JPH10203838A - 石英系ガラスの屈折率調整方法およびこの方法を用いてえられた光導波路ならびに該光導波路を有する光導波路デバイス - Google Patents

石英系ガラスの屈折率調整方法およびこの方法を用いてえられた光導波路ならびに該光導波路を有する光導波路デバイス

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JPH10203838A
JPH10203838A JP591797A JP591797A JPH10203838A JP H10203838 A JPH10203838 A JP H10203838A JP 591797 A JP591797 A JP 591797A JP 591797 A JP591797 A JP 591797A JP H10203838 A JPH10203838 A JP H10203838A
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optical waveguide
refractive index
rays
quartz glass
glass
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JP591797A
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Katsuhiro Imada
勝大 今田
Hajime Takeya
元 竹谷
Masakazu Takabayashi
正和 高林
Kiichi Yoshiara
喜市 吉新
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再現よく石英系光導波路の屈折率を変化させ
うる屈折率調整方法およびこの方法を用いてえられた光
導波路ならびに光導波路デバイスを提供する。 【解決手段】 石英ガラスを主成分とする石英系ガラス
の屈折率調整方法であって、前記石英系ガラスにX線を
照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野、とく
に波長分割多重光伝送技術において重要な部品である光
フィルタ、光スイッチなどを構成し、石英系ガラスを用
いてえられる光導波路および該光導波路を有するデバイ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、光導波路の屈折率は光導波路
デバイスの特性を左右するため、きわめて重要な要素で
ある。光導波路の屈折率を変化させることにより、デバ
イスの高性能化および高機能化を実現できる。光導波路
の屈折率を変化させるには、外部から与えられる熱や電
界により一時的に屈折率を変化させる方法と、光導波路
材料自体の屈折率を変化させてしまう方法とがある。後
者では、石英ガラスを主成分としGeが添加された石英
系ガラスを用いて形成された光導波路(以下、単に「石
英系光導波路」ともいう)に、強力な紫外線を照射する
方法が一般的に使われている。
【0003】この紫外線照射による屈折率の変化につい
ては、いくつかのメカニズムが提案されている。そのも
っとも代表的なモデルがクラマース−クローニッヒ機構
である。これは、Geが添加された石英系ガラス中の酸
素欠損により形成されたGe−Si結合の二光子吸収に
よりGe−Si結合中の電子がイオン化し、それに続い
てカラーセンタが形成されることにもとづいている。こ
れらの励起状態は、波長250nm付近の光吸収スペク
トルに対して変化を生じさせ、クラマース−クローニッ
ヒの関係式から屈折率が変化するとしている。ただし、
酸素欠損により形成されたGe−Si結合に関わる屈折
率の変化だけでは大きな屈折率の変化が説明できないた
め、これ以外にさまざまな現象が生じ、互いに複合して
屈折率を変化させていると考えられている。
【0004】また、石英系ガラスに対して高圧水素処理
をすることで、紫外線照射に対する屈折率変化量が10
倍以上大きくなることがAT&Tから報告された。これ
は、高圧水素処理により光導波路中に取り込まれた水素
分子が紫外線照射によりGe−OH結合に変化すること
により生じると考えられている。高圧水素処理以外の水
素分子の導入法としては、水素雰囲気で高温で保持する
方法、水素リッチな酸水素炎中で処理する方法などが行
われている。ただし、それらの効果は同じではなく、条
件によりGe−H結合を生じるなどのさまざまな現象が
起こる。
【0005】なお、通常の酸水素炎と水素リッチな酸水
素炎との違いは、通常の酸水素炎の炎の温度が2400
〜2700℃であるのに対し、水素リッチな酸水素炎の
温度は約1700℃であることである(OPTICS LETTER
S, 18[12](1993年)p.953−955参照)。
【0006】一般に、紫外線源としてはKrFやArF
などのエキシマレーザが用いられる。エキシマレーザを
用いたばあい、位相マスクを利用して光導波路に周期的
に屈折率の異なるグレーティングを比較的簡単に形成で
きるためよく利用されている。しかし、エキシマレーザ
を発生させる装置は高価である上に、その光強度が時間
的に変化したり、レーザービームの強度分布が悪いなど
の問題があった。したがって、光導波路の屈折率変化を
再現よく正確に変化させることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べられ
た、紫外線レーザを光導波路に照射し光導波路の屈折率
を変化させる方法を用いたばあいは、照射時間のみを制
御して、再現よく屈折率変化量を調整することが困難で
あった。このため、光導波路の特性をモニタしつつ照射
量を調節するなどの方法が必要とされ、生産性が悪いと
いう問題があった。また、一般的にレーザ光には光強度
分布があるため、試料の広い面積の屈折率を均一に変化
させる際には、レーザ光を試料表面上で走査する必要が
あり、やはり生産性が悪いという問題があった。さら
に、紫外線を通さない物質で覆われた石英系光導波路の
屈折率を変化させることが不可能であるという問題があ
った。
【0008】本発明は、前述のような問題点を解決する
ためになされたもので、再現よく石英系光導波路の屈折
率を変化させうる屈折率調整方法およびこの方法を用い
てえられた光導波路ならびに該光導波路を有する光導波
路デバイスを提供することを目的とする。本発明では、
照射時間を制御するだけで屈折率変化量が精密に調節で
きるためプロセスが簡単となり光導波路デバイスの生産
性が向上できる。また、紫外線を通さない物質で覆われ
