JPH10202492A - 鋳物のシール面の加工方法及びその方法に使用される砥石 - Google Patents

鋳物のシール面の加工方法及びその方法に使用される砥石

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JPH10202492A
JPH10202492A JP9010603A JP1060397A JPH10202492A JP H10202492 A JPH10202492 A JP H10202492A JP 9010603 A JP9010603 A JP 9010603A JP 1060397 A JP1060397 A JP 1060397A JP H10202492 A JPH10202492 A JP H10202492A
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sealing
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元志 中村
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雅史 山口
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和哉 中田
Morihiro Sawada
盛寛 沢田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B24D7/00Bonded abrasive wheels, or wheels with inserted abrasive blocks, designed for acting otherwise than only by their periphery, e.g. by the front face; Bushings or mountings therefor
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下で使用される鋳物における鋳造欠陥
や、ある程度の大きさのひけ巣を形状に係わらず良好に
修正する。 【解決手段】 本発明に係る鋳物のシール面の加工方法
は、砥石1を構成する砥粒17の先端に形成されたフラ
ット面17fを鋳物のシール面に対してほぼ平行に保持
した状態で、その鋳物のシール面を研削することを特徴
とする。このため、その鋳物のシール面に塑性流動層が
形成されて、シール面から所定深さ内にある鋳巣が効率
的に潰される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳物のシール面及
びその近傍に形成された鋳造欠陥を修正する方法及びそ
の方法に使用される砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳物では、ひけ巣により洩れてはならな
い部位で圧洩れが生じる場合がある。このような場合の
救済として、従来は、化学薬品を小さな空洞に浸透させ
て埋める方法(含浸)が多く使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含浸に
よる方法ではひけ巣の大きさや形状によっては修正が困
難な場合がある。また、シリンダブロック等、高温下で
使用される鋳物の鋳造欠陥の修正には使用するのが難し
い。そこで、請求項1、請求項2及び請求項3に記載の
発明は、高温下で使用される鋳物の鋳造欠陥を修正可能
にするとともに、ある程度の大きさのひけ巣であっても
形状に係わらず良好に修正できるようにすることを目的
とするものである。また、請求項4に記載の発明は、請
求項3の目的に加えて、シール部材のコストダウン等を
図ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する鋳物のシール面の加工方法及びその方法に
使用される砥石によって解決される。即ち、請求項1に
記載された鋳物のシール面の加工方法は、砥石を構成す
る砥粒の先端に形成されたフラット面を鋳物のシール面
に対してほぼ平行に保持した状態で、その鋳物のシール
面を研削することを特徴とする。請求項1の発明による
と、砥粒のフラット面で鋳物のシール面を擦ることによ
り研削を行うため、研削抵抗が大きくなり、その鋳物の
シール面に塑性流動層が形成される。これによって、シ
ール面から所定深さ内にある鋳巣が効率的に潰される。
このように、鋳物のシール面に塑性流動層を形成するこ
とにより鋳巣を潰す方式のため、高温下で使用される鋳
物の鋳造欠陥でも確実に修正することができる。また、
ある程度の大きさのひけ巣であっても形状に係わらず修
正が可能となる。さらに、表面を塑性流動させることに
より、表面硬さをHv30程度高めることができるので、シ
ール面がへたってシール性が低下することはない。
【0005】また、請求項2に記載された砥石は、先端
にフラット面が形成された複数の砥粒を、各々の砥粒の
フラット面が同一面上に位置するように配置したことを
特徴とする。このため、請求項2に記載された砥石によ
っても、請求項1の発明を実施することができる。
【0006】また、請求項3に記載の発明は、鋳物のシ
ール面のうちシール部材のシールラインと接触する部分
に倣って押圧部材を移動させながらそのシールラインと
接触する部分を押圧し、前記シール面から所定深さ内に
ある鋳巣を潰すことを特徴とする。請求項3の発明によ
ると、押圧部材でシール面のうちシール部材のシールラ
インと接触する部分を押圧することにより、シール面か
ら所定深さ内にある鋳巣を潰す方式のため、請求項1の
場合と同様に、高温下で使用される鋳物の鋳造欠陥でも
