JPH10203142A - 車両用暖房装置 - Google Patents

車両用暖房装置

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JPH10203142A
JPH10203142A JP704197A JP704197A JPH10203142A JP H10203142 A JPH10203142 A JP H10203142A JP 704197 A JP704197 A JP 704197A JP 704197 A JP704197 A JP 704197A JP H10203142 A JPH10203142 A JP H10203142A
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JP
Japan
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heating
temperature
vehicle
cooling water
warm
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JP704197A
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Inventor
Yukushi Kato
行志 加藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のウォームアップ状態での暖房不足を解
消する。 【解決手段】 暖房運転が開始されて補助暖房スイッチ
が入れられていることを確認すると、初期環境条件を検
出し、この初期環境条件に基づいて車両がウォームアッ
プ状態でありかつビスカスヒータによる補助暖房が必要
か否かを判断する(ステップ100〜110)。ビスカ
スヒータによる補助暖房が必要な車両のウォームアップ
状態であると判断されると、ビスカスヒータをオンして
立ち上げ暖房を開始すると共に、暖房される室温の測定
を行い、室温が設定温度に達すると、ビスカスヒータを
停止し、車両のウォームアップ状態で行う立ち上げ暖房
を終了する(ステップ130〜138)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン冷却水を
用いて車室内を暖房する車両用暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の暖房装置には、エンジンのウォ
ータジャケットを通過して、エンジンの燃焼時に発生す
る熱によって加熱された水(エンジン冷却水、以下「冷
却水」と言う)が供給されるヒータコアを備えたものが
ある。このような暖房装置では、車室内の空気又は車外
から取り入れた空気を車室内へ吹出すときにヒータコア
を通過させることにより、ヒータコアへ供給される冷却
水とこの空気との間で熱交換を行わせて、車室内へ吹出
す空気を加熱する。このヒータコアを通過した空気が、
車室内へ吹き出されることにより、車室内が暖房され
る。
【0003】エンジンの冷却水を用いた暖房装置では、
冷却水の温度が低いと暖房効率が低下し、車室内を所望
の暖房温度に維持することが困難となることがある。こ
のために、暖房装置には、ヒータコアへ供給する冷却水
を加熱するなどの補助暖房装置を備えたものがある。
【0004】このような補助暖房装置の一つには、剪断
方向に相対回転可能な複数対の板材の間に粘性流体を充
填したビスカスヒータがある。ビスカスヒータは、エン
ジンの駆動力によって前記板材を相対回転させて粘性流
体を攪拌して剪断摩擦により発熱させ、この熱によって
冷却水を加熱するようになっている。これにより、冷却
水の温度が低く、車室内の暖房を行うときの暖房能力が
低い状態でも、暖房能力を大きくすることができる。
【0005】一般に、暖房装置では、外気温度、室内温
度及び冷却水温度等の環境条件に基づいて補助暖房装置
を作動させるように制御するようになっている。例え
ば、冷却水温度が所定温度以下となると補助暖房装置を
作動させ、冷却水の温度が上昇すると補助暖房装置を停
止させるようにしている。
【0006】ところで、エンジンを始動した直後の車両
のウォームアップ状態では、冷却水の温度が低くなって
いる。このため、暖房装置では、車両のウォームアップ
状態で暖房を行うと、補助暖房装置を運転して、暖房能
力を大きくする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンを始動した直後は、車室内の温度も下がっているた
め、室温の上昇(立ち上がり)も遅くなってしまう。こ
のため、エンジンの冷却水の水温が所定の温度に達して
も、室内が十分に暖房されないことがある。このため、
補助暖房装置を切ってしまうと、暖房不足と感じてしま
うことになる。
【0008】このような車両のウォームアップ状態での
暖房の不足感を防止するために、補助暖房装置を切る冷
却水の水温を上げたり、また、冷却水の水温ではなく、
外気温度や室温に応じて補助暖房装置を制御すると、ウ
ォームアップ状態以外の通常状態では、必要以上に暖房
能力を大きくすることになり、燃費の悪化を招いてしま
う。
【0009】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、通常状態で必要以上に暖房能力を大きくすること
