JPH10204322A - 表面にエポキシ基を有する疎水性無機微粉末およびそれからなる添加剤 - Google Patents

表面にエポキシ基を有する疎水性無機微粉末およびそれからなる添加剤

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JPH10204322A
JPH10204322A JP1080297A JP1080297A JPH10204322A JP H10204322 A JPH10204322 A JP H10204322A JP 1080297 A JP1080297 A JP 1080297A JP 1080297 A JP1080297 A JP 1080297A JP H10204322 A JPH10204322 A JP H10204322A
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fine powder
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powder
epoxy
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JP1080297A
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Yukiya Yamashita
行也 山下
Akira Nishihara
明 西原
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高疎水性の表面にエポキシ基を有する疎水性
無機微粉末およびそれからなる添加剤を提供する。 【解決手段】 表面に直鎖型またはグリシジル型のエポ
キシ基を有する乾式法で製造された無機微粉末であっ
て、その無機微粉末のエポキシ当量が5,000mo
l.e.q./g以下で、好ましくは、10,000m
ol.e.q./g以下であり、かつ光透過法によって
示される粉末の疎水化率が30%以上である表面にエポ
キシ基を有する疎水性無機微粉末であり、必要に応じ、
上記無機微粉末が乾式法で合成された酸化ケイ素、酸化
チタン、または酸化アルミニウムであり、上記無機微粉
末がエポキシ基を有したアルコキシシランと疎水化剤と
してのシリコーンオイルまたはアルキル基を有したアル
コキシランが被覆された表面にエポキシ基を有する疎水
性無機微粉末であり、また疎水性無機微粉末からなる樹
脂への添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂への添加剤と
して有用である表面にエポキシ基を含む疎水性無機微粉
末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面にエポキシ基を有する無機微粉末
は、エポキシ基が例えば樹脂中の成分と反応して樹脂と
無機粉末との密着性を高める効果を持つために、樹脂の
強度を強化するための樹脂用添加剤(例:充填剤)とし
て知られている。しかし、後述するようにこの様な無機
微粉末は製造しにくいため、一般には無機微粉末を樹脂
に添加する際にエポキシ基を含有するシランカップリン
グ剤を無機微粉末と一緒に樹脂中に添加する方法が採用
されている。シランカップリング剤は加水分解性のアル
コキシシル基にエポキシ基等の官能基を含有する有機基
が結合した構造を持ち、アルコキシシル基が無機微粉末
の表面と反応し、エポキシ基等の官能基が樹脂と反応す
ることによって、無機微粉末と樹脂とを結合させ、粉末
と樹脂との密着性を高める作用を果たす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】あらかじめ表面に多量
のエポキシ基を有する無機微粉末があれば、上記樹脂と
の混合中にシランカップリング剤を添加する必要がな
く、工程の簡略化になる。そのためにあらかじめ無機微
粉末をエポキシ基含有のシランカップリング剤で表面処
理することが試みられている。従来は、アルコキシシラ
ンはそのアルコキシシル基が無機微粉末表面と強く結合
し、残ったエポキシ基が樹脂成分と反応するという概念
が定着しており、この無機微粉末をエポキシ基含有のア
ルコキシシランで処理した場合に、エポキシ基の残留率
