JPH10204294A - エマルジョン型シリコーン組成物およびエアバッグ - Google Patents
エマルジョン型シリコーン組成物およびエアバッグInfo
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- JPH10204294A JPH10204294A JP9013572A JP1357297A JPH10204294A JP H10204294 A JPH10204294 A JP H10204294A JP 9013572 A JP9013572 A JP 9013572A JP 1357297 A JP1357297 A JP 1357297A JP H10204294 A JPH10204294 A JP H10204294A
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Abstract
優れた接着性を有し、水の除去により機械的特性に優
れ、柔らかい感触を有するエラストマー状物質の皮膜を
形成し得るエマルジョン型シリコーン組成物を提供す
る。 【解決手段】 (A) 皮膜形成性シリコーンエマルジョ
ン;不揮発分に換算して 100重量部、及び(B) ウレイド
基含有オルガノアルコキシシラン又はその部分加水分解
・縮合物;0.1 〜20重量部を含有するエマルジョン型シ
リコーン組成物。
Description
機溶剤を使わずに、環境及び人体に対して良好な安全性
を有し、各種コーティング方法に対応した粘度調整が容
易であり、塗工性に優れ、特にエアバッグ用基布に対す
る接着性に優れ、表面のタック感の少ないゴム硬化皮膜
を形成することのできるエマルジョン型シリコーン組成
物、及び該組成物の硬化皮膜を形成したエアバッグ基布
を縫製してなるエアバッグに関する。
前方に備えられる安全装置として、いわゆるエアバッグ
装置が広く用いられるようになった。このエアバッグ装
置は、袋状のエアバッグと、自動車に与えられる衝撃を
感知するセンサと、このセンサによってエアバッグ内に
瞬時にガスを送り込んでエアバッグを膨張させるインフ
レータとから構成されている。上記エアバッグは、通常
時はハンドル等の内部に折り畳まれて収納されている
が、自動車が衝突事故等によって強い衝撃を受けると、
ダッシュボードフロアやフロントフロアのセンターに配
置されているセンサがその衝撃を感知し、上記インフレ
ータにおいてアジ化ナトリウムなどを主成分とするガス
発生剤を反応させて窒素ガスを発生させるとともに、こ
の窒素ガスを上記エアバッグ内に送り込んでエアバッグ
を瞬時に膨張させるようになっている。すなわち、エア
バッグ装置は、自動車事故発生の際の衝撃を感知してエ
アバッグを瞬時に膨張させ、この膨張させたエアバッグ
により、自動車事故発生時における乗員への衝撃を効果
的に緩和して乗員の身体を保護するという重大な役割を
有しているものである。一般に、このようなエアバッグ
装置のエアバッグは、ナイロン樹脂等の合成樹脂からな
る織布の一方の面側(エアバッグの内面側となる方)に
クロロプレンゴム(特開昭49−55028 号公報)やシリコ
ーンゴム皮膜(特開平2−270654号公報)が形成された
布材を所定の形状に裁断し、得られた複数枚の基布を袋
状に縫製したものである。また、上記袋体の内面に形成
されている皮膜は、織布に気密性を付与するとともに、
エアバッグが展開する瞬間、エアバッグ内に一気に圧入
される高温のガスにナイロン織布が直接曝露されるのを
防いでナイロン樹脂が溶融劣化するのを防止し、延いて
は高温ガスから乗員を保護する機能を有するものであ
る。従って、この皮膜には、ある程度の耐熱性が要求さ
れる。一方、エアバッグは、通常時は、折り畳まれてハ
ンドル内等に収納しておく必要があり、またその収納部
分の省スペース化が望まれていることから、なるべくコ
ンパクトに折り畳むことが可能なものであることが望ま
しい。また車両等の衝突の際に発生する火災や爆風の影
響を避けるために、エアバッグには難燃性を付与する必
要がある。このため、クロロプレンゴムに比べ耐熱性及
び難燃性の付与が容易なシリコーンコーティング剤が注
目を集めるようになった。
コーンゴムを補強剤、難燃剤、接着助剤等とともにトル
エン、キシレン等の有機溶剤で希釈した有機溶剤系のコ
ーティング剤が知られているが、有機溶剤による人体及
