JPH10206630A - 多層膜光学フィルター及びその形成方法並びに光源 - Google Patents
多層膜光学フィルター及びその形成方法並びに光源Info
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- JPH10206630A JPH10206630A JP9317882A JP31788297A JPH10206630A JP H10206630 A JPH10206630 A JP H10206630A JP 9317882 A JP9317882 A JP 9317882A JP 31788297 A JP31788297 A JP 31788297A JP H10206630 A JPH10206630 A JP H10206630A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】膜クラックが生ぜず且つ従来よりも少ない層数
で必要なフィルター特性が得られるようにする。 【解決手段】イオンプレーティング法で高屈折率のCeO2
層を形成し、通常の真空蒸着法で低屈折率のMgF2層を形
成し、両層を交互に形成する。
で必要なフィルター特性が得られるようにする。 【解決手段】イオンプレーティング法で高屈折率のCeO2
層を形成し、通常の真空蒸着法で低屈折率のMgF2層を形
成し、両層を交互に形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源、投影装置、
カメラ、ビデオ等に用いられる多層膜光学フィルター及
びその形成方法並びに光源に関する。
カメラ、ビデオ等に用いられる多層膜光学フィルター及
びその形成方法並びに光源に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばハロゲンランプでは、フィラメン
トから放射されるエネルギーの70〜90%は赤外線で
あり、そのエネルギーを有効利用するために、円筒形ガ
ラスバルブの外面に光学フィルターとして可視光透過赤
外線反射多層膜を形成し、赤外線をできるだけ多く反射
させフィラメントへ帰還させることにより、フィラメン
トを加熱させている。これにより、省電力を図ると共
に、赤外線の少ない可視光を放射させている。
トから放射されるエネルギーの70〜90%は赤外線で
あり、そのエネルギーを有効利用するために、円筒形ガ
ラスバルブの外面に光学フィルターとして可視光透過赤
外線反射多層膜を形成し、赤外線をできるだけ多く反射
させフィラメントへ帰還させることにより、フィラメン
トを加熱させている。これにより、省電力を図ると共
に、赤外線の少ない可視光を放射させている。
【0003】このような多層膜光学フィルターは、屈折
率の異なる膜の境界面での反射光による干渉を利用した
ものであり、透明基材面に所定厚さの高屈折率層と所定
厚さの低屈折率層とを交互に積層して形成される。この
高屈折率層と低屈折率層の屈折率比が大きいほど、高い
反射率と広い反射帯域を有する。反射防止膜等のように
層数が比較的少ない多層膜光学フィルターでは、通常、
高屈折率層として屈折率が比較的高く耐久性の良好なCe
O2が良く使用され、低屈折率層として屈折率が比較的低
く耐久性の良好なMgF2が良く使用される。この多層膜
は、通常の真空蒸着法(グロー放電を生じさせない真空
蒸着法、以下同様)により形成される。
率の異なる膜の境界面での反射光による干渉を利用した
ものであり、透明基材面に所定厚さの高屈折率層と所定
厚さの低屈折率層とを交互に積層して形成される。この
高屈折率層と低屈折率層の屈折率比が大きいほど、高い
反射率と広い反射帯域を有する。反射防止膜等のように
層数が比較的少ない多層膜光学フィルターでは、通常、
高屈折率層として屈折率が比較的高く耐久性の良好なCe
O2が良く使用され、低屈折率層として屈折率が比較的低
く耐久性の良好なMgF2が良く使用される。この多層膜
は、通常の真空蒸着法(グロー放電を生じさせない真空
蒸着法、以下同様)により形成される。
【0004】しかし、可視光透過赤外線反射膜のように
20層以上を必要とする多層膜光学フィルターでは、上
記2つの材料を用い通常の真空蒸着法で形成すると、膜
クラックが生ずるという問題があった。この問題を解決
するために、従来では、低屈折率層の材料としてSiO2を
用いることにより、膜クラックを防止していた。
