JPH10209465A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH10209465A
JPH10209465A JP2207797A JP2207797A JPH10209465A JP H10209465 A JPH10209465 A JP H10209465A JP 2207797 A JP2207797 A JP 2207797A JP 2207797 A JP2207797 A JP 2207797A JP H10209465 A JPH10209465 A JP H10209465A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
Hisashi Otani
久 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路特性に合わせて設計されたTFTを用い
た半導体装置およびその作製方法を提供する。 【解決手段】 発明の第1の構成として、特異な結晶構
造体で構成なる結晶シリコン膜を用いてTFTを作製す
る。この結晶構造体は棒状または偏平棒状結晶が互いに
平行に方向性をもって成長した構造を有している。ま
た、第2の発明の構成として、TFTのチャネル長に応
じて横成長領域の成長距離を異なるものとする。これに
より1つの横成長領域内に形成されるTFTの特性をで
きるだけ均一化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本明細書で開示する発明は、
絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜トランジスタ
(TFT)で構成される半導体装置およびその作製方法
に関する。その様な半導体装置にはIC、LSI、電気
光学装置などが含まれ、特に電気光学装置に本発明を適
用することは有効である。
【0002】
【従来の技術】近年、非晶質シリコン薄膜(アモルファ
スシリコン膜:a−Si膜))を利用したTFTに代わ
って多結晶シリコン薄膜(ポリシリコン膜:p−Si
膜)を利用したTFTで構成される半導体装置の研究が
進んでいる。特に、半導体装置を基板上に集積化したア
クティブマトリクス型表示装置の開発研究が目覚まし
く、これはPCモニター、ビデオカメラ、プロジェクシ
ョン等の表示装置としての需要が高まったことによる。
【0003】その様なアクティブマトリクス型表示装置
としては米国特許第5250931号(Misawa et al.
)に開示される内容が知られている。ところが、最近
ではさらに付加価値が求められ、従来外付けICに頼っ
ていたロジック回路(表示コントロール回路や演算回路
などの信号処理回路)を、TFTでもって同一基板上に
搭載するSOP(システム・オン・パネル)構想が提案
されている。
【0004】また、従来のICやVLSIそのものをT
FTで作製する研究も進められている。なぜならばTF
Tは絶縁基板上に形成されるため寄生容量が極めて小さ
い特徴を有し、単結晶シリコン上の形成したFETより
も高速動作性に有利と言えるからである。
【0005】しかしながら、その構想を実現しうるTF
Tを形成する技術は未だに確立されていない。その理由
は、現在利用されているポリシリコン膜(いわゆる高温
ポリシリコン膜および低温ポリシリコン膜を含む)で
は、高周波駆動を必要とする回路を構成するだけの性能
を有するTFTを得ることが困難だからである。
【0006】TFTの動作速度の向上はTFTサイズを
小さくすることで一応の対処はできるが、チャネル長
(またはゲイト長)の縮小は短チャネル効果を招き、ド
レイン耐圧の低下等の不具合が生じる。従って、従来の
シリコン薄膜を用いたTFTの場合、スケーリング則に
よる動作速度の向上にも限界がきており、信頼性の問題
からこれ以上動作速度を上げることは困難である。ま
た、シリコン薄膜には結晶粒と結晶粒界(グレインバン
ダリ)が不規則に存在し、結晶粒界がTFT特性に大き
く影響してバラツキを生じるといった問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な問
題点を克服し、絶縁表面を有する基板上に形成されたT
FTで構成した半導体装置およびその作製方法を提供す
ることを課題とする。特に、TFTで構成するロジック
回路を搭載し、機能的にシステム化された電気光学装置
(本明細書中ではシステムディスプレイと呼ぶ)および
その作製方法を提供することを課題とする。
【0008】なお、半導体装置とは半導体を利用して機
能する装置全般を指し、広義的にはIGFET、TF
T、IC、電気光学装置およびそれらの応用製品などは
全て半導体装置の範疇に含まれているものとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の構成は、画素マトリクス回路、ドライバー回路および
ロジック回路とを同一基板上に配置して構成される電気
光学装置において、前記画素マトリクス回路、ドライバ
ー回路およびロジック回路は、結晶シリコン膜を活性層
とし、かつ、サブスレッショルド係数が60〜100mV/deca
deである複数のTFTを含み、それぞれの前記回路に含
まれる前記複数のTFTのチャネル形成領域は、回路が
要求する特性に応じて異なる成長距離を有する横成長領
域からなることを特徴とする。
【0010】また、他の発明の構成は、画素マトリクス
回路、ドライバー回路およびロジック回路とを同一基板
上に配置して構成される電気光学装置において、前記画
素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジック回路
は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブスレッシ
ョルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTFTを含
み、それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTの
チャネル形成領域は、回路が要求する特性に応じて異な
る成長距離を有する横成長領域からなり、前記ロジック
回路および/またはドライバー回路を構成するTFTの
チャネル形成領域となる横成長領域の成長距離は、前記
画素マトリクス回路を構成するTFTのチャネル形成領
域となる横成長領域の成長距離よりも短いことを特徴と
する。
【0011】また、他の発明の構成は、画素マトリクス
回路、ドライバー回路およびロジック回路とを同一基板
上に配置して構成される電気光学装置において、前記画
素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジック回路
は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブスレッシ
ョルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTFTを含
み、それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTの
チャネル形成領域は、回路が要求する特性に応じて異な
る成長距離を有する横成長領域からなり、前記複数のT
FTのチャネル長と前記横成長領域の成長距離との間に
は相関関係があることを特徴とする。
【0012】また、他の発明の構成は、画素マトリクス
回路、ドライバー回路およびロジック回路とを同一基板
上に配置して構成される半導体装置において、前記画素
マトリクス回路、ドライバー回路およびロジック回路
は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブスレッシ
ョルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTFTを含
み、それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTの
少なくともチャネル形成領域はストライプ状の複数の結
晶領域からなり、前記ストライプ状の複数の結晶領域の
内部において隣あった結晶領域の境界の全てまたは実質
的に全てにおいて、前記複数の結晶領域の各原子同士が
格子欠陥を形成せずに連続して配設されていることを特
徴とする。
【0013】また、他の発明の構成は、絶縁表面を有す
る基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、前記非
晶質シリコン膜に対して選択的にシリコン膜の結晶化を
助長する触媒元素を添加する工程と、加熱処理により前
記触媒元素の添加領域を起点として前記非晶質シリコン
膜を結晶化させ、結晶シリコン膜でなる横成長領域を形
成する工程と、少なくともチャネル形成領域が前記横成
長領域のみで構成される活性層を形成する工程と、前記
活性層上に酸化珪素膜を形成する工程と、ハロゲン元素
を含む雰囲気中で加熱処理し、前記活性層中の前記触媒
元素の除去と前記活性層の熱酸化とを行う工程と、を少
なくとも有する電気光学装置の作製方法において、前記
触媒元素を添加する工程はイオン注入法またはプラズマ
ドーピング法により行われ、同一基板上の少なくとも1
ヶ所は他の添加領域とは異なる濃度で触媒元素を添加す
ることを特徴とする。
【0014】また、他の発明の構成は、絶縁表面を有す
る基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、前記非
晶質シリコン膜に対して選択的にシリコン膜の結晶化を
助長する触媒元素を添加する工程と、加熱処理により前
記触媒元素の添加領域を起点として前記非晶質シリコン
膜を結晶化させ、結晶シリコン膜でなる横成長領域を形
成する工程と、少なくともチャネル形成領域が前記横成
長領域のみで構成される活性層を形成する工程と、前記
活性層上に酸化珪素膜を形成する工程と、ハロゲン元素
を含む雰囲気中で加熱処理し、前記活性層中の前記触媒
元素の除去と前記活性層の熱酸化とを行う工程と、を少
なくとも有する電気光学装置の作製方法において、前記
触媒元素を添加する工程はイオン注入法またはプラズマ
ドーピング法により、同一基板上に前記活性層のチャネ
ル長に応じて異なる濃度で前記触媒元素を添加すること
を特徴とする。
【0015】
【実施例1】図1に示すのは、本発明による半導体装置
の一実施例であり、システムディスプレイのブロック図
である。本発明のシステムディスプレイは基板101上
に画素マトリクス回路102、ソース線ドライバー回路
103、ゲイト線ドライバー回路104およびロジック
回路105を一体形成して構成される。なお、本実施例
