JPH10204429A - 蛍光体粒子および蛍光ランプ - Google Patents
蛍光体粒子および蛍光ランプInfo
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Abstract
用したときに色むらが少なく、蛍光ランプ点灯中の変色
が小さい青色蛍光体粒子、および該蛍光体粒子を用いる
三波長蛍光ランプを提供する。 【解決手段】 発光ピーク波長が440〜460nmにあ
り、分子式がa(Ba,Mg,Eu)O・bAl2 O3
またはa(Ba,Mg,Eu,Mn)O・bAl2 O3
で示される青色発光蛍光体粒子であって、粒子表面にS
iO2 粉末を付着させたことを特徴とする蛍光体粒子;
およびそれを用いる蛍光ランプ。
Description
粒子およびそれを用いる蛍光ランプに関し、さらに詳し
くは、蛍光ランプ用三波長蛍光体に用いる、劣化特性が
改善された青色発光蛍光体粒子、およびそれを用いる蛍
光ランプに関する。
する蛍光体を混合した三波長蛍光体を蛍光体層に使用し
た三波長型蛍光ランプは、効率および演色性が高いとい
う特徴を有し、現在、一般照明ランプの主流となってい
る。また、液晶ディスプレイの普及に伴い、液晶ディス
プレイパネルに使用されている液晶バックライトとし
て、三波長蛍光体を使用した冷陰極蛍光ランプも急速に
生産量が増大している。このような背景において、照明
および表示装置に対する要求性能は急速に高まってお
り、三波長蛍光体のさらなる性能改善が要求されてい
る。
しては、3(Ba,Mg,Eu)O・8Al2 O3 で示
されるユウロピウム付活アルミン酸塩蛍光体、および
(Sr,Ca,Ba,Eu)10(PO4)6 Cl2 で示さ
れるユウロピウム付活ハロリン酸塩蛍光体が、一般に使
用されている。また、前者の演色性が改善された、3
(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al2 O3 で示され
るユウロピウム付活アルミン酸塩蛍光体もまた、一般に
使用されている。
で、蛍光ランプ点灯中の変色が小さいという特徴をもつ
が、発光効率の点でアルミン酸塩蛍光体に劣る。また、
三波長蛍光体に混合したときの色むらは、ハロリン酸塩
蛍光体の方が少ない。このため、青色蛍光体として両者
の特徴を生かすため、使用する蛍光ランプに要求される
特性により使い分けることや、アルミン酸塩蛍光体とハ
ロリン酸塩蛍光体を混合して使用するといった手段が取
られていた。
く、輝度が大きいが、青色発光蛍光体としてアルミン酸
塩蛍光体を用いる三波長蛍光体の従来技術には、次に示
すいくつかの問題点があった。
ルブに塗布して蛍光ランプを製造する際に、混合蛍光体
が分離して色むらが発生することである。すなわち、緑
色発光蛍光体粒子および赤色発光蛍光体粒子とともに三
波長蛍光体のスラリーを調製して塗布し、乾燥して蛍光
体層を形成する過程で、アルミン酸塩蛍光体粒子は沈降
速度が相対的に小さいので、併用する他の蛍光体粒子か
ら分離して、色むらの原因となる。粒子径の小さいアル
ミン酸塩蛍光体粒子を用いることにより、この沈降速度
を他の蛍光体粒子とそろえることは可能であるが、粒子
径が過小となって輝度が低下する。
の蛍光体が、蛍光ランプ点灯中の相互の劣化特性に差が
あり、青色発光蛍光体の劣化速度が大きいので、蛍光ラ
ンプの発光色が、点灯中に変化してしまうことである。
ていなかったが、照明器具に対する要求性能がより高度
になってきたこと、および液晶ディスプレイ用バックラ
イトのように、発光色そのものの特性を重視する蛍光ラ
ンプが増えてきたことにより、改善すべき重要な性能の
一つとして見られるようになった。
ンプに対する要求性能が高まってきており、効率が高
く、かつ色むらおよび点灯中の変色が小さい三波長蛍光
体が求められている。この要求に応えるために、上記の
ような高い発光効率を有するアルミン酸塩青色蛍光体粒
子を、その劣化特性、ならびに該蛍光体粒子を緑色およ
び赤色蛍光体粒子と混合して三波長蛍光体を得る際の混
合性を改善して用いることが求められている。
に、発光効率が高く、かつ三波長蛍光体として使用した
ときに色むらが少なく、蛍光ランプ点灯中の変色が小さ
い青色蛍光体粒子を提供することを目的としている。ま
た、発光効率が高く、色むらが少なく、点灯中の変色が
小さい三波長蛍光ランプを提供することを目的としてい
る。