た光導波路でもX線が透過すれは屈折率が調整できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の石英系ガラスの
屈折率調整方法は、石英ガラスを主成分とする石英系ガ
ラスの屈折率調整方法であって、前記石英系ガラスにX
線を照射することを特徴とする。
【0010】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスを保持したのち、該石英
系ガラスにX線を照射する方法である。
【0011】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、前記石英系ガラスを保持する方法である。
【0012】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を前記石英
系ガラスに添加する方法である。
【0013】また、石英系ガラスにX線を照射したの
ち、さらに150〜800℃の熱処理を行う方法であ
る。
【0014】本発明の光導波路は、請求項1記載の方法
により屈折率が調整された、石英ガラスを主成分とする
石英系ガラスからなることを特徴とする。
【0015】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石
英系ガラスにX線が照射されるものである。
【0016】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、石英系ガラスを保持するものである。
【0017】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガ
ラスに添加するものである。
【0018】また、石英系ガラスにX線が照射されたの
ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれるもの
である。
【0019】また、X線を透過しにくい材料からなり、
かつ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上
が覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射される
ことによって、石英系ガラスの所望の部分のみ屈折率が
変化するものである。
【0020】また、石英系ガラス上にX線が走査しなが
ら照射されることによって、石英系ガラスの所望の部分
のみ屈折率が変化するものである。
【0021】また、光導波路にX線照射により周期的に
屈折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成す
るものである。
【0022】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものである。
【0023】本発明の光導波路は、基板上に形成された
2つの光導波路であって、2つの光導波路のうち少なく
とも1つの光導波路が、石英ガラスを主成分とする石英
系ガラスからなり、2つの光導波路が少なくとも2つの
位置で光学的に結合しており、さらに2つの光導波路の
結合部間の光導波路および2つの光導波路の結合部の光
導波路の少なくとも一方にX線が照射されることにより
光導波路の屈折率の調整が行われることを特徴とする。
【0024】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものである。
【0025】本発明の光導波路デバイスは、請求項6記
載の光導波路を有することを特徴とする。
【0026】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石
英系ガラスにX線が照射されるものである。
【0027】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、石英系ガラスを保持するものである。
【0028】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガ
ラスに添加するものである。
【0029】また、石英系ガラスにX線が照射されたの
ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれるもの
である。
【0030】また、X線を透過しにくい材料からなり、
かつ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上
が覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射される
ことによって、前記石英系ガラスの所望の部分のみ屈折
率が変化するものである。
【0031】また、石英系ガラス上にX線が走査しなが
ら照射されることによって、前記石英系ガラスの所望の
部分のみ屈折率が変化するものである。
【0032】また、光導波路にX線照射により周期的に
屈折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成す
るものである。
【0033】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものである。
【0034】本発明の光導波路デバイスは、基板上に形
成された2つの光導波路からなる光導波路デバイスであ
って、2つの光導波路のうち少なくとも1つの光導波路
が、石英ガラスを主成分とする石英系ガラスからなり、
2つの光導波路が少なくとも2つの位置で光学的に結合
しており、さらに2つの光導波路の結合部間の光導波路
および2つの光導波路の結合部の光導波路の少なくとも
一方にX線が照射されることにより光導波路の屈折率の
調整が行われることを特徴とする。
【0035】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものである。
【0036】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら本発
明の石英系ガラスの屈折率調整方法およびこの方法を用
いてえた光導波路ならびに光導波路デバイスの実施の形
態について説明する。
【0037】実施の形態1.本発明の石英系ガラスの屈
折率調整方法の一実施の形態について説明する。
【0038】まずはじめに、SiO2基板上に、SiO2
を主成分とし添加元素としてGeを9mol%含有した
石英系ガラス膜が火炎堆積(FHD)法で、厚さ6μm
まで堆積されてなる試料を作製した。前記火炎堆積法と