確実に修正することができる。また、ある程度の大きさ
のひけ巣であっても形状に係わらず修正が可能となる。
さらに、シール面のうちシール部材のシールラインと接
触する部分のみを押圧するため、押圧エネルギーは小さ
くなり、鋳物全体の歪みが小さくなる。ここで、押圧部
材により鋳巣を潰した後は、その押圧により生じた凹み
がなくなるまで仕上げ加工をするが、所定深さ内の鋳巣
は潰されているので、仕上げ加工を行っても不都合は生
じない。
【0007】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載された鋳物のシール面の加工方法において、シー
ル部材のシールラインを構成する突条をセットできるよ
うに、鋳物のシール面を溝状に塑性変形させることを特
徴とする。請求項4に記載の発明によると、鋳物のシー
ル面を押圧することにより生じた溝部をシール部材のセ
ット用に使用できるため、鋳巣を潰した後の仕上げ加工
が不要になる。また、シール部材の位置決めも容易にな
る。また、従来のように、シール面が平らな場合に、シ
ール部材の突条の全屈を防止するのに必要であったスト
ッパ等が不要となる。このため、シール部材のコストダ
ウンを図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下、図1〜図5に基づいて本発
明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール面の加工方法
の説明を行う。本実施の形態に係る鋳物のシール面の加
工方法は、アルミ鋳造品であるシリンダブロックwの上
面wu(以下、シール面wuという)を研削加工するこ
とにより、そのシール面wuから所定深さ内にある鋳造
欠陥を修正するものである。ここで、図1は本実施の形
態に係る鋳物のシール面の加工方法で使用される研削砥
石の縦断面図、B-B 矢視図及び要部詳細図であり、図2
は研削加工の様子を表す側面図である。
【0009】前記研削砥石1は、図1に示されるよう
に、円板部12を備えており、その円板部12の中央に
研削機の回転軸R(図2参照)と嵌合する取付け孔14
が形成されている。また、前記円板部12の下端面には
端縁に24個のボルト頭部16が円周方向に等間隔で固
定されている。前記ボルト頭部16は、各々の先端面1
6fが同一平面上に位置するように高さを揃えた状態で
円板部12に固定されている。そして、それぞれのボル
ト頭部16の先端面16fにダイヤモンド砥粒17がボ
ンド18で保持されている(図1(C),(D)参
照)。なお、図(D)は、図(C)のD部拡大図であ
る。さらに、前記ボルト頭部16に保持されたダイヤモ
ンド砥粒17は、ダイヤモンドドレッサによりツルーイ
ングされて、先端面がフラットな形状に成形され(図1
(D)参照)、各々のダイヤモンド砥粒17の先端面
(以下、フラット面17fという)が同一平面上に保持
される。また、前記ダイヤモンド砥粒17のフラット面
17fの周囲には傾斜面17tが形成されており、その
傾斜面17tがフラット面17fに対して負のすくい角
θを形成している。
【0010】次に、前記研削砥石1を使用して本実施の
形態に係る鋳物のシール面の加工方法の説明を行う。先
ず、シリンダブロックwを規定の位置に位置決めする。
次に、図2に示されるように、前記研削機(図示されて
いない)により研削砥石1を回転させながら水平に移動
し、シリンダブロックwのシール面wuを切り込み量0.
1mm 以上で研削加工する。これによって、前記シリンダ
ブロックwのシール面wuはダイヤモンド砥粒17のフ
ラット面17fと傾斜面17tとによって研削される。
このように、ダイヤモンド砥粒17のフラット面17f
でシリンダブロックwのシール面wuを擦ることにより
研削を行うため、研削抵抗が大きくなり、そのシリンダ
ブロックwのシール面wuに、図6(A)の写真に示さ
れるような塑性流動層が形成される。これによって、シ
ール面wuから所定深さ内にある鋳巣が効率的に潰され
る。なお、図6(B)は、フライス加工した場合のシー
ル面wuの組織写真である。
【0011】ここで、前記ダイヤモンド砥粒17のフラ
ット面17fの面積はシリンダブロックwのシール面w
uが粗さ 9μRz以下になるように調整され、前記粗さが
9μRzよりも大きくなるときにはダイヤモンドドレッサ
によりツルーイングしてフラット面17fの面積を大き
くする。
【0012】図3は、No.1シリンダブロックwのシー
ル面wuを本実施の形態に係る研削砥石1で研削した場
合と、同じくNo.1シリンダブロックwのシール面wu
をフライス加工した場合の鋳巣の残存状況を比較したも
のである。図における黒丸は研削砥石1で研削した場合
の残存鋳巣を表しており、黒丸一個が鋳巣一個に相当す
る。同様に、白丸はフライス加工した場合の残存鋳巣を
表しており、白丸一個が鋳巣一個に相当する。また、黒
丸、白丸の位置によって鋳巣の最大長さと、シール面w
uからその鋳巣までの深さを知ることができる。ここ
で、研削条件は、枠I 、枠IIの部分は研削砥石1の回転
数が2500rpm 、送り速度が500mm/分 、枠III の部分は
研削砥石1の回転数が5000rpm 、送り速度が1000mm/ 分
、枠IV、枠V の部分は研削砥石1の回転数が5000rpm
、送り速度が500mm/分 である。また、フライスによ
る切削条件は、回転数が2000rpm(切削速度1257m/分) 、
送り速度2100mm/ 分( 一刃あたりの送り0.15mm) であ
る。
【0013】図3に示されるように、シール面wuをフ
ライス加工した場合には、長さ0.5mm 以上の鋳巣が深さ
0.9mm の位置に50個、深さ1.3mm の位置に37個、深さ1.