(無機化合物との反応性)に関する評価は行われていな
かった。しかし、発明者らは、無機微粉末が表面活性の
高い物質であると、エポキシ基が粉末表面と反応性があ
るため、シランカップリング剤中のアルコキシシル基が
無機微粉末の表面と反応して結合する前に、エポキシ基
自身が無機微粉末と反応し、この反応によりエポキシ基
を安定に保持したまま、エポキシ基含有シランカップリ
ング剤により表面処理することは困難であること、特に
乾式法で塩化物の分解により製造された無機酸化物の粉
末(シリカ、アルミナ、チタニア等)は、表面の活性が
高く、そのため、この粉末をエポキシ基含有シランカッ
プリング剤で表面処理した場合、エポキシ基が無機微粉
末の表面と反応して開環する傾向が特に高く、エポキシ
基が粉末表面に多量に残るように表面処理することがで
きない、すなわちこの様に乾式法で製造された表面活性
の高い無機微粉末では、従来の概念では表面にエポキシ
基を多量に有した無機微粉末を製造できないことを見出
した。樹脂中に充填する充填剤としての用途には、表面
にエポキシ基を多量に有し、かつ疎水性の高い材料が好
ましい。この様な材料として、エポキシ基を有したシリ
コ−ンオイルが考えられるが、エポキシ変性アルコキシ
シランと同様に、エポキシ基を有したシリコーンオイル
による表面処理においても、エポキシ基の開環反応が生
じ、多量に無機酸化物粉末表面にエポキシ基を保持した
まま、疎水性の高い材料を得ることは困難である。この
ような乾式法で製造された無機微粉末は、分散性が非常
に高く、樹脂への充填剤として好ましい特性を備えてい
る。この無機微粉末の望ましい特性を損なわないように
するには、表面処理も乾式法で行う必要がある。従って
表面活性の高い無機微粉末に対しても粉末表面にエポキ
シ基を多量に導入することができ、かつ同時に疎水性を
付与する乾式法で実施可能な無機微の表面処理方法が求
められる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意努力した結果、これらの無機微粉
末をエポキシ基を含有したアルコキシシランと疎水化剤
としてのシリコーンオイルまたは、アルキル基を有した
アルコキシシランとの複合処理することで、表面に多量
のエポキシ基を有し、かつ疎水性の高い無機微粉末を得
ることができるとの知見を得たのである。
【0005】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであって、(1)表面に直鎖型あるいはグリシジル型
のエポキシ基を有する乾式法で製造された無機微粉末で
あって、その無機微粉末のエポキシ当量が5,000m
ol.e.q./g以下であり、かつ光透過法によって
示される粉末の疎水化率が30%以上である表面にエポ
キシ基を有する無機微粉末、(2)表面に環状型のエポ
キシ基を有する乾式法で製造された無機微粉末であっ
て、その無機微粉末のエポキシ当量が10,000mo
l.e.q./g以下であり、かつ光透過法によって示
される粉末の疎水化率30%以上ある表面にエポキシ基
を有する無機微粉末、(3)(1)〜(2)のいずれか
に記載の表面にエポキシ基を有する乾式法で製造された
無機微粉末であって、その無機微粉末が乾式法で合成さ
れた酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化アルミニウム
である表面にエポキシ基を有する無機微粉末、(4)
(1)〜(3)のいずれかに記載の表面にエポキシ基を
有する乾式法で製造された無機微粉末であって、上記無
機微粉末がエポキシ基を有したアルコキしシランと疎水
化剤としてのシリコーンオイルまたはアルキル基を有し
たアルコキシランが被覆された表面にエポキシ基を有す
る無機微粉末、(5)(1)〜(4)のいずれかに記載
の表面にエポキシ基を有した乾式法で製造された無機微
粉末からなる樹脂への添加剤、に特徴を有するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、説明する。本発明では、乾式法で製造される無機微
粉末は、対応する塩化物を酸素存在下で気相において加
水分解することにより製造される。前述のように、この
ような乾式法で製造された酸性の無機微粉末はエポキシ
