JPH10208226A - 結晶化ガラス磁気ディスク基板 - Google Patents

結晶化ガラス磁気ディスク基板

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JPH10208226A
JPH10208226A JP9028442A JP2844297A JPH10208226A JP H10208226 A JPH10208226 A JP H10208226A JP 9028442 A JP9028442 A JP 9028442A JP 2844297 A JP2844297 A JP 2844297A JP H10208226 A JPH10208226 A JP H10208226A
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glass
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JP9028442A
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Hideki Kawai
秀樹 河合
Sadao Nakajima
貞夫 中島
Tomoyuki Taguchi
智之 田口
Toru Obara
融 小原
Ikuo Kuriyama
育夫 栗山
Hajime Wakabayashi
肇 若林
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Yamamura Glass KK
Original Assignee
Yamamura Glass KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザーを用いて容易にテクスチャー加工を施
すことができ、基板上の所望の領域に所望のバンプを形
成することができる、コンピューターのハードディスク
などに適した結晶化ガラス磁気ディスク基板を提供す
る。 【解決手段】レーザーテクスチャー加工に用いられる光
源特有の波長において、測定試料の厚みを0.635mm
としたときの光吸収率が0.1以上であることを特徴と
する結晶化ガラス磁気ディスク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶化ガラス磁気
ディスク基板に関する。さらに詳しくは、本発明は、レ
ーザーテクスチャー加工が容易で、レーザーテクスチャ
ー加工により所望するバンプを容易に形成することがで
きる、コンピューターのハードディスクなどに適した結
晶化ガラス磁気ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクは、主としてコンピュータ
ーなどの記録媒体として使用されている。従来より、磁
気ディスク基板材料としてアルミニウム合金が使用され
ているが、近年、磁気ディスクの小型化、薄型化、高記
録密度化の流れの中で、高平坦性、高平滑性への要望が
高まっており、アルミニウム合金では対応しきれないた
め、これに替わる磁気ディスク基板が必要になってい
る。磁気ディスク基板に必要な特性は、ディスク表面の
平坦性、平滑性や、ディスク基板の高強度、高硬度、化
学的耐久性、耐マイグレーション性、耐熱性などである
が、アルミニウム合金は強度、硬度が劣るため、ディス
クの厚みを厚くし、表面を硬化する必要がある。ディス
クの厚みを薄くすると、回転時にウネリが発生し平坦度
が悪化するため、磁気ヘッドがディスクに衝突する回数
が多くなり、ディスクの塑性変形を招き、データ破壊が
起こる。従って、フライングハイト(磁気ヘッドと磁気
ディスクの隙間)を小さくすることができないため、記
録密度が上がらないという問題が生じる。また、白金系
の磁性膜を用いると、アルミニウム合金基板と磁性膜の
間に電位差が発生し、電界腐食を引き起こすため、磁性
膜が侵されるといった現象を引き起こす。これらのアル
ミニウム合金の問題点を解決する基板材料として、結晶
化ガラス基板がある。結晶化ガラス基板は、ガラスを熱
処理して微細な結晶を析出させることにより、容易に研
磨することができ、ディスク表面の平坦性、平滑性や、
ディスク基板の高強度、高硬度、化学的耐久性、耐マイ
グレーション性、耐熱性など磁気ディスク基板に必要な
特性を兼ね備えている。ところで、磁気ディスク基板に
はもう一つの重要な特性として、磁気ディスクの始動及
び停止特性(Contact Start Stop/CSS)が要求され
る。始動及び停止時におけるディスクへのヘッドの吸着
を防止し、CSS特性を改良するために、基板表面をテ
クスチャー加工する必要があり、種々のテクスチャー加
工方法が提案されている。例えば、特公平7−1015
07号公報には、ソーダライムシリケートガラス、化学
強化ガラス、結晶化ガラスなどの表面を、フッ化カリウ
ムとフッ酸を含む水溶液を用いて化学エッチングするこ
とにより、テクスチャー加工を施す方法が提案されてい
る。また、特開平7−296380号公報には、SiO
2−Li2O−Al23系ガラスからなる基板を結晶化処
理し、その表面を研磨したのち、フッ酸に硫酸あるいは
フッ化アンモニウムを加えたエッチング剤によりエッチ
ング処理し、テクスチャー加工を施す方法が提案されて
いる。しかし、ガラス磁気ディスク基板のエッチングに
よっては、基板の特定領域に局所的にテクスチャー加工
を施すことは困難であり、基板の全面を均一にテクスチ
ャー加工せざるを得ない。近年、磁気ディスクの一層の
高密度化が要求される中で、磁気ヘッドの始動及び停止
を、基板の内径に沿って約5〜10mm幅のいわゆるCS
Sゾーンにおいて行い、データゾーンの表面粗さは可能
な限り平滑にする、いわゆるゾーンテクスチャリングが