を解決するために検討を重ねた結果、特定のアルミン酸
塩青色蛍光体の表面にSiO2 粉末を付着させることに
よって、課題を解決しうることを見出して、本発明を完
成するに至った。
ーク波長が440〜460nmにあり、分子式がa(B
a,Mg,Eu)O・bAl2 O3 またはa(Ba,M
g,Eu,Mn)O・bAl2 O3(式中、a、bはそれ
ぞれ正の数であり、2≦b/a≦3である)で示される
青色発光蛍光体粒子であって、粒子表面にSiO2 粉末
を付着させたことを特徴とする。また、本発明の蛍光ラ
ンプは、蛍光体層として上記の蛍光体粒子を用いたもの
である。
体は、発光ピーク波長が440〜460nmにあるアルミ
ン酸塩蛍光体粒子で、分子式がa(Ba,Mg,Eu)
O・bAl2O3 またはa(Ba,Mg,Eu,Mn)
O・bAl2 O3(式中、a、bは前述のとおり)で示さ
れ、代表的には3(Ba,Mg,Eu)O・8Al2 O
3 または3(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al2 O
3 である。
末は、優れた塗膜品位が得られることから、粒子径が1
〜500μm のものが好ましい。このようなSiO2 粉
末としては、煙霧質シリカが例示される。
らが少なく、点灯による発色の変化が少ない蛍光体粒子
を得るために、処理される蛍光体粒子100重量部に対
して0.01〜1.0重量部が好ましく、0.1〜0.
5重量部がさらに好ましい。
にして製造できる。すなわち、公知の方法で製造した、
上記の分子式で示されるアルミン酸塩系青色発光蛍光体
粒子を水中に分散させ、ついでSiO2 粉末を投入し
て、十分に撹拌した後、蛍光体粒子をろ過によって回収
して乾燥し、ふるい分けして、SiO2 粉末を付着させ
た青色発光蛍光体粒子が得られる。
蛍光体粒子は、さらに熱処理することによって、SiO
2 粉末が蛍光体粒子表面にさらに強固に結合し、該粉末
が蛍光体粒子表面から剥離することを防止でき、色むら
や点灯による変色をさらに少なくすることができる。熱
処理は、300℃以上で行うことが好ましく、SiO2
粉末を付着させても輝度が低下しないことから、フォー
ミングガスのような還元性雰囲気中、800℃以上で行
うことが特に好ましい。なお、蛍光体粒子の焼結を防ぐ
ために、熱処理温度は1,200℃以下が好ましい。熱
処理時間は、0.5〜3時間でよい。
蛍光体粒子は、通常、発光ピーク波長が530〜550
nmにある緑色発光蛍光体粒子、たとえば(La,Ce,
Tb)PO4 蛍光体粒子、および発光ピーク波長が60
0〜620nmにある赤色発光蛍光体粒子、たとえば
(Y,Eu)2O3 蛍光体粒子と混合して、三波長蛍光体
を調製する。この三波長蛍光体をペースト化して、ガラ
ス管の内面に塗布、乾燥して発光体層を形成させ、口
金、電極などを配設し、脱気してアルゴンなどの希ガス
と少量の水銀を封入して、蛍光ランプを作製することが
できる。
したSiO2 粉末は、該蛍光体粒子の沈降速度を大きく
して、上記の緑色および赤色発光蛍光体粒子と沈降速度
をそろえることができ、色むらの防止に寄与する。ま
た、該蛍光体表面に保護層を形成するので、蛍光体粒子
表面が水銀蒸気を含む管内で紫外線照射を受け、該表面
の結晶性が低下して非発光層が形成されることを、該保
護層によって防止できる。
をさらに詳細に説明する。これらの例で、部は重量部を
表す、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
て、従来法によって製造された、粒子径3μm の青色発
光蛍光体3(Ba,Mg,Eu)O・8Al2 O3 粒子
を用いた。また、このベース蛍光体粒子をそのまま比較
例試料として用いた。SiO2 粉末として、粒子径12
nmの煙霧質シリカを用いた。
た青色発光蛍光体または比較例試料30重量%、緑色発
光蛍光体(La,Ce,Tb)PO4 粒子30重量%、
および赤色発光蛍光体(Y,Eu)2O3 粒子40重量%
を混合して、三波長蛍光体を調製し、常法によりペース
ト化して、塗布、乾燥する工程を経て、三波長蛍光ラン
プ(FL40SS EX-N/37)を作製し、下記の評価に供した。
蛍光体塗布面の状態は、検査の結果、いずれも良好であ
った。本発明の蛍光体粒子の評価データは、すべて該比
較例試料の値を100とする相対値で表した。
て、それ以外を黒い布で覆い、両端部の発光を比較し
た。それぞれの色度を測定し、両端部の発光の色度座標