は、SiCl4およびGeCl4などを出発原料とする蒸
気を酸水素バーナーへ輸送し、火炎中にてSiCl
よびGeClを加水分解して、微粉末状のSiO2
よびGeO2を作製し、これを基板へ吹き付けて堆積し
たのち、1000〜1200℃の温度で熱処理を施し、
基板上の堆積物の透明化を行い石英系ガラス膜を形成す
る方法である。同様の方法は、光ファイバの作製や高純
度の石英系ガラスの製法として用いられている。
【0039】さらに、石英系ガラス膜にX線を照射し
た。X線照射の際には、通常の蛍光X線分析装置に備わ
ったRh(ロジウム)の管球を使用し、管球電圧を50
kV、管球電流を40mAとした。このばあい、白色X
線の最短波長は約0.25Å、白色X線の強度が最大と
なる波長は0.4〜0.5Åとなる。また、白色X線に
加えて波長0.6Åおよび4Å付近にK系列およびL系
列の特性X線が含まれる。X線照射前後の屈折率を、波
長633nmのHe−Neレーザを用いたプリズムカプ
ラ法により測定した。石英系ガラス膜の屈折率は、X線
照射により少し増加した。本実施の形態におけるX線の
照射時間と屈折率変化の関係を図1に示す。図1におい
て、縦軸は石英系ガラス膜の屈折率、横軸はX線照射時
間(hr)を示す。図1に示すように、X線照射時間が
長くなるほど屈折率は大きくなった。検討した照射時間
3時間(hr)以下では照射時間にほぼ比例して屈折率
が上昇した。したがって、照射時間を調整することで任
意の屈折率がえられる。
【0040】同様の屈折率変化は、X線源としてW(タ
ングステン)ターゲットを有するX線管球を用いて、前
述の特性X線と波長の異なる特性X線を照射したばあい
においても確認された。したがって、特定の波長のX線
によりえられる効果ではない。照射するX線の波長とし
て0.01〜100Åで同様の効果が期待できる。
【0041】実施の形態2.本発明の石英系ガラスの屈
折率調整方法の他の実施の形態について説明する。
【0042】本実施の形態においては、実施の形態1と
同じ試料を作製し、実施の形態1と同じX線照射装置を
使用して石英系ガラス膜の屈折率を変化させたが、X線
照射前に試料を高圧水素ガス(圧力100kg/c
2)中で10日間保持した。そののち、高圧水素ガス
が封入された容器から試料を取り出して1時間以内にX
線照射を行った。X線照射の条件は実施の形態1と同じ
であり、管球電圧を50kV、管球電流を40mAとし
た。実施の形態1と同様、X線照射後、波長633nm
のレーザ光に対する屈折率は照射に比べ増加した。本実
施の形態における屈折率の変化量は、水素処理を行わな
かった実施の形態1における屈折率の変化量より10倍
程度大きくなった。本実施の形態におけるX線の照射時
間と屈折率変化の関係を図2に示す。図2において、縦
軸は石英系ガラス膜の屈折率、横軸はX線照射時間(h
r)を示す。検討した照射時間3時間(hr)以下では
時間にほぼ比例して屈折率が上昇した。したがって、照
射時間を調整することで任意の屈折率がえられる。
【0043】実施の形態3.本発明の石英系ガラスの屈
折率調整方法のさらに他の実施の形態について説明す
る。
【0044】本実施の形態においては、実施の形態1と
同様にSiO2基板上に、SiO2を主成分としGeを9
mol%含有した石英系ガラス膜を形成し、水素ガス中
で10日間保持したのちX線を照射し、石英系ガラスの
屈折率変化を測定した。水素ガス中で保持する際の水素
ガスの圧力を大気圧、2kg/cm2、10kg/cm2
および100kg/cm2と変えて、各圧力におけるX
線照射前後の屈折率変化両を比較した。X線照射前の屈
折率に対して、X線照射後の屈折率は、水素ガスの圧力
が大気圧および2kg/cm2のばあい、X線照射前の
屈折率の0.03%分上昇し、水素ガスの圧力が10k
g/cm2のばあい、X線照射前の屈折率の0.09%
分上昇し水素ガスの圧力が100kg/cm2のばあ
い、X線照射前の屈折率の0.27%分上昇した。した
がって、水素処理の圧力が高圧であるほど屈折率変化量
が大きくなることがわかった。大気圧および2kg/c
2の圧力では処理時間をさらに30日と長くしたばあ
いも屈折率変化量は変化せず、効果が小さいことがわか
った。水素処理によって屈折率変化量を大きくするには
10kg/cm2以上の圧力で保持することが有効であ
る。
【0045】水素処理による屈折率変化量の増大は、紫
外線照射を行ったばあいに生じている現象と同様の現象
によりOH基が生成されて生じると考えられる。ただ
し、X線は紫外線よりも高エネルギーを有するため、従
来用いられていた紫外線と異なり、特定の結合部のみを
励起するのではなく様々な元素間の結合部分を励起する
と考えられる。したがって、紫外線では屈折率の変化が
生じないような添加元素でも屈折率を変化することが可
能と考えられる。
【0046】また、水素処理および紫外線照射では、生
成されるOH基による吸収のため光通信で使用される波
長1.39μm付近に損失が生じることが知られている
(1996年電子情報通信学会エレクトロニクスソサエ
ティ大会、1996年、C−143、p.143)。こ
のため重水素ガスを使用して処理し、損失を低下する方
法も試みられている。本実施の形態においても、水素ガ
スの代わりに重水素ガスを用いて処理を行ったばあいも
同様の効果がえられる。
【0047】実施の形態4.本発明の石英系ガラスの屈
折率調整方法の他の実施の形態について説明する。
【0048】本実施の形態においては、SiO2を主成
分とし、B、Al、P、Ti、Ge、SnまたはZrの
添加元素源としてB23、Al23、P25、Ti
23、GeO2、SnO2またはZrO2をそれぞれ10
重量%含有する6種類の石英系ターゲット、もしくは添
加物無しのSiO2からなる石英ターゲットを使用し
て、スパッタ法でSi基板上に厚さ3μmの膜を7種類
作製した。これらの膜について実施の形態2に示される
高圧水素処理を行ったのちX線照射し、照射前後の屈折
率の変化量を調べた。X線照射は実施の形態1に示され
る条件と同じ条件であり、X線照射時間は3時間とし
た。
【0049】X線照射前後の屈折率変化量は、添加物無
しの石英ターゲットを用いたばあい、X線照射前の屈折
率の0.02%以下であり、B23、Al23またはP
25を含有する石英系ターゲットを用いたばあい、X線
照射前の屈折率の0.05%程度であり、Ti23を含
有する石英系ターゲットを用いたばあい、X線照射前の
屈折率の0.15%であり、GeO2を含有する石英系
ターゲットを用いたばあい、X線照射前の屈折率の0.