なく、エンジンの冷却水の水温が低いウォームアップ状
態から車室内の暖房を開始したときに、車室内が十分に
暖房されていない状態で補助暖房が停止してしまうこと
なく十分な暖房が可能となる車両用暖房装置を提案する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車両のエンジン冷却水によって車室内へ吹出す空気を加
熱する暖房手段によって車室内を暖房する車両用暖房装
置であって、前記暖房手段による暖房に用いる前記エン
ジン冷却水又は前記暖房手段によって加熱される空気を
さらに加熱する補助暖房手段と、前記エンジン冷却水の
温度を測定する水温測定手段を含む環境条件検出手段の
検出結果に基づいて前記車両のウォームアップ状態を検
出するウォームアップ検出手段と、前記水温測定手段に
よって測定したエンジン冷却水の温度が所定値に達して
からの経過時間を計測する計測手段と、前記ウォームア
ップ検出手段の検出結果から前記車両がウォームアップ
状態であると判定されたときに前記計測手段による計測
時間が所定時間に達するまで前記補助暖房手段を作動さ
せる補助暖房制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】この発明によれば、ウォームアップ検出手
段によって車両がウォームアップ状態であることを検出
すると、暖房手段と共に補助暖房手段を作動させる。こ
れによって、冷却水の温度が低くても暖房能力を大きく
することができ、車室内へ吹出す空気の温度を上げて、
急速な暖房が可能となる。
【0012】一方、水温計測手段によって計測された冷
却水の水温が所定の温度に達すると、計測手段が作動さ
れる。補助暖房手段は、この計測手段によって計測した
経過時間が所定時間に達すると停止されるようになって
いる。これによって、通常、冷却水が所定の温度に達す
ると、補助暖房手段が停止するのに対して、車両のウォ
ームアップ状態では、この補助暖房手段の停止が所定の
時間だけ遅らせられる。すなわち、車両のウォームアッ
プ状態では、補助暖房手段の停止を遅らせて、補助暖房
手段によって大きな暖房能力で暖房する時間を延長す
る。
【0013】このように車両のウォームアップ状態で
は、補助暖房手段の停止を遅らせることにより、車室内
が十分に暖房されていないにも拘わらず、補助暖房手段
が停止して暖房能力が下がってしまうのを防止すること
ができ、車室内の急速な暖房が可能となる。
【0014】なお、本発明では、車両のウォームアップ
状態以外であると判定されたときには、冷却水の水温、
外気温度、室内温度等の環境条件に基づいた従来公知の
種々の方法で補助暖房手段の運転/停止を制御するもの
であり、これによって、車両のウォームアップ状態以外
の通常暖房時に、効率的な暖房が可能となる。
【0015】請求項2に係る発明は、車両のエンジン冷
却水によって車室内へ吹出す空気を加熱する暖房手段に
よって車室内を暖房する車両用暖房装置であって、前記
暖房手段による暖房に用いる前記エンジン冷却水又は前
記暖房手段によって加熱される空気をさらに加熱する補
助暖房手段と、車室温度を検出する室内温度検出手段
と、車両のウォームアップ状態を検出するウォームアッ
プ検出手段と、前記ウォームアップ検出手段の検出結果
から前記車両がウォームアップ状態であると判定された
ときに前記室温検出手段の検出温度が所定値に達するま
で前記補助暖房手段を作動させる補助暖房制御手段と、
を含むことを特徴とする。
【0016】この発明によれば、ウォームアップ検出手
段によって車両がウォームアップ状態であることを検出
すると、暖房手段と共に補助暖房手段を作動させる。こ
れによって、冷却水の温度が低くても暖房能力を大きく
することができる。
【0017】一方、補助暖房手段は、室温検出手段によ
って室内温度が設定温度に達したときに停止されるよう
になっているため、室温が設定温度に達する前に冷却水
の水温が所定の温度に達しても、補助暖房手段が停止さ
れることがなく大きな暖房能力での暖房が可能となる。
また、室温が設定温度に達するまで補助暖房手段が運転
されるため、室内温度の上昇を早めることができ、暖房
の不足感を感じさせることがない。
【0018】請求項3に係る発明は、前記ウォームアッ
プ検出手段が、前記エンジン冷却水の温度を測定する水
温測定手段を含み、前記暖房制御手段が前記エンジン冷
却水の温度が所定温度以下のときに前記車両がウォーム
アップ状態であると判断することを特徴とする。
【0019】この発明によれば、冷却水の水温が低いと
きに、車両がウォームアップ状態であると判断してい
る。長時間停止していた車両のエンジンが始動するとき
には、車室内は勿論冷却水の水温も下がっている。この
ため、車室内の暖房を開始するときに、冷却水の水温が
所定の温度以下であれば、車両がウォームアップ状態で
あると判断することができ、また、この状態では、エン
ジンの冷却水のみでは暖房不足が生じる恐れがあり、こ
のときに補助暖房手段を運転することにより、暖房不足
を生じさせることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下に図面を参照しながら本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】図1には、本発明を適用した車両用暖房装
置(以下「暖房装置10」と言う)の概略構成が示され
ている。なお、以下の説明では、暖房装置10を用いた
