JP4682440B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機のならし運転を自動化した車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置における圧縮機のならし運転は、車両の組立終了後(空調装置の車両搭載後)に、車両組立ラインにて作業者の操作により行っていた。具体的には、車両組立ラインにて車両エンジンの稼働中に作業者が空調操作パネルの圧縮機作動指令スイッチを投入して圧縮機を起動し、且つ、車両エンジンの回転数を所定回転数(例えば、2000rpm以下の回転数)とし、そして、所定時間(例えば、2分間)の間、圧縮機の運転を継続することにより、圧縮機のならし運転を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の圧縮機のならし運転では、車両エンジンの回転数設定およびならし運転の継続時間のカウントを作業者の判断に頼っているので、車両エンジンの回転数が所定回転数を超えてしまったり、ならし運転の継続時間が所定時間以下になってしまう場合がある。
【0004】
ところで、空調用冷凍サイクル内の潤滑油は最初、圧縮機内に規定量封入されているが、圧縮機のならし運転を規定条件にて確実に行わないと、圧縮機の軸受け部等の潤滑必要箇所に潤滑油を十分供給することができない。そのため、上記前者の場合には、圧縮機の各部の潤滑必要箇所に潤滑油を十分行き渡らせる前に圧縮機が高速回転して、圧縮機の潤滑不足による耐久性低下等の不具合が生じる。
【0005】
また、上記後者の場合には、圧縮機のならし運転が不十分のまま、空調装置が通常運転として起動され、その起動時に圧縮機が高速回転して、やはり圧縮機の潤滑不足による耐久性低下等の不具合が生じる。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、圧縮機のならし運転をオート制御により所定条件にて正確に行うことができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両搭載後における、圧縮機(40)の最初の起動を判定する判定手段(S10〜S40)と、判定手段(S10〜S40)が圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間、運転させる制御手段(S50、S70、S80)とを備え、
制御手段(S50、S70、S80)は、圧縮機(40)の最初の起動によりタイマー時間のカウントを開始するタイマー手段(S70)を有し、
圧縮機(40)の最初の起動による運転中に、圧縮機(40)の回転数が所定回転数より高くなると、圧縮機(40)の運転を中断するとともに、タイマー手段(S70)のタイマー時間のカウントを中断し、
圧縮機(40)の回転数が所定回転数以下になると、圧縮機(40)を再起動するとともに、タイマー手段(S70)のタイマー時間のカウントを再開することを特徴とする。
【0008】
これにより、圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、オート制御により圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間、運転させることができるので、圧縮機のならし運転をオート制御により所定条件にて正確に行うことができる。従って、圧縮機のならし運転不足に起因する圧縮機の耐久性低下等の不具合を未然に防止できる。
しかも、請求項1に記載の発明では、圧縮機(40)の最初の起動による運転中(ならし運転中)に圧縮機(40)の回転数が所定回転数より高くなると、直ちに、圧縮機(40)の運転を中断して圧縮機(40)の潤滑不足による耐久性低下を未然に防止できる。この中断の間はタイマー手段(S70)のカウントも中断する。
そして、圧縮機(40)の回転数が所定回転数以下に低下すれば、圧縮機(40)のならし運転を再開してタイマー手段(S70)のカウントも再開するから、圧縮機(40)の運転を一時的に中断する場合にも、圧縮機(40)のならし運転を確実に実施できる。
【0009】
次に、請求項2に記載の発明では、車両搭載後における、圧縮機(40)の最初の起動を判定する判定手段(S10〜S40)と、判定手段(S10〜S40)が圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間、運転させる制御手段(S50、S70、S80)とを備え、
