JPH10203340A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH10203340A
JPH10203340A JP2856697A JP2856697A JPH10203340A JP H10203340 A JPH10203340 A JP H10203340A JP 2856697 A JP2856697 A JP 2856697A JP 2856697 A JP2856697 A JP 2856697A JP H10203340 A JPH10203340 A JP H10203340A
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JP
Japan
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valve
brake
master cylinder
hydraulic pressure
control
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Application number
JP2856697A
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English (en)
Inventor
Touma Yamaguchi
東馬 山口
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ABS制御等の車両安定化制御中にホイール
シリンダ側のブレーキ液圧が変動するのを利用してブレ
ーキペダルにキックバックを生じさせ、車両の運転者が
車両安定化制御時を直接的に認識できるようにする。 【解決手段】 フェイルセーフ弁21にシール部材32
からなる液圧変動伝達手段を設ける。そして、ABS制
御等の車両安定化制御を実行するときには、ペダル反力
切換弁36を連通位置(b)から遮断位置(a)に切換
えることにより、マスタシリンダ2からのマスタシリン
ダ圧Pm が擬似ストローク装置34に作用するのを禁止
する。そして、ホイールシリンダ4側でのブレーキ液圧
Ps の変動をシール部材32の撓み変形を利用して液圧
管路3からマスタシリンダ2側に伝達させるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばブレーキペ
ダルの踏込み操作に応じて車両に制動力を付与するのに
好適に用いられるブレーキ液圧制御装置に関し、特に、
車両のブレーキ操作時に車両の走行状態を安定化させる
アンチロックブレーキシステム(ABS制御装置)等が
設けられたブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のブレーキ操作時にブレー
キペダルの操作量に応じた液圧を発生するマスタシリン
ダと、前記車両の各車輪毎に設けられ、ブレーキ液圧が
供給されることにより前記車輪に制動力を付与するホイ
ールシリンダと、前記ブレーキペダルの操作量を検出す
るブレーキ操作検出手段と、前記車両の走行状態を検出
する走行状態検出手段と、前記マスタシリンダに対して
独立した液圧供給源に接続され、該液圧供給源からの液
圧を可変に制御しブレーキ液圧として前記ホイールシリ
ンダに供給する液圧制御弁と、常時は前記ブレーキ操作
検出手段からの出力に基づき該液圧制御弁を前記ブレー
キペダルの操作量に応じて駆動制御し、車両の走行中に
前記走行状態検出手段の出力に基づき車両が不安定状態
になったと判定したときには、前記ブレーキ操作検出手
段からの出力に基づく該液圧制御弁の駆動制御に優先さ
せて車両が安定状態となるように該液圧制御弁を駆動制
御する第1の弁制御手段とからなるブレーキ液圧制御装
置は知られている。
【0003】また、この種の従来技術によるブレーキ液
圧制御装置には、前記液圧制御弁とホイールシリンダと
の間に位置して該ホイールシリンダ側と前記マスタシリ
ンダ側との間にフェイルセーフ弁が設けられ、該フェイ
ルセーフ弁は第2の弁制御手段により切換制御され、前
記ホイールシリンダをマスタシリンダに対して選択的に
連通,遮断させる構成となっている。そして、前記第1
の弁制御手段によるホイールシリンダへの前記液圧制御
弁を介したブレーキ液圧の供給に異常が生じたときに
は、前記第2の弁制御手段によりフェイルセーフ弁が前
記ホイールシリンダをマスタシリンダに連通させるよう
に切換制御されるものである。
【0004】ここで、従来技術によるブレーキ液圧制御
装置では、例えば車両に搭載した油圧ポンプおよびアキ
ュムレータ等を液圧供給源として用い、該液圧供給源と
ホイールシリンダとの間には液圧制御弁を設けることに
より、マスタシリンダで発生する液圧(マスタシリンダ
圧)よりも高圧のブレーキ液圧を車両の各ホイールシリ
ンダ側に供給すると共に、このブレーキ液圧を液圧制御
弁で前記マスタシリンダ圧に応じて増減させることによ
り、車両に付与すべき制動力をブレーキペダルの踏込み
操作量に対応させて制御するようにしている。
【0005】そして、車両のブレーキ操作時にはフェイ
ルセーフ弁を作動させ、ホイールシリンダ側をマスタシ
リンダ側に対して遮断することにより、ホイールシリン
ダ側に供給した高圧のブレーキ液圧がマスタシリンダ側
に逆流するのを防止すると共に、マスタシリンダとフェ
イルセーフ弁との間には必要に応じて反力発生手段を設
け、該反力発生手段によりブレーキペダルの操作に対応
したペダル反力を発生させ、ペダルフィーリングを良好