車室内の暖房について説明するが、本発明を適用した暖
房装置10は、車室内の暖房専用に用いられるものであ
っても良く、冷凍サイクルによって車室内の冷房及び除
湿を行う冷房装置と組み合わせて除湿を含む暖房から冷
房までを行う車両用の空調装置を構成するものであって
も良い。
【0022】暖房装置10は、暖房手段として、ヒータ
コア12が設けられている。このヒータコア12は、一
対の冷却水配管(以下「配管」と言う)14A、14B
によってエンジン16の図示しないウォータジャケット
に連通されている。また、一方の配管14Aには、電動
ポンプ18が設けられており、この電動ポンプ18の作
動によりエンジン16とヒータコア12の間でエンジン
16の冷却水が循環されるようになっている。
【0023】したがって、エンジン16の始動中に電動
ポンプ18が作動することにより、エンジン16を冷却
することにより加熱された冷却水がヒータコア12へ供
給されるようになっている。
【0024】ヒータコア12は、空調ダクト20内に設
けられている。この空調ダクト20は、ブロワファン2
2の駆動によって車室内の空気又は車外の空気が空気取
入口24から吸引されるようになっている。空調ダクト
20内に吸引された空気は、ヒータコア12を通過した
後に、デフロスターやレジスタ等の空気吹出し口26か
ら車室内へ吹き出される。このとき、エンジン16から
冷却水がヒータコア12へ供給されることにより、ヒー
タコア12を通過する空気と冷却水との間で熱交換が行
われて、ヒータコア12を通過する空気が加熱される。
ヒータコア12を通過したときに加熱された空気が、車
室内へ吹き出されることにより、車室内が暖房されるよ
うになっている。
【0025】エンジン16とヒータコア12を接続する
他方の配管14Bの中間部には、補助暖房手段としてビ
スカスヒータ30が設けられており、エンジン16から
ヒータコア12へ供給される冷却水がこのビスカスヒー
タ30を通過するようになっている。
【0026】図2に示されるように、ビスカスヒータ3
0は、内部に攪拌室32が設けられているケーシング3
4に回転シャフト36が挿通されている。この回転シャ
フト36は、攪拌室32へも挿通されておりベアリング
38によって回転可能に支持されている。なお、攪拌室
32はメカニカルシール40等によって密閉されてい
る。
【0027】攪拌室32内には、回転シャフト36に取
付けられている環状のロータ42が配置されている。こ
のロータ42には、複数枚の環状インナプレート44が
同軸的に配置されて取付けられている。また、攪拌室3
2の内周面には、円筒状のアウタプレート46が突設さ
れいる。それぞれのアウタプレート46の先端部は、イ
ンナプレート44の間へ挿入され、インナプレート44
から所定の間隔を隔てて対向するように取付けられてい
る。これにより、回転シャフト36と一体にインナプレ
ート44が回転されることにより、インナプレート44
とアウタプレート46とが剪断方向へ相対移動する。
【0028】攪拌室32内には、例えばシリコンオイル
等の粘性流体が充填されており、インナプレート44と
アウタプレート46が、粘性流体の粘性に抗して剪断方
向へ相対移動することによりインナプレート44及びア
ウタプレート46との間に生じる摩擦によって発熱する
ようになっている。、攪拌室32とケーシング34との
間には、前記した冷却水が通過する冷却水循環路48が
形成されている。電動ポンプ18の作動によってエンジ
ン16から配管14Bを介してヒータコア12へ供給さ
れる冷却水がビスカスヒータ30の冷却水循環路48を
通過するようになっている。この冷却水は、冷却水循環
路48を通過するときに、粘性流体の発生した熱が伝達
されて加熱されるようになっている。すなわち、ビスカ
スヒータ30では、回転シャフト36の回転によって粘
性流体が発熱することにより、冷却水循環路48を通過
する冷却水を加熱するようになっており、ビスカスヒー
タ30によって加熱された冷却水がヒータコア12へ供
給される。
【0029】図1に示されるように、このビスカスヒー
タ30の回転シャフト36には、駆動力断続手段となる
クラッチ部50が設けられ、このクラッチ部50を介し
てエンジン16の駆動力が直接又は間接的に伝達される
ようになっている。クラッチ部50へのエンジン16の
駆動力の伝達は、例えばプーリーとVベルトを介して行
われる構成であってもよく、また、エンジン16の駆動
力によって循環されるオイルによって回転駆動する油圧
モータをクラッチ部50に連結して、この油圧モータの
駆動力がクラッチ部50へ伝達されるようにしても良い
(何れも図示省略)。
【0030】ビスカスヒータ30は、クラッチ部50を
介して伝達される駆動力によって回転シャフト36が回
転されて作動する。なお、補助暖房手段として用いるビ
スカスヒータ30の構成は、本実施の形態に限るもので
はなく、従来公知の任意の構成を適用することができ、
また、このビスカスヒータ30を駆動する駆動機構も従
来公知の任意の構成を適用することができる。
【0031】暖房装置10には、暖房装置10の作動を
制御するマイクロコンピュータを備えた暖房コントロー
ラ(以下「暖房ECU52」と言う)が設けられてい
る。なお、暖房装置10が車両の空調装置の一部を構成
しているときには、以下に説明する暖房ECU52の機
能は、空調装置(エアコン)のエアコンECUに合わせ
持たすことができる。
