JP2008174860A - Icタグ抄き込み紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフィルムなどの基材上に少なくともICチップおよびアンテナを配置してなる薄いICタグ(インレットを含む)を、紙層内に抄き込む際、紙層の浮き上がり、剥離、及びICタグのしわの発生を防止することができるICタグ抄き込み紙を提供する。
【解決手段】ICチップとアンテナとを有するICタグ2を紙層1内に抄き込んでなるICタグ抄き込み紙であって、ICタグの表面と紙層との間に水分散性接着剤又はエマルション4が塗着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触方式のICタグを紙中に抄き込んだICタグ抄き込み紙に関する。
ICタグはICチップおよびアンテナを有し、通常、電池を内蔵することなくリーダーまたはライターから発生する電波や磁界によって作動し、大量の情報の読み取りや書き込みを行うことができるものとして普及し始めている。ICチップのメモリー容量は最大で数十キロバイトと二次元バーコードより多く、また、チップが段ボールなどの箱の中に入っていたり、チップから数メートル離れていても、データの読取りや書込みを行うことができる。
ICタグを活用することにより、部品メーカー、製造、卸、小売の各段階でばらばらのバーコードで管理されていた情報を全体で最適化するシステムが構築されるため、更なる流通の効率化がもたされると言われている。その他、医療、食品、教育などの分野でもICタグを使った新しいサービスが生まれる手段となりつつある。
ICタグは、通常、プラスチックフィルムなどの基材上に少なくともICチップおよびアンテナを配置してなる薄いインレットを、台紙に取付けるか、又は樹脂コーティングしたり紙の間に挟み込んで構成されている。
このようなICタグとして、個々のインレットを2つの紙層の間に抄き合わせる技術が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2002-298118号公報 特開2004-102353号公報 特開2005-350823号公報
しかしながら、特許文献1〜3記載の技術は、いずれも紙層内にインレットを抄き込むものであるが、インレットの基材に用いるプラスチックフィルムとこれらを抄き込む紙層との密着性が低く、湿紙を乾燥して紙層を形成させる際、インレット部分から紙層が浮いて膨れや剥離が生じたり、乾燥時の紙層の収縮にインレットのフィルム基材が追随してフィルムにしわや凹凸が生じる問題がある。
従って、本発明は、紙層内にICタグ(インレットを含む)を抄き込む際、紙層の浮き上がり、剥離、及びICタグのしわの発生を防止することができるICタグ抄き込み紙を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意検討した結果、ICタグのうち紙層と接触する部分の表面に予め水分散性接着剤又はエマルションを塗着すると、ICタグと紙層の密着性が向上し、抄き込み後の乾燥時に紙層の浮き上がり等が生じ難くなることを見出した。
従って、本発明のICタグ抄き込み紙は、ICチップとアンテナとを有するICタグを紙層内に抄き込んでなるICタグ抄き込み紙であって、前記ICタグの表面と前記紙層との間に水分散性接着剤又はエマルションが塗着されている。
前記紙層は湿紙を抄き合わせてなり、該湿紙を乾燥させる際の最高温度をTmax(℃)とし、前記水分散性接着剤又はエマルションのガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tmax>Tgの関係を有することが好ましい。
さらにTmax-10>Tgの関係を有することが好ましい。
前記ICタグを構成するフィルム基材の融点をTm(℃)としたとき、前記フィルム基材は、Tm>Tmaxの関係を有する結晶性熱可塑性樹脂又は非結晶性熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
本発明によれば、紙層内にICタグ(インレットを含む)を抄き込む際、紙層の浮き上がり、剥離、及びICタグのしわの発生を防止することができる。
<ICタグ>
ICタグは、ICチップとアンテナとを有し、通常は平板状をなす。本発明におけるICタグは、プラスチックフィルムなどの基材上に少なくともICチップおよびアンテナを配置してなる薄いインレット、及びこのインレットを台紙に取付けるか又は樹脂コーティング等したものも含む。
