JP3577790B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪のホイルブレーキに液圧を与える車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転者の緊急時のブレーキ操作を検出して、ブレーキ操作力に対するブレーキ力を増大させることを目的とした車両用の液圧ブレーキ装置には、特開平6−191395号に記載されたものが従来技術として公知である。この従来技術では、車両の運転者による緊急ブレーキ操作が検出された時、ブレーキ力を伝達するバキュームブースタの反動板の受圧面積を減少させることによって、バキュームブースタの助勢比を増大している。これによって、緊急ブレーキ時には通常ブレーキ時に比べ、その制動距離を著しく短縮している。
【0003】
この従来技術においては、特にバキュームブースタ内に助勢比を可変にするためのプランジャー及び該プランジャー駆動用のソレノイド等が必要となり、バキュームブースタを大幅に構造変更する必要があるため、コスト上大きな課題を含んだものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題とするところは、従来のブレーキシステムの構造変更を最小限に止めながら、緊急ブレーキ時のブレーキ力を増大させることができる車両用ブレーキ制御装置を提供することである。
【0006】
上記課題を解決するために本発明の請求項1においては、車両のブレーキ操作部材の操作力に応じて該操作力を所定の倍力比に基づいて倍力して車両のホイルシリンダに出力するブレーキ倍力装置と、前記ブレーキ操作部材の操作速度に応じて前記倍力比を増大させる倍力比可変手段を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置とし、このとき前記ブレーキ倍力装置は前記ブレーキ操作部材の操作とは無関係に圧力を発生する圧力源からの圧力が導入されるシリンダボデーと、前記シリンダボデー内に設置されたレギュレータ圧室と、前記シリンダボデー内に設置され一側にブレーキ操作力を受けると共に他側に前記レギュレータ圧室の圧力を受けて軸方向に移動することによって前記圧力源からの圧力を調圧するスプール部材と、前記シリンダボデーに設置され前記圧力源からの圧力を調圧した圧力が導入されると共に前記ホイルシリンダおよび前記レギュレータ圧室に連通したレギュレータポートを備え、前記倍力比可変手段は前記レギュレータ圧室と前記レギュレータポートとの間に設置された流量制限手段であることを特徴とした。
【0008】
上記請求項1に記載された手段による車両用ブレーキ制御装置によれば、車両の運転者により緊急ブレーキが操作された時、ブレーキ操作力が急激に上昇しスプール部材を迅速に移動させることにより、レギュレータポートから出力される圧力を急昇させることになるが、該レギュレータポートとレギュレータ室との間に介装された流量制限手段によって、該レギュレータポートの圧力の該レギュレータ室への伝播が遅延されるため、その間急昇した該レギュレータポートの圧力が車両のホイルシリンダに導入され、制動力が増大される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を表す図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の車両用ブレーキ制御装置のシステム図である。図1において、1は本発明による車両用ブレーキ制御装置を構成する油圧ブースタを表す。該油圧ブースタ1のシリンダボデー2内には第1ピストン3が摺動可能に設置され、前記第1ピストン3は、プッシュロッド4を介してブレーキペダル5と連結している。前記第1ピストン3はリタンスプリング6からの付勢力を受けスリーブ7に当接し、更に、スナップリング7aにて位置決めされている。又、前記スリーブ7の前部にはストッパー7bが設置され、前記スリーブ7が前方に移動することを防いでいる。前記第1ピストン3の連通孔3a内には、インレットバルブ8が嵌挿され、前記インレットバルブ8はバルブスプリング8aによって付勢され、前記第1ピストン3の非作動時には、前記シリンダボデー1に固定され、前記第1ピストン3に設けられた貫通孔3bに挿通されたピン9に当接しており、この状態では前記インレットバルブ8のバルブ部8bと前記ピストン3のバルブ面3cとは当接しておらず、インレットバルブ8は開弁している。前記第1ピストン3は、その前端においてシールカップ3dが装着され、更に、その後端においてシールカップ3eが装着されている。又、前記スリーブ7には、各々内径シール7c、および外径シール7dが装着されている。これらのシール部材によって、前記第1ピストン3の前方には圧力室10が、又、後方には前記スリーブ7との間で、補助圧力室11が形成されている。又、12は液圧ブレーキ装置1を外部と遮断しているブーツであり、13は前記ブーツ12を支持して、前記プッシュロッド4の径方向への移動を規制するリテーナである。更に、14は前記リタンスプリング6を前記第1ピストン3に係合させ、且つ、前記シールカップ3dが前記第1ピストン3から脱落しないように規制しているカップリテーナである。