【0032】この暖房ECU52には、電動ポンプ1
8、ブロワファン22(ブロワファン22を駆動するフ
ァンモータ)及びクラッチ部50と共に操作パネル54
が接続されている。操作パネル54には、暖房運転スイ
ッチ、補助暖房スイッチ、温度設定スイッチ、風量設定
スイッチ等が設けられており、これらのスイッチ操作に
よって暖房温度の設定、暖房装置10の運転/停止及び
補助暖房を行うためのビスカスヒータ30の入り/切な
どの操作が可能となっている。
【0033】また、暖房ECU52には、車室内の温度
を検出する室温センサ56、車外の温度を検出する外気
温度センサ58及びエンジン16の冷却水の温度(水
温)を検出する水温センサ60が接続されている。
【0034】暖房ECU52は、操作パネル54上で車
室内の設定温度と暖房運転が指定されると、電動ポンプ
18及びブロワファン22を作動させて、車室内が設定
温度となるように暖房を開始する。なお、暖房ECU5
2は、図示しない車両のイグニッションスイッチがオン
されることにより動作可能となっている。
【0035】また、暖房ECU52は、補助暖房制御手
段としての機能を有しており、補助暖房スイッチが操作
されることにより冷却水温度と、外気温度及び設定温度
に基づいてクラッチ部50を操作して、ビスカスヒータ
30を作動させるようになっている。
【0036】通常、暖房ECU52は、外気温度が低く
(例えば0°C以下)大きな暖房能力を必要とするとき
に、室温が設定温度以下でかつ所定温度(例えば25°
C)以下のときに、冷却水の水温に応じてビスカスヒー
タ30の運転/停止を行う。例えば、暖房ECU52
は、温度tws1 (例えば60°C)と温度tws2 (例え
ば70°C、tws1 ≦tws2 )を基準として冷却水の水
温が温度tws1 以下であったときにビスカスヒータ30
を運転させて暖房能力を大きくし、冷却水の水温が所望
の暖房能力が得られる温度tws2 に達すると、ビスカス
ヒータ30を停止させる。
【0037】これによって、エンジン16の冷却水の水
温が高く所望の暖房能力が得られる時には、ビスカスヒ
ータ30を作動させずに暖房を行い、冷却水の水温が低
く十分な暖房能力が得られない時には、冷却水が所望の
暖房能力が得られる温度に達するまでビスカスヒータ3
0を運転する。
【0038】ところで、暖房装置10の暖房ECU52
では、室温センサ56、外気温センサ58及び水温セン
サ60によって車両がウォームアップ状態であるか否か
を判断し、車両がウォームアップ状態であるときには、
冷却水の水温が所定の温度(例えば前記した温度
ws2 )に達してもビスカスヒータ30の運転を停止さ
せずに、車室内の温度が設定温度に達したときにビスカ
スヒータ30を停止させるように、ビスカスヒータ30
の運転を延長する立ち上げ暖房を行うようになってい
る。
【0039】暖房ECU52では、エンジン14の冷却
水の水温、車室内の温度、外気温度等の環境条件からビ
スカスヒータ30を運転するか否かを判断するときに、
先ず、車両がウォームアップ状態であるか否かを判断す
る。車両がウォームアップ状態か否かの判断は、冷却水
の水温及び車室内の室温がそれぞれ所定の温度より低い
か否かから判断することができる。
【0040】すなわち、車両のエンジンが始動された直
後のウォームアップ状態では、冷却水の水温も低ければ
室温も低くなっている。ここから、最初に検出した環境
条件が、この条件を満足したときに、車両がウォームア
ップ状態であると判断して立ち上げ暖房を行う。また、
立ち上げ暖房が終了した後及び、車両がウォームアップ
状態でないと判断したときには、通常暖房に移行する。
【0041】通常暖房時では、例えば冷却水の水温が所
定の温度(温度tws2 )を越えるとビスカスヒータ30
を停止させるのに対して、暖房ECU52で実行する立
ち上げ暖房は、室温が設定温度に達するまでビスカスヒ
ータ30を運転する。これによって、車両のエンジン1
6がウォームアップ状態のために、エンジン16から供
給される冷却水のみでは、十分な暖房能力を出すことが
できず車室内の温度が設定温度に達するまでに時間を要
してしまうのを防止して、車室内を急速に暖房すること
ができる。
【0042】すなわち、車両のエンジン16が始動され
た直後のウォームアップ状態では、車室内の室温は勿論
冷却水の水温も低い。冷却水の水温は、エンジン16に
よって徐々に上昇するが、車室内の室温は、冷却水の水
温に比べて温度の上昇が遅れる。このために、冷却水の
水温が所定の温度に達しても、車室内の温度はそれほど
上昇しておらず、ビスカスヒータ30の運転を停止する
ことにより、暖房能力が低下してしまうと、車室内が設
定温度に達するまでにさらに時間を要してしまい、十分
な暖房感が得られなくなってしまう。
【0043】このとき、車室内が設定温度に達するまで
ビスカスヒータ30を運転し続けることにより、車室内
が設定温度に達するまで大きな暖房能力で暖房すること
になるため、車室内の室温を急速に設定温度に近づける
ことができ、暖房感を大きくすることができ、暖房能力
の不足が感じられることがない。
【0044】以下に、本実施の形態の作用を、図3に示
すフローチャート、図4(A)及び図4(B)を参照し
ながら説明する。
【0045】図3に示すフローチャートは、暖房装置1
0による補助暖房ルーチンの一例を示しており、このフ
ローチャートは、操作パネル54に設けている暖房スイ