ではアクティブマトリクス型液晶表示装置を例とする。
【0016】なお、本実施例に示す回路構成は単に一実
施例を示すものであり、回路構成をこれに限定するもの
ではない。本発明の要点は、同一基板上にロジック回路
105を搭載していることであり、上記画素マトリクス
回路102、ソース線ドライバー回路103、ゲイト線
ドライバー回路104、ロジック回路105といった各
種回路の構成は回路設計の必要に応じて決定すれば良
い。
【0017】図1において、ソース線ドライバー回路1
03は主としてシフトレジスタ、レベルシフタ、バッフ
ァ、ラッチ回路等で構成され、ゲイト線ドライバー回路
104は主としてシフトレジスタ、マルチプレクサ、レ
ベルシフタ、バッファ等で構成されている。勿論、シフ
トレジスタを同一機能を有する回路、例えばカウンタ及
びデコーダで代用する構成としても構わない。また、図
1はデジタル対応の回路構成を示しているが、アナログ
対応ならばソース線ドライバー回路103にはサンプル
ホールド回路などが含まれる。
【0018】なお、これらソース線ドライバー回路10
3、ゲイト線ドライバー回路104に含まれる各種回路
は、Nチャネル型TFTとPチャネル型TFTとを相補
的に組み合わせたCMOS構造でなるインバータ回路を
基本単位として構成される。勿論、片極性の回路でも良
いが、低消費電力の観点からCMOS構造によるスタテ
ィック型又はダイナミック型回路が適している。
【0019】また、画素マトリクス回路102は、ソー
ス線ドライバー回路103に接続される複数のソース線
106、107及びゲイト線ドライバー回路104に接
続される複数のゲイト線108、109とで囲まれた複
数の画素領域110がマトリクス状に配置されて構成さ
れる。
【0020】そして、複数の画素領域110は画素TF
T111、液晶セル112、補助容量113を含んで構
成されている。なお、図示されていないが、液晶セル1
12は画素電極および対向電極とその間に挟持された液
晶とで構成される。
【0021】次に、ロジック回路105は、ソース線ド
ライバー回路103及びゲイト線ドライバー回路104
を駆動するためのスタートパルスやクロック信号等の処
理、画素マトリクス回路102に画像を表示させるため
のビデオ信号の処理等の様に、画像表示を行うに必要な
信号処理を行うために必要な回路全般を指す。
【0022】図1に示す実施例においてロジック回路1
05は、位相比較器114、LPF(Low Pass Filter
)115、VCO(電圧制御型発振器)116、分周
器117、ソース線ドライバー用(水平走査用)発振器
118、ゲイト線ドライバー用(垂直走査用)発振器1
19、D/Aコンバータ(デジタル・アナログ変換器)
120を含んで構成される。
【0023】なお、本発明者らはここで図示されない他
のロジック回路、例えばイメージセンサやCCDから送
られてくる信号の入出力を行うI/Oポート、アンプ系
回路(差動アンプ、オペアンプ、コンパレーター等)、
A/Dコンバータ、データを格納するメモリ(RAMや
ROM)、究極的には演算回路までもモノシリックに搭
載し、CPU(中央演算処理装置)としての機能を備え
たシステムディスプレイをも実現しうると考えている。
【0024】また、121はデジタル階調信号に応じた
アナログ信号の入力端子、122はデジタル階調信号を
選択するためのビット信号の入力端子、123は水平走
査用同期信号の入力端子、124は垂直走査用同期信号
の入力端子である。勿論、これらのアナログ信号、ビッ
ト信号、同期信号を形成する発振回路をも基板上に組み
込んでしまえば入力端子は必要なくなる。
【0025】この様なシステムディスプレイは絶縁表面
を有する基板上にTFTでもって作製するため、従来の
単結晶シリコン上に作製したFETよりも寄生容量が小
さいという利点がある。この事はTFTの動作速度を速
める上で好ましい。また、シリコン薄膜を用いた島状半
導体層を活性層とするため、素子間分離が容易であり、
活性層へ添加するリンやボロンの濃度制御が簡便であ
る。
【0026】〔発明の第1の構成について〕図1に示す
システムディスプレイを実現するためには、本発明者ら
が発明した特異な結晶構造体でなる結晶シリコン膜を利
用したTFTを用いることが必要不可欠である。そこ
で、以下にその特異な結晶構造体の特徴およびそれを用
いて構成されるTFTの特徴について説明する。
【0027】(特異な結晶構造体の特徴)図8に特異な
結晶構造体でなる結晶シリコン膜を25万倍に拡大した
TEM写真を示す。図8に示す様に、本発明者らの発明
した結晶シリコン膜は以下に示す様な特徴を有してい
る。 (1)結晶格子の構造がほぼ特定方向に連続的に連なっ
ている。 (2)細い棒状(または柱状)結晶或いは細い偏平棒状
結晶に成長している。 (3)複数の棒状または偏平棒状結晶は互いに平行また
はほぼ平行に、かつ、方向性をもって成長している。
【0028】図8に示す写真を見ると、例えば左下から
右上への斜め方向に0.15μm程度の幅の細い棒状結晶が
延びており、両幅端縁には明確な境界(結晶粒界)が確
認できる(写真に見られる線状等の濃淡は結晶面の向き
の違いによる)。また、複数の棒状結晶が互いに概略平
行な方向に結晶成長していることから、複数の結晶粒界
もほぼ平行に延びていることが確認できる。この結晶粒
界はキャリア(電子または正孔)にとってエネルギー障
壁となるため、キャリアは優先的に棒状結晶の内部のみ
を移動すると考えられる。
【0029】なお、後に詳細に説明するが、この結晶構
造体はハロゲン元素を含む700 ℃を超える温度での加熱
処理によって著しく結晶性が改善され、かつ、触媒元素
が問題とならない程度までゲッタリング除去されてい
る。そのため、棒状結晶の内部は結晶格子が連続的に連
なり、キャリアにとって実質的に単結晶と見なせる領域
となっていると考えられる。そのため、キャリアの移動
を妨げる不純物散乱が非常に少ないことも特徴である。
【0030】また、TFTの活性層を形成する際に、キ
ャリアの移動する方向と結晶粒界の延在する方向とを一
致させる様に設計することでキャリアの移動度は大幅に
向上する。これは、キャリアの移動方向が結晶粒界によ
って特定の一方向に規定されるため、キャリア同士の衝
突による散乱が極めて少なくなるからである。この様
に、特異な結晶構造体でなる結晶シリコン膜を活性層と
した場合、その活性層はキャリアの挙動にとって異方性
を有していると言える。
【0031】また、特異な結晶構造体の特徴として、棒
状または偏平棒状結晶同士の結晶粒界(境界)において
格子が連続的に接合されている点を挙げることができ
る。その様子を図17を用いて説明する。
【0032】図17(A)は特異な結晶構造体でなる結
晶シリコン膜において、棒状または偏平棒状結晶同士の
結晶粒界を拡大したHRTEM(High Resolution TE
M)写真である。HRTEMによる分析は結晶の格子像
観察に用いられる。本発明者らは結晶粒界における格子
像観察を行った結果、次の様な知見を得た。
【0033】図17(A)に示したHRTEM写真では
中央の上から下に向かってに見られる境界(結晶粒界)
において、互いに隣あった結晶領域が整合性よく連続的
に接合していることが確認できる。また、図17(B)
は図17(A)の構造を模式的に簡略化して表したもの
である。図17(B)に示す様に方向性の異なる格子像
が結晶粒界において衝突しているが、境界において異な
る結晶領域を構成する各原子同士が1対1に対応してい
るため、不対結合手(ダングリングボンド)の様な格子
欠陥を形成していないことを意味している。
【0034】なお、結晶シリコン膜は棒状または偏平棒
状結晶が複数集合してなるが、その全てまたは実質的に
全ての結晶粒界において図17(A)に示した様な構造
が形成されていると考えられる。ここで実質的に全てと
は、仮にシリコン原子の不対結合手が存在したとして
も、その部分は水素またはハロゲン元素によって中和
(終端)されているため格子欠陥とならないことを意味
している。
【0035】一方、参考として別の結晶構造体でなる結
晶シリコン膜(いわゆる高温ポリシリコンと呼ばれる
膜)のHRTEM写真を図17(C)に示す。また、そ
の模式図を図17(D)に示す。
【0036】図17(C)では、中央に見える結晶粒界
において左側の結晶領域の格子像と右側の結晶領域の格
子像とが無秩序に接合されていることが確認できる。即
ち、図17(D)に示す様に、各原子同士が1対1に対
応していないため、余った結合手が不対結合手170
1、1702となって存在する。そのため、結晶粒界に
はキャリアのとって多くのトラップが存在する。
【0037】以上の様に、本発明者らによる特異な結晶
構造体でなる結晶シリコン膜は従来の結晶シリコン膜と
は全く異なる接合構造を有しており、結晶粒界でありな
がらキャリアの再結合中心にはならないという特徴を持
つ。
【0038】(特異な結晶構造体を用いたTFTの特
徴)上記結晶構造体でなる結晶シリコン膜を活性層とし
て作製したTFTの電気特性を市販のトランジスタ特性
測定器(ヒューレットパッカード社製:型番4145
B)にて測定したところ、次の様な結果が得られた。 (1)TFTのスイッチング性能(オン/オフ動作の切
り換えの俊敏性)を示すパラメータであるサブスレッシ
ョルド係数が、N型TFTおよびP型TFTともに60〜
100mV/decade(代表的には60〜85mV/decade )と小さ
い。なお、このデータ値は単結晶シリコンを用いた絶縁
ゲイト型電界効果トランジスタ(IGFET)の場合と
ほぼ同等である。 (2)TFTの動作速度の速さを示すパラメータである
電界効果移動度(μFE)が、N型TFTで200 〜650cm2
/Vs (代表的には250 〜300cm2/Vs )、P型TFTで10
0 〜300cm2/Vs (代表的には150 〜200cm2/Vs )と大き
い。この事は従来のTFTよりも3倍以上の動作速度を
有していることを意味している。 (3)TFTの駆動電圧の目安となるパラメータである
しきい値電圧(Vth)が、N型TFTで-0.5〜1.5 V、
P型TFTで-1.5〜0.5 Vと小さい。この事は小さい電
源電圧で駆動して消費電力を小さくできることを意味し
ている。
【0039】以上の様に、上記結晶構造体で構成される
TFTは極めて優れたスイッチング特性および高速動作
特性を有している。また、特異な結晶構造体に起因して
短チャネル効果の影響を受けにくいという特徴がある。
その事について以下に説明する。
【0040】従来、ICの世界ではスケーリング則に従
ってデバイスサイズの縮小が行われ、回路の集積度とデ
バイス素子の特性向上が図られてきた。しかし、チャネ
