JPH10213002A - データ処理装置 - Google Patents

データ処理装置

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JPH10213002A
JPH10213002A JP21520097A JP21520097A JPH10213002A JP H10213002 A JPH10213002 A JP H10213002A JP 21520097 A JP21520097 A JP 21520097A JP 21520097 A JP21520097 A JP 21520097A JP H10213002 A JPH10213002 A JP H10213002A
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JP21520097A
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Kenzo Yano
健三 矢野
Shinji Takeuchi
伸二 竹内
Kengo Sugiura
健悟 杉浦
Takuya Harada
卓哉 原田
Noriyasu Kitamura
哲康 北村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • F02D41/30Controlling fuel injection
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】補正データの記憶領域を抑えてデータ長の異な
る補正データを使用できるとともに、項目の自由度を確
保できるようにする。 【解決手段】ROM6には基本となる制御データが記憶
され、OTPROM7には基本となる制御データに対す
る補正データが記憶されている。補正データは、項目に
よりデータ長が異なる。OTPROM7は、補正データ
の項目識別およびデータ長識別のための識別コードをそ
れら該当する補正データと対にして持っている。OTP
ROM7から補正データがバックアップメモリ8に転送
される。CPU9はROM6およびバックアップメモリ
8に記憶されたデータに基づき所定の演算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、データ処理装置
に係り、例えば、ディーゼルエンジンに燃料を供給する
燃料噴射ポンプにおける燃料噴射量や燃料噴射時期等を
制御する制御装置に用いると好適なものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンに燃料を噴射供給す
る燃料噴射ポンプにおいて、その燃料噴射精度が、同ポ
ンプを構成する各機構部品の精度によって大きく左右さ
れてしまう。そこで、例えば、特公平4−28901号
公報に開示されているように、機構部品のバラツキを吸
収するための補正データが予め記憶されたROM型のメ
モリを、燃料噴射ポンプに搭載しておき、ポンプの駆動
に際しては、メモリに記憶されている補正データを制御
装置に転送し、制御装置において他の入力による基本的
な噴射量や噴射時期に補正データを加味してポンプによ
る燃料噴射を制御することが行われている。このような
補正データ処理を行うことでシステムのバラツキを低減
することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】補正データは分解能と
範囲によって2バイトデータあるいはそれ以上のバイト
数となる。つまり、分解能を細かくし精密に補正したい
場合には刻み幅が細かければ細かいほど同一な補正デー
タ範囲に対して必要なバイト数が増える。ところが、こ
の最大バイト数に合わせたメモリ構造とするとメモリ容
量が大きくなってしまう。即ち、補正データのバイト数
は、使用データ数をなるべく少なくしたいため通常は1
バイトとするが、2バイトデータに合わせたメモリ構成
とすると1バイトデータについては1バイト分の無駄な
記憶領域が存在することになる。
【0004】又、補正データには多数の項目を含んでお
り、このような場合には一般的に項目に対応するアドレ
スを予め規定することとなるが、この方法では自由度と
いう観点から好ましくなく、自由度を確保することが望
まれている。
【0005】そこで、この発明の目的は、補正データの
記憶領域を抑えてデータ長の異なる補正データを使用で
きるとともに、項目の自由度を確保できるようにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、演算手段は、第1の記憶手段に記憶された制御
データと第2の記憶手段に記憶された補正データとに基
づき所定の演算を行う。
【0007】このときの補正データは項目によりデータ
長が異なるが、第2の記憶手段は、補正データの項目識
別およびデータ長識別のための識別コードをそれら該当
する補正データと対にして持っているので、最大データ
長に合わせた記憶領域を用意する場合に比べ、記憶領域
を抑えることができる。
【0008】又、補正データには前述の識別コードが付
与されているので、任意の項目の、任意のデータ長の補
正データを作成することができるともに、書き換えも行
うことができる。よって、項目に対する自由度を向上さ
せて汎用性の高いものとなる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、第1の記
憶手段と第2の記憶手段とを分離できる。よって、第2
の記憶手段に記憶された補正データを転送することによ
り第1の記憶手段の制御データを変更することなく容易
に第3の記憶手段のデータを変更することが可能とな
り、このデータに基づいた制御データの補正が行えるよ
うになる。
【0010】請求項3,8に記載の発明によれば、第2
の記憶手段と第3の記憶手段との間のデータ転送をシリ
アル通信手段により行い、受信手段にて識別コードにお
ける上位ビットの判定にて以後送られてくる補正データ
のデータ長が識別される。よって、補正データよりも先
に送られてくる識別コードを判定することによりデータ
長を識別することができる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、書き換え
可能なROMでの未書き込み領域において全ビットに
「1」が残っている状態から、データ書き換えの際には
書き換え前のデータビットを全て「0」にし、未書き込
み領域に更新データを書き込み処理する。よって、デー
タビットが全て「0」であれば不要なデータと判断で
き、速やかな対処が可能となる(無駄なデータ取り込み
処理を回避できる)。
【0012】又、書き換え可能なROMでの未書き込み
領域を用いてデータの書き換えを行うことができ、デー
タ更新が自由に行われる。又、請求項5に記載の発明に
よれば、送信手段は第2の記憶手段の先頭アドレスか
ら、全てのビットデータが「1」で表される識別コード
および補正データを記憶している領域のアドレスの一つ
手前のアドレスまでは、順次送信し、ビットデータが全
て「0」で表される識別コードおよび補正データを記憶
している領域のアドレスは飛び越し処理する。よって、
先頭アドレスから、全てのビットデータが「0」の領域
のアドレスを除き、全てのビットデータが「1」の領域
のアドレスまでが順次送信される。
【0013】請求項6,7に記載の発明によれば、燃料
噴射ポンプ毎の機差のデータを記憶した第2の記憶手段
をそれぞれ対応して搭載することにより、第2の記憶手
段と燃料噴射ポンプとを一体管理することができる。
【0014】さらに、燃料噴射ポンプを変更した時にも
第1の記憶手段の制御データを変更することなく、燃料
噴射ポンプ毎の機差を反映した最適な制御が可能とな
る。請求項10に記載の発明は、請求項2に記載のデー
タ処理装置において所定条件が成立した時に、前記第2
の記憶手段から第3の記憶手段への補正データ転送、ま
たは第3の記憶手段の受信データのチェックの少なくと
もいずれかを行わせるようにしたことを特徴としてい
る。このようにすると、補正データ転送タイミングまた
は受信データのチェックタイミングの最適を図ることが
可能となる。
【0015】ここで、所定条件が成立した時とは、請求
項11に記載のように、電源が供給された時、請求項1
2に記載のように、一定時間毎、あるいは、請求項13
に記載のように、演算負荷が軽い時というようにすると
好ましいものになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を具体化した実施
の形態を図面に従って説明する。
【0017】本実施の形態では、自動車に搭載されるデ
ィーゼルエンジンにおける燃料噴射ポンプの制御装置に
具体化している。図1には燃料噴射ポンプの制御装置の
全体構成を示す。
【0018】ディーゼルエンジンに燃料を供給するディ
ーゼル用燃料噴射ポンプ1(制御対象)には、燃料噴射
量、燃料噴射時期の電子制御を行うため、噴射量制御用
アクチュエータ2と噴射時期制御用アクチュエータ3が
設けられている。ディーゼル用燃料噴射ポンプ1を制御
する制御装置は、ポンプ1に搭載されるポンプ搭載側制
御機器4(特性バラツキ記憶装置)と、ポンプ1に搭載
されないポンプ非搭載側制御機器5(制御装置本体)と
からなる。ポンプ非搭載側制御機器5は、電子制御ユニ
ット(ECU)としてパッケージ化されている。
【0019】ポンプ非搭載側制御機器5には基本となる
制御データを記憶したROM6が備えられている。この
ポンプ搭載側制御機器4とポンプ非搭載側制御機器5と
はクロック同期式シリアル通信ができるようになってお
り、ポンプ搭載側制御機器4のOTPROM7に記憶さ
れた補正データがポンプ非搭載側制御機器5のバックア
ップメモリ8に転送され、この補正データを用いてアク
チュエータ(電気的アクチュエータ)2,3が駆動制御
されるようになっている。
【0020】以下、その詳細を説明していく。ポンプ搭
載側制御機器4は、OTPROM(特性バラツキ記憶素
子)7と、シリアル通信インターフェース10と、通信
バッファ11と、入力フィルタ(ノイズフィルタ)12
と、電源用コンデンサ13と、逆流防止ダイオード1
4,15とからなる。OTPROM7には燃料噴射ポン
プ毎の機差のデータが記憶されるが、このデータは、燃
料噴射ポンプ1の工場からの出荷検査工程時に実際に燃
料を噴射させて噴射特性を調べ、標準的なポンプの噴射
特性に対するズレ分に相当するものである。このOTP
ROM7は書き込み可能な不揮発性記憶素子であり、1
回だけデータが書き込める。即ち、8ビットのデータに
おいて初期状態が全て「1」、即ち、16進数表記でF
FH(Hは16進数である旨を示す。以下同じ)であ
り、任意のビットを「1」から「0」に1回だけ書き込
みが可能である(「0」から「1」にすることはできな
い)。ただし、一旦何らかのデータを書き込んでも残さ
れた「1」のビットを上書きにて「0」とすることがで
きる。つまり、いずれかのビットが「1」として残って
いても、全てのビットを上書きにて「0」とし、結果と
して、そのデータを「00H」とすることができる。
又、OTPROM7はデータの保持のための電源は必要
としないが、アクセスのために電源が必要な素子であ
る。
【0021】このように、制御機器4はディーゼル用燃
料噴射ポンプ1に搭載され、ディーゼル用燃料噴射ポン
プ1の交換を行っても制御ユニットの再調整を行う必要
がなく、ディーゼル用燃料噴射ポンプ1と一体で管理さ
れる。
【0022】ポンプ非搭載側制御機器5は、ディーゼル
用燃料噴射ポンプ1の制御に関する種々の演算を行うも
のであり、CPU9と入力信号バッファ16とアナログ
・デジタルコンバータ(ADC)17と電源回路18と
PNPトランジスタ19と抵抗20と通信バッファ21
とアクチュエータ駆動回路22とROM6とバックアッ
プメモリ8を備えている。電源回路18はイグニッショ
ンキースイッチ23を介してバッテリ24から電力の供
給を受けて所定の電圧をポンプ非搭載側制御機器5の全
体の各機器(回路)に供給する。CPU9は入力信号バ
ッファ16を介して各種センサ信号を取り込む。
【0023】尚、センサ信号がアナログ信号の場合には
ADC17によりデジタル値に変換して取り込む。この
センサ信号は、アクセル開度センサからのアクセル開度
信号、エンジン回転数センサ(クランク角センサ)から
のエンジン回転数信号、吸気圧センサからの吸気圧信
号、吸気温センサからの吸気温信号、エンジン冷却水温
センサからの水温信号等である。
【0024】ROM6にはエンジン機種毎の適合データ
(ポンプの機差がないとしたときの制御データ)が記憶
されている。つまり、ROM6は中心値制御データ保存
用記憶素子として機能する。
【0025】バックアップメモリ8はイグニッションキ
ースイッチ23をオフにした時にもバッテリ24からの
電力供給によりデータが保持される書き込み可能な記憶
素子であり、ポンプ搭載側制御機器4のOTPROM7
から転送された補正データが記憶される。これは、通信
にて一旦受け取った補正データを機関の運転中に電源が
供給されているときはもちろん、イグニッションキース
イッチ23をオフにした時にもバックアップメモリ8に
だけは電源供給を継続することにより補正データを保存
して通信の頻度を最小限に抑えるためである。つまり、
バックアップメモリ8は補正データ保存用記憶素子とし
て機能する。
【0026】ポンプ非搭載側制御機器5とポンプ搭載側
制御機器4とは通信のための3本の信号線L1〜L3に
て接続されている。ポンプ非搭載側制御機器5のPNP
トランジスタ19のエミッタ端子には電源電圧Vcc(5
ボルト)が印加されるとともにPNPトランジスタ19
のベース端子はCPU9に接続されている。さらに、P
NPトランジスタ19のコレクタ端子は抵抗20を介し
て電力供給兼クロック信号線L1を通してポンプ搭載側
制御機器4の入力フィルタ12とダイオード14を経由
してコンデンサ13に接続されている。同時に電力供給
兼クロック信号線L1はポンプ搭載側制御機器4の内部
においてダイオード14の上流側で分岐し、シリアル通
信インターフェース10に接続されている。ポンプ搭載
側制御機器4において電源用コンデンサ13はダイオー
ド15を介してOTPROM7に接続されるとともに、
シリアル通信インターフェース10と接続されている。
そして、CPU9はトランジスタ19をオン/オフ動作
させて電力供給兼クロック信号線L1を通してポンプ搭
載側制御機器4にLレベル(グランド電位)とHレベル
(Vcc電位;5ボルト)のパルス信号を送出する。この
パルス信号は入力フィルタ12を通してノイズを除去し
た後、シリアル通信インターフェース10に送られる。
同信号はシリアル通信インターフェース10にとっては
クロック信号となる。又、電力供給兼クロック信号線L
1によるパルス信号は、OTPROM7とシリアル通信
インターフェース10にとっては電源となる。つまり、
電源用コンデンサ13により電力が蓄えられ、OTPR
OM7とシリアル通信インターフェース10に電力の供
給が行われる。
【0027】又、ポンプ搭載側制御機器4のシリアル通
信インターフェース10は通信バッファ11とシリアル
通信線L2とポンプ非搭載側制御機器5内の通信バッフ
ァ21を経由してCPU9と接続されている。さらに、
グランド線L3はポンプ非搭載側制御機器5側のグラン
ド電位と、ポンプ搭載側制御機器4のグランド電位を直
接接続し双方の動作基準電位としている。
【0028】通常の制御中におけるデータ通信時は、こ
れら3本の線L1,L2,L3のみを接続することによ
り、ポンプ搭載側制御機器4内の書き込み可能なOTP
ROM7に予め書き込まれている補正データをポンプ非
搭載側制御機器5に送信することが可能である。又、書
き込み用電圧供給線L4がポンプ搭載側制御機器4の端
子として設けられているが、この端子はポンプ搭載側制
御機器4内の書き込み可能なOTPROM7に工場から
の出荷時あるいは出荷後においてデータの書き込みまた
は書換え時にのみ使用される。つまり、図1に一点鎖線
で示すデータ入力ツール25をL1〜L4につなぐとと
もに書き込み用電圧供給線L4に書き込み電圧を印加し
データ入力する。本例では、書き込みデータの入力信号
線はシリアル通信線L2を用いたが、別途書き込み時の
み使用する入力信号線を独立に設けてもよい。
【0029】通信の際には、ポンプ非搭載側制御機器5
から出力されるクロック信号に同期し、ポンプ搭載側制
御機器4内のOTPROM7からシリアル通信インター
フェース10と通信バッファ11を経由してシリアル通
信線L2に補正データが順次1ビットずつ出力される、
いわゆるクロック同期式通信が行われる。このとき、電
源およびクロック信号が供給されている限りシリアル通
信インターフェース10はOTPROM7のデータを繰
り返し送るようになっている。又、通信バッファ11に