ッチがオンされて、暖房装置10による車室内の暖房運
転が開始され、最初のステップ100で補助暖房がオン
されていることが確認(肯定判定)されると実行され
る。なお、このフローチャートが実行されるときには、
暖房スイッチがオンされて、電動ポンプ18及びブロワ
ファン22が作動される。これによって、エンジン16
の冷却水がヒータコア12へ供給され、空調ダクト20
内に吸引された空気がヒータコア12を通過するときに
冷却水によって加熱され、空気吹出し口26から車室内
へ吹き出される。
【0046】ステップ100で補助暖房スイッチがオン
されていることが確認されると、次のステップ102で
は、操作パネル54によって設定されている室内温度
(設定温度ts )を読込むと共に、暖房開始時の初期条
件(初期外気温度tao、初期水温two及び初期室温
ro)を読込む。この後、読込んだ初期条件に基づいて
車両がウォームアップ状態であるか否かの判定を行う。
【0047】車両がウォームアップ状態か否かの判断
は、先ず、ステップ104で初期外気温度tao予め
補助暖房を行う設定外気温度tas(例えば0°C)以下
か否かを確認する。すなわち、暖房装置10では、初期
外気温度taoが設定外気温度t asより低いときに補助暖
房を行うように設定されており、このステップ104で
は、初期外気温度taoが設定外気温度taoより低いか否
かを判断している。
【0048】また、ステップ106では、設定温度ts
が所定の温度trs(例えば25°C)以上に設定されて
いるか否かを判断する。このステップ104及びステッ
プ106によってビスカスヒータ30を運転して補助暖
房を行う条件の一部を満足するか否かの判断を行ってい
る。
【0049】さらに、ステップ108では、初期冷却水
温度twoが所定の温度tws1 より低いか否かを判断す
る。冷却水を補助的に加熱するビスカスヒータ30は、
冷却水の水温が温度tws1 (例えば60°C)より低い
ときに作動するように設定されており、このステップで
は、冷却水の初期水温twoがこの条件を満たしているか
否かを判断する。
【0050】また、ステップ110では、初期室温tro
が設定温度ts 以下であるか否かを判断している。
【0051】ここで、初期外気温度taoが所定の温度t
asより低く(ステップ104で肯定判定)、設定温度t
s が所定の温度trsより高く(ステップ106で肯定判
定)設定されている状態で、冷却水の初期水温twoが温
度tws1 より低いとき(ステップ108で肯定判定)
に、初期室温troが設定温度ts より低ければ(ステッ
プ110で肯定判定)にはビスカスヒータ30による
補助暖房が必要な車両のウォームアップ状態であると判
断して、立ち上げ暖房を開始する。
【0052】これに対して、初期の環境条件が車両のウ
ォームアップ状態と判断する条件を満たしていなければ
(ステップ104〜110の何れかで否定判定されたと
き)、立ち上げ暖房を行わずに、通常制御を実行する。
【0053】ここで、先ず、通常制御の概略について説
明する。通常制御では、先ずステップ112で、室温セ
ンサ56、外気温度センサ58及び水温センサ60等に
よって室温tr 、外気温ta 及び水温tw 等の環境条件
を測定する。なお、立ち上げ暖房を行わずに、通常制御
へ移行するときには、初期環境条件として読込んだ初期
外気温度tao、初期室温tro及び初期水温twoをそれぞ
れこのステップで読込む外気温度ta (ta =tao)、
室温tr (tr =tro)及び水温tw (tw =two)と
して用いてもよい。
【0054】この後、ステップ114〜120では、測
定した環境条件からビスカスヒータ30を作動させて補
助暖房を行う条件がそろっているか否かの判断を行う。
【0055】ステップ114では、外気温ta がビスカ
スヒータ30を運転する温度として設定された温度tas
以下であるか否かの判断を行う。また、ステップ116
では、室温tr が設定温度ts 以下か否かの判断を行
い、ステップ118では、設定温度ts が所定の温度t
rs以上であるかの判断を行う。
【0056】これらによって、環境条件がビスカスヒー
タ30を作動させて補助暖房を行う条件を満たしている
と判断されたとき(ステップ114〜118で肯定判
定)には、ステップ120へ移行して、冷却水の水温t
w が所定の温度tws1 以下であるか否かを判断する。こ
こで、冷却水の水温が温度tws1 以下のとき(ステップ
120で肯定判定)には、暖房能力が低下していると判
断して、ステップ122へ移行してビスカスヒータ30
を作動させる。なお、ビスカスヒータ30が運転中のと
きには、ビスカスヒータ30の運転を継続させる。
【0057】一方、ステップ114〜118の何れかで
否定判定されたときには、ステップ124へ移行し、ビ
スカスヒータ30が運転されているときには、ビスカス
ヒータ30を停止させる。なお、ビスカスヒータ30が
停止中であれば、ビスカスヒータ30の停止状態を継続
させる。
【0058】さらに、ステップ120で否定判定された
ときには、ステップ126へ移行して、冷却水の水温t
w が、所定の温度tws2 以下であるか否かを判断し、水
温t w が所定の温度tws2 を越えているとき(否定判
定)には、ステップ124へ移行し、所定の温度tws2
に達していないとき(肯定判定)には、そのまま、ステ
ップ112へ戻る。すなわち、冷却水の水温tw が温度