ル長(チャネル形成領域のキャリアが移動する方向にお
ける距離)が1μm以下となる様なサブミクロン領域で
は短チャネル効果が顕在化し、スケーリング則による素
子特性の向上にも限界がきている。短チャネル効果に関
する詳細は「VLSIデバイスの物理;小柳光正他;丸
善;1986」に詳しい。
【0041】例えば、短チャネル効果が起こるとドレイ
ン耐圧が低下して素子の劣化が著しくなる。そのため、
チャネルドープ法などの工夫により短チャネル効果の抑
制が行われてきたが、チャネル形成領域に均一に添加さ
れた不純物がキャリアの移動を阻害し、トランジスタの
動作速度を低下させてしまっていた。
【0042】しかしながら、特異な結晶構造体で構成さ
れるTFTはチャネル長が 0.6μmと短い場合において
も、極めて高い動作速度と高いドレイン耐圧とを同時に
有し、加速試験による評価で信頼性の高いTFTである
ことが確認されている。
【0043】本発明者らは、特異な結晶構造体で構成さ
れるTFTのドレイン耐圧が高い理由として結晶粒界が
効果的に機能していると推察している。即ち、チャネル
形成領域においてチャネル長方向(ソースからドレイン
に向かってキャリアが移動する方向と定義する)とほぼ
平行に延在する結晶粒界によるエネルギー障壁が、ドレ
イン領域からの空乏層の広がりを効果的に抑制し、パン
チスルーによるドレイン耐圧の低下を効果的に抑制して
いると推測した。
【0044】即ち、従来のシリコン薄膜を用いたTFT
ならば短チャネル効果の影響が顕在化する様な状態、即
ちチャネル長が極めて小さい(0.01〜2 μm)場合にお
いても、特異な結晶構造体であるが故に空乏層の広がり
を抑制することができるので短チャネル効果を効果的に
抑制できると考えられる。
【0045】また、上述の様に人為的な工夫(チャネル
ドープ技術など)を加えることなく短チャネル効果を抑
制することができるため、チャネル形成領域として真性
または実質的に真性な半導体膜を利用できる。この事は
TFTの動作速度を高める上で最も重要な要素の一つで
ある。
【0046】なお、真性または実質的に真性であるとは
以下の条件のうち、少なくとも一つを満たすことを意味
している。 シリコン膜の活性化エネルギーがほぼ1/2 (フェル
ミレベルが禁制体のほぼ中央に位置する) である。 スピン密度よりも不純物濃度が低い領域である。 意図的に不純物を添加してないアンドープ(undop
e)またはイントリンシック(intrinsic )な領域であ
る。
【0047】また、前述の様に結晶粒界によってドレイ
ン側の空乏層の広がりが抑制されるため、TFTの空乏
層容量が大幅に減少する。ここで、前述のサブスレッシ
ョルド係数(S値)は次の近似式で表される。 ln10・kT/q[1+(Cd+Cit)/Cox] ただし、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電荷
量、Cd は空乏層容量、Citは界面準位の等価容量、C
oxはゲイト酸化膜容量である。
【0048】特異な結晶構造体で構成されるTFTが前
述の様に極めて小さいサブスレッショルド係数を有して
いる事実、および界面準位が非常に小さいという事実
(この理由は実施例で説明する)は、空乏層容量Cdが
小さいという上述の推察が正しいことを裏付けているも
のと考えられる。
【0049】以上は本発明者らが実際に得た特異な結晶
構造体でなる結晶シリコン膜と、それを用いて実際に試
作したTFTの電気特性を結びつけた推察に他ならな
い。しかしながら、実験データは事実であり、従来のシ
リコン薄膜を用いたTFTとはまるで異なる優れた性能
を有することも事実である。
【0050】(上記TFTで構成した回路の特徴)さら
に、本発明者らが上記特異な結晶構造体で構成されるT
FTを用いて作製したリングオシレータによる周波数特
性を示す。リングオシレータとはCMOS構造でなるイ
ンバータ回路を奇数段リング状に接続した回路であり、
インバータ回路1段あたりの遅延時間を求めるのに利用
される。実験に使用したリングオシレータの構成は次の
様になっている。 段数:9段 TFTのゲイト絶縁膜の膜厚:30nm及び50nm TFTのゲイト長: 0.6μm
【0051】上記リングオシレータの電源電圧5Vの時
の発振周波数をスペクトロアナライザーで測定した結果
を図9に示す。図9において、横軸は電源電圧
(VDD)、縦軸は発振周波数(fosc )である。図9が
示す様に、ゲイト絶縁膜が30nmのTFTを用いた場合に
おいて、1GHz以上の発振周波数を実現している。
【0052】図10に示すのは1.04GHzの発振周波数
を得た際のスペクトロアナライザーの出力スペクトルの
様子である。横軸は 1〜1.1 GHzまでの周波数であ
り、縦軸はログスケールでとった電圧(出力振幅)であ
る。図10に明らかな様に、 1.04 GHzのところで出
力スペクトルのピークが現れている。なお、出力スペク
トルがテールを引いているのは装置の分解能によるもの
であり、実験結果に影響するものではない。
【0053】また、実際にLSI回路のTEGの一つで
あるシフトレジスタを作製して10〜100 MHzの動作周
波数で駆動した際の出力パルスを確認し、シフトレジス
タの動作性能を調べた。図11に示すオシロスコープの
画面(上側がクロックパルス、下側が出力パルスを示
す)は、ゲイト絶縁膜の膜厚30nm、ゲイト長 0.6μm、
動作周波数100 MHz、電源電圧5V、段数50段のシ
フトレジスタ回路の出力パルスを表している。
【0054】本発明者らが確認した結果、図12に示す
様に出力パルス幅tの逆数(縦軸)と動作周波数(横
軸)とは比例関係にあり、単独で100 MHzもの高周波
駆動が可能で、かつ、出力パルスが殆どなまりのない理
想状態で得られる極めて高性能なシフトレジスタである
ことが判明した。なお、実験は多少回路構成の異なる2
種類のシフトレジスタを用いたのでそれぞれをシフトレ
ジスタ1およびシフトレジスタ2とした。
【0055】以上の様なリングシレータおよびシフトレ
ジスタの驚異的なデータは、特異な結晶構造体で構成さ
れるTFTが単結晶シリコンを利用したIGFETに匹
敵する、若しくはそれ以上の性能を有していることを示
している。
【0056】それを裏付ける証拠として次の様なデータ
がある。図13に示すデータは横軸に電源電圧
(VDD)、縦軸にF/O=1(ファンアウト比が1)の
インバータの1段当たりの遅延時間(τpd)をとったグ
ラフである(ロジックLSI技術の革新,前口賢二他,
p108,株式会社サイエンスフォーラム,1995)。図
中の様々な曲線(点線で示されるもの)は、単結晶シリ
コンを利用したFETを様々なデザインルールで作製し
た時のデータであり、いわゆるスケーリング則を示して
いる。
【0057】この図に上述のリングオシレータを用いて
得たインバータの遅延時間と電源電圧との関係を当ては
めると、図13において実線で示される曲線となる。注
目すべきはチャネル長が 0.5μm、ゲイト絶縁膜の膜厚
(tOX)が11nmのIGFETで作製したインバータよ
りも、チャネル長が 0.6μm、ゲイト絶縁膜の膜厚が3
0nmのTFTで作製したインバータの方が優れた性能を
有している点である。
【0058】この事は本発明者らが発明した特異な結晶
構造体で構成されるTFTがIGFETよりも優れた性
能を有していることを如実に示している。例えば、上記
TFTを構成するゲイト絶縁膜の膜厚をIGFETの3
倍以上としても、性能的に同等もしくはそれ以上のもの
が得られるのである。即ち、特異な結晶構造体で構成さ
れるTFTは一般的なIGFETよりも優れた絶縁耐圧
を有している。
【0059】また同時に、特異な結晶構造体で構成され
るTFTがスケーリング則に従って微細化されればさら
に高い性能を実現することが可能である。これは、前述
の様に特異な結晶構造に起因して短チャネル効果の影響
を受けにくいために可能なのであり、例えば図13に示
したリングオシレータを0.2 μmルールで作製すればス
ケーリング則によると9GHzの動作周波数を実現しう
ると予想される(動作周波数fがチャネル長Lの二乗に
反比例するため)。
【0060】また、実線で示される曲線(第1の発明の
構成を利用したインバータ)は他の点線で示される曲線
(通常のIGFETを利用したインバータ)よりも低電
圧側でスロープ(傾き)が緩やかであり、低電圧側での
特性に特に優位性を持っていると言える。
【0061】以上に示した様に、本発明者らが発明した
特異な結晶構造体で構成されるTFTは極めて優れた特
性を有し、そのTFTを用いて構成した回路は10GH
z以上の高速動作を実現しうる全く新しいデバイス素子
である。そして、以上に示してきた様なTFTを得るこ
とで、初めてロジック回路を搭載したシステムディスプ
レイの実現が可能となったのである。
【0062】〔発明の第2の構成について〕本発明者ら
は、さらにシステムディスプレイの集積度の向上および
TFT特性のバラツキの低減を図るための工夫を施して
いる。ここではその発明の構成について以下に説明する
こととする。
【0063】(触媒元素の添加方法について)上述の特
異な結晶構造体でなる結晶シリコン膜は非晶質シリコン
膜に対して結晶化を助長する金属元素を添加して形成さ
れる。本発明者らは、非晶質シリコン膜を結晶シリコン
膜に変成させるための手段として特開平8-78329 号公報
記載の技術を開示している。同公報記載の技術は、結晶
化を助長する触媒元素(ニッケル、コバルト等)を非晶
質シリコン膜に対して選択的に添加し、そこを起点とし
て基板面とほぼ平行方向に結晶化させ、その横方向の結
晶化領域(以下、横成長領域と呼ぶ)のみをTFTの活
性層として利用するものである。
【0064】なお、前述の特異な結晶構造体の構造(棒
状または偏平棒状結晶の集合体でなる構造)はこの様な
横成長領域の結晶化形態に起因するものである。従っ
て、横成長領域は棒状または偏平棒状結晶の集合体また
はストライプ状に配設された複数の結晶領域の集合体で
あると言える。
【0065】しかしながら、図1に示すシステムディス
プレイを実現する場合、同公報記載の技術をそのまま利
用したのでは触媒元素の添加領域による回路設計上の制
約が顕在化してしまう。例えば、同公報では溶液をスピ
ンコートするため添加領域の幅を少なくとも20μm以上
とする必要がある。添加領域は触媒元素が高濃度に存在
するため活性層として利用できないため、添加領域のス
ペースがそのまま回路設計上のデッドスペースとなって
しまう。
【0066】また、添加領域の幅に制約があること、
添加領域には同一濃度の触媒元素が添加されること、
により同一基板上に形成される横成長領域は全て同じ成