圧縮機(40)の所定回転数以下の運転を所定時間終了したことを記憶する記憶手段を、電源遮断時にも記憶状態を保持できるメモリーにより構成することを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明と同様に、圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、オート制御により圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間、運転させることができるので、圧縮機のならし運転をオート制御により所定条件にて正確に行うことができる。従って、圧縮機のならし運転不足に起因する圧縮機の耐久性低下等の不具合を未然に防止できる。
しかも、請求項2に記載の発明では、圧縮機(40)の所定回転数以下の運転を所定時間終了したことを記憶する記憶手段を、電源遮断時にも記憶状態を保持できるメモリーにより構成しているから、圧縮機(40)の最初の起動時にならし運転を一度実施すると、その後は記憶手段への電源供給が遮断されても、ならし運転の終了情報を記憶保持して、ならし運転を複数回実施することを防止できる。つまり、ならし運転を一度実施すれば、その後はいつも圧縮機(40)を通常作動させて、圧縮機(40)の性能を通常通り発揮できる。
請求項に記載の発明のように、圧縮機(40)を車両エンジン(43)により駆動するものにおいて、判定手段(S10〜S40)により、車両搭載後における、車両エンジン(43)の最初の起動と圧縮機(40)の作動指令スイッチ(35)の投入とに基づいて、圧縮機(40)の最初の起動を判定することができる。
【0010】
また、請求項に記載の発明のように、圧縮機(40)を車両エンジン(43)により駆動するものにおいて、判定手段(S10)により車両搭載後における、車両エンジン(43)の最初の起動のみに基づいて、圧縮機(40)の最初の起動を判定するようにしてもよい。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態の全体構成図であり、空調装置1の空調ケース2は車室内前部の計器盤内側に配置され、車室内へ向かって流れる空気の通路を形成する。空調ケース2の上流端には内外気切替箱3が設けられ、この内外気切替箱3内の内外気切替ドア4により内気吸入口5と外気吸入口6とを開閉することにより、車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)を切替導入する。内外気切替箱3の下流側には送風機7が配置され、送風機7のケース8に遠心式送風ファン9が収納され、駆動用モータ10にて送風ファン9を回転駆動する。
【0018】
次に、送風機7の下流側には冷房用熱交換器として蒸発器11が配置されている。この蒸発器11は車両エンジン43により駆動される圧縮機40を持つ冷凍サイクルに設けられるものであって、蒸発器11に流入した低圧冷媒が送風機7の送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する。
【0019】
なお、圧縮機40には動力断続用の電磁クラッチ41が備えられ、車両エンジン43の動力が電磁クラッチ41を介して伝達される。
【0020】
空調ケース2内で、蒸発器11の下流側に車両エンジン43の温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する温水式ヒータコア(暖房用熱交換器)12が配置されている。そして、この温水式ヒータコア12の側方にはバイパス通路13が形成されて、温水式ヒータコア12をバイパスして空気が流れるようになっている。
【0021】
蒸発器11とヒータコア12の間に板状ドアからなるエアミックスドア14が回動可能に配置されている。このエアミックスドア14は温度調節手段であり、温水式ヒータコア12を通過する温風とバイパス通路13を通過する冷風との風量割合を調節することにより車室内への吹出空気温度を調節する。温水式ヒータコア12からの温風とバイパス通路13からの冷風が温水式ヒータコア12下流側で混合して所望温度の空気を作り出すことができる。
【0022】
さらに、空調ケース2の下流端部には、吹出モード切替部を構成するデフロスタ開口部15とフェイス開口部16とフット開口部17が開口している。デフロスタ開口部15は図示しないデフロスタダクトを介して車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すもので、回動自在な板状のデフロスタドア15aにより開閉される。
【0023】
また、フェイス開口部16は図示しないフェイスダクトを介して車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すもので、回動自在な板状のフェイスドア16aにより開閉される。また、フット開口部17は図示しないフットダクトを介して車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すもので、回動自在な板状のフットドア17aにより開閉される。
【0024】
