JPH10204796A - スレッドおよびスレッドを用いた偽造防止用紙 - Google Patents

スレッドおよびスレッドを用いた偽造防止用紙

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JPH10204796A
JPH10204796A JP74197A JP74197A JPH10204796A JP H10204796 A JPH10204796 A JP H10204796A JP 74197 A JP74197 A JP 74197A JP 74197 A JP74197 A JP 74197A JP H10204796 A JPH10204796 A JP H10204796A
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adhesive
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glass transition
transition temperature
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JP74197A
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Hiroyuki Ohashi
弘幸 大橋
Takeshi Kamimura
武 上村
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スレッドを紙層中に抄き込んだ偽造防止用紙に
おいて、スレッドと紙層との接着強度に優れ、しかも抄
き込み前のスレッド巻取がブロッキングすることが少な
く、安定して製造できる偽造防止用紙とそれに適したス
レッドに関するものである。 【解決手段】糸状またはテープ状の基材の両面に熱可塑
性および/または水再湿性の接着剤層を設けたスレッド
において、該スレッドに設けた接着剤層が表裏異なる樹
脂組成から成り、且つ表裏どちらの接着剤層も、ガラス
転移温度が10℃以上の接着剤を主成分とするスレッ
ド。該表裏の接着剤層が、ガラス転移温度が15℃以上
のエマルジョン型接着剤、または、ガラス転移温度が2
5℃以上の溶液型接着剤で構成されているスレッド。ス
レッドの基材が金属蒸着層を有するプラスチックフィル
ムであり、その表裏の接着剤層のいずれかが、ガラス転
移温度が25℃以上で、主成分がポリエステル系樹脂、
または主成分がエチレン−酢酸ビニル系樹脂である溶液
型接着剤を使用して構成されたスレッド。上記のスレッ
ドを紙層間に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止用紙に使
用するスレッドおよび偽造防止用紙に関するものであ
る。さらに詳しくは、従来のスレッドが有した欠点を改
良し、抄紙機で紙層間の所定の位置にスレッドを挿入し
た時、紙層との接着強度が優れた偽造防止用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機技術の進歩によって、有価
証券類の偽造が容易となり、大きな社会問題となってい
るため、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身
分証明書、カードなどは不正に変造、偽造できないよう
に、各種の偽造防止対策が施されている。
【0003】偽造防止対策としては、特開昭48−75
808号、特公昭52−48660号、特開昭51−1
30308号公報等に記載の、紙層間に糸状物(スレッ
ドと称す)を抄き込んだ、いわゆる糸入り紙と称する偽
造防止用紙がある。
【0004】紙層間に抄き込むスレッドの形態は、一般
的に10〜100μm程度の厚みで、0.2〜30mm
程度の巾の糸状あるいはテープ状のものであり、例え
ば、金糸、銀糸、プラスチックフィルム、金属蒸着フィ
ルム等が使用される。近年は、高度な複写機の技術によ
る偽造を防止するため、複製が非常に困難なホログラ
ム、ピクセルグラム、グレーティングイメージ等がクレ
ジットカード、紙幣等に貼付されているが、これらもス
レッドとして使用される。これらのスレッドを抄き込ん
だ偽造防止用紙は複写機で複写してもスレッドの金属光
沢部分は偽造できず、変造することが困難である。
【0005】しかしながら、スレッドを抄き込んだ偽造
防止用紙において、紙層とスレッドが強固に接着してい
ないと、スレッドを引っ張ると紙層間から抜けて偽造防
止用紙としての価値が損なわれたり、脱落したスレッド
が偽造、変造の目的に流用される恐れを生じてしまうと
言う問題があった。
【0006】このような問題を解決する手段として、例
えば、抄紙工程においてサイズプレス液に水溶性接着剤