び環境などへの影響から、近年は有機溶剤の使用が規制
される傾向にある。また有機溶剤を使用せず、低粘度の
シリコーンを使用して、無溶剤型としたシリコーンコー
ティング剤も知られているが、重合度の低いシリコーン
を使用するため、エアバッグのコーティング皮膜に要求
される十分な機械的強度を付与することが難しいという
問題があった。さらに、これらのコーティング剤では、
得られる硬化皮膜の粘着性が大きく、コーティング面同
士がブロッキングしやすいという問題点もあった。この
ため、皮膜形成タイプのエマルジョン型シリコーン組成
物をエアバッグ用コーティング剤として使用することが
検討されている。これまで、水分を除去した後に、エラ
ストマー状物質を形成するシリコーン水性エマルジョン
組成物としては、各種のものが知られている。例えば、
特公昭38−860 号公報には、分子鎖両末端が水酸基で封
鎖されたポリジオルガノシロキサン、ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサン、ポリアルキルシリケートおよび
脂肪酸のスズ塩から構成されたものが、特公昭57−5706
3 号公報には、分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリ
ジオルガノシロキサン、3官能以上のシランおよび脂肪
酸のスズ塩から構成されたものが、特公昭58−17226 号
公報には、分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリジ
オルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンおよび白金化合物から構成されたものが、また、
特開昭54−131661号公報には、環状オルガノシロキサン
と官能基結合オルガノアルコキシシランとを乳化重合し
たものなどが提案されている。また、さらにこれらの組
成物から得られる硬化皮膜の機械的強度を改善するため
に、補強材としてコロイダルシリカを添加すること(特
開昭54−52160 号公報、特開昭56−36546 号公報参照)
が知られており、さらにコロイダルシリカの補強性を改
善するために、コロイダルシリカのコアとポリオルガノ
シロキサンのシェルからなるコア−シェル体を調製し、
これを配合してエマルジョン型シリコーン組成物を得る
ことも知られている(特開平3−281536号公報、特開平
3−281537号公報、特開平3−281538号公報参照)。し
かしながら、一般にエマルジョン型シリコーン組成物
は、プラスチックなどの基材に対する良好な接着性を得
ることが難しく、特にエアバッグのコーティング皮膜に
要求される強度及び接着性を得るには、さらに改善が必
要であった。このため、エマルジョン型シリコーン組成
物の接着性向上剤として、一般に知られる各種の官能基
含有オルガノシロキサン、特にエアバッグの基布として
よく使用される6,6−ナイロンとの接着性に効果があ
り、工業的に入手が容易であり、エマルジョンへの分散
も良好に行える、アミノ基やエポキシ基などを含有する
水溶性のアルコキシシランを配合することが考えられ
る。しかしながら、エポキシ基含有アルコキシシラン等
は接着性向上の効果が小さく、多量に配合する必要があ
るため、そのシリコーン組成物をコートしたエアバッグ
基布がもろくて固いものとなり、エアバッグをハンドル
等に格納した際に、基布を小さく折り畳むことが困難と
なったり、コート面にひび割れが生じ、エアがもれてバ
ッグが十分に膨らまないなどの問題があった。また、バ
ッグとして膨らんだ際に基布が固いために、人間の顔に
擦り傷を生じさせ易くなるなどの心配もあった。一方、
アミノ基含有アルコキシシランは、エマルジョン中では
アルカリ性を示すために、アルコキシシランの重縮合を
促進させる作用があり、エマルジョンの増粘やゲル化を
速め、作業性が著しく悪化したり、含有するアミノ基に
よってエアバッグ用基布を劣化させるおそれがあるとい
う問題があった。
イロンなどのエアバッグ基布に対して、優れた接着性お
よび柔軟性を有する硬化皮膜を形成し、エアバッグ基布
などの基材の物理的特性を劣化させることなく、また有
機溶剤を使用せず、水の除去により機械的特性に優れた
エラストマー状物質の皮膜を形成し得るエマルジョン型