上記した吹出モードドア15a、16a、17aは共通のリンク機構18に連結され、このリンク機構18を介してサーボモータからなる電気駆動装置19により駆動される。なお、内外気切替ドア4およびエアミックスドア14も、それぞれサーボモータからなる電気駆動装置20、21により駆動される。
【0025】
なお、本実施形態においては、吹出モードドア15a、16a、17aの開閉により、フェイス開口部16を全開してフェイス開口部16から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモードと、フェイス開口部16とフット開口部17の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモードと、フット開口部17を全開するとともにデフロスタ開口部15を小開度だけ開口して、フット開口部17から主に空気を吹き出し、デフロスタ開口部15から少量の空気を吹き出すフットモードと、デフロスタ開口部15およびフット開口部17を同程度開口することにより、フットモードに比較してフット開口部17からの吹出風量を減少させ、デフロスタ開口部15からの吹出風量を増加させるフットデフロスタモードと、デフロスタ開口部15を全開してデフロスタ開口部15から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとを設定できるようになっている。
【0026】
次に、本実施形態における電気制御部の概要を説明すると、空調用電子制御装置22はCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。空調用電子制御装置22には、空調制御のために、温水温度Tw、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、蒸発器冷却度合としての蒸発器吹出温度Te、エアミックスドア14の実際の開度θ、車速SPD、車両エンジン43の回転数Ne等を検出する各センサ群23〜29aから検出信号が入力される。
【0027】
更に、車室内の計器盤周辺に配置される空調操作パネル30には、乗員により手動操作される下記の操作部材が備えられ、この操作部材の操作信号も空調用電子制御装置22に入力される。
【0028】
空調操作パネル30の操作部材としては、温度設定信号Tsetを発生する温度設定器31、送風機7の風量切替信号を発生する風量スイッチ32、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ33、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ34、冷凍サイクルの圧縮機40用の電磁クラッチ41のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ35、空調の自動制御モードを設定するオートスィッチ36等が設けられている。エアコンスイッチ35は圧縮機40の作動指令スイッチを構成する。
【0029】
送風機7のファン駆動用モータ10は駆動回路37により印加電圧が制御され、このモータ印加電圧の制御により送風機7の回転速度を調整する。また、圧縮機40の電磁クラッチ41への電源供給は駆動回路38により断続される。空調用電子制御装置22には、車両エンジン43のイグニッションスイッチ39を介して車載バッテリ42から電源が供給される。
【0030】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図2のフローチャートは空調用電子制御装置22のマイクロコンピュータにより実行される制御処理の概要を示し、図2の制御ルーチンは、車両エンジン43のイグニッションスイッチ39がオンされて制御装置22に電源が供給されるとスタートする。
【0031】
先ず、ステップS10において、車両組立後のイグニッションスイッチ39の最初のオン状態であるか判定する。つまり、車両組立ラインにて車両が自走可能状態まで組み立てられた後の最初のイグニッションスイッチオン状態であるか判定する。
【0032】
この判定方法は具体的には種々な方法で実行可能であり、その具体的一例を述べると、空調用電子制御装置22に、イグニッションスイッチ39のオン回数をカウントするカウンタを設けておき、このカウンタの工場出荷時のカウント数を「0」に初期化しておき、車両組立後のイグニッションスイッチ39の最初のオンによりカウンタのカウント数が必ず「1」となるようにしておく。
【0033】
これにより、上記カウンタのカウント数が「1」であるときは車両組立後のイグニッションスイッチ39の最初のオン状態であると判定でき、上記カウンタのカウント数が「2」以上であるときは車両組立後のイグニッションスイッチ39の最初のオン状態でないと判定できる。
【0034】
ステップS10の判定がYESであると、ステップS20に進み、タイマー時間t=0に初期化し、また、圧縮機40のならし運転フラグF=1に初期化する。次のステップS30では、エアコンスイッチ35がオン状態(換言すると圧縮機40の起動)であるか判定する。