より信号レベル変換またはインピーダンス変換が行われ
る。
【0030】ポンプ非搭載側制御機器5のアクチュエー
タ駆動回路22とディーゼル用燃料噴射ポンプ1の噴射
量制御用アクチュエータ2とが駆動線26にて接続され
るとともに、アクチュエータ駆動回路22と噴射時期制
御用アクチュエータ3とが駆動線27にて接続されてい
る。
【0031】ポンプ非搭載側制御機器5のCPU9は各
種センサ信号によりROM6に記憶されたエンジン機種
毎の適合データ(ポンプの機差がないとしたときのデー
タ)を用いた演算を行い、その演算結果を基にエンジン
の運転状態に応じて要求される燃料噴射量、燃料噴射時
期となるようアクチュエータ駆動回路22を介して噴射
量制御用アクチュエータ駆動信号SG1と噴射時期制御
用アクチュエータ駆動信号SG2を出力する。この駆動
信号SG1,SG2により噴射量制御用アクチュエータ
2および噴射時期制御用アクチュエータ3が駆動され
る。
【0032】燃料噴射演算に関し、より詳しくは、図2
(CPU9における燃料噴射量算出処理のデータフロー
チャート)に示すように、基本噴射量演算部30はアク
セル開度、エンジン回転数により基本噴射量Qaを算出
する。一方、基本最大噴射量演算部31はエンジン回転
数と吸気圧により基本最大噴射量Qbを算出し、さら
に、補正演算部32は吸気温による補正係数K1と水温
による補正係数K2とによる基本最大噴射量Qbの補正
を行い補正後基本最大噴射量Qb’(=Qb・K1・K
2)を算出する。そして、セレクタ33は基本噴射量Q
aと補正後基本最大噴射量Qb’のうちの小さい方を選
択し、加算部34はその最小値に対し、アクセル開度に
よる加速補正を行う。
【0033】一方、機差補正演算部35はポンプ搭載側
制御機器4によりシリアル通信データとして受信した補
正データと、エンジン回転数と、基本噴射量演算部30
による基本噴射量Qaとから機差バラツキ補正値ΔQを
演算する。そして、加減算部36は加算部34の出力値
に対し機差補正演算部35からの機差バラツキ補正量Δ
Qを加算または減算して噴射ポンプ毎の機差バラツキに
応じた補正を行う。さらに、加減算部37は、加減算部
36の出力値に対し各種補正値を加減算した後、最終噴
射量として演算結果を出力する。
【0034】このように、ポンプ搭載側制御機器4によ
りシリアル通信データとして受信した特性バラツキ補正
データによる噴射ポンプ毎の機差バラツキに応じた補正
を行い最終噴射量に反映させる。
【0035】尚、燃料噴射時期に関しても、方法は特に
限定しないが同様の補正を行うことができる。よって、
ディーゼル用燃料噴射ポンプ1には機械加工精度、およ
び組付精度などに起因する個体間の特性バラツキが存在
するため同じエンジンの運転状態で同じ駆動信号を出力
しても、実際の燃料噴射量、燃料噴射時期は燃料噴射ポ
ンプ機差によってバラツキが生じるが、バックアップメ
モリ8に記憶されたOTPROM7の補正データを用い
て補正を行って、特性バラツキをきめ細かく補正し、な
るべく要求値に近い燃料噴射量、燃料噴射時期としてエ
ンジンの性能向上が図られる。
【0036】以下、OTPROM7のデータ内容および
同データの通信処理について詳細に説明する。図3に
は、OTPROM7のメモリ構造を示す。
【0037】OTPROM7はメモリ構造を単純化する
ために、電源投入後外部よりクロック信号が供給される
と、このクロック信号に同期して順次データを先頭から
出力する機能しか持たせていない。ただし、全書き込み
領域の内、使用する領域は先頭から順次書き込みを行
い、余った領域を予備の領域として未書き込みのままと
しておくが、この未書き込み領域58を自動的に検出し
て、未書き込み領域の最初のデータの次には先頭データ
が引き続き出力される構成となっている。よって、クロ
ック信号を供給し続けた場合、実際にデータが書き込ま
れた領域のみのデータを繰り返し出力し続けることにな
る。
【0038】図3においては先頭から6バイトを先頭で
あることを識別するための先頭識別データ50として特
定のデータパターンの組み合わせで書き込まれている。
つまり、繰り返しデータが連続して出力されても先頭を
識別できるようにしている。
【0039】さらに、先頭識別データ50よりも下位の
領域には、識別コード51と補正データ52とを対とす
るとともに識別コード53と補正データ54,55とを
対として、任意の順序で書き込まれている。識別コード
51,53は補正データ52,54,55の項目識別お
よびデータ長識別のためのコードである。
【0040】つまり、「補正データ」はエンジン回転数
や噴射量や噴射補正量といった項目を有し、各項目にお
ける分解能と、データ範囲によって2バイトデータある
いはそれ以上のバイト数となる。即ち、「補正データ」
のバイト数は、使用ビット数をなるべく少なくしたいた
め通常は1バイトとするが、分解能を細かくし、精密に
補正したい場合には刻み幅が細かければ細かい程、同一
な補正データ範囲に対して必要なバイト数が増えること
になる。例えば、噴射補正量として、0〜256mm3
/stのデータ範囲に対し、分解能がlmm3 /stで
あれば1バイト、1/256mm3 /stであれば2バ
イト、1/256/256mm3 /stであれば3バイ
トといった具合である。このため、「識別コード」を1
バイトの「補正データ」に対する「識別コード」と、2
バイトの「補正データ」に対する「識別コード」に分
け、「識別コード」のチェックにより「識別コード」と
対をなす「補正データ」のバイト数が判別できるように
なっている。図3においては、2バイトの補正データと
して、下位1バイト(下位の8ビット)の補正データ5
4と上位1バイト(上位の8ビット)の補正データ55
とにより構成し、この補正データ(54,55)に対し
識別コード53が付与されている。
【0041】又、バックアップメモリ8においても、O
TPROM7での補正データが記憶される。図4には識
別コードと補正データとの関係(識別コードの定義)を
示す。図4において、縦列に識別コードにおける上位4
ビットの内容を、横列に識別コードにおける下位4ビッ
トの内容を表し、このマトリックス(縦横の交点)が当
該識別コードと対をなす補正データである。つまり、上
位4ビット+下位4ビットの組み合わせが「識別コー
ド」であり、マトリックス内に記述してある補正データ
がどういう意味をなす補正データであるかを示すもので
ある。例えば、「10H」という識別コードはエンジン
回転数N1という補正データであることを意味する。即
ち、識別コード「10H」を受信したら、それに引き続
き得られる補正データはエンジン回転数N1である。
【0042】ここで、識別コードにおける上位4ビット
の領域を0H〜7Hと8H〜FHの2つの領域に分け、
0H〜7Hを1バイトデータに対応する識別コードの領
域、8H〜FHを2バイトデータに対応する識別コード
の領域としている。これにより、識別コードにおける最
上位ビットが「0」か「1」か判定するだけで容易に補
正データのバイト数を識別することができる。例えば、
前述のエンジン回転数N1は識別コードが「10H」で
あり最上位ビットが「0」であるために1バイトデータ
であることが分かる。同様の考え方を用いて識別コード
の上位ビット領域を細分化すれば「補正データ」のバイ
ト数を任意に決定することが可能となる。
【0043】尚、図4の識別コードにおいて「00H」
は予約コードとして使用を禁止し、このコードにより、
データ書き換え時に上書き(詳細は後記する)を実施し
た後の「00H」データを識別できるようにしている。
又、図4の識別コードにおいて「FFH」は予約コード
として使用を禁止し、このコードは未書き込みの初期状
態が「FFH」であり、初期状態データを識別できるよ
うにしている。
【0044】図3の説明に戻り、一連の補正データの書
き込み領域よりも下位のバイトに、ブロックチェックキ
ャラクタBCCの識別コード56(本実施形態では7F
H)が書き込まれ、その下位のバイトに、全データの信
頼性を確保するためのBCC値57が書き込まれてい
る。つまり、図4の識別コードにおいて「7FH」はB
BC値の識別コードとして他の補正データの識別コード
としての使用を禁止している。
【0045】このようなOTPROM7のメモリ構造に
おいて図1のデータ入力ツール25を用いて補正データ
の一部を書き換える際の処理を説明する。つまり、一旦
書き込まれたデータを、出荷後、OTPROM7そのも