27%であり、SnO2を含有する石英系ターゲットを
用いたばあい、X線照射前の屈折率の0.30%であ
り、ZrO2を含有する石英系ターゲットを用いたばあ
い、X線照射前の屈折率の0.33%であった。
【0050】従来の紫外線照射のばあいは、特定の元素
間の結合部しか励起できないため、GeやPを含有する
膜に対して紫外線を照射したときしか、屈折率を変化さ
せうるという効果がえられなかった。しかし、X線照射
によれば、B、Al、P、Ti、Ge、SnおよびZr
など多くの元素に対して、効果がえられた。
【0051】実施の形態5.つぎに、本発明の石英系ガ
ラスの屈折率調整方法を用いてえた光導波路および該光
導波路を有する光導波路デバイスの一実施の形態につい
て説明する。
【0052】まずはじめに、光導波路デバイスの製法に
ついて説明する。Si基板上に、下クラッドとして、S
iO2膜を形成し、該下クラッド上にコア膜としてGe
を約10mol%含有するSiO2膜を厚さ6μm堆積
した。ついで、Cr膜をマスクとしてコア膜に対して反
応性イオンエッチング(RIE)を行い、断面形状が幅
6μm、高さが6μmの光導波路を形成した。また、光
導波路の平面の形状は、マッハツェンダ(以下、「M
Z」という)干渉計型光導波路の形状とされ、図3に示
されている。図3は、本実施の形態の光導波路デバイス
の作製過程を示す説明図である。図3において、1は2
つの光導波路、2は後述のメタルマスク、3は光導波路
1の第1のポート、4は第2のポート、5は第3のポー
ト、6は第4のポート、9はSi基板、11は下クラッ
ドを示す。また、2つの光導波路1の2つの結合部は参
照符号16で示されており、2つの結合部16間の光導
波路であるアームは参照符号17で示されている。
【0053】前述のRIEを行ったのち、マスクとして
用いたCr膜を剥離し、上クラッドとしてSiO2膜を
CVD法により約20μm堆積し、試料を形成した。
【0054】試料の光導波路端面を研磨し、光ファイバ
を端面(第1のポート3、第3のポート5および第4の
ポート6)に結合して光損失を評価した。波長1.55
μmのLD光を光源とする光信号を用いたばあい、第1
のポート3から入力した光信号のほとんどが第3のポー
ト5から出力し、消光比が20dB以上のMZ干渉計型
光導波路デバイスが形成されていることがわかった。こ
の試料に対して高圧水素処理し、2つのアーム17のう
ちの一方のアーム17にのみ開口部2aを設けたメタル
マスク2(図3においては、MZ干渉計型光導波路デバ
イスの構造を明確に示すために、MZ干渉計型光導波路
デバイスの上方に示される)を重ねて、実施の形態1と
同じRhのX線管球を用いてX線を照射した。この試料
についてのX線照射時間と第3のポート5と第4のポー
ト6の光損失との関係を示したのが図4である。図4に
おいて、縦軸は光損失(dB)、横軸はX線照射時間
(min)を示す。なお、第3のポート5の光損失は図
中Aで示され、第4のポート6の光損失は図中Bで示さ
れる。X線照射時間が長くなるにつれて出力側の2つの
ポート(第3のポート5、第4のポート6)での分岐比
が変化することがわかった。したがって、X線照射の条
件により所望の分岐特性を有するMZ干渉計型光導波路
デバイスが作製できる。
【0055】なお、前記高圧水素処理の際用いられるガ
スは、水素ガスでもよく、重水素ガスでもよい。前記高
圧水素処理により、本実施の形態における屈折率の変化
量は、水素処理を行わなかった実施の形態1における屈
折率の変化量より10倍程度大きくなった。
【0056】本実施の形態では、2つのアーム17のう
ち1つのアーム17にのみX線照射を行ったが、結合部
16にX線照射すれば、結合部16の屈折率が変化し2
つの光導波路間の結合の度合いが変化するため、これを
利用してMZ干渉計型光導波路デバイスの特性を調整す
ることもできる。X線は透過率が高いため、従来の方法
では不可能である紫外線が透過しない物質で覆われた光
導波路デバイスに対しても効果がえられる。たとえば、
パッケージ内に納められた光導波路デバイスについて
も、パッケージの材質がX線を透過するならば屈折率の
変化が可能である。すなわち、パッケージに納められた
後でも所望の特性がえられるように特性を調整すること
が可能となる。
【0057】また、本実施の形態においては、2つの光
導波路を石英系ガラスを用いて作製したが、X線の照射
が1方の光導波路にのみ行われるばあいは、すくなくと
もX線が照射される光導波路が石英系ガラスを用いて形
成されていれば同様の効果がえられる。
【0058】実施の形態6.つぎに、本発明の石英系ガ
ラスの屈折率調整方法を用いてえた光導波路および該光
導波路を有する光導波路デバイスの他の実施の形態につ
いて説明する。
【0059】本実施の形態においては、実施の形態5で
作製したものと同じMZ干渉計型光導波路デバイスを作
製し、各ポートに光ファイバを結合した。光導波路の1
つのアームのみに開口部が設けられているメタルマスク
(図3において、参照符号2で示される)を重ねた状態
で光導波路デバイスを、X線を透過しうる物質からなる
容器である樹脂容器に装填した。入力ポートである第1
のポート側の光ファイバに入力した光信号は2つの出力
ポートである第3のポートおよび第4のポートから4
0:60の光強度比で出力した。この樹脂容器ごとX線
照射装置内にMZ干渉計型光導波路デバイスを入れ、X
線を照射した。X線照射後の第3のポートおよび第4の
ポートから出力された光信号の光強度比はおよそ50:
50に変化した。したがって、樹脂容器に装填したあと
でもX線照射によって光導波路デバイスの特性の調整が
できることがわかった。光導波路デバイスの特性は作製
プロセスによりばらつくことがあるが、本発明の屈折率
調整方法を用いると、樹脂容器に装填するまでのプロセ
スで生じた光導波路特性のばらつきを、樹脂容器に装填
後も容易に修正することができるため、光導波路デバイ
スの生産性を高めることができる。
【0060】なお、本実施の形態においては、X線を透
過しうる物質からなる容器として樹脂容器を用いたが、
たとえばアルミニウムなど軽金属からなる容器もX線を
透過しうるので、樹脂容器の代わりに用いうる。
【0061】実施の形態7.つぎに、本発明の石英系ガ
ラスの屈折率調整方法を用いてえた光導波路および該光
導波路を有する光導波路デバイスのさらに他の実施の形
態について説明する。
【0062】本実施の形態においては、実施の形態5と
同じ手順で直線光導波路を有する光導波路デバイスを作
製した。なお、コア膜をエッチングする際に用いるマス
クの形状を直線光導波路が形成されうる形状とした。つ
いで、前記光導波路デバイスを高圧水素ガス(圧力10
0kg/cm2)中で10日間保持したのち、X線照射
した。
【0063】前記光導波路デバイスの特性を評価するた
めに、X線照射前の直線光導波路およびX線照射後の直
線光導波路の光損失を測定した。なお、光損失を測定す
る際に用いられる光源として、波長1.55μmのレー
ザ光を用いた。前記X線照射前の直線光導波路の光損失
が0.2dB/cmであったのに対し、X線照射後の直