基と反応してエポキシ基を開環させやすいため、従来の
技術では粉末表面に多量のエポキシ基を導入することが
極めて困難である。この無機微粉末の粒径は制限され
ず、無機微粉末の用途に応じて、適当に選択すればよ
い。一般に、乾式法で製造された無機微粉末は、粒径が
サブミクロン、例えば10〜100nmの範囲内と非常
に微細であるが、このような微細な無機微粉末にも、あ
るいはミクロンオーダーまたはそれ以上の比較的粗大な
無機微粉末にも、本発明に適用することができる。
【0007】本発明によれば、この様な乾式法で製造さ
れた無機微粉末をエポキシ基を有したアルコキシシラン
とシリコーンオイルを適当な有機溶媒に希釈した溶液を
添加することで表面処理する。この表面処理も乾式法で
製造された粉末の特性を損なわないために、特に乾式法
による処理が好ましい。乾式法による表面処理は、例え
ば無機微粉末を撹拌その他の手段で流動状態に保存し、
この状態の無機微粉末に、エポキシ基を有したアルコキ
シシランとシリコーンオイルをそれ自体(液状の場合)
またはその溶液を滴下、または噴霧して、粉末表面に有
機ケイ素化合物を均一に付着させることにより実施でき
る。乾式法で製造されたサブミクロンの微細無機粉末
は、撹拌だけでも容易に流動状態にすることができる。
この処理も常温でも加熱下でも実施できる。乾式法によ
る表面処理は、乾式法で製造された無機微粉末の特性を
損なわないという利点に加えて、表面処理に用いる有機
ケイ素化合物の量が少量でよく、その付着量の制御が容
易であり、さらに湿式法では必要な処理後の粉末の分離
が不要であるという利点もある。
【0008】エポキシ基を有したアルコキシシランとし
ては、大きく直鎖型化合物と環状化合物に分類される
が、具体的な例としては、直鎖型化合物として信越化学
製KBM403、日本ユニカー社製A−187、環状型
化合物として信越化学製KBM303、日本ユニカー社
製A−186等が挙げられる。ここで、直鎖型のエポキ
シ基としてグリシジル型が一般的な例として挙げられ
る。一方、環状型のエポキシ基としては、3,4−エポ
キシシクロヘキシル基が代表的な例として挙げられる。
これらのエポキシ基を含有したアルコキシシランで無機
微粉末を表面処理した際、直鎖型化合物と環状型化合物
では表面処理後に残存するエポキシ量が多く異なる。一
般には環状化合物がエポキシ基の残存率が直鎖型化合物
より低下する傾向がみられる。
【0009】一方疎水化剤として使用されるシリコーン
オイルは、無機材料表面に疎水性を与えるために用いる
もので、その種類は特に限定されないが、一般的な例と
して、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエン
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、両末
端OH変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性シリコ
ーンオイル等が一般的な例として挙げられる。これらの
具体的な例としては、信越化学(株)製:KF−99,K
F−96,KF−56,KF−412,FL−100,
FL-100,東レダウコーニングシリコーン(株)製:PR
X413等が挙げられる。
【0010】また、無機酸化物表面に存在するエポキシ
基の割合の増加をさせる意味で、エポキシ変性シリコー
ンオイルも使用することができる。このエポキシ変性シ
リコーンオイルの一般的な例としては、信越化学(株)
製:KF−105,KF−101,X−22−163
A,X−22−163B,X−22−163C,X−2
2−196S,X−22−169B,KF−103日本
ユニカー(株):FZ−3745等が挙げられる。変性シ
リコーンオイルの中でも、アミノ変性シリコーンオイ
ル、カルボキシル変性シリコーンオイルは、そのアミノ
基あるいはカルボキシル基によりエポキシ基の開環反応
が生じる場合があるので一般に好ましくない。これらの
シリコーンオイルはその粘度は特に限定されないが、5
cst以上100cst以下のものが好ましい。100
cst以上であると粉末の凝集が生じ、また5cst以
下であると表面処理の際にシリコーンオイル自体の揮発
が生じ好ましくない。
【0011】また、アルキル基を有したアルコキシシラ