20層以上を必要とする多層膜光学フィルターでは、上
記2つの材料を用い通常の真空蒸着法で形成すると、膜
クラックが生ずるという問題があった。この問題を解決
するために、従来では、低屈折率層の材料としてSiO2を
用いることにより、膜クラックを防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SiO2は
MgF2より屈折率がやや高いので、MgF2を用いた場合と同
程度のフィルター特性を得るには、積層数を50%程度
増やす必要があるため、高価となり、経済面上実用性に
問題があった。本発明の目的は、上記問題点に鑑み、膜
クラックが生ぜず且つ従来よりも少ない層数で必要なフ
ィルター特性が得られる多層膜光学フィルター及びその
形成方法並びにこの多層膜光学フィルターを用いた光源
を提供することにある。
MgF2より屈折率がやや高いので、MgF2を用いた場合と同
程度のフィルター特性を得るには、積層数を50%程度
増やす必要があるため、高価となり、経済面上実用性に
問題があった。本発明の目的は、上記問題点に鑑み、膜
クラックが生ぜず且つ従来よりも少ない層数で必要なフ
ィルター特性が得られる多層膜光学フィルター及びその
形成方法並びにこの多層膜光学フィルターを用いた光源
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】請求項
1の発明では、イオンプレーティング法で成膜すると圧
縮応力が残留するCeO2及びY2O3のいずれか一つからなる
第1屈折率の層と、グロー放電を生じさせない真空蒸着
法で成膜すると引張応力が残留し該第1屈折率と異なる
第2屈折率のMgF2、CaF2及びAl2O3 のいずれか1つから
なる層とが、透明基材上に交互に積層された多層膜光学
フィルターを形成する方法であって、該第1屈折率の層
をイオンプレーティング法で形成し、該第2屈折率の層
を真空蒸着法により形成する。
1の発明では、イオンプレーティング法で成膜すると圧
縮応力が残留するCeO2及びY2O3のいずれか一つからなる
第1屈折率の層と、グロー放電を生じさせない真空蒸着
法で成膜すると引張応力が残留し該第1屈折率と異なる
第2屈折率のMgF2、CaF2及びAl2O3 のいずれか1つから
なる層とが、透明基材上に交互に積層された多層膜光学
フィルターを形成する方法であって、該第1屈折率の層
をイオンプレーティング法で形成し、該第2屈折率の層
を真空蒸着法により形成する。
【0007】請求項2の発明では、イオンプレーティン
グ法で成膜すると圧縮応力が残留するMgF2、CaF2及びAl
2O3 のいずれか1つからなる第1屈折率の層と、グロー
放電を生じさせない真空蒸着法で成膜すると引張応力が
残留し該第1屈折率と異なる第2屈折率のCeO2及びY2O3
のいずれか1つからなる層とが、透明基材上に交互に積
算された多層膜光学フィルターを形成する方法であっ
て、該第1屈折率の操をイオンプレーティング法で形成
し、該第2屈折率の層を真空蒸着法により形成する
グ法で成膜すると圧縮応力が残留するMgF2、CaF2及びAl
2O3 のいずれか1つからなる第1屈折率の層と、グロー
放電を生じさせない真空蒸着法で成膜すると引張応力が
残留し該第1屈折率と異なる第2屈折率のCeO2及びY2O3
のいずれか1つからなる層とが、透明基材上に交互に積
算された多層膜光学フィルターを形成する方法であっ
て、該第1屈折率の操をイオンプレーティング法で形成
し、該第2屈折率の層を真空蒸着法により形成する
【0008】グロー放電を生じさせない真空蒸着法に
は、抵抗加熱、電子ビーム加熱又は電磁誘導加熱などに
より材料を蒸発させる方法がある。イオンプレーティン
グ法も真空蒸着法の一種であるが、グロー放電を生じさ
せる真空蒸着法である。本請求項1又は2の発明によれ
ば、圧縮応力が残留する第1屈折率の層と引張応力が残
留し該第1屈折率と異なる第2屈折率の層とが交互に積
層されるので、層間で両残留応力が相殺するように働い
て膜クラックの発生が防止されるという効果を奏し、多
層膜光学フィルターの信頼性向上に寄与するところが大
きい。また、グロー放電を生じさせない真空蒸着法で成
膜すると圧縮応力が残留する材料で第1屈折率の層を形
成する必要がないので、この材料を用いた場合の層間屈
折率差が本発明を用いた場合のそれよりも大きい場合に
は、従来よりも少ない層数で必要なフィルター特性が得