のの再利用あるいは燃料噴射ポンプの部品交換、修理な
どによって補正すべき特性が変化した場合、後から一部
データを書き換える方法について説明する。
【0046】図3に示した状態から、まず、任意の不要
データ(「識別コード」+「補正データ」)を上書きに
より「00H」とする。そして、値が変化するBCC値
を変更するためブロックチェックキャラクタBCC値を
示す識別コード(本実施形態では「7FH」)、それに
引き続きBCC値を全て「00H」とする。さらに、変
更したいデータ(「識別コード」+「補正データ」)を
末書き込み領域58の先頭に新たに書き込み、それに引
き続き新たに計算し直されたBCC値を識別コード「7
FH」とともに書き込む。
【0047】このようにして図3の末書き込み領域58
が書き換えられたこととなる。その結果、書き換え後の
OTPROM7の読み出し時には、途中で「00H」デ
ータが存在すると予め「00H」は「識別コード」とし
て存在しない旨のルールが設けられているため、不要デ
ータとして読み飛ばされることとなる。書き換えられた
データは順序が入れ替わって後から読み出されることに
なるが、全く問題とならない。こうして、未書き込みの
予備領域58が存在する限り、OTPROM7において
もデータの変更が可能となる。
【0048】ここで、図5に示すガバナパターンを用い
て、図4に示す識別コードと実際のガバナパターン上の
補正ポイントの対応関係を説明する。ガバナパターンと
は、アクセル開度をパラメータとし、各エンジン回転数
における要求噴射量をパターン図として表したものであ
る。即ち、燃料噴射ポンプの噴射量特性をそのまま表す
図であり、このガバナパターン上の各点で個々の噴射ポ
ンプの特性バラツキを補正し、マスターの特性に合わせ
るための補正データが必要となってくる。この際、補正
ポイントの決め方としては、特性として特に重要なポイ
ント、例えば、始動時噴射量制御点、アイドル点、トル
ク点など重要な運転条件としている。
【0049】前述の通り、識別コードは対応する補正デ
ータのバイト数を示すため、上位4ビットにより0H〜
7Hは1バイトエリア、8H〜FHを2バイトエリアと
して領域を分けているが、図5において、エンジン回転
数方向の補正ポイントN1(10H)、N2(11
H)、N3(12H)および各エンジン回転数の補正ポ
イント上に対応させた噴射量の補正ポイント[Q1L
(20H)、Q1H(30H)]、[Q2L(21
H)、Q2H(31H)]、[Q3L(22H)、Q3
H(32H)]を持たせている。ただし、()内は対応
する識別コードである。このエンジン回転数と噴射量の
各データは、識別コードの上位4ビットが1H〜3Hで
あるため1バイトデータである。
【0050】以上の合計6ポイント(エンジン回転数方
向での補正ポイント数3×噴射量方向での補正ポイント
数2=6ポイント)に対して、それぞれのポイントでの
噴射補正量としてそれぞれA1L(80H)、A1H
(90H)、A2L(81H)、A2H(91H)、A
3L(82H)、A3H(92H)を持たせている。た
だし、()内は対応する識別コードである。この噴射補
正量の各データは、識別コードの上位4ビットが8H〜
9Hであるため2バイトデータである。
【0051】この場合のバイトサイズの考え方として
は、補正ポイントを指し示すエンジン回転数と噴射量は
特に分解能を細かくしなくても表現できる値であり、噴
射補正量そのもののデータは、精密に補正する必要があ
るため分解能を細かくし2バイトデータとしている。
又、各エンジン回転数の補正ポイント毎に2点の噴射量
の補正ポイントを持たせたのは、2点間での直線補間演
算を可能とするためである。従って、逆に、噴射量方向
のポイントを先に決めて、各噴射量の補正ポイント毎に
それぞれ2点のエンジン回転数補正ポイントを持たせる
ようにしてもよい。
【0052】図5から分かるように、例えばアイドル回
転数が変更となって、アイドル点であったN1がN1’
に変更となった場合にも、識別コード10Hと対となっ
ている補正データN1をN1’とするだけでよい。
【0053】次に、OTPROM7のデータを、ポンプ
非搭載側機器5のバックアップメモリ8に転送する処理
を説明する。図6は、ポンプ非搭載側機器5のCPU9
が実行する通信処理内容を示すフローチャートである。
通信開始条件は、イグニッションキースイッチ23のオ
ンに伴うイニシャル処理において、(1)補正データの
受信が完了していない場合、(2)バックアップメモリ
8に記憶されているデータのブロックチェックキャラク
タ(BBC値)によるチェックを行った結果、異常であ
ると判定された場合、である。
【0054】まず、図1のCPU9はデータの先頭を識
別するための先頭識別データ(図3参照)を検出する
と、ステップ100で1データすなわち「識別コード」
を読み込み、ステップ101でこれが「00H」である
かどうかをチェックする。CPU9は「00H」の場合
には、「00H」はデータ書き換えのための上書きデー
タを区別するための識別コードとして禁止されているの
で、ステップ102に移行して次の1データを読み飛ば
すべくステップ100に戻る。CPU9はステップ10
1において「00H」以外の識別コードであると判断し
た場合には、ステップ103に移行して終了コードすな
わちブロックチェックキャラクタBCC値を意味する識
別コード「7FH」かどうかのチェックを行い、「7F
H」であれば、ステップ104で次の1データをBCC
値として読み込み、処理を終了する。
【0055】CPU9はステップ103において「7F
H」でないと、ステップ105に移行して図4に示した
識別コード表よりその内容を検索する。そして、もしど
の「識別コード」とも合致しないと、CPU9はステッ
プ106で未定義コードと判断し未定義コードエラー処
理を実行する。
【0056】CPU9はステップ105においてコード
の検索を行った結果、ある識別コードと一致した場合に
はステップ107に移行してその識別コードの最上位ビ
ットが「0」(1バイト領域)であるか「1」(2バイ
ト領域)であるかを判断する。その結果、「0」であれ
ば、CPU9はステップ108に移行して次の1データ
を補正データとして読み込み、ステップ109でその1
データを識別コードから判断される指定アドレスの通信
用RAMに格納する。
【0057】一方、CPU9はステップ107において
チェックの結果、「1」の場合には、ステップ110に
移行して次の2データを補正データとして読み込み、ス
テップ111でその2データを識別コードから判断され
る指定アドレスの通信用RAMに格納する。
【0058】又、CPU9はステップ109あるいはス
テップ111の処理後、次のデータを識別コードとして
読み込むためステップ100に戻る。データ受信終了後
において、ステップ104にて取り込んだBCC値を用
いて最終フレームの受信完了時に通信エラーのチェック
が行われ、正常であれば受信完了処理が行われる。この
受信完了処理において、前述の通信用RAMに格納した
データを順次バックアップメモリ8に格納するととも
に、以降の補正演算を許可し、さらに、クロック信号の
出力を終了させる。
【0059】尚、1フレームの受信完了毎に通信エラー
検出処理を行い正常であれば、データの格納を行うよう
にしてもよい。図6の説明を終え、前述したようにポン
プ搭載側制御機器4側(シリアル通信インターフェース
10)において図3の未書き込み領域58を自動的に検
出して書き込み領域での最終データの次には先頭データ
を引き続きポンプ非搭載側制御機器5側に出力するが、
その詳細を以下に説明する。
【0060】図7は、データ通信の際のOTPROM7
からのデータ出力状態を示す説明図である。図7に示す
ように、1つのデータの集まりを1フレームと称し、1
フレームはスタートビットの1ビット、データビットの
8ビット、パリティビットの1ビット、ストップビット
の1ビットの合計11ビットから構成されている。書き
込みされた有効データは、スタートビットが常に
「0」、ストップビットが常に「1」であり、データが
書き込み値に応じて「0」または「1」となる。又、パ
リティビットはデータ8ビット中の「1」の数に応じて
「0」または「1」となる。例えば偶数パリティの場合
はデータ8ビット中の「1」の数が偶数であれば
「0」、奇数であれば「1」となる。又、有効データは
常に先頭アドレスから順次詰めて書き込まれているもの
とする。