に保つようにしている。
【0006】また、車両のブレーキ操作時に前記走行状
態検出手段の出力に基づき車両が不安定状態になったと
判定したときには、前記弁制御手段により車両が安定状
態となるように液圧制御弁を駆動制御し、例えば車両の
各車輪毎の制動力配分を変える制動力配分制御を行った
り、各車輪のロックを回避するためのABS制御を行っ
たりする車両安定化制御を実行するようにしている。そ
して、このような車両の安定化制御時にも、前記フェイ
ルセーフ弁でホイールシリンダとマスタシリンダとの間
を遮断した状態に保ち、各車輪毎のホイールシリンダに
供給すべきブレーキ液圧をマスタシリンダ側の液圧とは
独立させて減圧、保持または増圧させるようにしてい
る。
【0007】一方、前記液圧供給源からのブレーキ液圧
が何等かの原因で低下し、前記液圧制御弁を介したブレ
ーキ液圧の供給に異常が生じたときには、前記フェイル
セーフ弁によりマスタシリンダ側をホイールシリンダ側
に連通させ、マスタシリンダからの液圧でホイールシリ
ンダにブレーキ液圧を発生させることによって車両の制
動力を確保し、走行時の安全性を高め得るようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるブレーキ液圧制御装置では、車両のブレー
キ操作時にABS制御や制動力配分制御等の車両安定化
制御を実行するときに、液圧供給源からのブレーキ液圧
が何等かの原因等で低下しない限りは、フェイルセーフ
弁でホイールシリンダとマスタシリンダとの間を遮断し
た状態に保持する構成としているため、車両安定化制御
(例えばABS制御)中にホイールシリンダ側のブレー
キ液圧が変動しても、これをマスタシリンダ側に伝える
ことができず、車両の運転者はブレーキペダル等を介し
てABS制御中であるか否かを認識するのが難しいとい
う問題がある。
【0009】また、ABS制御時を車両の運転者に報知
するためにブザーやランプ等の報知手段を設けることも
検討されているが、この場合には報知手段によって電気
配線等が複雑化する上に、運転者に対してABS制御時
を直接的に伝えることができず、運転者はABS制御時
をブレーキペダルのキックバック等を通じて直接的には
知ることができないという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はABS制御等の車両安定化制御
中にホイールシリンダ側のブレーキ液圧が変動するとき
に、これに応じてブレーキペダルにキックバック等を生
じさせることができ、車両の運転者が車両安定化制御時
を直接的に認識できるようにしたブレーキ液圧制御装置
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、車両のブレーキ操作時にブレーキペダ
ルの操作量に応じた液圧を発生するマスタシリンダと、
前記車両の各車輪毎に設けられ、ブレーキ液圧が供給さ
れることにより前記車輪に制動力を付与するホイールシ
リンダと、前記ブレーキペダルの操作量を検出するブレ
ーキ操作検出手段と、前記車両の走行状態を検出する走
行状態検出手段と、前記マスタシリンダに対して独立し
た液圧供給源に接続され、該液圧供給源からの液圧を可
変に制御しブレーキ液圧として前記ホイールシリンダに
供給する液圧制御弁と、常時は前記ブレーキ操作検出手
段からの出力に基づき該液圧制御弁を前記ブレーキペダ
ルの操作量に応じて駆動制御し、車両の走行中に前記走
行状態検出手段の出力に基づき車両が不安定状態になっ
たと判定したときには、前記ブレーキ操作検出手段から
の出力に基づく該液圧制御弁の駆動制御に優先させて車
両が安定状態となるように該液圧制御弁を駆動制御する
第1の弁制御手段と、前記液圧制御弁とホイールシリン
ダとの間に位置して該ホイールシリンダ側と前記マスタ
シリンダ側との間に設けられ、該ホイールシリンダを前
記マスタシリンダに対して選択的に連通,遮断させるフ
ェイルセーフ弁と、前記第1の弁制御手段によるホイー
ルシリンダへの前記液圧制御弁を介したブレーキ液圧の
供給に異常が生じたときに、前記ホイールシリンダをマ
スタシリンダに連通させるように該フェイルセーフ弁を
切換制御する第2の弁制御手段とからなるブレーキ液圧
制御装置に適用される。
【0012】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記フェイルセーフ弁により前記マスタシリン
ダとホイールシリンダとの間が遮断されたときに、前記
ブレーキペダルの操作量に対応したペダル反力を発生さ
せる反力発生手段と、該反力発生手段と前記マスタシリ
ンダとの間に設けられ、該マスタシリンダを反力発生手
段に対して選択的に連通,遮断させるペダル反力切換弁
と、前記フェイルセーフ弁に設けられ、該フェイルセー
フ弁により前記マスタシリンダとホイールシリンダとの
間を遮断したときに、該ホイールシリンダ側でのブレー
キ液圧の変動が前記マスタシリンダ側に伝わるのを許す
液圧変動伝達手段とを備え、前記第2の弁制御手段は、
前記第1の弁制御手段により少なくとも前記走行状態検
出手段の出力に基づいて前記液圧制御弁を駆動制御して
いるときに、前記マスタシリンダとホイールシリンダと
の間を遮断するように前記フェイルセーフ弁を切換制御
すると共に、前記マスタシリンダと反力発生手段との間
を遮断するように前記ペダル反力切換弁を切換制御する
構成としたことにある。
【0013】上記構成によれば、走行状態検出手段の出
力に基づいて液圧制御弁を駆動制御し、例えばABS制
御等の車両安定化制御を実行しているときに、フェイル