を使用したり、特開平7−56377号公報に記載され
ているように、スレッドに熱可塑性樹脂や水溶性接着剤
を塗工して紙層との接着強度を向上させる方法等が提案
されている。しかしながら、サイズプレス液では十分な
接着強度が得られないし、スレッドに熱可塑性樹脂や水
溶性接着剤を塗工しながら紙層間に抄き込むことは既存
の設備では困難である。
【0007】また、あらかじめ接着剤層を設けたスレッ
ドを使用する方法では、スレッドを抄き込む前に、巻取
内部で重なり合うスレッド同士がブロッキングを起こし
て偽造防止用紙の製造に支障をきたす場合があるため、
スレッドの両面に接着剤層を設けることが困難であっ
た。ちなみに、片面のみに接着剤層を設けたスレッドを
使用すると、接着剤層を設けなかった側でスレッドから
紙層が浮き上がるなど、偽造防止用紙としての美観が損
なわれてしまうという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スレッドを
紙層中に抄き込んだ偽造防止用紙において、スレッドと
紙層との接着強度に優れ、しかも抄き込み前のスレッド
巻取がブロッキングすることが少なく、安定して製造で
きる偽造防止用紙に関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は偽造防止用
紙の製造に使用するスレッドに使用する接着剤について
鋭意研究を行った結果、スレッドと紙層との接着強度に
優れ、しかもスレッドの巻取がブロッキングを起こさな
いという相反する性質を両立できる接着剤層の構成を見
いだし、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は、糸状またはテープ状
の基材の両面に熱可塑性または水再湿性の接着剤層を設
けたスレッドを紙層中に抄き込んだ偽造防止用紙におい
て、該スレッドに設けた接着剤層が表裏異なる樹脂組成
から成り、且つ表裏どちらの接着剤層もガラス転移温度
が10℃以上の接着剤、好ましくは、ガラス転移温度が
15℃以上のエマルジョン型接着剤および/または、ガ
ラス転移温度が25℃以上の溶液型接着剤を主成分とす
ることを特徴とするスレッドである。
【0011】また、本発明は、スレッドの基材が金属蒸
着層を有するプラスチックフィルムであり、スレッドの
表裏異なる樹脂からなる接着剤層の少なくとも片面が、
ガラス転移温度が25℃以上で、主成分がポリエステル
系樹脂であるか、またはガラス転移温度が25℃以上
で、主成分がエチレン−酢酸ビニル系樹脂である溶液型
接着剤を使用して構成されたスレッドである。さらに本
発明は、これらのスレッドのいずれかを紙層間に抄き込
んだことを特徴とする偽造防止用紙である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用紙は、基材に
あらかじめ接着剤を塗布、乾燥したスレッドの巻取を、
抄紙機の抄き合わせ工程において巻き出しながら紙層間
に挿入し、乾燥して得られる。
【0013】すなわち、本発明の偽造防止用紙は、多層
抄きの抄紙機で、少なくとも最終の抄き合わせを行うよ
りも前に、スレッドを紙層間に挿入し、抄き合わせ時の
水分や乾燥工程の熱によりあらかじめスレッドに設けた
接着剤層を可塑化させて紙層と接着させるため、使用す
る接着剤は熱可塑性または水再湿性を有することが必要
である。また、本発明に使用されるスレッドは巻取の状
態で保存されるため、巻取内部のような加圧条件下で
も、重なり合うスレッドの接着剤層同士がブロッキング
を起こさないことが必要である。
【0014】ブロッキングを防止するため、本発明に使
用される接着剤のガラス転移温度(バイブロン粘弾性に
より測定)は10℃以上である必要があるが、エマルジ
ョン型の樹脂組成物と溶液型の樹脂組成物では接着剤層
の成膜状態が異なり、ブロッキングの起こし易さが異な
るため、エマルジョン型のものは15℃以上、溶液型の
ものは25℃以上であればさらに好ましい。ガラス転移
温度が10℃より低いとスレッドの巻取がブロッキング
を起こしやすくなり、使用が困難となる。
【0015】一方、ガラス転移温度が高いほどブロッキ
ング性には優れるが、スレッド基材との密着性や紙層と
の接着性が低下する傾向にあり、また、ガラス転移温度
が80℃以下の樹脂組成物が一般的に接着剤として使用
されているため、ガラス転移温度が80℃以下の接着剤
を使用することが実用的である。
【0016】また、接着剤のガラス転移温度を高くする
だけではブロッキングに対して全く不十分であり、本発
明はスレッドの表裏で接着剤の樹脂組成が異なるものを
使用することによってブロッキングを著しく改善するも
のである。同じ樹脂組成の接着剤層同士に比べ、樹脂組
成の異なる接着剤層同士がブロッキングに優れる理由に
ついては必ずしも明らかではないが、以下のように推測