提案されている。例えば、特開平7−65359号公報
には、レーザー光を用いて磁気ディスクのテクスチャー
加工を行うことにより、局所的な加工を可能とし、始動
及び停止時の接触領域をディスクの特定のトラックに設
定することを可能とする方法が提案され、アルミニウム
基板を被加工物とする例が報告されている。しかし、従
来の結晶化ガラス磁気ディスク基板はレーザー光による
加工が容易でなく、基板上の特定位置にCSSゾーンを
設けることは困難であった。このため、容易にレーザー
テクスチャー加工することができ、同一基板上にバンプ
を有するCSSゾーンと、平滑性に優れたデータゾーン
を設けることができる結晶化ガラス磁気ディスク基板の
開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レーザーを
用いて容易にテクスチャー加工を施すことができ、基板
上の所望の領域に所望のバンプを形成することができ
る、コンピューターのハードディスクなどに適した結晶
化ガラス磁気ディスク基板を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、レーザーテクス
チャー加工に用いられる光源特有の波長において、特定
の値を超える光吸収率を有する結晶化ガラス磁気ディス
ク基板がレーザーテクスチャー加工が容易であり、ま
た、結晶化ガラス磁気ディスク基板中に特定の元素を含
有せしめることにより、光吸収率を高めることが可能で
あり、さらに、これらの元素とTiO2を共存せしめる
ことにより、光吸収率を効果的に高め得ることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)レーザーテクスチャー加工に
用いられる光源特有の波長において、測定試料の厚みを
0.635mmとしたときの光吸収率が0.1以上であるこ
とを特徴とする結晶化ガラス磁気ディスク基板、(2)
結晶化ガラス組成中に、Nb、La、Sn、Co、M
n、V、Cr、Cu、Au、Ag、Pt、Mo、Ni、
Fe、Te、Ce、Se、Nd、Pr、Sm、Er、S
からなる群より選択された少なくとも1成分を含有する
第(1)項記載の結晶化ガラス磁気ディスク基板、(3)
Nb、La、Sn、Co、Mn、V、Cr、Cu、A
u、Ag、Pt、Mo、Ni、Fe、Te、Ce、S
e、Nd、Pr、Sm、Er、Sからなる群より選択さ
れた少なくとも1成分の含有量が、合計で0.01〜0.
5重量%である第(2)項記載の結晶化ガラス磁気ディス
ク基板、(4)結晶化ガラス組成中に、TiO2を含有
する第(1)項、第(2)項又は第(3)項記載の結晶化ガラ
ス磁気ディスク基板、及び、(5)TiO2の含有量
が、0.1〜20重量%である第(4)項記載の結晶化ガ
ラス磁気ディスク基板、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の結晶化ガラス磁気ディス
ク基板は、レーザーテクスチャー加工に用いられる光源
特有の波長において、測定試料の厚みを0.635mmと
したときの光吸収率が0.1以上、より好ましくは0.1
5以上である。レーザーテクスチャー加工には、固体レ
ーザー、エキシマレーザー、ガスレーザー、半導体レー
ザーなどが用いられ、これらのレーザーは、それぞれの
光源に特有の波長を有する。例えば、代表的なレーザー
光源としては、YAGレーザーは基本波1,064n
m、2倍波532nm、3倍波355nm、4倍波26
6nmに、ルビーレーザーは694nmに、Ti−サフ
ァイアレーザーは基本波860nm、2倍波430nm
に、He−Cdレーザーは442nmに、KrFレーザ
ーは249nmに、ArFレーザーは193nmに、X
eClレーザーは308nmに、XeFレーザーは35
0nmに、CO2レーザーは10,600nm、9,60
0nmに、Arレーザーは515nm、488nmに、
Krレーザーは647nm、521nm、476nm
に、それぞれ特有の発振波長を有する。本発明の結晶化
ガラス磁気ディスク基板は、これらのレーザーテクスチ
ャー加工に用いられる光源特有の波長において、測定試
料の厚みを0.635mmとしたときの光吸収率が0.1以
上である。結晶化ガラス磁気ディスク基板の光吸収率が
このように高いと、低いエネルギー密度のレーザーであ
っても、容易に、また、安定して所望のバンプを形成す
ることができる。測定試料の厚みを0.635mmとした
ときの光吸収率が0.1未満であると、効果的にレーザ
ーテクスチャー加工を行うことが困難になるおそれがあ
る。
【0006】結晶化ガラス磁気ディスク基板の光吸収率
は、積分球を用いた分光光度計により測定することがで
きる。直径20mm以上、厚み0.635mmで、両面を酸
化セリウムなどで鏡面研磨した結晶化ガラスを測定試料
とする。試料の測定に先だって、まず、リファレンス測
定を行う。リファレンス測定は、試料をセットすること
なく、190nm〜1,500nmの波長範囲で測定
し、光源から発せられる光の強さの補正を行う。次い
で、積分球の入り口に測定試料をセットし、同じ波長範
囲で測定し、透過率として、光源から発せられた光の補
正後の強さIoに対する透過光の強さItと前方散乱光の
強さIsfの合計の比、(It+Isf)/Ioを求める。次
に、積分球の入り口と相対する面に、試料押えからの光
の反射を防止する黒色のフェルトを背面にして試料をセ
ットし、吸光度を測定する。吸光度は、試料表面からの
反射光の強さをIr、後方散乱光の強さをIsbとする
と、log{Io/(Ir+Isb)}であるので、吸光度
より光源から発せられた光の補正後の強さIoに対する
反射光の強さIrと後方散乱光の強さIsbの合計の比、
(Ir+Isb)/Ioを求めることができる。以上の測定