られるという効果を奏し、多層膜光学フィルターの安価
化に寄与するところが大きい。
は、抵抗加熱、電子ビーム加熱又は電磁誘導加熱などに
より材料を蒸発させる方法がある。イオンプレーティン
グ法も真空蒸着法の一種であるが、グロー放電を生じさ
せる真空蒸着法である。本請求項1又は2の発明によれ
ば、圧縮応力が残留する第1屈折率の層と引張応力が残
留し該第1屈折率と異なる第2屈折率の層とが交互に積
層されるので、層間で両残留応力が相殺するように働い
て膜クラックの発生が防止されるという効果を奏し、多
層膜光学フィルターの信頼性向上に寄与するところが大
きい。また、グロー放電を生じさせない真空蒸着法で成
膜すると圧縮応力が残留する材料で第1屈折率の層を形
成する必要がないので、この材料を用いた場合の層間屈
折率差が本発明を用いた場合のそれよりも大きい場合に
は、従来よりも少ない層数で必要なフィルター特性が得
られるという効果を奏し、多層膜光学フィルターの安価
化に寄与するところが大きい。
【0009】請求項3の発明の多層膜光学フィルター
は、上記いずれかの方法で形成されており、この多層膜
光学フィルターについて上記効果が得られる。
は、上記いずれかの方法で形成されており、この多層膜
光学フィルターについて上記効果が得られる。
【0010】請求項4の発明の光源では、通電により赤
外線と可視光とを放射するフィラメントと、該フィラメ
ントを収容する上記透明基材としてのバルブと、該バル
ブの表面に形成され、赤外線反射可視光透過型の請求項
3記載の多層膜光学フィルターと、を有する。
外線と可視光とを放射するフィラメントと、該フィラメ
ントを収容する上記透明基材としてのバルブと、該バル
ブの表面に形成され、赤外線反射可視光透過型の請求項
3記載の多層膜光学フィルターと、を有する。
【0011】請求項5の発明の光源は、ハロゲンランプ
である。
である。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。基材として、厚さ1mmのBK7ガラス基板を
用い、高屈折率層の蒸発材料としてCeO2を用い、低屈折
率層の蒸発材料としてMgF2を用いた。また、1つの真空
チャンバー内に、基材加熱用ヒータを配設し、且つ、電
子ビーム加熱装置及びイオンプレーティング装置を切換
使用可能に配設した。
明する。基材として、厚さ1mmのBK7ガラス基板を
用い、高屈折率層の蒸発材料としてCeO2を用い、低屈折
率層の蒸発材料としてMgF2を用いた。また、1つの真空
チャンバー内に、基材加熱用ヒータを配設し、且つ、電
子ビーム加熱装置及びイオンプレーティング装置を切換
使用可能に配設した。
【0013】(1)前処理として、真空チャンバーに基
材を設置し、基材加熱用ヒータをオンにして基材温度を
約250°Cにした。この加熱は以下の処理での膜付着
を強固にするためのものであり、多層膜形成終了までこ
の温度を保った。図1は、この前処理後の処理を示す。
以下、括弧内の数値は図中のステップを示す。
材を設置し、基材加熱用ヒータをオンにして基材温度を
約250°Cにした。この加熱は以下の処理での膜付着
を強固にするためのものであり、多層膜形成終了までこ
の温度を保った。図1は、この前処理後の処理を示す。
以下、括弧内の数値は図中のステップを示す。
【0014】(2)真空度が8×10-4Paになる迄排
気した後、電子ビーム加熱真空蒸着法により、基材に対
しMgF2を付着速度約0.8nm/secで図3(A)に
示す光学膜厚となるまで蒸着させた。 (3)真空度約4×10-2Paになる迄プラズマ発生用
Arガスを真空チャンバ内に導入してグロー放電を生じさ
せ、さらに真空度約1.2×10-1Paになる迄酸化促
進用O2ガスを真空チャンバ内に導入した後、イオンプレ
ーティング法により、基材に対しCeO2を付着速度約0.
5nm/secで図3(A)に示す光学膜厚となるまで
付着させた。
気した後、電子ビーム加熱真空蒸着法により、基材に対
しMgF2を付着速度約0.8nm/secで図3(A)に
示す光学膜厚となるまで蒸着させた。 (3)真空度約4×10-2Paになる迄プラズマ発生用
Arガスを真空チャンバ内に導入してグロー放電を生じさ
せ、さらに真空度約1.2×10-1Paになる迄酸化促
進用O2ガスを真空チャンバ内に導入した後、イオンプレ
ーティング法により、基材に対しCeO2を付着速度約0.