ws1 から温度tws2 の範囲(tws1 <tw <tws2
であるときには、ビスカスヒータ30が運転中であれば
運転を継続し、停止中であれば停止状態を継続させる。
なお、ステップ128では、補助暖房スイッチが切られ
たか否かを確認し、補助暖房スイッチが切られたときに
は、このフローチャートを終了する。
【0059】このようにして、ビスカスヒータ30の運
転/停止を制御することにより、環境状態に応じて効率
良く所望の暖房能力が得られる。なお、この補助暖房の
制御は一例を示すものであり本発明を限定するものでは
ない。例えば、室温を測定し、この室温が第1の所定温
度(例えば20°C)以下となったときに、ビスカスヒ
ータ30を作動させ、この第1の所定温度より高い第2
の所定温度(例えば25°C)に達したときにビスカス
ヒータを停止させるようにしても良く、また、この室温
に応じた制御に前記した水温に応じた制御をあわせて行
っても良い。
【0060】ところで、車両がウォームアップ状態であ
ると判定したときには、ステップ110からステップ1
30へ移行して、立ち上げ暖房が実行される。この立ち
上げ暖房時には、最初にステップ130でビスカスヒー
タ30の運転を開始する。これによって、ヒータコア1
2へは、エンジン16の冷却水がビスカスヒータ30に
よって加熱された後に供給される。
【0061】したがって、エンジンの冷却水が冷えてい
る状態でも、車室内へヒータコア12によって加熱した
暖房風を吹出すことができ、また、エンジン16の水温
の上昇に合わせてヒータコア12へ供給される冷却水の
水温を上昇させることができる。これによって、エンジ
ン16の冷却水の水温上昇に先立って、車室内の温度を
上昇させることができる。
【0062】一方、次のステップ132では、環境条件
として主に室温tr を計測し、この室温tr が設定温度
s に達したか否かを確認する(ステップ134)。こ
の後、室温tr が設定温度ts に達すると、ステップ1
34で肯定判定されて、ステップ136へ移行する。こ
のステップ136では、ビスカスヒータ30を停止させ
て、立ち上げ暖房を終了させる。立ち上げ暖房が終了す
ることにより、通常制御に移行する(ステップ112以
降を実行)。すなわち、暖房装置10は、室温tr が設
定温度ts に達するまで実行され、室温tr が設定温度
s に達すると、立ち上げ暖房を終了して、通常の制御
に移行する。
【0063】図4(A)に示されるように、エンジン1
6がウォームアップ状態では、冷却水が水温tw の低い
状態から徐々に上昇する。このとき、室温tr は、ビス
カスヒータ30を運転しているために、ビスカスヒータ
30を運転していないとき(図示省略)に比べて早めに
上昇する。
【0064】ここで、図4(A)に一点鎖線で示すよう
に、従来は、冷却水の水温tw が所定の温度tws2 に達
すると、ビスカスヒータ30が停止されるために、ヒー
タコア30へ供給される冷却水の水温tw が下がり始め
このために、車両のウォームアップ状態では、ヒー
タコア12による暖房能力が低下してしまい、室温t r
が設定温度ts に達するまでの時間が長くなってしま
う。
【0065】これに対して、図4(A)及び図4(B)
に示すように、暖房装置10では、ヒータコア12へ供
給される冷却水の水温tw が所定の温度tws2 に達して
も、室温tr が設定温度ts に達していなければ、ビス
カスヒータ30の運転を継続する。これにより、冷却水
の水温tw が所定の温度tws2 を越えてさらに上昇する
ため、ヒータコア12による暖房能力もさらに大きくな
り、室温tr がさらに設定温度ts に近づけられ、短時
間で設定温度ts に達する。
【0066】したがって、車室内を十分に暖房した後
に、補助暖房(ビスカスヒータ30)を切ることにな
り、車両のウォームアップ状態で暖房不足を感じさせる
ことがない。なお、図4(A)及び図4(B)では、従
来の冷却水の水温に応じたビスカスヒータ30の制御に
よる冷却水の水温及び室温の変化の概略を破線で示し、
本実施の形態の冷却水の水温及び室温の変化を実線で示
している。
【0067】このように、暖房装置10では、車両がウ
ォームアップ状態であると判断したときに、室温が設定
温度に達するまで補助暖房手段であるビスカスヒータ3
0を運転するため、車両のウォームアップ時に車室内が
十分に暖房されない状態で暖房能力が低下させてしまう
ことによって生じる、暖房の不足感を防止することがで
き、車両のウォームアップ状態でも、短時間に車室内を
十分に暖房することができる。
【0068】なお、以上説明した第1の実施の形態で
は、車両のウォームアップに合わせて立ち上げ暖房を実
行して、室温tr が設定温度ts に達することにより立
ち上げ暖房を終了したが、立ち上げ暖房は、車室内が十
分に暖房されたと感じる状態で終了するものであれば良
い。以下に第2の実施の形態として、立ち上げ暖房の終
了のタイミング、すなわち、立ち上げ暖房時の補助暖房
手段の停止のタイミングの他の一例を説明する。 〔第2の実施の形態〕次に本発明の第2の実施の形態に
ついて説明する。なお、以下で説明する第2の実施の形
態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同一で
あり、同一の部品には同一の符号を付与してその説明を
省略する。
【0069】第2の実施の形態では、冷却水の水温tw
が所定の温度に達してから、所定の時間経過したとき