ICタグのICチップとアンテナとは接続され、リーダーやライター等の通信機器と無線交信することにより、ICチップに記憶された商品情報などの読み取りや、ICチップへの書き込みができる。通常、ICチップに記録できる最大容量は数十キロバイトであり、記録容量はバーコードの約100倍になる。アンテナとしては、導線をコイル状に巻いて無線交信できるようにした電磁誘導方式によるものや、ポール状のアンテナをICチップに接続した電波方式のものを使用することができる。
ICタグは例えば以下のようにして製造することができる。まず、ロール状のフィルム基材にアルミニウムを蒸着後、アンテナパターンをエッチング処理で作成する。アンテナを作成する別の方法として、フィルム上にアンテナパターンとなる導電性ペーストを印刷することもできる。アンテナパターンを作成したのち、フィルム上にICチップを接着剤などで接着してインレットを得ることができる。これら一連の工程はロール状のフィルム上で行われた後、個々のインレット片に断裁する。
上記フィルム基材としては主にプラスチックフィルムが使用され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。これらの樹脂はいずれも基材に絶縁性や耐熱性を持たせると同時に、耐水性のないICチップを保護するため、耐水性に優れたものを使用することができる。
フィルム基材の厚さは特に限定されるものではないが、商品の外観などを考慮して10μm〜200μmであることが好ましく、さらに好ましくは30μm〜80μmである。
<水分散性接着剤又はエマルションの塗着>
本発明において、ICタグの表面と紙層との間に水分散性接着剤又はエマルションが塗着されている。水分散性接着剤又はエマルションを塗着させる第1の方法としては、ICタグを紙層内に抄き込む前に、ICタグの表裏面に水分散性接着剤又はエマルションを塗着する方法が挙げられる。水分散性接着剤又はエマルションを塗着させる第2の方法としては、ICタグを抄き込む湿紙に水分散性接着剤又はエマルションを塗着し、塗着面にICタグを配置した後、ICタグの他の表面に別の湿紙(この湿紙にも水分散性接着剤又はエマルションが塗着されている)を抄き合わせる方法が挙げられる。又、ICタグの一方の表面について第1の方法を適用し、他の表面について第2の方法を適用してもよい。
水分散性接着剤又はエマルションとは、水に溶解せずに分散した接着剤又はエマルションをいい、例えば、アクリル樹脂、ウレタン−アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)エマルション等を例示することができる。カゼイン、デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)等は水に分散せずに溶解するので好ましくない。その理由として、PVA等は親水性であり、疎水性のフィルム(PET,PPフィルム等)との接着性が低いという問題がある。
ICタグや湿紙の表面に水分散性接着剤又はエマルションを塗着する方法としては、スプレー法、噴霧法、コーター等による塗布法等があるが特に限定されない。但し、塗着量が多くなると、ICタグと接する湿紙表層には水分が多く存在するため、ICタグ抄き込み後、湿紙を乾燥する際に紙層に亀裂やしわが生じる傾向にある。そこで、水分散性接着剤又はエマルションの濃度を高くするか、塗着量を少なくするか、又はICタグ表面へ塗着する場合は塗着後に水分散性接着剤又はエマルションを予め乾燥させてから抄き込むことが好ましい。
水分散性接着剤又はエマルションをICタグ表面へ塗着後に予め乾燥させると、紙層への接着性が低下する。そのため、ICタグ抄き込み後に湿紙を乾燥させる際、抄紙機のドライヤーパートの最高温度をTmax(℃)とし、前記水分散性接着剤又はエマルションのガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tmax>Tgの関係を有することが好ましい。
このようにすると、湿紙を乾燥させる際に水分散性接着剤又はエマルションが溶けて紙層に浸透し、ICタグと紙層との密着性が向上する。Tmax-10>Tgであるとより好ましい。
