JPH10212470A - 金属イオン捕捉剤及びそれを用いた金属イオンの分離方法 - Google Patents

金属イオン捕捉剤及びそれを用いた金属イオンの分離方法

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JPH10212470A
JPH10212470A JP9028419A JP2841997A JPH10212470A JP H10212470 A JPH10212470 A JP H10212470A JP 9028419 A JP9028419 A JP 9028419A JP 2841997 A JP2841997 A JP 2841997A JP H10212470 A JPH10212470 A JP H10212470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液からの分離が容易な金属イオン捕捉剤及
びそれを用いた金属イオンの分離方法を提供する。 【解決手段】 磁性を有する多孔質物質に金属イオン捕
捉性有機化合物を固定化させてなる金属イオン捕捉剤。
金属イオンを含む溶液中から金属イオンを分離する方法
において、該溶液中に前記金属イオン捕捉剤を添加し、
該溶液中に含まれる金属イオンを該金属イオン捕捉剤に
捕捉する工程と、該金属イオンを捕捉した金属イオン捕
捉剤を磁力により溶液から分離する工程からなることを
特徴とする金属イオンの分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属イオン捕捉剤
及びそれを用いた金属イオンの分離方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】スルホン酸基やカルボキシル基を含有す
るイオン交換樹脂の粉末を溶液中に添加し、溶液中に含
まれている金属イオンを捕捉し、分離する方法は知られ
ている。この方法において、そのイオン交換樹脂の粒径
の小さい程その捕捉効率は向上する。しかしながら、こ
の場合、金属イオン捕捉後において、溶液からそのイオ
ン交換樹脂粉末を濾過法や沈殿法等の固液分離法により
分離する際に、その分離に大きな困難が伴うようにな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶液からの
分離が容易な金属イオン捕捉剤及びそれを用いた金属イ
オンの分離方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、磁性を有する多孔質
物質に金属イオン捕捉性有機化合物を固定化させてなる
金属イオン捕捉剤が提供される。さらに、本発明によれ
ば、金属イオンを含む溶液中から金属イオンを分離する
方法において、該溶液中に前記金属イオン捕捉剤を添加
し、該溶液中に含まれる金属イオンを該金属イオン捕捉
剤に捕捉する工程と、該金属イオンを捕捉した金属イオ
ン捕捉剤を磁力により溶液から分離する工程からなるこ
とを特徴とする金属イオンの分離方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の金属イオン捕捉剤は、磁
性を有する多孔質物質に対し、金属イオン捕捉性有機化
合物を固定化させたものである。磁性を有する多孔質物
質には、多孔質物質自体が磁性体である多孔質磁性体
と、多孔質物質に磁性物質を担持させたものとが包含さ
れる。多孔質磁性体としては、磁性酸化鉄や、マグネタ
イト、フェライト、酸化ニッケル、酸化コバルト等が挙
げられる。磁性物質を担持させた多孔質物質において、
その多孔質物質としては、従来公知の各種のもの、例え
ば、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、アルミナ、マグ
ネシア、チタニア、ゼオライト、活性炭等の無機系多孔
質物質の他、多孔質ポリマー等の有機系多孔質物質を挙
げることができる。多孔質物質の平均粒径は、0.1〜
100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは
3〜20μmである。多孔質物質の平均細孔径は、30
〜5000Å、好ましくは100〜1000Åである。
一方、その磁性物質としては、鉄、ニッケル、コバル
ト、サマリウム、イットリウム等の磁性金属の他、それ
らの磁性金属酸化物等が挙げられる。磁性物質の担持量
は、多孔質物質全体が磁気に反応するような量であれば
よく、特に制約されないが、通常は、多孔質物質に対