に、立ち上げ暖房を終了する(ビスカスヒータ30を停
止させる)ようにしている。すなわち、第2の実施の形
態では、環境条件の一つとして水温センサ60によって
計測している冷却水の水温が、所定の温度(例えば温度
ws2 )に達すると、タイマを作動させ、このタイマに
よって計測した経過時間が時間Ts に達すると、立ち上
げ暖房を終了するようにしている。なお、この時間Ts
としては、室温tr が設定温度ts に達するまでの時間
以内であれば任意に設定することができる。また、この
ときのビスカスヒータ30を停止(立ち上げ暖房の終
了)させるタイミングは、室温tr が設定温度ts より
所定の温度(例えば数°C)だけ低い状態を予測して停
止させることがより好ましい。
【0070】以下に、図5に示すフローチャート、図6
(A)及び図6(B)を参照しながら、第2の実施の形
態を説明する。
【0071】図5には、第2の実施の形態に係る補助暖
房ルーチンの一例を示しており、このフローチャートで
は、最初のステップ100で補助暖房スイッチが入れら
れたと判断すると、ステップ102で初期環境条件を読
込み、ステップ114〜110では、読込んだ初期環境
条件に基づいて、補助暖房が必要か否かと共に、車両の
エンジン16がウォームアップ状態であるか否かを判断
し、補助暖房が必要ないか車両のウォームアップ状態で
ないと判断したときには、ステップ112へ移行して通
常制御を開始する。
【0072】ところで、車両がウォームアップ状態であ
り、かつ補助暖房が必要であると判断したときには、ス
テップ130へ移行してビスカスヒータ30の運転させ
て立ち上げ暖房を開始する。
【0073】一方、立ち上げ暖房を開始すると、ステッ
プ150では、環境条件として主に冷却水の水温tw
測定を行い、次のステップ152では、冷却水の水温t
w が所定の温度tws2 に達したか否かの判定を行う。
【0074】ここで、冷却水の水温tw が、所定の温度
ws2 に達すると(ステップ152で肯定判定)、ステ
ップ154へ移行してタイマをリセット/スタートさせ
て、冷却水の水温tw が所定の温度tws2 に達してから
の経過時間Tの計測を開始する。このとき、環境条件に
かかわらずビスカスヒータ30の運転は継続される。
【0075】この後、タイマによって計測している経過
時間Tが所定の時間Ts に達すると、ステップ156で
肯定判定されて、ステップ158へ移行する。このステ
ップ158では、ビスカスヒータ30を停止させて、車
両のウォームアップ時の立ち上げ暖房を終了する。
【0076】図6(A)に示されるように、車両のウォ
ームアップ時にビスカスヒータ30を用いることによ
り、ヒータコア12へ供給される冷却水の水温tw を上
昇させ、最初の冷却水の水温が低く暖房能力が小さい状
態でも、この暖房能力を大きくして暖房を行うことがで
きる。
【0077】ここで、冷却水の水温tw が所定の温度t
ws2 に達すると、通常は、ビスカスヒータ30を停止さ
せるが、本実施の形態では、ビスカスヒータ30を停止
させずに、ビスカスヒータ30の運転を所定の時間Ts
だけ延長する。
【0078】これによって、室温tr はさらに上昇を続
けて、設定温度ts に近づく。この後、図6(A)及び
図6(B)に示すように、所定の時間Ts が経過する
と、立ち上げ暖房を終了してビスカスヒータ30を停止
させる。このときには、車室内は十分に暖房され、室温
r が設定温度ts に接近した状態となる。
【0079】したがって、第2の実施の形態において
も、車両のウォームアップ状態のときに、車室内が十分
に暖房されていない状態で暖房能力が下げられることに
よる暖房不足感を生じさせることがない。また、室温が
低下している車室内を急速にかつ十分に暖房することが
できる。
【0080】立ち上げ暖房時にビスカスヒータ30の運
転を延長する時間Ts としては、室温tr が設定温度t
s に近づくまでの時間であることが好ましく、実験結果
等によって予め設定したもので良い。
【0081】このような立ち上げ暖房時のビスカスヒー
タ30の運転を延長する時間Ts としては、室温tr
しくはエンジン冷却水の水温tw の立ち上がり(変化度
合い)を検出し、立ち上がりが早い程(変化度合いが大
きい程)、時間Ts を短くすることが好ましい。すなわ
ち、ウォームアップ時の環境条件等によって時間Ts
設定するようにしてもよい。
【0082】また、室温tr もしくはエンジン冷却水の
水温tw の立ち上がりを直接検出しても良いが、間接的
に検出するものであっても良い。間接的に検出する手段
としては、外気温度(外気温Ta )、日射量、車速、エ
ンジン回転数等の検出値を用いることができる。例えば
外気温が高い場合には、室温tr もしくはエンジン冷却
水の水温tw の立ち上がりが早いと判断してビスカスヒ
ータ30の運転を延長する時間Ts が短くなるように設
定すれば良い。
【0083】さらに、室温センサ56を有しない車両に
おいても、実験結果等により予め設定された時間Ts
用いることにより補助暖房装置の停止を遅らせて、室内
を十分に暖房することができる。
【0084】なお、以上説明した第1及び第2の実施の
形態は、本発明の構成を限定するものではなく、本発明
は、必要に応じて補助暖房手段を作動させて、暖房効率
を上昇させる種々の車両用暖房装置に適用することがで
きる。第1及び第2の実施の形態では、補助暖房手段と