【0011】
スリーブ部材15は、その右端において前記リタンスプリング6からの付勢力を受けて、シリンダボデー2の底部に当接している。前記スリーブ部材15にはシール部材15aが装着され、前記第1ピストン3との間で前記した圧力室10を形成している。前記スリーブ部材15には第2ピストン16が摺動可能に嵌挿され、スナップリング16aに係止したピストンスプリング15bによって前記スリーブ部材15に対して右方に付勢されており、ストッパー15cに当接することで位置決めされている。前記第2ピストン16は、カップシール16bを備えることによって前記圧力室10を形成すると共に、前記圧力室10に発生する圧力を受けて図において左方に摺動可能となっている。前記第2ピストン16には、ピン17によってスプールバルブ18と連結しており、前記スプールバルブ18は前記第2ピストン16と一体的に移動可能となっている。
【0012】
更に、前記スプールバルブ18の左端にはスプリング19を介してピストン戻し部材20が設置され、前記ピストン戻し部材20には、規制手段を構成する台形状の係合部材21が装着されている。前記係合部材21は、前記スプリング19の付勢力によって例えばゴムによって形成された、やはり規制手段を構成する弾性部材22と当接している。23は前記スリーブ部材15の移動防止部材であり、前記スリーブ部材15に固定されている。更に、前記移動防止部材23には、シール部材23aと連通孔23b,23cが備えられている。ここで、前記弾性部材22は前記移動防止部材23との間で、レギュレータ圧室24を形成している。
【0013】
前記スリーブ部材15は、前記したシール部材15a以外に、図において右方からシール部材15d,15e,15fを備えている。前記シール部材15dと15eの間には、車両の後左輪に設置されたホイルブレーキ33および後右輪に設置されたホイルブレーキ34へとつながる主管路31と連結するアウトレットポート15gが、又、前記シール部材15eと15fの間には、アキュムレータ26に蓄圧されたブレーキ液が導入されるインレットポート15hが形成されている。前記アキュムレータ26へは、リザーバタンク27に貯蔵されたブレーキ液がポンプ28によって加圧され蓄えられる。前記スリーブ部材15に設けられたアウトレットポート15g、インレットポート15hは、各々前記シリンダボデー2に設置されたポート2a,2bに連結している。又、前記シリンダボデー2には、更にポート2cが設置され、前左輪に設置されたホイルブレーキ35および前右輪に設置されたホイルブレーキ36へとつながる主管路32に連結される。又、前記シリンダボデー2には2つのインレットポート2d,2eが設置され、双方共前記リザーバタンク27へと連通している。
【0014】
前記スプールバルブ18にはその外周部に、第1スリット18aと第2スリット18bとが形成され、又、前記スリーブ部材15にもスリット15iが形成されている。又、前記シリンダボデー2に設置されたポート2a(レギュレータポート)は前記レギュレータ圧室24へ連通するポート2fとレギュレータ管路37によって連結されており、更に、前記補助圧力室11へと連通している連通孔2gとフィードバック管路38によって連結している。
【0015】
次に、前記油圧ブースタ1と前記各ホイルブレーキ33,34,35および36との間に設置された圧力制御装置39について説明する。前記前輪用ホイルブレーキ35,36は各々増圧管路40,41によって前記主管路32と連結しており、前記増圧管路40,41上には、制御回路100によって作動される常開型の電磁弁である増圧弁42,43が備えられている。又、大気圧リザーバ44,45は各々前記増圧管路40,41上の前記増圧弁42,43と前記ホイルブレーキ35,36との間と、リリーフ管路46,47を介して連通されており、該リリーフ管路46,47上にはやはり前記制御回路100によって作動される各々常閉型の電磁弁である減圧弁48,49が介装されている。
【0016】