長距離を有し、600 ℃の熱結晶化条件では50〜150 μm
前後の横成長領域が形成されることになる。即ち、微細
な回路構成を有する領域では1つの横成長領域に複数の
TFTが形成されてしまうことになる。
【0067】この事は図1に示すシステムディスプレイ
を実現する上で大きな障害となる。基本的に高周波駆動
を行わせる必要のあるTFTやアナログ信号を取り扱う
TFTは極力特性が均一であることが望ましい。ところ
が、同一の横成長領域内であってもその位置によって結
晶性が多少異なる場合があるため、1つの横成長領域に
複数のTFTを作製するとその位置によってTFTの特
性に差異が現れてしまうのである。
【0068】以上を鑑みて、本発明者らは本発明のシス
テムディスプレイを実現する上で顕在化したこの問題点
を解決する手段として、触媒元素の添加方法をイオンプ
ランテーション法(イオン注入法)によることを提案し
ている。ここで、イオン注入法を用いて触媒元素を添加
する方法およびその利点について図2を用いて説明す
る。
【0069】図2において、201は基板(ガラス基板
または石英基板を含む)、202は酸化珪素膜でなる下
地膜、203は非晶質珪素膜、204はバッファ層とな
る酸化珪素膜である。また、205はレジストマスクで
あり、触媒元素を添加する領域のみを除去しておく。レ
ジストマスクの露光はエキシマレーザーを用いた露光法
や電子ビームを用いた露光法などを用いることが好まし
い。
【0070】これらの露光法は極めて微細なパターン形
成が可能となるので 0.01 〜1.0 μm(代表的には 0.1
〜0.35μm)のスリット幅で触媒元素の添加領域を形成
することができる。また、電子ビーム等で直接レジスト
パターンを描画すれば、添加領域の形状の自由度も大幅
に広がる。
【0071】そして、図2の左の図に示す様に、非晶質
珪素膜203中にイオンプロファイル207のピーク値
がくる様にしてイオンを添加する。そのため、非晶質珪
素膜203中には所定の濃度(好ましくは 3×1019
1.5×1021atoms/cm3 )で触媒元素が添加された領域2
06が形成される。
【0072】なお、イオンの添加方法は、質量分離を行
うイオン注入法以外に質量分離を行わないプラズマドー
ピング法(イオンドーピング等)によることもできる
が、触媒元素のみを添加できる点でイオン注入法の方が
有利である。
【0073】また、図2に示す構成ではバッファ層20
4で非晶質珪素膜203を覆い、バッファ層204を通
過した触媒元素のみを利用する。そのため、イオン注入
時のイオンの衝突によるダメージが非晶質珪素膜203
に対して直接届かないという利点が得られる。
【0074】また、イオンプロファイル207のピーク
値付近のみを利用するので、イオン注入の条件を最適化
することで触媒元素の添加量を再現性良く制御できる。
即ち、横成長領域の成長距離は添加する触媒元素の濃度
によって変化するため、イオン注入法を用いることで横
方向への成長距離を容易に制御することができる。
【0075】この事は、所望の位置に所望の広さで横成
長領域を形成することができることを意味している。即
ち、TFTサイズ(チャネル形成領域の長さ)を考慮し
て必要十分な広さの横成長領域を形成することができ
る。
【0076】(第2の構成の概要)上述の手段によれ
ば、図3(A)に示す様に、同一基板上において異なる
成長距離の横成長領域を形成することが可能となる。図
3(A)において、301は図1に示す様なシステムデ
ィスプレイの簡略図であり、302は画素マトリクス回
路、303、304はドライバー回路、305はロジッ
ク回路である。
【0077】画素マトリクス回路302を構成するTF
T(画素TFT)は高耐圧特性を要求されるため、チャ
ネル長(ゲイト長)を長くする(代表的には2〜20μ
m)などの工夫が施される。従って、306に示される
様に横成長領域の成長距離X 1 は画素TFTの活性層3
07の長さ以上とする様に設計する。この時、添加領域
308に添加される触媒元素の濃度n1 は、添加濃度と
成長量の関係を実験的に求めて調節すれば良い。
【0078】一方、ロジック回路305を構成するTF
T(ロジックTFT)は高速動作特性を要求されるた
め、チャネル長を短くする(代表的には0.25〜0.7 μ
m)などの工夫が施される。従って、309に示される
様に横成長領域の成長距離X2 はロジックTFTの活性
層310の長さに合わせて調節すれば良い。なお、この
時、添加領域311の触媒元素の濃度をn2 とする。
【0079】以上の様に、図3(A)の場合には異なる
成長距離X1 、X2 を有する横成長領域が同一基板上に
存在する。この場合、X1 >X2 である。また、成長距
離X1 、X2 を有する横成長領域はそれぞれ異なる触媒
元素濃度n1 、n2 の添加領域から成長した領域であ
る。この場合、n1 >n2 の関係がある。即ち、この構
成は添加領域に存在する触媒元素の濃度が高いほど横成
長領域の成長距離が長くなるという現象を利用したもの
である。
【0080】この様に、同一形状の添加領域であっても
そこに添加される触媒元素の濃度を調節することで所望
の幅の横成長領域を形成できる。即ち、回路が要求する
特性に応じてチャネル長を変えた場合に、チャネル長に
合わせて異なる成長距離を有する横成長領域を形成する
点が、本発明の第2の構成の要点である。
【0081】なお、チャネル長に合わせて成長距離を異
ならせるため、チャネル長と横成長領域の成長距離との
間には何らかの相関関係がある。例えば、チャネル形成
領域が完全に横成長領域内に入る様に、チャネル長(ま
たはチャネル幅)に数μmの固定マージンを加えた距離
が成長距離となる様に触媒元素濃度を調節したり、チャ
ネル長(またはチャネル幅)の2倍の距離が成長距離と
なる様に調節したりすることも考えられる。この相関関
係は成長距離の誤差や活性層形成時のパターニング精度
によって変わりうるので一概には言えないが、触媒元素
の添加濃度を決定する上で重要である。
【0082】また、発明の第2の構成の利点は、特に微
細なTFTを作製する領域において必要以上に横成長領
域を大きくしないで済む点にある。
【0083】例えば、309に示されるロジックTFT
の活性層を構成する場合、必要以上に横成長領域の幅を
長くしてしまうと、他の異なる機能を有する回路にまで
横成長領域が広がってしまい、前述の様にTFT特性の
バラツキを招く原因となる。この様にしてTFT特性の
バラツキが引き起こされると、非常に高い周波数で駆動
する回路や、差動アンプやオペアンプに様に極めてシビ
アにTFT特性の均一性を求められる構成を含む回路を
構成する場合に弊害を生じる。
【0084】ここでロジック回路の一例としてオペアン
プに本発明の第2の構成を適用した例を図4を用いて説
明する。図4(A)に示すのはTr1〜Tr8の8つの
TFTを用いて構成されるオペアンプ回路の一例であ
り、図4(B)に示す様な回路図で表される。
【0085】図4(A)において、401は前述の特異
な結晶構造体で構成される活性層であり、Tr1〜Tr
8を構成している。402は第1の配線層であり、TF
Tのゲイト絶縁膜や出力用の引き出し配線として利用し
ている(なお、図中において同じ柄の配線は全て同一の
配線層である)。また、403は第2の配線層であり、
入力端子、電源端子(VDD端子)、GND端子、バイア
ス端子とTFTとを接続している。そして、404〜4
07がイオン注入法により触媒元素が添加された領域で
ある。
【0086】この時、図4(A)(または図4(B))
に示すオペアンプはTr4およびTr8(またはTr6
およびTr7)でなる差動増幅回路を基本として構成さ
れる。差動増幅回路は温度変化や電源電圧の変化があっ
ても2つのTFTに同時に作用するため出力に影響を及
ぼさない特徴がある。しかし、そのためには2つのTF
Tの特性が揃っていることが前提となる。
【0087】そのため、例えばTr4とTr8を構成す
る活性層が触媒元素の添加領域から等しい距離の位置に
配置される様に、Tr4には添加領域405、Tr8に
は添加領域407を配置する様な工夫が施されている。
また、Tr6とTr7を構成する活性層に関しても同様
の処置が施されている。
【0088】なお、TFTで構成されるロジック回路は
高周波動作を必要とするため、ゲイト長が0.25〜0.7 μ
m程度にまで微細化される。従って、図4(A)に示す
オペアンプの回路寸法は 5〜20μm程度の大きさとな
る。
【0089】ところが、特開平8-78329 号公報記載の技
術では触媒元素の添加領域が少なくとも20μmの幅を持
つため、TFTとTFTとの隙間に添加領域を形成する
ことは不可能である。また、横成長領域が必要以上に大
きくなるため、上述の様なTFT特性を揃える様な工夫
は不可能である。即ち、この図4(A)に示す構成は、
本発明の第2の構成を用いることで成就することが可能
なのである。
【0090】また、図4(A)に示す様な微細な回路で
は横成長領域が大きくなりすぎると、周囲の横成長領域
にまで干渉するため好ましくない。本発明の第2の構成
では触媒元素の濃度を調節することで容易に横成長領域
の成長距離を制御することが可能なので、微細な配置構
成で添加領域を形成する場合においても、横成長領域の
相互干渉を最低限に抑えることができる。
【0091】勿論、画素マトリクス回路を構成する画素
TFTの様にゲイト長が長い場合には、触媒元素の添加
量を高くして横成長領域の成長距離を長くすることがで
きる。また、TFT特性のバラツキを問題としない様な
微細な回路の場合には、触媒元素の濃度を高くして広い
横成長領域を形成し、一括で複数の活性層を構成するこ
とも可能である。
【0092】
【実施例2】実施例1の図1で示した様なシステムディ
スプレイにおいて、ロジック回路105やドライバー回
路103、104を構成する回路は、Nチャネル型TF
TとP型チャネルTFTとを相補的に組み合わせたCM
OS回路(インバータ回路)を基本構成としている。そ
して、これらの駆動系回路は 0.1〜2 GHz、場合によ
っては2GHz以上の極めて高い駆動周波数を必要とす
ることがあるため、ゲイト長は0.25〜0.7 μmにまで微
細化される。
【0093】また、画素マトリクス回路102は液晶表
示装置の場合には高い耐圧特性を要求されるのでゲイト
長は 2〜20μm程度の範囲で形成される。なお、場合に
よっては実質的にTFTを直列に接続した構成のマルチ
ゲイト型TFTを用いることもある。
【0094】本実施例では、同一基板上において回路が
要求する特性に応じて異なるデバイスサイズのTFTを
配置するに際し、それぞれのデバイスサイズに対応して