結果から、測定試料の光吸収率 1−(It+Isf+Isb+Ir)/Io を算出することができる。例として、V25を0.2重
量%含む、主結晶相がLi2O・2SiO2である結晶化
ガラス磁気ディスク基板を用いて、532nmにおける
光吸収率を求めてみる。透過率は0.6023であり、
吸光度は1.0043であるので、計算により(Ir+Is
b)/Io=0.0990となる。従って、この結晶化ガラ
スの532nmにおける光吸収率は、1−(0.602
3+0.0990)=0.2987と算出される。
【0007】本発明においては、結晶化ガラス組成中
に、Nb、La、Sn、Co、Mn、V、Cr、Cu、
Au、Ag、Pt、Mo、Ni、Fe、Te、Ce、S
e、Nd、Pr、Sm、Er、Sからなる群より選択さ
れた少なくとも1成分を含有させることが好ましい。こ
れらの成分を含有させることにより、結晶化ガラス磁気
ディスク基板の光吸収率を効果的に高めることができ
る。本発明においては、結晶化ガラス組成中に、Nb、
La、Sn、Co、Mn、V、Cr、Cu、Au、A
g、Pt、Mo、Ni、Fe、Te、Ce、Se、N
d、Pr、Sm、Er、Sからなる群より選択された少
なくとも1成分を含有させるとき、その成分の含有量
は、合計で0.01〜0.5重量%であることが好まし
い。含有量の合計が0.01〜0.5重量%であると、光
吸収率を高めてレーザーテクスチャー加工を容易にする
に十分な効果を有し、かつ、結晶化ガラスの結晶量、結
晶サイズ、耐熱性などのガラス物性に悪影響を及ぼすお
それがない。上記の成分の含有量の合計が0.01重量
%未満であると、光吸収率を0.1以上とすることが困
難となるおそれがある。上記の成分の含有量の合計が
0.5重量%を超えると、結晶量、結晶サイズ、耐熱性
などが悪化するおそれがある。上記成分の含有量の合計
は、光吸収率、結晶量、結晶サイズ、耐熱性を考慮する
と、0.1〜0.45重量%であることがより好ましい。
【0008】本発明においては、結晶化ガラス組成中に
TiO2を含有せしめることが好ましい。TiO2は、結
晶化ガラス磁気ディスク基板の光吸収率を高める効果が
あり、その効果は、Nb、La、Sn、Co、Mn、
V、Cr、Cu、Au、Ag、Pt、Mo、Ni、F
e、Te、Ce、Se、Nd、Pr、Sm、Er、Sか
らなる群より選択された少なくとも1成分と共存すると
き、特に顕著である。さらに、TiO2は、結晶化ガラ
スの製造過程において、溶融時には融剤としての、ま
た、結晶化処理時には、結晶核剤としての働きをも有す
る。本発明において、TiO2の含有量は、0.1〜20
重量%であることが好ましい。TiO2の含有量が0.1
重量%未満であると、光吸収率を向上させる効果が少な
い上に、融剤としての効果、結晶核剤としての効果が乏
しくなるおそれがある。また、TiO2の添加量が20
重量%を超えると、ガラス成形時に失透しやすくなるお
それがある。TiO2の含有量は、レーザー光吸収成分
としての効果、融剤及び結晶核剤としての効果、成形性
を考慮すると、0.5〜8重量%であることがより好ま
しく、1〜6重量%であることがさらに好ましい。N
b、La、Sn、Co、Mn、V、Cr、Cu、Au、
Ag、Pt、Mo、Ni、Fe、Te、Ce、Se、N
d、Pr、Sm、Er、Sの中で、Nb化合物は、Ti
2との併用による効果が特に大きい。本発明の結晶化
ガラス磁気ディスク基板をレーザーテクスチャー加工す
る方法には特に制限はなく、例えば、固体レーザー、エ
キシマレーザー、ガスレーザー、半導体レーザーなどを
用いることができる。レーザー照射条件には特に制限は
ないが、通常は、エネルギー密度を0.1〜100J/c
m2、より好ましくは0.2〜50J/cm2とし、パルス幅
を0.01〜100ns、より好ましくは0.1〜50n
sとすることにより、容易に所望するバンプを形成する
ことができる。バンプ高さは300Å以下であり、高さ
のバラツキは高さの平均値の±15%以内であることが
好ましい。
【0009】本発明の結晶化ガラス磁気ディスク基板に
用いる第1の結晶化ガラスは、酸化物として、Si
2:66〜80重量%、Al23:5〜15重量%、
Li2O:3〜8.5重量%、Na2O:0〜3重量%、
2O:0〜3重量%、但し、Li2O+Na2O+K
2O:3〜10重量%、TiO2:0.5〜8重量%、Z
rO2:3.5〜8重量%、P25:0.5〜3重量%、
Sb23:0〜2重量%、As23:0〜2重量%を含
有するガラス組成物を熱処理することにより得られ、主
結晶相がLi2O・2SiO2及びスポジュメンの内の少
なくとも1種であるものである。また、この結晶化ガラ
ス組成物の理論的光学的塩基性度は、化学的耐久性、耐
マイグレーション性などの観点から、0.548以下で
あることが好ましい。第1の結晶化ガラス組成物におい
て、SiO2はガラス形成酸化物であり、熱処理によっ
て析出する主結晶相であるLi2O・2SiO2及びスポ
ジュメン(Li2O・Al23・4SiO2)の構成成分
である。SiO2の含有量が66重量%未満であると、
ガラスの理論的光学的塩基性度を0.548以下にする
ことが困難になり、化学的耐久性が悪化する上に、上記
の結晶が析出し難くなるおそれがある。SiO2の含有
量が80重量%を超えると、溶融温度が高くなりすぎて
生産が困難になるおそれがある。SiO2の含有量は、
生産性を考慮すると、66〜75重量%であることがよ
り好ましい。Al23はガラス中間酸化物であり、ガラ
スを熱処理することにより析出する主結晶相であるスポ
ジュメンの構成成分である。Al23の含有量が5重量
%未満であると、化学的耐久性が悪化するおそれがあ
る。Al23の含有量が15重量%を超えると、溶融温
度が高くなり生産が困難になるおそれがある。Al23
の含有量は、化学的耐久性や生産性を考慮すると、5.