セーフ弁によりマスタシリンダとホイールシリンダとの
間を遮断状態にしても、ホイールシリンダ側でのブレー
キ液圧の変動が前記マスタシリンダ側に伝わるの液圧変
動伝達手段によって許すことができる。そして、このと
きにはペダル反力切換弁により前記マスタシリンダ側が
反力発生手段に対して遮断されているから、ホイールシ
リンダ側で発生したブレーキ液圧の変動が反力発生手段
で吸収されるのを防止でき、前記ブレーキ液圧の変動を
マスタシリンダを介してブレーキペダル側に確実に伝え
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0015】ここで、図1ないし図3は本発明の実施例
によるブレーキ液圧制御装置を示している。
【0016】図において、1は車両の運転室内に設けら
れるブレーキペダル、2は該ブレーキペダル1で作動さ
れるマスタシリンダを示し、該マスタシリンダ2は車両
のブレーキ操作時にブレーキペダル1を踏込み操作する
と、リザーバ(図示せず)からのブレーキ液を各液圧管
路3側に供給し、該各液圧管路3内にブレーキペダル1
の操作量に応じた液圧をマスタシリンダ圧Pm として発
生させる。
【0017】ここで、各液圧管路3はマスタシリンダ2
に対して2本のブレーキ系統に分岐され、各液圧管路3
の途中には同一のブレーキ系統のうち他の車輪側に接続
される分岐管路3A(一方のみ図示)が設けられてい
る。そして、各液圧管路3からなる2本のブレーキ系統
が、例えばX字型配管として構成される場合には、一方
の液圧管路3が分岐管路3Aと共に車両の左前輪側と右
後輪側に接続され、他方の液圧管路3は車両の右前輪側
と左後輪側に接続されるものである。
【0018】4は車両の各車輪毎に設けられるホイール
シリンダ(1本のみ図示)を示し、該ホイールシリンダ
4は後述の液圧制御弁12からブレーキ液圧が供給され
ることにより、車両の車輪(例えば左前輪)側に制動力
を付与するものである。
【0019】5は車両に搭載される油圧ポンプで、該油
圧ポンプ5は車両に搭載されるエンジンまたはモータ等
の駆動源6によって回転駆動され、タンク7内の作動油
を高圧の圧油としてポンプ管路8側に吐出させるもので
ある。9は該油圧ポンプ5と共に液圧供給源10を構成
するアキュムレータで、該アキュムレータ9はポンプ管
路8内の圧力をアキュムレータ圧Pa に設定するもので
ある。
【0020】11はタンク7に接続されたタンク管路
で、該タンク管路11は後述する液圧制御弁12の開放
ポート13Cに接続されている。また、タンク管路11
はポンプ管路8と共にその途中部位で他のポンプ管路8
A、タンク管路11Aに分岐し、これらのポンプ管路8
A、タンク管路11Aは前記他の車輪側および他のブレ
ーキ系統に接続されている。
【0021】12は液圧供給源10とホイールシリンダ
4との間に設けられたブレーキ液圧の制御手段となる液
圧制御弁で、該液圧制御弁12はスプール弁装置からな
り、スプール摺動穴13Aを有する弁ハウジング13
と、該弁ハウジング13のスプール摺動穴13A内に挿
嵌され第1,第2のランド14A,14Bを有したスプ
ール弁体14と、該スプール弁体14のランド14Aと
弁ハウジング13の一端側との間に設けられたばね室1
5と、該ばね室15内に配設されスプール弁体14を図
1中の矢示A方向に向けて常時付勢するスプリング16
と、後述のアクチュエータ20とから大略構成されてい
る。
【0022】ここで、弁ハウジング13にはスプール摺
動穴13Aの軸方向に離間して供給ポート13B、開放
ポート13Cおよび出力ポート13D等が形成され、該
出力ポート13Dは出力管路17を介してホイールシリ
ンダ4に接続されている。また、弁ハウジング13の供
給ポート13Bはポンプ管路8を介して液圧供給源10
に接続され、開放ポート13Cはタンク管路11を介し
てタンク7に接続されている。
【0023】そして、弁ハウジング13の出力ポート1
3Dは、スプール摺動穴13Aに沿ってスプール弁体1
4が矢示A,B方向に摺動変位することにより、該スプ
ール弁体14のランド14A,14Bによって供給ポー
ト13Bまたは開放ポート13Cに選択的に連通,遮断
される。そして、出力ポート13Dはスプール弁体14
を介して供給ポート13Bに連通したときに、出力管路
17内に高圧のブレーキ液圧Ps を発生させ、このブレ
ーキ液圧Ps によってホイールシリンダ4が駆動され
る。
【0024】18は弁ハウジング13の一端側に設けら
れたフィードバック用の油室で、該油室18は管路19
を介して出力管路17に接続され、出力管路17内のブ
レーキ液圧Ps を油室18内に導くことにより、スプー
ル弁体14の一端側ロッド部14Cでブレーキ液圧Ps
を受圧させる。そして、スプール弁体14はロッド部1
4Cに作用するブレーキ液圧Ps によってスプリング1
6と同方向(矢示A方向)に押圧され、ランド14Aで
供給ポート13Bを遮断させることにより、ブレーキ液
圧Ps が過剰に昇圧するのを防止する。
【0025】20は弁ハウジング13の他端側に設けら
れたリニア型のアクチュエータで、該アクチュエータ2
0は電磁比例ソレノイド等によって構成され、例えば通
常のブレーキ操作時にはマスタシリンダ2側のマスタシ
リンダ圧Pm に対応した制御信号が後述のコントローラ
40から出力されることにより、この制御信号の電流値
等に応じて押圧ロッド20Aをスプール弁体14のラン
ド14B側に向けて進退させる。そして、アクチュエー
タ20は、押圧ロッド20Aを矢示B方向に進出させた