し、1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%であ
る。
【0006】多孔質物質に対する磁性物質の担持方法と
しては、従来公知の各種の方法を採用することができ
る。例えば、多孔質物質に対して磁性金属酸化物を担持
させる場合、エチレングリコールやクエン酸等の多官能
性含酸素化合物と、磁性金属の硝酸塩や酢酸塩等の磁性
金属塩を極性有機溶媒(エタノール、ジオキサン等)に
溶解させた溶液を多孔質物質に含浸させ、300〜50
0℃で、好ましくは不活性ガス流通下で燒成すればよ
い。この磁性物質の担持方法は、無機系多孔質物質に対
する磁性物質の担持方法として好適のもので、その詳細
は特開平6−349620号公報に記載されている。
【0007】多孔質物質に対して磁性金属を担持させる
方法としては、金属担持触媒の調製法として採用されて
いる慣用の方法を用いることができる。例えば、多孔質
物質に磁性金属の硝酸塩や酢酸塩等の金属塩を含む水溶
液や有機溶媒溶液を含浸させた後、乾燥し、次いで乾燥
物を水素還元処理して、その金属塩を金属に変換すれば
よい。この方法は、その水素還元を低温度で行うことが
できることから、無機系多孔質物質及び有機系多孔質物
質の両方に対して適用することができる。
【0008】本発明の金属イオン捕捉剤は、前記の磁性
を有する多孔質物質に対して、金属イオン捕捉能を有す
る有機化合物を固定化することによって製造することが
できる。この場合の金属イオンの捕捉能を有する有機化
合物の固定化法としては、物理的吸着法や化学的結合法
等の従来公知の各種の方法を採用することができ、特に
制約されない。金属イオン捕捉能を有する有機化合物
(以下、単に金属イオン捕捉剤とも言う)としては、金
属イオンに対して塩又は錯塩を形成する性能を有する従
来公知の各種の有機物質が用いられ、カルボキシル基、
スルホン酸基、メルカプト基、リン酸基、ホスホン酸
基、ジチオカルバミン酸基等の酸基を含有する有機化合
物や、アミノ基、イミノ基、エーテル基、ケトン基等の
ヘテロ原子を含有する基を有する有機化合物が包含され
る。このようなものとしては、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシ
エチルイミノ二酢酸、trans−1,2−ジアミノシ
クロヘキサン−N、N、N´、N´−四酢酸、エチレン
ジエチルトリアミン−N、N、N´、N''、N'''−五
酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒ
ドロキシエチルグリシン等のポリアミノカルボン酸;エ
チレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ニ
トリロトリス(メチレンホスホン酸)等のポリアミノリ
ン酸;クエン酸等のオキシカルボン酸;縮合リン酸;エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン等のポリアミン;12−クラウン−4、ベン
ゾ−12−クラウン−4、ジシクロヘキシル−12−ク
ラウン−4、n−オクチル−12−クラウン−4等の環
状ポリエーテル;クリプタンド〔2.1〕、クリプタン
ド〔2.2〕等の環状ポリエーテルアミン;クリプタン
ド〔2.2.1〕、クリプタンド〔2.2.2〕等の双
環状ポリエーテルアミン、1,4,7,10,13,1
6−ヘキサアザシクロオクタデカン、8−アザアデニン
等の環状ポリアミン;ポレエチレングリコール、ポリエ
チレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレ
ングリコール等の非環状ポリエーテルの他、アセチルア
セトン、グリシン、アルキルスルホン酸エステル、シク
ロデキストリン等が挙げられる。
【0009】金属イオン捕捉剤を磁性を有する多孔性物
質に固定化する方法としては、金属イオン捕捉剤をその
多孔性物質に吸着又は含浸させる方法や、その多孔性物
質に反応により結合させる方法等が挙げられる。金属イ
オン捕捉剤を反応によりその多孔性物質に結合させる方
法としては、その多孔性物質に存在する反応基(例え
ば、水酸基等)に対して、金属イオン捕捉剤を反応させ
る方法や、その多孔性物質にあらかじめスペーサー化合
物、例えば、反応性基を有するシランカップリング剤を
反応させた後、そのシランカップリング剤の反応性基に
金属イオン捕捉剤を反応させる方法等がある。
【0010】磁性を有する多孔性物質に金属イオン捕捉
剤を好ましく結合させる1つの方法として、多孔性物質