上の距離を、比較例試料と比較した。
光色について、初期と1,000時間点灯後との色度を
測定し、色度座標上の距離を、比較例試料と比較した。
分球を用いて測定し、比較例試料と比較した。
水300部の中に分散させ、ついで上記のSiO2 粉末
0.5部を加えて、十分に撹拌した。ろ過によって蛍光
体粒子を回収し、乾燥し、ふるい分けして、SiO2 粉
末が付着した実施例1の青色発光蛍光体粒子を得た。分
析の結果、蛍光体粒子にSiO2 が0.5重量%存在す
ることを確認した。また、電子顕微鏡写真により、蛍光
体粒子表面にSiO2 粉末が存在することを確認した。
この蛍光体粒子から、前述のように三波長蛍光体を調製
して、評価に供した。その結果は、表1のとおりであっ
た。
末0.5部とを用い、実施例1と同様に、乾燥までを行
って、SiO2 粉末が付着した蛍光体粒子を得た。これ
を大気中、400℃で1時間の熱処理を行い、取り出し
て放冷後、ふるい分けして、実施例2の青色発光蛍光体
粒子を得た。分析および電子顕微鏡写真により、該粒子
表面に0.5重量%のSiO2 粒子が付着していること
を確認した。以下、実施例1と同様の評価を行った。そ
の結果は、表1のとおりであった。
00℃) 熱処理条件をフォーミングガス雰囲気中、1,000℃
で1時間とした以外は実施例2と同様にして、実施例3
の青色発光蛍光体粒子を得た。分析および電子顕微鏡写
真により、該粒子表面に0.5重量%のSiO2 粒子が
付着していることを確認した。以下、実施例1と同様の
評価を行った。その結果は、表1のとおりであった。
させた以外は実施例1〜3のいずれかと同様にして、熱
処理なし、大気中において400℃で熱処理、またはフ
ォーミングガス雰囲気中において1,000℃で熱処理
のいずれかの条件により、SiO2 が付着した青色発光
蛍光体粒子を得た。以下、実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果は、表1のとおりであった。
SiO2 粉末を付着させた青色発光蛍光体3(Ba,M
g,Eu)O・8Al2 O3 粒子は、未処理の同蛍光体
粒子に比べて、色むらおよび点灯後の変色を著しく低減
できた。同一の付着量のSiO2 粉末を付着させた試料
で比較すると、熱処理により、色むらと点灯後の変色は
さらに低減している。蛍光体層の外観および全光束は、
SiO2 粉末を付着させない蛍光体粉末とほぼ同等であ
った。全光束については、SiO2 粉末の付着で僅かな
低下が認められるが、還元性雰囲気中、1,000℃で
熱処理することにより、回復することが確認された。大
気中、400℃で熱処理した場合は、全光束の若干の低
下があるが、ユウロピウム付活ハロリン酸塩蛍光体(S
r,Ca,Ba,Eu)10(PO4)6 Cl2 の全光束
が、従来の3(Ba,Mg,Eu)O・8Al2 O3 蛍
光体の全光束より3%低いことを考えると、この全光束
は、このようなハロリン酸塩蛍光体を用いる場合に比べ
て遜色がない。
有するとともに、その劣化特性が改善され、また、他の
蛍光体と混合して三波長蛍光体を調製した際に分離を生
じない。したがって、本発明の蛍光体粒子を青色蛍光体
として得られた三波長蛍光体を用いた蛍光ランプは、点
灯による発色の安定性が優れている。
Claims (7)
- 【請求項1】 発光ピーク波長が440〜460nmにあ
り、分子式がa(Ba,Mg,Eu)O・bAl2 O3
またはa(Ba,Mg,Eu,Mn)O・bAl2 O
3(式中、a、bはそれぞれ正の数であり、2≦b/a≦
3である)で示される青色発光蛍光体粒子であって、粒
子表面にSiO2 粉末を付着させたことを特徴とする蛍
光体粒子。 - 【請求項2】 青色発光蛍光体粒子が、3(Ba,M
g,Eu)O・8Al2 O3 または3(Ba,Mg,E
u,Mn)O・8Al2 O3 である、請求項1記載の蛍
光体粒子。 - 【請求項3】 SiO2 粉末の付着量が、蛍光体粒子1
00重量部に対して0.01〜1.0重量部である、請
求項1記載の蛍光体粒子。 - 【請求項4】 SiO2 粉末の粒子径が、1〜500nm
である、請求項1記載の蛍光体粒子。 - 【請求項5】 SiO2 粉末を付着させた後、300℃
以上の温度で熱処理を行った、請求項1記載の蛍光体粒
子。 - 【請求項6】 SiO2 粉末を付着させた後、還元性雰
囲気中、800℃以上の温度で熱処理を行った、請求項