シリコーン組成物、及びその硬化皮膜を形成したエアバ
ッグを提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、硬化皮膜を形成し得る水性エマルジ
ョン型シリコーン組成物に、ウレイド基含有オルガノア
ルコキシシラン又はその部分加水分解・縮合物を、接着
性向上剤として配合することにより、種々のエアバッグ
基布に対して優れた接着性を有し、気密性及び機械的特
性に優れる硬化皮膜が形成され、コートされたエアバッ
グ基布の物理的特性を劣化させることがなく、柔らかい
感触を付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、 (A) 皮膜形成性シリコーンエマルジョン 不揮発分に換
算して 100重量部 (B) ウレイド基含有オルガノアルコキシシラン又はその
部分加水分解・縮合物0.1 〜20重量部 を含有することを特徴とするエマルジョン型シリコーン
組成物、及び上記エマルジョン型シリコーン組成物の硬
化皮膜を形成したエアバッグ基布を縫製してなるエアバ
ッグに関するものである。
する。本発明に用いられる成分(A) の皮膜形成性シリコ
ーンは、本発明の組成物の主剤となる成分であり、一般
にエマルジョンとして使用され、水が除去されることに
よって硬化し、ゴム弾性を有する皮膜を形成する成分で
ある。成分(A) の皮膜形成性シリコーンエマルジョンと
しては、特に組成は限定されず、硬化してゴム弾性を有
するシリコーンゴムの皮膜を形成するものであれば何れ
のものでもよいが、中でもコロイダルシリカとポリオル
ガノシロキサンを同時に乳化重合することにより得られ
る、皮膜形成性のシリコーンエマルジョン(特開平3−
281536号公報、特開平3−281537号公報、特開平3−28
1538号公報参照)が好ましく使用される。成分(A) の好
ましいものとしては、具体的には以下のものが例示され
る。 (A-1)(a)コロイダルシリカのコア80〜5重量% (b)平均組成式 RaSiO(4-a)/2 … (I) (式中、R は水素原子または炭素数1〜8の置換もしく
は非置換の1価の炭化水素基、a は1.80〜2.20の数)で
表されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%
からなるコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体 1
00重量部、 (A-2) 硬化触媒0〜5重量部、 (A-3) 乳化剤1〜20重量部、 (A-4) 水50〜1000重量部 から成る皮膜形成性エマルジョン。
化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基、デシル基などのアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、イソプロペニル基、ホモアリル基、
5−ヘキセニル基、7−オクテニル基などのアルケニル
基、フェニル基、ナフチル基、キセニル基などのアリー
ル基、β−フェニルエチル基、ビニルフェニル基、1−
(ビニルフェニル)エチル基、2−(ビニルフェニル)
エチル基などのアラルキル基、シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基などのシクロアルキル基などが例示され
る。また、R の置換の炭化水素基としては、上記非置換
有機基の水素原子をフッ素や塩素のようなハロゲン原子
で置換した基が挙げられ、具体的には、3,3,3 −トリフ
ルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基などが例示
される。
ム組成物の硬化触媒として知られているものが使用で
き、縮合反応触媒、付加反応触媒、ラジカル反応触媒な
どが例示される。縮合反応触媒は、アルコキシシリル基
などの加水分解性基とシラノール基などとの間の加水分
解・縮合反応、あるいはハイドロジェンシリル基とシラ
ノール基などとの間の脱水素縮合反応の触媒となるもの
で、アルキルスズ有機酸塩、亜鉛有機酸塩などの金属有
機酸塩、テトラブトキシチタンなどの有機金属アルコラ
ート、n−ブチルアミン、イミダゾールなどのアミン類
などの触媒が例示され、中でもアルキルスズ有機酸塩が
好ましく、特にジブチルスズジラウレート、ジオクチル