ときに出力ポート13Dからのブレーキ液圧Ps を増圧
させ、押圧ロッド20Aを矢示A方向に後退させるとき
にブレーキ液圧Ps を減圧させるように、前記制御信号
に基づいてスプール弁体14の摺動位置を可変に制御す
るものである。
【0026】ここで、車両のABS制御または制動力配
分制御等の車両安定化制御を実行するときには、これら
の制御内容に基づいた制御信号がコントローラ40から
出力され、アクチュエータ20はスプール弁体14の摺
動位置を可変に制御することにより、出力ポート13D
からホイールシリンダ4に供給するブレーキ液圧Psを
制御内容に応じて減圧、保持または増圧制御する。
【0027】そして、前記通常のブレーキ操作の途中で
車両の各車輪がロック傾向となり、車輪のロックを回避
するためのABS制御を実行するときには、前記マスタ
シリンダ2からのマスタシリンダ圧Pm に対応したブレ
ーキ液圧Ps を車輪のロックを回避するために一時的に
減圧させ、その後このブレーキ液圧Ps を減圧状態に保
持すると共に、各車輪のスリップ率等に基づき必要に応
じてブレーキ液圧Psを増圧制御するものである。
【0028】21はマスタシリンダ2側の液圧管路3と
ホイールシリンダ4側の出力管路17との間に設けられ
たフェイルセーフ弁で、該フェイルセーフ弁21は図2
に示す如くソレノイド弁として構成され、フェイルセー
フ弁21の弁ケーシング22内には後述の弁座筒27、
弁体28、スプリング29およびソレノイド部30等が
配設されている。
【0029】そして、フェイルセーフ弁21の弁ケーシ
ング22は、段付き凹部23Aが形成されたケーシング
本体23と、一端側が小径の挿嵌部24Aとなって該ケ
ーシング本体23の段付き凹部23A内に挿嵌され、他
端側が大径のコイル収容部24Bとなった段付き筒状の
ケーシング筒24と、該ケーシング筒24のコイル収容
部24B側を他端側から閉塞するようにソレノイド部3
0の内周側に嵌挿された有底の段付き栓体25と、該段
付き栓体25とケーシング筒24の挿嵌部24Aとの間
に設けられ、弁体28を摺動可能にガイドする有底筒状
の弁ガイド26とから構成されている。
【0030】ここで、ケーシング筒24の挿嵌部24A
には、軸方向に延びる小径の段付き穴24Cと、該段付
き穴24Cに対して直交する方向に延びた液穴24Dと
が設けられ、これらの段付き穴24Cおよび液穴24D
は挿嵌部24Aと共に、ケーシング本体23側の出力管
路17と液圧管路3との間に段付き凹部23Aを介して
配設される構成となっている。また、ケーシング筒24
の挿嵌部24Aには先端側外周に断面コ字形状をなすリ
ング溝24Eが形成され、該リング溝24E内には後述
のシール部材32が装着されている。
【0031】27はケーシング筒24の段付き穴24C
内に圧入等の手段を用いて固着された弁座筒で、該弁座
筒27の先端側には後述する弁体28の弁部28Aが離
着座する弁座27Aが形成されている。そして、弁座筒
27は弁体28の弁部28Aが弁座27Aから図2に示
すように離座しているときに、前記液圧管路3が出力管
路17に液穴24D等を介して連通するのを許し、弁部
28Aが弁座27Aに着座したときには弁体28により
液圧管路3を出力管路17に対して遮断させる構成とな
っている。
【0032】28は弁ケーシング22の弁ガイド26内
に摺動可能に挿嵌された弁体で、該弁体28は図2に示
す如く先端側が小径の弁部28Aとなり、該弁部28A
が弁座27Aに離着座することによって、フェイルセー
フ弁21を遮断位置(a)と連通位置(b)との間で開
閉弁させる。ここで、ケーシング筒24の段付き穴24
C内には弁体28との間に付勢手段としてのスプリング
29が配設され、該スプリング29は弁体28を常時矢
示C方向へと開弁方向に付勢している。
【0033】30はケーシング筒24のコイル収容部2
4Bと段付き栓体25との間に配設されたソレノイド部
で、該ソレノイド部30は電磁コイル等からなり、外部
から端子ピン31等を介して通電されることにより、弁
体28をスプリング29に抗して矢示D方向に駆動し、
弁体28を閉弁状態に保持するものである。即ち、フェ
イルセーフ弁21は図1に示す如くコントローラ40か
らソレノイド部30への通電が制御されることにより、
遮断位置(a)と連通位置(b)との間で切換制御され
る構成となっている。
【0034】32はケーシング筒24のリング溝24E
内に装着されたOリング等からなるシール部材で、該シ
ール部材32は内周側がリング溝24E内に装着され、
外周側はケーシング本体23の段付き凹部23A周壁に
締代をもって接触するようにリング溝24Eから突出し
ている。そして、シール部材32はケーシング本体23
の段付き凹部23Aとケーシング筒24の挿嵌部24A
との間を液密にシールし、例えば出力管路17側のブレ
ーキ液圧Ps が液圧管路3側に漏洩するのを防止する構
成となっている。
【0035】また、シール部材32は弁体28が閉弁さ
れ、フェイルセーフ弁21が図1に示す如く遮断位置
(a)に保持された状態で、出力管路17側と液圧管路
3側との圧力差により図2中の矢示E1 ,E2 方向に撓
み変形し、これによって液圧変動伝達手段を構成するも
のである。
【0036】即ち、シール部材32は液圧管路3側が出
力管路17側よりも高圧になったときに図2中の矢示E
1 方向に撓み変形し、逆に出力管路17側が液圧管路3
側よりも高圧になったときに矢示E2 方向に撓み変形す
る。そして、シール部材32はこのときの撓み変形によ
ってホイールシリンダ4(出力管路17)側でのブレー