される。
【0017】すなわち、同じ樹脂組成の接着剤層同士は
接着剤層表面の親水性、疎水性、あるいは濡れ性等が類
似しているために接着剤層同士の親和性が高く、その結
果ブロッキングを起こしやすくなる。これに対し、樹脂
組成の異なる接着剤層同士はそれぞれの表面性が異なり
お互いの親和性が低いためブロッキングを起こしにくい
と考えられる。
【0018】本発明の偽造防止用紙に使用されるスレッ
ドに設けられる接着剤層には、エマルジョン型接着剤ま
たは溶液型接着剤が好ましく使用されるが、ちなみにホ
ットメルト型接着剤を使用すると、加熱時に接着剤の可
塑性が高すぎて、偽造防止用紙の製造時に抄紙機のドラ
イヤーが熱溶融した接着剤で汚染されるという問題が発
生し易い。
【0019】本発明に使用するスレッド用接着剤の樹脂
の種類は、表裏で異なる種類を選択すれば特に限定され
ず、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ス
チレン−イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコ−
ル系樹脂等、一般にヒートシール接着剤や水再湿接着剤
として使用できる公知、公用の樹脂組成物であるが、ス
レッド基材との密着性、紙層との接着性、ブロッキング
性等に比較的優れたポリエステル系樹脂やエチレン−酢
酸ビニル系樹脂が特に好ましく用いられる。
【0020】また、エマルジョン型接着剤と比較して、
水系や有機溶剤系等の溶液型接着剤はスレッド基材との
密着性や紙層との接着性と、ブロッキングとのバランス
に優れる傾向にあるため、スレッドの少なくとも表裏ど
ちらかには、ガラス転移温度が25℃以上で主成分がポ
リエステル系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル系樹脂で
ある溶液型接着剤を使用することが特に好ましい。
【0021】これらの樹脂はそのまま接着剤として使用
しても良いし、複数の樹脂を混合して使用しても良い。
また必要に応じて、各種公知の染料や顔料、消泡剤や濡
れ剤等の界面活性剤、ブロッキング防止剤、滑剤、増粘
剤等の助剤を添加しても良い。
【0022】接着剤の塗布方法は、ハケ塗り、スプレー
塗布、ロールコーター、マイヤーバーコーター、グラビ
アロールコーター、ブレードコーター、エアーナイフコ
ーター等の各種塗布装置によって行われ、乾燥は上記の
塗布装置に組み合わせた従来の方法で行われる。なお、
塗布量は乾燥重量で1〜15g/m2 程度が好ましい
が、この範囲より少ないと十分な接着強度が得られず、
多いと接着機能が飽和し経済上好ましくない。
【0023】本発明で使用するスレッド基材は特に限定
されないが、薄くて強度にも優れる厚さ10〜100μ
m程度のPETフィルムが一般によく使用される。PE
Tフィルムには偽造防止や装飾的な目的から金属蒸着
や、文字、図柄等の印刷、ホログラム、ピクセルグラ
ム、グレーティングイメージ等の光学的な特殊処理等を
施したり、磁気記録層を設けて情報を付与したりするこ
ともできる。なお、スレッド基材は、接着剤を塗布、乾
燥後に所定の巾にスリット加工し、スレッドとして使用
される。
【0024】こうして得られたスレッドを、各種のワイ
ヤーパートを組み合わせた公知の多層抄き抄紙機の抄き
合わせ工程で紙層間に挿入し、必要に応じて抄紙途中で
各種表面サイズ剤等をサイズプレス装置等で塗工し、ド
ライヤーで乾燥して目的とする偽造防止用紙を得る。ま
た、得られた偽造防止用紙にマシンカレンダーやスーパ
ーカレンダー処理を施したり、各種塗工装置で表面に顔
料塗被層、感熱記録層、熱転写受像層等を設けてもよ
い。
【0025】本発明で得られた偽造防止用紙は通常さら
に所望の印刷および断裁等を行い、紙幣や商品券、磁気
記録層を設けて切符やプリペイドカード等に使用され
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、もちろんのこと、本発明はこれによって限
定されるものではない。
【0027】実施例1 〔スレッドの作成〕基材として、厚さ12μmのアルミ
蒸着PETフィルム(商品名「G1302E−12」ダ
イヤホイルヘキスト株式会社製)のPET面側に、ガラ
ス転移温度約25℃のSBR系エマルジョン型接着剤
(商品名「P−6521」住化エイビーエス・ラテック
ス株式会社製)を乾燥重量で5g/m2 、アルミ蒸着面
側にガラス転移温度約28℃のポリエステル系有機溶剤
溶液型接着剤(商品名「PES−370S30」東亞合
成化学工業株式会社製)を乾燥重量で2g/m2 となる
ように、グラビアロールコーターで塗布、乾燥させた。
ついで、マイクロスリッターで1mm巾にスリット後ボ
ビンに巻き取り、スレッドを得た。
【0028】〔偽造防止用紙の製造〕二槽のシリンダー