ンも疎水性を高めるために同様にし要されるが、一般に
はそのアルキル基の炭素数が6以上の化合物が疎水性を
高めるために好ましい。具体的な例としては、信越化学
(株)製:KBM103,KBM202,KBE103,
KBE202,KBM3103等が挙げられる。また、
分子中にアミノ基などの官能基を有した化合物でもその
官能基がエポキシ基と反応するほど反応性がない場合に
は、使用可能であり、具体的な例としては、信越化学製
KBM573等が使用可能である。この化合物は、アミ
ノ基を分子中に有しているが、このアミノ基は塩基性が
低いためにエポキシ基の開環反応を生じにくく、使用が
可能である。これらの化合物は、その混合液無機酸化物
に添加するか、あるいは別々に添加する、さらには予め
エポキシ変性アルコキシシランで表面処理し、次に疎水
化剤で表面処理するあるいは、その逆でも良い。
【0012】添加する際、適当な溶媒に溶解することが
好ましい。ここで使用する溶媒は、エポキシ基を有した
アルコキシシランおよび疎水化剤を溶媒するものであれ
ば良く限定されないが、一般的な例として、アセトン、
メタノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、クロロ
ホルム、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
等が挙げられる。
【0013】これらの溶媒に希釈したエポキシ基を有し
たアルコキシシランは、無機酸化物を撹拌した状態で、
その中に添加あるいはスプレーし、次いで熱処理するこ
とで表面処理される。この熱処理時には、処理剤の酸化
を防ぐため適当な不活性ガスで置換しながら行うことが
好ましい。使用するガスも特に限定されないが、一般的
な例として、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ
る。熱処理する温度は、60℃〜250℃、好ましくは
80℃〜150℃の範囲内で行われる。疎水化剤として
のシリコーンオイルを無機酸化物表面に強固に結合させ
るためには、一般的に熱処理温度は高い方が好ましく、
200℃付近の温度が望まれる。しかし、エポキシ基の
残留率は温度が低い方が好ましい。従って、エポキシ基
の残留率をできるだけ高めるために、予めシリコーンオ
イルのみで無機酸化物を表面処理し、次いでエポキシ基
を有したアルコキシシランで表面処理することも有効で
ある。また、両末端OH変性シリコーンオイル、メチル
ハイドロジェンポリシロキサン等は、比較的低温で無機
酸化物表面と強固に結合するので、これらの材料を疎水
化剤として用いることがより好ましい。
【0014】さらに、エポキシ変性シリコーンオイルも
同様に低温で無機酸化物表面と強固に結合し、さらには
エポキシ基の個数を高めることが可能である。熱処理温
度が60℃以下では、アルコキシシランの無機微粉末へ
の密着が不十分であったり、使用した溶媒の残留がある
ため好ましくない。熱処理時間は特に限定されないが、
一般的には1時間以上〜6時間以下好ましくは1時間以
上3時間以下の範囲で行われる。1時間以下であると、
アルコキシシランの無機酸化物表面への密着が不十分で
あり、また6時間以上であると徐々にエポキシ基の開環
が生じる傾向が見られる。疎水化剤としてアルキル基を
有したアルコキシシランを使用した場合は、一般にシリ
コーンオイルよりも低温で疎水化剤を無機酸化物表面に
結合することが可能である。
【0015】これらの処理剤は、その処理量はとくに限
定されないが、エポキシ変性アルコキシシランでは5〜
20重量%、疎水化剤も5〜20重量%の範囲が好まし
い。エポキシ変性アルコキシシランの使用量が5重量%
以下であると、無機酸化物のエポキシ当量グリシジル型
の場合、5,000mol.e.q./ g以上、環状
型の場合10,000mol.e.q./ g以上にな
りやすく、また20重量%以上であると処理剤が効果的
に無機酸化物表面に結合することができずそれ以下の場
合と比較して顕著な効果が得られにくくい。また疎水化
剤も同様に5重量%以下であると十分な疎水性が得られ
にくく、一方、20重量%以上であると、それ以下の場
合と比較して顕著な効果が得られにくく、また無機酸化
物粒子の凝集が生じやすくなる。
【0016】上記のようにして表面処理をおこなわれた