異なる成長距離を有する横成長領域を形成し、その領域
を利用して特異な結晶構造体でで構成されるTFTを作
製する例を示す。ここでは一例として、同一基板上にC
MOS回路と画素TFTとを作製する場合の作製工程例
を図5〜図7を用いて説明する。
【0095】図5(A)において、501は石英基板で
ある。石英基板の代わりに表面に0.5 〜5 μmの厚さの
絶縁膜を成膜したセラミックス基板、単結晶シリコンウ
ェハーおよび多結晶シリコンウェハーを用いることもで
きる。なお、ここでいうシリコンウェハーは太陽電池に
使用される様な低級グレードのウェハーで十分であり、
石英よりも安価であるので反射型表示装置やICチップ
の様に透過性基板を用いる必要のない用途に用いる場合
に有効である。
【0096】502は非晶質シリコン膜であり、最終的
な膜厚(熱酸化後の膜減りを考慮した膜厚)が10〜75nm
(好ましくは15〜45nm)となる様に調節する。成膜は減
圧熱CVD法またはプラズマCVD法によれば良い。ま
た、503は非晶質シリコン膜502を酸化して得られ
る 5〜50nm程度の薄い酸化膜である。
【0097】次に、触媒元素の添加領域を選択するレジ
ストマスク504を形成する。レジストマスク504
は、図2に示した様に0.01〜1 μmの幅を有するコンタ
クトホールを有している。このコンタクトホールは、後
にCMOS回路を構成するTFTの活性層となる横成長
領域を形成するためのものである。
【0098】そして、非晶質シリコン膜の結晶化を助長
する触媒元素としてニッケル(Ni)をイオン注入法に
より添加する。なお、触媒元素としてはニッケル以外に
も、コバルト(Co)、鉄(Fe)、錫(Sn)、鉛
(Pb)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(C
u)、金(Au)等を用いることができる。
【0099】この時、添加領域505には、後に成長距
離X1 の横成長領域を形成できる様に濃度n1 のニッケ
ルが添加される。n1 の値は後の熱結晶化工程の条件に
よっても異なるので実施者が実験的に決定すれば良い。
(図5(A))
【0100】次に、レジストマスク504を除去した
後、再びレジストマスク506を形成する。このレジス
トマスク506は、後に画素TFTの活性層となる横成
長領域を形成するためのものである。そして、再びイオ
ン注入法によりニッケルを添加する。この時、添加領域
507には、後に成長距離X2 の横成長領域を形成でき
る様に濃度n2 のニッケルが添加される。n2 の値は前
述と同様に実施者が実験的に決定すれば良い。(図5
(B))
【0101】以上の様に、同一基板上の少なくとも1ヶ
所は他の添加領域とは異なる濃度で触媒元素が添加され
ることになる。
【0102】次に、触媒元素の添加工程が終了したら、
不活性雰囲気または水素を含む雰囲気中において 500〜
700 ℃、代表的には 550〜650 ℃の温度で 4〜8 時間の
加熱処理を加えて非晶質シリコン膜502の結晶化を行
う。結晶化は膜中のニッケル(またはニッケルシリサイ
ド)が核となって進行する。(図5(C))
【0103】非晶質シリコン膜502の結晶化はニッケ
ルを添加した添加領域505、507から優先的に進行
し、基板501と概略平行に成長した横成長領域50
8、509が形成される。前述の様に、添加領域505
はニッケル濃度をn1 とし、添加領域507はニッケル
濃度をn2 (n1 >n2 )としているので、横成長領域
508(成長距離X1 )と横成長領域509(成長距離
2 )との間にはX1 >X2 の関係がある。即ち、同一
基板上の少なくとも1ヶ所は他の横成長領域とは異なる
成長距離を有する横成長領域が形成されることになる。
【0104】本発明ではこの横成長領域508、509
のみを結晶シリコン膜として利用する。即ち、添加領域
の配置によって横成長領域を形成する位置を自由に設計
することができるため、従来のポリシリコン膜の様に結
晶粒界がTFT特性に影響する様なことがない。
【0105】結晶化のための加熱処理が終了したら、パ
ターニングを行い横成長領域のみでなる島状半導体層
(活性層)510〜512を形成する。ここで510は
CMOS回路を構成するNチャネル型TFTの活性層、
511はCMOS回路を構成するPチャネル型TFTの
活性層、512は画素TFTを構成するNチャネル型T
FTの活性層である。(図5(D))
【0106】なお、図5(D)に示す状態となっても横
成長領域508、509が存在した痕跡が幾つか残る。
例えば、添加領域505、507はシリサイド化して優
先的に消失するため添加領域の存在した直下の下地(こ
の場合は石英)には凹部が形成される。また、横成長領
域の端部(結晶化の終点)にも触媒元素が偏析するの
で、この領域にも下地に凹部が形成される。さらに、添
加領域505、507は触媒元素の添加濃度が異なるの
で、棒状または偏平棒状結晶の結晶性や形状も添加濃度
に応じて異なると考えられる。
【0107】横成長領域でなる結晶シリコン膜で構成さ
れる活性層510〜512を形成したら、活性層510
〜512上に酸化珪素膜でなるゲイト絶縁膜513を成
膜する。この時、ゲイト絶縁膜513の膜厚はCMOS
回路側(514で示される)と画素TFT側(515で
示される)とで異なるものとすることが望ましい。
【0108】なぜならば、CMOS回路は高周波駆動用
にゲイト長の短いTFTとなるのでドレイン耐圧が低い
ことを考慮して動作電圧を低くする必要がある。そのた
め、ゲイト絶縁膜の膜厚を 2nm以上80nm未満(代表的に
は50nm)としてしきい値電圧を下げ、動作電圧の低下を
図ることが好ましい。また、画素TFTは動作電圧が高
いのでゲイト絶縁膜の膜厚を80nm以上250 nm以下(代表
的には120 nm)としてドレイン耐圧を高くする工夫を施
すことが有効である。
【0109】同一基板上に異なる膜厚のゲイト絶縁膜を
形成するには、マスクを用いて選択的に積層したり、LO
COS 法の如き選択酸化法を用いて特定の活性層に熱酸化
膜を形成し、膜厚を厚くするなどの方法を用いれば良
い。また、最終的に必要とするゲイト絶縁膜の厚さが50
nm以下となる場合、後の熱酸化工程で得られる熱酸化膜
のみをゲイト絶縁膜として利用することもできる。
【0110】次に、図5(E)に示す様に触媒元素(ニ
ッケル)をゲッタリング除去するための加熱処理(触媒
元素のゲッタリングプロセス)を行う。この加熱処理は
ハロゲン元素による金属元素のゲッタリング効果を利用
するものである。
【0111】ハロゲン元素によるゲッタリング効果を十
分に得るためには、上記加熱処理を700 ℃を越える温度
で行なうことが好ましい。そのため、本実施例ではこの
加熱処理を700 ℃を超える温度で行い、好ましくは800
〜1000℃(代表的には950 ℃)とし、処理時間は 0.1〜
6時間、代表的には 0.5〜 1時間とする。
【0112】なお、ここでは酸素(O2 )雰囲気中に対
して塩化水素(HCl)を0.5 〜10体積%(本実施例で
は3体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、95
0 ℃、30分の加熱処理を行う例を示す。HCl濃度を上
記濃度以上とすると、活性層209の表面に膜厚と同程
度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
【0113】また、上述の酸化性雰囲気中に高濃度の窒
素(N2 )を混ぜた雰囲気とすることで結晶シリコン膜
の酸化速度を低下させることができる。熱酸化反応を必
要以上に進ませずにゲッタリング時間を増やす場合に有
効な手段である。
【0114】また、ハロゲン元素を含む化合物してHC
lガスを用いる例を示したが、それ以外のガスとして、
代表的にはHF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3
BCl3 、F2 、Br2 等のハロゲンを含む化合物から
選ばれた一種または複数種のものを用いることが出来
る。
【0115】この工程においては横成長領域508、5
09中に添加されたニッケルが塩素の作用によりゲッタ
リングされ、揮発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離
脱して除去されると考えられる。なお、シリコン膜上の
酸化膜503やゲッタリングプロセス中に形成される熱
酸化膜は非常に薄いので塩化ニッケルの離脱を妨げるブ
ロッキング層とはならない。
【0116】そして、この触媒元素のゲッタリングプロ
セスにより横成長領域508、509中のニッケルの濃
度は 1×1017atoms/cm3 以下(好ましくはスピン密度以
下)にまで低減される。なお、本明細書における不純物
濃度はSIMS分析で得られた計測値の最小値で定義さ
れる。なお、同様のSIMS分析により横成長領域50
8、509中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン
元素が 1×1015〜 1×1020atoms/cm3 の濃度で残存する
ことも確認されている。
【0117】また、上記加熱処理により活性層510〜
512とゲイト絶縁膜513の界面では熱酸化反応が進
行し、形成された熱酸化膜(図示せず)の分だけゲイト
絶縁膜513の全膜厚は増加する。そのため、熱酸化膜
の形成分に比例して活性層510〜512は薄膜化され
る。活性層の薄膜化はTFTのオフ電流の低減、電界効
果移動度の向上などの効果を促進する。また、その際、
活性層510〜512と加熱処理によって形成される熱
酸化膜との間に前述のハロゲン元素が高濃度に分布する
ことがSIMS分析によって確かめられている。
【0118】さらに、上記ハロゲン雰囲気における加熱
処理を施した後に、窒素雰囲気中で950 ℃ 1時間程度の
加熱処理を行なうことで、ゲイト絶縁膜513の膜質の
向上と共に、極めて良好な半導体/絶縁膜界面が実現さ
れる。
【0119】以上の様な工程を経て形成された結晶シリ
コン膜は実施例1に述べた様な特異な結晶構造体となっ
ている。即ち、実施例1に示した様な極めて優れた電気
特性を有するTFTを実現することが可能となる。
【0120】次に、0.2wt%のスカンジウムを含有したア
ルミニウム膜(図示せず)を成膜し、後のゲイト電極の
原型となる電極パターンを形成する。そして、そのパタ
ーンの表面を陽極酸化することで、ゲイト電極516〜
518、陽極酸化膜519〜521を形成する。(図6
(A))
【0121】この時、ゲイト電極516〜518の線幅
(ゲイト長)は回路が要求する特性を鑑みて決定すれば
良い。高周波駆動を要求するロジック回路等であれば0.