キ液圧Ps の変動が液圧管路3を介してマスタシリンダ
2側に伝わるのを許す構成となっている。
【0037】33は弁ケーシング22のケーシング本体
23とケーシング筒24との間に装着された他のシール
部材としてのOリングで、該Oリング33は出力管路1
7側のブレーキ液圧Ps 等が弁ケーシング22外に漏洩
するのを防止している。
【0038】34は液圧管路3の途中に分岐管路35を
介して接続された反力発生手段としての擬似ストローク
装置で、該擬似ストローク装置34は図1に示す如く、
マスタシリンダ2からのマスタシリンダ圧Pm に応じて
付設のばね34Aを撓み変形させ、これによりブレーキ
ペダル1の踏込み操作時にペダル反力となる「踏込み応
え」を与える構成となっている。
【0039】36は分岐管路35の途中に設けられたペ
ダル反力切換弁で、該ペダル反力切換弁36は図1に示
す如くソレノイド弁からなり、ソレノイド部37を有し
ている。そして、ペダル反力切換弁36はコントローラ
40からソレノイド部37が通電されたときに遮断位置
(a)から連通位置(b)に切換わり、通電を停止して
いる間は遮断位置(a)に切換わるものである。
【0040】そして、ペダル反力切換弁36は連通位置
(b)に切換られている間、ブレーキペダル1の踏込み
操作時におけるペダル反力を擬似ストローク装置34に
よって発生させ、遮断位置(a)に切換えられたときに
はマスタシリンダ2からのマスタシリンダ圧Pm が擬似
ストローク装置34側に伝わるのを阻止し、該擬似スト
ローク装置34の作動を停止させるものである。
【0041】38はブレーキペダル1の操作量を検出す
る操作量検出手段としての圧力センサで、該圧力センサ
38は図1に示す如く液圧管路3の途中に設けられ、液
圧管路3内のマスタシリンダ圧Pm を検出することによ
り、その検出信号をコントローラ40に出力する。そし
て、このマスタシリンダ圧Pm は車両の運転者によるブ
レーキペダル1の操作量に対応して増減するから、コン
トローラ40側では圧力センサ38からの検出信号に基
づきブレーキペダル1の踏込み操作量をモニタできる。
【0042】39はポンプ管路8の途中に設けられた他
の圧力センサで、該圧力センサ39はポンプ管路8内の
アキュムレータ圧Pa を検出し、その検出信号をコント
ローラ40に出力する。これによりコントローラ40側
では、アキュムレータ圧Paが予め決められた圧力範囲
内に設定されるように駆動源6の作動を制御し、アキュ
ムレータ圧Pa が過剰に昇圧したときには駆動源6を介
して油圧ポンプ5の駆動を停止させる。
【0043】また、圧力センサ39はアキュムレータ圧
Pa が前記圧力範囲よりも大きく低下したときに、例え
ば油圧ポンプ5またはアキュムレータ9等に異常が生じ
たものとしてコントローラ40に識別させる異常検出手
段を構成している。そして、コントローラ40は圧力セ
ンサ39による異常検出時に、前記液圧制御弁12を介
したホイールシリンダ4へのブレーキ液圧Ps の供給に
異常が生じたものとして、フェイルセーフ弁21のソレ
ノイド部30に対する通電を停止させ、フェイルセーフ
21を遮断位置(a)から連通位置(b)に切換える制
御を実施するものである。
【0044】さらに、40はマイクロコンピュータ等か
らなる第1,第2の弁制御手段を構成するコントローラ
で、該コントローラ40は入力側が圧力センサ38,3
9、各車輪側の車輪速センサ、車両の横Gセンサおよび
ヨーモーメント検出器(いずれも図示せず)等に接続さ
れ、出力側は駆動源6、アクチュエータ20、フェイル
セーフ弁21のソレノイド部30およびペダル反力切換
弁36のソレノイド部37等に接続されている。そし
て、コントローラ40は駆動源6およびアクチュエータ
20の制御処理を行うと共に、フェイルセーフ弁21お
よびペダル反力切換弁36の切換制御処理等を行うよう
になっている。
【0045】ここで、コントローラ40はアクチュエー
タ20の制御処理を行う場合に、通常のブレーキ操作時
にあっては、マスタシリンダ2で発生するマスタシリン
ダ圧Pm を圧力センサ38を介してモニタしつつ、液圧
制御弁12のアクチュエータ20をマスタシリンダ圧P
m に基づいて駆動制御することより、マスタシリンダ圧
Pm よりも高圧のブレーキ液圧Ps を車両の各ホイール
シリンダ4側に供給する。そして、コントローラ40は
このブレーキ液圧Ps を液圧制御弁12でマスタシリン
ダ圧Pm に応じて増減させることにより、車両に付与す
べき制動力をブレーキペダル1の操作量に対応させて制
御する。
【0046】また、コントローラ40は車両のエンジン
を始動したときに、フェイルセーフ弁21を遮断位置
(a)に切換える制御を行い、ホイールシリンダ4側の
出力管路17をマスタシリンダ2側の液圧管路3に対し
予め遮断しておくことにより、車両のブレーキ操作時等
にホイールシリンダ4側に供給した高圧のブレーキ液圧
Ps がマスタシリンダ2側に逆流するのを防止する。そ
して、このときには液圧管路3側の分岐管路35に設け
たペダル反力切換弁36を連通位置(b)に切換え、マ
スタシリンダ2からのマスタシリンダ圧Pm を擬似スト
ローク装置34に作用させることにより、該擬似ストロ
ーク装置34でブレーキペダル1の操作量に対応したペ
ダル反力を発生させ、ペダルフィーリングを良好に保つ
ようにフェイルセーフ弁21およびペダル反力切換弁3
6の切換制御処理を行う。
【0047】さらに、前記各車輪速センサ、車両の横G
センサおよびヨーモーメント検出器等は、車両の走行状