【0061】又、未書き込み領域においてはOTPRO
M7の初期状態では全てのビットが「1」であることか
ら未書き込み領域での1フレームの11ビット全てが
「1」となる。
【0062】図8には、シリアルデータ出力に際し関連
する各信号のタイミングチャートを示す。この図8を用
いて、シリアルデータ出力がどのようなタイミングで順
次出力されるかの動作を説明する。
【0063】クロック同期シリアル通信方式において、
HレベルとLレベルの繰り返し信号であるクロック信号
の供給により、その有効エッジ(LレベルからHレベル
への立ち上がりエッジ)に同期してシリアルデータが1
ビットずつ出力される。シリアルデータ出力では有効な
1フレームデータの出力に先立ちアイドルデータ(全て
「1」の8ビットデータ)を送る。このアイドルデータ
は、有効データ同士の間隔を一定時間確保し、データを
受信する側の処理を確実に行うためのものである。この
アイドルデータに引き続きアドレスmの有効データ1フ
レーム(11ビット)が出力される。即ち、アドレス0
のスタートビット(START)、データビット0(D
0)、データビット1(D1)、データビット2(D
2)…と順次出力されデータビット7(D7)、パリテ
ィビット(P)、ストップビット(STOP;「1」固
定)まで出力される。尚、データビット0(D0)〜デ
ータビット7(D7)においてLSBを先頭にして出力
される。その後、フレーム同士の間隔をあけるためアイ
ドルデータとして「1」を合計8ビット分出力する。そ
の後、同様にアドレス1のスタートビット(STAR
T)、データビット0(D0)、データビット1(D
1)、データビット2(D2)…と順次出力されデータ
ビット7(D7)、パリティビット(P)、ストップビ
ット(STOP)まで出力される。
【0064】このようにデータ1フレーム(11ビッ
ト)が順次出力されているときにおいて、アドレスカウ
ンタは、11ビット目のストップビットが確定した時
点、すなわちクロック信号のLレベルからHレベルへの
立ち上がりエッジに同期してストップビット「1」が出
力され、その後、HレベルからLレベルに立ち下がった
時点(図8のt1にて示すタイミング)でカウント値が
1インクリメントされ、m+1となる。これに引き続き
アイドルデータ「1」が8ビット出力される。
【0065】図8においてはアドレスmまで有効データ
が書き込まれており、アドレス(m+1)以降の領域が
未書き込み領域、即ち、全ビットが「1」となってい
る。アドレスm+1のデータ1フレーム(11ビット)
は未書き込み領域であるため全て「1」であり、そのた
めアドレスカウンタは11ビット目のストップビットが
確定した時点、すなわちクロック信号のLレベルからH
レベルに立ち上がりエッジに同期してストップビット
「1」が出力され、その後、HレベルからLレベルに立
ち下がった時点(図8のt2にて示すタイミング)でリ
セットされカウント値が「0」となる。従って、これ以
降クロック信号を入力し続けた場合、再び、アイドルデ
ータに引き続きアドレス0のシリアルデータ出力が得ら
れる。
【0066】このように、図7で説明したように未書き
込み領域では1フレームの11ビット全てが「1」であ
ることから、データ読み出し時に1フレームの11ビッ
ト全てが「1」であることを検出すると、アドレスカウ
ンタをリセットし、未書き込み領域の「1」データを無
意味に読み出すことなく、書き込み領域のみを読み出す
ようになっている。
【0067】図9には、OTPROM7を含めたシリア
ル通信インターフェース8の構成例を示す。クロック信
号がアドレスカウンタ40を介してロウデコーダ41及
びカラムデコーダ42に供給される。ロウデコーダ41
は11ビットのワードデータ選択のためのものであり、
カラムデコーダ42はビット位置選択のためのものであ
る。つまり、クロック信号の入力パルス数に対応してO
PTROM(記憶素子)7のどのアドレスのフレーム
(ワード)かを、ロウデコーダ41が選択し、選択され
たフレームの11ビットのうち、現在どのビット出力か
を、カラムデコーダ42が選択する。
【0068】これによって得られた1ビットずつの情報
をセンスアンプ43を経由してシリアルデータ出力とし
て順次1ビットずつ出力する。このシリアルデータ出力
信号は、同時に1ビット→11ビットのシリアルパラレ
ル変換回路44により再び11ビットのパラレルデータ
に変換される。この11ビットデータが全て「1」かど
うかをデコード回路45でチェックする。
【0069】シリアルデータ出力が全て「1」であった
場合、デコード回路45はアドレスカウンタ40に対す
るリセット信号を発生する。アドレスカウンタ40のカ
ウント値はこのリセット信号により「0」にリセットさ
れ、再びロウデコーダ41によりアドレス0のデータが
選択されることになる。
【0070】尚、図9を用いた説明においては、有効デ
ータと有効データの間に挿入されるアイドルデータ(8
ビット分の「1」)出力については、省略している。
又、アドレスカウンタ40は、電源オフでもリセットさ
れる構成となっており、初回の電源投入時には、過去の
動作状態には関わらず必ずアドレス0から始まるように
なっている。
【0071】このように、シリアル通信インターフェー
ス8はOTPROM7の先頭アドレスから、未書き込み
領域(全てのビットデータが「1」で表される識別コー
ドおよび補正データを記憶している領域)のアドレスの
一つ手前のアドレスまで、順次送信する。又、シリアル
通信インターフェース8は前述したように書き換えの際
の上書きにより「00H」とされた領域(ビットデータ
が全て「0」で表される識別コードおよび補正データを
記憶している領域)のアドレスは飛び越し処理する。
【0072】このように本実施の形態のデータ処理装置
は、下記の特徴を有する。 (イ)図1のCPU9は、ROM6に記憶された制御デ
ータと、OTPROM7からバックアップメモリ7に転
送された補正データとに基づき所定の演算を行うが、こ
のときの補正データは項目(エンジン回転数、噴射量、
噴射補正量)により1バイトデータと2バイトデータが
混在しデータ長が異なるが、OTPROM7は、図3に
示すように、補正データの項目識別およびデータ長識別
のための識別コードをそれら該当する補正データと対に
して持っているので、最大データ長に合わせた記憶領域
を用意する場合に比べ、記憶領域を抑えることができ
る。このようにして、補正データの記憶領域を抑えてデ
ータ長の異なる補正データを使用できる。
【0073】又、補正データには前述の識別コードが付
与されているので、任意の項目の、任意のデータ長の補
正データを作成することができるとともに、書き換えも
行うことができる。よって、項目に対する自由度を向上
させて汎用性の高いものとなる。
【0074】つまり、ポンプの機械的な加工、取付精度
に起因する特性バラツキを低減し、エンジン機種毎の要
求公差に見合った特性を満足させるべく、補正データを
記憶したメモリを燃料噴射ポンプに搭載して1対1で管
理できるようにした場合、即ち、エンジンとエンジン制
御装置(ECU;Electronic Contorol Unit )と
を一体管理するとともに、燃料噴射ポンプとポンプ搭載
側記憶装置とを一体管理する場合において、そのメモリ
は極力自由度を持たせる必要があるが、本実施形態のよ
うに補正データに識別コード(8ビット)を付与し、2
56種類の識別コードを自由に定義できるようにする
と、ポンプ搭載側で管理する場合において、補正データ
のデータ長と項目の自由度を確保することができる。 (ロ)OTPROM7とバックアップメモリ8との間の
データ転送をシリアル通信インターフェース10により
行うようにしたので、OTPROM7に記憶された補正
データを転送することによりROM6の制御データを変
更することなく容易にバックアップメモリ8のデータを
変更することが可能となり、このデータに基づいた制御
データの補正が行えるようになる。 (ハ)CPU9は図6のステップ107の処理により識
別コードにおける最上位ビットの判定にて以後送られて
くる補正データのデータ長を識別して確認されたデータ
長に相当する補正データをバックアップメモリ8に記憶
させるようにしたので、補正データよりも先に送られて
くる識別コードを判定することによりデータ長を識別す
ることができる。 (ニ)OTPROM7での未書き込み領域において全ビ
ットに「1」が残っている状態から、データ書き換えの