前記主管路32上の前記増圧弁42,43と前記ポート2cとの間には、やはり前記制御回路100によって作動される3ポート型の電磁弁である切換弁50が設置されている。該切換弁50は非作動状態において前記油圧ブースタ1の圧力室10へ連通する前記ポート2cと前記増圧弁42,43とを連通し、前記増圧弁42,43と前記レギュレータポート2aとの間を遮断し、その作動状態において、前記ポート2cと前記増圧弁42,43との間を遮断し、前記増圧弁42,43と前記レギュレータポート2aとを連通している。
【0017】
前記増圧管路40,41上の前記増圧弁42,43と前記前輪用ホイルブレーキ35,36との間と、前記切換弁50と前記増圧弁42,43との間を連結するように各々戻し管路51,52が設置され、該戻し管路51,52上には各々チェック弁53,54が備えられ、前記ホイルブレーキ35,36から前記油圧ブースタ1方向への作動油の流れは許容するが、前記油圧ブースタ1から前記ホイルブレーキ35,36方向への作動油の流れは遮断している。
【0018】
一方、前記後輪用主管路31上には、やはり前記制御回路100によって作動される常開型の電磁弁である増圧弁55が備えられている。又、大気圧リザーバ56は前記主管路31上の前記増圧弁55と前記ホイルブレーキ33,34との間と、リリーフ管路57を介して連通されており、該リリーフ管路57上にはやはり前記制御回路100によって作動される常閉型の電磁弁である減圧弁58が介装されている。
【0019】
前記主管路31上の前記増圧弁55と前記後輪用ホイルブレーキ33,34との間と、前記油圧ブースタ1の前記レギュレータポート2aと前記増圧弁55との間を連結するように戻し管路59が設置され、該戻し管路59上にはチェック弁60が備えられ、前記ホイルブレーキ33,34から前記油圧ブースタ1方向への作動油の流れは許容するが、前記油圧ブースタ1から前記ホイルブレーキ33,34方向への作動油の流れは遮断している。
【0020】
前記レギュレータ管路37上には作動油の流れを制限するオリフィス61が設置され、前記油圧ブースタ1のレギュレータポート2aから前記レギュレータ圧室24への作動油の流れを制限している。又、チェック弁62は前記オリフィス61と並列に配設され、前記レギュレータポート2aから前記レギュレータ圧室24方向への作動油の流れを遮断し、前記レギュレータ圧室24から前記レギュレータポート2a方向への作動油の流れを許容している。
【0021】
次に、本発明による液圧ブレーキ装置を車両に適用した場合の作動について説明する。運転者が通常時ブレーキペダル5を作動させるとプッシュロッド4を介して第1ピストン3が、図1において左方にストロークするため、インレットバルブ8がピン9から離れ、バルブスプリング8aに付勢されバルブ部8bと、第1ピストン3のバルブ面3cとが当接することによって圧力室10をリザーバタンク27から遮断する。その後、第1ピストン3のストロークが更に増えるに従って、前記圧力室10の容積が減少し、前記圧力室10に圧力PM が発生する。
【0022】
この時、第2ピストン16は、前記圧力室10に発生した圧力PM を受けるため、図1において、前記第2ピストン16の断面積をSA とするとPM ×SA の力が、図1において左方に働き、第2ピストン16は左方に移動する。前記スプールバルブ18は、ピン17にて前記第2ピストン16に係合しているため、前記第2ピストン16と共に左方に移動し、スプリング19を圧縮してピストン戻し部材20と当接する。前記スプールバルブ18の移動によって、前記スプールバルブ18に設けられた第1スリット18aが、前記スリーブ部材15に設置されたインレットポート15hと連通し、前記インレットポート15hと前記スリーブ部材15に設置されたスリット15iとを連通させる。又、前記スプールバルブ18に設置された第2スリット18bは前記スリット15iと連通して、前記スリット15iとアウトレットポート15gとを連通させるため、結局、前記スプールバルブ18の図1の左方への移動によって、前記スリーブ部材15に設置されたインレットポート15hはアウトレットポート15gと連通する。従って、前記シリンダボデー2に備えられたインレットポート2bは、インレットポート15h→第1スリット18a→スリット15i→第2スリット18b→アウトレットポート15gを経由して、同じく前記シリンダボデー2に設置されたレギュレータポート2aと連通するため、前記アキュムレータ26に蓄えられていた圧力は、前記レギュレータポート2aから、前記オリフィス61および前記ポート2fを介して徐々にレギュレータ圧室24へ導入される。ここで、前記レギュレータ圧室24へ導入された圧力は、弾性部材22を図1において右方に付勢して、係合部材21、前記ピストン戻し部材20を介して、前記スプールバルブ18を図1において右方に押し返し、前記スプールバルブ18の両端に働く力がつりあったところで平衡に達して、レギュレータ圧が決定される。この時、前記弾性部材22が前記係合部材21と当接している部位の面積を、SV とすると、前記圧力室10に発生した圧力PM と、前記アキュムレータ26から前記スプールバルブ18を経てレギュレータ圧となって前記レギュレータ圧室24に導入される圧力PR との間には、リタンスプリングの荷重等による損失を無視すればPM ×SA =PR ×SV