無機微粉末は、その粉末表面に存在するエポキシの生成
量は、(JIS:K7236)に記載されているエポキ
シ当量の測定によって確認することが可能である。一方
疎水性は、この無機微粉末1.0gを蒸留水100ml
に加え、3分間震とうした後、10分間静置あと後の懸
濁液を抜き出し、550nmの可視光透過率を蒸留水を
標準として測定しその透過率をそのまま疎水化率として
規定した。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、具体的に説
明する。 [実施例1]乾式法で製造された酸化ケイ素粉末として
(アエロジル#200:日本アエロジル社製)20g
に、直鎖型エポキシ基を含有したアルコキシシランとし
て信越化学製KBM403 2.4g, 疎水化剤とし
てKBM3103 2.4gをヘキサン8gに溶液を、
ジューサーミキサーで撹拌しながら添加した。添加終了
後、この粉末を11セパラブルフラスコに移し、窒素気
流下80℃で2時間加熱し、本発明の表面にエポキシ基
を有する無機微粉末1(以下、単に本発明粉末1と言
う)を作製した。
【0018】[実施例2]環状型エポキシ基を有するア
ルコキシシランとして信越化学製KBM303疎水化剤
としてPRX413 2.4gを用いた以外は、実施例
1と同様の操作を行い、本発明の表面にエポキシ基を有
する無機微粉末2(以下、単に本発明粉末2と言う)を
作製した。
【0019】[実施例3]乾式法で製造された酸化ケイ
素粉末(アエロジル#200:日本アエロジル社製)2
0gに、疎水化剤としてKF−96 20cs 1.5
gをヘキサン8gに溶液を、ジュウサーミキサーで撹拌
しながら添加した。添加終了後、この粉末を11セパラ
ブルフラスコに移し、窒素気流下230℃で2時間加熱
した。ついで、この粉末に直鎖型エポキシ基を含有した
アルコキシシランとして日本ユニカー製 A−187
4.8gをヘキサン8gに溶液を同様に添加して80℃
で2時間加熱処理し、本発明の表面にエポキシ基を有す
る無機微粉末3(以下、単に本発明粉末3と言う)を作
製した。
【0020】[実施例4]疎水化剤としてKF−99
2.0gを用い、また環状型エポキシ基を有するアルコ
キシシランとして日本ユニカー製A−186 4.8g
を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、本発明
の表面にエポキシ基を有する無機微粉末4(以下、単に
本発明粉末4と言う)を作製した。
【0021】[実施例5]乾式法で製造された酸化チタ
ン粉末(P−25:日本アエロジル社製)20gに、直
鎖型エポキシ基を含有したアルコキシシランとして信越
化学製KBM403 2.4gとエポキシ変性シリコー
ンオイルKF−105 2.4gをヘキサン10gに溶
液を、ジュウサーミキサーで撹拌しながら添加した。添
加終了後、この粉末を11セパラブルフラスコに移し、
窒素気流下120℃で2時間加熱し、本発明の表面にエ
ポキシ基を有する無機微粉末5(以下、単に本発明粉末
5と言う)を作製した。
【0022】[実施例6]乾式法で製造された酸化アル
ミニウム粉末(Aluminum−C:日本アエロジル
社製)20gを用い、環状型のエポキシ基を含有したアル
コキシシランとして信越化学製KBM303 2.4g
とエポキシ変性シリコーンオイルX−22−169AS
2.0gを用いた以外は実施例5と同様の操作を行
い、本発明の表面にエポキシ基を有する無機微粉末6
(以下、単に本発明粉末6と言う)を作製した。
【0023】[比較例1]疎水化剤としてのKBM31
03を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い、比
較の無機微粉末1(以下、単に比較粉末1と言う)を作
製した。
【0024】[比較例2]疎水化剤としてPRX413
を用いない以外は実施例2と同様の操作を行い、比較の
無機微粉末2(以下、単に比較粉末2と言う)を作製し
た。
【0025】[比較例3]乾式法で製造された酸化ケイ
素粉末(アエロジル#200:日本アエロジル社製)2
0gに、エポキシ変性シリコ−ンオイルKF−105
2.4gをヘキサン10gに溶解した溶液添加した以外
は実施例1同様の操作を行い、比較の無機微粉末3(以