7mmの位置に47個、深さ2.1mm の位置に51個残存してい
る。これに対して、本実施の形態に係る研削砥石1でシ
ール面wuを研削した場合には、そのシール面wuに塑
性流動層が形成されることにより所定深さ内にある鋳巣
が効率的に潰される。このため、研削砥石1の回転数が
2500rpm 、送り速度が500mm/分の条件で研削した場合に
は深さ0.7mm の位置に 3個、深さ1.1mm の位置に 6個し
か残存していない。また、研削砥石1の回転数が5000rp
m 、送り速度が1000mm/ 分の条件で研削した場合には深
さ1.5 の位置に 2個、回転数が5000rpm 、送り速度が50
0mm/分の条件で研削した場合には深さ1.9mm の位置に 4
個、深さ2.5 の位置に 2個しか残存していない。
【0014】図4は、No.2シリンダブロックwのシー
ル面wuを本実施の形態に係る研削砥石1で研削した場
合と、同じくNo.2シリンダブロックwのシール面wu
をフライス加工した場合の鋳巣の残存状況を比較したも
のである。フライス加工の切削条件は図3の場合と同じ
である。この結果、長さ0.5mm 以上の鋳巣が深さ0.5mm
の位置に29個、深さ1.1mm の位置に32個、深さ1.7 の位
置に38個、深さ2.3mm の位置に44個、深さ2.9mm の位置
に44個残存している。これに対して、本実施の形態に係
る加工方法では、研削砥石1の回転数が8000rpm 、送り
速度が1000mm/ 分の条件で研削した場合には深さ0.9mm
の位置に 1個しか残存していない。また、研削砥石1の
回転数が6000rpm 、送り速度が800mm/分の条件で研削し
た場合には深さ1.5mm の位置に 5個、回転数が6000rpm
、送り速度が1000mm/ 分の条件で研削した場合には深
さ2.1mm の位置に 4個しか残存していない。
【0015】図5は、No.3シリンダブロックwのシー
ル面wuを本実施の形態に係る研削砥石1で研削した場
合と、同じくNo.3シリンダブロックwのシール面wu
をフライス加工した場合の鋳巣の残存状況を比較したも
のである。フライス加工の切削条件は図3の場合と同じ
である。この結果、長さ0.5mm 以上の鋳巣が深さ0.5mm
の位置に54個、深さ1.1mm の位置に83個、深さ1.5mm の
位置に 112個、深さ2.1mm の位置に 118個残存してい
る。これに対して、本実施の形態に係る加工方法では、
研削砥石1の回転数が6000rpm 、送り速度が800mm/分の
条件で研削した場合には深さ0.9mm の位置に 3個、深さ
1.3mm の位置に 4個、深さ1.9mm の位置に 5個、深さ2.