という関係があるため、前記レギュレータ圧室24に導入される圧力:レギュレータ圧は
PR =PM ×SA /SV
となり、前記圧力室10に発生する圧力PM に対して、前記第2ピストン16の断面積SA の、前記弾性部材22が前記係合部材21に当接している部位の面積に対する比を乗じたものとなる。ここで、前記レギュレータ圧室24の圧力が比較的低圧である場合は、前記弾性部材22が前記係合部材21に向けて付勢される力がさほど大きくないため、前記した弾性部材22が前記係合部材21と当接している部位の面積SV も小さく、前記レギュレータ圧室24の圧力が上昇するにつれて面積SV も増大し、最大時として図1におけるSB まで増大する。従って、前記圧力室10に発生する圧力PM とレギュレータ圧PR との特性は、図2におけるXに示すようなゆるやかな曲線を描く。この曲線で描かれる特性は、前記弾性部材22の硬度、或いは前記係合部材21の前記弾性部材22と当接する部位の形状を変更することによって、従来技術の圧力室の圧力の増加に対して、レギュレータ圧が直線的に増加するものと比べて、その特性を任意に設定できる。
【0023】
その後、前記圧力室10に発生する圧力PM の上昇に伴って、レギュレータ圧PR が上昇し、最終的に図2のY部に示す如く、
PR =PM ×SA /SB
となり、SA ,SB は不変の値であるため、これ以降はレギュレータ圧PR は圧力室10の圧力PM の上昇に伴って、直線的に上昇する。つまり、前記圧力室10に発生する圧力PM に対する、レギュレータ圧PR の設定(図2において、Y部の直線の傾きで表される)は、前記第2ピストン16の断面積SA と規制手段の一部である前記係合部材21の断面積SB を変えることによって自由に設定でき、ブレーキの効きを任意に設定できる。
【0024】
前記スプールバルブ18によってアキュムレータ圧が調圧されて前記レギュレータポート2aに出力されたレギュレータ圧PR は、前記連通孔2gを経由して補助圧力室11に伝達され、前記第1ピストン3に働く入力の助勢力として供されるのと同時に、増圧弁55を介して後輪に設置されたホイルブレーキ33,34に供給される。尚、前記圧力室10に発生した圧力PM は、切換弁50および各増圧弁42,43を介して前輪に設置されたホイルブレーキ35,36に供給される。
【0025】
車両が低摩擦係数の路面、例えば雪道或いは凍結路を走行中に運転者がブレーキペダルを操作して車輪にブレーキ力を発生させた時に、車輪に取付けられた図示しない車輪速度センサによって検出された車輪速度に基づいて、前記制御回路100が前輪の固着(ロック)を検知すると、前記切換弁50が励磁されて前記油圧ブースタ1の前記圧力室10に連通するポート2cと前記増圧弁42,43との連通を遮断し、前記油圧ブースタ1の前記レギュレータポート2aと前記増圧弁42,43とを連通することによって、前輪用ホイルブレーキ35,36に前記圧力室10内の圧力PM に代わり、前記スプールバルブ18によって調圧されたレギュレータ圧PR が導入される。それとともに、例えば前左輪のロックが検知された場合は、増圧弁42を作動させて閉状態として前左輪に取付けられたホイルブレーキ35を油圧ブースタ1から遮断すると共に、減圧弁48を作動させて開状態としてホイルブレーキ35をリリーフ管路46を介して大気圧リザーバ44に連通し、ホイルブレーキ35中の作動液を大気圧リザーバ44に放出することによってホイルブレーキ35中の圧力を減少させる(アンチロック制御)。
【0026】
ホイルブレーキ35中の圧力を減少させることによって車輪のロックが解除されたことが前記制御回路100によって検知されると、前記増圧弁42および前記減圧弁48が再び非作動状態に復帰されて、油圧ブースタ1からレギュレータ圧PR が切換弁50および増圧弁42を介してホイルブレーキ35に導入される。
【0027】
前右輪のロックが制御回路100によって検出された時は、上記と同様に制御回路100によって増圧弁43および減圧弁49が作動されて、ホイルブレーキ36中の圧力が調整される。又、後輪のロックが制御回路100によって検出された時も同様に制御回路100によって増圧弁55および減圧弁58が作動されて、ホイルブレーキ33,34中の圧力が調整される。
【0028】
