JPH10213740A - レーザー走査装置 - Google Patents
レーザー走査装置Info
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Abstract
した上に性能の良いレーザー走査装置を提供する。 【解決手段】 走査レンズ系6について色消しとなる光
学材料の組み合わせを選ぶことに加えて、走査レンズ系
6に入射するレーザー光を平行光でなく収束光にする。
これにより、走査レンズ系6のパワーを弱くすることが
できる。
Description
に関するものである。
光で画像形成を行うレーザー走査装置が知られている。
このようなレーザー走査装置は、例えば、赤・緑・青の
3色に対応した波長のレーザー光で、銀塩フィルム上に
カラー画像を形成するために用いられる。一つの走査レ
ンズ系に波長の異なる複数のレーザー光を用いるのであ
るから、当然、色収差を考慮する必要がある。
種類がある。軸上色収差が生じると、レーザー光の波長
によって結像位置が光軸方向にずれるが、レーザー光の
焦点深度が十分に深いため大きな問題とはならない。し
かし、倍率色収差が生じると、レーザー光の波長によっ
て結像位置が光軸方向に対して垂直方向(すなわち、主
走査方向)にずれてしまう。したがって、レーザー光間
に波長差があると、像面上での走査幅に差が生じて、画
像の精度が低下することになる。
ンズ系としては、例えば、特開昭62−262812号
公報で提案されているfθレンズが挙げられる。このf
θレンズは、倍率色収差を補正するのに適当な光学材料
が選択された構成となっている。
レーザー走査装置において倍率色収差を十分に補正しよ
うとすると、凹レンズと凸レンズとのそれぞれに強いパ
ワーを持たせたレンズの組み合わせが必要になる。その
ため、等速性や像面性を達成することが難しくなった
り、レンズ枚数が増加したり、製造誤差に対する要求が
厳しくなったりするといった問題があった。
ものであって、その目的は、比較的少ないレンズ枚数で
倍率色収差が良好に補正され、しかも、等速性,像面性
等の性能に優れたレーザー走査装置を提供することにあ
る。
め、第1の発明のレーザー走査装置は、レーザー光を発
する光源と、前記レーザー光を収束光にする集光レンズ
と、前記収束光を偏向させる偏向装置と、倍率色収差を
補正するために光学材料の分散が異なるレンズを複数枚
含み、偏向後の前記収束光が被走査面上で主走査方向及
び副走査方向について集光するとともに被走査面上をほ
ぼ等速度で移動するように前記収束光を屈折させる走査
レンズ系と、を備えたことを特徴とする。
1の発明の構成において、前記走査レンズ系が次の条件
を満たすことを特徴とする。 0<β<3 ただし、 β:主走査方向における走査レンズ系の光軸付近の倍率 である。
2の発明の構成において、前記走査レンズ系が、主走査
方向における軸上のパワーが負であるレンズと正である
レンズとをそれぞれ1枚以上含み、更に次の条件を満た
すことを特徴とする。 0<β<1.2 νdM<νdP ただし、 νdM:主走査方向において軸上の負のパワーが最も強い
レンズのアッベ数、 νdP:主走査方向において軸上の正のパワーが最も強い
レンズのアッベ数 である。
3の発明の構成において、前記走査レンズ系が、偏向点
側から順に、軸対称レンズ3枚とアナモフィックレンズ
1枚とを含み、更に次の条件を満たすことを特徴とす
る。 -0.4L<f1<-0.2L 0.3L<f2<0.6L f2<f3<3f2 |f4M|>2L νd1<30 νd2>50 νd3>50 ただし、 L :偏向点から像面までの距離、 f1 :偏向点側から1番目の軸対称レンズの焦点距離、 f2 :偏向点側から2番目の軸対称レンズの焦点距離、 f3 :偏向点側から3番目の軸対称レンズの焦点距離、 f4M:アナモフィックレンズの主走査方向における焦点
距離、 νd1:偏向点側から1番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd2:偏向点側から2番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd3:偏向点側から3番目の軸対称レンズのアッベ数 である。
走査装置を、図面を参照しつつ説明する。図1は、光源
ブロック1,集光レンズ3,シリンダレンズ4,ポリゴ
ンミラー5,射出側に反射ミラーを有する走査レンズ系
6,及び感光体表面に相当する被走査面5を備え、赤・
緑・青の3色に対応した波長の3本のレーザー光2で画
像形成を行うレーザー走査装置を示している。光源ブロ