なお、ICタグと紙層との密着性に影響を与える因子としては、上記したTmaxとTgの関係の他、水分散性接着剤又はエマルション中の官能基の種類、水分散性接着剤又はエマルションの持つ表面自由エネルギーが考えられる。前者はインレットのフィルム基材との接着性に影響を与え、後者はICタグ(特にインレットのフィルム基材)表面の濡れ易さに影響を与えると考えられる。
また、本発明においては、Tgの高い水分散性接着剤又はエマルションを用いた場合や、ICタグと紙層との密着性を向上させるためにTgに比べてTmaxの温度を十分高くした場合、ICタグを構成するフィルム基材の耐熱性が問題となる。そこで、フィルム基材の融点をTm(℃)としたとき、前記フィルム基材は、Tm>Tmaxの関係を有する結晶性熱可塑性樹脂又は非結晶性熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
<ICタグの抄き込み>
ICタグを紙層内に抄き込む方法としては特に制限されず、例えば一般の多層抄紙機を用い、複数の紙層の間にICタグを挟んで抄き合わせることができる。
特に、2つの抄紙機を用いてそれぞれ抄き取った湿紙の表面同士を対向させ、この状態で一方の湿紙の上にICタグを載置した後、各湿紙を抄き合わせて乾燥する方法が好ましい。各湿紙に同じ紙料を用いる場合、各湿紙を抄き合わせると一体化して1つの紙層になる。又、各湿紙に異なる紙料を用いる場合、各湿紙を抄き合わせると2層の紙層となり、ICタグは各紙層の間に抄き込まれるが、この場合も「ICタグを紙層内に抄き込む」ことに含むものとする。
なお、3層以上の湿紙を抄き合わせることにより、3層以上の紙層を形成させてもよいが、この場合、いずれかの紙層内か、又は隣接する2つの紙層の間にICタグが抄き込まれる点は上記と同様である。
図1は、ICタグ抄き込み紙の平面に垂直な方向の断面を示す。平板状のICタグ2が紙層1内に抄き込まれ、ICタグ2の表裏面には水分散性接着剤又はエマルション4が塗着されて紙層1と密着している。紙層1は、それぞれ同一の紙料からなる湿紙10a、10bを抄き合わせているため、乾燥後は全体として単一の紙層からなるように見える。
紙層(湿紙)に用いるパルプの材質は特に限定されることなく、LBKP、NBKP、機械パルプ、古紙などが使用することができる。また、叩解条件も限定されることはない。
紙層を形成するために積層される2つ(以上)の湿紙に用いるパルプは同じ材質、濾水度であっても良いし、異なっていても良い。3層以上の湿紙の抄き合わせ紙の場合も同様である。
さらに、本発明においては必要に応じて紙層(湿紙)の中に填料、サイズ剤を添加することができる。填料の種類は特に限定されないが、例えば炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、カオリン、クレーなどを使用することができる。サイズ剤についても同様に特に限定されることはなく、例えばロジン系、変性ロジン系、アルキルケテンダイマー、スチレン系、スチレンーアクリル系、アルケニルコハク酸系、オレフィン系などがあげられる。また、添加剤として紙料中に蛍光染料、着色剤、PH調製剤、硫酸バンド、歩留まり向上剤などを適宜使用することができる。
湿紙の表面にICタグを載置し、その上に別の湿紙を重ね合わせた後、これらをニップロールで脱水したのち、シリンダードライヤーやヤンキードライヤーなど通常の乾燥方法により70〜150℃の熱をかけることで乾燥し、紙層を形成することができる。
また、得られた紙層に対し、通常のサイズプレスを行うこともできる。サイズプレスに使われる薬品の種類は特に限定されるものではないが、一例として澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、燐酸エステル化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどをあげることができる。
上記のようにして作成したICタグ抄き込み紙の表面に粘着層を塗設することで、ラベルとして使用することができる。また、表面に塗工層を設けることで、オフセット印刷適性、熱転写記録適性、インクジェット記録適性、感熱記録適性等の各種記録適性を付与することができる。
<各湿紙の表面を対向させた抄紙機を用いたICタグの抄き込み>
抄き込みに際しては、一般の多層抄紙機を用いてもよいが、図2に示すように円網30と長網50を組合せ、長網50の上面に抄き取られた第1の湿紙10aの上にICタグ2を載置した後、槽40を有する円網30で抄き取った第2の湿紙10bの下面を第1の湿紙10aの上面に抄き合わせるよう設計された多層抄紙機を用いることが好ましい。