バットを備えた円網抄紙機の、一槽目の円網シリンダー
の同一円周表面上にあらかじめ1cm×1cmの形のテ
ープを1cm間隔で貼り付けて網目を塞いでおき、第一
紙層として1cmおきに1cm×1cmの穴が空いた紙
層を形成するようにした。二槽目の円網シリンダーには
細工を施さず、無地の第二紙層を形成するようにした。
また、スレッド巻き出し装置を第一紙層用と第二紙層用
のシリンダーの間に設置し、スレッドが第一紙層の穴と
重なる位置に、第二紙層とアルミ蒸着面側が接する向き
で挿入されるようにした。なお、この抄紙機で抄造され
る湿潤紙(水分約50%)は、12本のシリンダードラ
イヤー(表面温度約70〜100℃)で乾燥後、マシン
カレンダー処理される。上記抄紙機により、前記で作成
したスレッドを使用して、スレッドが片面で露出と埋没
を繰り返したタイプの偽造防止用紙を得た。
【0029】実施例2 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約25℃のアクリル系エマルジョン型接着剤(商品
名「Nipol LX814」日本ゼオン株式会社製)
を乾燥重量で3g/m2 、アルミ蒸着面側にガラス転移
温度約32℃のポリエステル系水溶液型接着剤(商品名
「プラスコートRZ−648」互応化学工業株式会社
製)を乾燥重量で3g/m2 となるように塗布、乾燥さ
せた以外は、実施例1と全く同様にして偽造防止用紙を
得た。
【0030】実施例3 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約25℃のアクリル系エマルジョン型接着剤(商品
名「Nipol LX814」日本ゼオン株式会社製)
を乾燥重量で2g/m2 、アルミ蒸着面側にガラス転移
温度約30℃のエチレン−酢酸ビニル系有機溶剤溶液型
接着剤(商品名「AD−1790−15」東洋モートン
株式会社製)を乾燥重量で3g/m2 となるように塗
布、乾燥させた以外は、実施例1と全く同様にして偽造
防止用紙を得た。
【0031】実施例4 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約32℃のポリエステル系水溶液型接着剤(商品名
「プラスコートRZ−648」互応化学工業株式会社
製)を乾燥重量で3g/m2 となるように塗布、乾燥さ
せた以外は、実施例3と全く同様にして偽造防止用紙を
得た。
【0032】実施例5 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約70℃のポリエステル系水溶液型接着剤(商品名
「プラスコートRZ−610」互応化学工業株式会社
製)を乾燥重量で3g/m2 となるように塗布、乾燥さ
せた以外は、実施例3と全く同様にして偽造防止用紙を
得た。
【0033】実施例6 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約25℃のSBR系エマルジョン型接着剤(商品名
「P−6521」住化エイビーエス・ラテックス株式会
社製)を乾燥重量で5g/m2 、アルミ蒸着面側にガラ
ス転移温度約25℃のアクリル系エマルジョン型接着剤
(商品名「Nipol LX814」日本ゼオン株式会
社製)を乾燥重量で2g/m2 、となるように塗布、乾
燥させた以外は、実施例1と全く同様にして偽造防止用
紙を得た。
【0034】実施例7 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約14℃のSBR系エマルジョン型接着剤(商品名
「SN−337」住化エイビーエス・ラテックス株式会
社製)を使用した以外は、実施例1と全く同様にして偽
造防止用紙を得た。
【0035】実施例8 アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側に、ガラス
転移温度約20℃のポリエステル系水溶液型接着剤(商
品名「プラスコートZ−850」互応化学工業株式会社
製)を使用した以外は、実施例2と全く同様にして偽造
防止用紙を得た。
【0036】比較例1 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約4℃のSBR系エマルジョン型接着剤(商品名
「SN−132B」住化エイビーエス・ラテックス株式
会社製)を使用した以外は、実施例1と全く同様にして
偽造防止用紙を得た。
【0037】比較例2 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約−5℃のSBR系エマルジョン型接着剤(商品名
「P−6632」住化エイビーエス・ラテックス株式会
社製)を使用した以外は、実施例1と全く同様にして偽
造防止用紙を得た。