に反応性基を有するシランカップリング剤をあらかじめ
結合させた後、そのシランカップリング剤の反応性基に
金属イオン捕捉剤を反応結合させる方法を挙げることが
できる。この場合、シランカップリング剤における反応
性基としては、ハロゲン、アミノ基、水酸基、エポキシ
基等が挙げられる。金属イオン捕捉剤としては、これら
の反応性基と反応し得る官能基を有するものが用いられ
る。例えば、シランカップリング剤としてアミノ基を有
するもの、例えば、アミノプロピルトリエトキシシラン
を用いる場合について詳述すると、このものを先ず磁性
を有する多孔性物質に結合させ、次に、そのアミノ基と
反応し得る金属イオン捕捉剤前駆体、例えば、EDTA
二無水物を反応させた後、アルカリ処理する。これによ
り、その多孔性物質に金属イオン捕捉剤を強固に結合さ
せることができる。この場合の反応を式で示すと以下の
通りである。
【化1】 (前記式中、Xは水素又はアルカリ金属を示す)
【0011】前記シランカップリング剤の代わりに、他
の2官能性化合物を用いることができる。このような化
合物としては、例えば、一方の端部に多孔性物質の表面
に結合し得る官能基を有し、他方の端部にアミノ基を有
する化合物が挙げられる。
【0012】磁性を有する多孔性物質に金属イオン捕捉
剤を好ましく結合させる他の方法として、金属イオン捕
捉基を含有するシランカップリング剤をその多孔性物質
に反応結合させる方法を挙げることができる。この場
合、シランカップリング剤が金属イオン捕捉基を有する
場合には、そのシランカップリング剤を金属イオン捕捉
剤としてそのまま用いることができるが、金属イオン捕
捉基を有しない場合には、そのシランカップリング剤
に、金属イオン捕捉剤又は捕捉基を結合させる。
【0013】本発明の金属イオン捕捉剤は、溶液中に溶
解する各種金属イオンと反応し、これを捕捉する機能を
有する。金属イオン捕捉剤に捕捉される金属イオンの種
類は、その金属イオン捕捉剤の種類にもよるが、一般的
には特に制約されない。このような金属イオンの具体例
を示すと、例えば、Na、K、Li、Cu、Ag、Au
等のI族金属のイオン、Mg、Ca、Sr、Zn、C
d、Hg等のII族金属のイオン、AI、Ga、In、
TI、Sc、Y等のIII族金属のイオン、Ge、S
n、Pb、Ti、Zr、Hf等のIV族金属のイオン、
As、Sb、Bi、V、Nb、Ta等のV族金属のイオ
ン、Se、Te、Cr、Mo、W等のVI族金属のイオ
ン、At、Mn、Tc、Re等のVII族金属のイオ
ン、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt等のVIII族金属のイオンを挙げることがで
きる。
【0014】本発明の金属イオン捕捉剤を用いて溶液中
の金属イオンの分離を行うには、金属イオンを含む溶液
に対して金属イオン捕捉剤を添加混合し、溶液中に含ま
れる金属イオンをその金属イオン捕捉剤と反応させる。
その反応後においては、反応生成物から、それに含まれ
る金属イオン捕捉剤を磁力により分離する。このための
方法としては、反応生成物を磁場帯域に導入した後、金
属イオン捕捉剤を磁場帯域に吸引保持させた状態で、そ
の反応生成物を磁場帯域から排出する方法や、反応器内
の反応生成物にその器壁を介して磁場を印加し、反応器
内壁に金属イオン捕捉剤を吸引させた状態で反応生成物
を反応器から排出させる方法等が挙げられる。
【0015】本発明の金属イオン捕捉剤の再生は、酸性
水溶液、キレート溶液等の再生液を用いて行うことがで
き、再生した後において、磁力により、再生液から容易
に分離することができる。再生液からの方法としては、
金属イオンを捕捉した金属イオン捕捉剤を磁場帯域に導
入した後、その金属イオン捕捉剤を磁場帯域に吸引保持
させた状態において、再生液を磁場帯域から排出する方
法や、再生器内の再生液にその器壁を介して磁場を印加
し、器壁に金属イオン捕捉剤を吸引させた状態で再生液
を再生器から排出させる方法等が挙げられる。このよう
にして、再び金属イオンと反応性を有する金属イオン捕
捉剤を得ることができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0017】参考例1 微小球形シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製 Su
per Micro Bead Silica Gel 150A-10;平均粒径:
10μm;比表面積:173m2/g;細孔容積:1.