際には書き換え前のデータビットを全て「0」にし、未
書き込み領域に更新データを書き込み処理するようにし
た。よって、図6のステップ101の処理によりデータ
ビットが全て「0」であれば不要なデータと判断でき
る。よって、速やかな対処が可能となる(無駄なデータ
取り込み処理を回避できる)。
【0075】又、OTPROM7での未書き込み領域を
用いてデータの書き換えを行うことができ、データ更新
を自由に行うことができる。つまり、前記(イ)におい
て述べたようにエンジンとエンジン制御装置(ECU)
とを一体管理するとともに燃料噴射ポンプとポンプ搭載
側記憶装置とを一体管理する場合において、付与する識
別コードを自由に定義できるようにすると、ポンプ搭載
側での管理システムにおいて、補正データのデータ長と
項目と補正データ順序の自由度を確保できる。、即ち、
エンジン側で管理する場合においてエンジン機種毎にポ
ンプ搭載側での要求公差が異なっても対応が可能となっ
たり(ガバナパターンでの補正ポイント位置・数を変更
してアイドル点・トルク点・定格点等を変更することが
可能となったり)、各種の要求や設計変更があった場合
にポンプ搭載側記憶装置のデータ内容を容易に書き換え
することができる。 (ホ)シリアル通信インターフェース8はOTPROM
7の先頭アドレスから、全てのビットデータが「1」で
表される識別コードおよび補正データを記憶している領
域(未書き込み領域)のアドレスの一つ手前のアドレス
まで、順次送信し、ビットデータが全て「0」で表され
る識別コードおよび補正データを記憶している領域(書
き換えの際の上書きにより「00H」とされた領域)の
アドレスは飛び越し処理する。よって、先頭アドレスか
ら、全てのビットデータが「0」の領域のアドレスを除
き、全てのビットデータが「1」の領域のアドレスまで
が順次送信される。 (ヘ)ポンプ毎の補正データが記憶されたOTPROM
7を、燃料噴射ポンプ1に搭載するとともに、制御デー
タが記憶されたROM6を、燃料噴射ポンプ1を制御す
る制御装置に搭載しているので、燃料噴射ポンプ1を変
更した時にもROM6の制御データを変更することな
く、燃料噴射ポンプ毎の機差を反映した最適な制御を行
うことができる。
【0076】本実施形態の応用例を以下に述べる。図1
のOTPROM7の代わりに、EPROM、EEPRO
M、フラッシュメモリ等の他の不揮発性記憶素子を用い
てもよい。このOTPROM7に代わる複数回書き換え
可能なROMを用いた場合において、書き換え回数が所
定値(許容値)を超えたメモリセルに対し当該メモリセ
ルへのデータ書き換えの際には書き換え前のデータビッ
トを全て「0」にし、未書き込み領域に更新データを書
き込み処理するようにしてもよい。
【0077】又、図1のROM6はCPU9の外部RO
Mとしたが、CPU内蔵のROMとしてもよい。さら
に、バックアップメモリ8はCPU9の外部メモリとし
たが、CPU内蔵のメモリ、あるいはEEPROM、フ
ラッシュメモリなどの書換え可能な不揮発性メモリとし
てもよい。
【0078】又、第2の記憶手段においては初期状態が
全ビット「1」であったが、初期状態が全ビット「0」
であってもよい。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0079】第1の実施の形態においては、OTPRO
M7のデータをポンプ非搭載側機器5のバックアップメ
モリ8に転送する処理において、図6の通信処理(フロ
ーチャート)の開始条件は、イグニッションキースイッ
チ23のオンに伴うイニシャル処理において、(1)補
正データの受信が完了していない場合、(2)バックア
ップメモリ8に記憶されているデータのブロックチェッ
クキャラクタ(BBC値)によるチェックを行った結
果、異常であると判定された場合、であったが、本実施
形態ではこれを以下のようにしている。
【0080】図10には、本例におけるバックアップメ
モリ8に記憶されているデータのチェック、および通信
処理を示す。CPU9はイグニッションキースイッチ2
3がオン操作されると、まず、ステップ200でバック
アップメモリ8に記憶しているデータが正しいかどうか
をチェックする。具体的には、前回通信が正常終了した
場合、通信によって得られた補正データだけでなく、補
正データから計算にて得られた水平パリティ値、SUM
値などのブロックチェック用キャラクタ、および通信が
正常終了したことを示すキーワードなどを同時にバック
アップメモリ8に記憶しておき、それらによりチェック
する。チェックの結果、バックアップメモリ8の内容が
正しいと判断すると、CPU9はステップ202に移行
して、図6に相当する通信処理を実施する。
【0081】一方、バックアップメモリ8の内容が正し
くないと判断すると、CPU9は通信処理に先立ちステ
ップ201に移行して補正データの初期値を格納する。
このように補正データの初期値を格納することにより、
通信で正しい値が得られるまでの期間に間違った補正デ
ータを演算に使用してしまうのが防止される。CPU9
はこのステップ201の処理を行った後、ステップ20
2に移行して通信処理を実施する。
【0082】また、CPU9はステップ202において
通信処理を実施した後、ステップ203に移行する。そ
して、CPU9はステップ203において通信が正常終
了したか否か判定し、通信が何らかの異常で正常終了し
なかった場合には、ステップ205で異常処理を行う。
この異常処理は、通信のリトライ、エラーコード記憶、
ランプ点灯などを示し、かつ、この場合には補正データ
としては通信処理(ステップ302)の処理実行前まで
に格納しておいた値をそのまま演算に使用することにな
る。又、CPU9はステップ203で通信が正常終了し
たと判断すると、ステップ204にて通信によって得ら
れた補正データをバックアップメモリ8に格納し、その
後の演算に使用する。
【0083】このように本実施形態ではイグニッション
キースイッチ23がオンされると必ず1回の通信処理を
実施する構成とした。これにより、バックアップメモリ
8に記憶された補正データが上記ステップ200でのチ
ェック処理を行っても検出できない組み合わせでデータ
破壊が発生した場合にも、再度イグニッションキースイ
ッチ23がオンされた時に、再通信によりデータを復帰
させることができる。
【0084】又、何らかの異常が発生し、もし仮に今回
の通信が正常に行われなかったとしても、ステップ20
0→202→203→205の処理が行われることによ
り、バックアップメモリ8に記憶されている補正データ
が破壊されない限り、記憶されたデータを使用し続ける
ことができる。
【0085】なお、本構成例では直接バックアップメモ
リ8のデータを演算に使用する前提で説明したが、制御
に使用するメモリを通常のRAMとするとともに、この
RAMに記憶するデータを一定条件下でバックアップメ
モリ8から転送するシステムとし、このRAMに記憶し
たデータを定期的にチェックする構成としてもよい。
【0086】このように本実施形態は、下記の特徴を有
する。 (イ)バックアップメモリ8に記憶されている補正デー
タのチェックおよびデータ通信(OTPROM7からバ
ックアップメモリ8への補正データの転送)を、所定の
条件が成立した時、即ち、イグニッションキースイッチ
23がオンされ電源が供給された時に行うようにしたの
で、補正データのチェックおよびデータ通信をアクチュ
エータの制御直前の好ましいタイミングにて行うことが
できる。
【0087】本実施形態の応用例を図11に示す。図1
1に示すように、CPU9はステップ200においてバ
ックアップメモリ8に記憶しているデータが正しいかど
うかをチェックし、データが正しければ、ステップ20
1〜205を迂回し通信処理を行うことなく処理を終了
する。つまり、図10ではイグニッションキースイッチ
23のオン毎に必ず1回は通信を実施しているのに対
し、図11では、ステップ200でバックアップメモリ
8に記憶されているデータが正しいと判断された場合
は、そのデータをそのまま信用して通信処理を一切行わ
ずに処理を終了する。これにより、通信に伴うCPU9
の処理負荷が問題となる場合において通信頻度を最小限
にすることができる。又、通信により発生するノイズが
問題となる場合や通信機器が外部ノイズの影響を受けや
すい環境にある場合において通信頻度を最小限にするこ
とができる。 (第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態を、第2