25〜0.7 μmとすれば良いし、高耐圧特性を要求する画
素マトリクス回路等であれば2〜20μmとすれば良い。
【0122】次に、ゲイト電極516〜518をマスク
として自己整合的にゲイト絶縁膜513のエッチングを
行う。エッチングはCHF3 ガスを用いたドライエッチ
ング法で行えば良い。この工程により、ゲイト電極の直
下のみに残存するゲイト絶縁膜522〜524が形成さ
れる。
【0123】次に、Pチャネル型TFTとなる領域を覆
ってレジストマスク525を形成した後、N型を付与す
る不純物イオンの添加を行う。不純物イオンの添加はイ
オン注入法やプラズマドーピング法によれば良い。ま
た、この時の濃度(n- で表す)は後にLDD領域の濃
度( 1×1018〜 1×1019atoms/cm3 程度)となるので、
予め最適値を実験的に求めて精密な制御を行う必要があ
る。こうして、n- 領域526〜529が形成される。
(図6(B))
【0124】n- 領域526〜529を形成したら、レ
ジストマスク525を除去して、今度はNチャネル型T
FTを覆ってレジストマスク530を形成する。そし
て、P型を付与する不純物イオンの添加を行い、p-
域531、532を形成する。このp- 領域531、5
32も後にLDD領域の濃度( 5×1018〜 5×1019atom
s/cm3 程度)となるので精密な制御を行う必要がある。
(図6(C))
【0125】以上の様にしてn- 領域526〜529、
- 領域531、532を形成したら、レジストマスク
530を除去する。そして、図示しない酸化珪素膜を
0.5〜2 μmの厚さに成膜し、エッチバック法によりサ
イドウォール533〜535を形成する。(図6
(D))
【0126】次に、再びPチャネル型TFTを覆ってレ
ジストマスク536を形成し、N型を付与する不純物イ
オンの添加工程を行う。今回は前述の添加濃度であるn
- よりも高い濃度(n+ で表す)で添加する。この濃度
はソース/ドレイン領域のシート抵抗が500 Ω以下(好
ましくは300 Ω以下)となる様に調節する。
【0127】この工程によりCMOS回路を構成するN
チャネル型TFTのソース領域537、ドレイン領域5
38が形成され、サイドウォールの影になって濃度の変
化しなかった領域539が低濃度不純物領域(特にドレ
イン領域側はLDD領域と呼ばれる)となる。また、ゲ
イト電極の直下は真性または実質的に真性なチャネル形
成領域540となる。また、同時に画素TFTとなるN
チャネル型TFTのソース領域541、ドレイン領域5
42、低濃度不純物領域543、チャネル形成領域54
4が形成される。(図6(E))
【0128】次に、レジストマスク536を除去し、N
チャネル型TFTを覆ってレジストマスク545を形成
する。そして、P型を付与する不純物イオンを1度目よ
りも高い濃度(p+ で表す)で添加することにより、C
MOS回路を構成するPチャネル型TFTのソース領域
546、ドレイン領域547、低濃度不純物領域54
8、チャネル形成領域549を形成する。(図7
(A))
【0129】以上の様にして全ての活性層が完成する。
こうして全ての不純物イオンの添加工程が終了したら、
レジストマスク545を除去した後、ファーネスアニー
ル、レーザーアニール、ランプアニール等の加熱処理に
より不純物イオンの活性化を行う。なお、活性層が受け
たイオン注入時のダメージは同時に回復される。
【0130】次に、チタン(Ti)膜550を20〜50nm
の厚さに成膜して、ランプアニールによる加熱処理を行
う。この時、チタン膜550と接触していたシリコン膜
はシリサイド化し、ソース/ドレイン領域にはチタンシ
リサイド551〜553が形成される。なお、チタンの
代わりにタングステン(W)、タンタル(Ta)、モリ
ブデン(Mo)等を用いることもできる。
【0131】シリサイド化を終えたら、チタン膜550
をパターニングしてソース/ドレイン領域上に島状パタ
ーン554〜556を形成する。この島状パターン55
4〜556は、後にソース/ドレイン領域と配線とを接
続するコンタクトホールを形成する際にチタンシリサイ
ド551〜553が無くなってしまうのを防ぐためのパ
ターンである。勿論、コンタクトホールを形成する層間
絶縁膜とチタンシリサイドとの選択比が大きければ島状
パターン554〜556を省略することは可能である。
【0132】次に、第1の層間絶縁膜557として酸化
珪素膜を 0.3〜1 μmの厚さに成膜し、コンタクトホー
ルを形成してソース配線558〜560、ドレイン配線
561、562を形成する。こうして図7(C)に示す
状態が得られる。なお、第1の層間絶縁膜557として
有機性樹脂膜を用いることもできる。
【0133】図7(C)に示す状態が得られたら、有機
性樹脂膜でなる第2の層間絶縁膜563を 0.5〜3 μm
の厚さに形成する。有機性樹脂膜としてはポリイミド、
アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド等が用いられ
る。有機性樹脂膜の利点は、成膜方法が簡単である
点、容易に膜厚を厚くできる点、比誘電率が低いの
で寄生容量を低減できる点、平坦性に優れている点な
どが挙げられる。
【0134】そして、層間絶縁膜563上の画素TFT
の上方に遮光性を有する膜でなるブラックマスク564
を 100nmの厚さに形成する。実際には画素マトリクス回
路の配線上やTFT上の様に遮光の必要性のある場所に
設ける。本実施例ではブラックマスクとしてチタン膜を
用いるが、黒色顔料を含む樹脂膜等でも良い。
【0135】ブラックマスク564を形成したら、第3
の層間絶縁膜565として再び有機性樹脂膜を 0.1〜0.
3 μmの厚さに形成する。そして、第2の層間絶縁膜5
63および第3の層間絶縁膜565にコンタクトホール
を形成し、画素電極566を120nmの厚さに形成する。
(図7(D))
【0136】なお、作製する表示装置が透過型表示装置
であれば画素電極566として透明導電膜(例えばIT
O膜)を用いれば良く、反射型表示装置であれば画素電
極566として反射性導電膜(例えばアルミニウム膜)
を用いれば良い。
【0137】また、この時ブラックマスク564と画素
電極566が重畳する領域では補助容量が形成される。
この補助容量は画素電極にかかる電圧を一定に保つため
の蓄積容量として機能する。そのため、本実施例では補
助容量を構成する絶縁体として第3の層間絶縁膜565
を用いるが、第3の層間絶縁膜565をさらに比誘電率
の高い酸化珪素膜や窒化珪素膜とすれば補助容量のキャ
パシティを増すことが可能である。
【0138】最後に、基板全体を水素雰囲気で加熱し、
素子全体の水素化を行うことで膜中(特に活性層中)の
ダングリングボンド(未結合手)を補償する。以上の工
程を経て同一基板上にCMOS回路および画素TFTを
作製することができる。
【0139】
【実施例3】本実施例では図1に示す様なシステムディ
スプレイにおいて画素マトリクス回路を構成する画素領
域の構成に関する一例を示す。まず、図14(A)に画
素領域の上面図を示す。
【0140】図14(A)において1401、1402
は活性層、1403、1404はゲイト線、1405、
1406はソース線である。実際には複数本のソース線
とゲイト配線とが直交する様に配置され、ソース線とゲ
イト線とで囲まれた複数のマトリクス状に配置された領
域が図1における画素領域110として機能する。
【0141】また、活性層1402の上方では3箇所に
おいてゲイト線1404が重畳する。即ち、本実施例の
構成では3つの画素TFTを直列に接続したのと同様の
構造となるトリプルゲイト型TFTが構成される。
【0142】また、ゲイト配線1405、1406を活
性層1401、1402よりも下層に配置して逆スタガ
型TFTの様な構造とすることも可能である。その場
合、シリコン薄膜の作製過程で行われる図5(E)の様
な加熱処理にも耐えうる様に、ゲイト電極としてはポリ
シリコン膜の様な耐熱性の高い材料を用いるのが好まし
い。
【0143】次に、1407は活性層1402(ソース
領域)とソース線1405とのコンタクト部、1408
は活性層1402(ドレイン領域)とドレイン配線14
09とのコンタクト部、1410はドレイン配線140
9と画素電極1411とのコンタクト部である。
【0144】1412の斜線で示される領域はブラック
マスクであり、活性層1401、1402、ゲイト配線
1403、1404、ソース線1405、1406上を
遮蔽する様にして形成される。また、ブラックマスク1
412は1413で示される領域においてドレイン配線
1409と重畳し、ドレイン配線1409との間に補助
容量を形成する。
【0145】また、ブラックマスク1412上には第3
の層間絶縁膜を介して画素電極1411が配置されてい
る。画素電極1411はその淵部分が必ずブラックマス
ク1412によって遮光される構成とし、ブラックマス
ク1412と重畳しない1414で示される領域が画像
を形成する画像表示領域となる。なお、実際には、画素
電極1411の上には対向基板、対向電極、液晶層が配
置されて図1に示す液晶セル112を構成する。
【0146】次に、図14(A)をA−A’で切断した
断面図を図14(B)に示す。なお、基本的なトランジ
スタ構造については実施例2で詳細な説明を行ったの
で、ここでは図14(A)との対応関係についてのみ記
載する。
【0147】図14(B)において、1415は石英基
板、1416、1417はそれぞれ図14(A)におけ
る活性層1402のソース領域およびドレイン領域であ
る。また、1418はゲイト電極であり、図14(A)
におけるゲイト配線1404の相当する。なお、図面上
では3つのゲイト電極が並んでいる様に見えるが、実際
には図14(A)の様に同一配線で構成されている。
【0148】次に、第1の層間絶縁膜1419上にソー
ス配線1420(図14(A)の1405に相当す
る)、ドレイン配線1421(図14(A)の1409
の相当する)が配置される。なお、1422はソース線
1420と隣接する隣のソース線である。
【0149】そして、ソース配線1420、ドレイン配
線1421を覆って酸化珪素膜または窒化珪素膜あるい
はその積層膜でなる第2の層間絶縁膜1423を50〜20
0nmの厚さに形成し、その上に有機性樹脂膜でなる第3
の層間絶縁膜1424を形成する。さらに、第3の層間
絶縁膜1424上にはブラックマスク1425(図14
(A)の1412の相当する)が配置される。
【0150】この時、ブラックマスク1425を形成す
る前に第3の層間絶縁膜1424は1426で示される
領域において除去される。従って、1426で示される
領域では、ドレイン配線1421と第2の層間絶縁膜1
423とブラックマスク1425との積層構造でなる補
助容量1427が形成される。この補助容量1427は
図14(A)において1411で示される補助容量に相
当する。
【0151】補助容量1427を図14(B)に示す様
な構成とすると、補助容量のキャパシタンス(容量)が
第2の層間絶縁膜1423で決まるので、比誘電率の高
い材料を用いること或いは膜厚を薄くすることで容量を
稼ぐことができる。ただし、補助容量1427を形成す
るには1426で示される領域において第2の層間絶縁
膜1423のみを残して第3の層間絶縁膜1424を除
去しなくてはならないので、第2、第3の層間絶縁膜は
それぞれエッチングの選択性が採れなくてはならない。
その様な意味で、第2の層間絶縁膜1423としては酸
化珪素膜または酸化珪素膜と窒化珪素膜との積層膜が有
効である。
【0152】次に、1428は有機性樹脂膜でなる第4
の層間絶縁膜であり、その上には画素電極1429が形
成される。この時、画素電極1429はドレイン配線1
421を介してドレイン領域1417と電気的に接続す
る。このため、補助容量1427は画素電極1429に
対して直列に接続された容量と見なせる。
【0153】また、1430で示される基板は対向電極
1431を成膜した対向基板であって、アクティブマト
リクス基板1415と対向基板1430とを貼り合わせ
ることで液晶層1432を挟持し、図1における液晶セ
ル112が形成される。
【0154】
【実施例4】本実施例では実施例2と異なる構成を有す
るCMOS回路を構成する場合の例について図15
(A)、(B)を用いて説明する。なお、図15
(A)、(B)は基本的な部分は全て実施例2で説明し
たCMOS回路と同一構造であるので、符号は実施例2
と同一のものを適宜利用する。
【0155】まず、図15(A)は実施例2で示したC
MOS回路において、ゲイト電極1501、1502と
して一導電性を付与したシリコン薄膜(ポリシリコン
膜)を利用したシリコンゲイト型TFTでCMOS回路
を構成する例である。なお、Nチャネル型TFTとPチ
ャネル型TFTとでゲイト電極の導電性を異なるものと
する(N型またはP型)デュアルゲイト型TFTとする
こともできる。
【0156】この様なシリコンゲイト構造とすると、チ
タンシリサイド551、552の形成と同時にゲイト電