21ml/g;平均細孔径:16.2nm;呼称細孔
径:150A)0.5gをキャップ付き試験管にとり、
これに1M−クエン酸・1水和物エタノール溶液3ml
を加え、超音波洗浄器中で30分間超音波をかけた。遠
心分離器で10分間遠心分離した後、上澄みのクエン酸
エタノール溶液を除去し、乾燥器中にて60℃で一夜乾
燥した。このシリカゲルは元素分析の結果、14.46
wt%の炭素含有量(クエン酸として2.01mmol
/g)であった。次にこのクエン酸含有シリカゲル1M
−硝酸鉄九水和物エタノール溶液3mlを加え、10分
間超音波をかけた。遠心分離器で10分間遠心分離した
後、上澄みの硝酸鉄エタノール光分析の結果、10.8
5wt%の鉄含有量であった。このシリカゲルをアルミ
ナ製ポートにとり、400℃に加熱した石英管中で窒素
を送りながら1時間熱処理した。この酸化鉄担持シリカ
ゲルはVSM装置(玉川製作所製 TM-VSM1550HGC型)で
その磁化を測定した結果、15KOeで6.95emu
/gの飽和磁化を示した。
【0018】参考例2 微小球形シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製 Su
per Micro Bead Silica Gel 300A-10;平均粒径:1
0μm;比表面積:101m2/g;細孔容積:1.1
4ml/g;平均細孔径:34.2nm;呼称細孔径:
300A)を用いる以外は参考例1と同様の方法でクエ
ン酸及び硝酸鉄で処理し(クエン酸含有量:11.97
wt%C、1.66mmol/g;鉄含有量:10.9
0wt%)、そして熱処理した。得られた酸化鉄担持シ
リカゲルは、その磁化を測定した結果、15KOeで
7.58emu/gの飽和磁化を示し、その磁化曲線は
湾曲し、強磁性体であることが確認された。
【0019】参考例3 微小球形シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製 Su
per Micro BeadSilica Gel 500A-10;平均粒径:10
μm;比表面積:65m2/g;細孔容積:1.00m
l/g;平均細孔径:48.3nm;呼称細孔系:50
0A)を用いる以外は参考例1と同様の方法でクエン酸
及び硝酸鉄で処理し(クエン酸含有量:14.46wt
%C、2.01mmol/g;鉄含有量:11.13w
t%)、そして熱処理した。得られた酸化鉄担持シリカ
ゲルは、その磁化を測定した結果、15KOeで8.4
6emu/gの磁化を示し、その磁化曲線は湾曲し、強
磁性体であることが確認された。
【0020】参考例4 微小球形シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製 Su
per Micro Bead Silica Gel 800A-10;平均粒径:1
0μm;比表面積:36m2/g;細孔容積:0.83
ml/g;平均細孔径:82.1nm;呼称細孔径:8
00A)を用いる以外は参考例1と同様の方法でクエン
酸及び硝酸鉄で処理し(クエン酸含有量:14.31w
t%C、1.99mmol/g;鉄含有量:8.63w
t%)、そして熱処理した。得られた酸化鉄担持シリカ
ゲルは、その磁化を測定した結果、15KOeで7.5
3emu/gの飽和磁化を示し、その磁化曲線は湾曲
し、強磁性体であることが確認された。
【0021】実施例1 参考例1で調製した呼称細孔径150Aの磁性多孔質体
0.5gを還流冷却器付平底フラスコに取り、これに1
0wt%アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン
溶液20mlを加え、マグネチックスターラーで撹拌し
ながら還流下で2時間加熱し、アミノプロピル基を導入
した。反応後、磁性多孔質体を含む懸濁液をガラスフィ
ルターに移し、真空下で未反応物質のトルエン溶液を除
去し、ベンゼン各30mlで3回及びジクロロメタン各
30mlで3回洗浄し、真空乾燥器中にて室温で一夜乾
燥した。次に、このものを還流冷却器付平底フラスコに
取り、これにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二無
水物1mmol(0.256g)を加え、更にピリジン
30mlを加えてマグネチックスターラーで撹拌しなが
ら還流下で2時間加熱し、EDTA無水物基を導入し
た。反応後、このものを含む懸濁液をガラスフィルター
に移し、真空下で未反応のEDTA二無水物を除去し、