態を検出する走行状態検出手段を構成し、コントローラ
40は各車輪速センサ、車両の横Gセンサおよびヨーモ
ーメント検出器等からの検出信号に基づき走行中の車両
が安定状態にあるか否かを判定する。そして、コントロ
ーラ40は車両が不安定状態になったと判定したとき
に、車両が安定状態を回復するようにアクチュエータ2
0に制御信号を出力し、該アクチュエータ20で液圧制
御弁12のスプール弁体14を駆動することにより、例
えば車両の各車輪毎の制動力配分を変える制動力配分制
御を行ったり、各車輪のロックを回避するためのABS
制御を行ったりする車両安定化制御を実行する。
【0048】そして、このような車両の安定化制御時に
も、前記フェイルセーフ弁21でホイールシリンダ4と
マスタシリンダ2との間を遮断した状態に保ち、各車輪
毎のホイールシリンダ4に供給すべきブレーキ液圧Ps
をマスタシリンダ2側のマスタシリンダ圧Pm とは独立
させて減圧、保持または増圧させる制御を行う。
【0049】一方、コントローラ40は圧力センサ39
からの信号に基づき液圧供給源10からのアキュムレー
タ圧Pa (ブレーキ液圧Ps )が急激に低下し、液圧制
御弁12を介したブレーキ液圧Ps の供給に異常が生じ
たと判定したときには、フェイルセーフ弁21を連通位
置(b)に切換えることによりマスタシリンダ2側をホ
イールシリンダ4側に連通させる。そして、この場合に
はマスタシリンダ2からのマスタシリンダ圧Pm でホイ
ールシリンダ4側にブレーキ液圧Ps を発生させ、これ
によって車両の制動力を確保することができ、走行時の
安全性を高め得るようにしている。
【0050】本実施例によるブレーキ液圧制御装置は上
述の如き構成を有するもので、次にコントローラ40に
よるアクチュエータ20の制御処理およびペダル反力切
換弁36の切換制御処理等について図3および図4を参
照して説明する。
【0051】まず、車両の運転者がブレーキペダル1を
踏込み操作すると、マスタシリンダ2から液圧管路3に
マスタシリンダ圧Pm が発生し、このマスタシリンダ圧
Pmは図4に示す如く、ブレーキペダル1の操作量を増
大させるのに応じて時間T1から時間T2 に亘って上昇
し、その後に時間T5 から時間T6 に亘ってブレーキペ
ダル1の操作量が減少するに応じて漸次低下し、時間T
6 でブレーキ操作が解除されるものとする。
【0052】そして、このときのマスタシリンダ圧Pm
は圧力センサ38を介して検出されるから、時間T1 で
ブレーキ操作の開始と共にペダル反力切換弁36を開く
ように遮断位置(a)から連通位置(b)に切換え、時
間T6 でブレーキ操作が解除されるまでペダル反力切換
弁36を連通位置(b)で開弁状態に保持しておくよう
にする。これにより、ペダル反力切換弁36はマスタシ
リンダ2からのマスタシリンダ圧Pm が擬似ストローク
装置34に作用するのを許し、該擬似ストローク装置3
4でブレーキペダル1の操作量に対応したペダル反力を
発生させ、ペダルフィーリングを良好に保つようにす
る。
【0053】また、時間T1 から時間T6 に亘るブレー
キ操作時にあっては、マスタシリンダ2で発生するマス
タシリンダ圧Pm を圧力センサ38を介してモニタする
ことにより、液圧制御弁12のアクチュエータ20をマ
スタシリンダ圧Pm に基づいて駆動制御し、マスタシリ
ンダ圧Pm よりも高圧のブレーキ液圧Ps を車両の各ホ
イールシリンダ4側に供給する。そして、時間T1 から
時間T3 に亘る通常のブレーキ操作時には、このブレー
キ液圧Ps が液圧制御弁12によりマスタシリンダ圧P
m に応じて増減され、車両に付与すべき制動力をブレー
キペダル1の操作量に対応させて制御する。
【0054】次に、コントローラ40は前記各車輪速セ
ンサからの信号に基づき各車輪毎のスリップ率を演算
し、例えば時間T3 でスリップ率の演算結果から少なく
ともいずれかの車輪がロック傾向になったと判定する
と、液圧制御弁12のアクチュエータ20に出力するA
BS制御用の制御信号を時間T3 で低レベルから高レベ
ルに切換え、例えば時間T4 までABS制御を続けるよ
うにする。
【0055】そして、このABS制御時には、前記スリ
ップ率等に基づいて液圧制御弁12を駆動制御すること
により、これまでマスタシリンダ圧Pm に対応していた
ブレーキ液圧Ps を、車輪のロックを回避するために一
時的に減圧させ、その後このブレーキ液圧Ps を減圧状
態に保持すると共に、必要に応じてブレーキ液圧Psを
増圧制御する。これによりホイールシリンダ4側のブレ
ーキ液圧Ps は、図4中の時間T3 から時間T4 に亘っ
て増減を繰返すものである。
【0056】なお、前記スリップ率と共に車両の横Gセ
ンサおよびヨーモーメント検出器等からの信号に基づい
て、例えば車両の各車輪毎の制動力配分を変える制動力
配分制御を行う場合でも、走行中の車両が安定状態を回
復するようにアクチュエータ20に制御信号を出力し、
該アクチュエータ20で液圧制御弁12のスプール弁体
14を駆動することにより、ホイールシリンダに供給す
べきブレーキ液圧Psを適宜に増減させるから、このと
きにもブレーキ液圧Ps は図4中の時間T3 〜T4 の如
く増減を繰返すようになる。
【0057】ところで、上述の如き制動力配分制御やA
BS制御等の車両安定化制御時にあっては、ブレーキ液
圧Ps が図4中の時間T3 〜T4 に示す如く増減を繰返
し、ホイールシリンダ4側で液圧変動が生じたとして
も、この間はフェイルセーフ弁21が図1に示すように
遮断位置(a)となるので、ペダル反力切換弁36を連