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0088】図12には、本例におけるバックアップメ
モリ8に記憶されているデータのチェック、および通信
処理を示す。この処理は、制御中において一定時間経過
毎(例えば1秒毎)に起動するものである。
【0089】まず、CPU9はステップ300で現在通
信中かどうか判定し、通信中であればそのまま処理を終
了する。また、通信中でなければ、CPU9はステップ
301においてバックアップメモリ8に記憶しているデ
ータが正しいかどうかをチェックする。具体的には、図
10に示したイグニッションキースイッチ23のオンに
伴うイニシャル処理における通信処理と同様、補正デー
タから計算にて得られた水平パリティ値、SUM値など
のブロックチェック用キャラクタ、および通信が正常終
了したことを示すキーワードなどにより行う。そして、
CPU9はチェックの結果、バックアップメモリ8の内
容が正しいと判断した場合にはそのまま処理を終了す
る。又、CPU9はバックアップメモリ8の内容が正し
くないと判断した場合には、通信処理に先立ちステップ
302においてバックアップメモリ8に補正データの初
期値を格納する。これにより、通信で正しい値が得られ
るまでの期間に、間違った補正データを演算に使用して
しまうのが防止される。
【0090】ステップ302の処理を行った後、CPU
9はステップ303で図6に相当する通信処理を実施
し、さらに、ステップ304で通信が正常終了したか判
定する。そして、通信が何らかの異常で正常終了しなか
った場合には、CPU9はステップ306で異常処理を
行う。この異常処理は、通信のリトライ、エラーコード
記憶、ランプ点灯などを示し、かつ、この場合には補正
データとしては予めステップ302で格納しておいた初
期値をそのまま演算に使用することになる。又、CPU
9は正常終了と判断した場合には、ステップ305で通
信によって得られた補正データをバックアップメモリ8
に格納し、その後の演算に使用する。
【0091】このようにバックアップメモリ8に記憶さ
れている補正データのチェックおよびデータ通信を、所
定時間毎(所定の条件が成立した時)に行うようにした
ので、制御中に何らかの理由で補正データが破壊された
場合にも、これを検出し再通信を行うことにより、再び
正しい補正データが演算に使用できるようになる。 (第4の実施の形態)次に、第4の実施の形態を、第3
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0092】図13には、本例におけるバックアップメ
モリ8に記憶されているデータのチェック処理を示し、
図14には通信処理を示す。図13のデータのチェック
処理は、制御中において一定時間経過毎(例えば1秒
毎)に起動するものである。また、図14の通信処理は
所定の条件が成立した時に行うものである。
【0093】まず、CPU9は図13のステップ400
で通信中か判断し、通信中でなければステップ401に
移行してバックアップメモリ8に記憶しているデータが
正しいかどうかをチェックし、データが正しくないとス
テップ402でバックアップメモリ8に補正データの初
期値を格納する。その後、処理を終了する。
【0094】このように制御中において一定時間経過毎
にバックアップメモリ8のデータをチェックした結果、
バックアップメモリ8の内容が正しくないと判断された
時には、補正データの初期値のみ格納し、通信処理は実
施しないでそのまま処理を終了する。つまり、制御中は
通常エンジン(車両)の運転中であるため、その運転状
態によっては通信にて発生するノイズの外部機器への影
響あるいは外部機器からのノイズによる通信への影響が
問題となる場合、通信に伴うCPUの処理負荷が問題と
なる場合等があるため、とりあえず初期値のみ格納して
おく。
【0095】一方、CPU9は図14のステップ500
で通信条件が成立したかを判定し、成立するとステップ
501で通信処理を行う。その後、CPU9はステップ
502で通信が正常に終了したか判定し、正常終了でな
ければステップ504で異常処理を行い、正常終了であ
ればステップ503でバックアップメモリ8に通信によ
って得られたデータを格納する。
【0096】ここで、ステップ500での通信開始のた
めの条件について言及すると、例えば、(i)キースイッ
チの操作位置としてエンジン停止で、かつ制御系に電力
が供給されている場合、(ii)エンジンのアイドリング
時、(iii)イグニッションキースイッチ23のオフ後の
電源投入継続期間中、といった条件が考えられる。具体
的には、CPU9はエンジン回転数をモニタしており
「0」rpmとなると、前述の(i)の状態であると判断
して通信を行う。又、CPU9はエンジン回転数をモニ
タして600〜700rpmとなると前述の(ii)のエン
ジンのアイドリング時と判断して通信を行う。このアイ
ドリング時にはCPU9の演算負荷が軽い。
【0097】さらに、前述の(iii)の例としては図15
に示すようにディレイ機能(タイマー)の付いた装置に
適用できる。図15において、CPU9には、ポンプ非
搭載側制御機器5の電源供給を行うリレー回路70のコ
イル70aが接続され、リレー回路70の接点70bは
バッテリ24と電源回路18との間に介在されている。
又、CPU9には吸気バルブ71が接続され、吸気バル
ブ71はディーゼルエンジンの吸気管に設けられるもの
である。そして、CPU9は図16に示すようにイグニ
ッションキースイッチ23がオフ操作されたことを検知
すると、所定時間T(例えば、約2秒程度)が経過した
後においてリレー回路70のコイル70aの通電を終了
し接点70bを開路してバッテリ24から電源回路18
への電力供給を終了する。一方、CPU9は前述のイグ
ニッションキースイッチ23のオフ後の所定時間Tにお
いて吸気バルブ71を閉じる。このようにエンジン停止
の際に吸気バルブ71を閉じることによりエンジンが振
動するといった不具合を解消してスムースにエンジンの
停止動作が行われる。この種のエンジンにおいてイグニ
ッションキースイッチ23のオフ後の所定時間Tに図1
4のステップ501にて通信処理が行われる。
【0098】このようにしてイグニッションキースイッ
チ23のオフ後の電源投入継続期間中に通信が実施され
る。この(iii)の場合には車載機器が停止しており、通
信を行う上での当該機器からのノイズの影響、および通
信により発生するノイズの車載機器への影響を無くすこ
とができる。又、CPU9の演算負荷も軽いときに通信
が行われる。
【0099】このように本実施形態では、通信開始タイ
ミングを最適化して、通信にて発生するノイズの外部機
器への影響を無くしたり、外部機器からのノイズによる
通信への影響を無くしたり、CPU9の処理負荷の軽減
化を図ることができる。
【0100】本実施形態の応用例としては、図10のよ
うにイグニッションキースイッチ23のオンにてステッ
プ200でデータチェックをし、ステップ201で初期
値を格納した後に一旦処理を終了し、所定の通信条件が
成立した時(図14のステップ500での条件成立時に
相当)にステップ202の通信処理を開始するようにし
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料噴射ポンプの制御装置の全体構成図。
【図2】 燃料噴射量算出までの処理を示したデータフ
ローチャート。
【図3】 OTPROMのメモリ構成図。
【図4】 識別コードの定義表を示す図。
【図5】 補正ポイントをガバナパターンに表現した説
明図。
【図6】 補正データの通信処理を示すフローチャー
ト。
【図7】 データ通信状態の説明図。
【図8】 シリアルデータ出力に際し関連する各信号の
タイミングチャート。
【図9】 OTPROMを含めたシリアル通信インター
フェースの構成図。
【図10】 第2の実施形態を説明するためのフローチ
ャート。
【図11】 第2の実施形態の応用例を説明するための
フローチャート。
【図12】 第3の実施形態を説明するためのフローチ
ャート。
【図13】 第4の実施形態を説明するためのフローチ
ャート。
【図14】 第4の実施形態を説明するためのフローチ
ャート。
【図15】 第4の実施形態を説明するためのタイムチ
ャート。
【図16】 第4の実施形態を説明するためのタイムチ