線光導波路の光損失は0.4dB/cmに損失が増加し
た。
【0064】さらに、X線照射後の光導波路デバイスの
大気中での熱処理に対する特性を評価するために、熱処
理の温度を変化させつつ、直線光導波路の光損失を測定
した。なお、熱処理の時間は2時間であり、光損失を測
定する際に用いられる光源としては、波長1.55μm
のレーザ光が用いられた。図5に、X線照射後の直線光
導波路の熱処理に対する特性を示す。図5において、縦
軸は光損失(dB/cm)、横軸は熱処理の温度(熱処
理温度(℃))を示す。図5に示されるように、400
℃以上の熱処理により、直線光導波路の光損失は熱処理
前と同等の0.2dB/cmにまで下がった。この熱処
理は、直線光導波路の光損失の原因となる、X線照射に
よって生じる欠陥を直線光導波路から取り除く効果があ
った。この熱処理の温度を150℃より低くしたばあい
は熱処理時間を24時間以上と長くしても光損失を低下
させる効果がまったく見られなかった。
【0065】さらに、熱処理と屈折率の関係を調べるた
めに、実施の形態1および実施の形態3に示される高圧
水素処理を行わない(高圧水素処理無し)のGeを含有
する石英系ガラス膜(試料)および高圧水素処理有りの
試料について、X線照射後、温度400℃、1時間の熱
処理を行い屈折率を測定した。X線照射前後、および熱
処理後の石英系ガラス膜の屈折率を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示されるように高圧水素処理無しの
試料は熱処理後にほぼX線照射前の屈折率に戻った。高
圧水素処理後X線照射した試料も熱処理後に屈折率が低
下したが、X線照射に伴う大きな屈折率変化に比べると
わずかであった。
【0068】ただし、800℃以上の高温で熱処理を行
ったばあい、水素処理した試料でも屈折率は水素処理無
しのばあいの屈折率と同様に低下した。したがって、水
素処理を行ったあとにX線照射したばあい、150〜8
00℃の熱処理により、X線照射によりえられた屈折率
変化の状態を保ちながら光損失のみを減少させることが
できる。この熱処理は低光損失を重視する光導波路の応
用分野でとくに有効である。
【0069】実施の形態8.つぎに、本発明の石英系ガ
ラスの屈折率調整方法を用いてえた光導波路および該光
導波路を有する光導波路デバイスのさらに他の実施の形
態について説明する。
【0070】本実施の形態においては、添加される元素
の種類や含有量によりX線照射の際の屈折率変化量が異
なることを利用すれば、石英系ガラス膜の表面の所望の
部分のみにX線を照射するだけで光導波路を作製するこ
とができることに注目し、光導波路デバイスを形成し
た。
【0071】まず、プラズマCVD法でSi基板上に、
SiO2膜を厚さ約20μm、中間膜としてGeおよび
Bが添加されたSiO2膜を厚さ約8μm、さらにその
上にSiO2膜を厚さ約20μmとなるように順次堆積
した。中間膜の屈折率はGeとBの添加量を調整するこ
とにより、中間膜の上下に堆積されたSiO2膜の屈折
率とほぼ同じ1.4548とした。この上に、図6に示
されるように導波路幅8μmのY分岐型光導波路形状の
Pb膜をパターン形成した。なお、図6は、本実施の形
態の光導波路デバイスの作製過程を示す説明図である。
図6において、7は中間膜、8はSiO2膜、9はSi
基板、10はPb膜を示す。
【0072】ついで、高圧の水素ガスが封入された容器
中で10日間保持ののち、ただちにX線照射を行った。
X線照射時間は3時間とした。X線照射時間と屈折率の
関係(たとえば、図2に示される)からX線照射により
中間膜の屈折率は、X線照射前の屈折率の約0.25%
分増加したと推定できる。したがって、SiO2膜は下
クラッドまたは上クラッドとなり、中間膜のうちX線が
照射された部分は光導波路となる。このようにして作製
したY分岐型光導波路の入射側に光ファイバを端面結合
し、波長1.30μmのレーザ光およびLD光を入射し
た。光導波路の出射側に配置された赤外カメラにより、
2分岐されたレーザ光およびLD光が出射されることが
観察され、チャネル型のY分岐型光導波路デバイスが作
製できたことが分かった。従来の一般の石英ガラスを用
いたチャネル型光導波路デバイスはコアとなる膜をRI
Eを用いて加工しのち、クラッド膜を堆積し、これを溶
融してコアを覆うため、クラッドの膜の表面に大きな凹
凸が存在した。本実施の形態の屈折率調整方法のX線照
射を用いて作製した光導波路の表面は非常に平滑であ
る。また、光導波路デバイスの作製プロセスに溶融過程
がないため光導波路の形成位置に関する精度が極めて良
好である。このように、X線照射による屈折率変化を利
用して光導波路デバイスを形成することができる。
【0073】本実施の形態の例は均一にGeおよびBを
添加した中間膜の一部の屈折率を変化させて光導波路を
形成した例であるが、イオン拡散やイオン注入などの方
法で、中間膜の一部に添加物を拡散した膜に対してX線
照射を行い、屈折率を変化させたばあいでも光導波路が
作製できる。また、マスク材料としては、Pb以外のX
線を遮蔽しうる材料を用いてもよい。
【0074】また、本実施の形態においては、所望のパ
ターンを有するPb膜をマスクとしてX線を照射した
が、Pb膜を形成せず、1度に照射しうる領域が狭いX
線を用いて、X線を走査させながら中間膜に照射するこ
とにより、石英系ガラス膜たる中間膜の所望の部の屈折
率を変化させ、光導波路を作製することができる。
【0075】実施の形態9.つぎに、本発明の石英系ガ
ラスの屈折率調整方法を用いてえた光導波路および該光
導波路を有する光導波路デバイスのさらに他の実施の形
態について説明する。
【0076】本実施の形態においては、光導波路上に周
期的に屈折率の異なる部分を形成するとグレーティング
を有する光導波路が形成されうることに注目し光導波路
を作製した。
【0077】図7に、本実施の形態の光導波路デバイス
の製造工程を示す。図7において、1は光導波路、9は
Si基板、10はPb膜、11は下クラッド、12は光
導波路となるコア膜、13は上クラッド、14はコア膜
に形成されたグレーティング、15は光導波路に形成さ
れたグレーティングを示す。まず、Si基板9上に、下
クラッド11を形成し、つづけてコア膜12を形成する
(図7(a)参照)。さらにコア膜12上を、所望のグ
レーティングパターン10aを有するPb膜10で覆
い、X線を図中Cで示される方向から照射する(図7
(b)参照)。コア膜12には、グレーティング14が
形成される(図7(c)参照)。さらに、コア膜12を
チャネル型光導波路形状に加工し、グレーティング15
が形成された光導波路1をうる(図7(d)参照)。最
後に、上クラッド13を形成する(図7(e)参照)こ
とにより、本実施の形態の光導波路デバイスがえられ
る。
【0078】コア膜12へのグレーティング形成は、光
導波路1の光の伝搬方向と垂直な方向に約0.5μm周
期のグレーティングパターン10aを有するPb膜10
を形成後、高圧水素処理を行い、さらにX線を照射する
方法で行った。Pb膜10は蒸着法を用いて成膜し、P