5mm の位置に 3個しか残存していない。
【0016】このように、本実施の形態に係るシール面
の加工方法によると、シリンダブロックwのシール面w
uに塑性流動層を形成することにより鋳巣を潰す方式の
ため、高温下で使用されるシリンダブロックwの鋳造欠
陥でも確実に修正することができる。また、ある程度の
大きさのひけ巣であっても形状に係わらず修正が可能
で、残存鋳巣数を大幅に減らすことができる。
【0017】図7は、本実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法で使用される別の研削砥石の縦断面図、B-
B 矢視図及び要部詳細図を表している。前記研削砥石5
0は、円板部52を備えており、その円板部52の中央
に研削機の回転軸R(図2参照)と嵌合する取付け孔5
4が形成されている。また、前記円板部52の下面の端
縁にはその円板部52と同軸に円筒形のリング部材56
がボルト56bにより固定されている。前記リング部材
56の下端面56fは、図7(C)に示されるように、
中央よりも内周側が前記円板部52と平行に成形されて
おり、中央よりも外周側が若干傾斜している。そして、
前記リング部材56の下端面56fに複数のダイヤモン
ド砥粒57がボンド58により保持されている(図7
(C),(D)参照)。また、前記リング部材56の下
端面56fには、一定の間隔で半径方向にスリット56
sが形成されている。なお、前記ダイヤモンド砥粒57
は前述の研削砥石1のダイヤモンド砥粒17と等しい形
状に加工される。このような研削砥石50を使用して鋳
物のシール面を加工しても前述のような作用、効果を得
ることができる。
【0018】〔第2の実施の形態〕以下、図8〜図11
に基づいて本発明の第2の実施の形態に係る鋳物のシー
ル面の加工方法の説明を行う。本実施の形態に係る鋳物
のシール面の加工方法は、アルミ鋳造品であるシリンダ
ブロックwのシール面wuを押圧工具によってガスケッ
トのシールラインに倣って押圧し、そのシール面wuか
ら所定深さ内にある鋳造欠陥を修正するものである。こ
こで、図6は前記押圧工具の側面図及び要部断面図であ
り、図7は押圧工具により押圧されたシール面wuの形
状を表す断面図である。
【0019】前記押圧工具20は、図8に示されるよう
に、ロボットのハンド又は工作機械の主軸(図示されて
いない)に取付けられる固定部22と、その固定部22
の先端に関節部24yを介して装着されている可動部2
4とを有している。また、前記固定部22の内部には高
圧の液体を収納する空間(図示されていない)が形成さ
れており、この空間が可動部24の軸方向に形成された
貫通孔23と連通している。さらに、前記可動部24の
貫通孔23は先端部分で大径化しており、その部分にワ
ークを押圧するセラミック製の球体25が貫通孔23を
塞ぐように回転可能な状態で収納されている。また、前
記可動部24の先端には前記球体25を貫通孔23内に
保持する押さえリング24rが形成されている。
【0020】このため、前記球体25がワークを押圧し
ていない状態では、その球体25は液体の加圧力により
押さえリング24rの円錐面23kに当接し、前記球体
25は可動部24から最も突出した状態に保持される。
また、前記球体25がワークを押圧してその球体25に
液体の加圧力以上の反力が加わると、その球体25は押
さえリング24rから離れて貫通孔23内を軸方向に変
位し、液体の加圧力のみで支えられる。したがって、前
記球体25を押さえリング24rから離すようにすれ
ば、自動的に液体の加圧力でワークを押圧できるように
なる。
【0021】次に、前記押圧工具20を使用して本実施
の形態に係る鋳物のシール面の加工方法の説明を行う。
先ず、シリンダブロックwを規定位置に位置決めする。
次に、押圧工具20を装着したロボットを駆動させて、
その押圧工具20の可動部24に設けられた球体25を
シリンダブロックwのシール面wuに押しつける。この
とき、前記押圧工具20に供給される液体の圧力は40MP
a(約400kg/cm2)に保持される。そして、前記球体25が
液体の加圧力で前記シール面wuを押圧している状態
で、その球体25をシール面wuのうちガスケット30
(図8参照)のシールラインと接する部分wm(図9参
照 以下、シール部wmという)に倣って移動させる。
このとき、前記球体25を移動させる速度は1000mm/ 分
に設定されている。
【0022】図7(B)は、前記球体25を上記した方
法で一回だけシール部wmに倣って移動させたときの前
記シール面wuの断面形状を表している。一回の加工に
よって、シール部wmは深さ0.12mmの浅溝状に塑性変形
する。なお、図における二点鎖線は加工前のシール面w
uを表している。また、図7(A)は、同じ方法で三回
加工したときの前記シール面wuの断面形状を表してい
る。ここで、三回加工する場合には、図7(C)に示さ
れるように、一回目はシリンダブロックwの外側寄りを
加工し、二回目は押圧工具20を寸法 2×d(3mm)だけ内
側にずらして内側寄りを加工し、三回目は押圧工具20
を寸法 d(1.5mm) だけ外側にずらして中央を加工する。
これによって、前記シール部wmは深さ0.26mmの浅溝状
に塑性変形する。この結果、シール部wmから所定深さ
内にある鋳巣が潰されて鋳造欠陥が修正される。
【0023】このようにして、シリンダブロックwのシ
ール面wuの加工が終了すると、図8(B)に示される
ように、浅溝状に塑性変形したシール部wmにガスケッ
ト30のビード部32を合わせ、その上にシリンダヘッ
ド(図示されていない)をセットして、そのシリンダヘ
ッドをシリンダブロックwにボルト止めする。これによ
って、前記ガスケット30のビード部32がたわみシリ
ンダヘッドとシリンダブロックwとの間のシールが行わ
れる。即ち、前記ガスケット30が本発明のシール部材
に相当する。
【0024】このように、本実施の形態に係るシール面