ック1から発せられたレーザー光2は、集光レンズ3に
よって収束光となった後、シリンダレンズ4を通過す
る。シリンダレンズ4通過後のレーザー光2は、ポリゴ
ン反射面付近で副走査方向に一旦集光するとともに主走
査方向には収束した状態で、ポリゴンミラー5によって
偏向反射される。ポリゴンミラー5で偏向されたレーザ
ー光2は、走査レンズ系6によって屈折・反射されて、
被走査面7上で主走査方向及び副走査方向について集光
するとともに被走査面7上をほぼ等速度で移動すること
により、画像(潜像)を形成する。
面(被走査面7)S9までの走査レンズ系6の構成(ただ
し、反射ミラーを除く。)を示しており、(a)が主走査
断面図であり、(b)が副走査断面図である。この走査レ
ンズ系6は、ポリゴン反射面S0側から順に、凹レンズ
8,凸レンズ9及び凸レンズ10から成る3枚の球面レ
ンズと、1枚の非軸対称非球面レンズ11と、から成っ
ており、凹レンズ8と凸レンズ9,10と非軸対称非球
面レンズ11とは、倍率色収差を補正するために光学材
料の分散が異なっている。非軸対称非球面レンズ11
は、ポリゴン反射面S0側の面S7が非軸対称非球面であ
り、像面S9側の面S8が平面である。また、非軸対称非球
面S7は、主走査方向に比べて副走査方向で強い屈折力を
有している。
ー光2を収束光とした点について説明する。図4は、走
査レンズ系6に入射するレーザー光2が、(a)平行光の
場合と(b)収束光の場合とで、倍率色収差の発生する様
子を比較した模式図である。説明を簡単にするため、走
査レンズ系6は1枚の薄肉レンズとして示している。ま
た、この走査レンズ系6は、等速性が良好に補正されて
いるものとする。また、ポリゴンミラー5の軸と反射面
との間隔はゼロであり、ポリゴンミラー5の回転中心が
走査レンズ系6の光軸上にあるように考えている。
走査レンズ系6がない場合にレーザー光2が集光する位
置(すなわち、自然収束点)と走査レンズ系6を通過した
後にレーザー光6が集光する位置とは、光軸上では一致
しているものとする。また、ポリゴンミラー5から走査
レンズ系6までの距離をtとする。このとき、走査レン
ズ系6の焦点距離は、図4(a)に示す平行光の場合では
2tとなり、図4(b)に示す収束光の場合では無限大と
なる。これらの焦点距離から、ポリゴンミラー5によっ
て反射されたレーザー光2と走査レンズ系6の光軸とが
なす角度がα(単位はラジアン)のときの像高をそれぞれ
求めることができる。
性が成立しているので、像高は2tαと表すことができ
る。一方、図4(b)の収束光の場合、近軸領域では焦点
距離が無限大であるから、αが十分小さいとき像高は3
tαと表すことができる。また、この場合、等速性が良
好に補正されているものと仮定しているので、近軸領域
以外でも像高は3tαと表すことができることになる。
走査レンズ系6に入射するレーザー光2と走査レンズ系
6から射出するレーザー光2とがなす角度(すなわち、
屈折角度)を、像高(tを単位とする。)に対して示して
いる。両者の像高が等しいとき、(a)平行光の場合より
も(b)収束光の場合の方が、走査レンズ系6による屈折
の角度が小さいことが分かる。したがって、走査レンズ
系6によって発生する倍率色収差についても、(a)平行
光の場合よりも(b)収束光の場合の方が小さいことにな
る。
散が異なるレンズを複数枚組み合わせることになるが、
単レンズのときに発生する倍率色収差の小さい方が、光
学材料の分散の差や各レンズのパワーの比が小さくて済
み、そのため他の性能への影響が小さくて済む。実際に
は、薄肉単レンズでの計算が現実の光学系に厳密に当て
はまるわけではないが、傾向としては一致するものと考
えてよい。
走査レンズ系6に入射するレーザー光2を平行光でなく
収束光にし、さらに、走査レンズ系6が、倍率色収差を
補正するために光学材料の分散が異なるレンズを複数枚
含むこと(つまり、色消しとなる光学材料の組み合わせ
を選ぶこと)を特徴とする。この構成によると、走査レ
ンズ系6に平行光を入射させた場合に比べて、走査レン
ズ系6のパワーを弱くすることができるので、画像両端
でレーザー光2を光軸寄りに屈折させる度合いを緩くす
ることができる。これにより、発生する倍率色収差の量
が小さくなるので、それを補正する凹レンズと凸レンズ
のそれぞれのパワーを弱くすることが可能となる。した
がって、比較的少ないレンズ枚数でも倍率色収差の補正
とその他のレンズ性能とを両立させることが可能とな
り、製造誤差に対する要求も比較的緩くすることが可能
となる。
系6の位置や主走査方向の倍率(=0〜3)を変えて行った