極1501、1502の上部にもチタンシリサイド15
03、1504が形成される。そのため、ゲイト電極と
ゲイト電極に接続する接続配線とのオーミックコンタク
トをより良好なものとすることができる。
【0157】また、図15(B)は実施例2で示したC
MOS回路において、サイドウォール533、534お
よびチタンでなる島状パターン554、555を形成し
ない場合の例である。この構成では、ゲイト絶縁膜15
05、1506の端部(ゲイト電極516、517より
も外側に延在した部分)の幅で低濃度不純物領域53
9、548の長さが決定される。また、チタンシリサイ
ド1507、1508とソース配線558、559、5
61とが直接コンタクトする様な構造となる。
【0158】実施例2におけるサイドウォール533、
534の主だった役割は、低濃度不純物領域539、5
48の長さおよび添加濃度の決定である。しかし、図1
5(B)に示す構成では本発明者らによる特開平7-1353
18号公報記載の技術を利用しているため、サイドウォー
ルを利用しない構成とすることができる。
【0159】また、実施例2における島状パターン55
4、555の主だった役割は、ソース/ドレイン領域に
形成されたチタンシリサイド551、552と、ソース
/ドレイン配線とのオーミックコンタクトを確保するこ
とである。この場合、島状パターン554、555は、
層間絶縁膜557にコンタクトホールを形成する際にチ
タンシリサイド551、552が除去されてしまうこと
を防ぐ保護層としても機能している。
【0160】本実施例ではコンタクトホール形成をドラ
イエッチング法で行い、層間絶縁膜557とチタンシリ
サイド551、552との選択比を高めることで、保護
層として島状パターン554、555を設ける必要のな
い構成としている。
【0161】以上の様にしてサイドウォール533、5
44および島状パターン554、555を形成する工程
を簡略化することで、スループットの向上、歩留りの向
上、製造コストの低減が期待できる。
【0162】
【実施例5】本発明を実施するにあたって、発明の第1
の構成で説明したシリコン薄膜が必要であることは既に
述べた。本実施例では、実施例2とは異なる手段で結晶
化したシリコン薄膜を本発明に用いる場合の例を示す。
【0163】図5において、図5(C)に示す状態(結
晶化のための加熱処理が終了した段階)を得たら、結晶
シリコン膜表面の酸化膜503を除去する。酸化膜50
3を除去したら、KrF(波長248nm )、XeCl(波
長308nm )等を励起ガスとして利用したエキシマレーザ
ーによるアニールを行う。なお、このレーザーアニール
工程はシリコン薄膜を島状パターンに加工する前でも後
でもどちらで行っても構わない。
【0164】上記レーザーアニールによって、結晶シリ
コン薄膜に僅かに残存した非晶質成分の結晶化及び結晶
シリコンの結晶性の著しい改善が行われる。この様にし
て得られたシリコン薄膜を用いても、本発明のシステム
ディスプレイを形成しうる。本実施例の利点は、システ
ムディスプレイを安価なガラス基板上に形成できる点で
ある。即ち、製造コストの低減を図ることができる。
【0165】ただし、本発明を実施する上で最も望まし
い形態は実施例1に示したシリコン薄膜を活用したTF
Tを用いることであり、本実施例は基板としてガラス基
板等の低耐熱性基板を使用する必要性が生じた場合のみ
に使用するのが好ましい。
【0166】また、実施例1に示した工程と本実施例の
工程とを組み合わせても良い。即ち、レーザーアニール
工程の後に触媒元素のゲッタリングプロセスを行う構成
としても構わない。その場合、さらに高い結晶性のシリ
コン薄膜を形成しうる。
【0167】
【実施例6】本発明は図2を用いて説明した様なイオン
注入法だけでなく、他の実施形態としてレジストマスク
を使用しないで触媒元素を直接的に非晶質シリコン膜中
へと添加することもできる。
【0168】そのための手段としては、FIB(Focuss
ed Ion Beam )法等の様に微細スポットのみにイオンを
照射できる様な技術がある。この様な技術によれば触媒
元素を含む集束イオンビームによって直接的にパターン
が描画され、所望の位置に所望の形状で触媒元素の添加
領域を形成できる。
【0169】本実施例によればレジストマスクを形成す
る工程やパターニング工程を簡略化することができるの
で、製造コストの低減および製造歩留りの向上を図るこ
とが可能である。
【0170】
【実施例7】本実施例では実施例2に示した層間絶縁膜
(第1〜第3まで)の組み合わせについての幾つかの例
を説明する。
【0171】まず、図7(D)においてアルミニウムを
主成分とする配線558〜562の下地となる第1の層
間絶縁膜557およびチタン膜でなるブラックマスク5
64の下地となる第2の層間絶縁膜565としてはポリ
イミドを用いる。そして、画素電極566の下地となる
第3の層間絶縁膜565はアクリルを用いる。
【0172】本発明者らの実験条件では配線558〜5
62とブラックマスク564の成膜温度( 300℃程度)
がアクリルの耐熱温度( 200℃程度)よりも若干高いた
め、下地としては成膜温度に耐えうるポリイミド(耐熱
温度は 350〜400 ℃程度)を用いることが好ましい。ま
た、画素電極566は室温成膜なので下地として耐熱性
の低いアクリルを使用することができる。ただしこの構
成は、画素電極566がITO等の様に成膜温度の低い
材料(アクリルの耐熱温度以下で成膜できる材料)であ
る場合に限る。
【0173】この様な構成とした時、次の様な利点を得
ることができる。 (1)アクリルは感光性であるためレジストマスクを使
用しないで直接パターニングできるため、製造工程を簡
略化できる。 (2)アクリルはポリイミドよりも安価なので製造コス
トを低減できる。 (3)ITOとポリイミドとの間の密着性よりもITO
とアクリルとの間の密着性の方が良好である。 (4)アクリルの方が平坦性に優れるため、画素電極上
にかかる電界を均一なものとすることができる。
【0174】また、別の例として全ての層間絶縁膜をポ
リイミドで形成することもできるし、全ての層間絶縁膜
をアクリルで形成することもできる。ただし、全ての層
間絶縁膜をアクリルで形成する場合、アクリルを成膜し
た後の工程は全てアクリルの耐熱温度以下で行われるこ
とが条件である。
【0175】
【実施例8】本発明はあらゆる半導体装置に対して適用
可能であり、絶縁表面を有する基板上においてTFTを
用いて回路を構成した半導体装置であれば全て適用範囲
に入る。その様な半導体装置は、ICやVLSIの様に
ロジック回路のみとして機能する場合もあるし、アクテ
ィブマトリクス型電気光学装置の様に表示ディスプレイ
として機能する場合もある。
【0176】特に、アクティブマトリクス型電気光学装
置としては、図1に示した様なロジック回路内蔵型のシ
ステムディスプレイを用いてアクティブマトリクス型液
晶表示装置、アクティブマトリクス型EL表示装置、ア
クティブマトリクス型EC表示装置などに適用すること
ができる。
【0177】また、これらの様なアクティブマトリクス
型の表示装置には大別して透過型表示装置と反射型表示
装置とがある。例えば、透過型液晶表示装置はアクティ
ブマトリクス基板(TFTを配置する側の基板)の裏側
にバックライトを配設し、表示装置を透過する光を見る
ことで画像を認識するものである。また、反射型液晶表
示装置はアクティブマトリクス基板の表面側から入射し
た光をアクティブマトリクス基板に配置される画素電極
で反射し、その反射光を見ることで画像を認識するもの
である。
【0178】透過型表示装置と反射型表示装置とでTF
T構造に大きな差異がないが、画素電極を形成する材料
が異なる点に特徴がある。例えば、透過型表示装置を作
製する場合、図14(A)における画素電極1411と
してITO等の透明電極を使用すれば良い。また、反射
型表示装置とする場合には、画素電極1411として反
射効率の高い不透明電極を使用すれば良い。
【0179】この様に、多少TFT構造を変化させれ
ば、本発明は透過型表示装置にも反射型表示装置にも適
用できる。特に、反射型表示装置は開口率を問題としな
いため、透過型表示装置に比べて設計自由度が広がると
いう利点を有する。例えば透過型液晶表示装置において
画素領域は殆ど画像表示領域1414の様に光を透過す
る窓部分で構成されているが、反射型液晶表示装置の場
合にはその様な画像表示領域の裏側に別の回路を形成す
ることが可能であるため集積度をより高めることができ
る。
【0180】
【実施例9】本実施例では、本発明を適用しうる半導体
装置の一例として実施例8で示した様な電気光学装置を
用いた応用製品について図16を用いて説明する。
【0181】本発明を利用した半導体装置としては(デ
ジタル)ビデオカメラ、(デジタル)スチルカメラ、ヘ
ッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パー
ソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュ
ータ、携帯電話等)などが挙げられる。
【0182】図16(A)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2001、カメラ部
2002、受像部2003、操作スイッチ2004、表
示装置2005で構成される。本発明を表示装置200
5に適用して表示コントロール回路や演算回路等を組み
込むことでカード型モバイルコンピュータを実現しう
る。
【0183】図16(B)はヘッドマウントディスプレ
イであり、本体2101、表示装置2102、バンド部
2103で構成される。本発明を表示装置2102に適
用することで大幅に装置の小型化が図れる。
【0184】図16(C)はカーナビゲーションシステ
ムであり、本体2201、表示装置2202、操作スイ
ッチ2203、アンテナ2204で構成される。カーナ
ビゲーションシステムには衛星からの情報が送られるた
め、信号処理には非常に高い駆動周波数の回路が必要と
なる。本発明を表示装置2202に適用することでカー
ナビゲーションシステムのさらなる小型化、低価格化が
可能となる。
【0185】図16(D)は携帯電話であり、本体23
01、音声出力部2302、音声入力部2303、表示
装置2304、操作スイッチ2305、アンテナ230
6で構成される。本発明を表示装置2304に適用する
ことでデジタル対応の表示モニタを搭載できる。
【0186】図16(E)はビデオカメラであり、本体
2401、表示装置2402、音声入力部2403、操
作スイッチ2404、バッテリー2405、受像部24
06で構成される。本発明を表示装置2402に適用す
ることで装置構成が大幅に簡略化されるため、非常に小
型な装置を実現しうる。
【0187】以上の様に、本発明の応用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の表示媒体に適用することが可能であ
る。また、本発明を適用することでアクティブマトリク
ス型表示装置自体に様々な機能を持たせることができる
ため、電気光学装置のサイズが極めて小さくなる。将来
的にはシステムディスプレイによってカード化された携
帯型電気光学装置となりうる。
【0188】
【発明の効果】まず、本発明を実施する上で極めて重要
な第1の発明の構成は、触媒元素を利用して結晶化した
結晶シリコン膜に対してハロゲン元素による触媒元素の
ゲッタリングプロセスを施すことで、極めて特異な結晶
構造体を有するシリコン薄膜を得るものである。
【0189】実施例2に示した様な作製工程で形成され
るシリコン薄膜を用いたTFTは単結晶シリコンを用い
たMOSFETに匹敵するサブスレッショルド係数を有し、高
い電界効果移動度を有しているという特徴がある。ま
た、棒状または偏平棒状結晶が複数集合してなる結晶構
造体でなるシリコン薄膜は、それ自体に短チャネル効果
を抑制する効果があり、TFTを微細化してもチャネル
ドープ法等に頼る必要がなく、高耐圧・高速動作特性を
実現することができる。
【0190】この様な極めて高い性能、即ち駆動周波数
域および動作電圧域の幅広いTFTを用いることで、高
周波駆動型TFTと高耐圧駆動型TFTとを同一基板上
に形成することが可能となる。
【0191】また、第2の発明の構成は、触媒元素の添
加方法としてイオン注入法を用いることで所望の位置に
所望の成長距離を有する横成長領域を形成できるという
ものである。この技術により、チャネル長(ゲイト長)
が0.25〜0.7 μmといった極めて微細なTFTで回路を
構成する場合においても、回路配置に合わせて適当な大
きさの横成長領域を形成できるので容易に素子特性を揃
えることができる。
【0192】以上の様な効果を得られたことで、絶縁表
面を有する基板上にTFTでもってロジック回路を形成
した半導体装置を作製することができる。また、同一基
板上に高周波駆動型TFTと高耐圧駆動型TFTとを混
載したロジック回路、ドライバー回路および画素マトリ
クス回路を配置したロジック回路内蔵型の半導体装置を