スズジラウレートなどのジアルキルスズジカルボキシレ
ートが好ましく使用される。付加反応触媒は、ハイドロ
ジェンシリル基とエチレン性不飽和基との間の付加反応
の触媒となるもので、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウム、白金などの化合物が例示され、中でも白金
系化合物が好ましく、塩化白金酸、塩化白金酸をアルコ
ールやケトンに溶解させたもの、塩化白金酸とオレフィ
ン類との錯化合物、塩化白金酸とアルケニルシロキサン
との錯化合物、塩化白金酸とジケトンとの錯化合物、白
金黒および白金を担持させたものが例示される。ラジカ
ル反応触媒は、ラジカル反応による硬化の触媒となるも
ので、有機過酸化物が使用され、ジアシルパーオキサイ
ド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、
アルキルパーオキシケタール、パーオキシジカーボネー
トなどが例示され、中でも1時間半減期温度が25〜100
℃の範囲にあるものが好ましく使用される。これらの硬
化触媒は、(A-1)100重量部に対して0〜5重量部、好ま
しくは0.001 〜2重量部、特に好ましくは0.01〜1重量
部使用される。
て、更に好ましい形態のものとしては、以下のものが例
示される。 ; (A-1)(b) のR として水素原子を式(I)の置換基
中に0.5 〜50モル%含有し、(A-2) の硬化触媒が縮合反
応触媒であるもの。 ; (A-1)(b) のR としてエチレン性不飽和基を式
(I)の置換基中に0.01〜25モル%含有し、(A-2) の硬
化触媒が付加反応触媒またはラジカル反応触媒であるも
の。 ; (A-1)(b) のシェルとして水酸基を含有し、(A-2)
の硬化触媒が縮合反応触媒であるもの。 ;において、更に(b) が水酸基を含有するもの。 ;において、更に(b) のR として水素原子を0.02〜
50モル%含有し、(A-2)の硬化触媒が付加反応触媒であ
るもの。
-5) 成分を配合した組成物も使用され得る。 (A-5) 平均組成式 R'bSiO(4-b)/2 … (II) (式中、R'は水素原子または炭素数1〜8の置換もしく
は非置換の1価の炭化水素基、b は1〜3の数)で表さ
れ、分子中に水酸基を含有し得るポリオルガノシロキサ
ンここで、R'の炭化水素基としては、前記R と同様のも
のが例示される。(A-5) はシリコーンエマルジョンの形
態がまたはの場合に併用することが好ましく、中で
もR'として水素原子を0.05〜50モル%含有し、エチレン
性不飽和基及び水酸基を含有せず、b が1.8 〜2.2 で、
25℃での粘度が10〜10,000cSt のものが、(A-1)100重量
部に対して好ましくは0.01〜20重量部使用される。な
お、(A-5) をの場合に併用するときは、(A-2) の硬化
触媒としては付加反応触媒を使用することが好ましい。
本発明の成分(A) のシリコーンエマルジョンは、公知の
方法で調製すればよく、例えば前記した (A-1)〜 (A-
4)、さらには必要により(A-5) あるいはその他の成分を
乳化することにより得られ、各成分の添加順序や各成分
を分割して添加する条件などは適宜選択して行うことが
できる。
組成物を、各種基材、特にエアバッグ基布として用いら
れる6,6−ナイロンなどに対する接着性に優れたもの
とするために、必須とされる成分であり、ウレイド基含
有オルガノアルコキシシラン又はその部分加水分解・縮
合物である。尚、ウレイド基は一般に、-NH-CO-NH2で示
される基を指すが、本発明においては-NH-CO-NH-で示さ
れるウレイレン基を含有するものも成分(B) として使用
され得る。ウレイド基含有オルガノアルコキシシランと
しては、以下の一般式で示されるものが例示される。 R1-HNCONH-R2-SiR3 c(OR4)(3-c) … (III) O=C[NH-R5-SiR6 d(OR7)(3-d)]2 … (IV) ここで、R1、R3、R4、R6およびR7は水素原子または炭素
数1〜8の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、R2
およびR5は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、c および