アセトン各30mlで3回洗浄し、真空乾燥器中にて室
温で一夜乾燥した。このものをビーカーに取り、0.5
M−炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、マグネ
チックスターラーを用いて室温で1時間撹拌した。この
ものを0.02M−炭酸水素ナトリウム水溶液各50m
lで2回、イオン交換水各50mlで3回、及びアセト
ン各50mlで2回洗浄し、真空乾燥器中にて室温で一
夜乾燥した。このようにして、磁性を有する金属イオン
捕捉剤を得た。このものは元素分析の結果、0.306
mmol/gの量のEDTAが結合されていた。
【0022】実施例2 磁性多孔質体として参考例2からの呼称細孔径300A
のもの0.5gを用いる以外は実施例1と同様にして、
金属イオン捕捉剤を得た。このものは、元素分析の結
果、0.197mmol/gの量のEDTAが結合され
ていた。
【0023】実施例3 磁性多孔質体として参考例3からの呼称細孔径500A
のもの0.5gを用いる以外は実施例1と同様にして、
金属イオン捕捉剤を得た。このものは、元素分析の結
果、0.174mmol/gの量のEDTAが結合され
ていた。
【0024】実施例4 磁性多孔質体として参考例4からの呼称細孔径800A
のもの0.5gを用いる以外は実施例1と同様にして、
金属イオン捕捉剤を得た。このものは、元素分析の結
果、0.096mmol/gの量のEDTAが結合され
ていた。
【0025】実施例5 実施例1で得た金属イオン捕捉剤50mgを、金属イオ
ンとしてカドミウムイオンを10ppm含む水溶液25
ml中に投入し、撹拌しながら室温で2時間放置した。
次に、その溶液中に含まれている金属イオン捕捉剤をマ
グネットに吸着させて分離し、その残液中のカドミウム
イオンを測定して、金属イオン除去率を調べたところ、
その金属イオン除去率は98.4%であった。次に、前
記で分離した金属イオン捕捉剤を、0.1M/Lの塩酸
又は0.1M/LのEDTA・2Na水溶液中に投入
し、その金属イオン捕捉剤に捕捉されたカドミウムイオ
ンを溶出させた。この塩酸又はEDTA・2Na水溶液
中の金属イオン捕捉剤をマグネットにより分離した。
【0026】実施例6 実施例5において、カドミウムイオンを含む水溶液の代
りに、銅イオン、ガリウムイオン又は鉛イオンを含む水
溶液を用いた以外は同様にして実験を行った。この場合
にも、97%以上の金属除去率が得られた。
【0027】実施例7 実施例5において、金属イオン捕捉剤として実施例2又
は3に示したものを用いた以外は同様にして実験を行っ
た。これらの場合にも97%以上の金属除去率が得られ
た。
【0028】実施例8 実施例6において、金属イオン捕捉剤として実施例2又
は3に示したものを用いた以外は同様にして実験を行っ
た。これらの場合にも97%以上の金属除去率が得られ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明の金属イオン捕捉剤は、微粉末で
あっても、その液体中からの分離が容易で、磁力により
容易に分離することができる。また、本発明の金属イオ
ン捕捉剤を用いる溶液中からの金属イオンの分離方法
は、液中からのその金属イオン捕捉剤の分離が容易であ
ることから、容易に実施することができる。本発明の金
属イオン捕捉剤は、金属イオンを含む各種の溶液、例え
ば、工場排水等からそれに含まれる金属イオンを作業性
よく捕捉分離することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性を有する多孔質物質に金属イオン捕
    捉性有機化合物を固定化させてなる金属イオン捕捉剤。
  2. 【請求項2】 該多孔質物質が、シリカゲルである請求
    項1の金属イオン捕捉剤。
  3. 【請求項3】 該金属イオン捕捉性有機化合物が、エチ
    レンジアミン四酢酸又はその塩である請求項2の金属イ
    オン捕捉剤。
  4. 【請求項4】 金属イオンを含む溶液中から金属イオン
    を分離する方法において、該溶液中に請求項1〜3のい
    ずれかの金属イオン捕捉剤を添加し、該溶液中に含まれ
    る金属イオンを該金属イオン捕捉剤に捕捉する工程と、
    該金属イオンを捕捉した金属イオン捕捉剤を磁力により
    溶液から分離する工程からなることを特徴とする金属イ
    オンの分離方法。
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