b膜10のグレーティングパターン加工はフォトリソグ
ラフィおよびエッチングを用いて行った。コア膜12の
うちグレーティング14を作製しない部分は、X線照射
の際、Pb膜で覆っておいた。また、光導波路をうるた
めには、グレーティング14を作製したコア膜12上に
チャネル型光導波路形状のパターンを有するCr膜を形
成後、CHF3ガスでRIE(反応性イオンエッチン
グ)を用いてコア膜を加工した。さらに、上クラッド
は、プラズマCVD法を用いて形成した。
【0079】なお、前記0.5μm周期のグレーティン
グパターンとは、Pb膜が形成される部分の幅と、Pb
膜が形成されずX線が透過しうる部分の幅とが、それぞ
れ0.5μmであるグレーティングパターンをいう。
【0080】図8に、グレーティングが形成された直線
形状のチャネル型光導波路の反射スペクトル特性を示
す。図8において、縦軸は光導波路から出射された光の
強度(光強度(dB))を示し、横軸は光導波路に入射
された光の波長(nm)を示す。図8に示されるよう
に、1.5μm帯に狭帯域の反射が観測され、本実施の
形態で示される方法によってグレーティングを有するチ
ャネル型光導波路デバイスが形成されたことが分かっ
た。
【0081】従来の紫外線照射を用いたばあいは、紫外
線の光強度分布が不均一であるため、比較的広い領域の
屈折率を変化させるには、紫外線であるレーザビームに
対して試料を走査させる必要があった。一方、X線照射
を用いたばあいでは、発生装置にもよるが比較的広い領
域で均一な強度分布がえられやすく、そのばあいは試料
を移動させなくても広い領域に対して一括に屈折率変化
できる。とくに、図7に示される光導波路を多段に連ね
たような複数の光導波路を有する大型の回路の数箇所に
グレーティングを作製するばあいに有効である。
【0082】本実施の形態では、コア膜上に所望のグレ
ーティングパターンを有するPb膜を直接形成したが、
PbなどX線が透過しにくい物質を用いて、X線が透過
しやすい基板上に所望のグレーティングパターンを形成
したマスクを用いてもよく、コア膜にこのマスクを重ね
た状態でX線照射を行えば、同様にコア膜にグレーティ
ングを形成できる。また、光の干渉現象を利用して周期
的にX線の強度を変化させても、同様のグレーティング
形成ができる。
【0083】なお、前述の実施の形態1〜9では、X線
を照射する際に蛍光X線分析装置を使用したが、他のX
線発生器、たとえば回転ターゲット型のX線発生器やシ
ンクロトロン放射装置を用いても同様の効果がえられ
る。また、光導波路の作製方法としてFHD法、蒸着
法、CVD法、スパッタ法だけでなく、イオン拡散法、
イオン注入法などの手法を使用したばあいも同様の効果
がある。また、前述の実施の形態1〜9では、光導波路
デバイスのコアの部分にのみGeやTiなどの元素を添
加したが、クラッドの部分に添加されていても構わな
い。
【0084】また、石英系ガラスには、Al、Ge、T
i、Sn、Zr、BおよびPのうち少なくとも1つの元
素が添加されていれば、X線照射により石英系ガラスの
屈折率が変化しうる。なお、高圧水素処理の際の圧力が
少なくとも10kg/cm2であることにより、石英系
ガラスの屈折率が変化しうる。
【0085】
【発明の効果】前述のように、本発明によれば、石英ガ
ラスを主成分とする光導波路において、出力が安定なX
線源を用いてX線を照射することにより、屈折率を変化
させたため、照射時間のみを制御して正確に光導波路の
屈折率を調整することができた。また、本発明によれ
ば、屈折率変化に透過性が高いX線を用いるため、従来
の紫外線を用いる方法ではできなかったような光を透過
しない物質で覆われた光導波路の屈折率を調整すること
が可能となった。
【0086】本発明の石英系ガラスの屈折率調整方法
は、石英ガラスを主成分とする石英系ガラスの屈折率調
整方法であって、前記石英系ガラスにX線を照射ので、
X線の照射時間を調整することで任意の屈折率がえられ
る。
【0087】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスを保持したのち、該石英
系ガラスにX線を照射する方法であるので、屈折率の変
化量をより大きくできる。
【0088】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、前記石英系ガラスを保持する方法であるの
で、屈折率の変化量をより大きくできる。
【0089】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を前記石英
系ガラスに添加する方法であるので、屈折率の変化量を
より大きくできる。
【0090】また、石英系ガラスにX線を照射したの
ち、さらに150〜800℃の熱処理を行う方法である
ので、X線照射によりえられた屈折率変化の状態を保ち
ながら光損失のみを減少させることができる。
【0091】本発明の光導波路は、請求項1記載の方法
により屈折率が調整された、石英ガラスを主成分とする
石英系ガラスからなるので、X線の照射時間を調整する
ことで任意の屈折率を有する光導波路を作成できる。
【0092】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石
英系ガラスにX線が照射されるものであるので、屈折率
の変化量をより大きくできる。
【0093】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、石英系ガラスを保持するものであるので、
屈折率の変化量をより大きくできる。
【0094】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガ
ラスに添加するものであるので、屈折率の変化量をより
大きくできる。
【0095】また、石英系ガラスにX線が照射されたの
ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれるもの
であるので、X線照射によりえられた屈折率変化の状態
を保ちながら光損失のみを減少させることができる。
【0096】また、X線を透過しにくい材料からなり、
かつ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上
が覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射される
ことによって、石英系ガラスの所望の部分のみ屈折率が
変化するものであるので、表面が非常に平滑な光導波路
をうることができる。
【0097】また、石英系ガラス上にX線が走査しなが
ら照射されることによって、石英系ガラスの所望の部分
のみ屈折率が変化するものであるので、表面が非常に平
滑な光導波路をうることができる。
【0098】また、光導波路にX線照射により周期的に
屈折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成す
るものであるので、広い領域に、均一な強度分布を有す
るX線を用いて光導波路を形成できる。