3記載の蛍光体粒子。 - 【請求項7】 蛍光体層として請求項1記載の蛍光体粒
子を、少なくとも発光ピークの波長が530〜550nm
の緑色発光蛍光体および発光ピークの波長が600〜6
20nmの赤色発光蛍光体とともに用いる蛍光ランプ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00964597A JP3779409B2 (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 蛍光体粒子および蛍光ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00964597A JP3779409B2 (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 蛍光体粒子および蛍光ランプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10204429A true JPH10204429A (ja) | 1998-08-04 |
JP3779409B2 JP3779409B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=11725967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00964597A Expired - Lifetime JP3779409B2 (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 蛍光体粒子および蛍光ランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3779409B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001098433A1 (en) * | 2000-06-22 | 2001-12-27 | S.L.E. (Australia) Pty Ltd | Phosphorescent pigments |
JP2003519717A (ja) * | 2000-01-14 | 2003-06-24 | オスラム−シルヴェニア インコーポレイテッド | Uvおよびvuv用の蛍光ナノ相バインダー系 |
WO2004087833A1 (ja) | 2003-03-14 | 2004-10-14 | Sakai Chemical Industry Co. Ltd. | 蛍光体及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-01-22 JP JP00964597A patent/JP3779409B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003519717A (ja) * | 2000-01-14 | 2003-06-24 | オスラム−シルヴェニア インコーポレイテッド | Uvおよびvuv用の蛍光ナノ相バインダー系 |
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US6911159B2 (en) | 2000-06-22 | 2005-06-28 | Nite-Glo Innovations Pty Ltd | Phosphorescent pigments |
WO2004087833A1 (ja) | 2003-03-14 | 2004-10-14 | Sakai Chemical Industry Co. Ltd. | 蛍光体及びその製造方法 |
EP2361959A2 (en) | 2003-03-14 | 2011-08-31 | Sakai Chemical Industry Co., Ltd. | Phosphor and method for producing same |
US8580148B2 (en) | 2003-03-14 | 2013-11-12 | Sakai Chemical Industry Co., Ltd. | Phosphor and method for producing same |
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