【0035】
エアコンスイッチ35は圧縮機40のならし運転を行うために車両組立ラインの作業者の手動操作によりオン状態となる。ステップS30の判定がYESであると、ステップS40に進み、ならし運転フラグFが「1」であるか判定する。ここで、車両組立後の最初のイグニッションスイッチ39のオン状態、すなわち、空調装置の車両搭載後における最初のエアコンスイッチ35のオン状態であると、ステップS20によりフラグFが「1」になっているので、ステップS40の判定がYESとなり、ステップS50に進み、エンジン回転数Neが所定回転数以下であるか判定する。
【0036】
このステップS50による判定は、具体的には、図3(a)のように、エンジン回転数Neの判定値として1500rpmと2000rpmを設定して圧縮機40の断続作動にヒステリシス幅を設けている。
【0037】
エンジン回転数Neが2000rpm以下であると、ステップS50の判定がYESとなり、ステップS60に進み、蒸発器吹出温度Teが所定温度以上であるか判定する。このステップS60による判定は、具体的には、図3(b)のように、蒸発器吹出温度Teの判定値として3℃と4℃を設定して、圧縮機40の断続作動にヒステリシス幅を設けている。なお、ステップS50、S60によるヒステリシス幅は圧縮機40の断続作動のハンチングを防止するためのものである。
【0038】
ステップS60の判定がYESであると、ステップS70に進み、圧縮機40の電磁クラッチ41に駆動回路38により電源を供給し、電磁クラッチ41をオン状態とし、圧縮機40を起動する。これと同時に、タイマーのカウントを開始する。このタイマーは圧縮機40のならし運転の時間を所定時間に規定するためのものであり、本例では、このならし運転の時間を2分間に設定している。
【0039】
そこで、ステップS80では、タイマーのカウント時間tが2分間を超過したか判定する。タイマーのカウント時間tが2分間以内であるときはステップS80からステップS30に戻り、圧縮機40のならし運転、すなわち、圧縮機40の回転数を所定回転数以下に制限した運転状態を継続する。
【0040】
タイマーのカウント時間tが2分間を超過すると、ステップS80の判定がYESとなり、次のステップS90に進み、ならし運転フラグF=0にして、次のステップS100にて圧縮機40を通常作動させ、ならし運転を終了する。ここで、圧縮機40の通常作動とは、圧縮機回転数を所定回転数以下に制限しない運転状態を言う。
【0041】
一方、タイマーのカウント時間tが2分間を超過しない間に、もし、エンジン回転数Ne(すなわち、圧縮機回転数)が所定回転数より高くなると、ステップS50からステップS110に進み、電磁クラッチ41への電源供給を遮断し、圧縮機40を停止する。また、タイマーのカウント時間tが2分間を超過しない間に、もし、蒸発器吹出温度Teが所定温度より低下すると、ステップS60からステップS110に進み、同様に圧縮機40を停止する。
【0042】
上記のように、ならし運転の途中に圧縮機40が停止され、ならし運転が中断されたときは、上記タイマーのカウントも中断する。そして、エンジン回転数Ne(すなわち、圧縮機回転数)が再び、所定回転数以下となり、また、蒸発器吹出温度Teが再び、所定温度以上になると、ステップS70に進み、圧縮機40を再起動し、タイマーのカウントを再開する。
【0043】
従って、圧縮機40のならし運転が中断した場合にも、、圧縮機40の回転数を所定回転数以下に制限した圧縮機ならし運転を再開して、圧縮機ならし運転を自動制御により正確に所定時間実行することができる。
【0044】
なお、イグニッションスイッチ39のオン回数をカウントするカウンタのカウント数、およびならし運転フラグFは、マイクロコンピュータの不揮発性メモリ(電源供給の遮断状態でも情報の記憶を保持するメモリ手段)に記憶されているので、イグニッションスイッチ39のオフ状態、更には、車載バッテリの交換時等の電源供給の遮断時にも、イグニッションスイッチ39のオン回数情報、およびならし運転フラグFの情報は記憶保持されている。
【0045】
従って、車両組立後におけるイグニッションスイッチ39の2回目以降のオン状態では、ステップS10の判定がNOとなり、ステップS20をバイパスして、直接、ステップS30に進み、エアコンスイッチ35がオン状態であるか判定する。エアコンスイッチ35がオン状態であれば、ステップS40に進み、ならし運転フラグFが「1」であるか判定する。
【0046】
車両組立後におけるイグニッションスイッチ39の最初のオンにより圧縮機40のならし運転を終了していると、ステップS90にてならし運転フラグFが「0」になっているので、ステップS40の判定がNOとなり、ステップS100に直接進み、圧縮機40を起動当初から通常運転させる。なお、ステップS30にて、エアコンスイッチ35がオフ状態であると、ステップS120に進み、圧縮機40を起動しない。