5nm/secで図3(A)に示す光学膜厚となるまで
付着させた。
【0015】このイオンプレーティング法では、Arガス
を放電させるプラズマソースを使用して真空チャンバ内
に300Wのグロー放電を生じさせ、これにより生じた
プラズマのうちのAr+ を蒸発材料CeO2とその分解したCe
O2とO2ガスとに衝突させて、これらをイオン化させたり
活性化させたりした。このような条件下で、約10Vの
負のバイアスを基材に印加して、基材にCeO2を付着させ
た。
を放電させるプラズマソースを使用して真空チャンバ内
に300Wのグロー放電を生じさせ、これにより生じた
プラズマのうちのAr+ を蒸発材料CeO2とその分解したCe
O2とO2ガスとに衝突させて、これらをイオン化させたり
活性化させたりした。このような条件下で、約10Vの
負のバイアスを基材に印加して、基材にCeO2を付着させ
た。
【0016】以上の処理(2)と(3)とを交互に、膜
が合計23層になるまで繰り返して積層した。なお、付
着速度は、予め実験により、光学膜厚と処理時間との間
の関係から求めた。本実施例の効果を従来例の場合と比
較するために、以下のような比較例1及び比較例2を実
施した。図2(A)及び(B)はそれぞれ前処理後の比
較例1及び比較例2を示すフローチャートである。
が合計23層になるまで繰り返して積層した。なお、付
着速度は、予め実験により、光学膜厚と処理時間との間
の関係から求めた。本実施例の効果を従来例の場合と比
較するために、以下のような比較例1及び比較例2を実
施した。図2(A)及び(B)はそれぞれ前処理後の比
較例1及び比較例2を示すフローチャートである。
【0017】[比較例1]上記(1)を行った後に、上
記処理(2)と次の処理(4)とを交互に、膜が合計2
3層になるまで繰り返して積層した。 (4)真空度約2.0×10-2Paになる迄O2ガスを真
空チャンバ内に導入した後、電子ビーム加熱真空蒸着法
により、基材に対しCeO2を付着速度約0.5nm/se
cで図3(A)に示す光学膜厚となるまで蒸着させた。
記処理(2)と次の処理(4)とを交互に、膜が合計2
3層になるまで繰り返して積層した。 (4)真空度約2.0×10-2Paになる迄O2ガスを真
空チャンバ内に導入した後、電子ビーム加熱真空蒸着法
により、基材に対しCeO2を付着速度約0.5nm/se
cで図3(A)に示す光学膜厚となるまで蒸着させた。
【0018】[比較例2]上記(1)を行った後に、次
の処理(5)と上記処理(4)とを交互に、膜が合計3
3層になるまで繰り返して積層した。 (5)真空度が8×10-4Paになる迄排気した後、電
子ビーム加熱真空蒸着法により、基材に対しSiO2を付着
速度約1.0nm/secで図3(B)に示す光学膜厚
となるまで蒸着させた。
の処理(5)と上記処理(4)とを交互に、膜が合計3
3層になるまで繰り返して積層した。 (5)真空度が8×10-4Paになる迄排気した後、電
子ビーム加熱真空蒸着法により、基材に対しSiO2を付着
速度約1.0nm/secで図3(B)に示す光学膜厚
となるまで蒸着させた。
【0019】以上のように作成した実施例1の多層膜光
学フィルターは、図4(A)の分光透過率を示し、膜ク
ラックなどの表面欠陥はなかった。比較例1の多層膜光
学フィルターは、膜クラックを生じた。比較例2の多層
膜光学フィルターは、図4(B)の分光透過率を示し、
膜クラックなどの表面欠陥はなかった。このような実際
の比較から、実施例1の多層膜光学フィルターは、高屈
折率層のCeO2膜形成のためにイオンプレーティング法を
用いたことにより、膜クラックが生ぜず、さらに、23
層で、33層形成した比較例2と同等の光学特性が得ら
れることがわかった。
学フィルターは、図4(A)の分光透過率を示し、膜ク
ラックなどの表面欠陥はなかった。比較例1の多層膜光
学フィルターは、膜クラックを生じた。比較例2の多層
膜光学フィルターは、図4(B)の分光透過率を示し、
膜クラックなどの表面欠陥はなかった。このような実際
の比較から、実施例1の多層膜光学フィルターは、高屈
折率層のCeO2膜形成のためにイオンプレーティング法を
用いたことにより、膜クラックが生ぜず、さらに、23
層で、33層形成した比較例2と同等の光学特性が得ら
れることがわかった。
【0020】膜クラックが生じない理由は、イオンプレ
ーティング法でCeO2の層を形成したことによりこの層に
圧縮応力が残留し、この層と、引張応力が残留するMgF2
の層とが交互に積層されるので、層間で両残留応力が相
殺するように働いて膜クラックの発生が防止されると考