も実現することができる。
【0193】本発明の半導体装置は画素マトリクス回路
やドライバー回路以外に、表示コントロール回路、メモ
リ回路、究極的には演算回路をも含みうるロジック回路
を搭載するため、極めて多機能性、携帯性に優れたシス
テムディスプレイとして機能する。また、高周波駆動回
路は動作電圧が必要以上に大きくならない様に設計され
るので、低消費電力性にも優れたものとなる。
【0194】さらに、その様な半導体装置を、例えば液
晶表示装置やそれを表示モニタとして利用した応用製品
に適用することで、極めて小型かつ軽量で、安価な製品
を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 システムディスプレイの上面図。
【図2】 イオン注入工程を説明するための図。
【図3】 発明の第2の構成を説明するための図。
【図4】 オペアンプ回路の構造および回路構成を示
す図。
【図5】 CMOS回路および画素TFTの作製工程
を示す図。
【図6】 CMOS回路および画素TFTの作製工程
を示す図。
【図7】 CMOS回路および画素TFTの作製工程
を示す図。
【図8】 特異な結晶構造体を説明するための写真。
【図9】 リングオシレータの周波数特性を示す図。
【図10】 リングオシレータの出力スペクトルを示す
写真。
【図11】 シフトレジスタの出力パルスを示す写真。
【図12】 周波数とパルス幅の関係を示す図。
【図13】 スケーリング則を説明するための図。
【図14】 画素領域の構成および構造を説明するため
の図。
【図15】 CMOS回路の構造を示す図。
【図16】 応用製品を例示するための図。
【図17】 結晶粒界の格子状態を説明するための写
真。
【符号の説明】
101 基板 102 画素マトリクス回路 103 ソース線ドライバー回路 104 ゲイト線ドライバー回路 105 ロジック回路 106、107 ソース線 108、109 ゲイト線 110 画素領域 111 画素TFT 112 液晶セル 113 補助容量 114 位相比較器 115 LPF 116 電圧制御型発振器 117 分周器 118 水平走査用発振器 119 垂直走査用発振器 120 D/Aコンバータ 121 アナログ信号の入力端子 122 ビット信号の入力端子 123 水平走査用同期信号の入力端子 124 垂直走査用同期信号の入力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/78 627F

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画素マトリクス回路、ドライバー回路およ
    びロジック回路とを同一基板上に配置して構成される半
    導体装置において、 前記画素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジッ
    ク回路は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブス
    レッショルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTF
    Tを含み、 それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTのチャ
    ネル形成領域は、回路が要求する特性に応じて異なる成
    長距離を有する横成長領域からなることを特徴とする半
    導体装置。
  2. 【請求項2】画素マトリクス回路、ドライバー回路およ
    びロジック回路とを同一基板上に配置して構成される半
    導体装置において、 前記画素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジッ
    ク回路は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブス
    レッショルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTF
    Tを含み、 それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTのチャ
    ネル形成領域は、回路が要求する特性に応じて異なる成
    長距離を有する横成長領域からなり、 前記ロジック回路および/またはドライバー回路を構成
    するTFTのチャネル形成領域となる横成長領域の成長
    距離は、前記画素マトリクス回路を構成するTFTのチ
    ャネル形成領域となる横成長領域の成長距離よりも短い
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】画素マトリクス回路、ドライバー回路およ
    びロジック回路とを同一基板上に配置して構成される半
    導体装置において、 前記画素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジッ
    ク回路は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブス
    レッショルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTF
    Tを含み、 それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTのチャ
    ネル形成領域は、回路が要求する特性に応じて異なる成
    長距離を有する横成長領域からなり、 前記複数のTFTのチャネル長と前記横成長領域の成長
    距離との間には相関関係があることを特徴とする半導体
    装置。
  4. 【請求項4】画素マトリクス回路、ドライバー回路およ
    びロジック回路とを同一基板上に配置して構成される半
    導体装置において、 前記画素マトリクス回路、ドライバー回路およびロジッ
    ク回路は、結晶シリコン膜を活性層とし、かつ、サブス
    レッショルド係数が60〜100mV/decadeである複数のTF
    Tを含み、 それぞれの前記回路に含まれる前記複数のTFTの少な
    くともチャネル形成領域はストライプ状の複数の結晶領
    域からなり、 前記ストライプ状の複数の結晶領域の内部において隣あ
    った結晶領域の境界の全てまたは実質的に全てにおい
    て、前記複数の結晶領域の各原子同士が格子欠陥を形成
    せずに連続して配設されていることを特徴とする半導体
    装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記境界で連続し得な
    い原子を中和する水素またはハロゲン元素が添加されて
    いることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4において、前記複数
    のTFTの少なくともチャネル形成領域はストライプ状
    の複数の結晶領域からなることを特徴とする半導体装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項4において、前記結晶
    シリコン膜は互いに平行に方向性をもって成長した複数
    の棒状または偏平棒状結晶が集合してなる結晶構造体で
    なることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項4において、前記結晶
    シリコン膜を構成する棒状または偏平棒状結晶の内部は
    結晶格子が連続的に連なり、キャリアにとって実質的に
    単結晶と見なせることを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項4において、前記活性
    層の少なくともチャネル形成領域は真性または実質的に
    真性な領域であることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項4において、前記活
    性層中にはシリコン膜の結晶化を助長する触媒元素とし
    てNi、Fe、Co、Sn、Pd、Pb、Pt、Cu、
    Auから選ばれた一種または複数種の元素が含まれ、該
    触媒元素の濃度は 1×1017atoms/cm3 以下であることを
    特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項4において、前記活
    性層中にはCl、F、Brから選ばれた一種または複数
    種の元素が 1×1015〜 1×1020atoms/cm3 の濃度で含ま
    れることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項4において、前記複
    数のTFTを構成する活性層とゲイト絶縁膜との界面に
    はCl、F、Brから選ばれた一種または複数種の元素
    が高濃度に存在することを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項4において、前記複
    数のTFTの内、必要とする駆動周波数が 0.1GHz以
    上の回路を構成するTFTのチャネル長は0.25〜0.7 μ
    mであり、必要とする動作電圧が10Vを超える回路を構
    成するTFTのチャネル長は 2〜20μmであることを特
    徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】絶縁表面を有する基板上に非晶質シリコ
    ン膜を形成する工程と、 前記非晶質シリコン膜に対して選択的にシリコン膜の結
    晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、 加熱処理により前記触媒元素の添加領域を起点として前
    記非晶質シリコン膜を結晶化させ、結晶シリコン膜でな
    る横成長領域を複数箇所形成する工程と、 少なくともチャネル形成領域が前記横成長領域のみで構
    成される活性層を形成する工程と、 前記活性層上に酸化珪素膜を形成する工程と、 ハロゲン元素を含む雰囲気中で加熱処理し、前記活性層
    中の前記触媒元素の除去と前記活性層の熱酸化とを行う
    工程と、 を少なくとも有する半導体装置の作製方法において、 前記触媒元素を添加する工程はイオン注入法またはプラ
    ズマドーピング法により行われ、同一基板上の少なくと
    も1ヶ所は他の添加領域とは異なる濃度で触媒元素を添
    加することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】絶縁表面を有する基板上に非晶質シリコ
    ン膜を形成する工程と、 前記非晶質シリコン膜に対して選択的にシリコン膜の結
    晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、 加熱処理により前記触媒元素の添加領域を起点として前
    記非晶質シリコン膜を結晶化させ、結晶シリコン膜でな
    る横成長領域を複数箇所形成する工程と、 少なくともチャネル形成領域が前記横成長領域のみで構
    成される活性層を形成する工程と、 前記活性層上に酸化珪素膜を形成する工程と、 ハロゲン元素を含む雰囲気中で加熱処理し、前記活性層
    中の前記触媒元素の除去と前記活性層の熱酸化とを行う
    工程と、 を少なくとも有する半導体装置の作製方法において、 前記触媒元素を添加する工程はイオン注入法またはプラ
    ズマドーピング法により、同一基板上に前記活性層のチ
    ャネル長に応じて異なる濃度で前記触媒元素を添加する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】請求項14または請求項15において、
    前記触媒元素の添加領域の短辺の長さは0.01〜1 μmで
    あることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】請求項14または請求項15において、
    前記触媒元素としてNi、Fe、Co、Sn、Pd、P
    b、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類
    の元素を用いることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  18. 【請求項18】請求項14または請求項15において、
    ハロゲン元素を含む雰囲気中にはHCl、HF、NF
    3 、HBr、Cl2 、ClF3 、BCl3 、F2 、Br
    2 等のハロゲンを含む化合物から選ばれた一種または複
    数種が存在していることを特徴とする半導体装置の作製
    方法。
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