ャート。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、6…第1の記憶手段としてのRO
M、7…第2の記憶手段としてのOTPROM、8…第
3の記憶手段としてのバックアップメモリ、9…演算手
段および受信手段としてのCPU、10…シリアル通信
手段および送信手段としてのシリアル通信インターフェ
ース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 卓哉 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 北村 哲康 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本となる制御データが記憶された第1
    の記憶手段と、 前記基本となる制御データに対する補正データが記憶さ
    れた第2の記憶手段と、 これら第1及び第2の記憶手段に記憶されたデータに基
    づき所定の演算を行う演算手段とを備え、 前記補正データは、項目によりデータ長が異なるもので
    あり、 前記第2の記憶手段は、前記補正データの項目識別およ
    びデータ長識別のための識別コードをそれら該当する補
    正データと対にして持っていることを特徴とするデータ
    処理装置。
  2. 【請求項2】 基本となる制御データが記憶された第1
    の記憶手段と、 前記第1の記憶手段とは物理的に離間し、前記基本とな
    る制御データに対する補正データが記憶された第2の記
    憶手段と、 補正データが前記第2の記憶手段から転送され、前記第
    2の記憶手段に記憶されている補正データが記憶される
    第3の記憶手段と、 前記第1及び第3の記憶手段に記憶されたデータに基づ
    き所定の演算を行う演算手段とを備え、 前記補正データは、項目によりデータ長が異なるもので
    あり、 前記第2の記憶手段は、前記補正データの項目識別およ
    びデータ長識別のための識別コードをそれら該当する補
    正データと対にして持っていることを特徴とするデータ
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の記憶手段と第3の記憶手段と
    の間のデータ転送はシリアル通信手段により行われ、識
    別コードにおける上位ビットの判定にて以後送られてく
    る補正データのデータ長を識別する受信手段を備え、該
    受信手段により確認されたデータ長に相当する補正デー
    タを第3の記憶手段に記憶することを特徴とする請求項
    2に記載のデータ処理装置。
  4. 【請求項4】 第2の記憶手段は初期状態が全ビット
    「1」である書き換え可能なROMであり、データ書き
    換えの際には書き換え前のデータビットを全て「0」に
    し、未書き込み領域に更新データを書き込み処理するよ
    うにした請求項2に記載のデータ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の記憶手段の先頭アドレスか
    ら、全てのビットデータが「1」で表される識別コード
    および補正データを記憶している領域のアドレスの一つ
    手前のアドレスまでは、順次送信し、ビットデータが全
    て「0」で表される識別コードおよび補正データを記憶
    している領域のアドレスは飛び越し処理する送信手段を
    備えたことを特徴とする請求項4に記載のデータ処理装
    置。
  6. 【請求項6】 第2の記憶手段は、ディーゼルエンジン
    に燃料を供給する燃料噴射ポンプに搭載され、 前記第1と第3の記憶手段は、前記燃料噴射ポンプを制
    御する制御装置に搭載されるものであり、 第2の記憶手段に記憶されるデータは、前記燃料噴射ポ
    ンプ毎の機差のデータである請求項2に記載のデータ処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の記憶手段は、ディーゼルエン
    ジンに燃料を供給する燃料噴射ポンプに搭載され、 前記第1の記憶手段は、前記燃料噴射ポンプを制御する
    制御装置に搭載されるものであり、 第1の記憶手段に記憶されるデータは、前記燃料噴射ポ
    ンプを制御するための制御データであって、前記第2の
    記憶手段に記憶されるデータは、前記燃料噴射ポンプ毎
    のデータである請求項1に記載のデータ処理装置。
  8. 【請求項8】 前記制御装置に搭載され、前記第2の記
    憶手段に記憶される補正データが記憶される第3の記憶
    手段と、 前記第2の記憶手段と前記第3の記憶手段記憶との間の
    データ転送を行うシリアル通信手段と、 前記シリアル通信による識別コードにおける上位ビット
    の判定にて以後送られてくる補正データのデータ長を識
    別する受信手段とを備え、 前記演算手段は前記第1の記憶手段に記憶された制御デ
    ータ及び第3の記憶手段に記憶された補正データとに基
    づき所定の演算を行い、前記受信手段は認識されたデー
    タ長に相当する補正データを第3の記憶手段に記憶する
    ことを特徴とする請求項7に記載のデータ処理装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の記憶手段は、前記燃料噴射ポ
    ンプのガバナパターンでの複数のポイントにおける補正
    データおよび当該補正データに対応する識別コードを記
    憶しており、 前記受信手段は、前記識別コードの上位ビットと下位ビ
    ットの組み合わせにより前記補正データのデータ長およ
    び項目を判別することを特徴とする請求項6又は7に記
    載のデータ処理装置。
  10. 【請求項10】 所定条件が成立した時に、前記第2の
    記憶手段から第3の記憶手段への補正データ転送、また
    は第3の記憶手段の受信データのチェックの少なくとも
    いずれかを行わせるようにしたことを特徴とする請求項
    2に記載のデータ処理装置。
  11. 【請求項11】 所定条件が成立した時とは、電源が供
    給された時である請求項10に記載のデータ処理装置。
  12. 【請求項12】 所定条件が成立した時とは、一定時間
    毎である請求項10に記載のデータ処理装置。
  13. 【請求項13】 所定条件が成立した時とは、演算負荷
    が軽い時である請求項10に記載のデータ処理装置。
JP21520097A 1996-11-27 1997-08-08 データ処理装置 Pending JPH10213002A (ja)

Priority Applications (4)

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JP21520097A JPH10213002A (ja) 1996-11-27 1997-08-08 データ処理装置
ES97120733T ES2218630T3 (es) 1996-11-27 1997-11-26 Dispositivo de procesamiento de datos.
EP97120733A EP0845588B1 (en) 1996-11-27 1997-11-26 Data processing device
DE1997628237 DE69728237T2 (de) 1996-11-27 1997-11-26 Datenverarbeitungsvorrichtung

Applications Claiming Priority (3)

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JP8-316619 1996-11-27
JP31661996 1996-11-27
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EP0845588A3 (en) 1999-12-08
EP0845588A2 (en) 1998-06-03
DE69728237D1 (de) 2004-04-29
DE69728237T2 (de) 2005-02-24
ES2218630T3 (es) 2004-11-16

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