【0099】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものであるので、容
器に装填したのちも光導波路の特性を容易に修正でき
る。
【0100】本発明の光導波路は、基板上に形成された
2つの光導波路であって、2つの光導波路のうち少なく
とも1つの光導波路が、石英ガラスを主成分とする石英
系ガラスからなり、2つの光導波路が少なくとも2つの
位置で光学的に結合しており、さらに2つの光導波路の
結合部間の光導波路および2つの光導波路の結合部の光
導波路の少なくとも一方にX線が照射されることにより
光導波路の屈折率の調整が行われるので、所望の分岐特
性を有する光導波路をうることができる。
【0101】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものであるので、容
器に装填したのちも光導波路の特性を容易に修正でき
る。
【0102】本発明の光導波路デバイスは、請求項6記
載の光導波路を有するので、X線の照射時間を調整する
ことで任意の屈折率を有する光導波路デバイスをうるこ
とができる。
【0103】また、水素ガスおよび重水素ガスのいずれ
か一方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石
英系ガラスにX線が照射されるものであるので、屈折率
の変化量をより大きくできる。
【0104】また、圧力が少なくとも10kg/cm2
のガス中で、石英系ガラスを保持するものであるので、
屈折率の変化量をより大きくできる。
【0105】また、Al、Ge、Ti、Sn、Zr、B
およびPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガ
ラスに添加するものであるので、屈折率の変化量をより
大きくできる。
【0106】また、石英系ガラスにX線が照射されたの
ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれるもの
であるので、X線照射によりえられた屈折率変化の状態
を保ちながら光損失のみを減少させることができる。
【0107】また、X線を透過しにくい材料からなり、
かつ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上
が覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射される
ことによって、前記石英系ガラスの所望の部分のみ屈折
率が変化するものであるので、表面が非常に平滑な光導
波路を有する光導波路デバイスをうることができる。
【0108】また、石英系ガラス上にX線が走査しなが
ら照射されることによって、前記石英系ガラスの所望の
部分のみ屈折率が変化するものであるので、表面が非常
に平滑な光導波路を有する光導波路デバイスをうること
ができる。
【0109】また、光導波路にX線照射により周期的に
屈折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成す
るものであるので、広い領域に、均一な強度分布を有す
るX線を用いて光導波路デバイスを形成できる。
【0110】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものであるので、容
器に装填したのちも光導波路の特性を容易に修正でき
る。
【0111】本発明の光導波路デバイスは、基板上に形
成された2つの光導波路からなる光導波路デバイスであ
って、2つの光導波路のうち少なくとも1つの光導波路
が、石英ガラスを主成分とする石英系ガラスからなり、
2つの光導波路が少なくとも2つの位置で光学的に結合
しており、さらに2つの光導波路の結合部間の光導波路
および2つの光導波路の結合部の光導波路の少なくとも
一方にX線が照射されることにより光導波路の屈折率の
調整が行われるので、所望の分岐特性を有する光導波路
をうることができる。
【0112】また、X線を透過する物質からなる容器内
に光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射する
ことで光導波路の屈折率を調整するものであるので、容
器に装填したのちも光導波路の特性を容易に修正でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の石英系ガラスの屈折率調整方法の一
実施の形態を用いてえた石英系ガラス膜におけるX線照
射時間と屈折率変化の関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の石英系ガラスの屈折率調整方法の他
の実施の形態を用いてえた石英系ガラス膜におけるX線
照射時間と屈折率変化の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の光導波路デバイスの一実施の形態で
あるMZ干渉計型光導波路デバイスの作製過程を示す説
明図である。
【図4】 本発明の光導波路デバイスの一実施の形態で
あるMZ干渉計型光導波路デバイスにおけるX線照射時
間と光損失の関係を示すグラフである。
【図5】 本発明の光導波路デバイスの他の実施の形態
である直線光導波路デバイスにおけるX線照射時間と光
損失の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の光導波路デバイスのさらに他の実施
の形態であるY分岐型光導波路デバイスの作製過程を示
す説明図である。
【図7】 本発明の光導波路デバイスのさらに他の実施
の形態であるチャネル型光導波路デバイスの製造工程を
示す説明図である。
【図8】 本発明の光導波路デバイスのさらに他の実施
の形態であるチャネル型光導波路デバイスにおける反射
スペクトル特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光導波路、2 メタルマスク、3 第1のポート、
4 第2のポート、5 第3のポート、6 第4のポー
ト、7 中間膜、8 SiO2膜、9 Si基板、10
Pb膜、11 下クラッド、12 コア膜、13 上
クラッド、14、15 グレーティング、16 結合
部、17 アーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉新 喜市 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスを主成分とする石英系ガラス
    の屈折率調整方法であって、前記石英系ガラスにX線を
    照射することを特徴とする石英系ガラスの屈折率調整方
    法。
  2. 【請求項2】 水素ガスおよび重水素ガスのいずれか一
    方のガス中で石英系ガラスを保持したのち、該石英系ガ
    ラスにX線を照射する請求項1記載の石英系ガラスの屈
    折率調整方法。
  3. 【請求項3】 圧力が少なくとも10kg/cm2のガ
    ス中で、石英系ガラスを保持する請求項2記載の石英系
    ガラスの屈折率調整方法。