通位置(b)に切換えている限りは、ホイールシリンダ
4側での液圧変動を液圧管路3を介してマスタシリンダ
2側に伝えることができず、車両の運転者はブレーキペ
ダル1からのペダル反力等によって、前記車両安定化制
御を実行中であるか否かを知ることができない。
【0058】そこで、本実施例では、フェイルセーフ弁
21のケーシング筒24に図2に示す如く、挿嵌部24
Aの先端側外周に位置してリング溝24Eを設け、Oリ
ング等からなるシール部材32の内周側をリング溝24
E内に装着すると共に、その外周側をリング溝24Eか
ら突出させ、その突出端側をケーシング本体23の段付
き凹部23A周壁に締代をもって接触させるようにして
いる。そして、シール部材32は弁体28が閉弁され、
フェイルセーフ弁21が図1に示す如く遮断位置(a)
に保持された状態で、出力管路17側と液圧管路3側と
に圧力差が生じるときには、この差圧により図2中の矢
示E1 ,E2 方向に撓み変形する構成としている。
【0059】この結果、前述の車両安定化制御時等にホ
イールシリンダ4側でブレーキ液圧Ps が変動し、例え
ばブレーキ液圧Ps の減圧制御時に出力管路17側が液
圧管路3側よりも低い圧力になると、シール部材32は
両者の圧力差によって図2中の矢示E1 方向に撓み変形
する。また、ブレーキ液圧Ps の増圧制御時には逆に出
力管路17側が液圧管路3側よりも高圧になるから、シ
ール部材32はこのときの圧力差に応じて矢示E2 方向
に撓み変形する。そして、シール部材32は撓み変形を
繰り返すことによって、ホイールシリンダ4(出力管路
17)側でのブレーキ液圧Ps の変動が液圧管路3を介
してマスタシリンダ2側に伝わるのを許すようになる。
【0060】かくして、本実施例によれば、ABS制御
等の車両安定化制御を実行するときに、ペダル反力切換
弁36を図3中の時間T3 〜T4 の如く閉弁させ、ペダ
ル反力切換弁36を連通位置(b)から遮断位置(a)
に切換えることにより、マスタシリンダ2からのマスタ
シリンダ圧Pm が擬似ストローク装置34に作用するの
を禁止できると共に、ホイールシリンダ4側でのブレー
キ液圧Ps の変動をシール部材32の撓み変形を利用し
て液圧管路3(マスタシリンダ2)側に確実に伝達する
ことができる。
【0061】そして、ホイールシリンダ4側でのブレー
キ液圧Ps の変動が液圧管路3側に伝播することによっ
て、マスタシリンダ2側のマスタシリンダ圧Pm は図3
中の時間T3 〜T4 の如く圧力変動を繰返すようにな
り、これに追従してブレーキペダル1側ではキックバッ
クを生じさせ、ブレーキペダル1の操作量も時間T3 〜
T4 に亘って微妙に変動し続けるようになる。
【0062】また、このときにはペダル反力切換弁36
によりマスタシリンダ2側が擬似ストローク装置34に
対して遮断されているから、ホイールシリンダ4側で発
生したブレーキ液圧Ps の変動が擬似ストローク装置3
4で吸収されてしまうのを確実に防止でき、ブレーキ液
圧Ps の変動を液圧管路3およびマスタシリンダ2を介
してブレーキペダル1側に確実に伝えることができる。
【0063】従って、本実施例によれば、ABS制御等
の車両安定化制御時にホイールシリンダ4側でブレーキ
液圧Ps が変動するのを利用して、この圧力変動をマス
タシリンダ2側に伝播させることができ、この圧力変動
に応じてブレーキペダル1にキックバック等を生じさせ
ると共に、車両の運転者にはABS制御等の車両安定化
制御時を直接的に認識させることができる。
【0064】また、このような車両安定化制御時を車両
の運転者に報知するため、ブザーやランプ等の報知手段
を特別に設ける必要がなくなり、報知手段等によって電
気配線等が複雑化するのを防止できる上に、運転者に対
しては車両安定化制御時を直接的にブレーキペダル1の
キックバック等を通じて知らせることができ、走行時の
安全性や走行安定性等を大幅に向上できる。
【0065】なお、前記実施例では、フェイルセーフ弁
21のケーシング筒24にOリング等からなるシール部
材32を装着することにより、液圧変動伝達手段を構成
するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例え
ば外周側にリップ部を有したシールリング等によって液
圧変動伝達手段を構成するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、請
求項1に記載の如く、第1の弁制御手段により少なくと
も走行状態検出手段の出力に基づいて液圧制御弁を駆動
制御しているときに、マスタシリンダとホイールシリン
ダとの間を遮断するようにフェイルセーフ弁を切換える
と共に、前記マスタシリンダと反力発生手段との間を遮
断するようにペダル反力切換弁を切換る構成とし、前記
フェイルセーフ弁には該フェイルセーフ弁により前記マ
スタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断したとき
に、該ホイールシリンダ側でのブレーキ液圧の変動が前
記マスタシリンダ側に伝わるのを許す液圧変動伝達手段
を設ける構成としたから、例えばABS制御等の車両安
定化制御を実行しているときに、フェイルセーフ弁によ
りマスタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断して
も、ホイールシリンダ側でのブレーキ液圧の変動を前記
マスタシリンダ側に伝えることができる。
【0067】そして、このときにはペダル反力切換弁に