下、単に比較粉末3と言う)を作製した。
【0026】[比較例4]無機酸化物粉末として酸化チ
タン粉末(P−25:日本アエロジル社製)20gに、
エポキシ変性シリコ−ンオイルKF−105を用い、
エポキシ変性アルコキシシランを用いずに実施例5と同
様の操作を行い、比較の無機微粉末4(以下、単に比較
粉末4と言う)を作製した。
【0027】[比較例5]無機酸化物粉末として酸化ア
ルミニウム粉末(Aluminum−C:日本アエロジ
ル社製)20gを用い、エポキシ変性シリコ−ンオイル
としてX−22−169ASを用い、エポキシ変性アル
コキシシランを用いずに実施例6と同様の操作を行い、
比較の無機微粉末5(以下、単に比較粉末5と言う)を
作製した。
【0028】次いで、上記せる本発明粉末1〜6および
比較粉末1〜5について、それぞれエポキシ当量と疎水
化率を求め、その結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】表1から明らかな様に、本発明粉末1〜
6は、最適のエポキシ当量を有し、また最適の疎水化率
を有し、優れた性能を示すが、一方比較粉末1〜5は、
本発明粉末中のいずれかの成分が欠けているため、最適
のエポキシ当量または疎水化率を有することが出来ず、
本発明粉末1〜6の様な、優れた性能を示し得なかっ
た。これは、本発明粉末が、無機微粉末の表面に、最適
のエポキシ当量と疎水化率を付与することにより、無機
微粉末と樹脂とを結合させ、粉末と樹脂との密着性を高
める作用を得、樹脂の性能を向上させるためである。こ
のことにより本発明粉末を、例えば樹脂用添加剤(充填
剤)として利用することにより、樹脂の性能を向上し、
その用途を拡大し、関連分野において大いに貢献するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08G 59/02 C08G 59/02 C08L 63/00 C08L 63/00 C 83/04 83/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に直鎖型またはグリシジル型のエポキ
    シ基を有する乾式法で製造された無機微粉末であって、
    その無機微粉末のエポキシ当量が5,000mol.e.
    q./g以下であり、かつ光透過法によって示される粉
    末の疎水化率が30%以上であることを特徴とする表面
    にエポキシ基を有する疎水性無機微粉末。
  2. 【請求項2】表面に環状型のエポキシ基を有する乾式法
    で製造された無機微粉末であって、その無機微粉末のエ
    ポキシ当量が10,000mol.e.q./g以下で
    あり、かつ光透過法によって示される粉末の疎水化率3
    0%以上であることを特徴とする表面にエポキシ基を有
    する疎水性無機微粉末。
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかに記載の表面にエ
    ポキシ基を有する乾式法で製造された無機微粉末であっ
    て、その無機微粉末が乾式法で合成された酸化ケイ素、
    酸化チタン、または酸化アルミニウムであることを特徴
    とする表面にエポキシ基を有する疎水性無機微粉末。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の表面にエ
    ポキシ基を有する乾式法で製造された無機微粉末であっ
    て、上記無機微粉末がエポキシ基を有したアルコキシシ
    ランと疎水化剤としてのシリコーンオイルまたはアルキ
    ル基を有したアルコキシランが被覆された表面にエポキ
    シ基を有する疎水性無機微粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の表面に
    エポキシ基を有した乾式法で製造された疎水性無機微粉
    末からなる樹脂への添加剤。
JP1080297A 1997-01-24 1997-01-24 表面にエポキシ基を有する疎水性無機微粉末およびそれからなる添加剤 Pending JPH10204322A (ja)

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