d は0、1または2を示す。1価の炭化水素基として
は、前記R と同様のものが例示され、中でもアルキル基
が好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基が好
ましい。2価の炭化水素基としては、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基などが例示される。これらの中で
も、エマルジョンへの分散性がよく、少量の添加量で効
果があることから、水溶性のものが好ましく、例えば
(III)式でR1が水素原子のものが好ましい。成分(B) と
しては、具体的には以下のものが例示される。 H2NCONHCH2CH2CH2Si(OC2H5)3 H2NCONHCH2CH2CH2SiCH3(OC2H5)2
に対して0.1 〜20重量部、好ましくは0.5 〜10重量部、
特に好ましくは1.0 〜5.0 重量部である。配合量が0.1
重量部未満では基材との接着性を向上させる効果が十分
でなく、また20重量部を超えると基材としてエアバッグ
基布を使用した場合に、エアバッグ基布が固くなり、柔
軟性が損なわれるからである。
剤、安定剤、顔料、改質剤、難燃剤などの併用も支障な
い。さらに、コーティングしやすい粘度にするために増
粘剤を使用したり、あるいはさらに水で希釈したりして
も支障ない。たとえば、難燃剤としては、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、炭酸亜鉛などが例示され
る。さらに、本発明の組成物のエアバッグ基布などへの
接着性をより向上させるため、成分(B) のウレイド基含
有オルガノアルコキシシラン又はその部分加水分解・縮
合物と併用して、1分子中に炭素官能性基と加水分解性
基を併せ持つ有機ケイ素化合物などの公知の接着助剤を
本発明の組成物に添加しても支障ない。このような有機
ケイ素化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3 −アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3,4 −エポキシシクロヘキシルエチ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン
及び下記構造式で示される有機ケイ素化合物
ケイ素化合物は、単独もしくは2種以上混合して用いる
ことができ、そのまま本発明の調製時に配合してもよ
く、あるいは別途乳化剤でエマルジョンとして調製し
て、本発明の組成物に配合すればよい。
は、成分(A) のシリコーンエマルジョンを調製した後
に、成分(B) およびその他の添加剤を混合攪拌して均一
にすることにより得られる。成分(B) およびその他の添
加剤を配合する場合は、そのままで成分(A) と混合して
もよく、あるいは乳化剤で成分(A) とは別にエマルジョ
ンとして調製して、成分(A) と混合してもよい。あるい
はさらに、本発明の成分(A) を調製する場合に、成分
(A) の原料成分といっしょに成分(B) およびその他の成
分を混合してもよい。本発明のエマルジョン型シリコー
ン組成物においては、接着性向上などの効果が良好に発
現することから、成分(A) のエマルジョンを調製した後
に、成分(B) を混合することが好ましく、特に成分(B)
をそのままで混合することが好ましい。その他の成分を
配合する場合においても、接着助剤を配合する場合は、
成分(B) と同様な方法で混合することが好ましい。
各種のエアバッグ用基布などの基材に、ディップコー
ト、スプレーコート、刷毛塗り、ナイフコート、ロール
コート等の方法によって塗布し、水を乾燥除去し、室温
で10分〜数時間放置するか、基材に応じて若干の加熱を
行って硬化させることにより行われる。本発明の組成物
は各種の基材の処理に使用でき、例えば、ナイロン、ポ
リエステル、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフ
ィン、エポキシ、ABS樹脂を始めとして各種の材質か
らなる、繊維、パッキング材、ウエザーストリップ、各
種ゴム製品などの各種の物品に使用できる。中でも良好
な接着性を有し、基材の柔軟性を損なうことがなく、処
理面のブロッキングなどがないことから、繊維の処理に