結果を示している。図6(a)は、走査レンズ系6がポリ
ゴン反射面からレンズ全長(すなわち、ポリゴン反射面
から像面までの距離)の3分の1だけ離れて位置する場
合の、像高に対する屈折角度を示している。図6(b)
は、走査レンズ系6がポリゴン反射面と像面との中間に
位置する場合の、像高に対する屈折角度を示している。
なお、図6のグラフにおいて、横軸の像高はレンズ全長
に対する比で表したものであり、縦軸の屈折角度は走査
レンズ系6に対する入射光と射出光とがなす角度を表し
ている。正の屈折角度は光軸に近づく方向の屈折に対応
し、負の屈折角度は軸から遠ざかる方向の屈折に対応す
る。
率が0の場合に相当し、図5中の(b)は、図6(a)のグ
ラフでは倍率が1の場合に相当する。図6のグラフでは
倍率を0から3まで変えているが、倍率0以外のすべて
の場合において、屈折角度が倍率0の場合に比べて小さ
くなっていることが分かる。また、倍率が1.2倍より
も小さいとき、ほとんどのラインは屈折角度が正の範囲
にあることが分かる。このとき、倍率色収差を補正する
ためには、パワーが正のレンズと負のレンズとを組み合
わせて、負のレンズがより高分散になるようにしなけれ
ばならない。
うに、倍率色収差を補正するために光学材料の分散が異
なるレンズを複数枚含み、かつ、収束光が入射する走査
レンズ系6を備えたレーザー走査装置においては、走査
レンズ系6が次の条件式(1)を満たすことが望ましい。 0<β<3 …(1) ただし、 β:主走査方向における走査レンズ系6の光軸付近の倍
率 である。
系6が、主走査方向における軸上のパワーが負であるレ
ンズと正であるレンズとをそれぞれ1枚以上含むレーザ
ー走査装置においては、次の条件式(2)及び(3)を満たす
ことが望ましい。 0<β<1.2 …(2) νdM<νdP …(3) ただし、 νdM:主走査方向において軸上の負のパワーが最も強い
レンズのアッベ数、 νdP:主走査方向において軸上の正のパワーが最も強い
レンズのアッベ数 である。
ズ系6が、偏向点側から順に、軸対称レンズ(球面レン
ズ8〜10に相当する。)3枚と、アナモフィックレン
ズ(非軸対称非球面レンズ11に相当する。)1枚とを含
む場合には、次の条件式(4)〜(10)を満たすことが望ま
しい。 -0.4L<f1<-0.2L …(4) 0.3L<f2<0.6L …(5) f2<f3<3f2 …(6) |f4M|>2L …(7) νd1<30 …(8) νd2>50 …(9) νd3>50 …(10) ただし、 L :偏向点から像面までの距離、 f1 :偏向点側から1番目の軸対称レンズの焦点距離、 f2 :偏向点側から2番目の軸対称レンズの焦点距離、 f3 :偏向点側から3番目の軸対称レンズの焦点距離、 f4M:アナモフィックレンズの主走査方向における焦点
距離、 νd1:偏向点側から1番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd2:偏向点側から2番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd3:偏向点側から3番目の軸対称レンズのアッベ数 である。
するために必要である。条件式(6)は、これに加えてコ
マ収差を低減するために必要である。条件式(7)は、ア
ナモフィックなレンズが主走査方向について肉厚がほぼ
一定となるために必要である。アナモフィックなレンズ
は、副走査方向についてビームを像面上で集光させるた
めに用いられるが、このレンズは像面に近い位置にあっ
た方が誤差感度的に有利である。一方、レンズを像面に
近づけると、レンズの外形が大きくなってしまう。外形
の大きなレンズに強い屈折力を持たせた場合、凸レンズ
ならば中心部の厚さが、また、凹レンズならば周辺部の
厚さが大変厚くなってしまい、コストや加工について不
利になる。以上の理由により、条件式(7)が必要となる
のである。また、条件式(8)〜(10)は、倍率色収差の補
正のために必要である。
構成を、走査レンズ系6(ただし、反射ミラーを除く。)
のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説
明する。実施例1は、前述したレーザー走査装置(図1)
に用いられている走査レンズ系6であり、図2は実施例
1の(a)主走査断面,(b)副走査断面を示すレンズ構成
図である。そして、実施例2〜実施例6も、実施例1と
同様にレーザー走査装置の一部をなす走査レンズ系6と
して用いられるものであり、図7は実施例2の(a)主走
査断面,(b)副走査断面を示すレンズ構成図である。