ICタグ2は、所定の挿入機を用いて1個ずつ湿紙上に載置することができる。
<実施例>
以下、実施例により本発明を更に詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
(ICタグの作成)
図3に示すICタグ(この実施例ではインレット)2として、ロール状で厚さ0.05mmの結晶性熱可塑性樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム2a上にアルミを蒸着し、エッチング処理することによりフィルム上にアンテナ2bを形成させた。フィルム上にICチップ2cを設置してアンテナと接続した。
(ICタグ表面への水分散性接着剤又はエマルションの塗着)
ICタグのフィルムの表裏面に水分散性エマルションとしてアクリル樹脂(アクリットSE-1645E、大成ファインケミカル社製の商品名、Tg=55℃)をスプレーにより噴霧・塗布し、乾燥させた。その後、個々のICタグのサイズが55×96mmになるようにロール状フィルムを断裁した。
(ICタグ抄き込み紙の製造)
抄紙用の紙料は、濾水度400mlのLBKP100部に対し、軽質炭酸カルシウム20部、アルキルケテンダイマー0.015部、カチオン化デンプン0.5部、および湿潤紙力増強剤としてポリアミド・エピクロヒドリン2部を添加し、さらにパルプ濃度が1%となるように水を添加して調製した。
図2に示した抄紙機を使用し、抄紙速度を50m/minとし、坪量が100g/mになるように上記紙料を長網上に抄き取って第1の湿紙を形成した後、所定のICタグインレット挿入装置を用いて第1の湿紙の上に1個のICタグを載せ、円網で抄き取った100g/mの第2の湿紙をICタグの上へウェットの状態で重ね合わせた。重ね合わせた湿紙を線圧4.9MPa・cm(50kg/cm)でウエットプレスを通して脱水したのち、ドライヤーの最高温度(Tmax)120℃で乾燥を行って紙層を形成し、ICタグを内包した抄き込み紙を得た。
水分散性エマルションとしてアクリル樹脂の代わりにカルボキシ変性スチレンブタジエンエマルション(JSR社製の品番0693、Tg=20℃)を用い、さらにICタグのフィルムの表裏面に水分散性エマルションを塗布する代わりに以下の方法で塗布を行うとともに、ドライヤーの最高温度を100℃としたこと以外は実施例1と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
水分散性エマルションの塗布方法:第1の湿紙上にスプレーによりカルボキシ変性スチレンブタジエンエマルションを噴霧し、噴霧部の上にICタグを載置した。さらにそのICタグ上にスプレーによりカルボキシ変性スチレンブタジエンエマルションを噴霧した後、第2の湿紙をウェットの状態で重ね合わせた。
水分散性エマルションとしてアクリル樹脂の代わりにエチレン・酢酸ビニルエマルション(住友化学社製のスミカフレックスS-205HQ、Tg=-20℃)を用い、ドライヤーの最高温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
水分散性エマルションとしてTgの異なるアクリル樹脂エマルション(中央理化工業社製のリカホ゛ント゛ES-90、Tg=108℃)を用い、ドライヤーの最高温度を110℃としたこと以外は実施例1と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
ICタグのフィルム基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)の代わりに低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを用いたとともに、ドライヤーの最高温度を130℃としたこと以外は実施例4と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
個々のICタグのサイズを20×40mmに変更したこと以外は実施例1と同様にしてICタグ(インレット)を作製し、ICタグ抄き込み紙の製造を行った。
<比較例1>
ICタグの表裏面に水分散性エマルションを塗布せず、又、ドライヤーの最高温度を100℃としたこと以外は実施例1と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