好ましく使用され、特にナイロンなどを基材とするエア
バッグなどの処理に好ましく使用される。
物によれば、各種基材、特にエアバッグ用基布に処理し
た場合に、従来の接着性向上剤に比べて添加量が少量で
接着性向上の効果があり、硬化して得られるゴム皮膜の
柔軟性や機械的強度を低下させることがなく、基材であ
るエアバッグ用基布などの柔軟性を損なうことがないと
いう特徴がある。しかも、本発明の成分(B) の接着性向
上剤そのものが中性であるために、アルコキシシランの
縮重合を促進することがなく、本発明の組成物が安定性
の良好なものとなり、また作業性が著しく向上し、さら
にエアバッグ基布などの基材を劣化させることがないた
めに、処理して得られる基材の品質向上が可能となる。
また本発明の組成物はエマルジョン型であり、そのため
塗工液の粘度を低いものに調整でき、塗工時の作業性が
改善される。そして、水分が徐々に蒸発することによ
り、複雑な形状においても、その表面の形状に沿ったゴ
ム皮膜が形成され、ゴム面同士が接触した際のブロッキ
ングを起こすことがないという特徴を有する。また、水
を分散媒とするエマルジョンであり、有機溶剤を使用し
ないため、作業時の安全性に優れ、環境衛生上も好まし
く使用され、またゴムやプラスチックなどの基材を膨潤
や侵食する心配がないという特徴を有する。
詳述する。なお、実施例中の「部」はすべて「重量部」
を、「%」はすべて「重量%」を示す。 調製例1 酸性コロイダルシリカスノーテックスOL(日産化学工業
(株)製、平均粒子径84nm、SiO2 20.66%、Na2O 0.019
%、pH 2.78)1000部、蒸留水 470部、ドデシルベンゼン
スルホン酸 8.4部の混合液中に、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン210部を加え、ホモミキサーにより予備
攪拌した後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2 の圧力
で2回通すことにより、乳化、分散させた。この混合液
をコンデンサー、窒素導入口および攪拌機を備えたセパ
ラブルフラスコに移し、攪拌混合しながら85℃で5時間
加熱し、5℃で48時間冷却することによって重合を完結
させた。次いで、このポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和し、重合を終
わらせた。これを主剤とした。得られたポリオルガノシ
ロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキサンの重
合率は99.6%であった。また、前記ポリオルガノシロキ
サンがコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体であ
るということが、動的光散乱法に基づく粒径解析および
電子顕微鏡観察により確認できた。すなわち、レーザー
粒径解析システム(大塚電子(株)製LPA-3000 S/3100)
を用いて粒径解析したところ、原料コロイダルシリカの
84nm付近にピークを持つ単一分散の粒径分布が完全に消
失し、153nm 付近にピークを持った単一分散の粒径分布
が新たに現れた。さらに、電子顕微鏡により観察したと
ころ、シリコーン粒子像のみが確認され、原料シリカ粒
子像は全く観察されなかった。一方、このコアシェル体
エマルジョンの一部を多量のアセトン中に投入し、コア
シェル体を析出させ、濾別後、真空乾燥機で50℃、12時
間乾燥し、コアシェル体凝集物を得た。そして、このコ
アシェル体凝集物の元素分析、IRおよび1H、29Si−NMR
分析の結果、シリコーンシェル部の割合は49.2%であっ
た。また、前記コアシェル体をグラフト重合体とみなし
た場合のグラフト率およびグラフト効率はそれぞれ40.2
%であった。また、ポリオキシエチレン(18)ノニルフェ
ニルエーテル(日光ケミカルズ(株)製、NIKKOL NP-18
TX:HLB 19) 2.0 部と蒸留水 320部との混合液中に下記
式で示される粘度25cSt のポリメチルハイドロジェンシ
ロキサン 100部
後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2の圧力で2回通す
ことにより乳化分散させ、硬化剤とした。次に上記調製