いて、Si(i=1,2,3,...)はポリゴン反射面S0側から数え
てi番目の面、ri(i=1,2,3,...)はポリゴン反射面S0側か
ら数えてi番目の面Siの曲率半径、di(i=1,2,3,...)はポ
リゴン反射面S0側から数えてi番目の軸上面間隔、d0は
ポリゴン反射面S0から走査レンズ系6の最もポリゴン反
射面S0側の面S1までの距離を示している。さらに、Ni(i
=1,2,3,...)はポリゴン反射面S0側から数えてi番目のレ
ンズの波長780nmのレーザー光に対する屈折率を示して
おり、νi(i=1,2,3,...)はポリゴン反射面S0側から数え
てi番目のレンズのd線に対するアッベ数(νd)を示し
ている。
から入射光の自然収束点までの距離SX;主走査方向にお
ける走査レンズ系6の近軸倍率β;偏向点から像面まで
の距離L;並びに焦点距離f1,f2,f3,及びf4Mを
示す。
頂点を原点とする座標(x,y,z)を用いた次の式(AS1)で定
義される。また、軸対称非球面Siの面形状は、レンズの
面頂点を原点とする座標(x,y,z)を用いた次の式(AS2)で
定義される。
6の光学性能を示す収差図であり、図8〜図12は、実
施例2〜実施例6を構成する走査レンズ系6の光学性能
をそれぞれ示す収差図である。図3,図8〜図12中、
(a)は像面性、(b)はディストーション、(c)は倍率色
収差を示している。
ンズ9,10に比べて高分散の光学材料で構成されてい
る。走査レンズ系6全体としては正の屈折力を有してい
るため、凹レンズ8が光学材料の組み合わせによる倍率
色収差の補正に寄与することになる。そして、倍率色収
差が良好に補正されていることが、図3(c)から分か
る。
走査レンズ系に入射するレーザー光が平行光でなく収束
光であって、更に光学材料が適当に組み合わされた構成
となっているため、比較的少ないレンズ枚数で倍率色収
差を補正し、しかも等速性,像面性等の性能に優れたレ
ーザー走査装置を実現することができる。本発明に係る
レーザー走査装置を用いれば、波長の異なる複数のレー
ザー光で画像形成を行う場合でも、高精度の画像形成が
可能である。
図。
いる走査レンズ系を示すレンズ構成図。
示す収差図。
折角度を示すグラフ。
レンズ系の位置や倍率の影響を示すグラフ。
構成図。
示す収差図。
示す収差図。
を示す収差図。
を示す収差図。
を示す収差図。
ズ)
Claims (4)
- 【請求項1】 レーザー光を発する光源と、 前記レーザー光を収束光にする集光レンズと、 前記収束光を偏向させる偏向装置と、 倍率色収差を補正するために光学材料の分散が異なるレ
ンズを複数枚含み、偏向後の前記収束光が被走査面上で
主走査方向及び副走査方向について集光するとともに被
走査面上をほぼ等速度で移動するように前記収束光を屈
折させる走査レンズ系と、 を備えたことを特徴とするレーザー走査装置。 - 【請求項2】 前記走査レンズ系が次の条件を満たすこ
とを特徴とする請求項1に記載のレーザー走査装置; 0<β<3 ただし、 β:主走査方向における走査レンズ系の光軸付近の倍率 である。 - 【請求項3】 前記走査レンズ系が、主走査方向におけ
る軸上のパワーが負であるレンズと正であるレンズとを
それぞれ1枚以上含み、更に次の条件を満たすことを特
徴とする請求項2に記載のレーザー走査装置; 0<β<1.2 νdM<νdP ただし、 νdM:主走査方向において軸上の負のパワーが最も強い
レンズのアッベ数、 νdP:主走査方向において軸上の正のパワーが最も強い
レンズのアッベ数 である。 - 【請求項4】 前記走査レンズ系が、偏向点側から順
に、軸対称レンズ3枚とアナモフィックレンズ1枚とを
含み、更に次の条件を満たすことを特徴とする請求項3
に記載のレーザー走査装置; -0.4L<f1<-0.2L 0.3L<f2<0.6L f2<f3<3f2 |f4M|>2L νd1<30 νd2>50 νd3>50 ただし、 L :偏向点から像面までの距離、 f1 :偏向点側から1番目の軸対称レンズの焦点距離、 f2 :偏向点側から2番目の軸対称レンズの焦点距離、 f3 :偏向点側から3番目の軸対称レンズの焦点距離、 f4M:アナモフィックレンズの主走査方向における焦点
距離、 νd1:偏向点側から1番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd2:偏向点側から2番目の軸対称レンズのアッベ数、 νd3:偏向点側から3番目の軸対称レンズのアッベ数 である。
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