よりマスタシリンダ側が反力発生手段に対し遮断されて
いるから、ホイールシリンダ側で発生したブレーキ液圧
の変動が反力発生手段で吸収されるのを防止でき、ブレ
ーキ液圧の変動をマスタシリンダを介してブレーキペダ
ル側に確実に伝えることができる。従って、ABS制御
等の車両安定化制御時にホイールシリンダ側のブレーキ
液圧が変動するのを利用して、ブレーキペダルにキック
バック等を生じさせることができ、車両の運転者に車両
安定化制御時を直接的に認識させ、走行時の安全性や走
行安定性等を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるブレーキ液圧制御装置を
示す全体構成図である。
【図2】図1中のフェイルセーフ弁等を拡大して示す縦
断面図である。
【図3】ブレーキペダルの操作量、マスタシリンダ圧、
ABS制御、ペダル反力切換弁およびブレーキ液圧等の
制御特性を示す特性線図である。
【図4】ABS制御時にペダル反力切換弁を開いた状態
に保持した場合の制御特性を示す図3とほぼ同様の特性
線図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 液圧管路 4 ホイールシリンダ 5 油圧ポンプ 7 タンク 8 ポンプ管路 9 アキュムレータ 10 液圧供給源 11 タンク管路 12 液圧制御弁 13 弁ハウジング 14 スプール弁体 17 出力管路 20 アクチュエータ 21 フェイルセーフ弁 22 弁ケーシング 23 ケーシング本体 24 ケーシング筒 24A 挿嵌部 24E リング溝 27 弁座筒 28 弁体 29 スプリング 30 ソレノイド部 32 シール部材(液圧変動伝達手段) 34 擬似ストローク装置(反力発生手段) 36 ペダル反力切換弁 38 圧力センサ(ブレーキ操作検出手段) 40 コントローラ(第1,第2の弁制御手段) Pa アキュムレータ圧 Pm マスタシリンダ圧(液圧) Ps ブレーキ液圧

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のブレーキ操作時にブレーキペダル
    の操作量に応じた液圧を発生するマスタシリンダと、 前記車両の各車輪毎に設けられ、ブレーキ液圧が供給さ
    れることにより前記車輪に制動力を付与するホイールシ
    リンダと、 前記ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキ操作検
    出手段と、 前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 前記マスタシリンダに対して独立した液圧供給源に接続
    され、該液圧供給源からの液圧を可変に制御しブレーキ
    液圧として前記ホイールシリンダに供給する液圧制御弁
    と、 常時は前記ブレーキ操作検出手段からの出力に基づき該
    液圧制御弁を前記ブレーキペダルの操作量に応じて駆動
    制御し、車両の走行中に前記走行状態検出手段の出力に
    基づき車両が不安定状態になったと判定したときには、
    前記ブレーキ操作検出手段からの出力に基づく該液圧制
    御弁の駆動制御に優先させて車両が安定状態となるよう
    に該液圧制御弁を駆動制御する第1の弁制御手段と、 前記液圧制御弁とホイールシリンダとの間に位置して該
    ホイールシリンダ側と前記マスタシリンダ側との間に設
    けられ、該ホイールシリンダを前記マスタシリンダに対
    して選択的に連通,遮断させるフェイルセーフ弁と、 前記第1の弁制御手段によるホイールシリンダへの前記
    液圧制御弁を介したブレーキ液圧の供給に異常が生じた
    ときに、前記ホイールシリンダをマスタシリンダに連通
    させるように該フェイルセーフ弁を切換制御する第2の
    弁制御手段とからなるブレーキ液圧制御装置において、 前記フェイルセーフ弁により前記マスタシリンダとホイ
    ールシリンダとの間が遮断されたときに、前記ブレーキ
    ペダルの操作量に対応したペダル反力を発生させる反力
    発生手段と、 該反力発生手段と前記マスタシリンダとの間に設けら
    れ、該マスタシリンダを反力発生手段に対して選択的に
    連通,遮断させるペダル反力切換弁と、 前記フェイルセーフ弁に設けられ、該フェイルセーフ弁
    により前記マスタシリンダとホイールシリンダとの間を
    遮断したときに、該ホイールシリンダ側でのブレーキ液
    圧の変動が前記マスタシリンダ側に伝わるのを許す液圧
    変動伝達手段とを備え、 前記第2の弁制御手段は、前記第1の弁制御手段により
    少なくとも前記走行状態検出手段の出力に基づいて前記
    液圧制御弁を駆動制御しているときに、前記マスタシリ
    ンダとホイールシリンダとの間を遮断するように前記フ
    ェイルセーフ弁を切換制御すると共に、前記マスタシリ
    ンダと反力発生手段との間を遮断するように前記ペダル
    反力切換弁を切換制御する構成としたことを特徴とする
    ブレーキ液圧制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006281866A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Honda Motor Co Ltd 車両のブレーキペダル装置
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