  4. 【請求項4】 Al、Ge、Ti、Sn、Zr、Bおよ
    びPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガラス
    に添加する請求項1または2記載の石英系ガラスの屈折
    率調整方法。
  5. 【請求項5】 石英系ガラスにX線を照射したのち、さ
    らに150〜800℃の熱処理を行う請求項2記載の石
    英系ガラスの屈折率調整方法
  6. 【請求項6】 請求項1記載の方法により屈折率が調整
    された、石英ガラスを主成分とする石英系ガラスからな
    ることを特徴とする光導波路。
  7. 【請求項7】 水素ガスおよび重水素ガスのいずれか一
    方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石英系
    ガラスにX線が照射される請求項6記載の光導波路。
  8. 【請求項8】 圧力が少なくとも10kg/cm2のガ
    ス中で、石英系ガラスを保持する請求項7記載の光導波
    路。
  9. 【請求項9】 Al、Ge、Ti、Sn、Zr、Bおよ
    びPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガラス
    に添加する請求項6または7記載の光導波路。
  10. 【請求項10】 石英系ガラスにX線が照射されたの
    ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれる請求
    項7記載の光導波路。
  11. 【請求項11】 X線を透過しにくい材料からなり、か
    つ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上が
    覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射されるこ
    とによって、石英系ガラスの所望の部分のみ屈折率が変
    化する請求項6記載の光導波路。
  12. 【請求項12】 石英系ガラス上にX線が走査しながら
    照射されることによって、石英系ガラスの所望の部分の
    み屈折率が変化する請求項6記載の光導波路。
  13. 【請求項13】 光導波路にX線照射により周期的に屈
    折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成する
    請求項6記載の光導波路。
  14. 【請求項14】 X線を透過する物質からなる容器内に
    光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射するこ
    とで光導波路の屈折率を調整する請求項6記載の光導波
    路。
  15. 【請求項15】 基板上に形成された2つの光導波路で
    あって、2つの光導波路のうち少なくとも1つの光導波
    路が、石英ガラスを主成分とする石英系ガラスからな
    り、2つの光導波路が少なくとも2つの位置で光学的に
    結合しており、さらに2つの光導波路の結合部間の光導
    波路および2つの光導波路の結合部の光導波路の少なく
    とも一方にX線が照射されることにより光導波路の屈折
    率の調整が行われることを特徴とする光導波路。
  16. 【請求項16】 X線を透過する物質からなる容器内に
    光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射するこ
    とで光導波路の屈折率を調整する請求項15記載の光導
    波路。
  17. 【請求項17】 請求項6記載の光導波路を有すること
    を特徴とする光導波路デバイス。
  18. 【請求項18】 水素ガスおよび重水素ガスのいずれか
    一方のガス中で石英系ガラスが保持されたのち、該石英
    系ガラスにX線が照射される請求項17記載の光導波路
    デバイス。
  19. 【請求項19】 圧力が少なくとも10kg/cm2
    ガス中で、石英系ガラスを保持する請求項18記載の光
    導波路デバイス。
  20. 【請求項20】 Al、Ge、Ti、Sn、Zr、Bお
    よびPの元素のうち少なくとも1つの元素を石英系ガラ
    スに添加する請求項17または18記載の光導波路デバ
    イス。
  21. 【請求項21】 石英系ガラスにX線が照射されたの
    ち、さらに150〜800℃の熱処理が行なわれる請求
    項18記載の光導波路デバイス。
  22. 【請求項22】 X線を透過しにくい材料からなり、か
    つ、所望のパターンを有するマスクで石英系ガラス上が
    覆われたのち、該石英系ガラス上にX線が照射されるこ
    とによって、前記石英系ガラスの所望の部分のみ屈折率
    が変化する請求項18記載の光導波路デバイス。
  23. 【請求項23】 石英系ガラス上にX線が走査しながら
    照射されることによって、前記石英系ガラスの所望の部
    分のみ屈折率が変化する請求項17記載の光導波路デバ
    イス。
  24. 【請求項24】 光導波路にX線照射により周期的に屈
    折率の異なる部分を形成し、グレーティングを形成する
    請求項17記載の光導波路デバイス。
  25. 【請求項25】 X線を透過する物質からなる容器内に
    光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射するこ
    とで光導波路の屈折率を調整する請求項17記載の光導
    波路デバイス。
  26. 【請求項26】 基板上に形成された2つの光導波路か
    らなる光導波路デバイスであって、2つの光導波路のう
    ち少なくとも1つの光導波路が、石英ガラスを主成分と
    する石英系ガラスからなり、2つの光導波路が少なくと
    も2つの位置で光学的に結合しており、さらに2つの光
    導波路の結合部間の光導波路および2つの光導波路の結
    合部の光導波路の少なくとも一方にX線が照射されるこ
    とにより光導波路の屈折率の調整が行われることを特徴
    とする光導波路デバイス。
  27. 【請求項27】 X線を透過する物質からなる容器内に
    光導波路を装填したのち、X線を光導波路に照射するこ
    とで光導波路の屈折率を調整する請求項26記載の光導
    波路デバイス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102249554A (zh) * 2010-12-13 2011-11-23 苏州新区科兴威尔电子有限公司 一种薄膜压合机构
WO2013047194A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 住友大阪セメント株式会社 光導波路デバイス及びその製造方法

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