の加工方法によると、押圧工具20の球体25でシール
面wuのシール部wmを押圧して、そのシール部wmか
ら所定深さにある鋳巣を潰す方式のため、高温下で使用
されるシリンダブロックwの鋳造欠陥でも確実に修正す
ることができる。また、ある程度の大きさのひけ巣であ
っても形状に係わらず修正が可能となる。さらに、シー
ル面wuのうちシール部wmのみを押圧するため、加工
エネルギーが小さくなり、シリンダブロックwの歪みが
小さくなる。
【0025】また、ガスケット30のビード部32をセ
ットできるように、シール部wmを溝状に塑性変形させ
るため、前記ガスケット30の位置決めが容易になる。
また、図8(A)に示されるように、シール部wmが平
らな場合に、ガスケット30のビード部32の全屈を防
止するのに必要であったストッパ34が不要となる。こ
のため、ガスケット30のコストダウンを図れるととも
に、ストッパ34の面圧に起因したシリンダブロックw
のボアの変形を防止できる。
【0026】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、この本発明の実施の形態には請求の範囲に記載し
た技術的事項以外に次のような技術的事項を有するもの
であることを付記しておく。 (1) 請求項2に記載された砥石において、砥粒は金
属製の砥石本体にボンドにより保持された後、ツルーイ
ングされてその先端がフラット面に加工されることを特
徴とする砥石。これによって、フラット面を効率的に成
形することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、鋳物のシール面から所
定深さ内にある鋳巣が効率的に潰されるため、高温下で
使用される鋳物の鋳造欠陥でも確実に修正できるととも
に、ある程度の大きさのひけ巣であっても形状に係わら
ず修正が可能となる。このため、鋳造欠陥を無害化で
き、鋳物の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法に使用される砥石の縦断面図、B-B 矢視
図、C 詳細図、D 詳細図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法を表す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法によって加工された鋳物のシール面と、フ
ライス加工された鋳物のシール面との鋳巣の残存状況を
比較したグラフである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法によって加工された鋳物のシール面と、フ
ライス加工された鋳物のシール面との鋳巣の残存状況を
比較したグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法によって加工された鋳物のシール面と、フ
ライス加工された鋳物のシール面との鋳巣の残存状況を
比較したグラフである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法によって加工された鋳物のシール面の組織
写真(A)と、フライス加工された鋳物のシール面の組
織写真(B)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法に使用される別の砥石の縦断面図、B-B 矢
視図、要部詳細図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法に使用される押圧工具の側面図、要部詳細
図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る鋳物のシール
面の加工方法によって加工された鋳物のシール面の断面
図である。
【図10】平坦な鋳物のシール面にガスケットをセット
した状態を表す縦断面図(A)、及び、本発明の第2の
実施の形態に係る鋳物のシール面の加工方法によって加
工された鋳物のシール面にガスケットをセットした状態
を表す縦断面図(B)である。
【図11】鋳物のシール面を表す平面図である。
【符号の説明】
w シリンダブロック(鋳物) wu シール面 wm シール部 1 研削砥石 17 ダイヤモンド砥粒 17f フラット面 17t 傾斜面 20 押圧工具 25 球体 30 ガスケット(シール部材) 32 ビード部(シールライン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 和哉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 沢田 盛寛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石を構成する砥粒の先端に形成された
    フラット面を鋳物のシール面に対してほぼ平行に保持し
    た状態で、その鋳物のシール面を研削することを特徴と
    する鋳物のシール面の加工方法。
  2. 【請求項2】 先端にフラット面が形成された複数の砥
    粒を、各々のフラット面が同一面上に位置するように配
    置したことを特徴とする砥石。
  3. 【請求項3】 鋳物のシール面のうちシール部材のシー
    ルラインと接触する部分に倣って押圧部材を移動させな
    がらそのシールラインと接触する部分を押圧し、前記シ
    ール面から所定深さ内にある鋳巣を潰すことを特徴とす
    る鋳物のシール面の加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された鋳物のシール面の
    加工方法において、シール部材のシールラインを構成す
    る突条をセットできるように、鋳物のシール面を溝状に
    塑性変形させることを特徴とする鋳物のシール面の加工
    方法。
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