5〜10重量%であることがより好ましく、5.5〜7.
5重量%であることがさらに好ましい。
【0010】Li2Oは融剤としての役割を果たすとと
もに、熱処理によって析出する主結晶相であるLi2
・2SiO2及びスポジュメンの構成成分である。Li2
Oの含有量が3重量%未満であると、溶融温度が高くな
りすぎる上に、Li2O・2SiO2及びスポジュメン結
晶が析出し難くなるおそれがある。Li2Oの含有量が
8.5重量%を超えると、ガラスの理論的光学的塩基性
度を0.548以下にし難く、化学的耐久性及び耐マイ
グレーション性を悪化させ、磁気膜特性に悪影響を与え
るおそれがある。Li2Oの含有量は、生産性、化学的
耐久性や耐マイグレーション性を考慮すると、4〜8.
5重量%であることがより好ましく、5〜8.5重量%
であることがさらに好ましい。Na2O及びK2Oは融剤
であり、ガラス組成物の溶融性を改善する。磁気ディス
ク基板の化学的耐久性、耐マイグレーション性を考慮す
ると、Li2Oのみを単独で使用するよりも、これらの
アルカリ成分をLi2Oと併用し、複数種のアルカリ成
分を使用することにより、化学的耐久性の低下やアルカ
リマイグレーションを防ぐことが好ましい。Na2O又
はK2Oの含有量が3重量%を超えるか、あるいは、L
2O+Na2O+K2Oの合計量が10重量%を超える
と、ガラスの理論的光学的塩基性度を0.548以下に
保つことが困難になり、磁気ディスク基板の化学的耐久
性が低下するとともに、耐マイグレーション性も低下す
るおそれがある。Na2O及びK2Oのそれぞれの含有量
は、化学的耐久性、耐マイグレーション性やガラスの理
論的光学的塩基性度を考慮すると、2重量%以下である
ことがより好ましい。また、Li2O+Na2O+K2
の合計量は、4〜9重量%であることがより好ましく、
5〜9重量%であることがさらに好ましい。
【0011】TiO2、ZrO2及びP25は、結晶化促
進剤としての役割を果たす。さらに、前記のごとく、T
iO2は融剤としての役割や、レーザーテクスチャー加
工時に、敏感にレーザー光を吸収して磁気ディスク基板
表面の構造変化を誘起する重要な成分としての役割も果
たす。TiO2の含有量が0.5重量%未満であると、結
晶化促進剤としての効果及び融剤としての効果が乏しく
なるおそれがある。TiO2の含有量が8重量%を超え
ると、ガラス成形時に失透しやすくなるおそれがある。
TiO2の含有量は、結晶化促進剤としての効果、融剤
としての効果及び失透性を考慮すると、2〜6重量%で
あることがより好ましく、2〜4重量%であることがさ
らに好ましい。ZrO2は化学的耐久性を顕著に向上さ
せる働きも有するが、ZrO2の含有量が3.5重量%未
満であると、化学的耐久性の向上効果が乏しくなるおそ
れがある。ZrO2の含有量が8重量%を超えると、ガ
ラス中に溶けきれず、未溶融物となるおそれがある。Z
rO2の含有量は、結晶化促進剤としての効果、化学的
耐久性や溶融性を考慮すると、3.8〜6.5重量%であ
ることがより好ましく、4.1〜6重量%であることが
さらに好ましい。P25は融剤としての働き、特にZr
2の難溶融性を著しく改善する働きも有するが、P2
5の含有量が0.5重量%未満であると、結晶化促進剤と
しての効果及びZrO2の難溶融性の改善効果が乏しく
なるおそれがある。P25の含有量が3重量%を超える
と溶融ルツボの腐食量が増大するおそれがある。P25
の含有量は、結晶化促進剤としての効果、融剤としての
効果、特にZrO2の難溶融性の改善効果及びルツボの
腐食性を考慮すると、1〜2.5重量%であることがよ
り好ましい。
【0012】Sb23及びAs23は、ガラス溶融時の
清澄剤としての役割を果たす。Sb23及びAs2
3は、それぞれを単独で用いることができ、あるいは、
併用することができる。Sb23+As23の合計量が
0.1重量%未満であると、清澄剤としての作用に乏し
くなるおそれがある。Sb23+As23の合計量が2
重量%以下で、通常は十分な清澄効果が発揮される。A
23は、環境の点からは使用しないことが好ましい。
Sb23+As23の合計量は、清澄効果を考慮すると
0.2〜1重量%であることがより好ましい。第1の結
晶化ガラス組成物においては、必要に応じてB23、Z
nO及びPbOを融剤として含有させることができる。
23の含有量が、5重量%を超えると、化学的耐久性
を悪化させ、また、結晶化を抑制するおそれがある。B
23の含有量は、3.5重量%以下であることがより好
ましい。ZnOは化学的耐久性を向上させる働きもある
が、ZnOの含有量が5重量%を超えると、析出結晶量
が少なくなるおそれがある。ZnOの含有量は、4.5
重量%以下であることがより好ましい。PbOは融剤と
して顕著な働きを有するが、環境の点からは使用しない
ことが好ましい。PbOを使用する場合は、その含有量
が3重量%を超えると、化学的耐久性を悪化させ、ま
た、析出結晶量が少なくなるおそれがある。PbOの含
有量は、1.5重量%以下であることがより好ましい。