<比較例2>
ドライヤーの最高温度を90℃としたこと以外は実施例4と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
<比較例3>
水分散性エマルションとしてアクリル樹脂エマルションの代わりに水溶性のポリビニルアルコール(クラレ社製のPVA-117、Tg=85℃)を用い、ドライヤーの最高温度を110℃としたこと以外は実施例1と同様にしてICタグ抄き込み紙の製造を行った。
<評価>
(ICタグと紙層との間の密着性評価)
ICタグと紙層との密着性として、紙層をICタグから手で引き剥がした際の剥がれ具合を以下の基準に従い評価した。引き剥がし方法は、まず、ICタグの上面に位置する紙層について、ICタグの外縁よりやや内側部分を切断する。但し、ICタグの外縁のうち1辺については紙層を切断せずにしておく。このようにすると、切断部分は上記1辺のみで紙層本体と繋がった舌辺状となり、紙層本体を押さえながら舌辺を引き剥がすことにより、紙層本体側に残ったICタグと舌辺(=上面側の紙層)との間の密着性を評価することになる。
○:ICタグが紙層から容易に剥がれない
△:ICタグが紙層から若干剥がれるが、実用上問題ないレベル
×:ICタグが紙層から簡単に剥がれてしまう
(ICタグ抄き込み部の外観評価)
ICタグ抄き込み部の紙層の凹凸具合を目視で評価した。
○:凹凸が全く見られない
△:若干凹凸が見られるが、実用上問題ないレベル
×:抄き込み部全体に大きな凹凸が見られる
得られた結果を表1に示す。
Figure 2008174860
表1から明らかなように、各実施例の場合、ICタグと紙層との間の密着性、ICタグ抄き込み部の外観がいずれも良好であった。
なお、Tmax-10<Tg<Tmaxである実施例4の場合、Tmax-10>Tgである他の実施例に比べて密着性が若干劣ったが、実用上問題はなかった。
又、ICタグのフィルム基材として低密度ポリエチレン(LDPE:Tm=120℃)を用いた実施例5の場合、Tm<Tmaxとなり、Tm>Tmaxである(フィルム基材がPETの場合のTm=256℃)他の実施例に比べて外観が若干劣ったが、実用上問題はなかった。
一方、水分散性接着剤を用いなかった比較例1の場合、密着性、外観がいずれも劣った。又、水分散性接着剤を用いたが、Tmax<Tgである比較例2の場合も密着性、外観がいずれも劣った。これは、ICタグに湿紙を重ねただけでは、ICタグに塗布した水分散性接着剤が溶融しなかったためと考えられる。このことから、ドライヤー温度をTgより高くして接着剤の溶融を生じさせる必要があることがわかる。
水溶性接着剤であるPVAを用いた比較例3の場合、密着性が劣った。これは、PVAが水溶性であり親水性が強いため、疎水性のフィルム基材には接着しづらいことが原因と考えられる。
ICタグ抄き込み紙の平面に垂直な方向の断面を示す図である。 各湿紙の表面を対向させた抄紙機を用いた抄き合わせを示す図である。 ICタグの平面構成を示す図である。
符号の説明
1、1a、1b 紙層
2a フィルム基材
2b アンテナ
2c ICチップ
2 ICタグ(インレット)
4 水分散性接着剤又はエマルションの塗着部分
10a、10b 湿紙
30 円網(円網抄紙機)
40 槽(円網抄紙機)
50 長網(長網抄紙機)
60 サクションボックス
70 フェルト(円網抄紙機)

Claims (4)

  1. ICチップとアンテナとを有するICタグを紙層内に抄き込んでなるICタグ抄き込み紙であって、前記ICタグの表面と前記紙層との間に水分散性接着剤又はエマルションが塗着されているICタグ抄き込み紙。
  2. 前記紙層は湿紙を抄き合わせてなり、該湿紙を乾燥させる際の最高温度をTmax(℃)とし、前記水分散性接着剤又はエマルションのガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tmax>Tgの関係を有する請求項1記載のICタグ抄き込み紙。
  3. Tmax-10>Tgの関係を有する請求項2記載のICタグ抄き込み紙。
  4. 前記ICタグを構成するフィルム基材の融点をTm(℃)としたとき、前記フィルム基材は、Tm>Tmaxの関係を有する結晶性熱可塑性樹脂又は非結晶性熱可塑性樹脂からなる請求項1ないし3のいずれかに記載のICタグ抄き込み紙。
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