【0038】比較例3 アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側に、ガラス
転移温度約−20℃のポリエステル系水溶液型接着剤
(商品名「プラスコートZ−3308」互応化学工業株
式会社製)を使用した以外は、実施例2と全く同様にし
て偽造防止用紙を得た。
【0039】比較例4 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約28℃のポリエステル系有機溶剤溶液型接着剤
(商品名「PES−370S30」東亞合成化学工業株
式会社製)を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て偽造防止用紙を得た。
【0040】比較例5 アルミ蒸着PETフィルムのPET面側に、ガラス転移
温度約32℃のポリエステル系水溶液型接着剤(商品名
「プラスコートRZ−648」互応化学工業株式会社
製)を使用した以外は、実施例2と全く同様にして偽造
防止用紙を得た。
【0041】「評価」各偽造防止用紙の製造時における
スレッドのブロッキング状態と、得られた偽造防止用紙
におけるスレッドの接着強度を下記の方法で評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0042】〔ブロッキング〕巻取状態のスレッドを巻
き出しながら紙層間に抄き込む際、スレッドの繰り出し
易さを目視評価と製造状況から、下記の基準で判断し
た。 ○:スレッドは順調に繰り出され、問題なく製造でき
る。 △:繰り出しが不安定で、長時間の操業ではスレッド切
れが発生する。 ×:ブロッキングがひどく、スレッドが頻繁に切れるた
め、製造に適さない。
【0043】〔接着強度〕得られた偽造防止用紙のスレ
ッドを90゜の角度、0.3m/分の速度で引き剥が
し、下記の基準で判断した。 ◎ :スレッド露出部分の接着強度が約10gf/1m
m以上あり、スレッドに接着しているパルプ繊維が全て
紙層から剥がれる。 ○ :スレッド露出部分の接着強度が約5〜10gf/
1mmであり、部分的にパルプ繊維が剥がれる。 ×:スレッド露出部分の接着強度が約5gf/1mm以
下で、パルプ繊維が剥がれることなく簡単に紙層から引
き剥がすことができる。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
のスレッドはブロッキングを生ずることがほとんどな
く、紙層との接着強度に優れた偽造防止用紙を既存の設
備で安定して製造することができるものであり、これら
を用いて得た偽造防止用紙も優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸状またはテープ状の基材の両面に熱可塑
    性および/または水再湿性の接着剤層を設けたスレッド
    において、該スレッドに設けた接着剤層が表裏異なる樹
    脂組成から成り、且つ表裏どちらの接着剤層も、ガラス
    転移温度が10℃以上の接着剤を主成分とすることを特
    徴とするスレッド。
  2. 【請求項2】該表裏の接着剤層が、ガラス転移温度が1
    5℃以上のエマルジョン型接着剤、または、ガラス転移
    温度が25℃以上の溶液型接着剤で構成されていること
    を特徴とする請求項1記載のスレッド。
  3. 【請求項3】スレッドの基材が金属蒸着層を有するプラ
    スチックフィルムであり、その表裏の接着剤層のいずれ
    かが、ガラス転移温度が25℃以上で、主成分がポリエ
    ステル系樹脂、または主成分がエチレン−酢酸ビニル系
    樹脂である溶液型接着剤を使用して構成された、請求項
    1記載のスレッド。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3記載のスレッドを
    紙層間に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用紙。
JP74197A 1997-01-07 1997-01-07 スレッドおよびスレッドを用いた偽造防止用紙 Pending JPH10204796A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347167A (ja) * 2001-05-30 2002-12-04 Oji Paper Co Ltd 偽造防止用紙用スレッドおよび偽造防止用紙
JP2008174860A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Nippon Paper Industries Co Ltd Icタグ抄き込み紙

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