【0013】第1の結晶化ガラス組成物においては、必
要に応じてガラス修飾酸化物であるMgO、CaO、S
rO及びBaOを含有させることができる。これらの成
分は、作業温度幅を広げる働きを有する。特にMgO
は、ガラスの化学的耐久性を向上させる働きをも有す
る。MgOの含有量が8重量%を超えるか、又はCa
O、SrO又はBaOの含有量が5重量%を超えると、
ガラスが安定になりすぎて析出結晶量が少なくなるおそ
れがある。析出結晶量を考慮すると、MgOの含有量は
5重量%以下であることがより好ましく、CaO、Sr
O、BaOの含有量は、それぞれ3重量%以下であるこ
とがより好ましい。また、前記組成範囲を有するガラス
組成物から得られた結晶化ガラスは、理論的光学的塩基
性度が0.548以下であることが好ましい。理論的光
学的塩基性度がこのように低いと、結晶化ガラス中に少
量のアルカリが含まれていても、磁気ディスク基板に必
要かつ重要な特性である化学的耐久性及び耐マイグレー
ション性に優れており、信頼性の高い磁気ディスク基板
を得ることができる。磁気ディスク基板用結晶化ガラス
の理論的光学的塩基性度は、0.544以下であること
がより好ましく、0.540以下であることがさらに好
ましい。ここにいう理論的光学的塩基性度とは、J.
A.DuffyとM.D.Ingramが、1975年
に、Journal of Inorganic and
NuclearChemistry、第37巻、120
3頁、及び、Physics and Chemistr
y of Glasses、第16巻、第6号、119頁
に発表した論文に掲載されたものである。
【0014】本発明の結晶化ガラス磁気ディスク基板に
用いる第2の結晶化ガラスは、酸化物として、Si
2:20〜45重量%、Al23:25〜45重量
%、B23:10〜25重量%、MgO:2〜20重量
%、Li2O:0〜2重量%、Na2O:0〜2重量%、
2O:0〜3重量%、但し、Li2O+Na2O+K
2O:0〜5重量%、TiO2:0.1〜8重量%、P2
5:0.5〜8重量%を含有するガラス組成物を熱処理す
ることにより得られ、主結晶相がムライト及びAl18
433、Al5(BO3)O6などのホウ酸アルミニウム系結
晶の内の少なくとも1種であるものである。第2の結晶
化ガラス組成物において、SiO2はガラス形成酸化物
であり、主な析出結晶であるムライト(3Al23・2
SiO2)の構成成分である。SiO2の含有量が20重
量%未満であると、ムライト結晶が析出し難くなる上、
残存マトリックス相の化学的耐久性が悪化したり、耐熱
性が悪化するおそれがある。SiO2の含有量が45重
量%を超えると、安定したガラス化領域に入り結晶が析
出し難くなる上、溶融温度が上がりすぎて生産が困難に
なるおそれがある。SiO2の含有量は、析出結晶量、
化学的耐久性、耐熱性及び生産性を考慮すると、25〜
40重量%であることがより好ましく、27〜37重量
%であることがさらに好ましい。Al23はガラス中間
酸化物であり、主な析出結晶であるムライト及びホウ酸
アルミニウム系結晶の構成成分である。Al23の含有
量が25重量%未満であると、析出結晶量が少なく、磁
気ディスク基板として要求される強度が得られなかった
り、耐熱性が悪化するおそれがある。Al23の含有量
が45重量%を超えると、溶融温度が高くなりすぎる
上、失透しやすくなって容易に成形し難くなるおそれが
ある。Al23の含有量は、強度や耐熱性や成形性を考
慮すると、28〜40重量%であることがより好まし
く、30〜38重量%であることがさらに好ましい。
【0015】B23は融剤としての役割を果たすととも
に、ホウ酸アルミニウム系結晶の構成成分である。B2
3の含有量が10重量%未満であると、溶融温度が高
くなりすぎるおそれがある。B23の含有量が25重量
%を超えると、ガラスが失透しやすくなって容易に成形
し難くなるおそれがある。B23の含有量は、溶融性や
成形性を考慮すると、13〜22重量%であることがよ
り好ましく、15〜20重量%であることがさらに好ま
しい。MgOはガラス修飾酸化物であり、作業温度幅を
広げる働きを有する上に、ガラスマトリックス相の化学
的耐久性を向上させる。MgOの含有量が2重量%未満
であると、作業温度幅が狭くなるとともに、ガラスマト
リックス相の化学的耐久性が向上しないおそれがある。
MgOの含有量が20重量%を超えると、析出結晶相が
主にコージェライト(2MgO・2Al23・5SiO
2)となり、磁気ディスク基板として要求される強度を
得ることが困難となるおそれがある。MgOの含有量
は、作業性、化学的耐久性及び強度を考慮すると、2〜
12重量%であることがより好ましく、3〜10重量%
であることがさらに好ましい。
【0016】Li2O、Na2O及びK2Oは融剤であ
り、ガラス組成物の溶融性を改善する。磁気ディスク基
板の耐マイグレーション性を考慮すると、これらのアル
カリ成分を含まないことが好ましいが、溶融性、成形性