えられる。イオンプレーティング法で形成した膜は、そ
の充填密度が高くなるので、高屈折率層と低屈折率層と
の屈折率比が、イオンプレーティング法を用いずに通常
の真空蒸着法を用いた場合よりも大きくなる。
ーティング法でCeO2の層を形成したことによりこの層に
圧縮応力が残留し、この層と、引張応力が残留するMgF2
の層とが交互に積層されるので、層間で両残留応力が相
殺するように働いて膜クラックの発生が防止されると考
えられる。イオンプレーティング法で形成した膜は、そ
の充填密度が高くなるので、高屈折率層と低屈折率層と
の屈折率比が、イオンプレーティング法を用いずに通常
の真空蒸着法を用いた場合よりも大きくなる。
【0021】なお、本発明には外にも種々の変形例が含
まれる。例えば、上記実施例では高屈折率層材料として
CeO2を用いた場合を説明したが、通常の真空蒸着で引張
応力を有する高屈折率材料Y2O3に対してもイオンプレー
ティング法を用いることにより、圧縮応力を示すように
しても本発明の効果が得られる。
まれる。例えば、上記実施例では高屈折率層材料として
CeO2を用いた場合を説明したが、通常の真空蒸着で引張
応力を有する高屈折率材料Y2O3に対してもイオンプレー
ティング法を用いることにより、圧縮応力を示すように
しても本発明の効果が得られる。
【0022】また、通常の真空蒸着法として上記実施例
では電子ビーム加熱による蒸発材料の加熱を説明した
が、蒸着された膜は、グロー放電を生じさせない他の加
熱、例えば抵抗加熱又は電磁誘導加熱によっても電子ビ
ーム加熱の場合と同じ性質の残留応力を示すので、本発
明における通常の真空蒸着法は電子ビーム加熱に限定さ
れない。
では電子ビーム加熱による蒸発材料の加熱を説明した
が、蒸着された膜は、グロー放電を生じさせない他の加
熱、例えば抵抗加熱又は電磁誘導加熱によっても電子ビ
ーム加熱の場合と同じ性質の残留応力を示すので、本発
明における通常の真空蒸着法は電子ビーム加熱に限定さ
れない。
【0023】本発明の効果が得られる理由から、本発明
には請求項1に記載した全ての方法が含まれる。例え
ば、イオンプレーティング法を低屈折率層に適用した場
合も含まれる。この場合、通常の真空蒸着法のみで高屈
折率層と低屈折率層とを交互に積層して多層膜を形成す
ると膜クラックが生ずるようなフィルターであっても、
高屈折率層を通常の真空蒸着法で形成し低屈折率層をイ
オンプレーティング法で形成することにより、膜クラッ
クが生じないフィルターを得ることができる。
には請求項1に記載した全ての方法が含まれる。例え
ば、イオンプレーティング法を低屈折率層に適用した場
合も含まれる。この場合、通常の真空蒸着法のみで高屈
折率層と低屈折率層とを交互に積層して多層膜を形成す
ると膜クラックが生ずるようなフィルターであっても、
高屈折率層を通常の真空蒸着法で形成し低屈折率層をイ
オンプレーティング法で形成することにより、膜クラッ
クが生じないフィルターを得ることができる。
【0024】また、本発明の多層膜光学フィルターは、
例えば光源の透明バルブ、特にハロゲンランプの透明バ
ルブの表面に形成して好適である。
例えば光源の透明バルブ、特にハロゲンランプの透明バ
ルブの表面に形成して好適である。
【図1】本発明の多層膜光学フィルター形成方法の一実
施例を示すフローチャートである。
施例を示すフローチャートである。
【図2】図1の実施例の効果を示すためにこの実施例と
比較される従来の多層膜光学フィルター形成方法を示す
フローチャートである。
比較される従来の多層膜光学フィルター形成方法を示す
フローチャートである。
【図3】(A)は図1及び図2(A)の方法で実際に形
成された多層膜光学フィルターの層構成を示し、(B)
は図2(B)の方法で実際に形成された多層膜光学フィ
ルターの層構成を示す表である。
成された多層膜光学フィルターの層構成を示し、(B)
は図2(B)の方法で実際に形成された多層膜光学フィ
ルターの層構成を示す表である。
【図4】(A)は図1の方法で形成された多層膜光学フ
ィルターの波長に対する透過率の測定結果を示し、
(B)は図2(B)の方法で形成された多層膜光学フィ
ルターの波長に対する透過率の測定結果を示す線図であ
る。
ィルターの波長に対する透過率の測定結果を示し、
(B)は図2(B)の方法で形成された多層膜光学フィ
ルターの波長に対する透過率の測定結果を示す線図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 イオンプレーティング法で成膜すると圧