前記前輪用戻し管路51,52および後輪用戻し管路59に各々設置されたチェック弁53,54および60は、アンチロック制御中に車両の運転者によってブレーキペダル5が戻された時に開弁することによって、ホイルブレーキ33,34,35および36から作動液が油圧ブースタ1に速やかに戻されるのに使用される。
【0029】
車両の運転者が突然の障害物の発見等によって車両を急停車させるべくブレーキペダル5を急作動させた時、前記ブレーキペダル5と連結した前記第1ピストン3の急激な移動によって前記圧力室10中の圧力PM が急激に上昇する。これによって前記スプールバルブ18はその一端を前記圧力室10にさらしている前記第2ピストン16と一体となって図1において左方向に急速に大きく移動するため、インレットポート2bはレギュレータポート2aと連通して、前記アキュムレータ26に蓄えられていた高圧力は、前記インレットポート2bから前記レギュレータポート2aに導入されるが、前記レギュレータポート2aと前記レギュレータ圧室24との間に介装された前記オリフィス61のために、前記レギュレータポート2aに導入された高圧が前記レギュレータ圧室24にはすぐには伝播せず、従って、前記スプールバルブ18は前記レギュレータ圧室24中の圧力によって図1において右方向に戻されることはない。よって、その間に前記レギュレータポート2aに導入された高圧が前記切換弁50および増圧弁42,43を介して前輪用ホイルブレーキ35,36へ導入され、又、増圧弁55を介して後輪用ホイルブレーキ33,34へ導入される。この時図2において破線Zにて示すように、前記レギュレータ圧力PR は前記圧力室10中の圧力PM に対して非常に大きなものとなっている。
【0030】
尚、前記オリフィス61と並列に設けられたチェック弁62は、制動後に運転者がブレーキペダル5を戻して前記圧力室10中の圧力PM が低下した時に開弁して、前記レギュレータ圧室24中の作動油がリザーバタンク27に速やかに戻されるために使用される。
【0031】
上記実施例の油圧ブースタ1においては、前記圧力室10中の圧力PM と前記レギュレータ圧力PR との関係が非線型となるように、スプールバルブ18と弾性部材22との間に台形状の係合部材21を備えているが、本発明は上記油圧ブースタ1を使用することに限定されるものではなく、前記圧力室10中の圧力PM と前記レギュレータ圧力PR との関係が線型となるような油圧ブースタを使用しても実施できることは言うまでもない。この場合、前記圧力室10中の圧力PM と前記レギュレータ圧力PR との関係は図3に示した通りとなる。図3においてLS は主に前記ピストンスプリング15bおよびスプリング19の組付荷重の和に相当する。
【0032】
【発明の効果】
上記したように、本発明の車両用ブレーキ制御装置によれば、従来からあるブレーキ制御装置にオリフィスを1つ追加するだけで緊急ブレーキ時のブレーキ力を増大させることができ、低コストであるだけでなく、簡素な構成であるため信頼性の高い車両用ブレーキ制御装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用ブレーキ制御装置のシステム図
【図2】本発明による車両用ブレーキ制御装置の特性図
【図3】本発明の変形例による車両用ブレーキ制御装置の特性図
【符号の説明】
2 シリンダボデー 2a レギュータポート 3 第1ピストン
5 ブレーキペダル 10 圧力室 18 スプールバルブ
24 レギュレータ圧室 26 アキュムレータ
33,34,35,36 ホイルブレーキ 61 オリフィス
Claims (1)
- 車両のブレーキ操作部材の操作とは無関係に圧力を発生する圧力源からの圧力が導入されるシリンダボディーと、前記シリンダボディー内に設置されたレギュレータ圧室と、前記シリンダボデー内に設置され一側にブレーキ操作力を受けると共に他側に前記レギュレータ圧室の圧力を受けて軸方向に移動することによって前記圧力源からの圧力を調圧するスプール部材と、前記シリンダボデーに設置され前記圧力源からの圧力を調圧した圧力が導入されると共に前記車両のホイルシリンダおよび前記レギュレータ圧室に連通したレギュレータポートとを備え、前記ブレーキ操作部材の操作力に応じて該操作力を所定の倍力比に基づいて倍力して前記ホイルシリンダに出力するブレーキ倍力装置と、
前記レギュレータ圧室と前記レギュレータポートとの間に設置された流量制限手段によって、前記ブレーキ操作部材の操作速度に応じて前記倍力比を増大させる倍力比可変手段とを備えたことを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
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