などを改善するため基本組成によっては使用する。Li
2O、Na2O及びK2Oは1種を単独に使用することが
でき、2種以上を組み合わせて使用することができる。
磁気ディスク基板の耐マイグレーション性をできるだけ
高く保つためには、2種以上を組み合わせて使用するこ
とが好ましい。Li2O、Na2O及びK2Oのうち2種
を用いる場合、どの2種を組み合わせることもできる
が、磁気ディスク基板の耐マイグレーション性を高く保
つためにはLi2OとK2Oの組み合わせが最も好まし
い。Li2O及びNa2Oの含有量はそれぞれ0〜2重量
%であり、K2Oの含有量は0〜3重量%であり、かつ
Li2O+Na2O+K2Oの合計量は0〜5重量%であ
る。溶融性、成形性、耐マイグレーション性及び耐熱性
を考慮すると、Li2O+Na2O+K2Oの合計量は、
0.1〜3重量%であることがより好ましく、0.3〜
1.5重量%であることがさらに好ましい。Li2O又は
Na2Oの含有量が2重量%を超えるか、K2Oの含有量
が3重量%を超えるか、あるいは、Li2O+Na2O+
2Oの合計量が5重量%を超えると、磁気ディスク基
板の耐マイグレーション性が低下したり、耐熱性が悪化
するおそれがある。第2の結晶化ガラス組成物は、この
ように無アルカリ又は低アルカリ結晶化ガラスであるの
で、磁気ディスク基板にアルカリバリヤー膜を設けるこ
となく、優れた磁気膜特性を保つことができる。
【0017】TiO2及びP25は、結晶化促進剤及び
融剤としての役割を果たす。さらに、前記のごとく、T
iO2はレーザーテクスチャー加工時に、敏感にレーザ
ー光を吸収して磁気ディスク基板表面の構造変化を誘起
する重要な成分としての役割も果たす。TiO2の含有
量が0.1重量%未満であると、結晶化促進剤としての
効果、融剤としての効果、及びレーザー光吸収成分とし
ての効果が乏しく、また、TiO2の含有量が8重量%
を超えると、ガラス成形時に失透しやすくなるおそれが
ある。TiO2の含有量は、結晶サイズと結晶量、溶融
性、成形性及びレーザー光吸収成分としての効果を考慮
すると、0.5〜6重量%であることがより好ましい。
また、P25の含有量が0.5重量%未満であると、結
晶化促進剤及び融剤としての効果が乏しく、P25の含
有量が8重量%を超えると、ガラス成形時に失透しやす
くなるおそれがある。P25の含有量は、結晶サイズと
結晶量、溶融性及び成形性を考慮すると、1〜7重量%
であることがより好ましい。その他、必要に応じてZr
2、SnO2、MoO3及びWO3も結晶化促進剤として
それぞれ5重量%以下の範囲で含有させることができ
る。第2の結晶化ガラス組成物においては、必要に応じ
てガラス修飾酸化物であるCaO、SrO及びBaOを
含有させることができる。これらは作業温度幅を広げる
働きを有する上に、ガラスマトリックス相の化学的耐久
性を向上させる。CaO、SrO又はBaOの含有量が
10重量%を超えると、ガラスが安定になりすぎて析出
結晶量が少なくなるおそれがある。CaO、SrO及び
BaOのそれぞれの含有量は、作業性や化学的耐久性や
析出結晶量を考慮すると、0.1〜7重量%であること
が好ましく、0.5〜5重量%であることがより好まし
い。
【0018】第2の結晶化ガラス組成物においては、必
要に応じてZnOを含有させることができる。ZnO
は、融剤としての役割を果たすとともに、ガラスマトリ
ックス相の化学的耐久性を向上させる働きを有する。融
剤としてのB23の一部をZnOで置換することによ
り、溶融時に揮発しやすいB23量を減少させることが
できる。ZnOの含有量が10重量%を超えると、析出
結晶量が少なくなるおそれがある。ZnOの含有量は、
溶融性、化学的耐久性及び析出量を考慮すると、0〜7
重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%である
ことがより好ましい。以上に、本発明の結晶化ガラス磁
気ディスク基板に使用することができる2種の結晶化ガ
ラス組成物を挙げたが、本発明の結晶化ガラス磁気ディ
スク基板に使用することができる結晶化ガラス組成物
は、これらに限定されるものではなく、例えば、アノー
サイト系、スピネル系、エンスタタイト系、ガーナイト
系、セルジアン系などの結晶化ガラスにおいても、同様
な効果が発揮される。本発明の結晶化ガラス磁気ディス
ク基板は、レーザーテクスチャー加工に用いられる光源
特有の波長において、試料の厚みを0.635mmとした
ときの光吸収率が0.1以上であるので、レーザー光を
用いたゾーンテクスチャー加工が容易になり、近年、ま
すます要求が高まっている磁気ディスク基板の高平坦
性、高平滑性、すなわち高記録密度化への要求に容易に
対応することができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て使用した原料は、SiO2、Al(OH)3、Li2
3、TiO2、ZrO2、SnO2、AlPO4、Sb2
3、H3BO3、Mg(OH)2、CaCO3、BaCO3、Z