縮応力が残留するCeO2及びY2O3のいずれか一つからなる
第1屈折率の層と、グロー放電を生じさせない真空蒸着
法で成膜すると引張応力が残留し該第1屈折率と異なる
第2屈折率のMgF2、CaF2及びAl2O3 のいずれか1つから
なる層とが、透明基材上に交互に積層された多層膜光学
フィルターを形成する方法であって、 該第1屈折率の層をイオンプレーティング法で形成し、
該第2屈折率の層を真空蒸着法により形成することを特
徴とする多層膜光学フィルター形成方法。 - 【請求項2】 イオンプレーティング法で成膜すると圧
縮応力が残留するMgF2、CaF2及びAl2O3 のいずれか1つ
からなる第1屈折率の層と、グロー放電を生じさせない
真空蒸着法で成膜すると引張応力が残留し該第1屈折率
と異なる第2屈折率のCeO2及びY2O3のいずれか1つから
なる層とが、透明基材上に交互に積算された多層膜光学
フィルターを形成する方法であって、 該第1屈折率の操をイオンプレーティング法で形成し、
該第2屈折率の層を真空蒸着法により形成することを特
徴とする多層膜光学フィルター形成方法。 - 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれか1つに記載の
方法で形成されたことを特徴とする多層膜光学フィルタ
ー。 - 【請求項4】 通電により赤外線と可視光とを放射する
フィラメントと、 該フィラメントを収容する上記透明基材としてのバルブ
と、 該バルブの表面に形成され、赤外線反射可視光透過型の
請求項3記載の多層膜光学フィルターと、 を有することを特徴とする光源。 - 【請求項5】 ハロゲンランプであることを特徴とする
請求項4記載の光源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9317882A JPH10206630A (ja) | 1996-11-19 | 1997-11-19 | 多層膜光学フィルター及びその形成方法並びに光源 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30783796 | 1996-11-19 | ||
JP8-307837 | 1996-11-19 | ||
JP9317882A JPH10206630A (ja) | 1996-11-19 | 1997-11-19 | 多層膜光学フィルター及びその形成方法並びに光源 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10206630A true JPH10206630A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=26565283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9317882A Pending JPH10206630A (ja) | 1996-11-19 | 1997-11-19 | 多層膜光学フィルター及びその形成方法並びに光源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10206630A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007063574A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Showa Shinku:Kk | 多層膜の成膜方法および成膜装置 |
WO2014010434A1 (ja) * | 2012-07-13 | 2014-01-16 | 株式会社メイハン | 球状体の被膜形成方法 |
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1997
- 1997-11-19 JP JP9317882A patent/JPH10206630A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007063574A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Showa Shinku:Kk | 多層膜の成膜方法および成膜装置 |
WO2014010434A1 (ja) * | 2012-07-13 | 2014-01-16 | 株式会社メイハン | 球状体の被膜形成方法 |
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