して、粘性流体の摩擦熱によって冷却水を加熱するビス
カスヒータを用いたが、任意の燃料を燃焼させることに
よって冷却水を加熱する燃焼方式を用いた補助暖房手段
であっても良い。
【0085】また、補助暖房手段としては、冷却水を加
熱するのではなく、電熱式のヒータを用いて、ヒータコ
ア12を通過する空気を加熱する電気ヒータ等の従来公
知の種々の補助暖房手段を用いることができる。
【0086】さらに、第1及び第2の実施の形態では、
冷却水の初期水温twoから車両がウォームアップ状態で
あるか否かを判断するときに、通常制御に用いる所定の
温度tws1 を基準にしたが、これにより低い温度(例え
ば約50°C)を基準としても良く、また、初期室温t
roと初期外気温度taoとの差等の種々の環境条件を用い
ることができる。これによって、車両がウォームアップ
状態であるか否かをより的確に判断することができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明では、車両が
ウォームアップ状態であると判断されるときには、補助
暖房手段の停止を遅らせて、室内を十分に暖房するよう
にしている。また、本発明では、車両がウォームアップ
状態であると判断されたときには、室温が設定温度に達
するまで補助暖房手段を運転するようにしている。
【0088】これによって、冷却水の水温が低くまた、
車室内の温度も低い状態で暖房を開始しても、急速に車
室内の温度を上昇させることができ、暖房能力が不足し
ていると感じさせることがない優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用した暖房装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】補助暖房手段としてモチイルビスカスヒータの
一例を示す概略断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る補助暖房の制御の一例
を示すフローチャートである。
【図4】(A)は図3のフローチャートに基づいた冷却
水の水温の変化と室温の変化の概略を示す線図、(B)
は(A)の線図に応じたビスカスヒータのオン/オフの
タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係る補助暖房の制御の一例
を示すフローチャートである。
【図6】(A)は図5のフローチャートに基づいた冷却
水の水温の変化と室温の変化の概略を示す線図、(B)
は(A)の線図に応じたビスカスヒータのオン/オフの
タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 暖房装置 12 ヒータコア(暖房手段) 16 エンジン 30 ビスカスヒータ(補助暖房手段) 52 暖房ECU(ウォームアップ検出手段、補助暖
房制御手段、計測手段) 54 操作パネル 56 室温センサ(ウォームアップ検出手段、室内温
度検出手段) 58 外気温センサ 60 水温センサ(ウォームアップ検出手段、水温測
定手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジン冷却水によって車室内へ
    吹出す空気を加熱する暖房手段によって車室内を暖房す
    る車両用暖房装置であって、前記暖房手段による暖房に
    用いる前記エンジン冷却水又は前記暖房手段によって加
    熱される空気をさらに加熱する補助暖房手段と、前記エ
    ンジン冷却水の温度を測定する水温測定手段を含む環境
    条件検出手段の検出結果に基づいて前記車両のウォーム
    アップ状態を検出するウォームアップ検出手段と、前記
    水温測定手段によって測定したエンジン冷却水の温度が
    所定値に達してからの経過時間を計測する計測手段と、
    前記ウォームアップ検出手段の検出結果から前記車両が
    ウォームアップ状態であると判定されたときに前記計測
    手段による計測時間が所定時間に達するまで前記補助暖
    房手段を作動させる補助暖房制御手段と、を含むことを
    特徴とする車両用暖房装置。
  2. 【請求項2】 車両のエンジン冷却水によって車室内へ
    吹出す空気を加熱する暖房手段によって車室内を暖房す
    る車両用暖房装置であって、前記暖房手段による暖房に
    用いる前記エンジン冷却水又は前記暖房手段によって加
    熱される空気をさらに加熱する補助暖房手段と、車室温
    度を検出する室内温度検出手段と、車両のウォームアッ
    プ状態を検出するウォームアップ検出手段と、前記ウォ
    ームアップ検出手段の検出結果から前記車両がウォーム
    アップ状態であると判定されたときに前記室温検出手段
    の検出温度が所定値に達するまで前記補助暖房手段を作
    動させる補助暖房制御手段と、を含むことを特徴とする
    車両用暖房装置。
  3. 【請求項3】 前記ウォームアップ検出手段が、前記エ
    ンジン冷却水の温度を測定する水温測定手段を含み、前
    記暖房制御手段が前記エンジン冷却水の温度が所定温度
    以下のときに前記車両がウォームアップ状態であると判
    断することを特徴とする請求項2に記載の車両用暖房装
    置。
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