nO、Nb25、V25、Cu2O及びMnO2である。
また、実施例及び比較例において、結晶相、光吸収率及
びバンプ高さは下記の方法により測定した。 (1)結晶相 得られた研磨成形体を、X線回折装置を用いて測定し
た。 (2)光吸収率 酸化セリウムを用いて研磨し、鏡面仕上げした厚み0.
635mmの試料について、分光光度計[(株)日立製作
所、U−3410型]を用いて測定した透過率及び吸光
度の値から算出した。 (3)バンプ高さ レーザー光照射後の研磨成形体について、原子力間顕微
鏡[DigitalInstruments社製]を用
いて表面観察を行い、線分析による断面形状から求め
た。 実施例1 ガラス組成が、SiO2:70.0重量%、Al23
6.0重量%、Li2O:8.0重量%、TiO2:2.5
重量%、ZrO2:4.0重量%、P25:1.8重量
%、Sb23:0.2重量%、B23:2.0重量%、C
aO:2.0重量%、BaO:1.3重量%、ZnO:
2.0重量%及びNb25:0.2重量%となるよう各成
分原料を秤量、混合し、電気炉中の白金ルツボに投入し
て溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50×
5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得
た。なお、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は
0.5392である。このガラス成形体を、570℃で
3時間、続いて670℃で2時間熱処理して、ガラス中
に結晶を析出させた。さらに、成形体を切断、スライス
したのち表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用
いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μmの酸
化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして厚み0.63
5mmの研磨成形体を得た。この研磨成形体は、結晶相1
がLi2O・2SiO2であり、結晶相2がα−クオーツ
であった。また、研磨成形体について求めた光吸収率
は、波長532nmにおいて0.30であった。この研
磨成形体に、波長532nmのYAGレーザー2倍波
を、エネルギー密度2J/cm2、パルス幅5ns、パル
ス回数1回の条件で照射して、テクスチャー加工を行っ
た。加工後の成形体のバンプ高さは235Åであり、磁
気ディスク基板として好ましい特性を備えていた。 実施例2 ガラス組成が、SiO2:70.0重量%、Al23
6.0重量%、Li2O:8.0重量%、TiO2:2.5
重量%、ZrO2:4.0重量%、P25:1.8重量
%、Sb23:0.2重量%、B23:2.0重量%、C
aO:2.0重量%、BaO:1.1重量%、ZnO:
2.0重量%及びV25:0.4重量%となるよう各成分
原料を秤量、混合し、電気炉中の白金ルツボに投入して
溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50×5
mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得
た。なお、このガラス組成物の理論的光学的塩基性度は
0.5390である。このガラス成形体を、570℃で
3時間、続いて670℃で2時間熱処理して、ガラス中
に結晶を析出させた。さらに、成形体を切断、スライス
したのち表面を平均粒径10μmの炭化ケイ素砥粒を用
いて30分間ラッピングし、さらに平均粒径1μmの酸
化セリウム砥粒で15分間ポリッシュして厚み0.63
5mmの研磨成形体を得た。この研磨成形体は、結晶相1
がLi2O・2SiO2であり、結晶相2がα−クオーツ
であった。また、研磨成形体について求めた光吸収率
は、波長193nmにおいて0.87であった。この研
磨成形体に、波長193nmのArFレーザー光を、エ
ネルギー密度0.5J/cm2、パルス幅5ns、パルス回
数1回の条件で照射して、テクスチャー加工を行った。
加工後の成形体のバンプ高さは150Åであり、磁気デ
ィスク基板として好ましい特性を備えていた。 実施例3 ガラス組成が、SiO2:36.0重量%、Al23:3
3.0重量%、Li2O:0.5重量%、TiO2:4.5
重量%、SnO2:1.45重量%、P25:1.5重量
%、Sb23:0.5重量%、B23:15.0重量%、
MgO:5.5重量%、CaO:1.0重量%、ZnO:
1.0重量%及びCu2O:0.05重量%となるよう各
成分原料を秤量、混合し、電気炉中の白金ルツボに投入
して溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50
×5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を
得た。 このガラス成形体を、720℃で3時間、続いて900