した主剤 100部(固形分24%)に対し、硬化剤(固形分
24%)を0.40部およびジブチルスズジラウレートの50%
水性エマルジョン(ジブチルスズジラウレート50部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部及び蒸留水45
部にて調製)0.24部、増粘剤HPC(ヒドロキシプロピルセ
ルロース グレードM 、日本曹達(株)製) 1.0部を25
℃にて添加し、混合攪拌することにより、シリコーン水
性エマルジョン組成物を得、調製液1とした。
水 470部、ドデシルベンゼンスルホン酸 8.4部の混合液
中に、オクタメチルシクロテトラシロキサン 210部およ
び1,3,5,7 −テトラビニルテトラメチルシクロテトラシ
ロキサン1.2 部を加え、ホモミキサーにより予備攪拌し
た後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2 の圧力で2回
通すことにより、乳化、分散させた。この混合液を用い
て調製例1と同様に乳化重合を行った。得られたポリオ
ルガノシロキサン中のオクタメチルシクロテトラシロキ
サンおよび1,3,5,7 −テトラビニルテトラメチルシクロ
テトラシロキサンの重合率は99.4%であった。また、得
られたポリオルガノシロキサンがコロイダルシリカ−シ
リコーンコアシェル体であることが、調製例1と同様に
確認できた。また、同様にシリコーンシェル部の割合は
49.7%であり、グラフト率およびグラフト効率はそれぞ
れ41.7%であった。これを主剤とした。この主剤 100部
(固形分24%)に対し、調製例1の硬化剤(固形分24
%)を0.40部および塩化白金酸−オレフィン錯塩のO/
W型エマルジョン(白金含有量3重量%)0.05部、増粘
剤HPC(ヒドロキシプロピルセルロース グレードM 、日
本曹達(株)製) 1.0部を25℃にて添加し、混合攪拌す
ることにより、シリコーン水性エマルジョン組成物を
得、調製液2とした。
種の炭素官能性アルコキシシランを表1に示す量添加
し、均一に混合してエマルジョン型コーティング組成物
を調製した。このコーティング組成物を 6,6−ナイロン
布(420D平織) へ塗布量が60g/m2になるようにコーテ
ィングした。次にオーブンにて以下の様に処理し、シリ
コーンゴム硬化皮膜を形成させた布を得た。 90℃×5min → 170℃×2min 得られた皮膜形成布を用いて、接着性および機械的強
度、柔軟性を以下のように評価した。これらの評価は、
皮膜形成布の塗布初期のもの、および120 ℃で2週間加
熱(耐熱試験)後のものについて行った。 ・接着性および機械的強度 6,6 −ナイロン布へコーティングされたゴム皮膜のナイ
ロン布への接着性および機械的強度(コーティングされ
たナイロン布を指で強くしごき、接着の悪いもの、もし
くは機械的強度に劣るものは、コーティング面のゴム皮
膜から剥離、脱落がおきる)を観察し、次の3段階で評
価した。 ◎;コーティング面からゴム皮膜の脱落等がなく、優れ
た接着性、機械的強度を示す。 △;コーティング面からゴム皮膜がわずかに脱落、剥離
を生ずる。 ×;コーティング面からゴム皮膜が脱落する。 ・柔軟性 シリコーンゴム皮膜の形成されたナイロン布の柔軟性
を、カトーテック(株)製純曲げ試験機(KES−FB
2)で評価した。結果を測定値で示す。この数値が小さ
いほど柔軟性に優れる。 ・耐熱試験 シリコーンゴム皮膜の形成されたナイロン布を120 ℃の
オーブンに2週間入れて加熱した後に、初期の状態に対
する外観の変化、上記の接着性および機械的強度、柔軟
性の評価を行った。尚、外観の変化は少ないほうが耐熱
性に優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】(A) 皮膜形成性シリコーンエマルジョン
不揮発分に換算して 100重量部 (B) ウレイド基含有オルガノアルコキシシラン又はその
部分加水分解・縮合物0.1 〜20重量部 を含有することを特徴とするエマルジョン型シリコーン
組成物。 - 【請求項2】請求項1記載のエマルジョン型シリコーン
組成物の硬化皮膜を形成したエアバッグ基布を縫製して
なるエアバッグ。
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