【0047】
(他の実施形態)
なお、上記の一実施形態では、ステップS30にてエアコンスイッチ35のオン状態を判定したときに、圧縮機40のならし運転を自動制御により行うようにしているが、車両組立後におけるイグニッションスイッチ39の最初のオン(すなわち、最初のエンジン起動)に連動して、圧縮機40のならし運転を自動制御により行うようにしてもよい。
【0048】
すなわち、上記の一実施形態におけるステップS30の判定を無くして、車両組立後におけるイグニッションスイッチ39の最初のオン(すなわち、最初のエンジン起動)を判定すると、ステップS20からステップS40に直接進み、圧縮機40のならし運転を自動制御により行うようにしてもよい。
【0049】
また、上記の一実施形態では、圧縮機40の駆動源が車両エンジン43である場合について説明したが、圧縮機40の駆動源が電気自動車のように電動モータである場合にも本発明は適用できる。圧縮機40の駆動源の如何に関係なく、要は、空調装置を車両に搭載後、圧縮機40を最初に起動する条件を判定し、この条件を判定したときに、圧縮機40を所定回転数以下にて所定時間運転させる制御(ならし運転の制御)を自動的に行えばよい。
【0050】
また、上記の一実施形態では、ステップS50にてエンジン回転数Neが所定回転数以下であるか判定しているが、このステップS50の判定はエンジン回転数Neに応動する圧縮機40の回転数を所定回転数以下に制御するためのものであるから、エンジン回転数Neの代わりに圧縮機40の回転数を検出して、圧縮機回転数が所定回転数以下であるか判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用空調装置の全体システム図である。
【図2】本発明の一実施形態の作動を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS50、S60の説明図である。
【符号の説明】
22…空調用電子制御装置、40…圧縮機。

Claims (4)

  1. 車両搭載後における、圧縮機(40)の最初の起動を判定する判定手段(S10〜S40)と、
    前記判定手段(S10〜S40)が前記圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、前記圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間運転させる制御手段(S50、S70、S80)とを備え、
    前記制御手段(S50、S70、S80)は、前記圧縮機(40)の最初の起動によりタイマー時間のカウントを開始するタイマー手段(S70)を有し、
    前記圧縮機(40)の最初の起動による運転中に、前記圧縮機(40)の回転数が所定回転数より高くなると、前記圧縮機(40)の運転を中断するとともに、前記タイマー手段(S70)のタイマー時間のカウントを中断し、
    前記圧縮機(40)の回転数が所定回転数以下になると、前記圧縮機(40)を再起動するとともに、前記タイマー手段(S70)のタイマー時間のカウントを再開することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車両搭載後における、圧縮機(40)の最初の起動を判定する判定手段(S10〜S40)と、
    前記判定手段(S10〜S40)が前記圧縮機(40)の最初の起動を判定すると、前記圧縮機(40)を所定回転数以下にて所定時間運転させる制御手段(S50、S70、S80)とを備え、
    前記圧縮機(40)の所定回転数以下の運転を所定時間終了したことを記憶する記憶手段を、電源遮断時にも記憶状態を保持できるメモリーにより構成することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記圧縮機(40)は車両エンジン(43)により駆動されるようになっており、
    前記判定手段(S10〜S40)は、車両搭載後における、車両エンジン(43)の最初の起動と前記圧縮機(40)の作動指令スイッチ(35)の投入とに基づいて、前記圧縮機(40)の最初の起動を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記圧縮機(40)は車両エンジン(43)により駆動されるようになっており、
    前記判定手段(S10)は、車両搭載後における、車両エンジン(43)の最初の起動のみに基づいて、前記圧縮機(40)の最初の起動を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
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