℃で2時間熱処理して、ガラス中に結晶を析出させた。
さらに、成形体を切断、スライスしたのち表面を平均粒
径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピン
グし、さらに平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で15
分間ポリッシュして厚み0.635mmの研磨成形体を得
た。この研磨成形体は、結晶相1がムライトであり、結
晶相2がホウ酸アルミニウム系結晶であった。また、研
磨成形体について求めた光吸収率は、波長1064nm
において0.55であった。この研磨成形体に、波長1
064nmのYAGレーザー光を、エネルギー密度10
J/cm2、パルス幅5ns、パルス回数1回の条件で照
射して、テクスチャー加工を行った。加工後の成形体の
バンプ高さは174Åであり、磁気ディスク基板として
好ましい特性を備えていた。 実施例4 ガラス組成が、SiO2:36.0重量%、Al23:3
3.0重量%、Li2O:0.5重量%、TiO2:4.5
重量%、ZrO2:1.2重量%、P25:1.5重量
%、Sb23:0.5重量%、B23:15.0重量%、
MgO:5.5重量%、CaO:1.0重量%、ZnO:
1.0重量%及びMnO2:0.3重量%となるよう各成
分原料を秤量、混合し、電気炉中の白金ルツボに投入し
て溶融し、均質になるよう撹拌したのち、50×50×
5mmの板状に成形し、除歪、冷却してガラス成形体を得
た。 このガラス成形体を、720℃で3時間、続いて900
℃で2時間熱処理して、ガラス中に結晶を析出させた。
さらに、成形体を切断、スライスしたのち表面を平均粒
径10μmの炭化ケイ素砥粒を用いて30分間ラッピン
グし、さらに平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で15
分間ポリッシュして厚み0.635mmの研磨成形体を得
た。この研磨成形体は、結晶相1がムライトであり、結
晶相2がホウ酸アルミニウム系結晶であった。また、研
磨成形体について求めた光吸収率は、波長430nmに
おいて0.39であった。この研磨成形体に、波長43
0nmのTi−サファイアレーザー2倍波を、エネルギ
ー密度1J/cm2、パルス幅5ns、パルス回数1回の
条件で照射して、テクスチャー加工を行った。加工後の
成形体のバンプ高さは205Åであり、磁気ディスク基
板として好ましい特性を備えていた。実施例1〜4のガ
ラス組成、熱処理条件及び結晶相を第1表に、光吸収
率、レーザー加工条件、バンプ高さ及び磁気ディスク基
板としての特性の判定を第2表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の結晶化ガラス磁気ディスク基板
は、レーザーテクスチャー加工が容易であり、基板上の
特定の領域を限定してCSSゾーンを設けることができ
るので、データゾーンの平滑度を優れたものとし、高記
録密度の達成が可能な磁気ディスク基板とすることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 融 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内 (72)発明者 栗山 育夫 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内 (72)発明者 若林 肇 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザーテクスチャー加工に用いられる光
    源特有の波長において、測定試料の厚みを0.635mm
    としたときの光吸収率が0.1以上であることを特徴と
    する結晶化ガラス磁気ディスク基板。
  2. 【請求項2】結晶化ガラス組成中に、Nb、La、S
    n、Co、Mn、V、Cr、Cu、Au、Ag、Pt、
    Mo、Ni、Fe、Te、Ce、Se、Nd、Pr、S
    m、Er、Sからなる群より選択された少なくとも1成
    分を含有する請求項1記載の結晶化ガラス磁気ディスク
    基板。
  3. 【請求項3】Nb、La、Sn、Co、Mn、V、C
    r、Cu、Au、Ag、Pt、Mo、Ni、Fe、T
    e、Ce、Se、Nd、Pr、Sm、Er、Sからなる
    群より選択された少なくとも1成分の含有量が、合計で
    0.01〜0.5重量%である請求項2記載の結晶化ガラ
    ス磁気ディスク基板。
  4. 【請求項4】結晶化ガラス組成中に、TiO2を含有す
    る請求項1、請求項2又は請求項3記載の結晶化ガラス
    磁気ディスク基板。
  5. 【請求項5】TiO2の含有量が、0.1〜20重量%で
    ある請求項4記載の結晶化ガラス磁気ディスク基板。
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