合金からなるブロッ
クを前記離型用板材が覆う状態で前記マスター部材をブ
ロックに押圧して成形することを特徴とする金型の製造
方法。
り、しかも高精度とすることができる。請求項3及び4
の製造方法では、過冷却液体域を有する非晶質合金を用
い、その特性を利用して金型を製造するため、従来機械
加工などにより製造されていた高精度な金型を簡便に高
精度、高強度に製造できる。
工程を示す断面図である。
す断面図である。
す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともキャビティ部分の一部又は全
部が過冷却液体域を有する非晶質合金によって形成され
ていることを特徴とする金型。 - 【請求項2】 少なくともキャビティ部分の一部が非晶
質合金を結晶化させた合金によって形成されていること
を特徴とする請求項1記載の金型。 - 【請求項3】 過冷却液体域の温度に加熱された非晶質
合金からなるブロックに対して、少なくとも金型のキャ
ビティ部分を形成するための形状を有したマスター部材
を離型可能な範囲で押圧して成形する工程と、 前記ブロックの非晶質合金を結晶化させる工程と、 前記マスター部材が押圧されているブロックの面に対し
て、過冷却液体域の温度に加熱された非晶質合金からな
る他のブロックを押圧して密着させる工程と、を備えて
いることを特徴とする金型の製造方法。 - 【請求項4】 過冷却液体域の温度に加熱された非晶質
合金からなるブロックに対して、少なくとも金型のキャ
ビティ部分を形成するための形状を有したマスター部材
を離型可能な範囲で押圧して成形する工程と、 ガラス遷移温度が前記非晶質合金のガラス遷移温度より
も低温の非晶質合金からなる他のブロックを、その過冷
却液体域に加熱して、前記マスター部材が押圧されてい
るブロックの面に押圧して密着させる工程と、を備えて
いることを特徴とする金型の製造方法。
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---|---|---|---|
JP01936097A JP3748971B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 金型の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01936097A JP3748971B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 金型の製造方法 |
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JPH10217257A true JPH10217257A (ja) | 1998-08-18 |
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JP01936097A Expired - Lifetime JP3748971B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 金型の製造方法 |
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